JP2002257975A - 制御棒制御装置 - Google Patents

制御棒制御装置

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JP2002257975A JP2002010952A JP2002010952A JP2002257975A JP 2002257975 A JP2002257975 A JP 2002257975A JP 2002010952 A JP2002010952 A JP 2002010952A JP 2002010952 A JP2002010952 A JP 2002010952A JP 2002257975 A JP2002257975 A JP 2002257975A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘導電動機をオンオフ制御で駆動して制御棒を
駆動する場合であってかつギャング駆動の際に、駆動中
及び停止時の各制御棒の位置に生じる偏差を低減する。 【解決手段】本システムで制御される対象となる原子炉
5内には、制御棒6が複数本配置されている。複数の制
御棒6の駆動源にそれぞれ誘導電動機7を接続される。
制御棒位置は誘導電動機7及び電磁ブレーキ15への電
力供給を制御する制御棒駆動補助盤3の半導体スイッチ
ング素子13Bによって制御される。制御棒位置が目標
位置に対してあらかじめ定めた手前の値に達したら、該
半導体スイッチング素子13Bにより誘導電動機7及び
電磁ブレーキ15への電力供給を遮断し、電磁ブレーキ
15を作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御棒制御装置に
係り、特に沸騰水型原子炉に用いられる制御棒制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】改良型沸騰水型原子力発電所(ABW
R)の出力制御は、電動駆動型の制御棒駆動装置で制御
棒を操作することによって行われる。電動駆動型の制御
棒駆動装置は、ステップモータ,ステップモータに連結
されたボールスクリューネジ,ボールスクリューネジと
噛み合うボールナット、およびボールナットに取り付け
られて軸方向に伸びる連結棒を備え、制御棒の微駆動が
可能である。この制御棒駆動装置は、ステップモータ回
転軸に連結された電磁ブレーキを有する。連結棒が原子
炉内にある制御棒に連結される。制御棒が原子炉の炉心
内に出し入れされることによって原子炉出力が制御され
る。原子炉出力の制御要求の一つに、運転員の制御棒停
止要求に基づき、できる限り遅れ時間がなく制御棒を停
止させることがある。
【0003】制御棒の操作は、中央制御室制御棒操作監
視盤からの操作指令により、制御棒動作手順に基づき行
われる。ステップモータは、速度制御回路からのパルス
信号により動作する。また、ステップモータの速度制御
は、パルス電流の周波数を変えることにより行われる。
制御棒停止時は、速度制御回路から、ステップモータの
回転を低下するため、周波数の低いパルス信号を出力し
て回転数を下げる。ステップモータが最終的に止まった
時点で、電磁ブレーキが作動する。電磁ブレーキは、制
御棒駆動中は一斉作動せず、ステップモータ停止制御時
にも作動しない。電磁ブレーキの作動により、ステップ
モータ停止後において制御棒の自重で制御棒が移動する
ことが防止される。なお、ステップモータによる制御棒
操作に関連する技術としては、特開昭55−143604号公報
および特開昭57−208880号公報に記載されているものが
ある。
【0004】ステップモータにより制御棒の微駆動を可
能にした場合、多くのステップモータ用電源盤、および
布設ケーブルが必要になる。このため、ステップモータ
の替りに誘導電動機の適用が検討されている。誘導電動
機は、1次側の固定子と2次側の回転子を備える。2次
巻線は、電磁誘導作用によって固定子より電気エネルギ
ーを受け、エアギャップを通じてこれを機械エネルギー
に変換させて、回転子を回転させ、機械動力を発生す
る。
【0005】この誘導電動機は、ステップモータとは原
理が異なっており、ステップモータのようにパルス信号
で回転数を制御できない。また、誘導電動機のディテン
トトルクはほぼ0に等しく、固定子側の電流を0にして
も回転子は回る。そのため、誘導電動機を停止させるた
めには、外部から摩擦等によって止める制動ブレーキ、
または励磁電流の位相を制御してダイナミックに制動を
かける制動機構が必要になる。誘導電動機による制御棒
駆動に関する技術としては、特開昭61−59287号公報に
記載されたものがある。これは、誘導電動機の励磁電流
の位相を制御してダイナミックに制動をかけて停止時の
位置決め精度を高めるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】原子炉の起動時間およ
び出力制御時間の短縮を目的として複数の制御棒を同時
に操作するギャング操作が考えられている。ステップモ
ータは引加するパルスの数に対応した量だけ回転するの
で、ステップモータを用いた場合には、このパルス数を
制御することにより、制御棒を目標位置まで正確に移動
できる。このため、ギャング操作時に、複数の制御棒を
同時に同一の目標位置に移動させることができる。
【0007】誘導電動機を適用した場合は、誘導電動機
をオンオフ制御で駆動して制御棒を駆動すると、ステッ
プモータの場合に必要であった電力変換器および速度制
御装置が不要になり、設備を簡略化低減できる。しかし
ながら、誘導電動機は電磁ブレーキのブレーキ力によっ
てその位置が保持されるが、誘導電動機起動時にはこの
ブレーキ力を解除する必要がある。ギャング操作開始時
にそれぞれの誘導電動機の起動タイミングおよび電磁ブ
レーキの作動タイミングがずれると、それぞれの誘導電
動機の起動時の回転数の上昇過程が異なる。このため、
駆動中のそれぞれの制御棒の位置がずれてしまう。さら
に、停止時にはブレーキ性能に依存して停止位置が決ま
るため、それぞれの電磁ブレーキの動作タイミングがず
れると停止時のそれぞれの制御棒の位置が異なってしま
う。つまり、制御棒駆動源に誘導電動機を適用した場合
には、ギャング操作において駆動中および停止時に各制
御棒の位置に偏差が生じる可能性がある。各制御棒の位
置に偏差が生じると、出力分布の対称性が崩れて燃料に
熱的なストレスを与える可能性がある。従来はこの点に
関して何ら検討されていなかった。
【0008】本発明の目的は、制御棒駆動装置に誘導電
動機を適用した場合において、ギャング操作の際に、各
制御棒の停止位置の偏差を低減できる制御棒制御装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する第1
発明の特徴は、制御棒に連結され誘導電動機により駆動
される複数の制御棒駆動装置と、前記制御棒駆動装置毎
に設けられ、電力の供給停止により前記誘導電動機の回
転を制止させる電磁ブレーキと、ギャング操作すべき複
数の制御棒に対する操作指令を出力する制御棒操作指令
出力手段と、制御棒駆動装置毎に設けられて前記制御棒
操作指令出力手段からの前記操作指令を入力し、この操
作指令に含まれた制御棒操作目標位置及び測定された制
御棒位置に基づいて前記制御指令の出力及びその出力停
止を行う電力遮断決定手段と、前記電力遮断決定手段か
ら出力された前記操作指令に基づいて前記誘導電動機及
び前記電磁ブレーキへの電力供給をオンし、前記電力遮
断決定手段の前記操作指令の出力停止により前記誘導電
動機及び前記電磁ブレーキへの電力供給をオフする半導
体スイッチング素子を有し、前記制御棒駆動装置毎に設
けられた電力制御手段とを備えたことにある。
【0010】半導体スイッチング素子の動作遅れが極め
て短くかつそのバラツキも小さいので、半導体スイッチ
ング素子を用いて誘導電動機及び電磁ブレーキへの電力
供給をオンオフ制御することにより、ギャング操作を行
う誘導電動機の起動及び電磁ブレーキのブレーキ力解除
のタイミング、及び電磁ブレーキのブレーキ力作動に伴
う誘導電動機の回転停止のタイミングのずれが、ギャン
グ操作を行う各制御棒において小さくなる。このため、
制御棒駆動装置に誘導電動機を適用した場合において、
ギャング操作の際に、各制御棒の停止位置の偏差を低減
できる。このため、炉心の水平断面においてギャング操
作された各制御棒の位置での原子炉出力がほぼ均一化で
き、熱的制限値等を考慮した炉心運転管理がしやすくな
る。
【0011】上記目的を達成する第2発明の特徴は、制
御棒駆動装置毎に設けられて前記制御棒操作指令出力手
段からの前記操作指令を入力し、この操作指令に含まれ
た制御棒操作目標位置及びギャング操作される複数の制
御棒のうち先頭の位置にある前記制御棒の位置に基づい
て設定された電力遮断位置に、測定された制御棒位置が
達したときに、前記入力した操作指令の出力を停止する
電力遮断決定手段を備えることにある。
【0012】制御棒操作目標位置及び先頭の位置にある
前記制御棒の位置に基づいて設定された電力遮断位置
に、測定された制御棒位置が達したときに、前記入力し
た操作指令の出力を停止するので、各制御棒を操作する
該当の各制御棒駆動装置による制御棒の移動に差が生じ
ても(例えば、制御棒駆動装置におけるボール・スクリ
ューナットとの嵌合の度合,駆動履歴,経年変化等に起
因して)、ギャング操作の際に、各制御棒間での停止位
置の差を著しく低減できる。
【0013】上記目的を達成する第3発明の特徴は、前
記電力遮断位置が、前記制御棒操作目標位置から、前記
誘導電動機への電力供給の停止から前記誘導電動機の回
転停止までの前記制御棒の移動量を減じた値に設定され
ることにある。
【0014】誘導電動機への電力供給の停止から誘導電
動機の回転停止までの間、制御棒は若干移動する。この
ため、測定された制御棒位置が制御棒操作目標位置に達
したときに入力した操作指令の出力を停止すると、制御
棒が制御棒操作目標位置を超えて停止する。電力遮断位
置を、制御棒操作目標位置から、誘導電動機への電力供
給の停止から誘導電動機の回転停止までの制御棒の移動
量を減じた値に設定することによって、制御棒が制御棒
操作目標位置を超えて停止することが防止でき、ギャン
グ操作を行っている各制御棒を制御棒操作目標位置に精
度良く停止させることができる。
【0015】上記目的を達成する第4発明の特徴は、制
御棒駆動装置毎に設けられて前記制御棒操作指令出力手
段からの前記操作指令を入力し、この操作指令に含まれ
た制御棒操作目標位置に基づいて設定された第1制御棒
設定位置と、ギャング操作される複数の制御棒のうち先
頭の位置にある前記制御棒の位置に基づいて設定された
第2制御棒設定位置とが一致し、測定された制御棒位置
が前記第1制御棒設定位置または前記第2制御棒設定位
置に一致したときに、前記入力した操作指令の出力を停
止する電力遮断決定手段を備えたことにある。第4発明
は、第2発明と同じ作用効果を生じる。
【0016】上記目的を達成する第5発明の特徴は、前
記電力遮断決定手段が、前記制御棒操作指令出力手段か
ら入力した前記操作指令に含まれた制御棒操作目標位置
に基づいて、前記第1制御棒設定位置を設定する手段
と、ギャング操作される複数の制御棒のうち先頭の位置
にある前記制御棒の位置を判定する手段と、得られた前
記先頭の位置にある制御棒の位置よりも大きくした前記
第2制御棒設定位置を設定する手段と、前記第1制御棒
設定位置と前記第2制御棒設定位置とが一致したとき前
記第2制御棒設定位置を保持する手段と、前記保持され
た前記第2制御棒設定位置に測定された制御棒位置が一
致したときに、前記入力した操作指令の出力を停止させ
る手段とを有する電力遮断決定手段であることにある。
【0017】得られた先頭の位置にある制御棒の位置よ
りも大きくした第2制御棒設定位置を設定する手段、及
び第1制御棒設定位置と第2制御棒設定位置とが一致し
たとき第2制御棒設定位置を保持する手段を有し、保持
された第2制御棒設定位置に測定された制御棒位置が一
致したときに、入力した操作指令の出力を停止させるの
で、第1制御棒設定位置と第2制御棒設定位置とが一致
するまでは制御棒移動中の目標値が移動中の制御棒の現
在の位置よりも大きく離れないため、運転員のマニュア
ル指令で制御棒停止命令が入力されたとき、制御棒停止
命令が入力された時点の制御棒位置からあまりオーバー
ランさせないで制御棒を停止させることができる。運転
員がマニュアル指令で制御棒停止命令を入力させる例と
しては、例えば中性子束が急に上昇する事例がある。
【0018】上記目的を達成する第6発明の特徴は、前
記第1制御棒設定位置が、前記制御棒操作目標位置か
ら、前記誘導電動機への電力供給の停止から前記誘導電
動機の回転停止までの前記制御棒の移動量を減じた値に
設定され、前記第2制御棒設定位置が前記先頭の位置に
ある制御棒の位置に前記制御棒移動量以上の制御棒移動
量を加えた値に設定されることにある。
【0019】電力遮断位置を、制御棒操作目標位置か
ら、誘導電動機への電力供給の停止から誘導電動機の回
転停止までの制御棒の移動量を減じた値に設定すること
によって、第3発明と同様に、ギャング操作を行ってい
る各制御棒を制御棒操作目標位置に精度良く停止させる
ことができる。更に、第2制御棒設定位置が先頭の位置
にある制御棒の位置に前記制御棒移動量以上の制御棒移
動量を加えた値に設定されるので、マニュアル指令で制
御棒停止命令が入力されたとき、制御棒停止命令が入力
された時点の制御棒位置からのオーバーラン量を著しく
低減させて制御棒を停止させることができる。
【0020】上記目的を達成する第7発明の特徴は、制
御棒駆動装置毎に設けられて前記制御棒操作指令出力手
段からの前記操作指令を入力し、この操作指令に含まれ
た制御棒操作目標位置及び測定された制御棒位置に基づ
いて前記制御指令の出力及びその出力停止を行う電力遮
断決定手段と、前記電力遮断決定手段から出力された前
記操作指令に基づいて前記誘導電動機への電力供給をオ
ンし、前記電力遮断決定手段の前記操作指令の出力停止
により前記誘導電動機への電力供給をオフする第1半導
体スイッチング素子を有し、前記制御棒駆動装置毎に設
けられた第1電力制御手段と、交流電源に接続されて交
流を直流に変換する整流装置、及び前記電力遮断決定手
段の前記制御指令の出力停止により前記整流装置から前
記電磁ブレーキへの電力供給をオフする第2半導体スイ
ッチング素子を有し、前記制御棒駆動装置毎に設けられ
た第2電力制御手段とを備えていることにある。
【0021】整流装置を有し電磁ブレーキに第2半導体
スイッチング素子を介して直流が供給されるので、電磁
ブレーキが作動してから誘導電動機が停止するまでの時
間がより短くなる。このため、電磁ブレーキが作動して
から制御棒が停止するまでの移動距離が短くなるので、
制御棒駆動装置の負荷変動の影響を受けづらくなり、制
御棒の制御棒操作目標位置への位置決め精度が一層向上
する。
【0022】上記目的を達成する第8発明の特徴は、制
御棒駆動装置毎に設けられて前記制御棒操作指令出力手
段からの前記操作指令を入力し、この操作指令に含まれ
た制御棒操作目標位置及びギャング操作される複数の制
御棒のうち先頭の位置にある前記制御棒の位置に基づい
て設定された電力遮断位置に、測定された制御棒位置が
達したときに、前記入力した操作指令の出力を停止する
電力遮断決定手段を備えることにある。第8発明は、第
2発明の特徴によって得られる作用効果を生じる。
【0023】上記目的を達成する第9発明の特徴は、前
記電力遮断位置が、前記制御棒操作目標位置から、前記
誘導電動機への電力供給の停止から前記誘導電動機の回
転停止までの前記制御棒の移動量を減じた値であること
にある。第9発明は、第3発明の特徴によって得られる
作用効果を生じる。
【0024】上記目的を達成する第10発明の特徴は、
制御棒駆動装置毎に設けられて前記制御棒操作指令出力
手段からの前記操作指令を入力し、この操作指令に含ま
れた制御棒操作目標位置に基づいて設定された第1制御
棒設定位置と、ギャング操作される複数の制御棒のうち
先頭の位置にある前記制御棒の位置に基づいて設定され
た第2制御棒設定位置とが一致し、測定された制御棒位
置が前記第1制御棒設定位置または前記第2制御棒設定
位置に一致したときに、前記入力した操作指令の出力を
停止する電力遮断決定手段を備えたことにある。第10
発明は、第4発明の特徴によって得られる作用効果を生
じる。
【0025】上記目的を達成する第11発明の特徴は、
前記電力遮断決定手段が、前記制御棒操作指令出力手段
から入力した前記操作指令に含まれた制御棒操作目標位
置に基づいて、前記第1制御棒設定位置を設定する手段
と、ギャング操作される複数の制御棒のうち先頭の位置
にある前記制御棒の位置を判定する手段と、得られた前
記先頭の位置にある制御棒の位置よりも大きくした前記
第2制御棒設定位置を設定する手段と、前記第1制御棒
設定位置と前記第2制御棒設定位置とが一致したとき前
記第2制御棒設定位置を保持する手段と、前記保持され
た前記第2制御棒設定位置に測定された制御棒位置が一
致したときに、前記入力した操作指令の出力を停止させ
る手段とを有する電力遮断決定手段であることにある。
第11発明は、第5発明の特徴によって得られる作用効
果を生じる。
【0026】上記目的を達成する第12発明の特徴は、
前記第1制御棒設定位置が、前記制御棒操作目標位置か
ら、前記誘導電動機への電力供給の停止から前記誘導電
動機の回転停止までの前記制御棒の移動量を減じた値で
あり、前記第2制御棒設定位置が前記先頭の位置にある
制御棒の位置に前記制御棒移動量以上の制御棒移動量を
加えた値であることにある。第12発明は、第6発明の
特徴によって得られる作用効果を生じる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例である制御
棒制御装置を図1を用いて以下に説明する。本実施例の
制御棒制御装置は、誘導電動機を用いた電動駆動型の複
数の制御棒駆動装置18を備える。各制御棒駆動装置1
8は、誘導電動機7および誘導電動機7の回転軸に連結
された電磁ブレーキ15を備える。更に、制御棒駆動装
置18は、図示されていないが、誘導電動機7の回転軸
に連結されたボールスクリューネジ,ボールスクリュー
ネジと噛み合うボールナット、およびボールナットに取
り付けられて軸方向に伸びる連結棒を備える。
【0028】本実施例が適用されるABWRの原子炉5
内には、冷却水17に浸された状態で複数の燃料集合体
16が複数設置される。複数の制御棒6が燃料集合体1
6間に挿抜自在に配置される。各制御棒6は、それぞれ
結合器(例えば歯車または電磁クラッチ)20によって
別々の制御棒駆動装置18の連結棒に接続されている。
各制御棒6は、該当する制御棒駆動装置18の誘導電動
機7の駆動により操作される。炉心内の軸方向における
制御棒の位置を検出する制御棒位置検出器8が、設置さ
れる。
【0029】本実施例の制御棒制御装置は、制御棒駆動
装置18以外に、中央制御室に設けられた制御棒操作監
視盤1,誘導電動機7および電磁ブレーキ15の動作を
制御するための機器を有する制御棒駆動補助盤3、およ
び制御棒操作監視盤1からの制御棒操作指令の内容と現
在の制御棒の状態とを比較し、制御棒操作が必要な場合
に、制御棒駆動補助盤3に動作指令を出力する制御棒位
置伝送補助盤2を有する。制御棒位置伝送補助盤2及び
制御棒駆動補助盤3は、制御棒駆動装置18毎に設けら
れる。
【0030】制御棒操作監視盤1は、運転員が操作およ
び監視するための入出力機器(図示せず),複数の制御
棒6の引抜,挿入の手順、および動作量を予め定めた制
御棒動作手順を記憶する制御棒動作手順記憶部11、お
よび引抜/挿入指令を制御棒位置伝送補助盤2に出力す
る制御棒操作回路10を有する。入出力機器には、制御
棒の座標表示を行う表示装置,座標選択ボタン、および
制御棒動作モード,挿入,引抜等の操作指令ボタンの指
示入力器がある。運転員は、これらの機器により制御棒
の操作を指令する。しかし、運転員が操作すべき制御棒
を間違って選択することにより操作すべきでない制御棒
が引抜かれた場合には、原子炉の熱的余裕が逸脱し、危
険な状態になりかねない。これを防止するために、本実
施例は、制御棒動作手順記憶部11に記憶した制御棒動
作手順を用いて、運転員により選択された複数の制御棒
が、間違いなく操作すべき座標の制御棒であるか、ま
た、動作量が規定値を超えていないかを常に監視してい
る。
【0031】制御棒位置伝送補助盤2は、制御棒停止移
動量記憶手段21,励磁遮断目標位置作成手段22,励
磁遮断目標位置判定手段23,制御棒位置判定手段2
4,駆動中目標位置設定手段25、および操作指令遮断
手段26を有する。制御棒位置伝送補助盤2は、各々の
制御棒位置検出器8および制御棒操作監視盤1の各出力
信号をもとにして、制御棒位置が励磁遮断目標位置作成
手段22から出力する引抜/挿入の目標値まで達してい
なければ、制御棒引抜/挿入指令を制御棒駆動補助盤3
に出力する。一方、操作している制御棒の位置が励磁遮
断目標位置作成手段22から出力する引抜/挿入の目標
値と一致した場合には、制御棒引抜/挿入指令の出力を
遮断する。
【0032】交流電源が、ケーブル35により、制御棒
駆動補助盤3内の半導体スイッチング素子13Bおよび
誘導電動制御回路13を介して誘導電動機7に接続され
る。電磁ブレーキ15は、ケーブル36によってケーブ
ル35に接続される。制御棒駆動補助盤3は、誘導電動
機7及び電磁ブレーキ15に供給する電力をオン/オフ
する半導体スイッチング素子13B,制御棒引抜/挿入
指令(引抜きまたは挿入)に応じて誘導電動機7の回転
方向を設定する制御棒動作方向切換回路13A、および
制御棒引抜/挿入指令を受けて、半導体スイッチング素
子13Bのオンオフ制御を行うと共に誘導電動機7の回
転方向を設定する信号を制御棒動作方向切換回路13A
に出力する誘導電動制御回路13を有する。半導体スイ
ッチング素子13Bとしては、トランジスタおよびサイ
リスタ等がある。
【0033】ABWRでは、原子炉5に装荷された燃料
集合体16内に充填されている核燃料であるウラン等の
核反応によって発生する熱が、原子炉5内に充填された
冷却水17に伝えられる。冷却水17は沸騰して蒸気1
7Aになる。図示されていないが、タービンは、蒸気1
7Aの供給によって回転され、発電機を回転させる。核
燃料の核分裂の制御は、制御棒6の引抜/挿入の操作に
より行われる。制御棒6の炉心への挿入によって核燃料
の核分裂が抑制され、制御棒6の炉心からの引抜きによ
って核燃料の核分裂が促進される。
【0034】本実施例の制御棒制御装置による制御棒引
抜き操作を以下に説明する。ギャング操作すべき複数の
制御棒の操作シーケンスは、制御棒動作手順記憶部11
に記憶されている。図2は、その操作シーケンスのうち
の制御棒引抜き時におけるギャング操作の操作シーケン
スを示している。
【0035】制御棒操作においては、1本の制御棒のみ
を操作するのではなく、図2の制御棒座標に示すように
複数の制御棒を1つのグループとして同時に操作するギ
ャング操作を実施する。このギャング操作は、原子炉プ
ラントの起動時間の短縮及び制御棒操作の省力化を達成
することができる。例えば、制御棒グループ番号が1と
示されている制御棒は26本あり、このグループの制御
棒が最初に同時に操作される。制御棒の操作に関する情
報は、図2において制御棒の引抜シーケンスとして示さ
れている。引抜シーケンス中の操作情報は、制御棒操作
リミット,ガイドパターン及び引抜番号を含む。制御棒
操作リミットは制御棒の操作目標位置を示す情報で、ガ
イドパターンは制御棒の連続的操作及びステップ的操作
を示す情報であり、引抜番号は引抜操作の順番を示す情
報である。制御棒をステップ的に操作するケースとして
は、ステップ操作とノッチ操作がある。ノッチ操作は、
制御棒をステップ的に操作する際の移動量がステップ操
作よりも多い。
【0036】図2において、制御棒グループ番号1の全
制御棒は、引抜順番1でポジション18まで連続的に引
抜かれることが示されている。引抜順番2は操作順番1
に引き続いて操作されるものである。操作順番2におい
て、制御棒グループ番号1の全制御棒がポジション18
からポジション22までステップ操作で引抜かれる。引
抜順番3においては、制御棒グループ番号1の全制御棒
がポジション22からポジション48まで連続で引抜か
れる。なお、制御棒の炉心内での全挿入位置をポジショ
ン0とし、制御棒が炉心から全引抜きされている位置を
ポジション48としている。制御棒の微小移動の観点か
ら、制御棒の全挿入位置をポジション0とし、制御棒の
全引抜き位置をポジション200とする場合もある。
【0037】次の引抜順番4では、制御棒グループ番号
2の全制御棒に対して、ポジション18まで連続的に引
抜く操作が行われる。以下、図2の制御棒の引抜シーケ
ンスにしたがって、引抜順番の番号順にギャング操作に
よる制御棒の引抜きが行われる。引抜順番は、図2のC
の部分に示されている。
【0038】ギャング操作による制御棒の炉心内への挿
入は、図2の制御棒引抜き時におけるギャング操作の操
作シーケンスの逆の順番で行われる。
【0039】ギャング操作すべき複数の制御棒の操作
は、前述したように入出力機器を用いて運転員が入力し
た引抜制御棒座標(または挿入制御棒座標)および制御
棒操作モード(連続,ノッチ,ステップ)の指定、およ
び引抜指令(または挿入指令)といった制御棒操作指令
9を制御棒操作回路10が読み込むことによっても行わ
れる。しかしながら、以下におけるギャング操作による
制御棒引抜きは、制御棒操作回路10が、制御棒動作手
順記憶部11の制御棒引抜シーケンスから読み出した情
報(制御棒操作リミット,ガイドパターン及び引抜番
号)、及び入出力機器を用いて運転員が入力した引抜指
令(または挿入指令)を含む制御棒操作指令9を、制御
棒位置伝送補助盤2の励磁遮断目標位置作成手段22に
出力することにより行われる。この制御棒操作指令9
は、引抜指令及び引抜制御棒座標の情報を含んでいる。
なお、制御棒操作回路10は、運転員が引抜指令を入出
力機器から入力すると、制御棒動作手順記憶部11の制
御棒引抜シーケンスを読み出す。
【0040】制御棒停止移動量記憶手段21は、誘導電
動機7への電力供給を遮断する指令が半導体スイッチン
グ素子13Bに出力されてから制御棒6が停止するまで
に移動する制御棒移動量を記憶する。励磁遮断目標位置
作成手段22は、制御棒操作回路10から入力した引抜
目標位置、および制御棒停止移動量記憶手段21から読
み出した制御棒移動量を基に、引抜目標位置に対してこ
の制御棒移動量だけ手前の励磁遮断目標位置(=(引抜目
標位置)−(制御棒移動量))を作成する。この励磁遮断目
標位置が最終的には誘導電動機7への電力供給を遮断
し、かつ電磁ブレーキ15を作動させる制御棒位置にな
る。制御棒が電力遮断目標位置に達したとき、誘導電動
機7への電力供給が遮断され、かつ電磁ブレーキ15が
作動してから上記の制御棒移動量だけ制御棒6が移動し
て制御棒は引抜目標位置に停止する。励磁遮断目標位置
作成手段22で作成された励磁遮断目標位置は、励磁遮
断目標位置判定手段23に出力される。
【0041】全制御棒に対応して設けられた全ての制御
棒位置検出器8の出力は、制御棒位置判定手段24に入
力される。制御棒位置判定手段24は、励磁遮断目標位
置作成手段22が入力したギャング操作の対象となる各
制御棒の制御棒座標(例えば、図2において制御棒グル
ープ番号1の各制御棒に対する(02,39)及び(0
2,23)等)を入力する。制御棒位置判定手段24
は、制御棒座標で示されたギャング操作される該当の各
制御棒に対応する制御棒位置検出器8から、測定された
制御棒位置信号を入力する。制御棒位置判定手段24
は、これらの制御棒位置信号に基づいて、制御棒6の移
動方向(この場合、引抜方向)に対して先頭の制御棒の
制御棒位置を検出する。駆動中目標位置設定手段25
は、制御棒位置判定手段24から出力された先頭の制御
棒の制御棒位置と移動加算量記憶手段27から読み出さ
れた移動加算量とを加えて移動中の制御棒の目標位置を
作成する。上記移動加算量は、誘導電動機7への電力供
給を遮断する指令を半導体スイッチング素子13Bに出
力してから制御棒6が停止するまでに移動する制御棒移
動量またはその移動量以上の値である。つまり、現在先
頭の制御棒の制御棒位置にこの移動加算量を加えて移動
中の制御棒の目標位置とするために、移動によって先頭
の制御棒の制御棒位置が変わると、移動中の制御棒の目
標位置も更新される。なお、駆動中目標位置設定手段2
5は、先頭の制御棒の制御棒位置が上記の移動中の制御
棒の目標位置に到達したとき、その更新が停止される。
駆動中目標位置設定手段25から出力される移動中の制
御棒の目標位置は、励磁遮断目標位置判定手段23およ
び保持手段28に入力される。
【0042】励磁遮断目標位置判定手段23は、励磁遮
断目標位置作成手段22の出力と駆動中目標位置設定手
段25の出力を比較し、これらが一致したときに「移動
中の制御棒の目標位置」を保持手段28に保持させるた
めの保持指令信号を保持手段28に出力する。保持手段
28は、保持指令信号を入力するまで、駆動中目標位置
設定手段25から出力された「移動中の制御棒の目標位
置」をそのまま目標位置判定手段29に出力する。自己
制御棒位置検出手段30は、操作される自己の制御棒の
位置を検出するものである。
【0043】目標位置判定手段29は、保持手段28の
出力信号と自己制御棒位置検出手段30の出力である制
御棒位置とを比較し、これらが一致したときに遮断手段
開信号を操作指令遮断手段26に出力する。操作指令遮
断手段26は、遮断手段開信号の入力により開放され
て、励磁遮断目標位置作成手段22から出力された引抜
指令(引抜方向,駆動オン)の、制御棒駆動補助盤3の
誘導電動機制御回路13への伝送を阻止する。一方、目
標位置判定手段29は、保持手段28の出力信号と自己
制御棒位置検出手段30からの制御棒位置とが一致しな
いときに遮断手段閉信号を出力する。操作指令遮断手段
26は、遮断手段閉信号の入力により閉じられ、励磁遮
断目標位置作成手段22から出力された引抜指令を誘導
電動機制御回路13に伝える。
【0044】なお、複数の制御棒を同時に操作する際
に、負荷条件(例えば、制御棒駆動装置18のボール・
スクリューナットとの嵌合の度合,駆動履歴,経年変化
等)によって該当する各制御棒間のわずかな位置ずれに
起因して、制御棒が該当する引抜目標位置を大きく超え
て停止することが、移動方向に対して先頭の制御棒の制
御棒位置を基にして移動目標位置を設定してギャング操
作をする各制御棒を移動させることによって、防止でき
る。更に、本実施例は、駆動中目標位置設定手段25が
「先頭の制御棒の制御棒位置」と「移動加算量」とを加
えて「駆動中の制御棒の目標位置」を作成することによ
り、制御棒の現在位置に対して大きな移動目標量を与え
ることがないので、制御棒位置判定手段24および移動
加算量記憶手段27に異常が発生しても制御棒を誤って
大きく移動させることを防止できる。
【0045】誘導電動機制御回路13は、遮断手段閉信
号により操作指令遮断手段26が閉じられているとき
に、励磁遮断目標位置作成手段22から出力された引抜
指令を入力する。誘導電動機制御回路13は、入力した
指令が引抜指令および挿入指令のいずれに該当するか判
定する。誘導電動機制御回路13は、引抜指令であると
判定した場合に、引抜であることを示す信号(第1切替
指令)を制御棒動作方向切換回路13Aに出力すると共
に、半導体スイッチング素子13Bをオンする。このた
め、交流電力がケーブル35により半導体スイッチング
素子13Bおよび制御棒動作方向切換回路13Aを介し
て誘導電動機7に供給される。同時に、その電力がケー
ブル35および36を介して電磁ブレーキ15に供給さ
れ、誘導電動機7の回転を阻止している電磁ブレーキ1
5のブレーキ力が解除される。誘導電動機7が制御棒6
を引抜く方向に回転し始める。制御棒6は、炉心から引
抜かれる方向に移動する。
【0046】目標位置判定手段29が遮断手段開信号を
出力したとき、励磁遮断目標位置作成手段22から誘導
電動機制御回路13への指令(引抜指令または挿入指令)
の入力が停止される。誘導電動機制御回路13は、引抜
指令の入力停止により半導体スイッチング素子13Bを
オフする。誘導電動機7および電磁ブレーキ15への電
力供給が停止され、誘導電動機7の励磁が解除されると
共に電磁ブレーキ15のブレーキ力が働く。このため、
ギャング操作を行った各制御棒6は、同一の引抜目標位
置に停止できる。
【0047】特に、半導体スイッチング素子13Bの応
答遅れ時間は極めて短い。このため、半導体スイッチン
グ素子13Bを設けることによって、ギャング操作開始
時にそれぞれの制御棒駆動装置18の誘導電動機7の起
動タイミングおよび電磁ブレーキ15の作動タイミング
がずれることがなく、駆動中のそれぞれの制御棒の位置
がずれない。更に、誘導電動機7の回転停止時にはブレ
ーキ性能に依存して誘導電動機7の回転停止位置が決ま
るが、それぞれの制御棒駆動装置18の電磁ブレーキ1
5の作動タイミングがずれることがないので、それぞれ
の制御棒の停止位置を引抜目標位置に一致させることが
できる。この結果、ギャング操作を行った各制御棒の位
置に偏差を生じさせることがなく、原子炉出力分布の対
称性が崩れて燃料集合体内の燃料棒に熱的なストレスを
与えない。
【0048】本実施例は、誘導電動機7および電磁ブレ
ーキ15に電力を供給するケーブルの一部を共有してい
るので、約200本ある制御棒に対するケーブルを大幅
に削減できる。この点を考慮しなければ、図7の実施例
のように誘導電動機7および電磁ブレーキ15に分離し
た別々のケーブルによって電力を供給してもよい。
【0049】ギャング操作を行う各制御棒6を炉心内に
挿入するとき、制御棒操作回路10は、運転員が入力す
る挿入指令に基づいて制御棒動作手順記憶部11の制御
棒挿入シーケンスから読み出した挿入制御棒座標,制御
棒操作リミット,ガイドパターン及び挿入番号、更に運
転員が入力した挿入指令を含む制御棒操作指令9を作成
し、この制御棒操作指令9を励磁遮断目標位置作成手段
22に出力する。励磁遮断目標位置作成手段22は、制
御棒操作回路10から入力した引抜目標位置、および読
み出した制御棒移動量を基に、挿入目標位置に対してこ
の制御棒移動量だけ手前の励磁遮断目標位置(=(挿入目
標位置)−(制御棒移動量))を作成する。目標位置判定手
段29は、保持手段28の出力信号と自己制御棒位置検
出手段30の出力である制御棒位置とを比較し、引抜操
作の場合と同様に遮断手段開信号または遮断手段閉信号
を出力する。遮断手段閉信号が出力されたとき、励磁遮
断目標位置作成手段22から出力された挿入指令(挿入
方向,駆動オン)が操作指令遮断手段26を介して誘導
電動機制御回路13に伝えられる。誘導電動機制御回路
13は、挿入であることを示す信号(第2切替指令)を
制御棒動作方向切換回路13Aに出力すると共に、半導
体スイッチング素子13Bをオンする。電磁ブレーキ1
5のブレーキ力が解除される。誘導電動機7は、引抜き
のときと逆方向に回転し、制御棒6を炉心内に挿入す
る。遮断手段開信号によって操作指令遮断手段26が開
放されて誘導電動機制御回路13への挿入指令の入力が
阻止される。半導体スイッチング素子13Bがオフされ
て電磁ブレーキ15のブレーキ力が働き、ギャング操作
を行った各制御棒6は、同一の挿入目標位置に停止でき
る。
【0050】半導体スイッチング素子13Bの設置によ
り、制御棒挿入操作時においても、制御棒引抜き操作時
と同様な効果を生じる。
【0051】本実施例の作用を、制御棒引抜きを例とし
て具体的な数値を用いて以下に説明する。理解を容易に
するために、制御棒6の全挿入位置を0とし、全引抜位
置を200とする。目標引抜位置を100とし、現在の
制御棒6の位置を70とする。先頭の制御棒の制御棒位
置を71とする。制御棒停止移動量記憶手段21に記憶
されている制御棒移動量5とし、移動加算量記憶手段2
7に記憶されている移動加算量は5またはそれ以上であ
るが、本例では5とする。制御棒操作回路10から出力
される操作指令は引抜指令であるので、引抜目標位置は
100となり、励磁遮断目標位置作成手段22の出力で
ある励磁遮断目標位置は95となる。制御棒位置判定手
段24によって判定された先頭の制御棒の制御棒位置は
71であるため、駆動中目標位置設定手段25の出力で
ある駆動中の制御棒の目標位置は76となる。励磁遮断
目標位置判定手段23は入力の95と75を比較し、こ
れらが一致しないため保持手段28には保持指令を出力
しない。従って、保持手段28の出力は76となり、自
己制御棒位置検出手段30の出力である制御棒位置が7
0であるため、目標位置判定手段29は遮断手段閉信号
を出力するので、励磁遮断目標位置作成手段22から出
力された引抜指令(引抜方向,駆動オン)が誘導電動機
制御回路13に入力される。
【0052】このため、制御棒が炉心から引抜かれる。
この引抜きに伴って制御棒6の位置が大きくなり、駆動
中目標位置設定手段25の出力である駆動中の制御棒の
目標位置も増大する。駆動中目標位置設定手段25の出
力が95になると、励磁遮断目標位置作成手段22の出
力と一致するために、励磁遮断目標位置判定手段23は
保持指令を保持手段28に出力する。保持手段28は駆
動中目標位置設定手段25から出力される駆動中の制御
棒の目標位置である95を保持する。目標位置判定手段
29は自己制御棒位置検出手段30の出力と保持手段2
8の出力(値は95)とが一致したとき、駆動指令遮断
手段26に遮断手段開信号を出力する。この結果、操作
指令遮断手段26は励磁遮断目標位置作成手段22から
の引抜指令(引抜方向,駆動オン)を誘導電動機制御回
路13に伝えない。従って、誘導電動機7および電磁ブ
レーキ15は制御棒位置が95のときに電力供給が遮断
され、誘導電動機7の励磁が解除されると共に電磁ブレ
ーキ15のブレーキ力が働き、制御棒6は目標位置10
0で停止する。このように他の制御棒も動作し、ギャン
グ駆動の制御棒は目標位置100ですべて停止する。
【0053】以上、制御棒引抜を説明したが、制御棒挿
入のときには、駆動方向が逆だけであり同様である。た
だし、例えば、現在の制御棒位置が100から70に駆
動する場合に、目標位置70に対して手前の75で駆動
指令の遮断が行われる。また、駆動中目標位置設定手段
25から出力される駆動中の制御棒の目標位置は、先頭
の制御棒の制御棒位置より5ほど小さい値になる。
【0054】図3は、中央制御室からの制御棒操作指令
と、それに基づく誘導電動機7の動作および制御棒の移
動量との関係を示す。図3に示すように、制御棒動作指
令が引抜/挿入のいずれかに応じて、誘導電動機7の回
転方向が変化する。また、遮断手段開信号が出力された
ときは実質的に制御棒の停止指令が出されたときに相当
し、誘導電導機7は停止状態にある。また、制御棒引抜
量は、引抜指令が出た場合には増加し、遮断手段開信号
が出力された場合には一定となり、挿入指令が出力され
た場合には減少する。
【0055】次に、本発明の他の実施例である制御棒制
御装置を図4を用いて説明する。図1の実施例と同じ構
成は、同じ符号で示している。本実施例は、図1の実施
例と、制御棒位置伝送補助盤2から実質的に駆動中目標
位置設定手段25および移動加算量記憶手段27を削除
した制御棒位置伝送補助盤2Aを用いている点が異なっ
ている。
【0056】制御棒位置伝送補助盤2Aの作用のうち制
御棒位置伝送補助盤2と異なっている部分を説明する。
励磁遮断目標位置判定手段23Aは、励磁遮断目標位置
作成手段22の出力である励磁遮断目標位置と制御棒位
置判定手段24の出力である「先頭の制御棒の制御棒位
置」とを比較し、一致した場合に励磁遮断目標位置を保
持手段28Aに保持させる。目標位置判定手段29A
は、保持手段28Aの出力と自己制御棒位置検出手段3
0の出力とを比較し、これらが一致するまでは遮断手段
閉信号を、これらが一致したときに遮断手段開信号を、
それぞれ操作指令遮断手段26に出力する。このような
本実施例は、図1の実施例と同様に誘導電動機7および
電磁ブレーキ15への電力供給、および電力供給の停止
を行うことができ、図1の実施例と同様な効果を得るこ
とができる。
【0057】図1の実施例における制御棒位置伝送補助
盤2の機能を計算機システム(あるいはマイクロプロセ
ッサシステム)で実現する場合には、演算周期を高速に
して演算周期ごとに、駆動中目標位置設定手段25で移
動加算量記憶手段27の出力と制御棒位置判定手段24
からの出力を加算して移動中の制御棒の目標位置を求め
る必要がある。計算機システム(あるいはマイクロプロ
セッサシステム)の演算周期が遅いと制御棒6が引抜目
標位置(または挿入目標位置)をオーバーして停止する
可能性がある。高速な演算周期を達成する計算機システ
ム(あるいはマイクロプロセッサシステム)は大型であ
る。これに対して、図4の実施例は、移動中の制御棒の
目標位置を求める必要がなく、制御棒位置伝送補助盤2
Aを小型の低価格の計算機システム(あるいはマイクロ
プロセッサシステム)で実現できる。
【0058】本発明の他の実施例である制御棒制御装置
を以下に説明する。本実施例は、図1の実施例の構成に
おいて、制御棒位置伝送補助盤2を計算機システム(あ
るいはマイクロプロセッサシステム)で実現したもので
ある。本実施例における制御棒位置伝送補助盤2は、図
5に示す処理を実行する。
【0059】図5の処理内容を以下に述べる。まず、制
御棒操作回路10からの制御棒操作指令9(移動方向,
目標位置等)を取り込む(ステップ41)。取り込んだ
制御棒操作指令9のうちの目標位置に対して、電磁ブレ
ーキ作動から制御棒停止までに移動する制御棒移動量
(制御棒停止移動量記憶手段21の記憶情報)を基に、
誘導電動機への電力供給を遮断する励磁遮断目標位置を
算出する(ステップ42)。すべての制御棒位置検出器8
から検出された制御棒位置情報を取り込み、制御棒の移
動方向に対して先頭の制御棒の制御棒位置を算出する
(ステップ43)。算出した先頭の制御棒の制御棒位置
に対して移動加算量(移動加算量記憶手段27の記憶情
報)を加えて駆動中の制御棒の目標位置を算出する(ス
テップ44)。移動方向が挿入の場合には、算出した先
頭の制御棒の制御棒位置に対して上記の移動加算量を引
くことにより移動中の制御棒の目標位置を算出すること
になる。ステップ42での算出値とステップ44での算
出値とを比較し、これらの算出値が一致するか否かを判
定する(ステップ45)。ステップ45の判定が「不一
致」の場合にはステップ46の処理を実行する。ステッ
プ45の判定が「一致」の場合にはステップ47の処理
が実行される。ステップ46では、制御棒駆動補助盤3
に操作指令(制御棒の移動方向,駆動オン)を出力す
る。これにより制御棒の移動が開始され、ステップ47
の処理が実行されるまで制御棒が移動され続ける。ステ
ップ47では、移動対象の制御棒の位置を取り込み、こ
の位置がステップ44で最後に算出した「駆動中の制御
棒の目標位置」と一致するか否かを判定する。ステップ
47の判定が「不一致」の場合には、図示されていない
が遮断手段閉信号を操作指令遮断手段26に対して出力
し、ステップ47の処理を再実行する。ステップ47の
判定が「一致」の場合にはステップ48の処理を実行す
る。ステップ48では、制御棒駆動補助盤3への操作指
令(制御棒の移動方向,駆動オン)の出力を停止するた
めの遮断手段開信号を操作指令遮断手段26に対して出
力する。なお、ステップ44で最後に算出した駆動中の
制御棒の目標位置が図1の励磁遮断目標位置作成手段2
2で作成した誘導電動機の励磁を遮断する目標位置と等
しい。このようにして制御棒位置伝送補助盤2の機能を
計算機システム(あるいはマイクロプロセッサシステ
ム)で実現することができる。
【0060】本実施例は、図1の実施例と同じ効果を生
じる。
【0061】本発明の他の実施例である制御棒制御装置
を以下に説明する。本実施例は、図4の実施例の構成に
おいて、制御棒位置伝送補助盤2Aを計算機システム
(あるいはマイクロプロセッサシステム)で構成したも
のである。本実施例における制御棒位置伝送補助盤2A
は、図6に示す処理を実行する。
【0062】図6の処理のうち図5と同じ処理は、同一
の符号を付してある。図5の処理と同様に、ステップ4
1,42および43の処理が実行される。その後、ステ
ップ42での算出値とステップ33での算出値とを比較
し、これらの算出値が一致するか否かを判定する(ステ
ップ45A)。ステップ45Aの判定が「不一致」の場
合にはステップ46の処理を実行する。ステップ45A
の判定が「一致」の場合にはステップ47Aの処理が実
行される。ステップ74Aでは、移動対象の制御棒の位
置を取り込み、この位置がステップ43で最後に算出し
た「先頭の制御棒の制御棒位置」と一致するか否かを判
定する。ステップ47Aの判定が「不一致」の場合に
は、図示されていないが遮断手段閉信号を操作指令遮断
手段26に対して出力し、ステップ47Aの処理を再実
行する。ステップ47の判定が「一致」の場合にはステ
ップ48の処理を実行する。なお、ステップ43で最後
に算出した先頭の制御棒の制御棒位置が図4の実施例の
励磁遮断目標位置作成手段22で作成した誘導電動機の
励磁を遮断する目標位置と等しい。本実施例は、図4の
実施例と同じ効果を得ることができる。
【0063】本発明の他の実施例である制御棒制御装置
を図7により以下に説明する。本実施例は、整流装置4
Aおよび半導体スイッチング素子4Bを有するブレーキ
電源装置4を備えている点が図1の実施例と異なってい
る。
【0064】整流装置4Aは、ブレーキ用電源ACを電
磁ブレーキ15A動作用のDC電源に変換する。半導体
スイッチング素子4Bは、整流装置4Aに接続され、ケ
ーブル36Aによって電磁ブレーキ15Aに接続され
る。半導体スイッチング素子4Bは、目標位置判定手段
29の出力である遮断手段閉信号および遮断手段開信号
を入力する。遮断手段閉信号が入力されたとき、半導体
スイッチング素子4Bはオンされ、電磁ブレーキ15A
のブレーキ力が解除される。一方、遮断手段開信号が入
力されたとき、半導体スイッチング素子4Bはオフさ
れ、電磁ブレーキ15Aのブレーキ力が作動する。この
とき、誘導電動機7は回転できない。
【0065】図1の実施例と同様に、半導体スイッチン
グ素子13Bがオンすると誘導電動機7に電力が供給さ
れ、半導体スイッチング素子13Bがオフすると誘導電
動機7への電力供給が停止される。半導体スイッチング
素子4Bおよび13Bのオン/オフ動作は、一致してい
る。このため、電磁ブレーキ15Aのブレーキ力が解除
されるとき、誘導電動機7に電力が供給されて誘導電動
機7が回転し、制御棒6が設定された方向に移動する。
本実施例は、図1の実施例で生じる効果を得ることがで
きる。
【0066】誘導電動機7の回転軸に連結される電磁ブ
レーキ15Aは、DC電源で動作する。このような電磁
ブレーキ15Aを用いる理由は、電源AC電源で動作す
る電磁ブレーキ15よりもブレーキの応答時間が短くな
る。従って、電磁ブレーキ15Aの適用は、電源AC電
源で動作する電磁ブレーキを用いる場合に比べて負荷変
動の影響を受ける時間が短くなるので、制御棒の位置決
め目精度を一層向上できる。なお、電磁ブレーキ15A
は電力供給でブレーキ力が作動するものであっても良
い。この場合には誘導電動機7を回転させるために励磁
すると共に電磁ブレーキ15Aへの電力供給を遮断し、
誘導電動機7の励磁が遮断されると共に電磁ブレーキ1
5に電力を供給するようにすればよい。
【0067】ブレーキ電源装置4および電磁ブレーキ1
5Aは、図4の実施例に適用することもできる。
【0068】
【発明の効果】第1発明によれば、半導体スイッチング
素子を用いて誘導電動機及び電磁ブレーキへの電力供給
をオンオフ制御するので、制御棒駆動装置に誘導電動機
を適用した場合において、ギャング操作の際に、各制御
棒の停止位置の偏差を低減できる。このため、炉心の水
平断面においてギャング操作された各制御棒の位置での
原子炉出力がほぼ均一化でき、熱的制限値等を考慮した
炉心運転管理がしやすくなる。
【0069】第2発明によれば、ギャング操作において
各制御棒を操作する該当の各制御棒駆動装置による制御
棒の移動に差が生じても、各制御棒間での停止位置の差
を著しく低減できる。
【0070】第3発明によれば、制御棒が制御棒操作目
標位置を超えて停止することが防止できるので、ギャン
グ操作を行っている各制御棒を制御棒操作目標位置に精
度良く停止させることができる。
【0071】第4発明によれば、第2発明と同じ効果を
得ることができる。
【0072】第5発明によれば、運転員のマニュアル指
令で制御棒停止命令が入力されたとき、制御棒停止命令
が入力された時点の制御棒位置からあまりオーバーラン
させないで制御棒を停止させることができる。
【0073】第6発明によれば、ギャング操作を行って
いる各制御棒を制御棒操作目標位置に精度良く停止させ
ることができる。更に、マニュアル指令で制御棒停止命
令が入力されたとき、制御棒停止命令が入力された時点
の制御棒位置からのオーバーラン量を著しく低減させて
制御棒を停止させることができる。
【0074】第7発明によれば、電磁ブレーキが作動し
てから制御棒が停止するまでの移動距離が短くなるの
で、制御棒駆動装置の負荷変動の影響を受けづらくな
り、制御棒の制御棒操作目標位置への位置決め精度が一
層向上する。
【0075】第8発明によれば、ギャング操作において
各制御棒を操作する該当の各制御棒駆動装置による制御
棒の移動に差が生じても、各制御棒間での停止位置の差
を著しく低減できる。
【0076】第9発明によれば、制御棒が制御棒操作目
標位置を超えて停止することが防止できるので、ギャン
グ操作を行っている各制御棒を制御棒操作目標位置に精
度良く停止させることができる。
【0077】第10発明によれば、第8発明と同じ効果
を生じる。
【0078】第11発明によれば、運転員のマニュアル
指令で制御棒停止命令が入力されたとき、制御棒停止命
令が入力された時点の制御棒位置からあまりオーバーラ
ンさせないで制御棒を停止させることができる。
【0079】第12発明によれば、ギャング操作を行っ
ている各制御棒を制御棒操作目標位置に精度良く停止さ
せることができる。更に、マニュアル指令で制御棒停止
命令が入力されたとき、制御棒停止命令が入力された時
点の制御棒位置からのオーバーラン量を著しく低減させ
て制御棒を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である制御棒制御装置
の構成図である。
【図2】図1の制御棒動作手順記憶部に記憶されている
制御棒引抜シーケンスの具体例を示す説明図である。
【図3】図1における誘導電動機の動作及び制御棒の動
作量との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の他の実施例である制御棒制御装置の構
成図である。
【図5】本発明の他の実施例である制御棒制御装置の制
御棒位置伝送補助盤2で実行される処理のフローチャー
ト。
【図6】本発明の他の実施例である制御棒制御装置の制
御棒位置伝送補助盤2で実行される処理のフローチャー
ト。
【図7】本発明の他の実施例である制御棒制御装置の構
成図である。
【符号の説明】
1…制御棒操作監視盤、2,2A…制御棒位置伝送補助
盤、3…制御棒駆動補助盤、4…電磁ブレーキ電源装
置、4B,13B…半導体スイッチング素子、6…制御
棒、7…誘導電動機、8…制御棒位置検出器、15,1
5A…電磁ブレーキ、21…制御棒停止移動量記憶手
段、22…励磁遮断目標位置作成手段、23…励磁遮断
目標位置判定手段、24…制御棒位置判定手段、25…
駆動中目標位置設定手段、26…操作指令遮断手段、2
7…移動加算量記憶手段、28…保持手段、29…目標
位置判定手段、30…自己制御棒位置検出手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東川 裕一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 Fターム(参考) 2G075 AA04 BA05 CA25 DA02 FC04 GA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御棒に連結され誘導電動機により駆動さ
    れる複数の制御棒駆動装置と、 前記制御棒駆動装置毎に設けられ前記誘導電動機の回転
    を制止させる電磁ブレーキと、 ギャング操作すべき複数の制御棒に対する操作指令を出
    力する制御棒操作指令出力手段と、 制御棒駆動装置毎に設けられて前記制御棒操作指令出力
    手段からの前記操作指令を入力し、この操作指令に含ま
    れた制御棒操作目標位置に基づいて設定された第1制御
    棒設定位置と、ギャング操作される複数の制御棒のうち
    先頭の位置にある前記制御棒の位置に基づいて設定され
    た第2制御棒設定位置とが一致し、測定された制御棒位
    置が前記第1制御棒設定位置または前記第2制御棒設定
    位置に一致したときに、前記入力した操作指令の出力を
    停止する電力遮断決定手段と、 前記電力遮断決定手段から出力された前記操作指令に基
    づいて前記誘導電動機及び前記電磁ブレーキへの電力供
    給をオンすると共に、前記電力遮断決定手段の前記操作
    指令の出力停止により前記誘導電動機及び前記電磁ブレ
    ーキへの電力供給をオフする半導体スイッチング素子を
    有し、制御棒駆動装置毎に設けられた電力制御手段とを
    備えたことを特徴とする制御棒制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記電力遮断決定手段
    が、前記制御棒操作指令出力手段から入力した前記操作
    指令に含まれた制御棒操作目標位置に基づいて、前記第
    1制御棒設定位置を設定する手段と、ギャング操作され
    る複数の制御棒のうち先頭の位置にある前記制御棒の位
    置を判定する手段と、得られた前記先頭の位置にある制
    御棒の位置よりも大きくした前記第2制御棒設定位置を
    設定する手段と、前記第1制御棒設定位置と前記第2制
    御棒設定位置とが一致したとき、前記第2制御棒設定位
    置を保持する手段と、前記保持された前記第2制御棒設
    定位置に測定された制御棒位置が一致したときに、前記
    入力した操作指令の出力を停止させる手段とを有する電
    力遮断決定手段であることを特徴とする制御棒制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記第
    1制御棒設定位置が、前記制御棒操作目標位置から、前
    記誘導電動機への電力供給の停止から前記誘導電動機の
    回転停止までの前記制御棒の移動量を減じた値に設定さ
    れ、前記第2制御棒設定位置が前記先頭の位置にある制
    御棒の位置に前記制御棒移動量以上の制御棒移動量を加
    えた値に設定されることを特徴とする制御棒制御装置。
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