JP2000121768A - 原子炉の制御棒制御装置 - Google Patents

原子炉の制御棒制御装置

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JP2000121768A
JP2000121768A JP10315427A JP31542798A JP2000121768A JP 2000121768 A JP2000121768 A JP 2000121768A JP 10315427 A JP10315427 A JP 10315427A JP 31542798 A JP31542798 A JP 31542798A JP 2000121768 A JP2000121768 A JP 2000121768A
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induction motor
control rod
voltage
control
reactor
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Setsuo Arita
節男 有田
Takehiko Seiji
岳彦 清治
Kazumi Yanagibashi
和美 柳橋
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御棒駆動源に適用した誘導電動機の発生ト
ルクを常にマグネットカップリングのトルク以下にし、
一方、負荷トルクより高く制御し、マグネットカップリ
ングのすべりをなくし、制御棒の位置を正確に計測し、
監視することにある。 【解決手段】 制御棒6の駆動源に誘導電動機7を連結
し、誘導電動機をオンオフ制御により駆動して制御棒を
原子炉内に挿入/引抜して原子炉出力を制御する原子炉
の制御棒制御装置において、誘導電動機の回転駆動力を
制御棒に伝達するマグネットカップリング12と、予め
定めた所定時間パルス発振回路13Eのパルス信号のデ
ューティ比を変えて誘導電動機をオンオフ制御し、誘導
電動機に印加する交流電圧の平均電圧を変更する電圧変
更手段13B,C,Fを備え、誘導電動機の起動時に、
誘導電動機の発生トルクをマグネットカップリングのト
ルク以下に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所に設
置される原子炉の制御棒制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】改良型沸騰水型原子力発電所(ABW
R)では、出力制御を行う制御棒の動作を電動駆動で行
う。原子炉の出力制御は、この制御棒の動作により行わ
れる。この制御要求の一つとしては、運転員の制御棒停
止要求に基づき、できる限り遅れ時間がなく、停止する
必要がある。制御棒の動作は、中央制御室制御棒操作監
視盤からの動作指令により、制御棒動作手順に基づき行
われる。制御棒の動作は、ステップモータあるいは誘導
電動機によって行われる。誘導電動機については、ディ
テンドトルクはほぼ0に等しく、固定側の電流を0とし
ても回転子は回る。そのため、誘導電動機を停止させる
ためには、外部から摩擦等によって止める制動ブレーキ
が必要になる。制御棒は炉内に設けられ、誘導電動機は
炉外に設置され、駆動軸が両者を結合している。炉内は
一次冷却水が侵されているため、駆動軸の一部にシール
部材が設けられる。シール部で一次冷却水を完全にシー
ルすることは不可能であり、若干の漏洩を許容してい
る。この漏洩を防止することも目的に、マグネットカッ
プリングを用いることが検討されており、特開平8−8
2690号公報に記載されている。誘導電動機の回転力
は駆動軸の途中に設置されたマグネットカップリングを
介して制御棒に伝達される。マグネットカップリング
は、制御棒の駆動軸の下部に設置され、被駆動側の第1
マグネットと、この第1マグネットの外側に一次冷却水
隔壁を隔てて誘導電動機軸に設けた駆動側の第2マグネ
ットを備えたものである。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】誘導電動機の回転子を
自由に回転できるようにして、軸に機械的負荷をかける
と、回転子は発生したトルクによって回転速度が次第に
上昇する。それに伴って、回転磁界との相対速度、従っ
て、2次電圧及び2次電流の大きさが減少し、トルクが
減少する。発生トルクが負荷トルクと丁度平衡する速度
Nで回転を続けることになる。この回転磁界と回転子と
の相対速度(NO−N)と、磁界の同期速度NOとの比S
をすべりといい、百分率(S=(NO−N)/NO)で表
される。静止の場合は、S=1、同期速度ではS=0で
ある。トルクはすべりSに比例するため、起動開始時の
トルクは高く、定格回転速度時のトルクは低下する。こ
のように、誘導電動機起動時のトルクは定格トルクより
高く最大となる、この起動時の最大トルクがマグネット
カップリングのトルクより高いと、以下の問題を生じ
る。原子力プラント運転においては、制御棒を駆動する
際、制御棒の位置を正確に計測し、監視する必要があ
る。制御棒駆動源に誘導電動機を適用した際、誘導電動
機の回転力によって制御棒が駆動されるため、この回転
量を計測して制御棒位置を正確に計測している。これ
は、絶対位置測定ではなく相対位置測定であるが、定期
検査時に絶対位置と等しくなるように相対位置が校正さ
れる。計測手段としては、レゾルバ発信機やシンクロ発
信機等が使用される。マグネットカップリングは、制御
棒の駆動軸の下部に設置され、被駆動側の第1マグネッ
トと、この第1マグネットの外側に一次冷却水隔壁を隔
てて誘導電動機軸に設けた駆動側の第2マグネットを備
えたものである。つまり、炉内の一次冷却水がマグネッ
トカップリングによって隔離されている。このため、制
御棒位置手段は、計測信号の取り出し、保守等を考慮す
ると、マグネットカップリングに対して誘導電動機側に
設置されることになる。上述したように、制御棒位置測
定は相対位置検出であるため、制御棒駆動において、誘
導電動機のトルク、特に起動開始時のトルクがマグネッ
トカップリングのトルクより高くなると、マグネットカ
ップリングを構成する第1マグネットと第2マグネット
間にすべりが発生し、制御棒の絶対位置と制御棒位置検
出器の出力である相対位置が異なってしまい、制御棒の
位置を正確に計測し、監視することができなくなる、と
いう問題を生じる。
【0004】本発明の課題は、上述の点に鑑み、制御棒
駆動源に誘導電動機を適用してマグネットカップリング
を介して制御棒を駆動する場合に、制御棒の位置を正確
に計測し、監視し、誘導電動機の発生トルクをマグネッ
トカップリングのトルク以下となるように制御する原子
炉の制御棒制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、制御棒の駆動源に誘導電動機を連結し、誘導電動機
をオンオフ制御により駆動して制御棒を原子炉内に挿入
/引抜して原子炉出力を制御する原子炉の制御棒制御装
置において、誘導電動機の回転駆動力を制御棒に伝達す
るマグネットカップリングと、誘導電動機に印加する交
流電圧の平均電圧を変更する電圧変更手段を備え、誘導
電動機の起動時に、交流電圧の平均電圧を変更し、誘導
電動機の発生トルクをマグネットカップリングのトルク
以下に制御する。ここで、電圧変更手段は、予め定めた
所定時間パルス信号のデューティ比を変えて誘導電動機
をオンオフ制御するパルス発振回路を有し、誘導電動機
に印加する交流電圧の平均電圧を変更する。ここで、電
圧変更手段は、誘導電動機の回転速度を検出する回転速
度判定回路を有し、誘導電動機の回転速度に応じて誘導
電動機に印加する交流電圧の平均電圧を変更する。ここ
で、電圧変更手段は、誘導電動機の起動時には誘導電動
機の固定巻線をY結線とし、予め定めた運転速度あるい
は運転時間に達したとき、誘導電動機の固定巻線をΔ結
線とする開閉手段を有し、誘導電動機の回転速度に応じ
て誘導電動機に印加する交流電圧の平均電圧を変更す
る。ここで、電圧変更手段は、パルス信号のデューティ
比が異なる第1のパルス発振回路と第2のパルス発振回
路を有し、原子炉の制御棒の挿入と引抜のとき、第1の
パルス発振回路と第2のパルス発振回路を切り替えて誘
導電動機に印加する交流電圧の平均電圧を変更する。ま
た、制御棒の駆動源に誘導電動機を連結し、誘導電動機
をオンオフ制御により駆動して制御棒を原子炉内に挿入
/引抜して原子炉出力を制御する原子炉の制御棒制御装
置において、誘導電動機の回転駆動力を制御棒に伝達す
るマグネットカップリングと、誘導電動機に印加する交
流電圧を制御する第1の半導体スイッチング素子と、制
御棒の駆動を停止させる電磁ブレーキに印加する電圧を
制御する第2の半導体スイッチング素子と、誘導電動機
の起動時に、第1の半導体スイッチング素子により所定
時間のみ交流電圧をチョッピングし、または、所定の回
転速度以上となるまで交流電圧をチョッピングして誘導
電動機に印加する平均電圧を制御して供給し、その後は
チョッピングを停止して交流電圧を連続して供給する手
段と、誘導電動機の停止時に、第2の半導体スイッチン
グ素子により電磁ブレーキを作動させる電圧を供給する
手段を備える。また、制御棒の駆動源に誘導電動機を連
結し、誘導電動機をオンオフ制御により駆動して前記制
御棒を原子炉内に挿入/引抜して原子炉出力を制御する
原子炉の制御棒制御装置において、誘導電動機の回転駆
動力を制御棒に伝達するマグネットカップリングと、誘
導電動機と制御棒の駆動を停止させる電磁ブレーキに供
給する電力を制御する半導体スイッチング素子を備え、
誘導電動機にはコイルを介して電力を供給する。ここ
で、予め定めた所定時間パルス信号のデューティ比を変
えて誘導電動機をオンオフ制御するパルス発振回路、ま
たは、誘導電動機の回転速度を検出する回転速度判定回
路を有し、誘導電動機に印加する交流電圧の平均電圧を
変更する電圧変更手段を備える。また、制御棒の駆動源
に誘導電動機を連結し、誘導電動機をオンオフ制御によ
り駆動して制御棒を原子炉内に挿入/引抜して原子炉出
力を制御する原子炉の制御棒制御装置において、誘導電
動機の回転駆動力を制御棒に伝達するマグネットカップ
リングと、誘導電動機に印加する交流電圧を制御する第
1の半導体スイッチング素子と、制御棒の駆動を停止さ
せる電磁ブレーキに印加する電圧を制御する第2の半導
体スイッチング素子を備え、誘導電動機にはコイルを介
して電力を供給する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。各図の番号の等しい部分は相
当部を示す。図1は、本発明の一実施形態として、制御
棒駆動源として誘導電動機を用いた原子力の制御棒制御
装置の構成を示す。本実施形態において、制御される対
象となる原子炉5内には、冷却水17に浸された状態
で、燃料棒16が間隔をあけて複数設置されている。燃
料棒16の間の空間には、挿抜自在に制御棒6が複数本
配置されている。各制御棒6は、それぞれ誘導電動機7
により、制御棒駆動機構18を介して昇降されて燃料棒
16の間の空間に挿抜される構造となっている。また、
制御棒駆動機構18の長手方向、すなわち、制御棒6の
昇降方向に沿って、制御棒6の変位を検出する制御棒位
置検出器8と、誘導電動機7及びこれを停止させるため
の制動ブレーキ15とが配置されている。誘導電動機7
の軸は結合器20を介して制御棒の駆動軸に接続されて
いる。結合器20としては歯車や電磁クラッチなどがあ
る。また、本実施形態において用いられる制御系として
は、制御棒6の操作を行うための機器を有し、中央制御
室に設けられた制御棒操作監視盤1と、誘導電動機7及
び電磁ブレーキ15の動作を制御するための機器を有す
る制御棒駆動補助盤3と、中央制御室からの制御棒動作
指令内容と現在の制御棒の状態とを比較し、制御棒6の
動作が必要な場合、制御棒駆動補助盤3に動作指令を出
力する制御棒位置伝送補助盤2と、制御棒位置伝送補助
盤の指令を受けて、半導体スイッチング素子4Bをオン
オフして電磁ブレーキ15に供給する整流器4Aからの
電源を開閉ブレーキ電源装置4を有する。
【0007】制御棒操作監視盤1は、運転員が操作およ
び監視するための入出力機器(図示せず)と、原子力発
電所での複数の制御棒の引抜、挿入の手順、動作量を予
め決めた制御棒動作手順を記憶する制御棒動作手順記憶
部11と、入力指令9と制御棒動作手順と比較し、入力
指令に問題がなければ、引抜/挿入指令を制御棒位置伝
送補助盤2に伝える制御棒操作回路10とを有する。入
出力機器には、制御棒の座標表示を行うための表示装置
と、座標選択ボタンと、制御棒動作モード、挿入、引抜
等の操作指令ボタンの指示入力器とがある。運転員は、
これらの機器により動作を指令する。その信号は、制御
棒操作回路10に送られる。しかし、ここでもし誤った
制御棒が選択されて、制御棒が引抜かれら場合には、原
子炉の熱的余裕を逸脱し、危険な状態になりかねない。
そこで、制御棒動作手順記憶部11には、予め制御棒の
引抜、挿入の手順、動作量を決めた制御棒動作手順を記
憶している。従って、複数の制御棒を動作する時、選択
された複数の制御棒が誤りなく動作すべき座標の制御棒
であるか、また、動作量が規定値を越えていないかを常
に監視している。制御棒位置伝送補助盤2は、制御棒位
置検出器8からの信号と制御棒操作監視盤1(中央制御
室)からの信号とが入力され、駆動指令である制御棒引
抜/挿入指令を制御棒駆動補助盤3に出力する。この制
御棒位置伝送補助盤2は、制御棒停止移動量記憶手段2
1、励磁遮断目標位置作成手段22、励磁遮断目標位置
判定手段23、制御棒位置判定手段24、駆動中目標位
置設定手段25、駆動指令遮断手段26、移動加算量記
憶手段27、保持手段28、目標位置判定手段29、自
己制御棒位置検出手段30から成り、各々の制御棒位置
検出器8からの信号と制御棒操作監視盤1(中央制御
室)からの信号をもとにして、制御棒位置が励磁遮断目
標位置作成手段22から出力する引抜/挿入の目標値ま
で達していなければ、制御棒引抜/挿入指令を制御棒駆
動補助盤3に出力する。一方、動作している制御棒の位
置が励磁遮断目標位置作成手段22から出力する引抜/
挿入の目標値と一致した場合は、制御棒引抜/挿入指令
の出力を遮断する。制御棒駆動補助盤3は、誘導電動機
7及び電磁ブレーキ15に供給する電力をオン/オフす
る半導体スイッチング素子13Bと、引抜か挿入かを示
す信号に応じて誘導電動機7の回転方向を決める制御棒
動作方向切換回路13Aに出力すると共に、指令を受け
て、半導体スイッチング素子13Bのオンオフ制御を行
うための誘導電動制御回路13とを有する。半導体スイ
ッチング素子としては、トランジスタ、サイリスタ等で
ある。また、制御棒駆動補助盤3内には、誘導電動機7
の駆動源であるAC電源が入力され、半導体スイッチン
グ素子13Bおよび制御棒動作方向切換回路13Aを介
して誘導電動機7および電磁ブレーキ15に電力が供給
される。例えば、引抜の場合、誘導電動機制御回路13
は、誘導電動機7の駆動を引抜方向とする切替指令を制
御棒動作方向切換回路13Aに出し、さらに、電源オン
とする指令を半導体スイッチング素子13Bに出力す
る。これにより誘導電動機7及び電磁ブレーキ15に電
圧が供給され、電磁ブレーキ15のブレーキ力が解除さ
れ、誘導電動機7は制御棒6の引抜側に回転する。これ
により制御棒6は引抜かれる。ここでは、電磁ブレーキ
15は供給電力オンでブレーキ力を解除するものとして
いる。これにより、誘導電動機7及び電磁ブレーキ15
への電力を供給する動力ケーブルを共有化させることが
でき、約200本ある制御棒に対して動力ケーブルを大
幅に削減できる。なお、この点が重要でない場合には、
電磁ブレーキ15に別装置から独立に電力を供給するよ
うにしてもよい。また、誘導電動機制御回路13におい
て、13Cはタイマ、13Dは切換スイッチ、13Eは
パルス発振回路、13Fは位相検出回路を表わす。
【0008】次に、本実施形態の動作について説明す
る。まず、原子力発電所における発電メカニズムについ
て説明する。原子炉圧力容器5内の燃料(ウランやプル
トニウム)が核反応を起こすと、その時に発生する熱を
炉内に満たされた冷却水17が吸収することにより、冷
却するは沸騰する。沸騰した冷却水は、蒸気17Aを発
生し、その蒸気はタービン(図示せず)に送られる。発
電はそのタービンが回転することに行われる。このよう
な構成で燃料の核反応を起こすための制御は、制御棒6
の引抜/挿入により行われる。すなわち、制御棒6が挿
入状態にあれば、核反応のために必要な中性子は制御棒
に吸収されるため、核反応が進まず、従って、蒸気は発
生しない。一方、制御棒6が引抜かれると、核反応は進
み、冷却水が沸騰することにより、蒸気が発生する。
【0009】次に、制御棒の動作制御について説明す
る。まず、制御棒引抜時の動作について、図1を参照し
て説明する。制御棒の操作は、中央制御室の制御棒操作
監視盤1で行う。制御棒操作監視盤1では、運転員によ
る引抜制御棒座標および制御棒動作モード(連続、ノッ
チ、ステップ)の指定、引抜指令といった制御棒動作指
令9の入力を受け入れる。その信号は、制御棒操作回路
10に伝えられる。制御棒操作回路10では、入力指令
と制御棒動作手順とを比較し、入力指令に問題がなけれ
ば、制御棒引抜のための指令を制御棒位置伝送補助盤2
内の励磁遮断目標位置作成手段22に伝える。制御棒停
止移動量記憶手段21には、誘導電動機7への電力供給
を遮断する指令が半導体スイッチング素子13Bに出力
されてから制御棒6が停止するまでに移動する制御棒移
動量が記憶されている。励磁遮断目標位置作成手段22
は、制御棒操作回路10から出力される引抜目標位置を
受信すると、制御棒停止移動量記憶手段21に記憶され
ている制御棒移動量を基に、引抜目標位置に対してこの
制御棒移動量だけ手前の目標位置を作成する。この作成
された引抜目標位置が最終的には誘導電動機7への電力
供給を遮断し、かつ、電磁ブレーキ15を作動させる制
御棒位置になる。この結果、制御棒は、誘導電動機7へ
の電力供給が遮断し、かつ、電磁ブレーキ15が作動し
てから制御棒停止移動量記憶手段21に記憶されている
制御棒移動量だけ移動して目標とする位置に停止するこ
とになる。励磁遮断目標位置作成手段22で作成された
引抜目標位置は励磁遮断目標位置判定手段23に出力さ
れる。制御棒位置判定手段24は、各々の制御棒の位置
検出器8からの出力信号を受信し、駆動方向(この場
合、引抜方向)に対して先頭の制御棒位置を検出する。
駆動中目標位置設定手段25は制御棒位置判定手段24
によって判定された先頭の制御棒位置と移動加算量記憶
手段27に記憶されている移動加算量を入力し、これら
を加えて駆動中の目標位置を作成する。移動加算量記憶
手段27に記憶されている移動加算量とは、誘導電動機
7への電力供給を遮断する指令を半導体スイッチング素
子13Bに出力してから制御棒が停止するまでに移動す
る制御棒移動量あるいはそれ以上の値である。つまり、
現在の先頭の制御棒位置にこの移動加算量を加えて駆動
中の目標位置とすために、駆動によって先頭の制御棒位
置が変われば、それに伴って駆動中の目標位置も更新さ
れることになる。駆動中目標位置設定手段25の出力信
号は励磁遮断目標位置判定手段23と保持手段28に出
力される。励磁遮断目標位置判定手段23は、励磁遮断
目標位置作成手段22の出力と駆動中目標位置設定手段
25の出力を比較し、一致すると、保持手段28に入力
される駆動中目標位置設定手段25の出力を保持させる
ための保持指令信号を出力する。保持手段28は、励磁
遮断目標位置判定手段23からの保持指令信号が入力さ
れるまでは、駆動中目標位置設定手段25からの出力信
号をそのまま目標位置判定手段29に出力する。自己制
御棒位置検出手段30は駆動される自己の制御棒の位置
を検出するものである。目標位置判定手段29は、保持
手段28からの出力信号と自己制御棒位置検出手段30
からの制御棒位置とを比較し、一致すると、誘導電動機
7への電力供給を遮断し、かつ、電磁ブレーキ15を作
動させるために、駆動指令遮断手段26に駆動指令遮断
信号を出力し、半導体スイッチング素子4Bに信号を出
力する。駆動指令遮断手段26は、駆動指令遮断信号を
入力すると、励磁遮断目標位置作成手段22から出力さ
れる引抜指令(引抜方向、駆動オン)の制御棒駆動補助
盤3への出力を遮断する。また、半導体スイッチング素
子4Bは、電磁ブレーキ15に供給する電力を遮断す
る。これにより制御棒の駆動が遮断され、制御棒が目標
位置に停止することになる。目標位置判定手段29は、
保持手段28からの出力信号と自己制御棒位置検出手段
30からの制御棒位置と比較するが、一致するまでは励
磁遮断目標位置作成手段22からの駆動指令を制御棒駆
動補助盤3へ出力させるための信号を駆動指令遮断手段
26に出力する。なお、複数の制御棒を駆動する際に駆
動方向に対して先頭の制御棒位置を基にして移動目標位
置を設定して駆動させることは、負荷条件(例えば、制
御棒駆動機構18のボール・スクリューナットとの嵌合
の度合、駆動履歴、経年変化等)によって各制御棒間に
わずかな位置ずれが生じていたとしても、停止時には目
標位置を大きく超えて停止する制御棒が存在しないよう
にするためである。さらに、駆動中目標位置設定手段2
5において、制御棒位置判定手段24によって判定され
た先頭の制御棒位置と移動加算量記憶手段27に記憶さ
れている移動加算量を加えて駆動中の目標位置を作成す
ることにより、現在位置に対して大きな移動目標量を与
えることがないため、これらの手段に異常が発生しても
制御棒を誤って大きく移動させることがない。
【0010】誘導電動機制御回路13は、指令が引抜か
挿入かを調べ、引抜であることを示す信号(切替指令)
を制御棒動作方向切換回路13Aに出力すると共に、指
令を受けて、半導体スイッチング素子13Bをオンする
ための信号(オン指令)が出力される。これと同時に制
御棒位置伝送補助盤2からの指令より電磁ブレーキ15
に電圧が供給され、電磁ブレーキ15のブレーキ力が解
除され、誘導電動機7は制御棒6の引抜側に回転する。
その際、誘導電動機起動時の高トルクを低減するため
に、以下の制御がなされる。上記オン指令は切替スイッ
チ13Dとタイマ13Cに出力される。タイマ13Cは
誘導電動機起動時の所定期間のみ切替スイッチ13Dを
パルス発振回路13E側に切替えさせ、その後切替スイ
ッチ13Dを誘導電動機制御回路13側に切替えさせる
ものである。パルス発振回路13Eはパルス信号を出力
するが、パルス信号の周波数は位相検出回路13Fによ
って決定づけられる。つまり、誘導電動機7に印加する
交流電圧に同期したパルス信号がパルス発振回路13E
から出力されることになる。パルス発振回路13Eから
出力されるパルス信号が誘導電動機起動時の所定時間に
半導体スイッチング素子13Bに出力されることにな
る。パルス発振回路13Eから出力されるパルス信号の
デューティ比は、タイマ13Cからパルス発振回路13
Eに入力される信号によって上記の所定期間で変化し、
時間経過に従って半導体スイッチング素子13Bをオン
している期間が長くなるようになっている。タイマ13
Cによって決定される上記の所定期間が経過すると、切
替スイッチ13Dが誘導電動機制御回路13側に切替わ
るために、半導体スイッチング素子13Bにはオン信号
のみが印加されることになる。つまり、半導体スイッチ
ング素子13Bは誘導電動機起動時の所定期間にパルス
発振回路13Eから出力されるパルス信号に従って交流
電圧をチョッピングし、このチョッピングした交流電圧
を誘導電動機7に印加し、その後は正弦波の交流電圧を
そのまま印加する。誘導電動機7の発生トルクは、すべ
りSに比例するため、起動開始時のトルクは高く、定格
回転速度時のトルクは低下する。さらに、誘導電動機7
のトルクは印加する交流電圧の2乗にも比例する。この
ために、上述のように、誘導電動機起動開始時に誘導電
動機7に印加する交流電圧をチョッピングして、その平
均電圧を低下させることにより、誘導電動機起動開始時
の最大トルクを抑制させることが可能になる。この結
果、誘導電動機7の発生トルクを常にマグネットカップ
リング12のトルク以下にし、負荷トルクよりは高くす
ることが可能となり、マグネットカップリング12の第
1マグネットと第2マグネット間にすべりが発生するこ
とがなく、制御棒の絶対位置と制御棒位置検出器の出力
である相対位置が常に一致し、制御棒の位置を正確に計
測し監視することができる。なお、誘導電動機制御回路
13は、停止指令を受けると、半導体スイッチング素子
13Bをオフとすることにより、誘導電動機7への電力
供給が遮断され、誘導電動機7の励磁が解除されると共
に、ブレーキ電源装置4によって電磁ブレーキ15のブ
レーキ力が働き、制御棒6を目標位置に停止させる。
【0011】上述の制御に基づく誘導電動機7への印加
電圧と発生トルクの関係を図2に示す。ただし、誘導電
動機7への印加電圧は一相分のみを示す。(a)は制御
棒位置伝送補助盤2からの駆動指令に従い、時刻t1
誘導電動機制御回路13がタイマ13C及び切替スイッ
チ13Dに出力した誘導電動機7への駆動指令である。
タイマ13Cは、この指令を入力すると、(b)に示す
ように所定時間Tだけのパルスを出力する。切替スイッ
チ13Dはタイマ13Cからのパルスに従い所定時間T
だけパルス発振回路13Eからのパルス信号を半導体ス
イッチング素子13Bに出力するようにスイッチを切替
える。パルス発振回路13Eからのパルス信号は、
(d)に示すように、(c)の交流電圧に同期したパル
スを発生し、かつ、パルス信号のデューティ比は、上記
の所定期間T内で変化し、時間経過に従ってオンの期間
が長くてオフの期間が短くなっている。このパルス信号
が半導体スイッチング素子13Bに出力されることによ
り、誘導電動機7への印加電圧は(e)(一相分のみ表
示)のように所定期間Tまでは交流電圧がチョッピング
された電圧、つまり平均電圧を低下させた電圧となり、
その後は連続した交流電圧となる。この結果、(f)に
示すように、誘導電動機起動開始時の最大トルクが抑制
され、誘導電動機7の発生トルクを常にマグネットカッ
プリング12のトルク以下にし、負荷トルクよりは高く
することが可能になる。なお、図1及び図2では、パル
ス発振回路13Eからのパルス信号のデューティ比を変
更するようにしたが、誘導電動機7のトルク変動が大き
くなければ、予め定めた一定のデューティ比として、誘
導電動機起動開始時の最大トルクを抑制し、誘導電動機
7の発生トルクを常にマグネットカップリング12のト
ルク以下にすることが可能である。
【0012】マグネットカップリングの概略構成を図3
に示す。マグネットカップリングは、制御棒の駆動軸の
下部に設置され、制御棒側の被駆動軸12A、これに取
り付けられた第1マグネット12B、この第1マグネッ
ト12Bの外側に一次冷却水隔壁12Cを隔てて、誘導
電動機側の駆動軸12Eに第2マグネット12Dが取り
付けられた構成となっている。炉内の一次冷却水が一次
冷却水隔壁12Cによって誘導電動機側と隔離されてい
る。詳細は特開平8−82690号公報に記載されてい
る。
【0013】図4は、本発明の他の実施形態を示す。図
1の実施形態と異なる点は、誘導電動機7の回転速度に
よって誘導電動機トルクを制御することであり、これに
よって、誘導電動機7の発生トルクを常にマグネットカ
ップリング12のトルク以下にし、負荷トルクより高く
するようにしている。具体的には、図1のタイマ13C
に代えて誘導電動機回転速度判定回路13Gを備え、誘
導電動機回転速度判定回路13Gは、位置検出器8から
の出力信号をもとに誘導電動機7の回転速度を判定す
る。さらに、誘導電動機制御回路13から半導体スイッ
チング素子13Bをオンするための信号(オン指令)が
出力されると、誘導電動機起動時に誘導電動機7の回転
速度が所定以上になるまでは、パルス発振回路13Eか
らのパルス信号を半導体スイッチング素子13Bに出力
するように切替スイッチ13Dに切替指令を与える。こ
の結果、誘導電動機起動時に誘導電動機7の回転速度が
所定以上になるまでは、パルス発振回路13Eからのパ
ルス信号が半導体スイッチング素子13Bに出力され、
チョッピングした交流電圧が誘導電動機7に印加され、
誘導電動機起動時の最大トルクを抑制し、誘導電動機7
の回転速度が所定以上になった後には、正弦波の交流電
圧が印加される。これにより、本実施形態では、誘導電
動機7の発生トルクを常にマグネットカップリング12
のトルク以下にし、負荷トルクより高くすることができ
る。また、例えば、負荷条件の影響で負荷トルクが変動
して回転速度が所定時間で上昇することができなくなっ
ても、誘導電動機7の発生トルクを常にマグネットカッ
プリング12のトルク以下にできる特徴がある。なお、
図4では、位置検出器8からの出力信号をもとに誘導電
動機7の回転速度を判定したが、専用の回転速度計を制
御棒駆動機構18に取付け、その出力で誘導電動機7の
回転速度を判定するようにしてもよい。
【0014】図5は、本発明の他の実施形態を示す。図
1及び図4の実施形態と異なる点は、誘導電動機起動開
始時にチョッピングした交流電圧を誘導電動機7に印加
して、誘導電動機起動開始時の最大トルクを抑制するの
ではなく、誘導電動機起動時には誘導電動機7の固定巻
線をY結線とし、予め定めた回転速度あるいは運転時間
になったら、Δ結線とすることにより、誘導電動機起動
時の印加電圧を低下させて誘導電動機7の発生トルクを
抑制し、誘導電動機7の発生トルクをマグネットカップ
リング12のトルク以下にしたものである。図5は、図
1の実施形態に対して変形例として示し、相当部は省略
している。誘導電動機7は、固定子巻線7A、7B、7
Cのみを示し、制御棒駆動補助盤3’は誘導電動機制御
回路13、タイマ13C’、制御棒駆動方向切換回路1
3A、開閉手段13B’から成る。開閉手段13B’は
3台のスイッチが連動して動作する、いわゆる3連スイ
ッチである。共通接点cは通常NC接点に接続し、切換
時にNO接点に接続される。タイマ13C’は、誘導電
動機7の駆動指令を誘導電動機制御回路13から入力す
ると、所定時間まで開閉手段13B’の共通接点cはN
C接点に接続し、その後NO接点に切り換わる。この所
定時間とは、図2の(b)と同じである。従って、この
所定時間までの固定子巻線7A、7B、7Cの端点a、
b、cは互いに接続された状態になる。つまり、固定子
巻線7A、7B、7CはY結線の状態になり、この状態
で誘導電動機7が起動することになる。上記所定時間経
過後には、開閉手段13B’の共通接点cがNO接点に
切り換わる。この結果、固定子巻線7A、7B、7Cは
Δ結線の状態になる。起動時には、固定子1相の巻線に
加わる電圧は線間電圧の1/√3となる。誘導電動機7
のトルクは印加する交流電圧の2乗に比例するため、起
動時の誘導電動機7のトルクはΔ結線で起動する場合の
1/3に減少し、固定子巻線7A、7B、7CをΔ結線
の状態にした時には、定格回転速度あるいはそれに近い
値であるため、誘導電動機7のトルクは十分に低くなっ
ている。以上のように、本実施形態は、固定子巻線の結
線構成を変えて誘導電動機起動開始時に固定子巻線への
印加電圧を低下させ、これにより、誘導電動機7の発生
トルクを抑制し、誘導電動機7の発生トルクをマグネッ
トカップリング12のトルク以下にすることができる。
また、本実施形態では、誘導電動機起動時に交流電圧を
チョッピングしないため、チョッピングによる電力消費
がなく、開閉手段13B’を必要以上に大容量のものに
する必要がない。なお、図5では、タイマ13C’によ
って開閉手段13B’を切り換えたが、図4のように誘
導電動機回転速度判定回路13Gによって開閉手段13
B’を切り換えてもよい。
【0015】図6は、本発明の他の実施形態を示す。、
これまでの実施形態と異なる点は、誘導電動機7及び電
磁ブレーキ15への電力供給を制御する半導体スイッチ
ング素子13Bから、誘導電動機7にはコイルLを介し
て電力を供給する構成としたことである。誘導電動機制
御回路13は、指令が引抜か挿入かを調べ、引抜である
ことを示す信号(切替信号)を制御棒動作方向切換回路
13Aに出力すると共に、指令を受けて半導体スイッチ
ング素子13Bをオンとする。これにより、誘導電動機
7及び電磁ブレーキ15に電力が供給され、電磁ブレー
キ15のブレーキ力が解除され、誘導電動機7は制御棒
6を引抜く方向に回転する。ここで、誘導電動機7には
コイルL1、L2、L3を介して電力が供給する構成と
しているため、誘導電動機7の固定子巻線には制御棒駆
動補助盤3からの供給電圧より低い電圧が印加されるこ
とになる。これにより、これにより誘導電動機7の発生
トルクを抑制し、誘導電動機7の発生トルクをマグネッ
トカップリング12のトルク以下にすることが可能であ
る。本実施形態では、誘導電動機7及び電磁ブレーキ1
5への電力供給を制御する半導体スイッチング素子13
Bから、誘導電動機7にはコイルL1、L2、L3を介
して電力を供給する構成としたことにより、制御棒駆動
補助盤3と制御棒駆動機構18側間の電力ケーブル本数
を3本と少なくすることができ、制御棒本数が約200
本と多いため、経済的効果が大きい。なお、図1及び図
4の実施形態において、図1及び図4のブレーキ電源装
置に代えて、図6に示す電磁ブレーキ15への電力供給
方式を採用してもよい。
【0016】図7は、本発明の他の実施形態を示し、図
6の実施形態に対する変形例である。図1と同様に電磁
ブレーキ15を直流電圧駆動としている。直流電圧駆動
の電磁ブレーキにすることにより、交流電源駆動のもの
よりブレーキ応答時間を短縮し、負荷変動の影響をより
受けなくすることが可能になる。
【0017】図8は、本発明の他の実施形態を示し、図
1の実施形態に対する変形例である。図1とは、制御棒
駆動補助盤3のみが異なるため、この部分のみを示す。
本実施形態は、誘導電動機起動時に誘導電動機7に印加
する平均電圧を制御棒6の駆動方向に応じて変更して、
誘導電動機起動開始時の最大トルクをよりきめ細かく抑
制するものである。タイマ13Cは、図1と同様であ
り、誘導電動機起動時の所定期間のみ切替スイッチ13
Dをパルス発振回路13E1あるいはパルス発振回路1
3E2側に切替えさせ、その後切替スイッチ13Dを誘
導電動機制御回路13側に切替えさせる。パルス発振回
路13E1とパルス発振回路13E2は、パルス信号の
デューティ比が異なり、パルス発振回路13E2のパル
スのデューティ比が高い(論理“1”の期間が長い)。
パルス発振回路13E1が制御棒引抜用のものであり、
パルス発振回路13E2が制御棒挿入用のものである。
制御棒6は、制御棒駆動機構18に対して鉛直方向にあ
るため、制御棒挿入時には負荷トルクが制御棒引抜時に
比べ大きくなる。このため、制御棒引抜時より制御棒挿
入時の、誘導電動機起動時のトルクを大きくして駆動方
向によって異なる負荷トルクより高くするようにし、か
つ、常にマグネットカップリング12のトルク以下にす
る。その他の部分は図1と同様である。また、本実施形
態では、図8のタイマ13Cを図4の誘導電動機回転速
度判定回路13Gに変更することにより、誘導電動機7
の挿入あるいは引抜の回転速度に応じた誘導電動機起動
時のトルク制御が可能になる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
誘導電動機のトルクは、印加する交流電圧の2乗に比例
するために、その平均電圧を低下させることにより、誘
導電動機の発生トルクをマグネットカップリングのトル
ク以下にすることができる。また、誘導電動機の回転速
度に応じて変化する誘導電動機の発生トルクを制御する
ことにより、誘導電動機の発生トルクをマグネットカッ
プリングのトルク以下にすることが可能になる。また、
誘導電動機起動時には誘導電動機の固定巻線をY結線と
し、予め定めた運転速度あるいは運転時間に達したと
き、△結線とすることにより、誘導電動機起動時に発生
する高トルクを抑制して、誘導電動機の発生トルクをマ
グネットカップリングのトルク以下にすることが可能に
なる。また、制御棒の挿入と引抜で、誘導電動機へ印加
する交流電圧の平均電圧を変更することにより、制御棒
の挿入と引抜で負荷トルクが異なるが、この負荷トルク
に応じて誘導電動機起動時に発生する高トルクを抑制し
て、誘導電動機の発生トルクをマグネットカップリング
のトルク以下にすることができる。また、誘導電動機に
コイルを介して電力を供給する構成とすることにより、
誘導電動機への印加電圧をコイルにより低下させること
ができ、誘導電動機の発生トルクをマグネットカップリ
ングのトルク以下にすることができる。この結果、誘導
電動機の発生トルクを常にマグネットカップリングのト
ルク以下に制御し、一方、負荷トルクよりは高くするこ
とが可能になり、マグネットカップリングの第1マグネ
ットと第2のマグネット間にすべりが発生することがな
く、制御棒の絶対位置と制御棒位置検出器の出力である
相対位置が常に一致し、制御棒の位置を正確に計測し、
監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である原子力の制御棒制御
装置の構成図
【図2】本発明の誘導電動機への印加電圧と発生トルク
の関係図
【図3】本発明のマグネットカップリングの概略構成図
【図4】本発明の他の実施形態
【図5】本発明の他の実施形態
【図6】本発明の他の実施形態
【図7】本発明の他の実施形態
【図8】本発明の他の実施形態
【符号の説明】
1…制御棒操作監視盤,2…制御棒位置伝送補助盤,
3、3’…制御棒駆動補助盤,4…ブレーキ電源装置,
4B…半導体スイッチング素子,6…制御棒,7…誘導
電動機,7A、7B、7C…固定子巻線,8…位置検出
器,12…マグネットカップリング,13…誘導電動機
制御回路,13A…制御棒動作方向切換回路,13B…
半導体スイッチング素子,13B’…開閉手段,13
C、13C’…タイマ,13D、13H…切換スイッ
チ,13E、13E1、13E2…パルス発振回路,1
3F…位相検出回路,13G…誘導電動機回転速度判定
回路,15…電磁ブレーキ,18…制御棒駆動機構,L
1、L2、L3…コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳橋 和美 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 Fターム(参考) 2G075 AA04 BA07 CA25 DA20 FA20 FC04 GA28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御棒の駆動源に誘導電動機を連結し、
    前記誘導電動機をオンオフ制御により駆動して前記制御
    棒を原子炉内に挿入/引抜して原子炉出力を制御する原
    子炉の制御棒制御装置において、前記誘導電動機の回転
    駆動力を前記制御棒に伝達するマグネットカップリング
    と、前記誘導電動機に印加する交流電圧の平均電圧を変
    更する電圧変更手段を備え、前記誘導電動機の起動時
    に、前記交流電圧の平均電圧を変更し、前記誘導電動機
    の発生トルクを前記マグネットカップリングのトルク以
    下に制御することを特徴とする原子炉の制御棒制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記電圧変更手段
    は、予め定めた所定時間パルス信号のデューティ比を変
    えて前記誘導電動機をオンオフ制御するパルス発振回路
    を有し、前記誘導電動機に印加する交流電圧の平均電圧
    を変更することを特徴とする原子炉の制御棒制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記電圧変更手段
    は、前記誘導電動機の回転速度を検出する回転速度判定
    回路を有し、前記誘導電動機の回転速度に応じて前記誘
    導電動機に印加する交流電圧の平均電圧を変更すること
    を特徴とする原子炉の制御棒制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記電圧変更手段
    は、前記誘導電動機の起動時には、前記誘導電動機の固
    定巻線をY結線とし、予め定めた運転速度あるいは運転
    時間に達したとき、前記誘導電動機の固定巻線をΔ結線
    とする開閉手段を有し、前記誘導電動機の回転速度に応
    じて前記誘導電動機に印加する交流電圧の平均電圧を変
    更することを特徴とする原子炉の制御棒制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記電圧変更手段
    は、パルス信号のデューティ比が異なる第1のパルス発
    振回路と第2のパルス発振回路を有し、原子炉の制御棒
    の挿入と引抜のとき、前記第1のパルス発振回路と第2
    のパルス発振回路を切り替えて前記誘導電動機に印加す
    る交流電圧の平均電圧を変更することを特徴とする原子
    炉の制御棒制御装置。
  6. 【請求項6】 制御棒の駆動源に誘導電動機を連結し、
    前記誘導電動機をオンオフ制御により駆動して前記制御
    棒を原子炉内に挿入/引抜して原子炉出力を制御する原
    子炉の制御棒制御装置において、前記誘導電動機の回転
    駆動力を前記制御棒に伝達するマグネットカップリング
    と、前記誘導電動機に印加する交流電圧を制御する第1
    の半導体スイッチング素子と、前記制御棒の駆動を停止
    させる電磁ブレーキに印加する電圧を制御する第2の半
    導体スイッチング素子と、前記誘導電動機の起動時に、
    前記第1の半導体スイッチング素子により所定時間のみ
    前記交流電圧をチョッピングし、または、所定の回転速
    度以上となるまで前記交流電圧をチョッピングして前記
    誘導電動機に印加する平均電圧を制御して供給し、その
    後は前記チョッピングを停止して前記交流電圧を連続し
    て供給する手段と、前記誘導電動機の停止時に、前記第
    2の半導体スイッチング素子により前記電磁ブレーキを
    作動させる電圧を供給する手段を備えることを特徴とす
    る原子炉の制御棒制御装置。
  7. 【請求項7】 制御棒の駆動源に誘導電動機を連結し、
    前記誘導電動機をオンオフ制御により駆動して前記制御
    棒を原子炉内に挿入/引抜して原子炉出力を制御する原
    子炉の制御棒制御装置において、前記誘導電動機の回転
    駆動力を前記制御棒に伝達するマグネットカップリング
    と、前記誘導電動機と前記制御棒の駆動を停止させる電
    磁ブレーキに供給する電力を制御する半導体スイッチン
    グ素子を備え、前記誘導電動機にはコイルを介して電力
    を供給することを特徴とする原子炉の制御棒制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、予め定めた所定時間
    パルス信号のデューティ比を変えて前記誘導電動機をオ
    ンオフ制御するパルス発振回路、または、前記誘導電動
    機の回転速度を検出する回転速度判定回路を有し、前記
    誘導電動機に印加する交流電圧の平均電圧を変更する電
    圧変更手段を備えることを特徴とする原子炉の制御棒制
    御装置。
  9. 【請求項9】 制御棒の駆動源に誘導電動機を連結し、
    前記誘導電動機をオンオフ制御により駆動して前記制御
    棒を原子炉内に挿入/引抜して原子炉出力を制御する原
    子炉の制御棒制御装置において、前記誘導電動機の回転
    駆動力を前記制御棒に伝達するマグネットカップリング
    と、前記誘導電動機に印加する交流電圧を制御する第1
    の半導体スイッチング素子と、前記制御棒の駆動を停止
    させる電磁ブレーキに印加する電圧を制御する第2の半
    導体スイッチング素子を備え、前記誘導電動機にはコイ
    ルを介して電力を供給することを特徴とする原子炉の制
    御棒制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100484018B1 (ko) * 2002-08-09 2005-04-20 한국전기연구원 원자로 제어봉 구동장치의 스텝 동작 시퀀스 확인방법
US10944350B2 (en) 2017-07-26 2021-03-09 Mitsubishi Electric Corporation Motor drive device
US11368118B2 (en) 2016-10-31 2022-06-21 Mitsubishi Electric Corporation Motor driving device and air conditioner

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