JP2002256572A - 免震建物の基礎構造、および、その施工方法 - Google Patents

免震建物の基礎構造、および、その施工方法

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JP2002256572A
JP2002256572A JP2001056907A JP2001056907A JP2002256572A JP 2002256572 A JP2002256572 A JP 2002256572A JP 2001056907 A JP2001056907 A JP 2001056907A JP 2001056907 A JP2001056907 A JP 2001056907A JP 2002256572 A JP2002256572 A JP 2002256572A
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base plate
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concrete
jig
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JP2001056907A
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Tetsuya Kawai
徹也 川合
Toshiharu Sugawara
敏晴 菅原
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免震装置を精度良く設置でき、工期を短縮で
きる免震建物の基礎構造、およびその施工方法を提供す
る。 【解決手段】 内部に基礎を構成するコンクリートを打
設する型枠Wと、型枠Wの上面に載置固定される治具3
1と、治具31から上下方向に調整可能に吊下げられた
ベースプレート20とを備え、ベースプレート20を所
定位置に調整した後、型枠W内にコンクリートCを打設
してベースプレート20を固定する。ベースプレート2
0の長ナット23に長ボルト32を螺合し、ナット33
で治具31と接続することにより上下方向に調整可能と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、免震建物の基礎
構造、および、免震建物の基礎構造の施工方法に係り、
特に、免震装置を精度良く設置することができる基礎構
造と、その施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の免震建物の基礎として
は、特開平8−338033号公報に記載された免震基
礎がある。この技術は、免震装置を支持するプレキャス
トコンクリート部材が、工場等で予め製作されており、
複数に分割された状態の前記部材を、現場にて接合する
ものである。免震建物では、上部構造体は基礎に対して
相対的に水平方向に変位可能であり、上部構造体と基礎
との水平方向の相対変位により、地震エネルギを吸収
し、地震エネルギが上部構造体に作用することを回避す
ることができる。
【0003】免震建物の基礎は、免震装置の配置部を必
要とすることから、通常建物の基礎より構造が複雑にな
り、精度も要求される。このため、建築現場での全施工
では工期が長くなり、熟練工も必要になるので、免震建
物の基礎として、分割構造のプレキャストコンクリート
製基礎構成体を建築現場で組合せ接合することによって
免震建物用基礎を完成させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記構造の
免震基礎は、免震装置が設置される部分のプレキャスト
基礎が明確に記載されていない。免震装置は種々のタイ
プのものがあり、例えば直動装置を直角に交差させたク
ロスリニアベアリング装置、滑り支承装置、復元減衰装
置等があるが、これらの装置は基礎と上部構造体との間
に正確に設置する必要がある。
【0005】前記の免震基礎は、工期を短縮できるが、
基礎の全てをプレキャストコンクリート製とし、建築現
場でプレキャストコンクリート製基礎構成体を接合して
基礎を完成させることについて、プレキャストコンクリ
ート製基礎構成体同士の接合をどの様に行うかについて
課題があり、施工精度を加味しても、現実性に乏しいも
のであり、相当な強度を有する免震建物の基礎として成
立することが難しい。
【0006】この発明は、このような問題に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、免震装置
を精度良く設置でき、構成を簡単にでき、調整が容易に
行え工期を短縮できる免震建物の基礎構造、および、免
震建物の基礎構造の施工方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明による免震建物の基礎構造
は、基礎上に設置された免震装置上に上部構造体が設置
され、前記上部構造体が前記免震装置によって免震支承
される免震建物の基礎構造であって、前記免震装置を設
置する部分の基礎は、コンクリートにより構成されて上
面に金属製のベースプレートを備えており、該ベースプ
レートは、下面にアンカー部材が固定されていると共
に、そのベースプレートの下面に長ナットが固定されて
いるものである。
【0008】この構成によれば、免震装置を設置する重
要な部分の基礎がコンクリート製で上面に金属製のベー
スプレートを備え、ベースプレートは長ナットを使用し
てコンクリートの型枠から治具等を介して所定位置に精
度良く固定でき、固定後は、この長ナットを用いて免震
装置を設置できるため、基礎構造を簡単にできると共
に、調整が容易で短期間で精度良い基礎構造を提供でき
る。
【0009】また、請求項2に記載の発明による免震建
物の基礎構造の施工方法は、基礎上に設置された免震装
置上に上部構造体が設置され、前記上部構造体が前記免
震装置によって免震支承される免震建物の基礎構造の施
工方法であって、内部に基礎を構成するコンクリートを
打設する型枠と、該型枠の上面に載置固定される治具
と、該治具から上下方向に調整可能に吊下げられたベー
スプレートとを備え、該ベースプレートを所定位置に調
整した後、前記型枠内にコンクリートを打設して該ベー
スプレートを固定するものである。
【0010】この構成によれば、型枠の上面に治具を載
置固定し、この治具からベースプレートを上下方向に調
整可能に吊下げ、ベースプレートの上下位置および水平
状態を調整してからコンクリートを打設して、ベースプ
レートを固定するため精度良く固定でき、免震装置の設
置を精度良く、容易に行うことができる。
【0011】請求項3に記載の発明による免震建物の基
礎構造の施工方法は、前記の施工方法において、前記ベ
ースプレートは、その両端部に調整用の長ナットを備え
ており、前記治具から長ボルトにより上下方向に調整可
能に吊下げられることを特徴とするものである。この施
工方法によれば、ベースプレートに固定された長ナット
に長ボルトを螺合させ、長ボルトに螺合するナットを回
転させて治具とベースプレートの距離を変えることによ
り、簡単な構成でベースプレートの上下位置と水平状態
を精度良く設定できる。
【0012】請求項4に記載の発明による免震建物の基
礎構造の施工方法は、前記の施工方法において、前記コ
ンクリートは、前記ベースプレートから所定距離下げて
打設され、この後、無収縮モルタルを前記ベースプレー
ト下面まで打設するものである。この施工方法によれ
ば、免震装置用のベースプレートは、これを固定するコ
ンクリートとベースプレートとの間が無収縮モルタルで
充填された構造になり、ベースプレートの周囲に亀裂等
が発生せず、免震装置を精度良く、長期間に亘って安定
して設置することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態を図
面を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態に係る
免震建物の基礎構造の平面図および立面図、図2は図1
の基礎構造に設置するアイソレータの平面図および右側
面図、図3は図1の基礎構造に設置するダンパの正面図
および底面図である。図1において、本実施形態に係る
基礎構造は、平面形状が長方形状であり、四隅に位置す
る設置部C1は正方形状の上面を有しており、鉄筋コン
クリート製の連結部F1、F2、F3の幅に対して建物
内側に突出するように広幅になっており、図2に示すア
イソレータ10を45度の角度で設置するものである。
設置部C2、C3は図2に示すアイソレータ10を基礎
立上部に沿って設置するものあり、設置部C1と同じ高
さに設定されている。設置部C4は図3に示すダンパ1
5を2個並べて設置するものであり、その上面は設置部
C1、C2、C3より低く設定されている。設置部C
1、C2、C3の上面には、後述するベースプレート2
0が固定され、設置部C4の上面には後述するベースプ
レート25が固定されている。
【0014】連結部F1、F2、F3は設置部C1〜C
4間を連結する鉄筋コンクリート製基礎であり、基礎ベ
ース部と、この基礎ベース部から立ち上げた基礎立上部
を有し、基礎ベース部の下方には図示していない割栗石
が敷き込まれている。そして、基礎ベース部および基礎
立上部には、図示していない鉄筋が縦横に配筋されてい
る。
【0015】図2において、アイソレータ10はレール
11に沿って直動可能なブロック体12を有するリニア
ベアリングを2セット用意し、レール同士が直交するよ
うに一方のリニアベアリングを反転してブロック体12
同士を連結したものである。下方のレール11を基礎に
固定し、上方のレール11を上部構造体に固定すること
により、地震等により地盤と共に基礎が変位しても、そ
の変位を上部構造体に直接伝達せずに、絶縁するもので
ある。
【0016】図3において、ダンパ15は上フランジ鋼
板16と、下フランジ鋼板17との間に厚さが1mm強
の鋼板とアクリル樹脂板とを積層した減衰体18を固着
したものであり、上フランジ鋼板16を上部構造体に固
定し、下フランジ鋼板17を基礎に固定する。地震等に
より基礎と上部構造体が相対的に変位すると、減衰体1
8の多数のアクリル樹脂板と鋼板が変位に対応して徐々
にずれ、復元力を生じると共に、その摩擦により変位を
減衰させるものである。
【0017】次に、図4を参照して、ベースプレート2
0について説明する。図4(a)は平面図、(b)は正
面図である。ベースプレート20は基礎の設置部C1、
C2、C3にアイソレータ10を設置するためのもので
あり、鉄等の金属板材21の両端近傍の下面にアンカー
ボルト22が4本溶接等により固定され、両端下面の四
隅に長ナット23が溶接等により固定されている。アン
カーボルト22は本例では金属棒材の下端を半円弧状に
湾曲形成している。また、長ナット23はベースプレー
ト20を基礎に精度良く固定するための後述する治具3
1との接続用であると共に、ベースプレート20を基礎
に固定した後は免震装置であるアイソレータ10を固定
するものである。
【0018】図5を参照して、ベースプレート20を吊
下げ支持する治具31について説明する。図5は基礎の
設置部C2用の治具セット30の部品図である。治具セ
ット30は、2個の治具31と、4本の長ボルト32
と、12個のナットおよび12個のワッシャ33と、8
本の木ねじ34から構成される。治具31は長方形状の
金属板材から形成され、長手方向の両端部には、この治
具を型枠Wに固定する木ねじ34が貫通するための4つ
の孔34aが穿設され、中央部には長手方向に沿って長
円状の覗き孔31aが穿設され、覗き孔と一方の長辺と
の間にベースプレート20を吊り下げるための長ボルト
32が貫通する接続孔32aが穿設されている。覗き孔
31aはベースプレート20の水平度を確認するため、
ベースプレートの上面に置いた水準器(図示せず)を覗
いたり、レーザーレベラーをベースプレートに当接した
りするためのものである。接続孔32aは長ナット32
を貫通させ、治具31の上下面からナット33で挟んで
固定するものである。なお、治具セット30の木ねじ3
4の代わりにスクリュウ釘や普通の釘等を用いてもよ
い。
【0019】つぎに、この発明による免震建物用の基礎
構造の施工方法について説明する。基礎は配筋が終了
し、基礎ベース部のコンクリートの打設が完了し、基礎
立上部の型枠Wの形成作業が終了した後、基礎立上部よ
り高い位置の設置部C1〜C4へ、ベースプレート2
0、25の固定を行う。なお、ベースプレート20、2
5の設置部C1〜C4への固定は、同時に行われるもの
であるが、ここでは先ず前記した設置部C2へのベース
プレート20の固定について、図6〜8を参照して説明
する。
【0020】先ず、ステップS1でベースプレート20
と治具31とを仮接続する。すなわち、ベースプレート
20の4本の長ナット23に4本の長ボルト32の下端
を螺合させ、4本のナット33により固定する。そし
て、長ボルト32の上端よりナット33を螺合させ、治
具31を通して、ナット33を螺合させ仮接続する。こ
こでナット33の内側にワッシャを挟んでも良い。これ
をステップS2で型枠W内にセットし、ステップS3で
治具31と型枠W上端面間に薄板(図示せず)を挟んで
治具31の位置、高さを調整する。そして、型枠Wの上
端面において木ねじ34により治具31を固定する。
【0021】この後、ステップS4で長ボルト32の上
端の2個のナット33によりベースプレート20の水平
度、高さを調整し、ダブルナットにより強固に固定す
る。この状態において、ステップS5でアンカーボルト
22を配筋(図示せず)に固定すると、ベースプレート
20は上部が長ボルト32を介して治具31に固定さ
れ、下部が配筋に固定されて安定する。
【0022】次に、ステップS6で型枠W内にコンクリ
ートCをベースプレート20の下面より20mm程度下
げた状態で打設する。ベースプレート20は、前記した
ように型枠Wおよび配筋に安定して固定され、コンクリ
ートCを打設しても移動することなく、精度良く固定す
ることができる。これにより、ベースプレート20は型
枠W内の所定位置にアンカーボルト22により精度良く
固定されるので、コンクリート硬化後、ステップS7で
長ボルト32上端の2個のナット33を緩め、長ボルト
32、ナット33、治具31をワッシャを含めて取り外
す。
【0023】この後、ステップS8で長ナット23に装
置固定用のボルト35(図8参照)を取り付け、ステッ
プS9でベースプレート20の下端まで無収縮モルタル
Mを打設する。無収縮モルタルMを打設することによ
り、ベースプレート20の周囲に亀裂が入るのを防止で
きる。無収縮モルタルMが硬化した後、ステップS10
で型枠Wを撤去し、装置固定用のボルト35によりアイ
ソレータ10を取り付ける。長ナット23に装置固定用
のボルト35を取り付けるのは、長ナット23内にモル
タルが進入するのを防止するためである。このようにし
て、設置部C2にベースプレート20を精度良く固定す
ることができる。
【0024】なお、コンクリートCおよび無収縮モルタ
ルMの打設時に、覗き孔31aよりバイブレータ(図示
せず)を挿入し、コンクリートCおよび無収縮モルタル
Mに対して振動を与えるようにしてもよい。これによ
り、コンクリートCおよび無収縮モルタルMは、内部の
気泡を少なくでき、型枠W内に満遍なく充填することが
できる。
【0025】設置部C3にベースプレート20を固定す
る場合は、図9に示すような2個の治具40を使用し、
型枠Wの中心から偏心した状態で木ねじ34により固定
し、図6に示すステップに沿って行う。また、コーナの
設置部C1にベースプレート20を固定する場合は、図
10に示すような2個の治具41、42を使用し、型枠
Wと45度の方向で治具41、42を木ねじ34により
固定して、ベースプレート20を吊り下げ支持し、同様
のステップで行う。なお、前記した実施形態と同等の構
成については、同じ符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0026】図11を参照して、ダンパ15を取り付け
る設置部C4に使用するベースプレート25について説
明する。図11(a)は平面図、(b)は正面図であ
る。ベースプレート25は基礎の設置部C4にダンパ1
5を設置するためのものであり、金属板材26の両端近
傍の下面にアンカーボルト27が4本溶接等により固定
され、両端下面の四隅と中間部の4箇所に8本の長ナッ
ト28が溶接等により固定されている。アンカーボルト
27は金属棒材の下端を半円弧状に湾曲形成している。
また、長ナット28はベースプレート25を基礎に精度
良く固定するための治具43との接続用であると共に、
ベースプレート25を基礎に固定した後は免震装置であ
る2個のダンパ15を長ナット28により固定するもの
である。金属板材26は外周に矩形状の切欠き26aが
形成され、コンクリートCや無収縮モルタルMの注入を
容易にするものである。
【0027】このベースプレート25は、図12に示す
ように型枠W内に2個の治具43を使用してセットさ
れ、前記の実施形態と同様に長ボルト32を外側の4本
の長ナット28に螺合し、ナット33を使用して位置と
水平度を調整することができる。ベースプレート25は
外周に切欠き26aが形成されており、コンクリートC
や無収縮モルタルMがベースプレート25の下部に入り
やすくなっている。ベースプレート25の場合も、前記
したフローチャートに記載の施工方法で設置部C4に設
置することができる。
【0028】前記した施工方法により、免震装置用のベ
ースプレート20、25は型枠Wに対してレベル調整さ
れ、上下位置と水平状態が調整され、コンクリートCと
ベースプレート20、25との間が無収縮モルタルMで
充填された構造になり、ベースプレート20、25を介
してアイソレータ10、ダンパ15や、風固定装置等の
免震装置を精度良く設置できる。
【0029】図13、14を参照し、設置部C1〜C4
をプレキャストコンクリート製基礎ブロックで形成し、
連結部F1、F2、F3を現場打ちして連結する実施形
態について説明する。図13は、前記した設置部C1を
プレキャストコンクリート製基礎ブロックで形成した概
略斜視図、図14はベースプレートを設置する動作説明
図である。基礎ブロック50は設置部C1に相当するも
のであり、鉄筋コンクリートで形成され、ベースプレー
ト20を上方から挿入する上部開口の空隙51が形成さ
れている。空隙51は直方体状をしており、立方体状の
基礎ブロック50の対角方向に設けられている。
【0030】基礎ブロック50は、外周垂直面に沿って
鉄筋(図示せず)が配筋され、その配筋の一部52が連
結部F1、F3方向に突出している。基礎ブロック50
に連続する連結部F1、F3を現場でコンクリート打ち
するときは、配筋の一部52と連結部F1、F3の鉄筋
とを連結し、型枠を組んでコンクリートを注入する。こ
のように構成することで、基礎ブロック50と連結部F
1、F3の鉄筋が連続して基礎全体の強度を向上させる
ことができる。
【0031】基礎ブロック50の空隙51にベースプレ
ート20を埋め込んで設置する動作を説明する。まず、
ベースプレート20の4本の長ナット23に長ボルト3
2の下端を螺合させ、4本のナット33で固定する。次
に長ボルト32の上端にナット33を螺合させ、治具5
3を通して、さらにナット33を螺合させて、長ボルト
32の上部に治具53を仮固定する。そして、治具53
の両端部の孔に位置決めボルト54を挿入し、ダブルナ
ット55で固定する。位置決めボルト54の下端は基礎
ブロック50の上面に当接し、位置決めボルト54の下
方の突出長さを調整することで、ベースプレート20を
水平に、しかも基礎ブロック50の上面に合わせて仮固
定することができる。
【0032】このようにベースプレート20を水平に基
礎ブロック50上に載置し、この後、空隙51内に上面
から僅かに低いレベルまでコンクリートCを注入し、コ
ンクリート硬化後に上面まで無収縮モルタルMを打設す
る。これにより、型枠(捨て型枠)を兼ねるプレキャス
トコンクリート製基礎ブロック50に、ベースプレート
20を精度良く設置することができる。なお、位置決め
ボルト54に対応して、基礎ブロックの上面に受穴を形
成し、この受穴に位置決めボルト54の先端を挿入して
もよい。また受穴の変わりに受ナットをインサートして
おき、この受ナットに位置決めボルト54の先端を螺合
させて、ベースプレートを仮固定してもよい。前記の例
では、設置部C1をプレキャストコンクリートで形成す
る例について述べたが、他の設置部C2〜C4について
も同様に形成することができる。
【0033】前記した実施形態では、ベースプレートは
金属製の平板を使用する例を示したが、これに限られる
ものでなく、例えば図15(a)に示すようにC型鋼を
用いたベースプレート45や、図15(b)に示すよう
に断面がL字状のアングル材の金属板材を用いたベース
プレート46でも良い。この場合はベースプレートを吊
り下げた時、その自重によりベースプレートが撓むこと
が少なく、ベースプレートの位置精度をより向上させる
ことができる。この例の金属板材を使用する場合、コン
クリート等がベースプレートの下面に充填できるよう
に、上面や側面に排気孔45a、46aを設けることが
好ましい。
【0034】また、図16に示すベースプレート47
は、断面が略T字状の金属部材を用い、この金属部材に
は下端が湾曲したアンカーボルト22の代わりに、4本
の短尺のスタッドボルト47aを溶接してある。そし
て、金属部材の水平面には、垂直面を挟んで交互に空気
抜き孔47bが穿設され、同様に垂直面の上端にも水平
方向の貫通孔47cが穿設されている。この例では、ス
タッドボルト47aが短尺で梱包、搬送が容易となり、
金属部材の剛性が高く、コンクリートや無収縮モルタル
の注入も気泡が入ることなく、金属部材の下面に確実に
注入できる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項
1に記載の発明による免震建物の基礎構造によれば、ベ
ースプレートは長ナットを使用してコンクリートの型枠
から治具等を介して所定位置に精度良く固定でき、固定
後は、この長ナットを用いて免震装置を設置できるた
め、基礎構造を簡単にできると共に、短期間で精度良い
基礎構造を提供できる。
【0036】請求項2に記載の発明による免震建物の基
礎構造の施工方法によれば、免震装置を固定するベース
プレートを精度良く基礎に設置でき、免震装置を精度良
く基礎に設置できるため、性能の優れた免震建物を提供
することができる。
【0037】請求項3に記載の発明による免震建物の基
礎構造の施工方法によれば、ベースプレートに固定され
た長ナットに長ボルトを螺合させ、長ボルトに螺合する
ナットを回転させてベースプレートの上下位置と水平状
態を調整するので、簡単な構成で、精度良く調整するこ
とができる。
【0038】請求項4に記載の発明による免震建物の基
礎構造の施工方法によれば、免震装置を固定するベース
プレートの周囲に亀裂等が発生しにくく、免震装置を精
度良く、長期間に亘って安定して設置することができ、
免震建物の性能を長期に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による免震建物の基礎構造の一
実施形態を示す平面図、(b)は(a)の立面図。
【図2】(a)は図1の基礎構造に設置するアイソレー
タの平面図、(b)は右側面図。
【図3】(a)は図1の基礎構造に設置するダンパの正
面図、(b)は底面図。
【図4】(a)はベースプレートの平面図、(b)は正
面図。
【図5】設置部C2に使用する治具セットの部品図。
【図6】本発明に係る基礎構造の施工方法のフローチャ
ート。
【図7】(a)は設置部C2における治具とベースプレ
ートの平面図、(b)は(a)の断面図。
【図8】設置部C2の完成状態を示す断面図。
【図9】設置部C3における治具とベースプレートの平
面図。
【図10】設置部C1における治具とベースプレートの
平面図。
【図11】(a)は設置部C4に使用するベースプレー
トの平面図、(b)は正面図。
【図12】設置部C4における治具とベースプレートの
平面図。
【図13】プレキャストコンクリート製基礎ブロックの
概略斜視図。
【図14】図13のプレキャストコンクリート製基礎ブ
ロックにベースプレートを設置する動作説明図。
【図15】(a)はベースプレートの他の実施形態の概
略斜視図、(b)はさらに他の実施形態の概略斜視図。
【図16】ベースプレートのさらに他の実施形態の概略
斜視図。
【符号の説明】
C1、C2、C3、C4 免震装置の設置部 F1、F2、F3 連結部 W 型枠、 C コンクリート、M 無収縮モルタル 10 アイソレータ(免震装置) 15 ダンパ(免震装置) 20、25、45、46、47 ベースプレート 22、27 アンカーボルト(アンカー部材) 23、28 長ナット 31、40、41、42、43、53 治具 32 長ボルト、 33 ナット 47a スタッドボルト(アンカー部材) 54 位置決めボルト、 55 ダブルナット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎上に設置された免震装置上に上部構
    造体が設置され、前記上部構造体が前記免震装置によっ
    て免震支承される免震建物の基礎構造であって、 前記免震装置を設置する部分の基礎は、コンクリートに
    より構成されて上面に金属製のベースプレートを備えて
    おり、該ベースプレートは、下面にアンカー部材が固定
    されていると共に、そのベースプレートの下面に長ナッ
    トが固定されていることを特徴とする免震建物の基礎構
    造。
  2. 【請求項2】 基礎上に設置された免震装置上に上部構
    造体が設置され、前記上部構造体が前記免震装置によっ
    て免震支承される免震建物の基礎構造の施工方法であっ
    て、 内部に基礎を構成するコンクリートを打設する型枠と、
    該型枠の上面に載置固定される治具と、該治具から上下
    方向に調整可能に吊下げられたベースプレートとを備
    え、該ベースプレートを所定位置に調整した後、前記型
    枠内にコンクリートを打設して該ベースプレートを固定
    することを特徴とする免震建物の基礎構造の施工方法。
  3. 【請求項3】 前記ベースプレートは、その両端部に調
    整用の長ナットを備えており、前記治具から長ボルトに
    より上下方向に調整可能に吊下げられることを特徴とす
    る請求項2記載の免震建物の基礎構造の施工方法。
  4. 【請求項4】 前記コンクリートは、前記ベースプレー
    トから所定距離下げて打設され、この後、無収縮モルタ
    ルを前記ベースプレート下面まで打設することを特徴と
    する請求項2または3に記載の免震建物の基礎構造の施
    工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008002127A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Okabe Co Ltd 免震装置の設置装置及びその設置方法
JP2015014089A (ja) * 2013-07-03 2015-01-22 鹿島建設株式会社 台座構築方法、台座構築用補助材

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