JP2001164581A - 建物の基礎構造 - Google Patents

建物の基礎構造

Info

Publication number
JP2001164581A
JP2001164581A JP35118499A JP35118499A JP2001164581A JP 2001164581 A JP2001164581 A JP 2001164581A JP 35118499 A JP35118499 A JP 35118499A JP 35118499 A JP35118499 A JP 35118499A JP 2001164581 A JP2001164581 A JP 2001164581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foundation
base
support member
building
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35118499A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Yamada
隆 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamada KK
Original Assignee
Yamada KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamada KK filed Critical Yamada KK
Priority to JP35118499A priority Critical patent/JP2001164581A/ja
Publication of JP2001164581A publication Critical patent/JP2001164581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Foundations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】軟弱地盤上での建築には、地盤改良工事と基礎
工事が二重に行われてコスト高になり、布基礎は床下の
有効利用ができない。 【解決手段】地盤改良として施すソルトセメントコラム
5とこれに固定した鋼管製の基礎支柱7とこれに取り付
けられて建物の土台を支持する土台支持部材9を備えた
基礎構造体3等を多数配置し、基礎支柱どうしは、支柱
梁61で水平方向に連結する。土台支持部材9は、2枚
のベースプレート25の間に介挿した免震ゴム積層体2
7と、アンカーボルト29と、下側のベースプレートに
固定した筒状のキャップ31等を備えており、キャップ
31を基礎支柱7の上端部に外嵌することで土台支持部
材9が基礎支柱に取り付けられる。従って、地盤改良の
手段を直接利用して基礎構造を構えることができるの
で、基礎工事費の大幅な節減と、基礎構造の地上部の外
観や床下利用に大きな自由度を持たせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の基礎構造に
係り、特に、地中に設けた地盤改良体を直接利用して構
築するようにした建物の基礎構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、軟弱地盤に建物を建てる場合の地
盤対策としては、地盤改良を施すか、基礎構造を改良す
るか、又はその両方を行うことが行われている。地盤改
良としては、ソイルセメント工法等のセメント注入法や
鋼材の打ち込み法等によって相応の効果を挙げることが
できる。基礎構造については、布基礎をフーチング形に
したり、或いはベタ基礎にすることが行われている。こ
れらのうち、ベタ基礎は接地面積が広いために、一見、
耐沈下強度が高いように思われるが、不同沈下した場合
は、結局、建物の傾きを招来してしまうため根本的な解
決にはならない。このことはフーチング形の布基礎につ
いても同様である。従って、軟弱地盤対策としては、地
盤改良を施すことが最も効果的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、軟弱地
盤に地盤改良を施した上に、更に、布基礎等の基礎構造
を構えるとなると、基礎工事だけで工事費がかなり嵩ん
でしまう。また、今日一般的な布基礎では、地上部の高
さがせいぜい20乃至30センチメートル程度しか取れ
ないため、建物の床下に十分な空間を設けることができ
ない。このため、床下が有効に利用されることは殆ど無
く、床下の風通しも悪く、各種の配管や配線を地中埋設
することを余儀なくされ、建築終了後の配管類の保守管
理や、土台部等への防虫処理等のメンテナンスは事実上
不可能な状態になっている。
【0004】その上、布基礎の地上部では、コンクリー
ト壁がそのまま残って外観を為すため、外観的な意匠が
一義的に決まってしまい、施主の好みを反映できないと
いう問題もある。このコンクリート壁に何らかの化粧を
施すのは、結局、二重のコストがかかることになる。
【0005】本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為
されたものであり、地盤改良の手段を直接利用して基礎
構造を構えることができるようにして、基礎工事費の大
幅な節減と、基礎構造の地上部の外観や床下利用に大き
な自由度を持たせることができる新規な建物の基礎構造
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載した建物の基礎構造は、セメントを
固化剤とした地盤改良体に少なくとも下部が埋込状に固
定された基礎支柱又はそれ自体が地盤改良体として地中
に打ち込まれた基礎支柱と、この基礎支柱の上端部に取
り付けられて建物の土台を支持する土台支持部材と、こ
の土台支持部材に組み込まれた又は土台支持部材と基礎
支柱との間に介挿された免震部材とを備えたものであ
る。
【0007】従って、この基礎構造にあっては、多数の
地盤改良体がそのまま基礎構造における地盤据付けベー
スとして機能するので、この基礎構造の耐沈下強度は、
当該地盤改良体の耐沈下強度そのものを持つ非常に強固
なものになる。しかも、その地盤改良工事は基礎工事で
もあるから、地盤改良工事と同時に基礎工事が進行し、
基礎工事の工事費は、その多くが地盤工事費に吸収され
る。従って、地盤改良工事費と基礎工事費が二重にかか
ることは無く、基礎工事の工期も大幅に短縮されること
になる。そして、当該地盤に加えられる振動のエネルギ
ーは、かなりの量が免震部材、例えば、免震ゴムやバネ
部材の変形に吸収されるため、地震等から当該建物が受
けるダメージを相当軽減することができる。
【0008】本発明の基礎構造が地上に現出するのは、
主として、個々の基礎構造体における基礎支柱の上端部
とこれに取り付けた土台支持部材、又は、基礎支柱を地
中に隠す場合は土台支持部材だけであり、これら土台支
持部材や基礎支柱の上端部はあたかも床束に似た形態で
現出し、これらが当該建物の床面積に応じた適当な数、
随所に出るだけである。従って、当該建物の土台から下
の空間、即ち、床下は、大部分において外側に解放した
空間になる。
【0009】このため、土台から下の空間を囲うための
化粧手段を任意に選ぶことができ、場合によっては、こ
の囲いを省くことも考えられ、いずれにしても、基礎構
造の地上部の外観の処理に大きな自由度が生まれる。そ
して、土台から下の空間の高さは、基礎支柱の地上突出
長や土台支持部材の丈を選択するだけで任意に設定でき
るので、この空間の高さを増すのに、実質的な特別コス
トがかかることは殆ど無い。従って、各種の配管や配
線、或いは収納目的等に合わせて、床下の高さを選ぶこ
とで、床下を有効利用することができると共に、建築終
了後のメンテナンスを容易に行うことも実現できる。
【0010】本発明を実施する場合、地盤改良体の数は
当該地盤の軟弱度に応じて適宜決定すれば良く、施工し
た地盤改良体の全てを基礎構造体に使用する必要は無
く、また、全ての地盤改良体の構造を総一する必要も無
い。即ち、基本的には、地盤改良工事を行うに当たって
考慮すべき建物の構造との関係については、当該建物の
土台の平面形状において必要とする土台支持部材の位置
には必ず地盤改良体を配置した基礎構造体を構成すると
いうことだけであって、その他については、専ら地盤改
良だけを考慮すれば良い。
【0011】請求項2に記載した建物の基礎構造は、請
求項1に記載した建物の基礎構造において、少なくとも
一部の基礎構造体における基礎支柱どうしを土台支持部
材の近くにおいて鋼材製の支柱梁によって連結したもの
である。このようにすれば、基礎支柱の水平方向におけ
る耐荷重強度をかなり高いものにすることができると共
に、土台支持部材の相互の位置関係を一層不動のものに
することができる。
【0012】請求項3に記載した建物の基礎構造は、請
求項1又は2に記載した建物の基礎構造のいずれかにお
いて、個々の基礎構造体は、土台支持部材の地上高さを
微調節するための高さ調節手段を備えたものである。従
って、当該建物の土台全体の水平出しは、個々の基礎構
造体の土台支持部材の地上高を調節することで達成でき
るので、基礎支柱を設けるための地盤改良工事に多少の
寸法誤差が生じても、その誤差を工事後に補正すること
ができる。
【0013】請求項4に記載した建物の基礎構造は、請
求項3に記載した建物の基礎構造において、基礎支柱の
少なくとも上端部には鋼管を使用し、土台支持部材は、
上下2枚のベースプレートの間に介挿した免震ゴム積層
体と、上側のベースプレートから上方へ突出するように
設けられたアンカーボルトと、下側のベースプレートに
固定した筒状のキャップと、このキャップの内側天面に
垂直に固定したボルトとを備えており、上記キャップを
基礎支柱の上端部に外嵌することで土台支持部材が基礎
支柱に取り付けられ、高さ調節手段は、上記ボルトとこ
のボルトに取り付けられて基礎支柱の上端に着座するナ
ットプレートとで構成し、このナットプレートを必要な
枚数取り付けることで土台支持部材の実質的高さが変更
されるようにしたものである。
【0014】従って、土台支持部材のキャップを基礎支
柱の上端部に外嵌するだけで、少なくとも、土台支持部
材の位置が規定され、しかも、免震ゴムは土台支持部材
に一体的に組み込まれているため、基礎工事に当たって
の、土台支持部材の取付作業を極めて簡単に済ませるこ
とができる。また、土台支持部材の地上高の調節は、基
礎構造体相互の高さの違いに応じた数のナットプレート
をボルトに取付け或いはボルトから外すことで行われる
ので、この調節作業も簡単で済む。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態に係
る建物の基礎構造1を図面に従って説明する。この基礎
構造1は、必要的に設けられる第一の基礎構造体3と、
補助的に設けられる第二の基礎構造体51及び支柱梁6
1を多数使用して構築されている。基礎構造体3と51
は、それぞれ独立して地盤に固定され、その多くが支柱
梁61で互いに連結される。
【0016】〔A.第一の基礎構造体〕(図1〜図3) 第一の基礎構造体3は、地盤改良体であるソルトセメン
トコラム5と、これに埋込状に固定された基礎支柱7
と、この基礎支柱7の上端部に取り付けられた土台支持
部材9と、土台支持部材9の地上高さを微調節するため
のナットプレート11等から構成される。
【0017】ソルトセメントコラム5は、既知の注入機
により、セメントミルクを土壌と混合させながら所要の
深さ注入することで円柱状に形成される。ソルトセメン
トコラム5の下端は支持地盤に達することが望ましい
が、通常の地盤改良では、直径60センチメートル程度
で、地下10メートル程度の深さとすれば十分である。
また、このソルトセメントコラム5の上端は、特別な事
情が無い限り、地下数10センチメートルの辺りに位置
するようにする。
【0018】基礎支柱7には、直径140ミリメートル
程度の鋼管を使用している。基礎支柱7の長さは、当該
ソルトセメントコラム5の丈に応じて選択すべきもので
あるが、少なくとも、その上端部を地表からある程度突
出させた状態でその余の大部分が当該ソルトセメントコ
ラム5に埋設されるぐらいの長さのものを使用する。
【0019】基礎支柱7の上端部、即ち、ソルトセメン
トコラム5から上に突出させる部位の外周面には、この
外周面に垂直な方向へ突出した連結ブラケット15と梁
受け片17が固定されている。連結ブラケット15は、
支柱梁61の端部を固定するためのもので、金属板によ
って矩形の板状に形成され、厚み方向が基礎支柱7の軸
と直交する方向を向く姿勢で、その一端が基礎支柱7に
溶接されていて、複数のボルト通し孔15aが形成され
ている。梁受け片17は連結ブラケット15の稍下方に
水平な向きで配置され、これも一端が基礎支柱7の外周
面に溶接されると共に、その下面と基礎支柱7との間に
補強材19が溶接されている。
【0020】連結ブラケット15と梁受け片17は上下
に対応したもの同士で一組を為し、この一組の連結ブラ
ケット15と梁受け片17が、1又は複数設けられてい
る。この組み数は、設計上、当該基礎構造体3に連結さ
れる別の基礎構造体3の数に応じて設定する。例えば、
図1から図3に示す基礎構造体3は、別の3つの基礎構
造体3又は51と連結させる場合に使用するものであっ
て、連結ブラケット15と梁受け片17を3組、周方向
へ90°ピッチで設けてある。また、直交する四方にあ
るものと全て連結する場合は、この連結ブラケット15
等を周方向へ90°ピッチで4組配列した四方タイプに
する。方向が一致すれば、この四方タイプのものを1乃
至3つのものに連結する場合に利用しても良い。斜め方
向での連結をする場合は、当該方向へ突出した連結ブラ
ケット15等を設ける。そして、基礎支柱7のうち、ソ
ルトセメントコラム5に埋設される部分の外周面の全体
には、ピン形又はフィン形の突起21が、多数、ほぼ均
等に割り振られて取り付けられている。
【0021】このような基礎支柱7は、補強材19から
下の部分がソルトセメントコラム5に埋設される。この
埋設は、ソルトセメントコラム5の打設が終了した後速
やかに、杭打ち重機等を使用して当該ソルトセメントコ
ラム5の中心部に打ち込むことで行う。従って、ソルト
セメントコラム5が固化すると、その中心部に基礎支柱
7が固定される。この固定は、突起21によってしっか
り結着した状態で行われる。そして、連結ブラケット1
5と梁受け片17は当該ソルトセメントコラム5から上
に露出する。
【0022】土台支持部材9は、上下2枚のベースプレ
ート25と、これらベースプレート25の間に介挿した
免震ゴム積層体27と、上側のベースプレート25から
上方へ突出するように設けられたアンカーボルト29
と、下側のベースプレート25に固定した筒状のキャッ
プ31と、このキャップ31の内側天面に垂直に固定し
たボルト33等から構成されている。
【0023】上下のベースプレート25は耐錆性の良い
金属板によって矩形の平板状に形成され、免震ゴム積層
体27は、円板形の鉄板35とゴム板37を交互に積層
して形成されている。上側のベースプレート25の外周
縁沿いの位置には孔25aが形成され、この孔25a
に、土台を固定するためのアンカーボルト29が下方か
ら通されてベースプレート25に溶接されている。この
アンカーボルト29は、1乃至4本設けられる(図3に
は3本設けたものを示してある。)。
【0024】キャップ31は、前記基礎支柱7に略ぴっ
たり外嵌できる内径を有する円筒状鋼管から成り、下側
のベースプレート25の下面のうち、免震ゴム積層体2
7と同心の位置に溶接され、その外周面とベースプレー
ト25とに溶接された補強材39が設けられている。そ
して、下側のベースプレート25の下面には、ナットプ
レート11を取り付けるためのボルト33がキャップ3
1の軸心上に位置するように溶接されている。このよう
な構造の土台支持部材9は、そのキャップ31を基礎支
柱7の上端部に外嵌することで当該基礎支柱7に取り付
けられる。
【0025】ナットプレート11は、基礎支柱7の外径
とほぼ同じ外径を有する円板形をしており、その中心部
に螺孔11aが形成され、厚さは1センチメートル程度
になっている。このナットプレート11は、必要に応じ
て、所要の枚数、ボルト33に取り付けられる。この取
付は図示しない治具を使用して行う。従って、ボルト3
3にナットプレート11が取り付けられた場合は、この
ナットプレート11が基礎支柱7の上端に着座するの
で、土台支持部材9の基礎支柱7に対する実質的高さ
は、このナットプレート11の枚数分高くなる。
【0026】〔B.第二の基礎構造体〕(図1) 第二の基礎構造体51が第一の基礎構造体3と相違する
点は、地盤改良体の形態と土台支持部材のサイズだけで
ある。即ち、第二の基礎構造体51においては、地盤改
良体がライザー工法によるコンクリートブロック53で
あり、このコンクリートブロック53は1メートル角程
度の大きさで施工される。このコンクリートブロック5
3に基礎支柱7´が固定され、この基礎支柱7´の上端
部に土台支持部材9が取り付けられる。基礎支柱7´は
コンクリートブロック53の丈に見合った長さである
が、コンクリートブロック53から上に突出する部位に
は、前記基礎支柱7と同様、連結ブラケット15や梁受
け片17が所要の組数設けられていて、下部に設けられ
た突起21がコンクリートブロック53と結着する。そ
して、この基礎支柱7´の上端部に土台支持部材9が取
り付けられる。従って、この第二の基礎構造体51にあ
っても、ナットプレート11の有無やその枚数によっ
て、土台支持部材9の基礎支柱7´に対する実質的高さ
を変更できる。
【0027】〔C.支柱梁〕(図1〜図3) 支柱梁61は、H型鋼を所要の長さに切断したもので、
その両端部にボルト通し孔61aを形成してある。支柱
梁61の長さは、必ずしも一定で無く、連結する基礎支
柱どうしの離間距離に合わせる。
【0028】〔D.基礎構造の施工例〕(図1、図4) 次に、上記した第一の基礎構造体3と、第二の基礎構造
体51を使用して構築した建物の基礎構造1の施工の一
例を説明する。この基礎構造1は、木造の一般住宅用に
構築したもので、当該建物の外壁と仕切り壁に対応した
ラインには、2間又は1間の間隔で第一の基礎構造体3
を配置すると共に、この間隔が2間である箇所にはその
中間に第二の基礎構造体51を設けてある。このほか、
基礎構造体3を必要としない箇所であっても、特に地盤
が軟弱な領域には、ソルトセメントコラム5による地盤
改良を施してある。
【0029】そして、第一の基礎構造体3と第二の基礎
構造体51は、必要に応じて、同じもの同士又は異種の
もの同士、支柱梁61によって水平方向で互いに連結す
る。この連結は、基礎支柱7、7´同士で行われるもの
で、支柱梁61の端を梁受け片17に乗せた状態で、支
柱梁61のボルト通し孔61aと基礎支柱7又は7´の
ボルト通し孔にボルト63を通してこれにナットを取り
付けることで行う。
【0030】この連結は縦横と斜め方向のいずれにも行
うのがより望ましくはあるが、図面に示した基礎構造1
では、外壁と仕切り壁に対応したライン上においては隣
接し合うものどうしを縦横に残らず連結し、その他に、
特に軟弱な地盤に設けた基礎構造体3同士を斜め方向で
連結してある。連結ブラケット15等は、地盤改良体で
あるソルトセメントコラム5やコンクリートブロック5
3の上面に近接したところにあるので、ソルトセメント
コラム5の上に土砂を埋め戻すと、その埋め戻した土砂
に支柱梁61が隠される。即ち、支柱梁61は、通常は
地表に表れない。
【0031】土台支持部材9には土台71が固定され
る。この固定は、土台71を、これに形成されたボルト
通し孔にアンカーボルトを通しながら上側のベースプレ
ート25に載置して、ナットを締めることで行う。この
土台71を取り付ける前に、全ての土台支持部材9どう
しの水平出しを行う。この水平出しは、相対的に高さが
低い土台支持部材9を見つけて、一旦土台支持部材を基
礎支柱から外し、その低さに応じた枚数のナットプレー
ト11をボルト33に取付る。そして、再び土台支持部
材を基礎支柱に乗せると、そのナットプレート11の枚
数分、土台支持部材9の高さ位置が上がる。このように
して土台支持部材9相互の水平出しを行なう。基礎構造
1はこのようにして構築される。
【0032】土台71には、柱や間柱73を組み上げて
建物を建築して行く。そして、例えば、図2に示すよう
に、免震ゴム積層体27が隠れるところまで外壁材75
を張ると、外観上は、その外壁材75の下方に、基礎支
柱7、7´の上端部とキャップ31だけが恰も床束のよ
うに残るだけである。従って、床下の周りを塞ぎたくな
い場合は、外壁材75の下にとりわけ化粧材を置かずそ
のままにすれば良いし、ここを塞ぎたい場合は、外壁材
75の内側から下にカラーブロック77等を積めば良
い。
【0033】床下空間の高さ、換言すれば、地面から土
台71までの高さ寸法は、基本的に、基礎支柱7、7´
の地上への突出長を選ぶことで自由に設定できる。基礎
支柱7、7´を地盤改良体に設置する際は、この基礎支
柱7、7´の上端レベルをある程度精度良く規定する必
要がある。床下空間は配管79等のために有効利用す
る。
【0034】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設
計の変更などがあっても本発明に含まれる。例えば、実
施の形態においては、地盤改良体として、セメントを固
化剤とするものを用い、これに基礎支柱を固定させるよ
うにしたが、場合によっては、H型鋼等の鋼材を地盤に
直接打ち込む形の地盤改良体を用いても良く、その場合
は、その地盤改良体をそのまま基礎支柱として利用し、
これに土台支持部材を取り付けるようにすれば良い。
【0035】また、基礎支柱に横断面円形の鋼管を使用
したが、本発明における基礎支柱の形態がこれに限られ
るものでは無く、地盤改良体そのものを基礎支柱とする
場合は、H型鋼等の型鋼を使用することも考えられる。
更に、本発明は、これを実施するに当たって布基礎等の
一般的な基礎を併用してはならないというものでは無
く、随時、部分的に布基礎や独立基礎、床束等を併用し
ても何ら差し支えない。そして、本発明は、木造の建物
を対象とする場合に限らず、鉄骨建築その他各種の建物
の基礎構造として広く適用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の建物の
基礎構造にあっては、当該地盤改良体の耐沈下強度その
ものを持つ非常に強固なものになると共に、基礎工事の
工事はその多くが地盤工事費に吸収されるため、地盤改
良工事費と基礎工事費が二重にかかることは無く、基礎
工事の工期も大幅に短縮されることになる。そして、当
該地盤に加えられる振動のエネルギーは、かなりの量が
免震ゴムの変形に吸収されて、地震等から当該建物が受
けるダメージを相当軽減することができる。
【0037】しかも、本発明の基礎構造が地上に現出す
るのは、主として、個々の基礎構造体における基礎支柱
の上端部とこれに取り付けた土台支持部材、又は、基礎
支柱を地中に隠す場合は土台支持部材だけであって、当
該建物の土台から下の空間、即ち、床下は、大部分にお
いて外側に解放した空間になるので、この空間を囲うた
めの化粧手段を任意に選ぶことができる等、基礎構造の
地上部の外観の処理に大きな自由度が生まれる。その
上、土台から下の空間の高さは、基礎支柱の地上突出長
や土台支持部材の丈を選択するだけで任意に設定できる
ので、この空間の高さを増すのに、実質的な特別コスト
がかかることは殆ど無く、従って、各種の配管や配線、
或いは収納目的等に合わせて、床下の高さを選ぶこと
で、床下を有効利用することができると共に、建築終了
後のメンテナンスを容易に行うことも実現できる。
【0038】請求項2の発明によれば、基礎支柱の水平
方向における耐荷重強度をかなり高いものにすることが
できると共に、土台支持部材の相互の位置関係を一層不
動のものにすることができる。
【0039】請求項3の発明によれば、当該建物の土台
全体の水平出しは、個々の基礎構造体の土台支持部材の
地上高を調節することで達成できるので、基礎支柱を設
けるための地盤改良工事に多少の寸法誤差が生じても、
その誤差を工事後に補正することができる。
【0040】請求項4の発明によれば、基礎工事に当た
っての、土台支持部材の取付作業を極めて簡単に済ませ
ることができ、土台支持部材の地上高の調節作業も簡単
で済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る建物の基礎構造の一
部を示す斜視図である。
【図2】図1に示す建物の基礎構造における基礎構造体
の一つを拡大した垂直断面図である。
【図3】図1に示す建物の基礎構造における基礎構造体
の一つを拡大した分解斜視図である。
【図4】図1に示す建物の基礎構造の全体を示す平面図
である。
【符号の説明】
1 建物の基礎構造。 3 基礎構造体 5 地盤改良体 7 基礎支柱 7´ 基礎支柱 9 土台支持部材 11 高さ調節手段(ナットプレート) 25 ベースプレート 27 免震部材(免震ゴム積層体) 29 アンカーボルト 31 キャップ 33 ボルト 37 免震ゴム 51 基礎構造体 53 地盤改良体 61 支柱梁 71 土台

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントを固化剤とした地盤改良体に少な
    くとも下部が埋込状に固定された基礎支柱又はそれ自体
    が地盤改良体として地中に打ち込まれた基礎支柱と、こ
    の基礎支柱の上端部に取り付けられて建物の土台を支持
    する土台支持部材と、この土台支持部材に組み込まれた
    又は土台支持部材と基礎支柱との間に介挿された免震部
    材とを備えた基礎構造体を多数使用して構築したことを
    特徴とする建物の基礎構造。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した建物の基礎構造におい
    て、少なくとも一部の基礎構造体における基礎支柱どう
    しを土台支持部材の近くにおいて鋼材製の支柱梁によっ
    て連結したことを特徴とする建物の基礎構造。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載した建物の基礎構造
    のいずれかにおいて、個々の基礎構造体は、土台支持部
    材の地上高さを微調節するための高さ調節手段を備えた
    ことを特徴とする建物の基礎構造。
  4. 【請求項4】請求項3に記載した建物の基礎構造におい
    て、基礎支柱の少なくとも上端部には鋼管を使用し、土
    台支持部材は、上下2枚のベースプレートの間に介挿し
    た免震ゴム積層体と、上側のベースプレートから上方へ
    突出するように設けられたアンカーボルトと、下側のベ
    ースプレートに固定した筒状のキャップと、このキャッ
    プの内側天面に垂直に固定したボルトとを備えており、
    上記キャップを基礎支柱の上端部に外嵌することで土台
    支持部材が基礎支柱に取り付けられ、高さ調節手段は、
    上記ボルトとこのボルトに取り付けられて基礎支柱の上
    端に着座するナットプレートとで構成し、このナットプ
    レートを必要な枚数取り付けることで土台支持部材の実
    質的高さが変更されるようにしたことを特徴とする建物
    の基礎構造。
JP35118499A 1999-12-10 1999-12-10 建物の基礎構造 Pending JP2001164581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35118499A JP2001164581A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 建物の基礎構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35118499A JP2001164581A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 建物の基礎構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001164581A true JP2001164581A (ja) 2001-06-19

Family

ID=18415631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35118499A Pending JP2001164581A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 建物の基礎構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001164581A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2839092A1 (fr) * 2002-04-26 2003-10-31 Jean Jacques Combrouze Dispositif de liaison et de reprise des efforts au sol exerces par un poteau, pour la construction
JP2018087482A (ja) * 2016-11-28 2018-06-07 ファン ウンシク クロスバーを含んだ基礎構造物施工方法
JP2020111968A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 鹿島建設株式会社 免震構造
CN111779012A (zh) * 2020-07-08 2020-10-16 王万连 一种装配式地基结构

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2839092A1 (fr) * 2002-04-26 2003-10-31 Jean Jacques Combrouze Dispositif de liaison et de reprise des efforts au sol exerces par un poteau, pour la construction
JP2018087482A (ja) * 2016-11-28 2018-06-07 ファン ウンシク クロスバーを含んだ基礎構造物施工方法
JP2020111968A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 鹿島建設株式会社 免震構造
JP7130563B2 (ja) 2019-01-11 2022-09-05 鹿島建設株式会社 免震構造
CN111779012A (zh) * 2020-07-08 2020-10-16 王万连 一种装配式地基结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20120047822A1 (en) Earthquake force absorption system
JP2015104245A (ja) 太陽光発電パネル架台
JP2001164581A (ja) 建物の基礎構造
JP2000265574A (ja) 高床式鉄骨基礎梁工法
JPH1181739A (ja) 建物構造体の免震装置
JP4446544B2 (ja) 住宅の基礎構造
JP3612600B2 (ja) ユニットアンカーおよび形鋼基礎梁
JP2829313B2 (ja) 耐圧盤式グリットポスト基礎の形成方法
JPH08338033A (ja) 免震基礎
JP4105820B2 (ja) 柱脚構造及び建物ユニット
JP3151609B2 (ja) 免振性の木造建物およびその建築方法
JP2003003672A (ja) 建物の補強方法
JPH1046706A (ja) コンクリート製壁体パネルによる建物構造におけるパネルの定着構造及びその定着方法
JPH033728Y2 (ja)
JP2001241050A (ja) 免震建物における基礎の構造
JPH102047A (ja) 壁パネルの取付構造
JP4452313B1 (ja) 耐震型ベース装置
JP2004076537A (ja) 構築物支柱接合部及び壁面接合部の耐震・免震用補強コーナー固定具
JP2000265478A (ja) 耐震人工地盤付基礎及び耐震人工地盤付基礎施工方法
JP3039716U (ja) 木造建築物用耐震器具
JP2577642B2 (ja) 地下構築物の構築方法
JPH0454275Y2 (ja)
JP2010180654A (ja) 木造住宅
JPH11140990A (ja) ユニット式工作物の据付方法及びユニット式工作物
JP2000273879A (ja) 建物用の基礎