JP2002255680A - 単結晶引上げ用種結晶、単結晶引上げ用多結晶原料、単結晶引上げ用多結晶原料の供給方法、及び単結晶引上げ方法 - Google Patents

単結晶引上げ用種結晶、単結晶引上げ用多結晶原料、単結晶引上げ用多結晶原料の供給方法、及び単結晶引上げ方法

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JP2002255680A
JP2002255680A JP2001048594A JP2001048594A JP2002255680A JP 2002255680 A JP2002255680 A JP 2002255680A JP 2001048594 A JP2001048594 A JP 2001048594A JP 2001048594 A JP2001048594 A JP 2001048594A JP 2002255680 A JP2002255680 A JP 2002255680A
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Takayuki Kubo
高行 久保
Kuniharu Inoue
邦春 井上
Tatsuya Kaburaruma
達也 鏑流馬
Satoru Maniwa
悟 馬庭
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Sumco Corp
Original Assignee
Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチャージでの単結晶の生産性を高める。 【解決手段】 種結晶10により棒状の多結晶原料20
を支持してルツボ30内に供給する。種結晶10の下端
部より上方に、棒状の多結晶原料20を吊り下げ支持す
るための掛け止め部14を形成する。多結晶原料20の
端面に、種結晶10の掛け止め部14が係合する溝21
を、径方向に貫通して形成する。種結晶10の掛け止め
部14が溶解しないように、溝21の下部まで多結晶原
料20を溶解する。多結晶原料20の残りの部分が、溝
21で分割されてルツボ30内の原料融液31中に自然
落下する。多結晶原料20が全量溶解した後、種結晶1
0の掛け止め部14より下方の部分15を原料融液31
に浸漬して、単結晶の引上げを開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CZ法による単結
晶の引上げに使用される種結晶、その引上げ原料として
使用される棒状の多結晶原料、その多結晶原料をルツボ
内に供給する原料供給方法、及びその供給方法を用いた
単結晶引上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの素材として使用される
シリコン単結晶の製造には、CZ法による回転引上げが
多用されている。CZ法によるシリコン単結晶の引上げ
では、周知のとおり、ルツボ内に塊粒状の多結晶シリコ
ンを初期チャージし、これを溶融してルツボ内にシリコ
ン融液を形成する。その後、ルツボ内の融液にシリコン
の種結晶を浸漬し、この状態から種結晶を回転させなが
ら引上げることにより、種結晶の下方にシリコンの単結
晶を育成する。
【0003】このようなCZ法によるシリコン単結晶の
引上げでは、ルツボ内への1回当たりの原料供給量をで
きるだけ増大させて長尺のシリコン単結晶を引上げるた
めに、初期チャージ原料を溶解後、新たに原料う追加供
給する追チャージと呼ばれる技術が開発されている。ま
た、1個のルツボで引上げを繰り返して単結晶の製造能
率を上げ、且つルツボコストを低減するすために、引上
げ終了後、炉内温度を低下させずに、次の単結晶引上げ
を実施するべくルツボ内のシリコン残液に原料を追加供
給するリチャージと呼ばれる技術が開発されている。
【0004】追チャージ及びリチャージにおける供給原
料としては、主に円柱形状の多結晶シリコンロッドが用
いられる。即ち、追チャージでは、初期チャージ原料を
溶解後、円柱形状の多結晶シリコンロッドをルツボ上に
吊り下げ、これを徐々に降下させてルツボ内の融液に浸
漬し溶融させた後、引上げ軸に種結晶を取り付けて単結
晶の引上げが開始される。また、リチャージでは、単結
晶の引上げの後、その単結晶に代えて円柱形状の多結晶
シリコンロッドをルツボ上に吊り下げ、これを徐々に降
下させてルツボ内の融液に浸漬し溶融させた後、引上げ
軸に種結晶を取り付けて次の単結晶引上げが開始され
る。
【0005】ここにおける多結晶シリコンロッドは、通
常シーメンス法で製造された棒状の多結晶シリコンを所
定長さに切断して得たカットロッドである。シーメンス
法とは、高純度シリコンのシードを通電加熱し、そのシ
ード表面でシラン系ガスと水素を反応させることによ
り、そのシードを成長させる気相成長による多結晶シリ
コン製造方法である。シラン系ガスとしてはトリクロロ
シラン又はモノシリコンが使用される。
【0006】円柱形状の多結晶シリコンロッドを使用し
た原料チャージでは、そのチャージロッドをルツボ上に
保持する技術が重要となり、その保持技術として、引上
げ軸の下端部に連結された開閉爪式の保持具でチャージ
ロッドの上端部を把持するものが、特公平6−3119
3号公報により提示されている。また、チャージロッド
の上端部をワイヤで縛って引上げ軸に連結することも行
われている。
【0007】しかしながら、このようなチャージロッド
保持技術では、ロッドチャージの後に保持具やチャージ
ロッドの溶け残りを引上げ軸から外し、引上げ軸の下端
に種結晶を付け替える必要がある。この付け替え作業で
は、高温に加熱された保持具やチャージロッドの溶け残
りを冷却するために、長い冷却期間が必要となる。この
ため、リチャージを用いても、期待される程には操業効
率が向上しないという大きな問題が生じている。更に、
特公平6−31193号公報に記載された保持技術で
は、保持具の構造が複雑化する問題もある。更に、いず
れの保持技術でも、保持具による汚染の危険性が残る。
【0008】このような問題を解決するために、引上げ
軸の下端部に連結された種結晶を用いてチャージロッド
を保持する技術が一部で考えられている(特願平11−
158401号等)。特願平11−158401号によ
り提示された保持技術では、図11に示すように、種結
晶10の下端部に大径球状の掛け止め14が形成され、
その掛け止め部14がチャージロッド20の端部に係合
するように、そのロッド端面に径方向の嵌合溝22が形
成される。
【0009】嵌合溝22は、チャージロッド20の半径
方向に形成されたスリット部22i及び丸孔部22jか
らなる。即ち、種結晶20の下端部に形成された大径球
状の掛け止め部21が側方から挿入される半径方向の丸
孔部22jがチャージロッド20の端部に形成され、掛
け止め部14の上方に形成された丸棒状の支持部13が
通る半径方向のスリット部22iが、ロッド端面及び丸
孔部22jに達するように形成される。これにより、種
結晶10を用いて引上げ軸の下方にチャージロッド20
が吊り下げられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような保持技術に
よると、チャージロッド20を溶け残りなくルツボ内に
供給することができる。また、その原料供給に引き続い
て種結晶10をルツボ内の原料融液から引き上げること
により、種結晶20の付け替え操作なしに引上げを開始
することができる。これらのため、リチャージや追チャ
ージにおける操業効率を著しく高めることができる。
【0011】しかし、チャージロッド20を溶け残りな
くルツボ内に供給するためには、種結晶10の掛け止め
部14もチャージロッド20と共に原料融液に浸漬して
溶解しなければならない。種結晶10の掛け止め部14
は、単結晶の引き上げに先立つネッキング工程で形成で
き、機械加工によっても形成できるが、いずれの場合も
その形成に時間がかかる。このため、種結晶10の掛け
止め部14を引き上げごとに形成することによる生産性
の低下が避けられない。
【0012】本発明の目的は、一度形成した掛け止め部
を繰り返し原料支持に使用できる種結晶を提供すること
にある。
【0013】本発明の他の目的は、掛け止め部を繰り返
し原料支持に使用できる種結晶と組み合わせて、全量溶
解が可能になる多結晶原料を提供することにある。
【0014】本発明の更に他の目的は、その種結晶及び
多結晶原料を用いた効率的な原料溶解溶解方法を提供す
ることにある。
【0015】本発明の更に他の目的は、その原料溶解溶
解方法を用いた効率的な単結晶引上げ方法を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の種結晶は、原料融液からの単結晶引上げに
使用される種結晶であって、前記原料融液と接触する下
端部より上方に、棒状の多結晶原料を吊り下げ支持する
ための掛け止め部を形成したものである。
【0017】また、本発明の多結晶原料は、単結晶引上
げの原料として使用される棒状の多結晶原料であって、
その端面に、前記種結晶の掛け止め部が係合するよう
に、該掛け止め部及び掛け止め部より下方の部分を収容
する径方向の嵌合溝を径方向に貫通して形成したもので
ある。
【0018】また、本発明の別の多結晶原料は、単結晶
引上げの原料として使用される棒状の多結晶原料であっ
て、その端面に、前記種結晶の掛け止め部が係合するよ
うに、該掛け止め部及び掛け止め部より下方の部分を収
容する径方向の嵌合溝を、少なくとも原料外周部から原
料中心部にかけて形成すると共に、原料中心部で前記嵌
合溝を通過し、前記嵌合溝と共同して前記掛け止め部が
係合する位置より深い径方向の貫通溝が形成されるよう
に、径方向のスリット溝を形成したものである。
【0019】また、本発明の原料溶解方法は、ルツボ内
の原料融液から単結晶を引上げる前に、前記種結晶で前
記多結晶原料を吊り下げ支持して、その多結晶原料をル
ツボ内の原料融液に供給し、前記種結晶の掛け止め部が
溶解しないように、前記嵌合溝又は前記貫通溝の下部ま
で多結晶原料を溶解するものである。
【0020】また、本発明の単結晶引上げ方法は、前記
原料供給方法により、棒状の多結晶原料を全て溶解した
後、前記種結晶の掛け止め部より下方の部分を原料融液
に浸漬して、単結晶の引上げ操作を開始するものであ
る。
【0021】本発明では、種結晶の原料融液と接触する
下端部より上方に、棒状の多結晶原料を吊り下げ支持す
るための掛け止め部が形成されることにより、掛け止め
部より下方に、原料融液への浸漬部が形成される。単結
晶の引上げに際して、掛け止め部より下方の部分を原料
融液に浸漬することにより、掛け止め部を溶解せずとも
引上げが可能になり、掛け止め部の繰り返し使用が可能
になる。
【0022】本発明では又、多結晶原料の端面に、種結
晶の掛け止め部及び掛け止め部より下方の部分を収容す
る径方向の嵌合溝が径方向に貫通して設けられる。或い
は、その端面に、径方向の嵌合溝が、少なくとも原料外
周部から原料中心部にかけて形成されると共に、原料中
心部で嵌合溝を通過し、嵌合溝と共同して掛け止め部が
係合する位置より深い径方向の貫通溝を形成するよう
に、径方向のスリット溝が設けられる。
【0023】多結晶原料を溶解する際に、径方向に貫通
形成された嵌合溝や貫通溝に達するまで、その溶解を行
えば、残った部分はそれらの溝で複数に割れて原料融液
中に落下し溶解する。このため、種結晶の掛け止め部が
溶解するまで多結晶原料を下降させなくても、その多結
晶原料の全量溶解が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0025】〔第1実施形態〕図1は本発明の第1実施
形態を示す種結晶及び多結晶原料の立面図、図2は図1
のA−A線矢示図、図3は第1実施形態の種結晶及び多
結晶を用いた原料供給方法の説明図、図4は第1実施形
態の原料溶解方法を用いた単結晶引上げ方法の説明図で
ある。
【0026】第1実施形態では、図1及び図2に示すよ
うに、単結晶の引上げに使用される種結晶10を用い
て、多結晶原料としての多結晶シリコンからなるチャー
ジロッド20がルツボ内に供給される。
【0027】種結晶10は、角棒状の本体部11の下方
に、テーパ部12、支持部13、掛け止め部14及び浸
漬部15を上から下へ順番に形成した形状になっている
(図3及び図4参照)。テーパ部12は、上から下へ向
けて外径が漸減した円錐形状である。支持部13は、全
長にわたって外径が一定の丸棒である。掛け止め部14
は、上方の支持部13より大径の球状乃至円盤状であ
る。浸漬部15は、掛け止め部14より小径の丸棒であ
り、掛け止め部14の中心部下面から下方へ垂直に突出
している。
【0028】テーパ部12、支持部13、掛け止め部1
4及び浸漬部15は、種結晶10をルツボ内の原料融液
に浸漬した後の所謂ネッキングプロセスで形成すること
ができる。また、機械加工によって形成することができ
る。これらの部分の寸法は以下のように設定される。
【0029】支持部13は、チャージロット20の係止
及び後述する単結晶の荷重に耐える機械的強度を確保す
る観点から、最低でも外径3mm以上が必要であり、太
くするほど好ましいが、15mm程度までで十分であ
り、それ以上の増径はコスト的に不利である。
【0030】掛け止め部14の外径は、チャージロット
20を確実に係止する必要があることから、最低でも支
持部13の外径より2mm以上大きくすることが好まし
いが、太すぎる場合には掛け止め部14の形成が困難と
なるため、支持部13の外径に対して20mm増程度に
抑えることが好ましい。
【0031】浸漬部15は、ルツボ内の原料融液に浸漬
されてネッキングを行う種付け部である。種付け時に掛
け止め部14を原料融液に接触させないことが必要であ
る。このために、浸漬部15の長さは3mm以上が好ま
しい。しかし、長すぎる場合は浸漬部15を収容する嵌
合溝22cを大きくしなければならず、これにより原料
チャージ量が減少するので、30mm程度までに抑える
ことが好ましい。
【0032】浸漬部15の太さについては、単結晶の荷
重に耐える機械的強度を確保する観点から最低でも3m
m以上が必要であり、一方、ネッキング時における浸漬
部15内の転位除去を図るために15mm以下にするこ
とが好ましい。
【0033】チャージロッド20は、多結晶シリコンか
らなる断面が円形の丸棒である。チャージロッド20の
上端面には、中心部を通って当該端部を半径方向に貫通
する貫通溝21が、端面に直角に設けられている。貫通
溝21は、チャージロッド20の半径方向に連設された
次の2部分からなる。1つは、種結晶10の支持部13
から浸漬部15にかけての部分を収容する半径方向の嵌
合溝22であり、今1つは、嵌合溝22に続く半径方向
のスリット溝23である。
【0034】前者の嵌合溝22は、チャージロッド20
の外周部から中心部にかけて設けられており、その上部
は、種結晶10の支持部13が嵌合する第1スリット部
22aである。第1スリット部22aの下は、種結晶1
0の掛け止め部14が嵌合する大径の丸孔部22bであ
り、丸孔部22bの更に下は、種結晶10の浸漬部15
が嵌合する第2スリット部22cである。
【0035】後者のスリット溝23は、深さ方向の全域
で一定幅であり、その上部は嵌合溝22の第1スリット
部22aに、また下部は嵌合溝22の第2スリット部2
2cに、それぞれ連続している。即ち、スリット溝23
の深さは、ここでは嵌合溝22の深さと同一である。
【0036】換言すれば、ここにおける貫通溝21は、
チャージロッド20の上端面に、中心部を挟む一方の外
周部から他方の外周部へ貫通して形成された一定幅の直
線溝と、該直線溝の深さ方向中間部に、チャージロッド
20の外周部から中心部にかけて設けられた半径方向の
丸孔部22bとの組み合わせでもある。
【0037】嵌合溝22の第1スリット部22a及び第
2スリット部22cの幅は、種結晶10の支持部13及
び浸漬部15が嵌合するように、これらの外径より若干
大きく設定される。丸孔部22bの最大内径は、種結晶
10の掛け止め部14の係合のために、第1スリット部
22a及び第2スリット部22cの幅より十分に大き
く、掛け止め部14の外径より若干大きく設定されてい
る。第2スリット部22cの高さは、種結晶10の浸漬
部15の長さより若干大きく設定されている。
【0038】スリット溝23は加工上、嵌合溝22の第
1スリット部22a及び第2スリット部22cと同じ溝
幅とされているが、第1スリット部22a及び第2スリ
ット部22cの幅より狭くしたり広くすることも可能で
ある。
【0039】次に、第1実施形態の種結晶10及びチャ
ージロッド20を用いた原料供給方法について、図3
(a)〜(c)を参照して説明する。
【0040】引上げ軸40の下端部に連結されたチャッ
ク41に種結晶10を装着すると共に、その種結晶10
の下部に形成された支持部13から浸漬部15にかけて
の部分を、チャージロッド20の側方から嵌合溝22に
奥まで挿入する。これにより、チャージロッド20は、
種結晶10に形成された掛け止め部14の両側の突出部
によって支持され、この種結晶10を介して引上げ軸4
0の下方に同心状に吊り下げられる。図3(a)は、こ
のようにしてルツボ30の上方にチャージロッド20を
支持した状態を示す。
【0041】この状態から引上げ軸40を下降させるこ
とにより、チャージロッド20がルツボ30内の原料融
液31に供給される。チャージロッド20は、図3
(b)に示すように、原料融液31に浸漬する下部から
順に溶解し、原料融液31を増加させる。図3(c)に
示すように、チャージロッド20の貫通溝21に達する
まで溶解が進むと、残ったチャージロッド20は貫通溝
21の両側に分割され、ルツボ30内の原料融液31中
に自然落下する。
【0042】このとき、チャージロッド20を支持する
種結晶10は、ルツボ30内の原料融液31に浸漬せ
ず、浸漬しても浸漬部15の下端部に限定され、チャー
ジロッド20を係止する掛け止め部14まで溶解するこ
とはない。
【0043】このようにして、種結晶10の掛け止め部
14を溶解させることなく、リチャージや追チャージに
おけるチャージロッド20の供給が行われる。その結
果、掛け止め部14の繰り返し使用が可能になる。
【0044】チャージロッド20の供給が終わると、引
き続き、単結晶の引上げが開始される。このプロセスを
図4(a)(b)により説明する。
【0045】図4(a)に示すように、種結晶10の浸
漬部15の下端部をルツボ30内の原料融液31に接触
させ、いわゆる着液を行う。次いで、図4(b)に示す
ように、通常の引上げと同様に、引上げ軸40及びルツ
ボ30を所定速度で回転させながら引上げ軸40を上昇
させることにより、浸漬部15の外径を徐々に絞るネッ
キング(種絞り)を行い、単結晶50の引上げに移行す
る。
【0046】着液では、種結晶10の浸漬部15の下端
部のみがルツボ30内の原料融液31に浸漬される。単
結晶50の引上げ終了後、所定長さの浸漬部15が確保
されるようにネッキング部を切断して単結晶50を分離
すれば、掛け止め部14の再形成を行うことなく、種結
晶10を繰り返しチャージロッド20の供給及びその供
給に続く単結晶50の引上げに使用できる。その結果、
従来の原料供給・引上げ毎に掛け止め部14を形成する
場合と比べて、引上げ効率が向上する。
【0047】また、引上げ前の原料供給に種結晶10が
使用され、この原料供給の間に受ける加熱により、種結
晶10の温度が上昇し、原料供給に続く着液での熱ショ
ックによる転位導入が抑制される。このため、種結晶1
0を原料供給に使用することにより、無転位化率が向上
する。
【0048】本発明者らによる調査によれば、リチャー
ジでの原料供給に種結晶10を使用することにより、無
転位化率が50%程度向上する。その種結晶10に形成
した掛け止め部14を溶解させずに繰り返し使用するこ
とにより、ネッキング毎に行われる掛け止め部14の形
成が不要になり、1回の引上げ毎に引上げ時間が約1時
間短縮される。
【0049】〔第2実施形態〕図5は本発明の第2実施
形態を示す種結晶及び多結晶原料の立面図、図6は図5
のB−B線矢示図である。
【0050】第2実施形態では、チャージロッド20の
スリット溝23を、嵌合溝22に対して直角に形成した
点が、第1実施形態と相違する。すなわち、ここにおけ
るスリット溝23は、チャージロッド20の半径方向に
貫通して形成され、チャージロッド20の中心部で嵌合
溝22と交差することにより、嵌合溝22と共同して貫
通溝21を形成している。スリット溝23の幅は、ここ
では第2実施形態での溝幅より狭くされている。
【0051】第2実施形態でも、嵌合溝22とスリット
溝23からなる貫通溝21の下端部まで、チャージロッ
ド20を溶解させることにより、チャージロッド20の
残りの部分が割れて種結晶10から分離し、ルツボ内の
原料融液中へ自然落下する。従って、チャージロッド2
0の全量溶解を行いつつ、チャージロッド20の供給及
びその供給に続く単結晶50の引上げへの種結晶10の
繰り返し使用が可能になる。
【0052】〔第3実施形態〕図7は本発明の第3実施
形態を示す種結晶及び多結晶原料の立面図、図8は図7
のC−C線矢示図である。
【0053】第3実施形態では、チャージロッド20の
嵌合溝22を直径方向に貫通して形成し、スリット溝2
3を省略した点が、第1実施形態及び第2実施形態と相
違する。すなわち、第3実施形態では、貫通溝21は嵌
合溝22のみによって形成されている。
【0054】第3実施形態でも、貫通溝21の下端部ま
でチャージロッド20を溶解させることにより、チャー
ジロッド20の残りの部分が貫通溝21で分割されて種
結晶10から分離し、ルツボ内の原料融液中に自然落下
する。従って、チャージロッド20の供給及びその供給
に続く単結晶50の引上げへの種結晶10の繰り返し使
用が可能になる。
【0055】〔第4、5実施形態〕図9は本発明の第4
実施形態を示す種結晶及び多結晶原料の立面図、図10
は本発明の第5実施形態を示す種結晶及び多結晶原料の
立面図である。
【0056】第4、5実施形態では、チャージロッド2
0の嵌合溝22の断面形状が、これまでの実施形態と相
違し、第4実施形態での嵌合溝22は、種結晶10の支
持部13が嵌合するスリット部22dと、掛け止め部1
4及び浸漬部15が嵌合する丸孔部22eとからなる。
また、第5実施形態での嵌合溝22は、種結晶10の支
持部13が嵌合するスリット部22fと、掛け止め部1
4が嵌合する第1の丸孔部22gと、浸漬部15が嵌合
する第2の丸孔部22hとからなる。
【0057】これらの実施形態に示されるように、チャ
ージロッド20の嵌合溝22は、種結晶10の支持部1
3から浸漬部15にかけての部分が嵌合し、チャージロ
ッド20を吊り下げ支持できる形状であればよく、特に
その断面形状を限定するものではない。また、これらの
嵌合溝22も、他の嵌合溝と同様、チャージロッド20
の直径方向に貫通形成して単独で貫通溝21を形成して
もよいし、スリット溝23との組み合わによって貫通溝
21を形成してもよい。
【0058】なお、スリット溝23は、上述の実施形態
では、嵌合溝22と同じ深さになっているが、嵌合溝2
2より深くてもよく、また、種結晶10の掛け止め部1
4が固定される位置より深ければ、嵌合溝22より浅く
てもよい。嵌合溝22と比較してスリット溝23が深い
場合は、嵌合溝22まで溶解が進んだ時点で、チャージ
ロッド20の残りの部分が分割され、スリット溝23が
浅い場合は、そのスリット溝23まで溶解が進んだ時点
で、チャージロッド20の残りの部分が分割される。い
ずれの場合も、チャージロッド20の全量溶解をおこな
いつつ、種結晶10の掛け止め部14の溶解を阻止でき
る。
【0059】種結晶10の掛け止め部14についても、
上述した球状、円盤状に限定するものではなく、チャー
ジロッド20の端部を係止できる形状であれば、具体的
な形状を問わない。
【0060】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の単結晶
引上げ用種結晶は、原料融液と接触する下端部より上方
に、棒状の多結晶原料を吊り下げ支持するための掛け止
め部を形成したことにより、着液時に掛け止め部より下
の部分を原料融液に浸漬でき、一度形成した掛け止め部
を繰り返し原料支持に使用できるので、単結晶の生産性
を上げることができる。
【0061】また、本発明の単結晶引上げ用多結晶原料
は、その端面に、本発明の種結晶の掛け止め部が係合す
るように、該掛け止め部及び掛け止め部より下方の部分
を収容する径方向の嵌合溝を径方向に貫通して形成した
り、或いは径方向の嵌合溝を、少なくとも原料外周部か
ら原料中心部にかけて形成すると共に、原料中心部で前
記嵌合溝を通過し、前記嵌合溝と共同して前記掛け止め
部が係合する位置より深い径方向の貫通溝が形成される
ように、径方向のスリット溝を形成したことにより、原
料の全量溶解を行いつつ掛け止め部の繰り返し使用を可
能にする。
【0062】また、本発明の単結晶引上げ用の多結晶原
料供給方法は、本発明の種結晶で本発明の多結晶原料を
吊り下げ支持して、その多結晶原料をルツボ内の原料融
液に供給し、前記種結晶の掛け止め部が溶解しないよう
に、前記嵌合溝又は前記貫通溝の下部まで多結晶原料を
溶解することにより、原料の全量を溶解させつつ掛け止
め部の繰り返し使用を可能にする。
【0063】また、本発明の単結晶引上げ方法は、本発
明の原料供給方法により、棒状の多結晶原料を全て溶解
した後、前記種結晶の掛け止め部より下方の部分を原料
融液に浸漬して、単結晶の引上げ操作を開始することに
より、原料の全量を溶解させつつ掛け止め部の繰り返し
使用を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す種結晶及び多結晶
原料の立面図である。
【図2】図1のA−A線矢示図である。
【図3】第1実施形態の種結晶及び多結晶を用いた原料
供給方法の説明図である。
【図4】第1実施形態の原料溶解方法を用いた単結晶引
上げ方法の説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す種結晶及び多結晶
原料の立面図である。
【図6】図5のB−B線矢示図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す種結晶及び多結晶
原料の立面図である。
【図8】図7のC−C線矢示図である。
【図9】本発明の第4実施形態を示す種結晶及び多結晶
原料の立面図である。
【図10】本発明の第5実施形態を示す種結晶及び多結
晶原料の立面図である。
【図11】従来の種結晶及び多結晶原料の立面図であ
る。
【符号の説明】
10 種結晶 11 本体部 12 テーパ部 13 支持部 14 掛け止め部 15 浸漬部 20 チャージロッド(多結晶原料) 21 貫通溝 22 嵌合溝 23 スリット溝 30 ルツボ 31 原料融液 40 引上げ軸 41 チャック 50 単結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鏑流馬 達也 佐賀県杵島郡江北町大字上小田2201番地 住友金属工業株式会社シチックス事業本部 内 (72)発明者 馬庭 悟 佐賀県杵島郡江北町大字上小田2201番地 住友金属工業株式会社シチックス事業本部 内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF08 EC05 EG29 PB01 PB09 PB11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料融液からの単結晶引上げに使用され
    る種結晶であって、前記原料融液と接触する下端部より
    上方に、棒状の多結晶原料を吊り下げ支持するための掛
    け止め部が形成された単結晶引上げ用種結晶。
  2. 【請求項2】 単結晶引上げの原料として使用される棒
    状の多結晶原料であって、その端面に、請求項1に記載
    の種結晶の掛け止め部が係合するように、該掛け止め部
    及び掛け止め部より下方の部分を収容する径方向の嵌合
    溝が径方向に貫通して形成された単結晶引上げ用多結晶
    原料。
  3. 【請求項3】 単結晶引上げの原料として使用される棒
    状の多結晶原料であって、その端面に、請求項1に記載
    の種結晶の掛け止め部が係合するように、該掛け止め部
    及び掛け止め部より下方の部分を収容する径方向の嵌合
    溝が、少なくとも原料外周部から原料中心部にかけて形
    成されると共に、原料中心部で前記嵌合溝を通過し、前
    記嵌合溝と共同して前記掛け止め部が係合する位置より
    深い径方向の貫通溝を形成するように、径方向のスリッ
    ト溝が形成された単結晶引上げ用多結晶原料。
  4. 【請求項4】 ルツボ内の原料融液から単結晶を引上げ
    る前に、請求項1に記載の種結晶で請求項2に記載の多
    結晶原料を吊り下げ支持して、その多結晶原料をルツボ
    内の原料融液に供給し、前記種結晶の掛け止め部が溶解
    しないように、前記嵌合溝の下部まで多結晶原料を溶解
    する単結晶引上げ用多結晶原料の供給方法。
  5. 【請求項5】 ルツボ内の原料融液から単結晶を引上げ
    る前に、請求項1に記載の種結晶で請求項3に記載の多
    結晶原料を吊り下げ支持して、その多結晶原料をルツボ
    内の原料融液に供給し、前記種結晶の掛け止め部が溶解
    しないように、前記貫通溝の下部まで多結晶原料を溶解
    する単結晶引上げ用多結晶原料の供給方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の単結晶引上げ用
    多結晶原料の供給方法により、棒状の多結晶原料を全て
    溶解した後、前記種結晶の掛け止め部より下方の部分を
    原料融液に浸漬して、単結晶の引上げ操作を開始する単
    結晶引上げ方法。
JP2001048594A 2001-02-23 2001-02-23 単結晶引上げ用種結晶、単結晶引上げ用多結晶原料、単結晶引上げ用多結晶原料の供給方法、及び単結晶引上げ方法 Pending JP2002255680A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008297132A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Sumco Corp シリコン単結晶の製造方法

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