JP2002254590A - グラビアシリンダー検査装置 - Google Patents

グラビアシリンダー検査装置

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JP2002254590A JP2001059427A JP2001059427A JP2002254590A JP 2002254590 A JP2002254590 A JP 2002254590A JP 2001059427 A JP2001059427 A JP 2001059427A JP 2001059427 A JP2001059427 A JP 2001059427A JP 2002254590 A JP2002254590 A JP 2002254590A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グラビアシリンダーの表面の欠陥を検査する
ことが容易なグラビアシリンダー検査装置を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 グラビア検査装置は、グラビアシリンダ
ーGを載置可能な載置台1と、載置台1を傾動可能に支
持するフレーム部2と、載置台1の下方に備えられた撮
像部3とを備える。撮像部3における撮像手段22はグ
ラビアシリンダーGの軸線方向に沿って走行可能なよう
に構成されている。また、撮像手段22に対し一体化さ
れたマーキング手段23も、撮像手段22と同時に移動
する。撮像手段22で撮像されたグラビアシリンダーG
表面の画像データは、画像処理部を兼ねる制御手段によ
り演算処理されて、キズが検出される。そして、検出さ
れたキズの位置に応じて、マーキング手段23によりグ
ラビアシリンダーGの表面におけるキズの近傍にマーキ
ングがなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、グラビア印刷に
用いるグラビアシリンダーの表面を検査するグラビアシ
リンダー検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷においては、金属状のグラ
ビアシリンダーに対し画像に応じた微小な凹部(セル)
を形成して印刷版を形成し、当該セルにインキを充填し
て被印刷物に転写するようにしている。一般的なグラビ
アシリンダーは、円筒状の鉄芯またはアルミ芯を基材と
し、当該基材上に下地層や剥離層等の複数の層を形成し
た上に画像形成用の銅メッキ層を形成する。そして銅メ
ッキ層に例えば機械式彫刻装置等により画像に応じたセ
ルを彫刻形成し、その後グラビアシリンダーの耐刷力を
増すためのクロムメッキ等を施して製版が完成する。
【0003】上記のようにグラビアシリンダーの製版工
程では種々の金属層を形成するために、その製作途中で
シリンダー表面にキズや凹み等が付いていないかどうか
を検査する工程がある。例えば、前記銅メッキ層を形成
したグラビアシリンダーはバフ研磨を行って仕上げる
が、当該メッキ工程やバフ研磨工程が適切になされてい
てシリンダー表面上にキズ等がないかどうかを検査する
工程等がある。
【0004】従来、上記のような検査工程は検査員がル
ーペ等を用いて目視により行っていた。しかしながら、
銅メッキされたグラビアシリンダーの表面は鏡面であっ
て、目視によるキズの確認作業は困難なものであった。
特に確認すべきキズの大きさが40〜50μm程度の場
合には人為的な検査ミスも起こしやすかった。
【0005】このため特開平5−93694号公開公報
には、キズの視認性を向上させた検査装置が開示されて
いる。この検査装置では、グラビアシリンダー表面に対
し光線を入射し、シリンダー表面で反射した光線をスク
リーンに投影することによってキズを確認しやすくする
ものである。この従来装置は、本質的には検査員の目視
検査での視認性をよくするものであるが、その第2、第
3実施例においては、前記スクリーン上の画像をCCD
カメラで撮像して検査を自動化する構成のものが記載さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置は基本的
に検査員の目視を支援するものであり、検査を自動化す
るためには種々の問題を有する。例えば、上記従来装置
では、グラビアシリンダーの軸端側から照明するように
しているため、例えば、その軸長サイズが長いグラビア
シリンダーの検査を行う場合には光源側と反光源側とで
は光量レベルが変化する。このような光量レベルの変化
は、視認性だけでなく、光学的な画像処理を行う場合に
も問題になる。
【0007】また、上記従来技術では、グラビアシリン
ダーを検査した結果、欠陥が検出された場合には、ディ
スプレー等に表示されたり、ブザーやランプ等で知らさ
れるようになっている。しかしながら、ブザーやランプ
等で報知される場合、グラビアシリンダー上の欠陥が1
つまたは少数であれば良いが、多数になれば検査員が1
回の報知毎に検査を途中停止させてグラビアシリンダー
を確認しなければならず作業効率が悪い。また、ディス
プレーに表示させた場合も、実際のシリンダー表面と相
互に見比べて確認をしなければならず確認作業に負担が
かかる。
【0008】この本発明は上記課題を解決するためにな
されたものであり、シリンダーサイズにかかわらず精度
の良い測定が行え、目視確認が容易なグラビアシリンダ
ー検査装置を提供することを第1の目的とする。
【0009】一方、上記従来装置では、グラビアシリン
ダーの中心軸を回転駆動するようにしている。一般的な
グラビアシリンダーは立設して保管されることが多い
が、このようにグラビアシリンダーを軸芯で保持して回
転させるにはグラビアシリンダーを持ち上げて所定の回
転軸にセットしなければならない。しかしながら、例え
ば、鉄芯を用いた最大サイズのグラビアシリンダーであ
れば約100kg超の重量となり、そのセッティングは容
易ではない。
【0010】この発明は、グラビアシリンダーを略垂直
状態で受け取って水平状態に移行可能なグラビアシリン
ダーの支持手段を備えることで、グラビアシリンダーの
セッティングが容易なグラビアシリンダー検査装置を提
供することを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、グラビアシリンダーの表面を検査するグラビアシリ
ンダー検査装置であって、グラビアシリンダーを支持す
る支持手段と、前記支持手段で支持されたグラビアシリ
ンダーを回転させる回転手段と、前記グラビアシリンダ
ーの表面状態を検出するシリンダー表面検出手段と、前
記シリンダ表面検出手段により検出したグラビアシリン
ダー表面の検出データを演算処理して、欠陥を検出する
欠陥検出手段と、前記グラビアシリンダーにおける前記
欠陥検出手段により検出した欠陥の近傍にマーキングを
行うマーキング手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記シリンダー表面検出手段はシリン
ダー表面を撮像する撮像手段であり、前記撮像手段をグ
ラビアシリンダーの軸線方向に沿って移動させる移動手
段と、前記回転手段によりグラビアシリンダーを回転さ
せるとともに前記移動手段により撮像手段を移動させる
ことによって、前記撮像手段によりグラビアシリンダー
の表面の画像データを順次走査読み取りさせる走査制御
手段とを備えている。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の発明において、前記支持手段はグラビ
アシリンダーの外周面を下方から支持する1以上のロー
ラ部材と、前記ローラ部材により支持されたグラビアシ
リンダーを略水平な状態から略垂直な状態まで傾斜させ
る傾斜手段とを含んでいる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記回転手段は、前記ローラ部材の少
なくとも一つを回転駆動する回転駆動機構を備えてい
る。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3いずれかに記載の発明において、前記回転手段
は、前記グラビアシリンダー表面に対し接離可能に構成
された摩擦駆動ローラ部材である。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記移動手段は、前記撮像手段と前記
マーキング手段とを一体的に移動させている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明に係るグラビア
シリンダー検査装置の一例を示す正面概要図、図2
(A)はその側断面概要図である。なお、理解を容易と
するため、これらの図においては適宜の省略を行ってい
る。
【0018】[装置全体の構成]
【0019】図に示すように、このグラビアシリンダー
検査装置は、グラビアシリンダーGを載置可能な載置台
1と、載置台1を傾動可能に支持するフレーム部2と、
載置台1の下方に備えられた撮像部3とを備える。
【0020】載置台1はフレーム部2に対し支軸a(図
2(A)参照)を中心に回動可能に支持されており、フ
レーム部2に設けられたエアーシリンダー4により、図
1において実線で示す水平状態と、図1において破線で
示す略垂直状態との間を傾動可能に構成されている。な
お、フレーム部2には、水平状態および略垂直状態にお
いて、各々載置台1をフレーム部2に固定するための図
示しないロック手段が配設されている。なお、本明細書
内では、水平状態とはグラビアシリンダーGの軸線が水
平状態またはその近傍の状態にある状態を表し、略垂直
状態とはグラビアシリンダーGの軸線が45度以上に立
設する状態を表す。
【0021】フレーム部2は載置台1を支持するフレー
ム本体であり、エアーシリンダー4や本装置に係る空圧
回路および電気回路等を内蔵している。また、フレーム
部2の下方には、装置本体を手動で移動させるためのキ
ャスターが備えられている。なお、撮像部3の構成につ
いては後述する。
【0022】[載置台の構成]
【0023】載置台1は、図1における左右方向に延設
されたベース台5と、ベース台5の一端近傍に固定され
た第1のシリンダー支持手段6およびにシリンダー端面
受け板7と、ベース台5に沿って移動可能な第2のシリ
ンダー支持手段8とを備える。
【0024】ベース台5は載置台1を構成するフレーム
本体として機能し、前述のとおり支軸aを中心に回転可
能に支持されている。また、ベース台5には、支軸aか
ら離れた位置にエアーシリンダー4の伸縮ロッドの先端
が接続されており、このエアーシリンダー4の伸縮動作
によって、載置台1が水平状態から略垂直状態までの範
囲で傾動するように構成されている。
【0025】第1のシリンダー支持手段6は、図2に示
すように、グラビアシリンダーGの外表面を支持可能な
ように配置された6つのローラ部材9と、このローラ部
材9をベース台5から所定の高さで回転可能に支持する
ローラ支持部材10とからなる。このローラ支持部材1
0はベース台5の一端側の定位置に固設されている。
【0026】ローラ部材9は、グラビアシリンダーGの
シリンダー表面を極力キズ付けないような弾性の円周表
面を有するゴムローラ等から構成されている。また、ロ
ーラ部材9のグラビアシリンダーGの軸線方向長さは、
グラビアシリンダーG端部の約10mm〜15mm程度を支
持可能な長さに構成されている。上記長さはグラビアシ
リンダーG上の印刷や彫刻等に使用しない範囲を基準に
設定されているが、材質上キズの問題がなければ、これ
より長くてもよい。
【0027】一方、全てのローラ部材9は、図示しない
連結ギアによって同方向に回転するように連結されてお
り、プーリーおよびベルトを介して接続された駆動モー
タ11によって互いに同期して回転駆動されるように構
成されている。この実施の形態では、ローラー手段9を
回転させることにより、これらのローラ部材9に支持さ
れたグラビアシリンダーGが自重により従動回転するよ
うに構成されている。
【0028】なお、本明細書で言うローラ部材9とは、
グラビアシリンダーGの表面を転がり面で支持可能であ
ればよく、一般的なコロやボール状部材等も含むものと
する。さらに、前記ローラ部材9は、種々の直径のグラ
ビアシリンダーGに対するため複数組設けられている
が、各グラビアシリンダーGを少なくとも2本のローラ
部材9を利用して支持することができる構成であればよ
い。
【0029】シリンダー端面受け板7は、ベース台5の
端部に固設された剛性のある板状部材であって、図1に
おいて点線で示すように載置台1が略垂直状態にある際
に地面に密接するように取付角度が設定されている。こ
のシリンダー端面受け板7は、立設したグラビアシリン
ダーGを載置台1に載せる際に使用する。この詳細動作
については後述する。
【0030】第2のシリンダー支持手段8は、第1のシ
リンダー支持手段6に対向する位置においてグラビアシ
リンダーGを支持するものであって、第1のシリンダー
支持手段6と略同一なローラ部材9’とローラ支持部材
10’とを備える。ただし第2のシリンダー支持手段8
では、ローラ部材9’はモータにより駆動せず、自由回
転するように軸支されている。また、第2のシリンダー
支持手段8はベース台5に沿って摺動可能であって、作
業者がグラビアシリンダーGの軸線サイズに対応させて
予め手動で位置決めをすることができるように構成され
ている。従って、ローラ支持部材10’には、図2
(A)に示すように、後述する撮像手段22が移動する
際の干渉を防止するため、通過孔bが形成されている。
また、ローラ支持部材10’は、ロック手段12によっ
て適宜の位置でベース台5に対し固定または固定解除す
ることができるように構成されている。なお、本実施の
形態では、第2のシリンダー支持手段8は手動により移
動させているが、モータ等により自動で移動および位置
決めする構成としてもよい。
【0031】[撮像部の構成]
【0032】撮像部3は、第1および第2のシリンダー
支持手段6、8によって支持されたグラビアシリンダー
Gとベース台5との間を走行してシリンダー周面の撮像
を行うものであって、図1に示すように、ベース台5上
に沿って設けられたボールネジ20と、このボールネジ
を駆動する駆動モータ21と、ボールネジ20に螺合さ
れた撮像手段22とからなる。また、撮像手段22には
一体的にマーキング手段23が固定されている。上記機
構では、駆動モータ21によりボールネジ20を回転駆
動させて、撮像手段22をグラビアシリンダーGの下方
で平行して移動させることができる。この時、撮像手段
22に固定されたマーキング手段23も同時に移動す
る。
【0033】撮像手段22の詳細については、図2
(A)および図2(B)を用いて説明する。なお、図2
(B)は撮像手段22の要部の拡大断面図である。これ
らの図において、撮像手段22は、ボールネジ20に螺
合されたケース本体24と、ケース本体24内に内蔵さ
れた光源25ならびに読取光学系26とを備える。
【0034】ケース本体24は、ベース台5に設置され
た2本のレール部材27(図2(A)参照)に沿って摺
動するように構成されており、ボールネジ20の回転に
従って移動を行う。光源25はグラビアシリンダーGと
平行に配置された蛍光灯および反射鏡からなり、撮像を
行うべきグラビアシリンダーGの最下部を照明するもの
である。
【0035】読取光学系26は、シリンダー軸線方向に
沿ってケース本体24の上部に形成されたスリット孔2
8からの入射光を、ミラー29、光学系30等を介して
CCDセンサー31で受光するものである。なお、CC
Dセンサー31はグラビアシリンダーGと平行に配置さ
れたラインセンサーである。この撮像手段22は、グラ
ビアシリンダーGの回転に伴って、順次、連続的状また
はステップ状にグラビアシリンダーGの軸線方向に移動
することにより、グラビアシリンダーG表面の画像をC
CDセンサー31の撮像幅毎に得ることができるよう構
成されている。
【0036】なお、外光の影響をなくし撮像を良好にす
るために、グラビアシリンダーGを含む装置の要部を、
遮光性の開閉カバー等で覆うようにしても良い。
【0037】一方、マーキング手段23は、インキジェ
ット方式でグラビアシリンダーGの表面に油性のマーキ
ングを行うものである。このマーキング手段23は撮像
手段22にともなって移動をすることが可能であり、グ
ラビアシリンダーG上の任意の位置に非接触でマーキン
グを行うことができる。すなわち、撮像手段と一体化す
ることにより、ボールネジ等の移動手段を兼用すること
ができるという利点がある。このマーキングについては
作業者の目視観察の目安になればよいので、描画精度等
は低くてもよい。このため、例えば、マーキングペンを
グラビアシリンダーGの表面に対し上下動させるスタン
プ方式等の構成を使用するようにしてもよい。
【0038】[制御ブロック構成]
【0039】次に、図3を用いて本実施の形態における
グラビアシリンダー検査装置の電気構成について説明す
る。
【0040】この図に示すように、この実施形態に係る
グラビアシリンダー検査装置は、各種入出力I/F、メ
モリ、記録ディスク等を備えたマイクロコンピュータを
制御手段40として備えている。この制御手段40に
は、作業者が検査作業を指示する際のキーボードや表示
手段が備えられた操作部41が接続されるとともに、前
述した駆動モータ11、駆動モータ21、撮像手段2
2、マーキング手段23、エアーシリンダー4を駆動す
る際の空圧駆動回路42等の装置各部が電気的に接続さ
れる。なお、本実施の形態では、制御手段40は装置各
部の制御を行うとともに、撮像手段22で撮像した画像
データを画像処理する画像処理手段としても機能する。
もちろん、画像処理を別の演算手段により実施するよう
にしてもよい。
【0041】[検査作業]
【0042】次に、本グラビアシリンダー検査装置を用
いた検査作業について説明する。先ず、作業者は検査装
置本体を本体下部に備えられたキャスターにより移動さ
せ、検査するグラビアシリンダーGの近傍まで近づけ
る。この際にグラビアシリンダーGは立設して保管され
ているものとする。
【0043】次に、作業者がエアーシリンダー4を駆動
して、載置台1を略垂直状態にする。そして立設したグ
ラビアシリンダーGを端部円周面に沿って転がして搬送
し、シリンダー端面受け板7上に載せる。または、片持
ちしたグラビアシリンダーGの下面に対しシリンダー端
面受け板7を挿入してグラビアシリンダーGをシリンダ
ー端面受け板7上に載せる。次に、作業者は第2のシリ
ンダー支持手段8をグラビアシリンダーGの軸長サイズ
に合わせて調節する。なお、グラビアシリンダーGをシ
リンダー端面受け板7に載せる前に調節しておいてもよ
い。この状態から、グラビアシリンダーGを第1および
第2のシリンダー支持手段6、8に当接するように傾斜
させる。そして、エアーシリンダー4を駆動して載置台
1を水平状態とする。
【0044】載置台1上のグラビアシリンダーGが水平
状態になれば、作業者はグラビアシリンダーGを回転さ
せつつウエス等でシリンダー表面を清掃する。これは、
グラビアシリンダーGの表面にゴミやホコリ等が付着し
た場合にキズと誤認される場合があるからである。な
お、グラビアシリンダーGは作業者が手動で回転させて
もよい。また、例えば、図示しないペダル式フットスイ
ッチ等によって駆動モータ11を手動でオン/オフする
ことによりグラビアシリンダーGを回転させても良い。
【0045】清掃作業が終了すれば、操作部41から検
査作業を指示する。制御手段40は予め定められたプロ
グラムに従って検査を開始する。先ず、操作手段22が
走査開始位置(ここでは第1のシリンダー支持手段側端
部とする)へ復帰する。そしてグラビアシリンダーGの
回転とともに撮像手段22が走査を開始する。なお、走
査は作業時間短縮のためスパイラル走査を行うことが望
ましいが、ステップ送り走査でもよい。グラビアシリン
ダーGの回転にともない、グラビアシリンダーGの周面
が順次撮像される。得られた画像データは図示しないエ
ンコーダ手段によるグラビアシリンダーG表面の位置を
アドレス情報として、制御手段40内のメモリに貯えら
れる。また、駆動モータ11、21をパルスモータと
し、エンコーダ手段に代えてパルスモータのパルス数に
より位置の演算を行っても良い。制御手段40は得られ
た画像データを画像処理してグラビアシリンダーGの表
面上の欠陥を検出する。
【0046】この実施の形態では、撮像した多値の画像
データを所定の閾値で2値化し、キズ等の凹部により変
化した受光レベルの差でキズの有無を白黒2値に変換す
る。そして、予め定められた数の画素が連続するパター
ンを検出することにより、グラビアシリンダーG上のキ
ズを判別する。なお、上記閾値やキズ検出パターンを適
宜変更することにより、検査レベルを変更することがで
きる。この画像処理に関しては種々の手法が存在し、他
の手法を代替としてもよいことは言うまでもない。
【0047】画像処理によりキズを検出した場合は、当
該キズの位置をメモリのアドレスから実際のグラビアシ
リンダーGの表面の位置として割り出す。そして割り出
されたグラビアシリンダーGの表面の位置に対し、マー
キング手段23によるマーキングが行われる。マーキン
グとしては、単に目視確認ができる何らかの目印でもよ
いし、キズの形状や大きさ等にともないキズ種別毎のマ
ークを印字するようにしてもよい。例えば、印刷上大き
な問題が生じるおそれのあるキズと、そうでない小さな
キズ等を区別して作業者に確認させることもできる。
【0048】グラビアシリンダーGを最後まで撮像した
ら、各駆動モータを停止し作業を終了する。作業終了後
は自動で原点復帰等を行うようにしても良い。なお、グ
ラビアシリンダーGの最終端は、第2のシリンダー支持
手段8の固定位置を図示しないセンサー等で検出して判
定することができる。もしくは、作業者がシリンダー長
を予め入力しておいてもよい。また、撮像手段22の撮
像した画像データの変化からグラビアシリンダーGの最
終端を判定するようにしてもよい。
【0049】この実施の形態では、マーキング手段23
は撮像手段22の走査方向でみて下流側にあり、マーキ
ング手段23が撮像手段22での撮像位置に達するまで
に、当該撮像位置のマーキングを行えるようにしてい
る。これにより、1方向の走査で検査およびマーキング
が終了する。しかしながら、撮像画素の解像度や画像処
理速度の設定条件によってはキズ検出に時間がかかる場
合もある。この場合は、1方向走査により撮像を行な
い、画像処理後に復帰走査においてマーキングを行うよ
うにしてもよい。このような構成を採用した場合におい
ては、往復の走査で撮像およびマーキングが行える。
【0050】[その他の変形例]
【0051】上記実施の形態では、ローラ部材9を回転
させて、そこに載置されたグラビアシリンダーGが自重
により従動回転するようにしている。しかしながら、グ
ラビアシリンダーG表面はメッキにより鏡面化されてお
り、また、その表面は洗浄液や潤滑油等で清掃されてい
る場合がある。このため、グラビアシリンダーGによっ
てはスリップが生じる可能性もある。これを防止するた
めには、図4で示すように、回転駆動を行うローラ部材
9に対向するグラビアシリンダーGの上方位置に押さえ
ローラ50を配置し、グラビアシリンダーGとローラ部
材9との接触を密にするように押圧付勢する構成とすれ
ばよい。この実施の形態では、付勢を行う押さえローラ
50は、載置台1の傾動に対し干渉しない位置に設けら
れたポール部材51と、このポール部材51に対し上下
動および旋回可能なアーム部材52とにより支持されて
おり、作業者が手動によりグラビアシリンダーGの上面
に対し圧接するように設置することが可能な構成となっ
ている。なお、アーム部材52の上下動および旋回動は
図示しないモータの駆動により自動化してもよい。ま
た、図示しない駆動モータにより押さえローラ50自体
を回転駆動するようにしてもよい。
【0052】また、上記実施の形態によれば、グラビア
シリンダーGをローラにより摩擦駆動するようにしてい
るので、ローラの材質を弾性材料で構成してもスリップ
キズ等が生じる可能性がある。このため印刷等に用いな
いグラビアシリンダーGの端部を摩擦駆動するようにし
ているが、さらに安全を見越して、グラビアシリンダー
Gの端部に形成されたアール部に対して斜めに当接する
摩擦駆動ローラで回転駆動するようにしてもよい。ま
た、グラビアシリンダーGの端面に孔設された取付孔に
対し駆動用のコーン部材を装着して回転するようにして
もよい。
【0053】また、上記実施の形態では、撮像手段22
をグラビアシリンダーGの軸線方向に移動させるように
している。このような構成を採用することにより、種々
のシリンダーサイズに対応することができるが、一方
で、走査に時間がかかるという問題がある。このため、
グラビアシリンダーGの軸線方向全長において一括的に
グラビアシリンダーGの表面の画像を記録するようにし
てもよい。例えば、載置台1に沿って長尺のラインセン
サーを設けて一括読み取りするようにしてもよい。
【0054】さらに、撮像手段22の代わりに非接触の
距離センサー、例えば、超音波センサー等を備えた検出
手段を代替として用いても良い。この場合は、グラビア
シリンダーGの表面の凹凸の値に応じてキズの有無を検
出することができ、特にキズの深さも容易に判定するこ
とができると言う利点がある。この反面、グラビアシリ
ンダーG自体の芯振れや湾曲等のへの対応、すなわち、
グラビアシリンダーGの場合には300μm程度の加工
誤差を補正する機能を備える必要がある。これに対し、
上述した光学検査の場合は、上記芯振れや湾曲等があっ
ても撮像系の焦点深度以内で十分問題がなく検査が行え
るという利点がある。
【0055】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、グラビ
アシリンダーの表面上の欠陥を検出してマーキングする
ことにより作業者が容易に欠陥を目視確認することがで
きる。
【0056】請求項2に記載の発明によれば、グラビア
シリンダーの軸線方向に沿って移動する撮像手段により
光学検査を行えるので、種々のサイズのシリンダーを精
度よく検査することができる。
【0057】請求項3に記載の発明によれば、支持手段
が略水平な状態と略垂直な状態との間で傾斜可能である
ため、立設したグラビアシリンダーを支持手段に容易に
装着することができる。
【0058】請求項4に記載の発明によれば、シリンダ
ーを支持するローラ部材を回転させることにより、シリ
ンダーの自重により回転駆動を行うことができる。この
とき、シリンダーの周面を摩擦駆動により回転させるこ
とができるため、シリンダーに形成された軸孔を回転軸
により支持する必要がない。
【0059】請求項5に記載の発明によれば、シリンダ
ーの周面を摩擦駆動により回転させることができるた
め、シリンダーに形成された軸孔を回転軸により支持す
る必要がない。
【0060】請求項6に記載の発明によれば、撮像手段
に対しマーキング手段を一体化させることで、撮像手段
を移動するための移動手段をマーキング手段の移動に兼
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るグラビアシリンダー検査装置の
一例を示す正面図である。
【図2】同グラビアシリンダー検査装置の側断面概要図
(A)および撮像手段の要部拡大断面図(B)である。
【図3】同グラビアシリンダー検査装置のブロック図で
ある。
【図4】グラビアシリンダー検査装置の一変形例を示す
説明図であり、シリンダー上部に押さえローラを設けた
例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 載置台 2 フレーム部 3 撮像部 4 エアーシリンダー 5 ベース台 6 第1のシリンダー支持手段(固定側) 7 シリンダー端面受け板 8 第2のシリンダー支持手段(移動側) 9、9’ ローラ部材 10、10’ ローラ支持部材 11 駆動モータ(シリンダー回転用) 20 ボールネジ 21 駆動モータ(撮像手段移動用) 22 撮像手段 23 マーキング手段 25 光源 26 読取光学系 31 CCDセンサー 40 制御手段 41 操作部 50 押さえローラ G グラビアシリンダー
フロントページの続き (72)発明者 谷口 義弘 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 (72)発明者 上野 晴久 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 2C250 EA21 EB31 EB50 2G051 AA90 AB07 CA03 CB01 CD04 CD07 DA08 DA15 2H084 AA36 AA40 AE07 BB02 BB16 CC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラビアシリンダーの表面を検査するグ
    ラビアシリンダー検査装置であって、 グラビアシリンダーを支持する支持手段と、 前記支持手段で支持されたグラビアシリンダーを回転さ
    せる回転手段と、 前記グラビアシリンダーの表面状態を検出するシリンダ
    ー表面検出手段と、 前記シリンダ表面検出手段により検出したグラビアシリ
    ンダー表面の検出データを演算処理して、欠陥を検出す
    る欠陥検出手段と、 前記グラビアシリンダーにおける前記欠陥検出手段によ
    り検出した欠陥の近傍にマーキングを行うマーキング手
    段と、 を備えることを特徴とするグラビアシリンダー検査装
    置。
  2. 【請求項2】 前記シリンダー表面検出手段はシリンダ
    ー表面を撮像する撮像手段であり、 前記撮像手段をグラビアシリンダーの軸線方向に沿って
    移動させる移動手段と、 前記回転手段によりグラビアシリンダーを回転させると
    ともに前記移動手段により撮像手段を移動させることに
    よって、前記撮像手段によりグラビアシリンダーの表面
    の画像データを順次走査読み取りさせる走査制御手段と
    を備える請求項1に記載のグラビアシリンダー検査装
    置。
  3. 【請求項3】 前記支持手段はグラビアシリンダーの外
    周面を下方から支持する1以上のローラ部材と、前記ロ
    ーラ部材により支持されたグラビアシリンダーを略水平
    な状態から略垂直な状態まで傾斜させる傾斜手段とを含
    む請求項1または請求項2に記載のグラビアシリンダー
    検査装置。
  4. 【請求項4】 前記回転手段は、前記ローラ部材の少な
    くとも一つを回転駆動する回転駆動機構を備える請求項
    3に記載のグラビアシリンダー検査装置。
  5. 【請求項5】 前記回転手段は、前記グラビアシリンダ
    ー表面に対し接離可能に構成された摩擦駆動ローラ部材
    である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のグラビ
    アシリンダー検査装置。
  6. 【請求項6】 前記移動手段は、前記撮像手段と前記マ
    ーキング手段とを一体的に移動させる請求項2に記載の
    グラビアシリンダー検査装置。
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