JP2002250267A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

Info

Publication number
JP2002250267A
JP2002250267A JP2001263784A JP2001263784A JP2002250267A JP 2002250267 A JP2002250267 A JP 2002250267A JP 2001263784 A JP2001263784 A JP 2001263784A JP 2001263784 A JP2001263784 A JP 2001263784A JP 2002250267 A JP2002250267 A JP 2002250267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
ignition
voltage
secondary winding
ion current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001263784A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4528469B2 (ja
Inventor
Hiroshi Inagaki
浩 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2001263784A priority Critical patent/JP4528469B2/ja
Priority to US10/022,696 priority patent/US6539930B2/en
Priority to EP01310807A priority patent/EP1217206A3/en
Publication of JP2002250267A publication Critical patent/JP2002250267A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4528469B2 publication Critical patent/JP4528469B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P9/00Electric spark ignition control, not otherwise provided for
    • F02P9/002Control of spark intensity, intensifying, lengthening, suppression
    • F02P9/007Control of spark intensity, intensifying, lengthening, suppression by supplementary electrical discharge in the pre-ionised electrode interspace of the sparking plug, e.g. plasma jet ignition
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P3/00Other installations
    • F02P3/02Other installations having inductive energy storage, e.g. arrangements of induction coils
    • F02P3/04Layout of circuits
    • F02P3/05Layout of circuits for control of the magnitude of the current in the ignition coil
    • F02P3/051Opening or closing the primary coil circuit with semiconductor devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Testing Of Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一次巻線への通電開始時に点火プラグに火花
放電が発生して、混合気への誤着火を引き起こすことを
抑制するとともに、点火プラグの電極間におけるイオン
電流の発生、検出が可能な内燃機関用点火装置を提供す
る。 【解決手段】 内燃機関用点火装置1は、一次巻線L1
への通電開始時に二次巻線L2に発生する誘導電圧によ
り流れる電流は、逆流防止用ダイオード31により通電
が阻止されるため、一次巻線L1への通電開始時に点火
プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生す
ることはない。また、火花放電の終了後、点火コイル1
5の残留エネルギにより二次巻線L2の両端に発生する
誘導電圧(イオン電流発生用電圧)を、点火プラグ13
の電極13a−13b間に電圧を印加することで、イオ
ン電流を発生させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点火コイルに発生
した点火用高電圧を印加することで点火プラグの電極間
に火花放電を発生させるとともに、火花放電の終了後に
イオン電流を発生させる機能を備えた内燃機関用点火装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等に使用される内燃機関
においては、点火プラグによる火花放電により混合気が
燃焼すると、その燃焼に伴ってイオンが発生することか
ら、点火プラグの火花放電により混合気が燃焼した後
に、その点火プラグの電極間に電圧を印加することでイ
オン電流が流れる。そして、イオンの発生量は混合気の
燃焼状態によって変化することから、このイオン電流を
検出し、解析処理を行うことによって、失火検知やノッ
キング検出等を行うことができる。
【0003】そして、従来より、このイオン電流を発生
させる機能を備えた内燃機関用点火装置としては、二次
巻線の一端に点火プラグが電気的に接続される一方、二
次巻線の他端に直列にコンデンサが備えられており、点
火プラグでの火花放電発生時に、点火コイルの二次巻線
および点火プラグに流れる火花放電電流(二次電流)に
よりこのコンデンサを充電し、火花放電終了後に充電さ
れたコンデンサを放電して、二次巻線を介し点火プラグ
の電極間に電圧を印加することで、イオン電流を発生さ
せる構成が主流である(例えば、特開平4−19146
5号公報や特開平10−238446号公報等)。
【0004】なお、このような内燃機関用点火装置で
は、コンデンサに並列にツェナーダイオードが備えられ
て、コンデンサが過充電により破壊されるのを防ぐとと
もに、コンデンサの両端電圧を一定電圧(100〜30
0[V])に制限している。このように、コンデンサを
イオン電流発生用の電源として用いる内燃機関用点火装
置は、イオン電流発生用としての専用電源装置(バッテ
リなど)を特に設ける必要が無くなるため、部品点数が
比較的少なくなると共に、小型化を図ることができると
いう利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
点火プラグでの火花放電時に流れる二次電流にて充電し
たコンデンサを放電させることで点火プラグの電極間に
イオン電流を発生させる構成の内燃機関用点火装置で
は、点火コイルに磁束エネルギを蓄積するために一次巻
線への通電を開始した際に、点火用高電圧とは逆極性の
高電圧(数kV)が二次巻線に発生して、点火プラグが
正常な点火時期以前に火花放電を生じてしまい、混合気
への誤着火を引き起こす虞がある。
【0006】つまり、上述の内燃機関用点火装置は、二
次電流の通電経路に直列接続されたコンデンサに対し、
火花放電発生時には充電が可能となり、またイオン電流
発生時には放電が可能となるように、二次電流の通電経
路が両方向の電流を通電可能となるように構成されてい
る。このため、上述の内燃機関用点火装置では、一次巻
線への通電開始時の点火コイルにおける磁束密度の変化
に伴い、一次電流の通電遮断時とは逆極性の誘導電圧が
二次巻線の両端に発生することになり、この時に発生す
る誘導電圧が火花放電に必要な電圧値を超える高電圧と
なる場合には、本来の火花放電時とは逆方向の二次電流
が流れる状態で、点火プラグに火花放電が発生すること
になる。
【0007】また、一次巻線への通電時間を同じ長さに
設定した条件下においては、内燃機関の回転速度が高く
なるほど、一次巻線への通電開始時期は、クランク角度
の早い時期に設定されることになり、つまり、シリンダ
内の筒内圧が低い時期に設定されることになる。そし
て、点火プラグにおける放電電圧は、シリンダ内の筒内
圧が低くなるほど低下することが知られていることか
ら、高回転運転時においては、一次巻線への通電開始時
に二次巻線に発生する点火用高電圧とは逆極性の高電圧
(数kV)によって、混合気への誤着火が起こり易くな
る。
【0008】このような早い時期での混合気への誤着火
の発生を防ぐためには、二次電流の通電経路における電
流の通電可能な方向を一方向として、一次電流の通電遮
断時にのみ電流が流れるのを許容するように、所謂、逆
流防止用ダイオードを二次巻線の一端と点火プラグとに
より形成される通電経路に設けると良い。しかしなが
ら、二次巻線の一端と点火プラグとにより形成される通
電経路に、一次電流の遮断時に二次巻線に発生する電流
の通電のみを許容するように逆流防止用ダイオードを設
ける場合、上述の公報技術のイオン電流を発生させる機
能を備えた内燃機関用点火装置では、二次電流によるコ
ンデンサへの充電は可能なものの、コンデンサの放電に
よる電流を流すことができなくなり、点火プラグの電極
間にイオン電流を発生させることが不可能となって、点
火プラグの電極間に流れるイオン電流の検出を行うこと
ができない。
【0009】そこで、本発明は、こうした問題に鑑みな
されたものであり、一次巻線への通電開始時に点火プラ
グに火花放電が発生して、混合気への誤着火を引き起こ
すことを抑制するとともに、点火プラグの電極間におけ
るイオン電流の発生、検出が可能な内燃機関用点火装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の発明は、一次巻線および二
次巻線を有し、一次巻線に流れる一次電流を遮断するこ
とで二次巻線に点火用高電圧を発生する点火コイルと、
点火コイルの一次巻線に流れる一次電流の通電・遮断を
行うスイッチング手段と、二次巻線に直列接続されて閉
ループを形成すると共に、点火用高電圧が印加されて二
次電流が流れることにより自身の電極間に火花放電を発
生する点火プラグと、を備えた内燃機関用点火装置であ
って、点火コイルの二次巻線の高圧側と前記点火プラグ
とを接続する通電経路中に接続され、一次巻線への通電
遮断時に二次巻線に発生する電流の通電を許容し、一次
巻線への通電開始時に二次巻線に発生する電流の通電を
阻止する逆流防止用ダイオードと、二次電流の通電経路
において、二次巻線および点火プラグに直列接続され
て、点火プラグの電極間にイオン電流が流れる際に、こ
のイオン電流に比例した電流を検出するための電流検出
手段と、点火用高電圧の発生時に電流検出手段に印加さ
れる電圧を一定値以下に制限する印加電圧制限手段と、
を備え、点火プラグでの火花放電終了後に点火コイルに
残る残留エネルギによって二次巻線の両端にイオン電流
発生用電圧を発生させ、このイオン電流発生用電圧を点
火プラグに印加することで発生するイオン電流を電流検
出手段で検出すること、を特徴とする。
【0011】つまり、本発明の内燃機関用点火装置で
は、点火コイルの二次巻線の高圧側と点火プラグとを接
続する通電経路中に逆流防止用ダイオードを備えること
により、二次電流の通電経路において通電可能な電流方
向を一方向に制限している。そして、この逆流防止用ダ
イオードが、一次巻線への通電開始時に二次巻線の両端
に発生する高電圧による通電を阻止することで、一次巻
線への通電開始時に、二次巻線に発生する高電圧(数k
V)によって点火プラグの電極間(中心電極と接地電極
との間)に火花放電が発生するのを防いでいる。
【0012】また、本内燃機関用点火装置では、点火プ
ラグの火花放電終了後に点火コイルに存在する残留エネ
ルギによって二次巻線の両端に発生する誘導電圧を点火
プラグに印加して、点火プラグの電極間にイオン電流を
発生させている。より詳細に説明すると、火花放電終了
後に点火コイルに存在する残留エネルギにより二次巻線
の両端に発生する誘導電圧は、点火プラグに印加され
て、当該点火プラグの浮遊容量を含む二次電流の通電経
路に存在する浮遊容量に充電される。そして、この充電
電荷を利用して点火プラグの電極間にイオン電流を発生
させるのである。つまり、点火コイルの残留エネルギに
より二次巻線の両端に発生する誘導電圧を、イオン電流
を発生させるためのイオン電流発生用電圧として使用し
ており、点火コイルは、火花放電を発生させるための点
火用高電圧を発生させる電源として機能すると共に、イ
オン電流発生用の電源としても機能する。
【0013】ここで、点火プラグにおける火花放電が終
了した際に点火コイルに存在する残留エネルギは、火花
放電を継続させるには不十分ではあるが、二次電流の通
電経路に存在する浮遊容量を充電させてイオン電流を発
生させるためには十分な量である。つまり、火花放電終
了後の残留エネルギにより二次巻線の両端に発生するイ
オン電流発生用電圧は、約1〜5[kV]となり、従来
のイオン電流発生用のコンデンサが蓄積する電圧(10
0〜300[V])よりも高い電圧を点火プラグの電極
間に印加することができる。これにより、従来よりも大
きいイオン電流が点火プラグの電極間に流れ、イオン電
流の検出精度を向上させることができる。
【0014】なお、上述したように火花放電終了後に二
次巻線の両端に発生する誘導電圧は、二次電流の通電経
路に存在する浮遊容量に電荷を蓄積するが、点火プラグ
の浮遊容量に蓄積される充電電荷については、二次巻線
の高圧側と点火プラグとを接続する通電経路中に接続し
た上記逆流防止用ダイオードによって二次巻線への逆流
が防止される。これにより、点火プラグの浮遊容量に蓄
積された充電電荷は、二次巻線側に逆流して消費される
ことがなくなり、点火プラグの電極間にイオン電流を発
生させるために有効に利用される。つまり、逆流防止用
ダイオードは、一次巻線への通電開始時に誤って着火が
起こることを防止する機能を果たすと共に、イオン電流
を確実に発生させる機能も有する。
【0015】そして、電流検出手段は、二次電流の通電
経路において二次巻線および点火プラグに直列接続され
ており、点火プラグの電極間にイオン電流が流れる際
に、このイオン電流に比例した電流が流れることから、
良好にイオン電流を検出することができる。
【0016】また、点火用高電圧の発生時(つまり、火
花放電発生時)には、印加電圧制限手段が、電流検出手
段への印加電圧を一定値以下に制限することから、二次
巻線に発生した点火用高電圧のうち、電流検出手段にお
ける電圧降下分を一定値以下に制限することができる。
これにより、点火プラグへの印加電圧が、大幅に低下す
るのを防ぐことができ、電流検出手段を備えたことが要
因となって、火花放電が発生せずに失火することや火花
放電が短時間で終了すること等を防ぐことができる。
【0017】したがって、本発明(請求項1)の内燃機
関用点火装置によれば、一次巻線への通電開始時に誤っ
て混合気への着火が行われることがなくなり、混合気へ
の誤着火による内燃機関の損傷を防ぐことができる。さ
らに、点火プラグの火花放電終了後に点火コイルに残さ
れた残留エネルギによって発生する誘導電圧(イオン電
流発生用電圧)を利用し、かつ二次巻線の高圧側と点火
プラグとを接続する通電経路中に設けられる逆流防止用
ダイオードの働きにより、点火プラグの電極間にイオン
電流を発生させることができる。
【0018】なお、イオン電流を発生させるために点火
プラグの電極間に電圧を印加する際には、中心電極が負
極性、接地電極が正極性となるように電圧を印加する場
合に比べて、中心電極が正極性、接地電極が負極性とな
るように電圧を印加する場合の方が、より大きなイオン
電流が発生可能となることが知られている。これは、体
積の大きい陽イオンが中心電極よりも表面積の大きい接
地電極から電子の供給を受けることにより、より多くの
電子の交換、移動が行われることになるからである。
【0019】このことから、本発明の内燃機関用点火装
置においては、点火プラグの火花放電終了後に点火コイ
ルの残留エネルギにより二次巻線の両端に発生するイオ
ン電流発生用電圧が、点火プラグの中心電極を正極性と
して印加されるように、点火コイルおよび点火プラグを
構成するとよい。これにより、イオン電流の検出精度を
さらに向上させることができる。そして、このために
は、一次電流の通電遮断時に、点火プラグの中心電極が
正極性となる点火用高電圧が印加されるように、点火プ
ラグに接続される点火コイル(具体的には、二次巻線の
巻線方向)を調整するとよい。
【0020】そして、イオン電流に比例する電流を検出
する電流検出手段は、例えば、請求項2に記載のよう
に、一端が二次巻線の低圧側に接続されると共に、他端
が接地される検出用抵抗からなり、この検出用抵抗の両
端電圧によりイオン電流に比例した電流を検出するとよ
い。
【0021】このように一端が二次巻線の低圧側に接続
されると共に、他端が接地される検出用抵抗には、イオ
ン電流を発生させるためにイオン電流発生用電圧を点火
プラグに印加した際に、点火プラグの電極間に流れるイ
オン電流に比例した両端電圧が発生する。このため、検
出用抵抗の両端電圧の変化を測定し、測定した両端電圧
値と検出用抵抗の抵抗値とに基づいて検出用抵抗に流れ
る電流を算出することにより、イオン電流の大きさを検
出が可能となる。
【0022】また、この検出用抵抗は、一端が接地され
ており、この接地された一端の電位が一定電位(グラン
ド電位(0[V]))に維持されることから、グランド
電位を基準電位として二次巻線の低圧側に接続される端
部の電位の変動を検出することで、検出用抵抗の両端電
圧を良好に検出することができる。
【0023】よって、本発明(請求項2)の内燃機関用
点火装置によれば、点火プラグの電極間に流れるイオン
電流の大きさが検出可能となり、この検出用抵抗に基づ
いて検出したイオン電流に基づいて内燃機関の失火判定
やノッキング判定等が可能となる。
【0024】また、上述(請求項2)の内燃機関用点火
装置は、請求項3に記載のように、印加電圧制限手段
が、二次巻線の低圧側と検出用抵抗との接続端にアノー
ドが接続される形態で、検出用抵抗に並列に接続される
ツェナーダイオードからなるように構成すると良い。
【0025】つまり、検出用抵抗の両端電圧がツェナー
ダイオードの降伏電圧以上となる場合に、ツェナーダイ
オードが電流の通電を行うことで、検出用抵抗への印加
電圧を一定値以下に制限して、検出用抵抗の両端電圧が
過度に上昇するのを制限するのである。これにより、火
花放電時に流れる放電電流(二次電流)は、検出用抵抗
を流れることなくツェナーダイオードによりバイパスさ
れることになり、点火プラグにおける火花放電特性、ひ
いては混合気への着火性能を良好なものとして維持する
ことができる。
【0026】そして、このツェナーダイオードの降伏電
圧(ツェナー電圧)は、検出用抵抗で検出するイオン電
流のダイナミックレンジ(例えば、5[V]あるいは8
[V]等)程度、すなわち、点火プラグの電極間に流れ
るイオン電流により発生する検出用抵抗の両端電圧の最
大値に応じて設定すると良い。これにより、検出用抵抗
を用いたイオン電流の検出を、良好に実現することが可
能となる。また、ツェナーダイオードとしては、耐電力
が0.1[W]〜1[W]程度の安価なツェナーダイオ
ードを用いればよい。
【0027】よって、本発明(請求項3)の内燃機関用
点火装置によれば、検出用抵抗を保護することができる
だけでなく、失火や火花放電が短時間で終了すること等
を防止できるため、混合気への着火性能の低下を抑える
ことができ、また、内燃機関の運転性能の低下を防ぐこ
とができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面と
共に説明する。まず、図1は、実施例のイオン電流検出
機能を備えた内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路
図である。なお、本実施例では、1気筒分について説明
を行うが、本発明は複数の気筒を備える内燃機関につい
ても適用でき、各気筒毎の内燃機関用点火装置の基本構
成は同様である。
【0029】図1に示すように、本実施例の内燃機関用
点火装置1は、定電圧(例えば、電圧12[V])を出
力する電源装置(バッテリ)11と、内燃機関の気筒に
設けられた点火プラグ13と、一次巻線L1と二次巻線
L2とを備えて点火用高電圧を発生する点火コイル15
と、一次巻線L1と直列接続されたnpn型パワートラ
ンジスタから成るトランジスタ17と、トランジスタ1
7を駆動制御するための第1指令信号Saを出力する電
子制御装置19(以下、ECU19と呼ぶ)と、を備え
ている。さらに、内燃機関用点火装置1は、アノードが
二次巻線L2(二次巻線L2の高圧側33)に接続さ
れ、カソードが点火プラグ13の中心電極13aに接続
された逆流防止用ダイオード31と、二次巻線L2の低
圧側35と電源装置11の負極と同電位のグランドとの
間に接続される検出抵抗21と、検出抵抗21に並列接
続される印加電圧制限用ツェナーダイオード23と、検
出抵抗21の両端電圧Vr(イオン電流に比例する検出
電流io×検出抵抗21の抵抗値)に基づき、イオン電
流に応じて変動するイオン電流検出信号Siを出力する
ための検出回路25と、を備えている。
【0030】これらのうち、トランジスタ17は、点火
コイル15の一次巻線L1への通電・遮断を行うため
に、ECU19からの第1指令信号Saに基づいてスイ
ッチング動作する半導体素子からなるスイッチング素子
であり、本実施例の内燃機関に備えられる点火装置はフ
ルトランジスタ型点火装置である。
【0031】そして、一次巻線L1は、一端が電源装置
11の正極に接続され、他端がトランジスタ17のコレ
クタに接続されており、二次巻線L2は、一端(低圧側
35)が検出抵抗21を介して電源装置11の負極と同
電位のグランドに接続され、他端(高圧側33)が逆流
防止用ダイオード31のアノードに接続されている。
【0032】また、逆流防止用ダイオード31は、アノ
ードが二次巻線L2に接続され、カソードが点火プラグ
13の中心電極13aに接続されており、二次巻線L2
から点火プラグ13の中心電極13aに向かう電流の通
電を許容し、点火プラグ13の中心電極13aから二次
巻線L2に向かう電流の通電を阻止している。
【0033】さらに、印加電圧制限用ツェナーダイオー
ド23は、アノードが二次巻線L2の低圧側35と検出
抵抗21の一端との接続点に接続され、カソードが電源
装置11の負極と同電位のグランドに接続されて、検出
抵抗21に並列接続されている。
【0034】また、二次巻線L2の低圧側35と検出抵
抗21との接続点は、検出回路25の入力端子に接続さ
れている。そして、検出回路25は、検出抵抗21の両
端電圧Vr(実際には、検出抵抗21と二次巻線L2と
の接続点の電位)に基づき、点火プラグ13の電極間
(中心電極13aと接地電極13bとの間)に発生する
イオン電流に応じて変動するイオン電流検出信号Siを
出力するように構成されている。なお、検出回路25
は、出力するイオン電流検出信号Siの変動範囲が、E
CU19に入力可能な範囲を逸脱しないように構成され
ている。
【0035】さらに、点火プラグ13において、中心電
極13aと対向して火花放電を発生させる火花放電ギャ
ップを形成する接地電極13bは、電源装置11の負極
と同電位のグランドに接地されている。また、トランジ
スタ17は、ベースがECU19の第1指令信号Saの
出力端子に接続され、エミッタが電源装置11の負極と
同電位のグランドに接地されている。
【0036】そして、ECU19から出力される第1指
令信号Saがローレベル(一般にグランド電位)である
場合には、ベース電流ibが流れずトランジスタ17は
オフ状態(遮断状態)となり、トランジスタ17によっ
て一次巻線L1に電流(一次電流i1)が流れることは
ない。また、ECU19から出力される第1指令信号S
aがハイレベル(一般に定電圧電源からの供給電圧5
[V])である場合には、ベース電流ibが流れてトラ
ンジスタ17はオン状態(通電状態)となり、トランジ
スタ17によって一次巻線L1に電流(一次電流i1)
が流れる。
【0037】このため、第1指令信号Saがハイレベル
であり一次巻線L1に一次電流i1が流れている状態
で、第1指令信号Saがローレベルになると、トランジ
スタ17がオフ状態となり、一次巻線L1への一次電流
i1の通電が遮断(停止)される。すると、点火コイル
15における磁束密度が急激に変化して、二次巻線L2
に点火用高電圧が発生し、これが点火プラグ13に印加
されることで、点火プラグ13の電極13a−13b間
に火花放電が発生する。
【0038】尚、点火コイル15は、一次巻線L1への
通電を遮断(停止)することで、二次巻線L2における
点火プラグ13の中心電極13aにグランド電位よりも
高い正極性の点火用高電圧を発生するように構成されて
おり、この点火用高電圧の供給により点火プラグの電極
13a−13b間に火花放電が発生する。そして、火花
放電に伴い二次巻線L2に流れる二次電流i2(火花放
電電流i2)は、二次巻線L2から逆流防止用ダイオー
ド31、点火プラグ13の中心電極13a、接地電極1
3bの順に通過し、さらにグランド、検出抵抗21およ
び印加電圧制限用ツェナーダイオード23を介して二次
巻線L2に戻る方向に流れる。
【0039】このように、点火プラグ13において火花
放電を発生させるための点火用高電圧が発生している場
合には、印加電圧制限用ツェナーダイオード23に印加
される電圧がツェナー電圧よりも高電圧となるため、印
加電圧制限用ツェナーダイオード23に放電電流isが
流れることになる。つまり、印加電圧制限用ツェナーダ
イオード23が、検出抵抗21の両端電圧が過度に上昇
するのを抑制している。
【0040】そして、点火プラグ13における火花放電
の継続に伴い、点火コイル15に蓄積されたエネルギが
消費されていき、このエネルギが火花放電の継続に必要
な量を下回ると、点火プラグ13における火花放電が自
然終了する。なお、点火プラグ13での火花放電が自然
終了した時点では、点火コイル15には残留エネルギが
残されており、二次巻線L2の両端には、火花放電の発
生には不十分ではあるものの、概略数kVの電圧が発生
している。
【0041】このため、点火プラグ13における火花放
電が自然終了した後には、残留エネルギにより二次巻線
L2の両端に発生している誘導電圧(イオン電流発生用
電圧)が、逆流防止用ダイオード31、点火プラグ1
3、グランド、検出抵抗21(印加電圧制限用ツェナー
ダイオード23)の直列回路に印加されることになる。
より詳細に説明すると、点火プラグ13における火花放
電終了後に残留エネルギにより二次巻線L2の両端に発
生する誘導電圧は、点火プラグ13に印加されて、当該
点火プラグ13の浮遊容量Cfを含む二次電流の通電経
路に存在する浮遊容量に充電される。そして、この充電
電荷を用いて点火プラグ13の電極間にイオン電流を発
生させるのである。そして、点火プラグ13の電極13
a−13b間にイオンが存在している場合には、残留エ
ネルギにより二次巻線L2の両端に発生しているイオン
電流発生用電圧により(詳細には、イオン電流発生用電
圧の点火プラグへの印加に伴い、点火プラグ13の浮遊
容量Cfを含む二次電流の通電経路に存在する浮遊容量
にチャージされる充電電荷により)、点火プラグ13の
電極13a−13b間にイオン電流が発生する。このよ
うにしてイオン電流が発生すると、点火コイル15の二
次巻線L2から逆流防止用ダイオード31、点火プラグ
13を通り、グランド、検出抵抗21を通じて二次巻線
L2に至る経路にイオン電流に比例した検出電流ioが
流れる。
【0042】ここで、点火プラグ13における火花放電
終了後に二次巻線L2の両端に発生する誘導電圧は、上
述したように二次電流の通電経路に存在する浮遊容量に
充電される訳だが、点火プラグ13の浮遊容量Cfにチ
ャージされた充電電荷については、二次巻線L2の高圧
側33と点火プラグ13とを接続する通電経路中に接続
される逆流防止用ダイオード31によって二次巻線L2
への逆流が防止される。これにより、残留エネルギによ
り二次巻線L2の両端に発生した誘導電圧により点火プ
ラグ13の浮遊容量Cfにチャージされる充電電荷は、
二次巻線L2から点火プラグ13の中心電極13aに向
かう電流の通電のみを許容するために設けられる逆流防
止用ダイオード31との組み合わせによって、点火プラ
グ13の電極間にイオン電流を発生させるように有効に
利用されるのである。
【0043】なお、点火プラグ13の電極間にイオン電
流が発生した時に、検出抵抗21の両端電圧Vr、つま
り印加電圧制限用ツェナーダイオード23への印加電圧
が、印加電圧制限用ツェナーダイオード23の降伏電圧
(ツェナー電圧)を下回る場合には、印加電圧制限用ツ
ェナーダイオード23に電流は流れない。この場合、イ
オン電流に比例した検出電流ioは、二次巻線L2から
逆流防止用ダイオード31、点火プラグ13、グラン
ド、検出抵抗21を通じて流れることになる。
【0044】ここで、印加電圧制限用ツェナーダイオー
ド23としては、降伏電圧(ツェナー電圧)が、少なく
とも点火コイル15の残留エネルギによるイオン電流発
生用電圧の発生時(イオン電流の発生時)に検出抵抗2
1の両端に発生する両端電圧よりも高く設定されたツェ
ナーダイオードが用いられている。このため、点火コイ
ル15の残留エネルギによるイオン電流発生用電圧の発
生時には、印加電圧制限用ツェナーダイオード23には
電流は流れず、検出抵抗21を通じて検出電流ioが流
れることになる。
【0045】そして、点火プラグ13の電極13a−1
3b間にイオン電流が発生すると、検出電流ioの大き
さに比例した電圧が検出抵抗21の両端に発生して、検
出抵抗21の両端電圧Vrが検出電流io(イオン電
流)の大きさに比例して変化することになる。
【0046】このようにして、検出抵抗21の両端電圧
Vrが変化すると、検出回路25は、検出した検出抵抗
21の両端電圧Vrに基づきイオン電流検出信号Siを
ECU19に出力する。なお、検出回路25は、ECU
19の入力端子の入力レンジに応じた範囲内で検出抵抗
21の両端電圧Vrと同様の変化を示し、かつ検出抵抗
21と二次巻線L2との接続点の電位とは正負極性が反
転した信号を、イオン電流検出信号Siとして出力す
る。これにより、検出回路25は、ECU19に対して
イオン電流に応じて変動するイオン電流検出信号Siを
出力している。
【0047】ここで、混合気への着火が正常に行われた
場合の、図1に示す回路図における第1指令信号Sa、
一次巻線L1に流れる一次電流i1、点火プラグ13の
中心電極13aの電位Vp、および、検出抵抗21の両
端電圧Vr(換言すれば、イオン電流)の各状態を表す
タイムチャートを図2に示す。
【0048】図2に示すように、時刻t1にて、第1指
令信号Saがローレベルからハイレベルに切り換わる
と、点火コイル15の一次巻線L1に電流(一次電流i
1)が流れ始める。このとき、一次電流i1の通電開始
に伴う磁束密度の変化により、二次巻線L2の両端に電
圧が発生するが、この時発生する電圧は、点火プラグ1
3の中心電極13aが負電位となるように発生する。こ
こで、一次電流i1の通電開始時に二次巻線L2の両端
に発生する電圧により生じる電流は、逆流防止用ダイオ
ード31により通電が阻止されることになり、点火プラ
グ13の中心電極13aの電位Vpが変化することはな
く、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電
が発生することはない。
【0049】そして、時刻t1からあらゆる内燃機関の
運転状態に適応するように予め設定された通電時間(一
次電流通電時間)が経過した時刻t2にて、第1指令信
号Saがハイレベルからローレベルに切り換わると、点
火コイル15の一次巻線L1への一次電流i1の通電が
遮断されて、急激に磁束密度が変化することになり、点
火コイル15の二次巻線L2に点火用高電圧(数十[k
V]以上)が発生する。そして、二次巻線L2の高圧側
33から点火プラグ13の中心電極13aに正極性の点
火用高電圧が印加されて、中心電極13aの電位Vpが
急峻に上昇し、点火プラグ13の電極13a−13b間
に火花放電が発生して、二次巻線L2に二次電流i2が
流れる。
【0050】このとき、印加電圧制限用ツェナーダイオ
ード23の両端には、ツェナー電圧よりも高い電圧が印
加されることから、印加電圧制限用ツェナーダイオード
23がツェナー降伏して電流が流れる。つまり、点火用
高電圧により発生する二次電流i2(放電電流is)
は、逆流防止用ダイオード31、点火プラグ13、グラ
ンド、検出抵抗21および印加電圧制限用ツェナーダイ
オード23を通じて流れることになる。このため、火花
放電発生時における検出抵抗21の両端電圧Vrは、印
加電圧制限用ツェナーダイオード23のツェナー電圧に
維持されることになり、図2における時刻t2から時刻
t3までの期間においては、検出抵抗21の両端電圧V
rは一定値(ツェナー電圧)を示している。
【0051】このあと、時刻t2から時刻t3にかけ
て、点火コイル15の磁束エネルギが点火プラグ13に
おける火花放電の継続に伴って消費されていき、点火コ
イル15の磁束エネルギにより二次巻線L2の両端に発
生する電圧が火花放電に必要な電圧よりも小さくなる
と、火花放電を継続することができなくなり、火花放電
が自然終了する。しかしながら、点火プラグ13におけ
る火花放電が自然終了した後にも、点火コイル15には
残留エネルギが存在するため、二次巻線L2の両端には
誘導電圧が継続して発生している。
【0052】このようにして、火花放電の自然終了後
に、残留エネルギにより二次巻線L2の両端に発生する
誘導電圧は、イオン電流発生用電圧として、逆流防止用
ダイオード31、点火プラグ13、グランドおよび検出
抵抗21(印加電圧制限用ツェナーダイオード23)の
直列回路に印加される。そして、点火プラグ13の電極
13a−13b間にイオンが存在している場合には、電
極13a−13b間にイオン電流が発生する。
【0053】このとき、印加電圧制限用ツェナーダイオ
ード23の両端には、ツェナー電圧よりも低い電圧が印
加されることから、印加電圧制限用ツェナーダイオード
23には電流は流れない。このため、残留エネルギによ
る誘導電圧(イオン電流発生用電圧)により発生するイ
オン電流は、逆流防止用ダイオード31、点火プラグ1
3、グランドおよび検出抵抗21を通じて流れることに
なる。
【0054】なお、イオンは混合気(燃料)の燃焼に伴
う電離作用により発生するため、正常燃焼時にはイオン
が発生するが、失火時にイオンが発生することはない。
このようにして図2における時刻t3の直後からイオン
電流が発生すると、二次巻線L2から逆流防止用ダイオ
ード31、点火プラグ13を通り、グランド、検出抵抗
21を通じて二次巻線L2に至る経路にイオン電流に比
例した検出電流ioが流れる。この検出電流ioが流れ
ることにより、検出抵抗21の両端に電位差が発生し、
検出抵抗21の両端電圧Vrがイオン電流の大きさに応
じて変化することになる。
【0055】このときのイオン電流(検出抵抗21の両
端電圧Vr)の変動は、図2における時刻t3から時刻
t4までの波形のように、略山形の波形を示すことにな
る。なお、図2に示すイオン電流は、正常燃焼時の波形
を示しており、時刻t3から時刻t4までの期間におい
ては、イオンの発生量に比例したイオン電流が発生して
いることが判る。また、検出抵抗21の両端電圧の検出
位置が検出抵抗21と二次巻線L2との接続点となって
おり、この接続点の電位は、グランド電位(0[V])
よりも検出抵抗21の両端電圧Vrだけ低電位となるこ
とから、図2においては、イオン電流波形が負の値とな
るほど(図中下になるほど)、イオン電流の電流量が大
きくなることを表している。
【0056】次に、混合気への着火が正常に行われずに
失火した場合の、図1に示す回路図における第1指令信
号Sa、一次巻線L1に流れる一次電流i1、点火プラ
グ13の中心電極13aの電位Vp、および、検出抵抗
21の両端電圧Vr(換言すれば、イオン電流)の各状
態を表すタイムチャートを図3に示す。
【0057】まず、図3における時刻t11から時刻t
13までの各部の状態は、図2に示す時刻t1から時刻
t2までの各部の状態とほぼ同様の変化を示している。
ただし、時刻t12から時刻t13までの間において
は、点火プラグ13の中心電極13aと接地電極13b
との間で火花放電は発生しているものの、混合気への着
火が行われていない失火状態となっている。
【0058】なお、図3に示す波形においては、高回転
運転時の失火状態を想定していることから、混合気の乱
流によって早期に火花放電が終了して、正常燃焼時より
も火花放電の継続時間が短くなった状態を示している。
そして、時刻t13にて火花放電が終了し、図2の場合
と同様に、点火コイル15の残留エネルギによって二次
巻線L2の両端に発生する誘導電圧(イオン電流発生用
電圧)が点火プラグ13に対して印加される。
【0059】しかし、混合気への着火が行われずに失火
しており、気筒内にはイオンが存在していないため、点
火プラグ13の電極13a−13b間にイオン電流が流
れることはない。このため、時刻t13以降において
は、図3に示すように、検出抵抗21の両端電圧Vr
(イオン電流波形)はほとんど変化していない。
【0060】このことから、点火プラグ13における火
花放電終了後に、点火コイル15の残留エネルギにより
発生するイオン電流発生用電圧によって、検出抵抗21
の両端電圧Vr(イオン電流)が変動する場合には、正
常燃焼が行われたと判断することができ、反対に、検出
抵抗21の両端電圧Vr(イオン電流)が変動しない場
合には、失火したと判断することができる。
【0061】なお、時刻t13以降は、点火コイル15
に存在する残留エネルギにより二次巻線の両端に発生す
る誘導電圧は、点火プラグ13の浮遊容量Cfに充電さ
れることになるが、失火が生じたことで点火プラグ13
の電極13a−13b間にイオンが存在せず、かつ二次
巻線L2の高圧側33と点火プラグ13との通電経路中
に逆流防止用ダイオード31が設けられていることか
ら、この点火プラグ13の浮遊容量Cfの充電電荷が消
費されることなくほぼ一定電荷量に維持されることにな
る。それにより、時刻t13以降における点火プラグ1
3の中心電極13aの電位Vpは、概略一定の値の波形
を示している。
【0062】また、失火時での時刻t13以降、点火プ
ラグ13の浮遊容量Cfに充電された充電電圧は、図3
での記載範囲外の期間において、点火プラグ13の火花
放電で消費されることになる。つまり、気筒内の圧力が
低下するほど点火プラグ13における放電電圧が低下す
るという関係があるため、失火時での時刻t13以降か
ら次の点火時期前までの行程において、ピストンの動作
により気筒内容積が増大して圧力が低下すると、浮遊容
量Cfの充電電圧により点火プラグ13の電極間に火花
放電が発生することになる。なお、このようにして火花
放電が発生するのは、次の燃焼サイクルに移行するより
も前の時点である。このことから、本実施例では、一次
巻線への通電開始時における点火プラグ13での火花放
電による誤着火を抑える目的は常に果たされるものであ
り、発明の主旨に影響を与えるものではない。
【0063】ところで、内燃機関の高回転運転時は、燃
焼室内の混合気の乱流が強いために火花放電が早期に終
了するため、点火コイル15に残る残留エネルギは大き
くなる。このように、高回転運転時において失火した場
合には、点火コイル15に残る残留エネルギが大きいた
めに、低回転運転時に比べて、残留エネルギにより発生
する誘導電圧が高電圧となる。このため、高回転運転時
においては、残留エネルギにより誘導される電圧によ
り、点火プラグ13の電極13a−13b間で、再度火
花放電が発生する場合がある。
【0064】このように、失火後に再び点火プラグ13
にて火花放電が発生する場合の、図1に示す回路図にお
ける第1指令信号Sa、一次巻線L1に流れる一次電流
i1、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vp、お
よび、検出抵抗21の両端電圧Vr(換言すれば、イオ
ン電流)の各状態を表すタイムチャートを図4に示す。
【0065】図4においては、時刻t21から時刻t2
3までは、図3に示す失火時のタイムチャートにおける
時刻t11から時刻t13までと同様の波形を示してい
る。そして、時刻23のあと、時刻t24に達した時点
で、点火コイル15に存在する残留エネルギによって発
生する誘導電圧により、点火プラグ13の電極13a−
13b間の絶縁が破壊されて、再度火花放電が発生する
ことで、中心電極13aの電位Vpがグランド電位とほ
ぼ同電位まで低下する。この時、検出抵抗21の両端電
圧Vrが変動して瞬時的に大きい値を示すことになる
が、火花放電の再発生によって、点火コイル15におけ
る残留エネルギが消費されることになり、その後、検出
抵抗21の両端電圧Vrはほとんど変化することはな
い。
【0066】このため、混合気への着火が行われずに失
火した後、点火コイル15に存在する残留エネルギによ
って火花放電が再発生した場合でも、検出抵抗21の両
端電圧Vrの波形、すなわちイオン電流検出信号Siの
波形は失火時とほぼ同様の波形を示すことになり、失火
と判定することが可能となる。よって、火花放電が再発
生した場合でも、失火検出の検出精度が低下することが
ない。
【0067】次に、内燃機関用点火装置1のECU19
において実行されるイオン電流検出処理について、図5
に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ECU
19は、内燃機関の火花放電発生時期(点火時期)、燃
料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するための
ものであり、以下に説明するイオン電流検出処理のほか
に、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転
速度(エンジン回転数)、スロットル開度、冷却水温、
吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出
処理等を実行している。
【0068】また、図5に示すイオン電流検出処理は、
例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出する
クランク角センサからの信号に基づき、内燃機関が、吸
気,圧縮,燃焼,排気を行う1燃焼サイクルに1回の割
合で実行されており、さらに、点火制御のための処理も
併せて実行している。
【0069】そして、内燃機関が始動されてイオン電流
検出処理が開始されると、まずS110(Sはステップ
を表す)にて、別途実行される運転状態検出処理にて検
出された内燃機関の運転状態を読込み、S120にて、
その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期
(所謂点火時期)tsおよびイオン電流検出開始時期t
iを設定する。
【0070】なお、S110での処理では、内燃機関の
エンジン回転数と、スロットル開度や吸気管負圧(吸入
空気量)等を用いて算出されるエンジン負荷とを含む情
報を、運転状態として読み込むことが好ましい。そし
て、S120での処理では、火花放電発生時期tsにつ
いては、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータ
とするマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求
め、これを冷却水温,吸気温等に基づき補正する、とい
った従来から知られている手順で設定される。
【0071】また、イオン電流検出開始時期tiは、火
花放電が自然終了する時期に設定されるように、エンジ
ン回転数とエンジン負荷を含む運転状態に基づいて、予
め用意されたマップ若しくは計算式を用いて設定され
る。なお、このとき用いるマップもしくは計算式は、混
合気の燃焼が緩慢に進む運転条件下(低回転低負荷時
等)にはイオン電流検出開始時期tiが遅い時期に設定
されるように、また、混合気の燃焼が急速に進む運転条
件下(高回転高負荷時等)にはイオン電流検出開始時期
tiが早い時期に設定されるように構成されている。本
実施例では、エンジン回転数とエンジン負荷をパラメー
タとするマップを用いて、最適なイオン電流検出開始時
期tiを設定する。
【0072】次に、S130では、S120にて設定し
た火花放電発生時期tsに基づき、火花放電発生時期t
sに対して、予め設定された一次巻線L1の通電時間だ
け早い一次巻線L1の通電開始時期を求め、通電開始時
期に達した時点(図2に示す時刻t1)で、第1指令信
号Saをローレベルからハイレベルに変化させる。
【0073】尚、S130の処理により、第1指令信号
Saがローレベルからハイレベルに切り換わると、トラ
ンジスタ17がオン状態となり、点火コイル15の一次
巻線L1に一次電流i1が流れる。また、火花放電発生
時期tsまでの一次巻線L1の通電時間は、一次巻線L
1への通電によって点火コイル15に蓄積されるエネル
ギが、内燃機関のあらゆる運転条件下で混合気を燃焼さ
せることができる最大の火花エネルギとなるように、予
め設定されている。
【0074】そして、続くS140では、クランク角セ
ンサからの検出信号に基づき、S120で設定した火花
放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定さ
れた場合には、同ステップを繰り返し実行することで、
火花放電発生時期tsになるまで待機する。そして、S
140にて、火花放電発生時期tsに達したと判断され
ると(図2に示す時刻t2)、S150に移行する。
【0075】すると、S150では、第1指令信号Sa
をハイレベルからローレベルに反転させ、この結果、ト
ランジスタ17がターンオフして一次電流i1が遮断さ
れ、点火コイル15の磁束密度が急激に変化して二次巻
線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13の電極
13a−13b間に火花放電が発生する。
【0076】次のS160では、S120で設定したイ
オン電流検出開始時期tiに達したか否かを判断し、否
定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行する
ことで、イオン電流検出開始時期tiになるまで待機す
る。そして、S160にて、イオン電流検出開始時期t
iに達したと判断されると(図2に示す時刻t3)、S
170に移行して、S170では、検出回路25から出
力されるイオン電流検出信号Siの読み込みを開始す
る。
【0077】ここで、イオン電流検出開始時期tiは、
S120での処理において、火花放電が自然終了する時
期に設定されており、S170に移行した時には、火花
放電が自然終了して、点火コイル15に存在する残留エ
ネルギにより二次巻線L2の両端に誘導電圧が発生して
いる。そして、この誘導電圧が、イオン電流発生用電圧
として、点火プラグ13の電極13a−13b間に印加
されることとなる。
【0078】そして、点火コイル15の残留エネルギに
起因したイオン電流発生用電圧が点火プラグ13の電極
13a−13b間に印加される時点で、この電極13a
−13b間にイオンが存在する場合には、上記イオン電
流発生用電圧によりプラグ13の浮遊容量Cfを含む二
次電流の通電経路に存在する浮遊容量にチャージされる
電荷によってイオン電流に比例する検出電流ioが発生
して、検出抵抗21の両端にイオン電流の大きさに比例
する電圧が発生する。これにより、検出抵抗21と二次
巻線L2との接続点の電位が、検出抵抗21の両端電圧
Vrに応じて変化することになり、S170の処理が開
始された後は、ECU19の内部では、検出抵抗21の
両端電圧Vrの変化に応じて検出回路25から出力され
るイオン電流検出信号Siを読み込む処理が継続して行
われる。
【0079】続いて、S180では、S160にて肯定
判定された後、イオン電流検出信号Siを読み込むため
の時間として予めECU19に設定してある検出信号読
込時間を経過したか否かを判断し、否定判定された場合
には、同ステップを繰り返し実行することで待機する。
そして、S180にて、検出信号読込時間が経過したと
判断されると(図2に示す時刻t4、図3に示す時刻t
14)、S190に移行する。本実施例では、検出信号
読込時間は、内燃機関の運転状態に関わらず、予め設定
された固定値としているが、運転状態に合わせて適切な
値を設定してもよい。
【0080】そして、S190では、S170で開始し
たイオン電流検出信号Siの読み込み処理を停止する。
S190における処理が終了すると、本イオン電流検出
処理が終了する。なお、ECU19では、点火プラグ1
3の電極13a−13b間に発生するイオン電流に比例
する検出電流ioに基づいて、内燃機関の失火の有無を
判定する失火判定処理を別途実行している。つまり、こ
の失火判定処理では、図2における時刻t3から時刻t
4までの期間において、検出回路25から出力されるイ
オン電流検出信号Siに基づき失火判定を行っている。
【0081】そして、失火判定処理では、時刻t3の直
後のピーク値を除くイオン電流検出信号Siのピーク値
と、失火判定のために予め定められた判定基準値とを比
較し、ピーク値が判定基準値を下回る場合に失火と判定
している。また、この他の失火判定方法としては、時刻
t3から時刻t4までの期間中における時刻t3の直後
のピーク値を除くイオン電流検出信号Siの積分値を算
出し、この積分値と失火判定のために予め定められた判
定基準値とを比較し、積分値が判定基準値を下回る場合
に失火と判定してもよい。なお、失火の判定を行うため
に用いられる上記それぞれの判定基準値は、予め設定さ
れた固定値に限定されることはなく、内燃機関の運転状
態(例えば、エンジン回転数とエンジン負荷とを含む情
報)に基づき、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラ
メータとするマップ若しくは計算式を用いて設定するよ
うにしてもよい。
【0082】以上説明したように、実施例の内燃機関用
点火装置1においては、二次電流i2の通電経路である
点火コイル15の二次巻線L2と点火プラグ13の中心
電極13aとの間に、逆流防止用ダイオード31を備え
ることにより、二次電流i2の通電経路において通電可
能な電流方向を一方向に制限している。そして、逆流防
止用ダイオード31が、一次巻線L1への通電開始時に
二次巻線L2の両端に発生する高電圧による二次電流i
2の通電を阻止する。このため、ECU19の指令によ
るトランジスタ17のスイッチング動作により一次巻線
L1への通電を開始した時に、点火プラグ13の電極間
(中心電極13aと接地電極13bとの間)に火花放電
が発生することがない。
【0083】また、本内燃機関用点火装置においては、
火花放電終了後の点火コイル15における残留エネルギ
によって発生する誘導電圧(イオン電流発生用電圧)を
印加することにより、点火プラグ13の電極13a−1
3b間にイオン電流を発生させている。つまり、点火コ
イル15(二次巻線L2)は、点火プラグ13の電極間
に火花放電を発生させるための点火用高電圧を発生する
電源装置として動作すると共に、点火プラグ13の電極
間にイオン電流を発生するための電流源としても動作し
ている。
【0084】ここで、火花放電が終了した際に点火コイ
ル15に残る残留エネルギは、火花放電を継続させるに
は不十分ではあるが、イオン電流を発生させるためには
十分な量である。つまり、火花放電終了後の点火コイル
15の残留エネルギにより二次巻線の両端に発生する誘
導電圧(イオン電流発生用電圧)は、約1〜5[kV]
となり、従来のイオン電流発生用のコンデンサが発生す
る電圧(100〜300[V])よりも高い電圧を点火
プラグ13の電極間に印加することができる。これによ
り、従来よりも大きいイオン電流を発生でき、イオン電
流の検出精度を向上させることができる。
【0085】そして、検出抵抗21は、イオン電流発生
用電圧を点火プラグ13の電極間に印加する時には、点
火プラグ13および点火コイル15の二次巻線L2と共
に閉ループを形成することになり、点火プラグ13の電
極間に発生するイオン電流に比例した検出電流ioを検
出することができる。なお、ECU19では、イオン電
流検出信号Siに基づき検出抵抗21の両端電圧を算出
し、算出した両端電圧値を検出抵抗21の抵抗値で除算
することにより、イオン電流の電流値を算出している。
【0086】また、本実施例の内燃機関用点火装置1に
おいては、一次電流i1の通電遮断時に、点火プラグ1
3の中心電極13aが正電位となる点火用高電圧が印加
されるように、点火プラグ13と点火コイル15(二次
巻線L2)とが接続されている。このため、点火コイル
15の残留エネルギにより発生する誘導電圧が、点火プ
ラグ13の中心電極13aを正電位として電極13aー
13b間に印加されることから、イオン電流の検出精度
をさらに向上させることができる。
【0087】ここで、本実施例の内燃機関用点火装置を
用いて、正常燃焼時と失火時とのそれぞれにおいて測定
したイオン電流の測定結果を図6に示す。なお、図6
(a)が正常燃焼時(着火時)の測定結果であり、図6
(b)が失火時の測定結果である。
【0088】そして、本測定は、ガスエンジンを用いて
おり、空燃比などを調整することにより、正常燃焼とな
る運転条件に設定した場合と、失火が発生する運転条件
に設定した場合のそれぞれにおいて、イオン電流を検出
するという手順で行った。なお、失火時の測定について
は、燃料供給を行わないことで模擬的に失火状態を作
り、測定を行った。また、本測定では、検出抵抗として
抵抗値が100[kΩ]の抵抗素子を用いて測定を行っ
た。
【0089】まず、図6(a)に示す測定結果において
は、時刻t31が火花放電発生時期(点火時期)であ
り、時刻t32が火花放電の終了時期である。そして、
イオン電流波形は、時刻t31の約0.5[mS]前か
ら時刻t32にかけて大きな変動を示しているが、これ
は、火花放電により流れる放電電流によって生じてお
り、イオン電流による変動ではない。そして、イオン電
流波形は、時刻t32から約1.1[mS]経過した時
刻t33でピーク値(約0.7[V])となることを示
している。そして、ピーク値を示した後、徐々に電流値
が減少していき、時刻t34の時点では、イオン電流が
流れていない。
【0090】次に、図6(b)に示す測定結果において
は、時刻t51が火花放電発生時期(点火時期)であ
り、時刻t52が火花放電の終了時期である。そして、
イオン電流波形は、時刻t51の約0.5[mS]前か
ら時刻t52の約0.2[mS]後にかけて大きな変動
を示しているが、これは、火花放電により流れる放電電
流によって生じており、イオン電流による変動ではな
い。そして、イオン電流波形は、時刻t52の約0.2
[mS]後以降は、ほぼ一定の値となり変化しておら
ず、イオン電流が流れていない(イオン電流の検出期間
において約0.2[V]を示している)ことを示してい
る。
【0091】なお、点火プラグの中心電極の電位につい
ては、時刻t52から約3.0[mS]が経過した時刻
t53の電位が、時刻t51よりも前の電位よりも高電
位となっており、点火コイルに残留エネルギが依然残っ
ていることを示している。これは、上述したように点火
コイルの残留エネルギによりチャージされた点火プラグ
の浮遊容量の充電電荷が、点火プラグの電極間にイオン
が発生しておらず、かつ逆流防止用ダイオードが設けら
れていることにより、イオン電流の検出などのために消
費されていないことに起因している。
【0092】そして、正常燃焼時(図6(a))と失火
時(図6(b))のそれぞれの測定結果を比較すると、
火花放電の終了時期(時刻t32、時刻t52)を経過
した後におけるイオン電流波形が、それぞれ異なる波形
であることが判る。つまり、正常燃焼時(図6(a))
には、イオン電流波形が、火花放電の終了時期を経過し
た後に時刻t33でピーク値となる略山形の波形を示す
のに対して、失火時(図6(b))には、イオン電流波
形が、火花放電の終了時期を経過した後にほとんど変化
しない波形を示すことが判る。
【0093】よって、図6に示す測定結果から、本内燃
機関用点火装置を用いることで、イオン電流を検出でき
ることが判り、また、イオン電流の検出結果から失火検
知が可能であることが判る。例えば、失火を判定するた
めの判定基準値を0.4[V]に予め設定しておき、イ
オン電流波形のピーク値がこの判定基準値を上回るか否
かを判定することで、失火検知を行うことができる。
【0094】なお、上記実施例においては、トランジス
タ17が特許請求の範囲におけるスイッチング手段に相
当し、検出抵抗21が電流検出手段に相当し、印加電圧
制限用ツェナーダイオード23が印加電圧制限手段に相
当している。ここで、本発明の内燃機関用点火装置は、
点火コイルの残留エネルギにより二次巻線の両端に発生
する誘導電圧を、イオン電流発生源として利用するよう
構成されている。つまり、この内燃機関用点火装置は、
上記誘導電圧によって、点火プラグの浮遊容量を含む二
次電流の通電経路に存在する浮遊容量に充電電荷を蓄積
し、この蓄積した充電電荷を利用することで、点火プラ
グの電極間にイオン電流を発生させるよう構成されてい
る。
【0095】なお、イオン電流の大きさは、内燃機関の
運転状態(換言すれば、点火コイルの残留エネルギによ
り発生する誘導電圧)や二次電流の通電経路に存在する
浮遊容量の大きさによって変動することから、誘導電圧
が低く、浮遊容量が小さい場合には、イオン電流が小さ
くなり、イオン電流が検出できない可能性がある。
【0096】そこで、イオン電流が最も小さくなると考
えられる条件(誘導電圧が1[kV]、点火プラグの浮
遊容量が10[pF]である場合)において、図1に示
す内燃機関用点火装置1を用いつつ、図6に示す実施例
と同様の100[kΩ]の検出抵抗を用いて検出される
検出電圧を試算する。なお、上記誘導電圧として考えら
れ得る最低値を1[kV]とし、また、二次電流の通電
経路に存在する浮遊容量の最低限の要素として点火プラ
グの浮遊容量のみを想定して、その点火プラグの浮遊容
量として考えられ得る最低値を10[pF]として、こ
れらの数値を上記条件に用いた。また、イオン電流検出
時間は、図6に示す実施例のイオン電流検出時間(2
[ms])と同等の値とした。
【0097】ここで、浮遊容量に蓄積される電荷Qは、
[数1]に示すように、電流値Iの時間積分として「Q
=∫Idt」で表すことができ、また、電流値Iが一定
値で通電時間がtである場合には「Q=I・t」で表す
ことができる。さらに、浮遊容量に蓄積される電荷Q
は、点火プラグの浮遊容量の値をCとし、点火コイルの
残留エネルギにより二次巻線の両端に発生する誘導電圧
をVとすると、[数2]に示すように表すことができ
る。
【0098】
【数1】
【0099】
【数2】
【0100】これらの式([数1]および[数2])を
用いて、電流値Iを表すと、[数3]に示すように表す
ことができる。
【0101】
【数3】
【0102】そして、上記の条件(誘導電圧が1[k
V]、点火プラグの浮遊容量の浮遊容量が10[p
F]、イオン電流検出時間が2[ms])を[数3]に
代入すると、電流値I=(10[pF]×1[kV])
/2[ms]により、電流値Iは5.0[μA]とな
る。そして、100[kΩ]の検出抵抗の両端電圧V
は、V=5.0[μA]×100[kΩ]=0.5
[V]となる。なお、ここで算出した検出抵抗の両端電
圧は、電流値が一定と仮定して算出していることから、
実際のイオン電流波形におけるピーク値は、0.5
[V]よりも大きい値を示すと考えられる。この結果か
ら、イオン電流が最も小さくなると考えられる条件にお
いて検出抵抗で検出される電圧値は、図6に示す失火時
の検出抵抗の電圧値(約0.2[V])と識別可能な差
を有することが判る。
【0103】よって、本発明の内燃機関用点火装置にお
いては、失火を判定するための判定基準値に適切な値
(例えば、0.4[V])を設定することで、イオン電
流が最も小さくなると考えられる条件においても、正常
燃焼であるか失火であるかを判定することができる。
【0104】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様を採ることができる。例えば、イオン電流検出
処理におけるイオン電流検出開始時期tiは、イオン電
流の発生時期を含むように設定すればよいことから、火
花放電が自然終了する時期よりも早い時期に設定しても
良い。また、イオン電流検出開始時期については、運転
状態に応じて設定される変動期間ではなく、予め定めら
れた固定期間としても良い。
【0105】また、イオン電流を用いて検出可能な燃焼
状態としては、失火に限らず、例えばノッキング等が挙
げられる。このノッキングを検出するにあたっても、点
火プラグの電極間に流れるイオン電流を検出し、検出し
たイオン電流波形を公知の手法を用いて解析することで
ノッキング判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の内燃機関用点火装置の構成を表す電
気回路図である。
【図2】 混合気への着火が正常に行われた場合の内燃
機関用点火装置における各部の状態を表すタイムチャー
トである。
【図3】 混合気への着火が正常に行われずに失火した
場合の内燃機関用点火装置における各部の状態を表すタ
イムチャートである。
【図4】 失火後に再び火花放電が発生する場合の内燃
機関用点火装置における各部の状態を表すタイムチャー
トである。
【図5】 内燃機関用点火装置の電子制御装置(EC
U)において実行されるイオン電流検出処理の処理内容
を表すフローチャートである。
【図6】 実施例の内燃機関用点火装置を用いて、正常
燃焼時と失火時とのそれぞれにおいて測定したイオン電
流の測定結果であり、(a)が正常燃焼時の測定結果で
あり、(b)が失火時の測定結果である。
【符号の説明】
1…内燃機関用点火装置、11…電源装置、13…点火
プラグ、13a…中心電極、13b…接地電極、15…
点火コイル、17…トランジスタ、19…電子制御装置
(ECU)、21…検出抵抗、23…印加電圧制限用ツ
ェナーダイオード、25…検出回路、31…逆流防止用
ダイオード、L1…一次巻線、L2…二次巻線。
フロントページの続き Fターム(参考) 2G087 AA27 BB12 CC35 3G019 AB01 AC07 AC08 BA01 CD01 CD06 DB04 DB07 DC07 EA11 FA04 FA06 GA01 GA05 GA08 GA09 LA05 LA13 3G084 BA17 CA03 CA04 EA04 EA07 EA11 EB08 FA10 FA11 FA24 FA25 FA33 FA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線および二次巻線を有し、前記一
    次巻線に流れる一次電流を遮断することで前記二次巻線
    に点火用高電圧を発生する点火コイルと、 該点火コイルの前記一次巻線に流れる前記一次電流の通
    電・遮断を行うスイッチング手段と、 前記二次巻線に直列接続されて閉ループを形成すると共
    に、前記点火用高電圧が印加されて二次電流が流れるこ
    とにより自身の電極間に火花放電を発生する点火プラグ
    と、を備えた内燃機関用点火装置であって、 前記点火コイルの前記二次巻線の高圧側と前記点火プラ
    グとを接続する通電経路中に接続され、前記一次巻線へ
    の通電遮断時に前記二次巻線に発生する電流の通電を許
    容し、前記一次巻線への通電開始時に前記二次巻線に発
    生する電流の通電を阻止する逆流防止用ダイオードと、 前記二次電流の通電経路において、前記二次巻線および
    前記点火プラグに直列接続されて、前記点火プラグの電
    極間にイオン電流が流れる際に、該イオン電流に比例し
    た電流を検出するための電流検出手段と、 前記点火用高電圧の発生時に前記電流検出手段に印加さ
    れる電圧を一定値以下に制限する印加電圧制限手段と、
    を備え、 前記点火プラグでの火花放電終了後に前記点火コイルに
    残る残留エネルギによって前記二次巻線の両端にイオン
    電流発生用電圧を発生させ、該イオン電流発生用電圧を
    前記点火プラグに印加することで発生するイオン電流を
    前記電流検出手段で検出すること、 を特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記電流検出手段は、一端が前記二次巻
    線の低圧側に接続されると共に、他端が接地される検出
    用抵抗からなり、該検出用抵抗の両端電圧によりイオン
    電流に比例した電流を検出すること、 を特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記印加電圧制限手段は、前記二次巻線
    の低圧側と前記検出用抵抗との接続端にアノードが接続
    される形態で、前記検出用抵抗に並列に接続されるツェ
    ナーダイオードからなること、 を特徴とする請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
JP2001263784A 2000-12-21 2001-08-31 内燃機関用点火装置 Expired - Fee Related JP4528469B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263784A JP4528469B2 (ja) 2000-12-21 2001-08-31 内燃機関用点火装置
US10/022,696 US6539930B2 (en) 2000-12-21 2001-12-20 Ignition apparatus for internal combustion engine
EP01310807A EP1217206A3 (en) 2000-12-21 2001-12-21 Ignition apparatus for internal combustion engine

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000388767 2000-12-21
JP2000-388767 2000-12-21
JP2001263784A JP4528469B2 (ja) 2000-12-21 2001-08-31 内燃機関用点火装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002250267A true JP2002250267A (ja) 2002-09-06
JP4528469B2 JP4528469B2 (ja) 2010-08-18

Family

ID=26606271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001263784A Expired - Fee Related JP4528469B2 (ja) 2000-12-21 2001-08-31 内燃機関用点火装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6539930B2 (ja)
EP (1) EP1217206A3 (ja)
JP (1) JP4528469B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006070896A (ja) * 2004-08-05 2006-03-16 Diamond Electric Mfg Co Ltd 内燃機関用イオン電流検出装置

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6779517B2 (en) * 2001-11-29 2004-08-24 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Ignition device for internal combustion engine
US6666196B2 (en) * 2002-01-10 2003-12-23 Delphi Technologies, Inc. Ignition system having improved spark-on-make blocking diode implementation
US7137385B2 (en) * 2002-11-01 2006-11-21 Visteon Global Technologies, Inc. Device to provide a regulated power supply for in-cylinder ionization detection by using the ignition coli fly back energy and two-stage regulation
US7063079B2 (en) 2002-11-01 2006-06-20 Visteon Global Technologies, Inc. Device for reducing the part count and package size of an in-cylinder ionization detection system by integrating the ionization detection circuit and ignition coil driver into a single package
US6883509B2 (en) 2002-11-01 2005-04-26 Visteon Global Technologies, Inc. Ignition coil with integrated coil driver and ionization detection circuitry
DE10260321B4 (de) * 2002-12-20 2016-10-20 Volkswagen Ag Schaltungsanordnung zur Funkentstörung einer Kraftfahrzeugzündanlage
JP2008031981A (ja) * 2006-07-06 2008-02-14 Denso Corp 内燃機関の異常検出装置
US7546836B2 (en) * 2007-01-26 2009-06-16 Walbro Engine Management, L.L.C. Ignition module for use with a light-duty internal combustion engine
JP2009085166A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関用点火コイル装置
US8286617B2 (en) 2010-12-23 2012-10-16 Grady John K Dual coil ignition
US9488151B2 (en) * 2012-02-08 2016-11-08 Denso Corporation Ignition system
US9022010B2 (en) * 2012-02-08 2015-05-05 Denso Corporation Ignition system
DE102014204193A1 (de) * 2013-03-08 2014-09-11 Denso Corporation Zündvorrichtung mit einer Zündspule
JP5900418B2 (ja) * 2013-06-10 2016-04-06 株式会社デンソー 内燃機関用のスパークプラグ
CN103437933B (zh) * 2013-08-09 2016-08-10 浙江吉利汽车研究院有限公司 一种发动机点火装置及点火方法
JP5907149B2 (ja) * 2013-11-28 2016-04-20 株式会社デンソー 内燃機関の制御装置
US9429134B2 (en) 2013-12-04 2016-08-30 Cummins, Inc. Dual coil ignition system
CN104989577A (zh) * 2014-01-28 2015-10-21 南安市森天机电设计服务有限公司 自诊断波长点火器的控制模块
CN103758675B (zh) * 2014-01-28 2016-03-30 泉州市洛江双阳高捷机动车零部件电脑设计工作室 触发信号同步处理点火器
US20150340846A1 (en) * 2014-05-21 2015-11-26 Caterpillar Inc. Detection system for determining spark voltage
US9828967B2 (en) * 2015-06-05 2017-11-28 Ming Zheng System and method for elastic breakdown ignition via multipole high frequency discharge
DE102017111917B4 (de) * 2016-06-07 2023-08-24 Borgwarner Ludwigsburg Gmbh Verfahren zum Ermitteln der Notwendigkeit eines Zündkerzenwechsels
CN113167205B (zh) * 2018-12-07 2022-11-18 三菱电机株式会社 点火装置
JP7168510B2 (ja) * 2019-03-29 2022-11-09 日本特殊陶業株式会社 放電制御装置および方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08240172A (ja) * 1995-03-01 1996-09-17 Diamond Electric Mfg Co Ltd イオン電流による燃焼状態検出装置
JP2000303940A (ja) * 1999-04-21 2000-10-31 Ngk Spark Plug Co Ltd 内燃機関の燃焼状態検出装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6055711B2 (ja) * 1981-01-08 1985-12-06 日産自動車株式会社 プラズマ点火装置
JPH04191465A (ja) 1990-11-26 1992-07-09 Mitsubishi Electric Corp イオン電流検出装置
KR960000442B1 (ko) * 1990-11-26 1996-01-06 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 이온전류 검출장치
JP2951780B2 (ja) 1991-12-09 1999-09-20 三菱電機株式会社 内燃機関の燃焼検出装置
KR970006966B1 (ko) * 1992-06-05 1997-05-01 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 내연기관용 점화장치
JP3347231B2 (ja) 1994-12-20 2002-11-20 ダイヤモンド電機株式会社 イオン電流による燃焼状態検出方法
DE19610862A1 (de) * 1996-03-20 1997-09-25 Bosch Gmbh Robert Induktive Zündeinrichtung
DE19652267A1 (de) * 1996-12-16 1998-06-18 Bosch Gmbh Robert Induktives Spulenzündsystem für einen Motor
JPH10238446A (ja) 1997-02-21 1998-09-08 Toyota Motor Corp イオン電流検出装置
JP3505448B2 (ja) * 1999-09-16 2004-03-08 三菱電機株式会社 内燃機関用燃焼状態検知装置
JP3084673B1 (ja) 1999-12-21 2000-09-04 阪神エレクトリック株式会社 内燃機関の失火検出機能を有する点火回路

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08240172A (ja) * 1995-03-01 1996-09-17 Diamond Electric Mfg Co Ltd イオン電流による燃焼状態検出装置
JP2000303940A (ja) * 1999-04-21 2000-10-31 Ngk Spark Plug Co Ltd 内燃機関の燃焼状態検出装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006070896A (ja) * 2004-08-05 2006-03-16 Diamond Electric Mfg Co Ltd 内燃機関用イオン電流検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4528469B2 (ja) 2010-08-18
US6539930B2 (en) 2003-04-01
EP1217206A2 (en) 2002-06-26
US20020079900A1 (en) 2002-06-27
EP1217206A3 (en) 2005-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002250267A (ja) 内燃機関用点火装置
US6779517B2 (en) Ignition device for internal combustion engine
JP2001032758A (ja) 内燃機関用点火装置
JPH11280631A (ja) イオン電流検出装置
JP4180298B2 (ja) 失火検出装置
JP4005815B2 (ja) 失火検出装置
JP4521502B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3940622B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP4352223B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP2000045924A (ja) 内燃機関用点火装置
JP4536219B2 (ja) イオン電流検出装置
JP4230041B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP2009203864A (ja) 燃焼状態検出装置及び点火制御システム
JP2688672B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP4494264B2 (ja) 内燃機関点火装置
JP4567878B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP4169266B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP2003286933A (ja) 内燃機関用点火装置
JPH1137031A (ja) イオン電流検出装置
JP2705041B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2000303940A (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP2641997B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2004019619A (ja) 内燃機関用点火装置
JP3784588B2 (ja) 内燃機関用燃焼状態検知装置
JP4408550B2 (ja) 内燃機関の運転状態検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100511

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees