JP2002249640A - 樹脂封止型半導体装置および半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

樹脂封止型半導体装置および半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形品にボイドがなく、かつ優れたレーザーマ
ーキング性を有するエポキシ樹脂組成物と、それを用い
て封止したことによりボイドがなく、かつレーザーマー
キング視認性に優れる半導体装置を提供すること。 【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
剤(C)および着色剤(D)を主成分とするエポキシ樹
脂組成物において、エポキシ樹脂(A)としてビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂(a1)と着色剤(D)として
DBP吸収量が100cm3/100g以上であるカー
ボンブラック(d)を必須成分として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形品にボイドが
なく、かつYAGレーザーマーキング視認性に優れる半
導体封止用エポキシ樹脂組成物と樹脂封止型半導体装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物で封止された半導体
装置は、従来、熱硬化型もしくはUV硬化型の特殊なイ
ンクで半導体デバイスの製造者、製造履歴等をマーキン
グしていたが、マーキングやその硬化に時間がかかり、
更にそのインクの取扱も容易でないため、最近はレーザ
ーマーキングを採用する電子部品メーカーが増加してい
る。YAGまたは炭酸ガスのレーザー光の短時間照射に
よるエポキシ樹脂組成物の成形品表面へのマーキング
は、インクによるマーキングよりも作業性に優れ、しか
も短時間で終了するために、電子部品メーカーにとって
は利点の多い方法である。
【0003】しかし、従来のエポキシ樹脂組成物を用い
て封止した半導体装置の表面にレーザーマーキングした
場合は、マーキングした部分とマーキングしていない部
分とのコントラストが不鮮明であり、しかも印字が黄色
であるために、印字の読みとりが困難であった。
【0004】炭酸ガスレーザーマーキングに関しては、
既に効果的な着色剤が開発され、鮮明な印字が得られる
樹脂組成物が上市されている。
【0005】一方、YAGレーザーマーキングに関して
は、例えば特開平2−127449号公報によると、
「カーボン含有量が99.5重量%以上、水素含有量が
0.3重量%以下であるカーボンブラック」が同目的に
効果的であると記載されているが、カーボンブラックが
揮散した後のマーキングコントラストが未だ不十分で、
鮮明な印字は得られていない。さらに、特開2000−
128960号公報では、DBP吸収量が80ml/1
00g以上で平均粒径が20nm以上のカーボンブラッ
クとビフェニル型エポキシ樹脂を用いることで良好なレ
ーザーマーキング性が得られるとされており実際その効
果は認められるが、レーザーマーキング性と成形性、特
に後述するボイド低減の両方の効果のある組成物は未だ
ない。
【0006】一方、近年の要求項目としての半田耐熱性
の向上のために封止樹脂の吸水率を低減する必要があ
り、そのために無機充填剤の配合量を従来以上に増加さ
せることが良く行われる。しかし、あまり無機充填剤を
多く配合すると、結果として成形時に発生する気泡によ
って成形時にボイドが入りやすくなる傾向にある。その
ため、発生するボイドを低減するために、粘度が高い樹
脂を用いたり、無機充填剤の粒度分布を変更するなど、
各種の手法が試みられた。ボイドの低減に効果のあるも
のとして、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオ
キサイドのブロックコポリマーをシリコーン主鎖にグラ
フト又はブロック共重合させた構造のシリコーンオイル
の挙げられる(特公平2−36148号公報)。しか
し、この手法は現在の表面実装材に適用した場合、ボイ
ド低減効果が十分には発現しなかった。さらに、これら
のシリコーンオイルの添加によって、半田耐熱性の低下
が引き起こされることも問題であった。また、樹脂組成
物中の揮発成分の除去もボイド低減に有効な手段である
ことが示されているが(特公昭61−13862号公
報、特公昭61−261316号公報)、無機充填剤を
多く含む樹脂組成物では、揮発成分量を単に低減するだ
けではボイド低減の効果は十分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形品にボ
イドがなく、かつ優れたレーザーマーキング性を有する
エポキシ樹脂組成物と、それを用いて封止したことによ
りボイドがなくレーザーマーキング視認性に優れる半導
体装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、鋭
意検討した結果、驚くべきことに、着色剤としてDBP
吸収量が100cm3/100g以上であるカーボンブ
ラックと特定のエポキシ樹脂(ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂)をともに用いた場合にボイド発生が少なく、
かつ非常に優れたレーザーマーキング性(21ステップ
センシティビティーガイドで4以上)が得られることを
見出し、本課題の解決に至った。
【0009】すなわち、本発明は主として次の構成から
なる。すなわち、「エポキシ樹脂(A)、硬化剤
(B)、無機充填剤(C)および着色剤(D)を主成分
とするエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂
(A)として下記一般式(I)
【0010】
【化3】 で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a1)、
かつ着色剤(D)としてDBP吸収量が100cm3
100g以上であるカーボンブラック(d)を含むこと
を特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。」であ
る。
【0011】本発明のこれを用いた半導体装置はボイド
発生がなく、かつ優れたレーザーマーキング性を示し、
鮮明なマーキングを得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
【0013】本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、エ
ポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および無機充填剤
(C)および着色剤(D)を主成分とするエポキシ樹脂
組成物において、エポキシ樹脂(A)として一般式
(I)で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a
1)と着色剤(D)としてDBP吸収量が100cm3
/100g以上であるカーボンブラック(d)を含むこ
とを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【0014】本発明に用いるエポキシ樹脂(A)には一
般式(I)で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂
(a1)が必須成分として含まれる。このエポキシ樹脂
を用いることで目的とするボイドがなく良好なレーザー
マーキング性が得られるのである。
【0015】
【化4】 ここで、一般式(I)中、R1〜R8は水素原子、ハロゲ
ン原子または炭素数1〜4の低級アルキル基であり、同
一であっても異なっていてもよい。好ましい具体例とし
ては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフ
ェニル)メタン、2,4’−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(2,3−
エポキシプロポキシフェニル)メタン、3,3’,5,
5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシフェニル)メタンなどが挙げられる。
【0016】また、一般式(I)で表されるビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂(a1)はエポキシ樹脂(A)中
に30重量%以上含まれることが好ましい。30重量%
以上とすることにより良好なボイド低減効果、レーザー
マーキング性が得られる。
【0017】本発明に用いるエポキシ樹脂(A)には一
般式(II)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a
2)が前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂(a1)と
ともに含まれることが好ましい。このエポキシ樹脂(a
2)を併用することで、さらに、目的とするボイドがな
く、良好なレーザーマーキング性のエポキシ樹脂組成物
硬化体が得られる。
【0018】
【化5】 上記一般式(II)中、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原
子または炭素数1〜4の低級アルキル基であり、同一で
あっても異なっていてもよい。アルキル基の好ましい具
体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基などが挙げられる。
【0019】本発明に用いられるエポキシ樹脂(A)
は、上記(a1)、(a2)以外のエポキシ樹脂を併用
してもよく、特にその種類については限定されない。例
えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂
およびハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0020】本発明におけるエポキシ樹脂(A)の配合
量は樹脂組成物全体に対して、1.5〜15重量%であ
る。
【0021】本発明には、エポキシ樹脂(A)を硬化さ
せるために硬化剤(B)が用いられるが、特にその種類
は限定されない。例えば、フェノールノボラック樹脂、
クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹
脂、ビスフェノールAやレゾルシンから合成される各種
ノボラック樹脂、多価フェノール類、無水マレイン酸、
無水フタル酸などの酸無水物、およびメタフェニレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられ、中で
もフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹
脂が好適に用いられる。
【0022】本発明における硬化剤(B)の配合量は樹
脂組成物全体に対して、1.5〜15重量%である。さ
らには、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の配合比
は、機械的性質等の点から、エポキシ樹脂(A)に対す
る硬化剤(B)の化学当量比が0.5〜2.0、特に
0.6〜1.5の範囲にあることが好ましい。
【0023】また、本発明には無機充填剤(C)が含ま
れる。無機充填剤としては具体例には、非晶性シリカ
(溶融シリカ)、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、アルミナ、マグネシア、酸化マグネシウ
ム、ジルコニア、ジルコン、クレー、タルク、ケイ酸カ
ルシウム、酸化チタン、酸化アンチモン、アスベスト、
ガラス繊維などが挙げられる。好ましくはシリカ、アル
ミナ、ジルコニアであり、より好ましくはシリカであ
る。無機充填剤としてこれらを単独でも2種類以上併用
してもかまわない。これら無機充填剤の形状については
特に限定せず、球状、破砕状、繊維状などを挙げること
ができるが、球状がより好ましい。形状の異なる無機充
填剤の併用でもかまわない。また、無機充填剤の平均粒
径は特に限定されないが、0.1〜40μmが好まし
い。
【0024】本発明において、無機充填剤(C)の配合
量は特に限定されないが、樹脂組成物全体の75〜97
重量%、好ましくは80〜97重量%である。
【0025】本発明には、着色剤(D)としてDBP吸
収量が100cm3/100g以上であるカーボンブラ
ック(d)が用いられる。カーボンブラックのDBP吸
収量は以下の方法で求められる。すなわち、150±1
℃で1時間乾燥した試料20gをアブソープトメーター
の混合室に投入し、予めリミットスイッチを所定の位置
に設定した混合室の回転機を回転する。同時に、自動ビ
ュレットからDBP(ジブチルフタレート;比重1.0
45〜1.050)を4ml/分の割合で添加し始め
る。終点近くになるとトルクが急速に増加してリミット
スイッチが切れる。それまでに添加したDBP量(cm
3)よりDBP吸収量(cm3/100g)を次式により
求める。 DBP吸収量=DBP量/試料量×100
【0026】DBP吸収量が100cm3/100g未
満のカーボンブラックでは満足なレーザーマーキング性
が得られず、さらにボイド低減に大きな効果を発揮しな
い。100cm3/100g以上のカーボンブラック
(d)を用いることにより、満足なレーザーマーキング
性が得られ、ボイド低減に効果を発揮するのである。1
00cm3/100g以上のものであればこれらに対し
十分な効果が得られるが、より十分な効果を得るために
はDBP吸収量が110cm3/100g以上のカーボ
ンブラック、さらに好ましくはDBP吸収量が120c
3/100g以上のカーボンブラックを用いるのがよ
い。
【0027】本発明においてカーボンブラック(d)の
平均粒径、比表面積やpHは、DBP吸収量が100c
3/100g以上であれば特に限定されない。カーボ
ンブラック(d)のDBP吸収量は100cm3/10
0g以上であればレーザーマーキング性向上やボイド低
減に有効であるが、好ましくは110cm3/100g
以上、より好ましくは120cm3/100g以上がさ
らに有効である。
【0028】また、カーボンブラック(d)の樹脂組成
物全体に対する配合量は特に限定されない。通常、その
配合量は0.05〜3.0重量%であるが、ボイド発生
がなく、かつより良いレーザーマーキング性を得るため
には、好ましくは0.1〜2.0重量%、より好ましく
は0.2〜1.0重量%がよい。
【0029】そしてカーボンブラック(d)としては熱
分解法、不完全燃焼法等の公知の方法で製造されるいず
れのカーボンブラックでもよく、DBP吸収量が100
cm 3/100g以上であればその製造方法には特に限
定されない。
【0030】本発明にはエポキシ樹脂と硬化剤の反応を
促進する硬化促進剤を用いてもよい。硬化促進剤はエポ
キシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進するものであれば
その種類は特に限定されない。具体的には、各種イミダ
ゾール化合物、各種アミン化合物、各種有機金属化合
物、各種有機ホスフィン化合物などが好ましく用いられ
る。これらの硬化促進剤は用途に応じて2種類以上を併
用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂(A)100
重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が望ましい。
【0031】さらに本発明には、エラストマ、各種カッ
プリング剤、ハロゲン化エポキシ樹脂などのハロゲン化
物やリンなどの難燃剤、アンチモン化合物などの難燃助
剤、カーボンブラック以外の各種着色剤、長鎖脂肪酸ア
ミドなどの各種離型剤など、各種添加剤を任意に配合で
きる。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法と
しては、溶融混練することが好ましい。例えば、バンバ
リーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の
押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法を用いて
溶融混練後、固化、粉砕し、必要に応じてタブレット化
またはペレット化することにより製造される。
【0033】そして、これらタブレット、ペレットや粉
末状の樹脂組成物を用いて、例えばトランスファ成形な
どの公知の成形手段によって半導体素子を封止すること
により半導体装置が得られる。このようにして得られた
半導体装置は、これまで述べてきたように半導体素子を
封止した硬化体にボイドが少なく、レーザーマーキング
性に優れた半導体装置である。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0035】[実施例1〜19、比較例1〜6] <エポキシ樹脂組成物の調製>表1に示した原料を、表
2〜4に示した組成比(重量比)で配合し、ミキサーに
よりブレンドした。これらの混合物を2軸押出機を用い
て90℃で溶融混練したのち、冷却、粉砕してエポキシ
樹脂組成物を得た。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】<評価用サンプルの作成>樹脂組成物の粉
末をタブレット状に圧縮成形したのち(タブレットの充
填率が95.0〜98.5%)、トランスファ成形機を
用いて160ピンQFP(Quad Flat Pac
kage)(外形寸法:24mm×24mm×3.4m
mt)を成形温度175℃、注入時間7秒、成形圧力
9.8MPa、成形時間2分の条件で成形し、さらにこ
れを175℃、10時間の条件で後硬化させ半導体装置
を得た。
【0041】<レーザーマーキング視認性の評価>得ら
れた半導体装置の硬化体表面に(株)キーエンス製YA
Gレーザー”マーカー MY9500”を用いてレーザ
ー波長1.06μm、レーザー出力14A(アンペア)
で、字幅0.9mm、字の太さ0.1mmでマーキング
した。
【0042】視認性の評価はSTOUFFER GRA
PHIC ARTS EQUIPMENT CO.製の
21ステップセンシティビティーガイド(1〜21の黒
味の異なるフィルムによる視認性の評価。数字が大きい
ほど視認性が良い。光学濃度Dはステップ1で0.0
5、ステップ2で0.20、ステップ3で0.35、ス
テップ4で0.49、ステップ5で0.64、ステップ
6で0.79、ステップ7で0.93、以下ステップ2
1まで続く。ここで光学濃度Dは、入射光強度をI
0(mJ/cm2)、透過または反射光の強度をI(mJ
/cm2)とすると式(III)のように定義される。 光学濃度D=log10(I0/I) ・・・(III) )を用いて行った。
【0043】半導体装置の硬化体表面の印字部分に21
ステップセンシティビティーガイドを合わせるように載
せ、印字部分が読めなくなる時の21ステップセンシテ
ィビティーガイドの指示値を測定した。
【0044】<ボイドの評価> 外部ボイド:160pinQFPを16個、上記条件で
成形し、パッケージ表面にある外部ボイドの数を光学顕
微鏡(倍率は10倍)観察した。観察された外部ボイド
の合計数(16個のパッケージでの合計数)により、次
の5段階で評価した。 A: 0〜 1(個/16パッケージ) B: 2〜 5(個/16パッケージ) C: 6〜10(個/16パッケージ) D:11〜15(個/16パッケージ) E:16以上(個/16パッケージ)
【0045】内部ボイド:160pinQFPを4個を
上記条件で成形し、パッケージ内部にある内部ボイドを
超音波探傷機により観察した。各パッケージで観察され
た内部ボイドの数(個/パッケージ)の平均値により、
次の5段階で評価した。 A: 0〜10(個/パッケージ) B:11〜20(個/パッケージ) C:21〜30(個/パッケージ) D:31〜40(個/パッケージ) E:41以上(個/パッケージ)
【0046】<評価結果>評価結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】表5の実施例1〜19にみられるように、
DBP吸収量が100cm3/100g以上のカーボン
ブラックとビスフェノールF型エポキシ樹脂をともに用
いたエポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置はボイ
ド発生が少なく、かつレーザーマーキング視認性に優れ
ていることがわかる。一方、比較例1〜6にみられるよ
うに、DBP吸収量が100cm3/100g未満のカ
ーボンブラックを用いたエポキシ樹脂組成物で封止され
た半導体装置やビスフェノールF型エポキシ樹脂を用い
ないエポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置はボイ
ド発生が多く、レーザーマーキング視認性にも劣ってい
る。
【0049】
【発明の効果】本発明は、成形品にボイドがなく、かつ
YAGレーザーマーキング性に優れる半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物およびそれを用いて封止した半導体装置
を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC032 CC042 CC052 CD051 CD053 DA038 DE077 DE097 DE137 DE147 DE237 DJ007 DJ017 DJ027 DJ037 DJ047 DL007 EJ016 EL136 EL146 EN076 EV216 FD017 FD098 FD142 FD146 GQ01 GQ05 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EB02 EB08 EB12 EC20 GA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機
    充填剤(C)および着色剤(D)を主成分とするエポキ
    シ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)として下記
    一般式(I) 【化1】 で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a1)、
    かつ着色剤(D)としてDBP吸収量が100cm3
    100g以上であるカーボンブラック(d)を含むこと
    を特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂(A)中に一般式(I)で表
    されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a1)が30
    重量%以上含まれることを特徴とする請求項1記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】エポキシ樹脂(A)として、一般式(I)
    で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a1)と
    下記一般式(II) 【化2】 で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a2)をともに
    含有することを特徴とする請求項1または2いずれかに
    記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】印字部分のマーキング視認性が21ステッ
    プセンシティビティーガイドを用いた評価で4以上とな
    ることを特徴とする請求項1〜3記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載の半導体封止用エポキ
    シ樹脂組成物で封止してなる樹脂封止型半導体装置。
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