JP2002249319A - 酸化チタンの製造方法 - Google Patents

酸化チタンの製造方法

Info

Publication number
JP2002249319A
JP2002249319A JP2001366250A JP2001366250A JP2002249319A JP 2002249319 A JP2002249319 A JP 2002249319A JP 2001366250 A JP2001366250 A JP 2001366250A JP 2001366250 A JP2001366250 A JP 2001366250A JP 2002249319 A JP2002249319 A JP 2002249319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium
titanium oxide
flask
base
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001366250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4078479B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Sakatani
能彰 酒谷
Hironobu Koike
宏信 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2001366250A priority Critical patent/JP4078479B2/ja
Publication of JP2002249319A publication Critical patent/JP2002249319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4078479B2 publication Critical patent/JP4078479B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築材料または自動車材料等に光触媒活性を
付与するときに用いる塗料の材料として好適な、粒子径
が小さい酸化チタンを簡易に製造する方法を提供する。 【解決手段】 チタン化合物(三塩化チタン〔TiCl
3〕、四塩化チタン〔TiCl4〕、硫酸チタン〔Ti
(SO42・mH2O、0≦m≦20〕、オキシ硫酸チ
タン〔TiOSO4・nH2O、0≦n≦20〕、オキシ
塩化チタン〔TiOCl2〕等)と塩基(水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、アンモニアの水溶液等)をpH2〜7で反応させ、
得られた生成物を焼成することを特徴とする酸化チタン
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化チタンの製造方
法に関するものである。詳細には、光触媒用途に好適な
微粒子酸化チタンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンが示す光触媒作用によって、
大気中の悪臭物質を除去したり、窓ガラス、道路壁を清
浄化することが検討されている。窓ガラス、道路壁のよ
うな建築材料または自動車材料等に酸化チタンを塗布す
る場合、通常、酸化チタンは溶媒と混合され、塗料とし
て用いられる。建築材料または自動車材料等に均一に塗
布するため、塗料材料である酸化チタンは凝集がなく、
粒子径が小さいものであることが望ましい。
【0003】粒子径が小さい酸化チタンの製造方法とし
て、四塩化チタンを酸素存在下で熱分解する方法が知ら
れているが、複雑な装置が必要であり、また操作が煩雑
となることがあった。また、この酸化チタンは、十分な
光触媒活性を示すものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、建築
材料または自動車材料等に光触媒活性を付与するときに
用いる塗料の材料として好適な、粒子径が小さい酸化チ
タンを簡易に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は酸化チタン
の製造方法について検討を行った結果、本発明を完成す
るに至った。
【0006】すなわち本発明は、チタン化合物と塩基を
pH2〜7で反応させ、得られた生成物を焼成すること
を特徴とする酸化チタンの製造方法を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるチタン化合物としては、塩基との反
応により水酸化チタンを生成するチタンの化合物であれ
ばよく、例えば、三塩化チタン〔TiCl3〕、四塩化
チタン〔TiCl4〕、硫酸チタン〔Ti(SO42
mH2O、0≦m≦20〕、オキシ硫酸チタン〔TiO
SO4・nH2O、0≦n≦20〕、オキシ塩化チタン
〔TiOCl2〕が挙げられ、中でも、オキシ硫酸チタ
ンの適用が推奨される。チタン化合物は、純度が高いも
のが好ましく、純度99重量%以上であることが好まし
い。高い純度のチタン化合物を用いることにより、高い
光触媒活性を示す微粒子酸化チタンを得ることができ
る。チタン化合物の純度は、例えば、三塩化チタンでは
JIS K8401−1992、四塩化チタンではJI
S K8460−1992、の方法により求めることが
でき、オキシ硫酸チタンでは、例えば、主要成分である
TiO2およびSO3ならびにSiO2、P25、Nb2
5のようなその他の不純物を分析し、TiO2およびSO
3含有量(重量%)をそれぞれA1およびA2とし、Si
2、P25、Nb25などの不純物の含有量(重量
%)をそれぞれA3、A4、A5、・・・として、下式 純度(%)=〔(A1+A2)/(A1+A2+A3+A4+A5+・・
・)〕×100 により算出することができる。
【0008】本発明の方法においては、最初に、チタン
化合物は塩基と反応させられる。この反応は、実質的に
全てのチタン化合物を水酸化チタンに変えることができ
る方法で行えばよく、例えば、反応容器内に水性媒体を
入れた後、この反応容器に、攪拌下、チタン化合物の水
溶液と塩基とを供給する方法、または反応管に水性媒体
とチタン化合物と塩基とを連続供給する方法で行うこと
ができる。チタン化合物の水酸化チタンへの反応率は、
通常90%以上、好ましくは95%以上である。反応は
pH2以上、7以下で行われる。反応のときのpHが7
より高いと、チタン化合物と塩基との反応生成物を焼成
して得られる酸化チタンの粒子径が大きくなる。反応の
ときのpHは、2.5以上、さらには3以上であること
が好ましく、また5.5以下、さらには5以下であるこ
とが適当である。なお、本明細書においてpHは、チタ
ン化合物と塩基の混合液または混合スラリーのpHを表
す。
【0009】チタン化合物と反応させられる塩基として
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアの水溶液等の他
に、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、モノエタノール
アミン、非環式アミン化合物、環式脂肪族アミン化合物
等のアミンの水溶液等が挙げられ、中でもアンモニア水
の適用が推奨される。塩基の濃度は、通常0.05重量
%以上、50重量%以下である。
【0010】チタン化合物と塩基の反応は、90℃以
下、さらには70℃以下、とりわけ55℃以下の温度で
行われることが好ましい。反応温度が90℃より高い
と、チタン化合物と塩基の反応が局所的に進行し、生成
物が不均一に生成し、最終的に得られる酸化チタンの粒
子径が大きくなることがある。反応温度はあまり低くな
ると冷媒が必要となるので5℃以上、さらには20℃以
上が適当である。
【0011】チタン化合物と塩基の反応により得られる
生成物は、その後さらに、塩基と混合し、熟成を施すこ
とが好ましい。熟成は、例えば、生成物を含むスラリー
を塩基の存在下、一定温度範囲に保持する方法で行うこ
とができる。熟成に際し、生成物は、反応により生じた
塩(例えば、硫酸アンモニウム等)の溶液から分離され
た後、塩基を添加、混合してもよい。このような熟成が
生成物に施されることにより、熟成後の生成物を焼成し
て得られる酸化チタンは、微粒子でかつ可視光線の照射
に対し優れた活性を示すものとなる。熟成に用いられる
塩基としては、例えば、アンモニア水等が挙げられ、そ
の濃度は、通常0.05重量%以上、50重量%以下で
ある。熟成温度は0℃以上、さらには10℃以上が好ま
しく、また110℃以下、さらには80℃以下が適当で
ある。熟成時間は、塩基濃度、熟成温度により異なり一
義的ではないが、通常0.01時間以上、好ましくは
0.5時間以上であり、60時間以内、好ましくは24
時間以内である。熟成のときに混合される塩基と、上述
した反応に用いられる塩基とは、同種でかつ同濃度、同
種で異なる濃度、または異種のいずれであってもよい。
【0012】上で述べた反応と前述の熟成に用いられる
塩基の総量は、水の存在下でチタン化合物を水酸化チタ
ンに変えるのに必要な塩基の化学量論量を超える量であ
ることが好ましく、例えば1.1モル倍以上であること
が好ましい。用いる塩基の量が多いほど最終的に得られ
る微粒子酸化チタンの光触媒活性が高くなる傾向にある
ので、1.5モル倍以上がさらに好ましい。一方、塩基
の量があまり多くなると、もはや酸化チタンの光触媒活
性を向上させることが困難となるので、20モル倍以
下、さらには10モル倍以下が適当である。
【0013】熟成された生成物を含むスラリーは、通
常、固体と液体に分離され、さらに分離された固体は必
要に応じて洗浄される。分離は、加圧濾過、真空濾過、
遠心分離、デカンテーション等で行うことができる。ま
た、分離は、スラリーを気流乾燥等で加熱し、液体を蒸
発させる方法で行うこともできる。これらの分離操作に
より、熟成された生成物を固体として回収することがで
きる。
【0014】つぎに、熟成された生成物を含むスラリ
ー、または任意に行われる分離操作により回収された生
成物は、焼成される。焼成は300℃以上、さらには3
50℃以上で行うことが好ましく、600℃以下、さら
には500℃以下で行うことが適当である。焼成温度が
高くなり過ぎると、十分な光触媒活性を示す微粒子酸化
チタンを得ることが困難になる。焼成は、例えば、気流
焼成炉、トンネル炉、回転炉等で行うことができる。
【0015】本発明の製造方法により得られる酸化チタ
ンは、通常、平均粒子径が20μm以下であり、結晶構
造がアナターゼ型である。また、この酸化チタンは紫外
線および/または可視光線の照射により光触媒活性を示
すものである。中でも、チタン化合物と塩基の反応によ
り得られた生成物に塩基を添加、混合し、熟成した後、
焼成する、本発明の製造方法により得られる酸化チタン
は可視光線の照射により優れた光触媒活性を示すもので
ある。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は本実施例に限定されるものではな
い。なお、酸化チタンの平均粒子径、結晶構造は以下の
方法で測定した。
【0017】平均粒子径(μm):試料をヘキサメタリ
ン酸ナトリウム(和光純薬工業製)の0.2重量%水溶
液中に分散させた後、粒度分布測定装置(商品名“MICR
OTRAC HRA model 9320-X100”、日機装製)を用いて5
0体積%径を測定し、これを平均粒子径とした。
【0018】結晶構造:X線回折装置(商品名“RAD
−IIA”、理学電機製)を用いて測定した。
【0019】実施例1 〔酸化チタンの製造〕SiO2含有量0.011重量
%、P25含有量0.034重量%、Nb25含有量
0.03重量%、純度99.93%のオキシ硫酸チタン
水和物(添川理化学製)102gを水68gに溶解し、
pH約1のオキシ硫酸チタン水溶液を調製した。
【0020】pH電極と、このpH電極に接続され、2
5重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を
供給してpHを一定に調節する機構を有するpHコント
ローラとを備えた1Lフラスコに水300gを入れた。
pHコントローラーのpH設定値を4とし、水のpHを
設定値に調節した。このフラスコ内に、400rpmで
攪拌しながら、上で得られたオキシ硫酸チタン水溶液1
70gを5ml/minで添加し、pHコントローラに
よりフラスコ内に供給されるアンモニア水と反応させ
た。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が終了するまでにフ
ラスコ内に供給された25重量%アンモニア水の量は5
8gであった。
【0021】フラスコ内の液のpHは、オキシ硫酸チタ
ン水溶液の添加を開始してから1分間はpH3.6〜
4.6であり、添加開始5分後から添加終了まではpH
3.9〜4.0であった。オキシ硫酸チタン水溶液の添
加開始時の液温は24℃であり、添加終了時の液温は4
0℃であった。
【0022】上で得られた生成物を攪拌しながら1時間
保持し、ついで25重量%アンモニア水(試薬特級、和
光純薬工業製)56gを供給した後、攪拌下で1時間保
持して生成物を熟成した。このとき、生成物を含むスラ
リーの温度は30℃で一定であった。フラスコ内に供給
されたアンモニア水の総量は114gであり、オキシ硫
酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学
量論量の2倍であった。
【0023】熟成後の生成物を含むスラリーを濾過、洗
浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1時間焼
成して、粒子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、
平均粒子径が3.5μmであり、結晶構造がアナターゼ
型であった。
【0024】〔酸化チタンの活性評価〕直径8cm、高
さ10cm、容量約0.5Lの密閉式ガラス製反応容器
内に、直径5cmのガラス製シャーレを設置し、そのシ
ャーレ上に、上で得られた粒子状酸化チタン0.3gを
置いた。反応容器内を酸素と窒素との体積比が1:4で
ある混合ガスで満たし、アセトアルデヒドを13.4μ
mol封入し、反応容器の外から可視光線を照射した。
可視光線の照射には、500Wキセノンランプ(商品名
“ランプUXL−500SX”、ウシオ電機製)を取り
付けた光源装置(商品名“オプティカルモジュレックス
SX−UI500XQ”、ウシオ電機製)に、波長約4
30nm以下の紫外線をカットするフィルター(商品名
“Y−45”、旭テクノガラス製)と波長約830nm
以上の赤外線をカットするフィルター(商品名“スーパ
ーコールドフィルター”、ウシオ電機製)とを装着した
ものを光源として用いた。可視光線の照射によりアセト
アルデヒドが分解すると、二酸化炭素が発生するので、
二酸化炭素の濃度を光音響マルチガスモニタ(1312
型、INNOVA製)で経時的に測定し、濃度変化より
算出した二酸化炭素の生成速度により、酸化チタンのア
セトアルデヒドに対する光触媒作用を評価した。この例
における二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり
20.93μmol/hであった。
【0025】実施例2 実施例1で用いたのと同じオキシ硫酸チタン水和物10
2gを水408gに溶解し、pH約1のオキシ硫酸チタ
ン水溶液を調製した。
【0026】pH電極と、このpH電極に接続され、2
5重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を
供給してpHを一定に調節する機構を有するpHコント
ローラとを備えた1Lフラスコに水300gを入れた。
pHコントローラーのpH設定値を4とし、水のpHを
設定値に調節した。このフラスコ内に、400rpmで
攪拌しながら、上で得られたオキシ硫酸チタン水溶液5
10gを5ml/minで添加し、pHコントローラに
よりフラスコ内に供給されたアンモニア水と反応させ
た。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が終了するまでにフ
ラスコ内に供給された25重量%アンモニア水の量は5
8gであった。
【0027】フラスコ内の液のpHは、オキシ硫酸チタ
ン水溶液の添加を開始してから1分間はpH2.7〜
6.4であり、添加開始20分後から添加終了まではp
H3.9〜4.1であった。オキシ硫酸チタン水溶液の
添加開始時の液温は24℃であり、添加終了時の液温は
33℃であった。
【0028】上で得られた生成物を含むスラリーを濾
過、洗浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1
時間焼成後、さらに洗浄、乾燥して、粒子状酸化チタン
を得た。この酸化チタンは、平均粒子径が3.1μmで
あり、結晶構造がアナターゼ型であった。
【0029】この酸化チタンについて、実施例1の〔酸
化チタンの活性評価〕と同条件で評価した。この例にお
ける二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり2.
76μmol/hであった。
【0030】実施例3 実施例1で用いたと同じ1Lフラスコに水300gを入
れ、これを恒温槽内に設置した。恒温槽内の温度を調節
して、フラスコ内の水の温度を60℃にした。ついでp
HコントローラーのpH設定値を4とし、水のpHを設
定値に調節した。このフラスコ内に、400rpmで攪
拌しながら、実施例1と同様に調製したオキシ硫酸チタ
ン水溶液を5ml/minで添加し、pHコントローラ
によりフラスコ内に供給されたアンモニア水と反応させ
て、スラリーを得た。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が
終了するまでにフラスコ内に供給された25重量%アン
モニア水の量は58gであった。フラスコ内の液のpH
は、添加開始4分後から添加終了まではpH3.9〜
4.0であった。またフラスコ内の液温は、オキシ硫酸
チタン水溶液の添加開始時が62℃であり、添加終了時
が61℃であった。
【0031】オキシ硫酸チタン水溶液添加終了後、フラ
スコ内の液を60℃に保持しながら1時間攪拌した。つ
いでフラスコ内に、攪拌しながら、25重量%アンモニ
ア水(試薬特級、和光純薬工業製)56gを供給し、さ
らに攪拌しながら1時間保持して、熟成を行った。熟成
時のフラスコ内の液温は61℃〜62℃であった。フラ
スコ内に供給されたアンモニア水の総量は114gであ
り、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要
な塩基の化学量論量の2倍であった。熟成後のスラリー
を濾過、洗浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中
で1時間焼成した。ついで、この焼成物を温水洗浄、乾
燥して、粒子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、
平均粒子径が4.4μmであり、結晶構造がアナターゼ
型であった。この酸化チタンについて、実施例1の〔酸
化チタンの活性評価〕と同条件で評価した。この例にお
ける二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり1
7.32μmol/hであった。
【0032】実施例4 実施例1で用いたと同じ1Lフラスコに水300gを入
れ、これを氷水浴内に設置した。pHコントローラーの
pH設定値を4とし、水のpHを設定値に調節した。こ
のフラスコ内に、400rpmで攪拌しながら、実施例
1と同様に調製したオキシ硫酸チタン水溶液を5ml/
minで添加し、pHコントローラによりフラスコ内に
供給されたアンモニア水と反応させて、スラリーを得
た。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が終了するまでにフ
ラスコ内に供給された25重量%アンモニア水の量は5
8gであった。フラスコ内の液のpHは、オキシ硫酸チ
タン水溶液の添加を開始してから2分間はpH3.7〜
4.1であり、添加開始8分後から添加終了まではpH
3.9〜4.0であった。またフラスコ内の液温は、オ
キシ硫酸チタン水溶液の添加開始時が1.5℃であり、
添加終了時が14℃であった。
【0033】オキシ硫酸チタン水溶液添加終了後、フラ
スコ内の液を4℃に保持しながら1時間攪拌した。つい
でフラスコ内に、攪拌しながら、25重量%アンモニア
水(試薬特級、和光純薬工業製)56gを供給し、さら
に攪拌しながら1時間保持して、熟成を行った。熟成時
のフラスコ内の液温は10℃であった。フラスコ内に供
給されたアンモニア水の総量は114gであり、オキシ
硫酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化
学量論量の2倍であった。熟成後のスラリーを濾過、洗
浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1時間焼
成した。ついで、この焼成物を温水洗浄、乾燥して、粒
子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、平均粒子径
が3.8μmであり、結晶構造がアナターゼ型であっ
た。この酸化チタンについて、実施例1の〔酸化チタン
の活性評価〕と同条件で評価した。この例における二酸
化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり11.87μ
mol/hであった。
【0034】実施例5 実施例1で用いたと同じ1Lフラスコに水300gを入
れた。pHコントローラーのpH設定値を4とし、水の
pHを設定値に調節した。このフラスコ内に、400r
pmで攪拌しながら、実施例1と同様に調製したオキシ
硫酸チタン水溶液を5ml/minで添加し、pHコン
トローラによりフラスコ内に供給されたアンモニア水と
反応させて、スラリーを得た。オキシ硫酸チタン水溶液
の添加が終了するまでにフラスコ内に供給された25重
量%アンモニア水の量は58gであった。フラスコ内の
液のpHは、オキシ硫酸チタン水溶液の添加を開始して
から2分間はpH3.6〜4.3であり、添加開始7分
後から添加終了まではpH3.9〜4.0であった。ま
たフラスコ内の液温は、オキシ硫酸チタン水溶液の添加
開始時が24℃であり、添加終了時が42℃であった。
【0035】オキシ硫酸チタン水溶液添加終了後、フラ
スコ内のスラリーを1時間攪拌した。ついでフラスコ内
に、攪拌しながら、25重量%アンモニア水(試薬特
級、和光純薬工業製)14gを供給し、さらに攪拌しな
がら1時間保持して、熟成を行った。熟成時のフラスコ
内の液温は27℃〜32℃であった。フラスコ内に供給
されたアンモニア水の総量は72gであり、オキシ硫酸
チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量
論量の1.3倍であった。熟成後のスラリーを濾過、洗
浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1時間焼
成した。ついで、この焼成物を温水洗浄、乾燥して、粒
子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、平均粒子径
が5.1μmであり、結晶構造がアナターゼ型であっ
た。この酸化チタンについて、実施例1の〔酸化チタン
の活性評価〕と同条件で評価した。この例における二酸
化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり16.8μm
ol/hであった。
【0036】比較例1 1Lフラスコ内で、実施例1で用いたのと同じオキシ硫
酸チタン水和物102gを水408gに溶解し、オキシ
硫酸チタン水溶液を調製した。このフラスコに、400
rpmで攪拌しながら、25重量%アンモニア水(試薬
特級、和光純薬工業製)を5ml/minで供給してオ
キシ硫酸チタン水溶液と反応させた。フラスコ内の液の
pHは、アンモニア水の添加を開始してから1分間はp
H0.7であり、添加終了後はpH4.0であった。ア
ンモニア水の添加開始時の液温は62℃であり、添加終
了時の液温は65℃であった。フラスコ内に供給したア
ンモニア水の総量は58gであり、オキシ硫酸チタンを
水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量論量の1
倍であった。
【0037】このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、得ら
れた乾燥物を400℃の空気中で1時間焼成して、粒子
状酸化チタンを得た。この酸化チタンの平均粒子径は4
1.8μmであった。
【0038】この酸化チタンについて、実施例1の〔酸
化チタンの活性評価〕と同条件で評価した。この例にお
ける二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり0μ
mol/hであった。
【0039】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、光触媒活性
を示す微粒子酸化チタンを簡易に得ることができる。さ
らに、熟成操作を組合せた本発明の製造方法によれば、
可視光線の照射に対し優れた光触媒活性を示す微粒子酸
化チタンを得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CB08 CC03 4G069 AA08 BA04A BA04B BA47C BA48A BB01C BB08C BB10C BC50C BD01C BD06C BD12C CA17 EA01Y FA01 FB08 FC02 FC07 FC09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン化合物と塩基をpH2〜7で反応
    させ、得られた生成物を焼成することを特徴とする酸化
    チタンの製造方法。
  2. 【請求項2】 チタン化合物が、三塩化チタン、四塩化
    チタン、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、オキシ塩化チ
    タンから選ばれる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 反応のときのpHが2〜5.5である請
    求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応が90℃以下で行われる請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 焼成前に、反応により得られた生成物に
    塩基を添加、混合し、熟成を施す請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 反応と熟成に用いる塩基の量が、チタン
    化合物を水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量
    論量を超える請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 反応と熟成に用いる塩基がアンモニアで
    ある請求項5または6に記載の方法。
JP2001366250A 2000-12-21 2001-11-30 酸化チタンの製造方法 Expired - Fee Related JP4078479B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001366250A JP4078479B2 (ja) 2000-12-21 2001-11-30 酸化チタンの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000388333 2000-12-21
JP2000-388333 2000-12-21
JP2001366250A JP4078479B2 (ja) 2000-12-21 2001-11-30 酸化チタンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002249319A true JP2002249319A (ja) 2002-09-06
JP4078479B2 JP4078479B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=26606243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001366250A Expired - Fee Related JP4078479B2 (ja) 2000-12-21 2001-11-30 酸化チタンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4078479B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100670340B1 (ko) * 2005-05-25 2007-01-16 삼성에스디아이 주식회사 수소 이온 전도성 티타네이트, 이를 포함한 고분자 나노복합막 및 이를 채용한 연료 전지
JP2008516880A (ja) * 2004-10-14 2008-05-22 トクセン ユー.エス.エー.、インコーポレイテッド ナノサイズの二酸化チタン粒子を合成する方法
US7521391B2 (en) 2004-03-17 2009-04-21 Sumitomo Chemical Company, Limited Coating composition of photocatalyst
EP2130587A2 (en) 2008-06-05 2009-12-09 Sumitomo Chemical Company, Limited Photocatalyst dispersion liquid and process for producing the same
JP2010120841A (ja) * 2008-10-20 2010-06-03 Toho Titanium Co Ltd 酸化チタン粉末の製造方法、酸化チタン粉末および酸化チタン粉末分散液
EP2281628A2 (en) 2009-08-07 2011-02-09 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing noble metal-supported photocatalyst particles
DE102010045549A1 (de) 2009-09-16 2011-08-25 Sumitomo Chemical Company, Limited Photokatalysatorverbund und diesen verwendendes photokatalytisch wirksames Erzeugnis
WO2019088017A1 (ja) * 2017-11-02 2019-05-09 堺化学工業株式会社 水酸化チタンの製造方法
WO2020217830A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 堺化学工業株式会社 希土類元素を含む水酸化チタン及び二酸化チタンの製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7521391B2 (en) 2004-03-17 2009-04-21 Sumitomo Chemical Company, Limited Coating composition of photocatalyst
JP2008516880A (ja) * 2004-10-14 2008-05-22 トクセン ユー.エス.エー.、インコーポレイテッド ナノサイズの二酸化チタン粒子を合成する方法
KR100670340B1 (ko) * 2005-05-25 2007-01-16 삼성에스디아이 주식회사 수소 이온 전도성 티타네이트, 이를 포함한 고분자 나노복합막 및 이를 채용한 연료 전지
EP2130587A2 (en) 2008-06-05 2009-12-09 Sumitomo Chemical Company, Limited Photocatalyst dispersion liquid and process for producing the same
JP2010120841A (ja) * 2008-10-20 2010-06-03 Toho Titanium Co Ltd 酸化チタン粉末の製造方法、酸化チタン粉末および酸化チタン粉末分散液
EP2281628A2 (en) 2009-08-07 2011-02-09 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing noble metal-supported photocatalyst particles
DE102010045549A1 (de) 2009-09-16 2011-08-25 Sumitomo Chemical Company, Limited Photokatalysatorverbund und diesen verwendendes photokatalytisch wirksames Erzeugnis
WO2019088017A1 (ja) * 2017-11-02 2019-05-09 堺化学工業株式会社 水酸化チタンの製造方法
JP2019085282A (ja) * 2017-11-02 2019-06-06 堺化学工業株式会社 水酸化チタンの製造方法
WO2020217830A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 堺化学工業株式会社 希土類元素を含む水酸化チタン及び二酸化チタンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4078479B2 (ja) 2008-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100705990B1 (ko) 산화티탄의 제조방법
US6827922B2 (en) Process for producing titanium oxide
JP4374869B2 (ja) セラミックス分散液の製造方法
EP1713726B1 (en) Titanium oxide product method for making the same and its use as a photocatalyst
JPH1095617A (ja) 板状酸化チタンおよびその製造方法ならびにそれを含有してなる日焼け止め化粧料、樹脂組成物、塗料組成物、吸着剤、イオン交換剤、複合酸化物前駆体
EP1443023A1 (en) A method for producing titanium oxide
EP1492729B1 (en) Method for preparing a photocatalyst containing titanium dioxide
JP4078479B2 (ja) 酸化チタンの製造方法
JP4269621B2 (ja) 酸化チタンの製造方法
JP4408349B2 (ja) 光触媒担持多孔性ゲルの製造法
RU2317947C1 (ru) Способ получения фотокаталитического диоксида титана
KR100404449B1 (ko) 침전제 적하법을 이용한 이산화티탄 분말의 제조방법
Yamabi et al. Fabrication of rutile TiO2 foils with high specific surface area via heterogeneous nucleation in aqueous solutions
JP2004161592A (ja) アナターゼ型チタニア−シリカ複合体とその製造法
RU2435733C1 (ru) Способ получения фотокаталитического нанокомпозита, содержащего диоксид титана
JP2001302241A (ja) 酸化チタンの製造方法
JP3136339B2 (ja) 酸化チタン光触媒及びその製造方法
JP2004043282A (ja) 酸化チタンの製造方法
JP2000095521A (ja) 二酸化チタンの製造方法
JPH0881223A (ja) アナタース型酸化チタンの製造方法
JPH08333117A (ja) 多孔質球状酸化チタン粒子の製造方法
JP4296533B2 (ja) 窒素酸化物除去性能にすぐれた酸化チタン光触媒
JP2000095519A (ja) 酸化亜鉛粉末及びその合成方法
JP2004250325A (ja) 酸化チタンの製造方法
JP2006306694A (ja) 酸化チタン前駆体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080108

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140215

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees