JP4078479B2 - 酸化チタンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸化チタンの製造方法に関するものである。詳細には、光触媒用途に好適な微粒子酸化チタンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタンが示す光触媒作用によって、大気中の悪臭物質を除去したり、窓ガラス、道路壁を清浄化することが検討されている。窓ガラス、道路壁のような建築材料または自動車材料等に酸化チタンを塗布する場合、通常、酸化チタンは溶媒と混合され、塗料として用いられる。建築材料または自動車材料等に均一に塗布するため、塗料材料である酸化チタンは凝集がなく、粒子径が小さいものであることが望ましい。
【0003】
粒子径が小さい酸化チタンの製造方法として、四塩化チタンを酸素存在下で熱分解する方法が知られているが、複雑な装置が必要であり、また操作が煩雑となることがあった。また、この酸化チタンは、十分な光触媒活性を示すものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、建築材料または自動車材料等に光触媒活性を付与するときに用いる塗料の材料として好適な、粒子径が小さい酸化チタンを簡易に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は酸化チタンの製造方法について検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、チタン化合物と塩基をpH2〜7で反応させ、得られた生成物を焼成することを特徴とする酸化チタンの製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いられるチタン化合物としては、塩基との反応により水酸化チタンを生成するチタンの化合物であればよく、例えば、三塩化チタン〔TiCl3〕、四塩化チタン〔TiCl4〕、硫酸チタン〔Ti(SO42・mH2O、0≦m≦20〕、オキシ硫酸チタン〔TiOSO4・nH2O、0≦n≦20〕、オキシ塩化チタン〔TiOCl2〕が挙げられ、中でも、オキシ硫酸チタンの適用が推奨される。チタン化合物は、純度が高いものが好ましく、純度99重量%以上であることが好ましい。高い純度のチタン化合物を用いることにより、高い光触媒活性を示す微粒子酸化チタンを得ることができる。チタン化合物の純度は、例えば、三塩化チタンではJIS K8401−1992、四塩化チタンではJIS K8460−1992、の方法により求めることができ、オキシ硫酸チタンでは、例えば、主要成分であるTiO2およびSO3ならびにSiO2、P25、Nb25のようなその他の不純物を分析し、TiO2およびSO3含有量(重量%)をそれぞれA1およびA2とし、SiO2、P25、Nb25などの不純物の含有量(重量%)をそれぞれA3、A4、A5、・・・として、下式
純度(%)=〔(A1+A2)/(A1+A2+A3+A4+A5+・・・)〕×100
により算出することができる。
【0008】
本発明の方法においては、最初に、チタン化合物は塩基と反応させられる。この反応は、実質的に全てのチタン化合物を水酸化チタンに変えることができる方法で行えばよく、例えば、反応容器内に水性媒体を入れた後、この反応容器に、攪拌下、チタン化合物の水溶液と塩基とを供給する方法、または反応管に水性媒体とチタン化合物と塩基とを連続供給する方法で行うことができる。チタン化合物の水酸化チタンへの反応率は、通常90%以上、好ましくは95%以上である。反応はpH2以上、7以下で行われる。反応のときのpHが7より高いと、チタン化合物と塩基との反応生成物を焼成して得られる酸化チタンの粒子径が大きくなる。反応のときのpHは、2.5以上、さらには3以上であることが好ましく、また5.5以下、さらには5以下であることが適当である。なお、本明細書においてpHは、チタン化合物と塩基の混合液または混合スラリーのpHを表す。
【0009】
チタン化合物と反応させられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアの水溶液等の他に、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、モノエタノールアミン、非環式アミン化合物、環式脂肪族アミン化合物等のアミンの水溶液等が挙げられ、中でもアンモニア水の適用が推奨される。塩基の濃度は、通常0.05重量%以上、50重量%以下である。
【0010】
チタン化合物と塩基の反応は、90℃以下、さらには70℃以下、とりわけ55℃以下の温度で行われることが好ましい。反応温度が90℃より高いと、チタン化合物と塩基の反応が局所的に進行し、生成物が不均一に生成し、最終的に得られる酸化チタンの粒子径が大きくなることがある。反応温度はあまり低くなると冷媒が必要となるので5℃以上、さらには20℃以上が適当である。
【0011】
チタン化合物と塩基の反応により得られる生成物は、その後さらに、塩基と混合し、熟成を施すことが好ましい。熟成は、例えば、生成物を含むスラリーを塩基の存在下、一定温度範囲に保持する方法で行うことができる。熟成に際し、生成物は、反応により生じた塩(例えば、硫酸アンモニウム等)の溶液から分離された後、塩基を添加、混合してもよい。このような熟成が生成物に施されることにより、熟成後の生成物を焼成して得られる酸化チタンは、微粒子でかつ可視光線の照射に対し優れた活性を示すものとなる。熟成に用いられる塩基としては、例えば、アンモニア水等が挙げられ、その濃度は、通常0.05重量%以上、50重量%以下である。熟成温度は0℃以上、さらには10℃以上が好ましく、また110℃以下、さらには80℃以下が適当である。熟成時間は、塩基濃度、熟成温度により異なり一義的ではないが、通常0.01時間以上、好ましくは0.5時間以上であり、60時間以内、好ましくは24時間以内である。熟成のときに混合される塩基と、上述した反応に用いられる塩基とは、同種でかつ同濃度、同種で異なる濃度、または異種のいずれであってもよい。
【0012】
上で述べた反応と前述の熟成に用いられる塩基の総量は、水の存在下でチタン化合物を水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量論量を超える量であることが好ましく、例えば1.1モル倍以上であることが好ましい。用いる塩基の量が多いほど最終的に得られる微粒子酸化チタンの光触媒活性が高くなる傾向にあるので、1.5モル倍以上がさらに好ましい。一方、塩基の量があまり多くなると、もはや酸化チタンの光触媒活性を向上させることが困難となるので、20モル倍以下、さらには10モル倍以下が適当である。
【0013】
熟成された生成物を含むスラリーは、通常、固体と液体に分離され、さらに分離された固体は必要に応じて洗浄される。分離は、加圧濾過、真空濾過、遠心分離、デカンテーション等で行うことができる。また、分離は、スラリーを気流乾燥等で加熱し、液体を蒸発させる方法で行うこともできる。これらの分離操作により、熟成された生成物を固体として回収することができる。
【0014】
つぎに、熟成された生成物を含むスラリー、または任意に行われる分離操作により回収された生成物は、焼成される。焼成は300℃以上、さらには350℃以上で行うことが好ましく、600℃以下、さらには500℃以下で行うことが適当である。焼成温度が高くなり過ぎると、十分な光触媒活性を示す微粒子酸化チタンを得ることが困難になる。焼成は、例えば、気流焼成炉、トンネル炉、回転炉等で行うことができる。
【0015】
本発明の製造方法により得られる酸化チタンは、通常、平均粒子径が20μm以下であり、結晶構造がアナターゼ型である。また、この酸化チタンは紫外線および/または可視光線の照射により光触媒活性を示すものである。中でも、チタン化合物と塩基の反応により得られた生成物に塩基を添加、混合し、熟成した後、焼成する、本発明の製造方法により得られる酸化チタンは可視光線の照射により優れた光触媒活性を示すものである。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、酸化チタンの平均粒子径、結晶構造は以下の方法で測定した。
【0017】
平均粒子径(μm):
試料をヘキサメタリン酸ナトリウム(和光純薬工業製)の0.2重量%水溶液中に分散させた後、粒度分布測定装置(商品名“MICROTRAC HRA model 9320-X100”、日機装製)を用いて50体積%径を測定し、これを平均粒子径とした。
【0018】
結晶構造:
X線回折装置(商品名“RAD−IIA”、理学電機製)を用いて測定した。
【0019】
実施例1
〔酸化チタンの製造〕
SiO2含有量0.011重量%、P25含有量0.034重量%、Nb25含有量0.03重量%、純度99.93%のオキシ硫酸チタン水和物(添川理化学製)102gを水68gに溶解し、pH約1のオキシ硫酸チタン水溶液を調製した。
【0020】
pH電極と、このpH電極に接続され、25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を供給してpHを一定に調節する機構を有するpHコントローラとを備えた1Lフラスコに水300gを入れた。pHコントローラーのpH設定値を4とし、水のpHを設定値に調節した。このフラスコ内に、400rpmで攪拌しながら、上で得られたオキシ硫酸チタン水溶液170gを5ml/minで添加し、pHコントローラによりフラスコ内に供給されるアンモニア水と反応させた。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が終了するまでにフラスコ内に供給された25重量%アンモニア水の量は58gであった。
【0021】
フラスコ内の液のpHは、オキシ硫酸チタン水溶液の添加を開始してから1分間はpH3.6〜4.6であり、添加開始5分後から添加終了まではpH3.9〜4.0であった。オキシ硫酸チタン水溶液の添加開始時の液温は24℃であり、添加終了時の液温は40℃であった。
【0022】
上で得られた生成物を攪拌しながら1時間保持し、ついで25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)56gを供給した後、攪拌下で1時間保持して生成物を熟成した。このとき、生成物を含むスラリーの温度は30℃で一定であった。フラスコ内に供給されたアンモニア水の総量は114gであり、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量論量の2倍であった。
【0023】
熟成後の生成物を含むスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1時間焼成して、粒子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、平均粒子径が3.5μmであり、結晶構造がアナターゼ型であった。
【0024】
〔酸化チタンの活性評価〕
直径8cm、高さ10cm、容量約0.5Lの密閉式ガラス製反応容器内に、直径5cmのガラス製シャーレを設置し、そのシャーレ上に、上で得られた粒子状酸化チタン0.3gを置いた。反応容器内を酸素と窒素との体積比が1:4である混合ガスで満たし、アセトアルデヒドを13.4μmol封入し、反応容器の外から可視光線を照射した。可視光線の照射には、500Wキセノンランプ(商品名“ランプUXL−500SX”、ウシオ電機製)を取り付けた光源装置(商品名“オプティカルモジュレックスSX−UI500XQ”、ウシオ電機製)に、波長約430nm以下の紫外線をカットするフィルター(商品名“Y−45”、旭テクノガラス製)と波長約830nm以上の赤外線をカットするフィルター(商品名“スーパーコールドフィルター”、ウシオ電機製)とを装着したものを光源として用いた。可視光線の照射によりアセトアルデヒドが分解すると、二酸化炭素が発生するので、二酸化炭素の濃度を光音響マルチガスモニタ(1312型、INNOVA製)で経時的に測定し、濃度変化より算出した二酸化炭素の生成速度により、酸化チタンのアセトアルデヒドに対する光触媒作用を評価した。この例における二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり20.93μmol/hであった。
【0025】
実施例2
実施例1で用いたのと同じオキシ硫酸チタン水和物102gを水408gに溶解し、pH約1のオキシ硫酸チタン水溶液を調製した。
【0026】
pH電極と、このpH電極に接続され、25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を供給してpHを一定に調節する機構を有するpHコントローラとを備えた1Lフラスコに水300gを入れた。pHコントローラーのpH設定値を4とし、水のpHを設定値に調節した。このフラスコ内に、400rpmで攪拌しながら、上で得られたオキシ硫酸チタン水溶液510gを5ml/minで添加し、pHコントローラによりフラスコ内に供給されたアンモニア水と反応させた。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が終了するまでにフラスコ内に供給された25重量%アンモニア水の量は58gであった。
【0027】
フラスコ内の液のpHは、オキシ硫酸チタン水溶液の添加を開始してから1分間はpH2.7〜6.4であり、添加開始20分後から添加終了まではpH3.9〜4.1であった。オキシ硫酸チタン水溶液の添加開始時の液温は24℃であり、添加終了時の液温は33℃であった。
【0028】
上で得られた生成物を含むスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1時間焼成後、さらに洗浄、乾燥して、粒子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、平均粒子径が3.1μmであり、結晶構造がアナターゼ型であった。
【0029】
この酸化チタンについて、実施例1の〔酸化チタンの活性評価〕と同条件で評価した。この例における二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり2.76μmol/hであった。
【0030】
実施例3
実施例1で用いたと同じ1Lフラスコに水300gを入れ、これを恒温槽内に設置した。恒温槽内の温度を調節して、フラスコ内の水の温度を60℃にした。ついでpHコントローラーのpH設定値を4とし、水のpHを設定値に調節した。このフラスコ内に、400rpmで攪拌しながら、実施例1と同様に調製したオキシ硫酸チタン水溶液を5ml/minで添加し、pHコントローラによりフラスコ内に供給されたアンモニア水と反応させて、スラリーを得た。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が終了するまでにフラスコ内に供給された25重量%アンモニア水の量は58gであった。フラスコ内の液のpHは、添加開始4分後から添加終了まではpH3.9〜4.0であった。またフラスコ内の液温は、オキシ硫酸チタン水溶液の添加開始時が62℃であり、添加終了時が61℃であった。
【0031】
オキシ硫酸チタン水溶液添加終了後、フラスコ内の液を60℃に保持しながら1時間攪拌した。ついでフラスコ内に、攪拌しながら、25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)56gを供給し、さらに攪拌しながら1時間保持して、熟成を行った。熟成時のフラスコ内の液温は61℃〜62℃であった。フラスコ内に供給されたアンモニア水の総量は114gであり、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量論量の2倍であった。熟成後のスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1時間焼成した。ついで、この焼成物を温水洗浄、乾燥して、粒子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、平均粒子径が4.4μmであり、結晶構造がアナターゼ型であった。この酸化チタンについて、実施例1の〔酸化チタンの活性評価〕と同条件で評価した。この例における二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり17.32μmol/hであった。
【0032】
実施例4
実施例1で用いたと同じ1Lフラスコに水300gを入れ、これを氷水浴内に設置した。pHコントローラーのpH設定値を4とし、水のpHを設定値に調節した。このフラスコ内に、400rpmで攪拌しながら、実施例1と同様に調製したオキシ硫酸チタン水溶液を5ml/minで添加し、pHコントローラによりフラスコ内に供給されたアンモニア水と反応させて、スラリーを得た。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が終了するまでにフラスコ内に供給された25重量%アンモニア水の量は58gであった。フラスコ内の液のpHは、オキシ硫酸チタン水溶液の添加を開始してから2分間はpH3.7〜4.1であり、添加開始8分後から添加終了まではpH3.9〜4.0であった。またフラスコ内の液温は、オキシ硫酸チタン水溶液の添加開始時が1.5℃であり、添加終了時が14℃であった。
【0033】
オキシ硫酸チタン水溶液添加終了後、フラスコ内の液を4℃に保持しながら1時間攪拌した。ついでフラスコ内に、攪拌しながら、25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)56gを供給し、さらに攪拌しながら1時間保持して、熟成を行った。熟成時のフラスコ内の液温は10℃であった。フラスコ内に供給されたアンモニア水の総量は114gであり、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量論量の2倍であった。熟成後のスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1時間焼成した。ついで、この焼成物を温水洗浄、乾燥して、粒子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、平均粒子径が3.8μmであり、結晶構造がアナターゼ型であった。この酸化チタンについて、実施例1の〔酸化チタンの活性評価〕と同条件で評価した。この例における二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり11.87μmol/hであった。
【0034】
実施例5
実施例1で用いたと同じ1Lフラスコに水300gを入れた。pHコントローラーのpH設定値を4とし、水のpHを設定値に調節した。このフラスコ内に、400rpmで攪拌しながら、実施例1と同様に調製したオキシ硫酸チタン水溶液を5ml/minで添加し、pHコントローラによりフラスコ内に供給されたアンモニア水と反応させて、スラリーを得た。オキシ硫酸チタン水溶液の添加が終了するまでにフラスコ内に供給された25重量%アンモニア水の量は58gであった。フラスコ内の液のpHは、オキシ硫酸チタン水溶液の添加を開始してから2分間はpH3.6〜4.3であり、添加開始7分後から添加終了まではpH3.9〜4.0であった。またフラスコ内の液温は、オキシ硫酸チタン水溶液の添加開始時が24℃であり、添加終了時が42℃であった。
【0035】
オキシ硫酸チタン水溶液添加終了後、フラスコ内のスラリーを1時間攪拌した。ついでフラスコ内に、攪拌しながら、25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)14gを供給し、さらに攪拌しながら1時間保持して、熟成を行った。熟成時のフラスコ内の液温は27℃〜32℃であった。フラスコ内に供給されたアンモニア水の総量は72gであり、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量論量の1.3倍であった。熟成後のスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、この乾燥物を400℃の空気中で1時間焼成した。ついで、この焼成物を温水洗浄、乾燥して、粒子状酸化チタンを得た。この酸化チタンは、平均粒子径が5.1μmであり、結晶構造がアナターゼ型であった。この酸化チタンについて、実施例1の〔酸化チタンの活性評価〕と同条件で評価した。この例における二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり16.8μmol/hであった。
【0036】
比較例1
1Lフラスコ内で、実施例1で用いたのと同じオキシ硫酸チタン水和物102gを水408gに溶解し、オキシ硫酸チタン水溶液を調製した。このフラスコに、400rpmで攪拌しながら、25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を5ml/minで供給してオキシ硫酸チタン水溶液と反応させた。フラスコ内の液のpHは、アンモニア水の添加を開始してから1分間はpH0.7であり、添加終了後はpH4.0であった。アンモニア水の添加開始時の液温は62℃であり、添加終了時の液温は65℃であった。フラスコ内に供給したアンモニア水の総量は58gであり、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量論量の1倍であった。
【0037】
このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、得られた乾燥物を400℃の空気中で1時間焼成して、粒子状酸化チタンを得た。この酸化チタンの平均粒子径は41.8μmであった。
【0038】
この酸化チタンについて、実施例1の〔酸化チタンの活性評価〕と同条件で評価した。この例における二酸化炭素の生成速度は酸化チタン1gあたり0μmol/hであった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、光触媒活性を示す微粒子酸化チタンを簡易に得ることができる。さらに、熟成操作を組合せた本発明の製造方法によれば、可視光線の照射に対し優れた光触媒活性を示す微粒子酸化チタンを得ることができる。

Claims (5)

  1. オキシ硫酸チタンと塩基をpH2〜7で反応させ、得られた生成物に塩基を添加、混合し、熟成を施した後、空気中300℃〜500℃で焼成することを特徴とする光触媒活性を示す酸化チタンの製造方法。
  2. 反応のときのpHが2〜5.5である請求項1に記載の方法。
  3. 反応が90℃以下で行われる請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 反応と熟成に用いる塩基の総量が、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量論量を超える請求項1〜請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 反応と熟成に用いる塩基がアンモニアである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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