JP2002248555A - 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置 - Google Patents

連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置

Info

Publication number
JP2002248555A
JP2002248555A JP2001045554A JP2001045554A JP2002248555A JP 2002248555 A JP2002248555 A JP 2002248555A JP 2001045554 A JP2001045554 A JP 2001045554A JP 2001045554 A JP2001045554 A JP 2001045554A JP 2002248555 A JP2002248555 A JP 2002248555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
level
opening
correction amount
molten metal
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001045554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4517518B2 (ja
Inventor
Hiroshi Kitada
宏 北田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2001045554A priority Critical patent/JP4517518B2/ja
Publication of JP2002248555A publication Critical patent/JP2002248555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4517518B2 publication Critical patent/JP4517518B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造機の鋳型内部における湯面レベルの
周期的な変動を、その周波数の如何に拘わらず、また制
御系全体の安定性を損なわずに抑制する。 【解決手段】 レベル制御装置7は、目標レベルrと測
定レベルyとの偏差eを入力とし、開度変更量u0 を演
算する開度演算部71と、偏差eのフィードフォワード値
を入力として偏差補正量Eを演算する偏差補正量演算部
72と、開度指令uのフィードバック値を入力として開度
指令補正量vを演算する開度指令補正量演算部73と、こ
れらの補正量E及びvの加算値を入力として開度変更補
正量qを演算する開度変更補正量演算部75とを備え、開
度変更量u0 に開度変更補正量qを加算した結果を開度
指令uとして出力する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造機の鋳込
み操業中に、鋳型内部の湯面レベルを予め定めた目標レ
ベルに保つべく行われる湯面レベル制御方法及びその装
置に関し、特に、周期性を有する湯面レベルの変動を抑
制し、湯面の共振現象を効果的に防止し得る湯面レベル
制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造機の操業は、上下に開口を有す
る筒形の鋳型に溶融金属(溶湯)を注入(注湯)し、該
鋳型の水冷された内壁に接触せしめて冷却し、その外側
が凝固シェルにより被覆された鋳片となし、該鋳片を、
前記鋳型の下側開口部から連続的に引き抜きつつ更に冷
却して、内側にまで凝固が進行した製品鋳片を得る手順
にて行われる。
【0003】このような連続鋳造機の操業においては、
鋳型の内部に滞留する溶湯の表面レベル(湯面レベル)
が変動した場合、鋳型と凝固シェルとの間の潤滑性を高
めるべく溶湯の表面に供給されるパウダが鋳片内部に巻
き込まれ、製品鋳片に表皮下欠陥が発生するという問題
があり、更に、湯面レベルの変動が大きい場合、鋳型上
部からの溶湯の溢出、ブレークアウトの発生等、安定操
業を阻害する種々の問題を引き起こすことから、前記湯
面レベルの変動を抑えて適正なレベルに維持するための
湯面レベル制御が行われている。
【0004】この湯面レベル制御は、渦流レベル計等の
適宜のレベル計により、操業中の鋳型内部の湯面レベル
を測定し、この測定レベルと予め定めた目標レベルとを
比較して、両者の偏差に基づく演算により鋳型への注湯
のための注湯手段(スライディングゲート、ストッパ装
置等)の開度変更量を算出し、算出された開度変更量に
対応する開度指令を前記注湯手段に与え、該注湯手段の
動作により、鋳型への注湯量を増減することにより行わ
れている。前記開度変更量は、一般的に、前記偏差を入
力とするPI演算又はPID演算により算出されてお
り、制御対象を含めた制御系の安定化を図るようにして
いる。
【0005】ところが、連続鋳造機の操業においては、
バルジング等、湯面レベルの変動を引き起こす周期的な
外乱が存在しており、これらの外乱に起因して鋳型内部
に周期性を有するレベル変動が発生することがある。
【0006】前記バルジングは、鋳型の下方に引き抜か
れる鋳片外側の凝固シェルが、引き抜き経路に沿って並
設された多数のガイドロールによる挾持部間において外
側に膨らむように変形する現象である。このとき鋳型内
部の湯面レベルの変動は、凝固シェルの内側の溶湯が、
バルジングに伴う変形により鋳型に対して出入りするこ
とにより発生し、バルジング量の時間的な変化が周期性
レベル変動を引き起こすとされている。特に、ガイドロ
ールが同一ピッチにて並設されている場合、各ガイドロ
ールでのバルジング量が同一位相にて変化するため、大
なる変動幅を有して周期性レベル変動が発生する。
【0007】この種の周期性レベル変動は、前述の如く
行われる一般的な湯面レベル制御により抑制することは
難しく、この抑制を図るべく、従来から以下に示す湯面
レベル制御方法が提案されている。
【0008】特開平5-23811号公報に開示された第1の
方法は、鋳型内部の湯面の測定レベルと目標レベルの偏
差を入力とするPI演算により注湯手段の開度変更量を
求める一方、注湯手段の開度及び鋳型内部の湯面レベル
の測定値を入力とするオブザーバにより、周期性レベル
変動を引き起こす外乱を、正弦波状又はランプ状に変化
する溶融金属の流量外乱として推定し、この推定値を用
いて外乱を打ち消し得る補正信号を求め、前記開度変更
量に加算することにより周期性レベル変動の抑制を図る
方法である。
【0009】また特開平10−314911号公報に開示された
第2の方法は、鋳型内部の湯面の測定レベルと目標レベ
ルとの偏差を入力とするPI演算により注湯手段の開度
変更量を求める一方、前記偏差を、特定の周波数に対応
する位相進み補償器に与え、該位相進み補償器の出力を
前記開度変更量に加算することにより周期性レベル変動
の抑制を図る方法である。
【0010】また特開平11-77268号公報、及び1998年12
月発行のNKK技報 No.164 に掲載された「連続鋳造モ
ールド湯面レベル制御の高精度化」には、鋳型内部の湯
面の測定レベルと目標レベルとの偏差を入力とするPI
演算により、注湯手段の開度変更量を求める一方、バル
ジングに起因する周期性レベル変動を鋳込み速度に関連
づけ、該鋳込み速度をスケジューリングパラメータとす
るゲインスケジューリングH∞制御理論により設計した
補償器を備え、前記偏差を入力とする該補償器の出力を
前記開度変更量に加算することにより周期性レベル変動
の抑制を図った第3の方法が開示されている。
【0011】更に特開平7-40022号公報には、バルジン
グに起因する周期性レベル変動の周波数帯域を通過帯域
とするバンドパスフィルタを重み関数として、H∞制御
理論により設計された制御装置により湯面レベル制御を
実行することにより、対象となる周期性レベル変動の抑
制を図った第4の方法が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記第1,第2の方法
は、対象とする周波数の周期性レベル変動に対して抑制
効果が得られるが、第1の方法においては、外乱推定精
度を向上させるために前記オブザーバのゲインを大きく
したとき、また第2の方法においては、前記位相進み補
償器の出力に乗じる可調整ゲインを大きくしたとき、夫
々の制御系の安定性が損なわれるという問題がある。即
ち、これらの方法においては、周期性レベル変動の抑制
効果と制御系の安定性とがトレードオフの関係となり、
周期性レベル変動に対する十分な抑制効果を得ようとし
た場合、湯面レベル制御において優先すべき課題である
制御系の安定性が保てなくなる。
【0013】また前記第3,第4の方法は、目標値(目
標レベル)を入力とし、制御量(湯面レベル)を出力と
する本来の制御系の伝達関数を1に近付けて、制御系の
安定性を確保することと、レベル変動の原因となる外乱
を入力とし、制御量(湯面レベル)を出力とする仮の制
御系の伝達関数を零に近付けて、前記外乱に起因する湯
面レベルの変動を抑制することとを両立させようとする
線形ロバスト制御の考えに基づくものである。
【0014】しかしながら第3の方法においては、ゲイ
ンスケジューリングH∞制御理論の前提となるアファイ
ン性の近似が、前記補償器の設計に用いた所定周波数ω
0 を中心として、下式の関係を満たす角周波数ωb の範
囲でしか有効でなく、この角周波数ωb から外れた周波
数を有する周期性レベル変動に対する抑制効果を期待し
得ないという難点がある。
【0015】ωb 2 ≒ω0 2 +2ωb ω 但し、ωb =ω0 +ω
【0016】また、H∞制御理論により設計された制御
装置を備える第4の方法においても同様に、重み関数と
して用いたバンドパスフィルタの通過帯域を外れた周波
数を有する周期性レベル変動に対する抑制効果が得られ
ないという難点がある。
【0017】前記バルジングに起因する周期性レベル変
動は、鋳込み速度に関連する周波数を有しており、鋳込
み速度が変更される連続鋳造機においては、バルジング
に起因する周期性レベル変動の周波数は、鋳込み速度の
変更に応じて変化する。
【0018】また鋳型の内部における周期性レベル変動
は、例えば、溶湯表面の波立ちが鋳型の幅に対応する特
定の周波数にて発生したとき、鋳型幅を半波長の整数倍
とする定在波となり、レベル変動によるエネルギ供給を
受けて振幅を増しつつ継続する等、前記バルジング以外
の種々の原因によっても発生することがある。なお、幅
がW(m)である鋳型内に発生するn次の定在波の周波
数f(Hz)は、この波が深水波であるという仮定下に
おいて下式により与えられる。
【0019】f=0.5√(ng/πW) 但し、gは重力の加速度
【0020】このように種々に異なる周波数を有する周
期性レベル変動を前記第3,第4の方法により抑制しよ
うとする場合、各別の周波数に対して設計された補償器
又は制御装置を複数用意し、これらを切換えつつ用いる
必要があり、制御系の構成が複雑となる問題がある。
【0021】なお、溶湯表面の波立ちの抑制について
は、測定レベルと目標レベルとの偏差を用いて注湯手段
の開度変更量を算出すべく、前述の如く行われるPI演
算、又はPID演算のゲインを、所定の周波数以上にお
いて小さくすることが有効であるが、このようにした場
合、外乱に起因するレベル変動に対する抑制周波数帯域
が狭くなり、応答性の低下を招来し、目標レベルから一
旦外れた湯面レベルの復帰が遅れて湯面レベル制御の本
来の目的が果たせなくなる。
【0022】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、連続鋳造機の鋳型内部における湯面レベルの周
期的な変動を、その周波数の如何に拘わらず効果的に抑
制することができ、またこのために制御系全体の安定性
を損なうことのない湯面レベル制御方法及び湯面レベル
制御装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
連続鋳造機の湯面レベル制御方法は、連続鋳造機の操業
中に鋳型の内部の湯面レベルを測定し、この測定レベル
と予め定めた目標レベルとの偏差に基づいて求めた開度
指令に従って前記鋳型への注湯手段の開度を増減して、
前記湯面レベルを前記目標レベルに保つべく制御する連
続鋳造機の湯面レベル制御方法において、前記偏差を用
いて前記注湯手段に必要とされる開度変更量を求め、前
記偏差のフィードフォワード値を用いて偏差補正量を、
また前記開度指令のフィードバック値を用いて開度指令
補正量を夫々算出し、算出された偏差補正量と開度指令
補正量との加算値を用い、制御系の感度関数又は相補感
度関数のゲインを所定の周波数に対して低減すべく前記
開度変更量の補正のための開度変更補正量を求め、求め
られた開度変更補正量により前記開度変更量を補正して
前記注湯手段への開度指令とすることを特徴とする。
【0024】また第2発明に係る連続鋳造機の湯面レベ
ル制御方法は、第1発明の方法における偏差補正量及び
開度指令補正量の算出にノッチフィルタ方式を採用し、
前記鋳型内部の湯面の変動モデルに前記測定レベル及び
開度指令を適用して湯面変動の原因となる外乱を推定
し、推定された外乱の周波数分布を求め、求められた周
波数分布に基づいてノッチフィルタの遮断周波数及び/
又はゲインを変更することを特徴とする。
【0025】また本発明の第3発明に係る連続鋳造機の
湯面レベル制御装置は、連続鋳造機の操業中に鋳型の内
部の湯面レベルを測定し、この測定レベルと予め定めた
目標レベルとの偏差に基づいて求めた開度指令に従って
前記鋳型への注湯手段の開度を増減して、前記湯面レベ
ルを前記目標レベルに保つべく制御する連続鋳造機の湯
面レベル制御装置において、前記偏差を入力とし、前記
注湯手段の開度変更量を算出する開度演算部と、前記偏
差のフィードフォワード値を入力とし、偏差補正量を算
出する偏差補正量演算部と、前記開度指令のフィードバ
ック値を入力とし、開度指令補正量を算出する開度指令
補正量演算部と、前記偏差補正量と前記開度指令補正量
とを入力とし、これらを加算して出力する第1の加算器
と、該第1の加算器の出力を用い、制御系の感度関数又
は相補感度関数のゲインを所定の周波数に対して低減す
べく前記開度変更量の補正のための開度変更補正量を算
出する開度変更補正量演算部と、該開度変更補正量演算
部により算出された開度変更補正量と前記開度演算部に
より算出された開度変更量とを入力とし、これらの加算
値を前記注湯手段への開度指令として出力する第2の加
算器とを備えることを特徴とする。
【0026】また第4発明に係る連続鋳造機の湯面レベ
ル制御装置は、第3発明における偏差補正量演算部及び
開度指令補正量演算部が、前記開度演算部のみを備える
制御系の感度関数と、前記開度演算部と前記偏差補正量
演算部及び開度指令補正量演算部とを備える制御系の感
度関数と、前記所定の周波数の信号を遮断するノッチフ
ィルタの伝達関数とを用いた評価関数を最小とすべく決
定された伝達関数を有するフィルタ要素として構成して
あることを特徴とする。
【0027】また第5発明に係る連続鋳造機の湯面レベ
ル制御装置は、第3発明における偏差補正量演算部及び
開度指令補正量演算部が、前記開度演算部のみを備える
制御系の相補感度関数と、前記開度演算部と前記偏差補
正量演算部及び開度指令補正量演算部とを備える制御系
の相補感度関数と、前記所定の周波数の信号を遮断する
ノッチフィルタの伝達関数とを用いた評価関数を最小と
すべく決定された伝達関数を有するフィルタ要素として
構成してあることを特徴とする。
【0028】また第6発明に係る連続鋳造機の湯面レベ
ル制御装置は、第4又は第5発明におけるノッチフィル
タが、その遮断周波数、遮断周波数におけるゲイン及び
遮断周波数を中心とする減衰帯域幅を変更可能に構成し
てあることを特徴とする。
【0029】また第7発明に係る連続鋳造機の湯面レベ
ル制御装置は、前記測定レベル及び開度指令を入力と
し、これらを前記鋳型内部の湯面の変動モデルに適用し
て湯面変動の原因となる外乱を推定する外乱推定手段と
推定された外乱の周波数分布を求める周波数解析手段
と、求められた周波数分布に基づいて第6発明における
ノッチフィルタの遮断周波数及び/又はゲインを変更す
る手段とを備えることを特徴とする。
【0030】更に第8発明に係る連続鋳造機の湯面レベ
ル制御装置は、前記測定レベルの周波数分布を求める手
段と、該手段により求められた周波数分布に基づいて第
6発明におけるノッチフィルタの遮断周波数及び/又は
ゲインを変更する手段とを備えることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る湯面
レベル制御装置を備える連続鋳造機の全体構成を示す模
式図である。
【0032】図中1は、上下に開口を有する筒形の鋳型
であり、該鋳型1の上方には、溶湯2を貯留するタンデ
ィッシュ20が配してある。該タンディッシュ20の底面に
は、注湯ノズル3が連設され、前記鋳型1の内部にまで
延長されており、タンディッシュ20内の溶湯2は、前記
注湯ノズル3の基部に注湯手段として構成されたスライ
ディングゲート30を経て鋳型1内に注湯され、該鋳型1
の水冷された内壁との接触により冷却されて外側から凝
固し、凝固シェルにより外側を被覆された鋳片4となっ
て鋳型1の下方に連続的に引き抜かれる。
【0033】この引き抜きは、鋳型1の下方に所定の間
隔毎に並設された複数対のガイドロール5,5…により
前記鋳片4を案内し、該鋳片4に、前記ガイドロール
5,5…の並設域の末端に配された引き抜きロール(図
示せず)の回転により、所定の引き抜き速度を保って行
われている。この引き抜きの間に前記鋳片4は、図示し
ないスプレ帯から噴射される冷却水により冷却され、最
内部にまで凝固が進行した段階にて所定の寸法に切断さ
れ、圧延等の後工程において用いられる製品鋳片とな
る。
【0034】以上の如き連続鋳造機の操業中、鋳型1内
部の溶湯2の表面レベル(湯面レベル)は、該溶湯2の
表面に臨ませたレベル計6により測定されており、この
測定レベルyは、レベル制御装置7に与えられている。
またレベル制御装置7には、目標レベル設定器7aに設定
された鋳型1内にて維持すべき溶湯2の表面レベルの目
標値(目標レベルr)が与えられており、該レベル制御
装置7は、前記レベル計6による測定レベルyと目標レ
ベル設定器7aに設定された目標レベルrとの偏差を求
め、この偏差を解消すべく前記スライディングゲート30
の開度変更量を求め、求められた開度変更量を得るべ
く、前記スライディングゲート30開閉用のアクチュエー
タ(油圧シリンダ)31に開度指令uを発し、この開度指
令uに応じたアクチュエータ31の動作によりスライディ
ングゲート30の開度を増減せしめ、鋳型1への注湯量を
調節する湯面レベル制御動作を行うように構成されてい
る。
【0035】図2は、レベル制御装置7の第1の実施の
形態を示すブロック線図である。図示の如くレベル制御
装置7は、入力として与えられる目標レベルrと測定レ
ベルyとの偏差eを求め、この偏差eに対応する偏差信
号を出力する加算器70と、この偏差eを入力とし、開度
変更量u0 を演算する開度演算部71と、前記偏差eのフ
ィードフォワード値を入力とし、該偏差eに対する補正
量(偏差補正量E)を演算する偏差補正量演算部72と、
レベル制御装置7の出力である前記開度指令uのフィー
ドバック値を入力とし、該開度指令uに対する補正量
(開度指令補正量v)を演算する開度指令補正量演算部
73と、両補正量E及びvを加算し、加算信号を出力する
加算器74と、該加算器74の出力を用い、前記開度演算部
71により算出された開度変更量u0 に加える補正量(開
度変更補正量q)を演算する開度変更補正量演算部75
と、該開度変更補正量演算部75の出力(開度変更補正量
q)を前記開度演算部71の出力(開度変更量u0 )に加
算し、前記開度指令uとして出力する加算器76とを備え
て構成されている。
【0036】ここで図中の各ブロックに示すように、開
度演算部71の伝達関数をC0 (s)とし、偏差補正量演
算部72、開度指令補正量演算部73及び開度変更補正量演
算部75の伝達関数を、夫々Ma (s),Na (s)及び
Q(s)とした場合、偏差補正量演算部72及び開度変更
補正量演算部75は、開度演算部71と並列されたフィード
フォワードループを形成し、また開度指令補正量演算部
73及び開度変更補正量演算部75は、開度演算部71の出力
側のフィードバックループを形成していることから、前
記偏差eを入力とし前記開度指令uを出力とする伝達関
数C(s)は、下式により表される。
【0037】 C(s)=(C0 (s)+Ma (s)Q(s)) /(1−Na (s)Q(s)) …(1)
【0038】図3は、以上の如きレベル制御装置7を備
える図1に示す連続鋳造機の湯面レベル制御系を、制御
対象となる連続鋳造機の湯面レベル変動プロセスモデル
の伝達関数をP(s)とし、また、湯面レベルの変動を
引き起こす外乱をd(ノズル開度に換算したもの)とし
て表したブロック線図である。なお、湯面レベル変動プ
ロセスモデルの伝達関数P(s)は、次式により表され
る。
【0039】 P(s)=Kf ・Vf ・Ks ・exp(−Td s)/(Am s) …(2)
【0040】この式中、Vf はタンディッシュ20の底部
での溶湯の流出速度、Kf はスライディングゲート30を
含む注湯ノズル3の流量係数、Ks はスライディングゲ
ート30の動作量に対する開口面積の変化率であり、ま
た、Am は鋳型1の水平方向断面積、Td は注湯ノズル
3の内部での湯落ちによる無駄時間である。なお以下の
説明においては、(2)式における定数項をまとめたパ
ラメータKp を用いる。
【0041】 Kp =Kf ・Vf ・Ks /Am …(3)
【0042】ここで、レベル制御装置7の開度演算部71
の基本特性は、前記偏差補正量演算部72、開度指令補正
量演算部73及び開度変更補正量演算部75が働かない場合
であっても、湯面レベルを安定に保つことができ、また
目標レベルへの一致がなされるように定められる。
【0043】ここで、前記各補正量演算部72,73,75が
働かないと仮定した場合、図3に示すブロック線図は、
図4に示すブロック線図に簡略化される。この場合、前
記偏差eを入力として開度演算部71において求められた
開度変更量u0 が、開度指令としてそのまま出力され、
外乱dを加算されて湯面レベル変動プロセスモデルに与
えられ、湯面レベルが変化する。このように変化する湯
面レベルは、前記レベル計6による測定レベルyとして
フィードバックされ、この測定レベルyと目標レベルr
との偏差eが開度演算部71に与えられて開度変更量u0
が求められることとなる。
【0044】従って、開度演算部71を、PI演算器、P
ID演算器等、それ自体安定な演算器により構成すれ
ば、各補正量演算部72,73,75が働かない状態での制御
系の基本特性を安定に定めることができる。
【0045】偏差補正量演算部72の伝達関数Ma (s)
と開度指令補正量演算部73の伝達関数Na (s)とは、
これらのいずれもが、前記(2)式により表される湯面
レベル変動プロセスモデルの伝達関数をP(s)に対し
て安定であるように、下式の関係を満足するように決定
する。
【0046】 P(s)=Na (s)/Ma (s) …(4)
【0047】開度変更補正量演算部75の伝達関数Q
(s)は、これを備える制御系の感度関数のゲイン及び
相補感度関数ゲインの少なくとも一方が、開度演算部71
のみを備える制御系のそれらと比較して、予め定めた目
標周波数領域において小さくなるように以下の如くに定
める。
【0048】図2に示す如く構成されたレベル制御装置
7は、前述の如く、偏差補正量演算部72及び開度変更補
正量演算部75を備えるフィードフォワード構造と、開度
指令補正量演算部73及び開度変更補正量演算部75を備え
るフィードバック構造とを有しており、この構造は、開
度変更補正量演算部75が安定であれば常に安定である特
性を有する。
【0049】偏差補正量演算部72、開度指令補正量演算
部73及び開度変更補正量演算部75を備える図3に示す制
御系のブロック線図において、測定レベルyと目標レベ
ルrとの偏差eを入力とし、開度指令uに従う制御動作
により、外乱dの作用下にて鋳型1の内部にて変化する
湯面レベルyを出力とする一巡ループの伝達関数は、下
記(5)式により表される。
【0050】
【数1】
【0051】この一巡ループを安定とするには、(5)
式により表される伝達関数の全ての零点の実部が負であ
ることが必要である。ここで、各補正量演算部72,73,
75が働かないとして得られた図4に示す安定した制御系
のブロック線図において、同様の一巡ループの伝達関数
は、1+P(s)C0 (s)であり、この伝達関数の全
ての零点の実部は負である。従って、前記(5)式の一
巡伝達関数を有する制御系、即ち、図3に示す制御系が
安定であるためには、1−Na (s)Q(s)の全ての
極の実部が負であればよい。
【0052】制御系の感度関数S(s)は、前述の如
く、湯面レベル制御の目標値となる目標レベルrを入力
とし、前記偏差eを出力とする伝達関数として定義され
るものであり、図3に示す制御系においては、下式によ
り表される。
【0053】 S(s)=e/r=1/(1+P(s)C(s)) …(6)
【0054】また、夫々の補正量演算部72,73,75が働
かないと仮定して得られた図4に示す制御系の感度関数
0 (s)は、下式により表される。
【0055】 S0 (s)=e/r=1/(1+P(s)C0 (s)) …(7)
【0056】従って、(6)式により表される感度関数
S(s)は、(5)式と(7)式とを用いて変形する
と、下式により表される。
【0057】 S(s)=(1−Na (s)Q(s))S0 (s) …(8)
【0058】一方制御系の相補感度関数T(s)は、前
記目標レベルrを入力とし、前記湯面レベルyを出力と
する伝達関数として定義されるものであり、図3に示す
制御系においては、下式により表される。
【0059】 T(s)=y/r=P(s)C(s)/(1+P(s)C(s)) …(9)
【0060】また、夫々の補正量演算部72,73,75が働
かないと仮定して得られた図4に示す制御系の相補感度
関数T0 (s)は、下式により表される。
【0061】 T0 (s)=y/r=P(s)C0 (s)/(1+P(s)C0 (s)) …(10)
【0062】従って、(9)式により表される相補感度
関数T(s)は、(5)式と(10)式とを用いて変形す
ると、下式により表される。
【0063】 T(s)=(1−Ma (s)/C0 (s)Q(s))T0 (s) …(11)
【0064】このように、図3に示す制御系において
は、開度変更補正量演算部75の伝達関数Q(s)を適宜
に調整することにより、前記(8)式により示される感
度関数S(s)、又は前記(11)式に示される相補感度
関数T(s)の特定周波数におけるゲインを小さくする
ことができる。
【0065】本発明においては、制御系の感度関数又は
相補感度関数の目標周波数におけるゲインを小さくする
と共に、目標周波数以外の周波数領域においては、感度
関数又は相補感度関数の値の変化を最小とするようにレ
ベル制御装置7を構成する。
【0066】感度関数について前述の関係を満たすレベ
ル制御装置7は、前記開度補正量演算部75の伝達関数Q
(s)を、(6)式に示される感度関数S(s)と、
(7)式に示される感度関数S0 (s)との比が、図5
に示す如く、前記目標周波数において信号を遮断するノ
ッチフィルタとしての特性を有する伝達関数Fn (s)
を用いた下記の評価関数Jを最小とするように定めるこ
とにより実現される。
【0067】 J=‖Fn (s)−S(s)/S0 (s)‖∞ …(12)
【0068】この評価関数Jは、伝達関数S(s)/S
0 (s)によってノッチフィルタ伝達関数Fn (s)を
近似した誤差をH∞ノルムで評価するものであり、Jの
最小値をJmin とすると、全てのωに対して下式の関係
が成り立つ。
【0069】 |Fn (jω)−S(jω)/S0 (jω)|<Jmin …(13)
【0070】従って、Jmin が十分に小さければ、S
(jω)は、全ての周波数域に亘ってS0 (jω)/F
(jω)に十分に近いとみなすことができる。ここでノ
ッチフィルタ伝達関数Fn (s)は、ω→0又はω→∞
としたときゲインが零となるバンドパスフィルタF
b (s)を用いて下式により表される。
【0071】Fn (s)=1−Fb (s) …(14)
【0072】これと前記(8)式に示す関係とを用いれ
ば、(12)式に示す評価関数Jは、下式に変形される。
【0073】 J=‖−Fb (s)+Na (s)Q(s)‖∞ …(15)
【0074】次に、開度変更補正量演算部75の伝達関数
Q(s)の決定方法を具体的に説明する。偏差補正量演
算部72の伝達関数Ma (s)と、開度指令補正量演算部
73の伝達関数Na (s)とは、前述の如く、湯面レベル
変動プロセスモデルの伝達関数P(s)に対して安定で
あるように前記(4)式により決定されるが、これら
は、伝達関数P(s)中の無駄時間要素exp(−Td
s)を(16)式に示す一次パデ近似により近似すると、
(17),(18)式により夫々表される。
【0075】 exp(−Td s)≒(1−Td /2s)/(1+Td /2s) …(16) Na (s)=(1−(Td /2)s) /{(1+(Td /2)s)(1+Tm s)} …(17) Ma (s)=s/{Kp (1+Tm s)} …(18)
【0076】またノッチフィルタ伝達関数Fn (s)
は、例えば、下式に示す如くに定めることができる。
【0077】 Fn (s)={s2 +2gf (ωc /Qf )s+ωc 2 } /{s2 +2(ωc /Qf )s+ωc 2 } …(19)
【0078】但し、ωc =2πfc (fc は目標周波
数)であり、gf は、目標周波数fcにおけるF
n (s)のゲイン(0<gf ≦1)であり、Qf は、目
標周波数fcを中心とする減衰帯域幅(Qf >0)であ
る。
【0079】従って、(15)式中に含まれるバンドパス
フィルタの伝達関数Fb (s)は、下式の如くなる。
【0080】 Fb (s)=2(1−gf )(ωc /Qf )s /{s2 +2(ωc /Qf )s+ωc 2 } …(20)
【0081】以上の如く表される評価関数Jを最小とす
るQ(s)を求める問題は、H∞制御理論においてモデ
ルマッチング問題として知られており、例えば、「アド
バンスト制御のためのシステム制御理論」(前田肇,杉
江俊治著、朝倉書店、1990)のP124に記載され
た方法を用いることにより定めることができ、ここで湯
落ちに要する無駄時間Td が0であるとき、Na (s)
=1であるから、前記評価関数Jを最小とするQ(s)
は、(21)式の如くとなり、Jの最小値は0となる。
【0082】Q(s)=Fb (s) …(21)
【0083】また無駄時間Td が正(Td >0)である
とき、前記評価関数Jを最小とするQ(s)は、(22)
式の如くなり、Jの最小値はFb (2/Td )となる。
【0084】 Q(s)=(Fb (s)−Fb (2/Td ))/Na (s) …(22)
【0085】図6は、以上の如く構成された制御系にお
ける感度関数S(s)の周波数−ゲイン特性を示す図で
ある。この特性は、目標周波数fc を0.255 Hzとし、
目標周波数fc におけるFn (s)のゲインgf を0.4
とし、また目標周波数fc を中心とする減衰帯域幅Qf
を10として前記伝達関数Q(s)を定めた場合の結果で
ある。本図中には比較例として、開度演算部71のみを備
える従来の制御系における感度関数S0 (s)の周波数
−ゲイン特性が破線により示されている。
【0086】これらの特性の比較により、目標周波数f
c の近傍での感度関数S(s)のゲインは、感度関数S
0 (s)のゲインに対して略8dB低下している一方、
他の周波数域での両者のゲイン差は、最大2dBに止ま
っており、目的の達成が確認できる。
【0087】また前述した目的は、(9)式に表される
相補感度関数T(s)と、(10)式に表される相補感度
関数T0 (s)との比が、図5に示す関係を満足するこ
とによっても達成可能である。このためには、感度関数
の場合と同様に、開度変更補正量演算部75の伝達関数Q
(s)を、前記T(s)及びT0 (s)と、(19)式の
如く設定されたノッチフィルタの伝達関数Fn (s)と
を用いた下記の評価関数Jを最小とするように定めれば
よい。
【0088】 J=‖Fn (s)−T(s)/T0 (s)‖∞ …(23)
【0089】この評価関数Jは、伝達関数T(s)/T
0 (s)によってノッチフィルタ伝達関数Fn (s)を
近似した誤差をH∞ノルムで評価するものであり、この
ような評価関数Jを最小とすることは、T(s)/T0
(s)の周波数ゲイン特性をノッチフィルタ伝達関数F
n (s)の周波数ゲイン特性に可及的に近付けることを
意味しており、本発明の前述した目的に対して最適であ
る。
【0090】前記(23)式は、前記(11)式及び(14)
式に示す関係を用いれば、下式に変形される。
【0091】 J=‖−Fb (s)+Ma (s)/C0 (s)Q(s)‖∞ …(24)
【0092】この評価関数Jを最小とするQ(s)は、
(25)式の如くとなり、Jの最小値は0である。
【0093】 Q(s)=−Fb (s)C0 (s)/ Ma (s) …(25)
【0094】ここで、(19)式に示すFb (s)と(1
7)式に示すMa (s)とを用いた場合、制御系の安定
性は確保される。
【0095】図7は、以上の如く構成された制御系にお
ける相補感度関数T(s)の周波数−ゲイン特性を示す
図である。この特性は、感度関数S(s)に関する図6
と同様に、目標周波数fc を1.02Hz、gf を0.2 と
し、またQf を20として開度変更補正量演算部75の伝達
関数Q(s)を定めた場合の結果である。本図中には比
較例として、開度演算部71のみを備える制御系における
相補感度関数T0 (s)の周波数−ゲイン特性が、破線
により示されている。
【0096】両特性の比較により、目標周波数(=1.02
Hz)の近傍において、相補感度関数T(s)のゲイン
は、相補感度関数T0 (s)のゲインに対して略14dB
低下している一方、他の周波数域での両特性は、最大2
dBのゲイン差を有して略全域に亘って重なっており目
的の達成が確認できる。
【0097】目標周波数の近傍での相補感度関数のゲイ
ン低下は、開度演算部71のみを備える従来の制御系にお
いて、PID演算部としての開度演算部71を、図7中に
一点鎖線により示す相補感度関数T0 (s)の周波数−
ゲイン特性を得るべく構成することによっても実現し得
る。
【0098】しかしながらこの場合、図8に示す如く、
感度関数のゲインが0dB以下となる周波数帯域が、本
発明におけるそれに比して大幅に狭くなり、制御動作中
における湯面レベルの変動幅が大きくなるという問題が
ある。本発明においては、湯面の波立ちの共振を防止し
ながら、外乱による湯面レベル変動を小さく保つことが
可能である。なお図8中の各特性は、図7に示す各制御
系における感度関数の周波数−ゲイン特性を、図7と共
通の線種によって表したものである。
【0099】また本発明のレベル制御装置7は、抑制す
べき湯面レベルの目標周波数を適宜に変更することが可
能である。図9及び図10は、目標周波数の変更を可能と
したレベル制御装置7の第2,第3の実施の形態を示す
ブロック線図である。
【0100】これらの図に示すレベル制御装置7は、図
2におけると同様に、目標レベルrと測定レベルyとを
入力とし、両者の偏差eを求めて出力する加算器70と、
この偏差eを入力とし、開度変更量u0 を演算する開度
演算部71と、前記偏差eのフィードフォワード値を入力
とし偏差補正量Eを演算する偏差補正量演算部72と、開
度指令uのフィードバック値を入力とし、開度指令補正
量vを演算する開度指令補正量演算部73と、これらの補
正量E及びvを加算し、加算信号を出力する加算器74
と、該加算器74の出力を用いて開度変更補正量qを演算
する開度変更補正量演算部75と、該開度変更補正量演算
部75の出力(開度変更補正量q)を前記開度演算部71の
出力(開度変更量u0 )に加算し、前記開度指令uとし
て出力する加算器76とを備えて構成されている。
【0101】図9及び図10にに示すレベル制御装置7
は、更に、制御条件設定器79を備えており、該制御条件
設定器79において、低減すべき周期性レベル変動の周波
数(目標周波数)fc 、該目標周波数fc 下でのF
n (s)のゲインgf 、及び目標周波数fc を中心とす
る減衰帯域幅Qf を、外部から設定可能に構成してあ
る。
【0102】これらのレベル制御装置7においても、f
c 、gf 及びQf を(19)式に適用して得られたノッチ
フィルタ伝達関数Fn (s)を用い、(12)式又は(2
3)式により表される評価関数Jを最小とするように開
度変更補正量演算部75の伝達関数Q(s)を定めること
により、前述した目的を達成することができる。このと
き、制御条件設定器79に設定されたfc 、gf 及びQf
を用いることにより、低減対象となる周期性レベル変動
の周波数、その低減程度、及び低減すべき周波数帯域を
適宜に変更することができ、鋳型1内部の周期的なレベ
ル変動を、その変動周期の如何に拘わらず効果的に抑制
することが可能となる。
【0103】以上の如く制御条件設定器79に外部から設
定される設定値のうち、低減すべき周期性レベル変動の
周波数(目標周波数)fc と、この目標周波数fc 下で
のノッチフィルタ伝達関数Fn (s)のゲインgf
は、操業中に実際に生じる湯面レベルの変動状態に応じ
て適正に自動変更することが可能である。
【0104】図9及び図10に示すレベル制御装置7は、
前記fc 及びgf の自動変更を、夫々異なる手法にて可
能とする付加的な構成を有している。図9に示すレベル
制御装置7には、外乱オブザーバ8と周波数・ゲイン設
定部9とが付設されている。外乱オブザーバ8は、湯面
レベルの変動モデルと、ステップ状に変化することを仮
定した外乱のダイナミクスとを用いて湯面変動の原因と
なる前記外乱の推定値を求めるものであり、この推定値
は、入力として与えられる前記測定レベルy及び開度指
令uに基づいて行われる。
【0105】例えば、湯面レベルの変動モデルが下記
(26)式により表されるとき、外乱推定値は下記(27)
式により算出される。
【0106】
【数2】
【0107】
【数3】
【0108】以上の如く算出される外乱推定値は、周波
数・ゲイン設定部9に与えられる。周波数・ゲイン設定
部9は、フーリエ変換器90、最大振幅検出部91及びゲイ
ン設定部92を備えている。前記外乱推定値は、前記フー
リエ変換器90に入力され、該フーリエ変換器90において
周波数分布が求められる。
【0109】最大振幅検出部91は、フーリエ変換器90か
ら与えられる外乱推定値の周波数分布を調べ、予め定め
た周波数範囲における最大振幅を、これに対応する周波
数と共に検出し、前記最大振幅の周波数を低減すべき周
期性レベル変動の目標周波数fc として制御条件設定器
79に出力し、また検出された最大振幅をゲイン設定部92
に出力する。ゲイン設定部92は、最大振幅検出部91から
与えられる最大振幅が大となるに従って小さくなるよう
に前記抑制ゲインgf を設定し、この設定値を制御条件
設定器79に出力する。
【0110】レベル制御装置7においては、前記制御条
件設定器79に設定されたfc 、gf及びQf を(19)式
に適用して得られたノッチフィルタ伝達関数Fn (s)
を用い、(12)式又は(23)式により表される評価関数
Jを最小とするように前記開度変更補正量演算部75の伝
達関数Q(s)を定める。これにより前述した目的を達
成することができる。
【0111】このとき、前記目標周波数fc 及び抑制ゲ
インgf 、即ち、ノッチフィルタの遮断周波数及びゲイ
ンは、周波数・ゲイン設定部9の前述した動作により、
湯面変動の原因となる外乱を外乱オブザーバ8により推
定した結果に基づいて設定されたものであり、実操業中
に発生する外乱の周波数分布に追従するように逐次変更
される。感度関数又は相補感度関数のゲインは、外乱が
制御系に与える影響を周波数毎に示すものであるから、
前述した目標周波数fc 及び抑制ゲインgf の変更によ
り、鋳型1内部の湯面レベル変動の抑制効果を長期間継
続することが可能となる。
【0112】一方、図10に示すレベル制御装置7には、
周波数・ゲイン設定部9のみが付設されている。この周
波数・ゲイン設定部9は、図9に示す周波数・ゲイン設
定部9と同様、フーリエ変換器90、最大振幅検出部91及
びゲイン設定部92を備えており、フーリエ変換器90に
は、前記レベル計6による測定レベルyが入力として与
えられ、該フーリエ変換器90において前記測定レベルy
の周波数分布が求められるようにしてある。
【0113】最大振幅検出部91は、フーリエ変換器90か
ら与えられる測定レベルyの周波数分布を調べ、予め定
めた周波数範囲における最大振幅を、これに対応する周
波数と共に検出し、検出された周波数を、低減すべき周
期性レベル変動の目標周波数fc として制御条件設定器
79に出力し、また検出された最大振幅をゲイン設定部92
に出力する。ゲイン設定部92は、最大振幅検出部91から
与えられる最大振幅が大となるに従って小さくなるよう
に前記抑制ゲインgf を設定し、この設定値を制御条件
設定器79に出力する。
【0114】レベル制御装置7においては、前記制御条
件設定器79に設定されたfc 、gf及びQf を(19)式
に適用して得られたノッチフィルタ伝達関数Fn (s)
を用い、(12)式又は(23)式に表される評価関数Jを
最小とするように前記開度変更補正量演算部75の伝達関
数Q(s)を定める。これにより前述した目的を達成す
ることができる。
【0115】このとき、前記目標周波数fc 及び抑制ゲ
インgf 、即ち、ノッチフィルタの遮断周波数及びゲイ
ンは、周波数・ゲイン設定部9の前述した動作により、
実操業中の鋳型1内部の湯面レベルの測定結果に基づい
て設定されたものであり、実操業中に発生する湯面レベ
ルの変動に追従するように逐次変更される。湯面レベル
の測定値の周波数分布は、レベル変動の原因となる外乱
の周波数分布をレベル制御により整形した結果として表
れるものであるから、前述した目標周波数fc及び抑制
ゲインgf の変更により、鋳型1内部の湯面レベル変動
の抑制効果を長期間継続することが可能となる。
【0116】この実施の形態においては、目標周波数f
c 及び抑制ゲインgf が、鋳型1内部の湯面レベルの測
定結果をそのまま用いて変更されるから、図9に示す実
施の形態と比較して制御系の構成が簡素化されるという
利点を有する反面、実際の湯面レベルは種々の原因によ
る変動成分を含んでいるため、図9に示す実施の形態と
比較してレベル変動の抑制効果はやや劣る。
【0117】なお、以上の実施の形態においては、低減
目標となる目標周波数を1つとしているが、評価関数J
に用いるF(s)として、2つ以上の周波数においてゲ
インが極大となる特性を有する伝達関数を用いること、
又は前記Fb (s)として2つ以上の周波数においてゲ
インが極大となる特性を有する伝達関数を用い、前記
(14)式によりFn (s)を定めることとすれば、複数
の周波数において制御系の感度関数のゲイン又は相補感
度関数のゲインを低減することができ、異なる周波数を
有する複数種の周期性レベル変動を抑制することが可能
となる。
【0118】また以上の実施の形態においては、開度演
算部71を、PI演算器又はPID演算器として構成した
場合について述べたが、この開度演算部71は、図4に示
す制御系を安定にし、湯面レベルを目標値に一致させ得
る演算器であればよく、H∞制御、最適レギュレータ
等、他の手法で設計された演算器であってもよいことは
言うまでもない。
【0119】最後に、図2に示す如く構成された湯面レ
ベル制御装置7を、1500mm×250mmなる断面寸法を有す
る鋳型1と、70mmの開口径を有するスライディングゲー
ト30とを備え、鋳込み速度2m/min にて操業されるス
ラブ連続鋳造機の湯面レベル制御系に適用した場合に得
られる感度関数及び相補感度関数のゲイン低減効果につ
いて、図11及び図12を参照して説明する。
【0120】図11は、鋳型1内部の湯面レベルとスライ
ディングゲート30の開度(ノズル開度)との時間的な変
化の様子を示す図であり、図の上半部は、湯面レベルの
変化の様子を、下半部はノズル開度の変化の様子を夫々
示してある。
【0121】本図の0秒から100 秒までの間において
は、偏差補正量演算部72、開度指令補正量演算部73及び
開度変更補正量演算部75を動作させず、開度演算部71に
おけるPID演算により得られた開度変更量u0 を、そ
のまま開度指令uとして用いて湯面レベル制御が行われ
ており、この間、鋳型1内部の湯面レベルには、周波数
0.225Hzなる周期を有するレベル変動が、11mm前後の
振幅を有して発生していることがわかる。
【0122】前記連続鋳造機は、鋳型1の下方に 148mm
なる間隔で並ぶガイドロール5,5…を備え、2m/min
なる鋳込み速度にて操業が行われており、このときの鋳
造速度は、
【0123】2000(mm/min)/60/ 148(mm) =0.225
【0124】となることから、前記レベル変動は、バル
ジング性のレベル変動であると考えられる。
【0125】図11の 100秒から 200秒までの間において
は、(19)式において、ノッチフィルタの目標周波数f
c を 0.225Hz、この目標周波数fc 下でのノッチフィ
ルタゲインgf を 0.7、ノッチフィルタ減衰帯域幅Qf
を10とし、制御系の感度関数のゲインを目標周波数fc
において低減させるべく湯面レベル制御が行われてお
り、この結果、周期的な湯面レベルの変動幅は7mmに抑
制された。更に、 200秒から 300秒までの間において
は、前記ノッチフィルタゲインgf を 0.4として制御を
行っており、この結果、湯面レベルの変動幅は4mmに抑
制された。
【0126】また図11の 300秒から 400秒までの間にお
いては、鋳込み速度を1.55m/min に減速して操業が行わ
れており、この結果、湯面レベルの変動周波数は 0.175
Hzに変化し、その変動幅は、略14mmに達している。こ
のような鋳込み速度の変更に対応するため、ノッチフィ
ルタの目標周波数fc を 0.175Hzに変更した 400秒以
降においては、湯面レベルの変動幅は6mmに抑制され
た。なお、目標周波数f c 及びゲインgf の変更は、図
9及び図10に示す制御条件設定器79においてなされる。
【0127】この図から、湯面レベルの変動周波数にお
いて制御系の感度関数のゲインを低減させる本発明方法
の実施により、バルジングに起因する周期的なレベル変
動を効果的に抑制することが可能であることがわかる。
【0128】図12は、前述した連続鋳造機の操業中に、
湯面レベルとノズル開度との時間的な変化の様子を示す
図である。本図においては、0秒から20秒までの間、偏
差補正量演算部72、開度指令補正量演算部73及び開度変
更補正量演算部75を動作させず、開度演算部71における
PID演算により得られた開度変更量u0 を、そのまま
開度指令uとして用いて湯面レベル制御が行われてお
り、この間の湯面レベルには、1.02Hzなる周波数を有
する周期的なレベル変動が、時間の経過と共に振幅を徐
々に増して発生している。これは、鋳型1内部の湯面の
波立ちが、1500mmなる鋳型1の幅に対し、2次の固有振
動として発生したものである。
【0129】このような現象に対応するため、図12の20
秒以降においては、(19)式において、ノッチフィルタ
の目標周波数fc を1.02Hz、この目標周波数fc 下で
のノッチフィルタゲインgf を 0.2、ノッチフィルタ減
衰帯域幅Qf を20とし、制御系の相補感度関数のゲイン
を目標周波数fc において低減させるべく湯面レベル制
御が行われており、この結果、湯面レベルの変動は徐々
に収束し、40秒の時点において2mmに低減された。
【0130】また図12の 260秒以降においては、鋳型1
の幅を1300mmに減じて操業が行われており、この結果、
湯面レベルの周期的な変動の周波数が1.09Hzに変化
し、時間の経過と共に振幅を増すレベル変動が再度発生
した。
【0131】このような現象に対応するため、図12の 2
80秒以降において、ノッチフィルタの目標周波数fc
1.09Hzに変更し、更に 285秒以降において、ノッチフ
ィルタゲインgf を 0.1に変更してレベル制御を行っ
た。この結果、湯面レベルの変動は徐々に収束し、 300
秒の時点において2mmに低減された。
【0132】この図から、本発明方法は、鋳型1内部の
湯面の波立ちに起因する湯面レベルの変動においても有
効であり、対応する周波数において制御系の相補感度関
数のゲインを低減させることにより前記レベル変動を効
果的に抑制し得ることがわかる。
【0133】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の第1発明に
係る湯面レベル制御方法及び第3発明に係る湯面レベル
制御装置においては、目標レベルと測定レベルとの偏差
を用いて注湯手段の開度変更量を演算する一方、前記偏
差及び開度指令を用いて偏差補正量及び開度指令補正量
を夫々求め、これらの補正量を加算して得られる開度変
更補正量により前記開度変更量を変更して前記注湯手段
への開度指令とするから、連続鋳造機の鋳型内部におけ
る湯面レベルの周期性の変動を、その周波数の如何に拘
わらず、また制御系全体の安定性を損なうことなく効果
的に抑制することができ、このようなレベル変動に起因
する製品鋳片の欠陥の発生を防止して、良質な製品鋳片
を安定して製造することが可能となる。
【0134】また第2発明に係る湯面レベル制御方法及
び第4,第5発明に係る湯面レベル制御装置において
は、偏差補正量、開度指令補正量及び開度変更補正量の
演算手段をフィルタ要素とし、その伝達関数を、開度演
算部のみを備える制御系の感度関数又は相補感度関数
と、この開度演算部と共に前記補正量演算部を備える制
御系の感度関数又は相補感度関数と、所定の周波数の信
号を遮断するノッチフィルタの伝達関数とを用いた評価
関数を最小とすべく決定したから、湯面レベルの周期性
の変動を有効に抑制し得る制御系を、簡易にしかも確実
に構成することができる。
【0135】また第6発明に係る湯面レベル制御装置に
おいては、ノッチフィルタの遮断周波数、遮断周波数に
おけるゲイン及び遮断周波数を中心とする減衰帯域幅を
変更可能に構成したから、湯面レベルの周期性の変動
を、その周波数の如何に拘わらず、また操業中の周波数
の揺らぎに拘らず確実に抑制することができる。
【0136】更に第7発明に係る湯面レベル制御装置に
おいては、レベル変動の原因となる外乱を推定し、この
推定外乱の周波数分布を求め、この結果に基づいて変更
可能なノッチフィルタの遮断周波数及び遮断周波数にお
けるゲインを変更する構成とし、また第8発明に係る湯
面レベル制御装置においては、操業中の湯面レベルの測
定結果の周波数分布を求め、この結果に基づいて前記遮
断周波数及びゲインを変更する構成としたから、鋳型内
部の湯面レベルの周期的な変動を、この変動の実際の出
現態様に合わせて抑制することができ、長期に亘って良
好な抑制効果が得られるようになる等、本発明は優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る湯面レベル制御装置を備える連続
鋳造機の全体構成を示す模式図である。
【図2】湯面レベル制御装置の第1の実施の形態を示す
ブロック線図である。
【図3】図2に示すレベル制御装置を備える湯面レベル
制御系のブロック線図である。
【図4】本発明による補正がなされないと仮定した場合
の湯面レベル制御系のブロック線図である。
【図5】図2に示すレベル制御装置の補正量演算部の伝
達関数の決定に使用するノッチフィルタの周波数特性を
示す図である。
【図6】図3に示す湯面レベル制御系を感度関数に関し
て最適化した場合の感度関数の周波数−ゲイン特性を示
す図である。
【図7】図3に示す湯面レベル制御系を相補感度関数に
関して最適化した場合の相補感度関数の周波数−ゲイン
特性を示す図である。
【図8】PID演算部としての開度演算部のみを備える
制御系において相補感度関数を最適化した場合の感度関
数の周波数−ゲイン特性を示す図である。
【図9】湯面レベル制御装置の第2の実施の形態を示す
ブロック線図である。
【図10】湯面レベル制御装置の第3の実施の形態を示
すブロック線図である。
【図11】本発明に係る湯面レベル制御装置を備える連
続鋳造機の操業実績を示す図である。
【図12】本発明に係る湯面レベル制御装置を備える連
続鋳造機の操業実績を示す図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 溶湯 3 注湯ノズル 4 鋳片 5 ガイドロール 6 レベル計 7 レベル制御装置 8 外乱オブザーバ 9 周波数・ゲイン設定部 71 開度演算部 72 偏差補正量演算部 73 開度指令補正量演算部 75 開度変更補正量演算部 79 制御条件設定器 90 フーリエ変換器 91 最大振幅検出部 92 ゲイン設定部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造機の操業中に鋳型の内部の湯面
    レベルを測定し、この測定レベルと予め定めた目標レベ
    ルとの偏差に基づいて求めた開度指令に従って前記鋳型
    への注湯手段の開度を増減して、前記湯面レベルを前記
    目標レベルに保つべく制御する連続鋳造機の湯面レベル
    制御方法において、 前記偏差を用いて前記注湯手段に必要とされる開度変更
    量を求め、 前記偏差のフィードフォワード値を用いて偏差補正量
    を、また前記開度指令のフィードバック値を用いて開度
    指令補正量を夫々算出し、 算出された偏差補正量と開度指令補正量との加算値を用
    い、制御系の感度関数又は相補感度関数のゲインを所定
    の周波数に対して低減すべく前記開度変更量の補正のた
    めの開度変更補正量を求め、 求められた開度変更補正量により前記開度変更量を補正
    して前記注湯手段への開度指令とすることを特徴とする
    連続鋳造機の湯面レベル制御方法。
  2. 【請求項2】 前記偏差補正量及び開度指令補正量の算
    出にノッチフィルタ方式を採用し、 前記鋳型内部の湯面の変動モデルに前記測定レベル及び
    開度指令を適用して湯面変動の原因となる外乱を推定
    し、推定された外乱の周波数分布を求め、求められた周
    波数分布に基づいてノッチフィルタの遮断周波数及び/
    又はゲインを変更する請求項1記載の連続鋳造機の湯面
    レベル制御方法。
  3. 【請求項3】 連続鋳造機の操業中に鋳型の内部の湯面
    レベルを測定し、この測定レベルと予め定めた目標レベ
    ルとの偏差に基づいて求めた開度指令に従って前記鋳型
    への注湯手段の開度を増減して、前記湯面レベルを前記
    目標レベルに保つべく制御する連続鋳造機の湯面レベル
    制御装置において、 前記偏差を入力とし、前記注湯手段の開度変更量を算出
    する開度演算部と、 前記偏差のフィードフォワード値を入力とし、偏差補正
    量を算出する偏差補正量演算部と、 前記開度指令のフィードバック値を入力とし、開度指令
    補正量を算出する開度指令補正量演算部と、 前記偏差補正量と前記開度指令補正量とを入力とし、こ
    れらを加算して出力する第1の加算器と、 該第1の加算器の出力を用い、制御系の感度関数又は相
    補感度関数のゲインを所定の周波数に対して低減すべく
    前記開度変更量の補正のための開度変更補正量を算出す
    る開度変更補正量演算部と、 該開度変更補正量演算部により算出された開度変更補正
    量と前記開度演算部により算出された開度変更量とを入
    力とし、これらの加算値を前記注湯手段への開度指令と
    して出力する第2の加算器とを備えることを特徴とする
    連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
  4. 【請求項4】 前記偏差補正量演算部及び開度指令補正
    量演算部は、前記開度演算部のみを備える制御系の感度
    関数と、前記開度演算部と前記偏差補正量演算部及び開
    度指令補正量演算部とを備える制御系の感度関数と、前
    記所定の周波数の信号を遮断するノッチフィルタの伝達
    関数とを用いた評価関数を最小とすべく決定された伝達
    関数を有するフィルタ要素として構成してある請求項3
    記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
  5. 【請求項5】 前記偏差補正量演算部及び開度指令補正
    量演算部は、前記開度演算部のみを備える制御系の相補
    感度関数と、前記開度演算部と前記偏差補正量演算部及
    び開度指令補正量演算部とを備える制御系の相補感度関
    数と、前記所定の周波数の信号を遮断するノッチフィル
    タの伝達関数とを用いた評価関数を最小とすべく決定さ
    れた伝達関数を有するフィルタ要素として構成してある
    請求項3記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
  6. 【請求項6】 前記ノッチフィルタは、その遮断周波
    数、遮断周波数におけるゲイン及び遮断周波数を中心と
    する減衰帯域幅を変更可能に構成してある請求項4又は
    請求項5記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
  7. 【請求項7】 前記測定レベル及び開度指令を入力と
    し、これらを前記鋳型内部の湯面の変動モデルに適用し
    て湯面変動の原因となる外乱を推定する外乱推定手段と
    推定された外乱の周波数分布を求める周波数解析手段
    と、 求められた周波数分布に基づいて前記ノッチフィルタの
    遮断周波数及び/又はゲインを変更する手段とを備える
    請求項6記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
  8. 【請求項8】 前記測定レベルの周波数分布を求める手
    段と、 該手段により求められた周波数分布に基づいて前記ノッ
    チフィルタの遮断周波数及び/又はゲインを変更する手
    段とを備える請求項6記載の連続鋳造機の湯面レベル制
    御装置。
JP2001045554A 2001-02-21 2001-02-21 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置 Expired - Lifetime JP4517518B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001045554A JP4517518B2 (ja) 2001-02-21 2001-02-21 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001045554A JP4517518B2 (ja) 2001-02-21 2001-02-21 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002248555A true JP2002248555A (ja) 2002-09-03
JP4517518B2 JP4517518B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=18907330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001045554A Expired - Lifetime JP4517518B2 (ja) 2001-02-21 2001-02-21 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4517518B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007007722A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置
JP2014111267A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Nippon Steel & Sumitomo Metal 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラム
JP2014111266A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Nippon Steel & Sumitomo Metal 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラム
KR20150013241A (ko) 2012-06-07 2015-02-04 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 몰드 내 용강탕면 레벨 제어 방법
WO2019235601A1 (ja) * 2018-06-08 2019-12-12 日本製鉄株式会社 複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法、装置及びプログラム
JP7415171B2 (ja) 2020-06-04 2024-01-17 日本製鉄株式会社 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法、およびプログラム

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3591422B2 (ja) * 1999-08-25 2004-11-17 住友金属工業株式会社 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3591422B2 (ja) * 1999-08-25 2004-11-17 住友金属工業株式会社 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007007722A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置
JP4517960B2 (ja) * 2005-07-04 2010-08-04 住友金属工業株式会社 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置
KR20150013241A (ko) 2012-06-07 2015-02-04 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 몰드 내 용강탕면 레벨 제어 방법
JP2014111267A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Nippon Steel & Sumitomo Metal 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラム
JP2014111266A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Nippon Steel & Sumitomo Metal 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラム
WO2019235601A1 (ja) * 2018-06-08 2019-12-12 日本製鉄株式会社 複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法、装置及びプログラム
CN112188940A (zh) * 2018-06-08 2021-01-05 日本制铁株式会社 多层铸板的连续铸造工序的控制方法、装置以及程序
JPWO2019235601A1 (ja) * 2018-06-08 2021-04-01 日本製鉄株式会社 複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法、装置及びプログラム
US11161170B2 (en) 2018-06-08 2021-11-02 Nippon Steel Corporation Control method, device, and program of continuous casting process of multilayered slab
JP7020549B2 (ja) 2018-06-08 2022-02-16 日本製鉄株式会社 複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法、装置及びプログラム
CN112188940B (zh) * 2018-06-08 2022-04-29 日本制铁株式会社 多层铸板的连续铸造工序的控制方法、装置以及记录介质
JP7415171B2 (ja) 2020-06-04 2024-01-17 日本製鉄株式会社 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法、およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4517518B2 (ja) 2010-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3591422B2 (ja) 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置
KR102460212B1 (ko) 연속 주조의 제어 장치, 방법 및 프로그램
US20120101625A1 (en) Control method for the meniscus of a continuous casting mold
US5311924A (en) Molten metal level control method and device for continuous casting
JP4517960B2 (ja) 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置
JP2002248555A (ja) 連続鋳造機の湯面レベル制御方法及び湯面レベル制御装置
JP3271242B2 (ja) 連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置
JPH06264B2 (ja) 連続鋳造における湯面レベル制御方法
JP2634106B2 (ja) 連続鋳造における湯面レベル制御方法
JP3277864B2 (ja) 連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法
JP6065559B2 (ja) 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラム
JPH02200362A (ja) 連続鋳造装置におけるノズル詰まり予測方法およびノズル詰まり抑制方法
JP2014111267A (ja) 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、方法及びプログラム
JP5751144B2 (ja) 連続鋳造機の制御装置および制御方法
JP2005028381A (ja) 鋳型内湯面レベル検出装置
JPH07100610A (ja) 連続鋳造におけるモールド内溶融金属レベル制御方法
JP5347402B2 (ja) 連続鋳造機のモールド内湯面レベル制御方法
JP2006263812A (ja) 連続鋳造機の鋳型内湯面レベル制御方法及び連続鋳造鋳片の製造方法
JP6528756B2 (ja) 湯面レベル制御装置及び湯面レベル制御方法
JPH08243703A (ja) 連続鋳造における湯面レベル制御方法
JPH0679423A (ja) 連続鋳造における湯面レベル制御方法
JP3160805B2 (ja) 連続鋳造設備のモールドレベル制御装置
JPH09146608A (ja) 連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法
JPH0531560A (ja) 連続鋳造における湯面レベル制御方法
JP2000052010A (ja) 連続鋳造機における湯面レベル制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100510

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4517518

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term