JP2000052010A - 連続鋳造機における湯面レベル制御方法 - Google Patents

連続鋳造機における湯面レベル制御方法

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JP2000052010A JP10224367A JP22436798A JP2000052010A JP 2000052010 A JP2000052010 A JP 2000052010A JP 10224367 A JP10224367 A JP 10224367A JP 22436798 A JP22436798 A JP 22436798A JP 2000052010 A JP2000052010 A JP 2000052010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外乱による湯面レベルの大きな変動はもとよ
り、波打ちによる湯面の微小な変動をも効果的に抑制す
る。 【解決手段】 連続鋳造機のモールド内における溶融金
属の湯面レベルを検出し、湯面レベル設定値との偏差に
応じてモールドへの溶融金属の流入流量を調節す際、湯
面レベル設定値と、湯面レベル検出値との偏差を、偏差
の小さい時に低ゲイン特性となる非線形補償要素に入力
する。非線形補償要素の制御出力を、前記偏差に応じて
変更するフィードバック制御を行う。 【効果】 波打ちに対する感度は最大限低く抑えつつ、
外乱による大きな湯面変動に対しては高応答性を確保す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼、その他金属
類の連続鋳造を行うに際して、モールド内における溶融
金属の湯面レベルを制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造においては、モールド内の湯面
レベルが変動すると、パウダー或いは気泡の巻込み等を
生じ、表面疵や内面欠陥が発生したり、或いは、ブレー
クアウト等の操業トラブルの要因となる場合がある。そ
のため、湯面レベルを一定に保つべく、γ線レベル計や
渦流レベル計等の湯面レベル計を用いて湯面レベルを検
出し、PID調節計によりスライディングノズルやスト
ッパーの開度を調整し、モールド内への溶融金属の流入
流量を調節する方法が一般的に用いられている。
【0003】また、流量特性変化を補償し、制御ループ
のループゲインを一定にする方法として、例えば特開平
4−262825号が提案されている。この特開平4−
262825号で提案された方法は、図6に示す制御ブ
ロックのように、湯面計1での検出値と湯面レベル目標
値との偏差が入力されるPI制御器2から出力されるス
トッパー3の開度指令によりストッパー制御装置4が作
動してストッパー3が駆動され、モールド5への溶融金
属の流入量を制御するものであり、ゲイン調節器6には
湯面計1からの湯面レベルと、ストッパー制御装置4か
らのストッパー開度の計測値が入力されて夫々の変動の
比が演算され、これを所定時間平均して溶融金属流出ゲ
インとし、この溶融金属流出ゲインから得られるゲイン
変動量により、前記ストッパー3への開度指令を補償す
るものである。なお、図6中の7は、湯面レベルの目標
値設定器である。
【0004】更に、特開平4−262825号のような
PID制御とは別に、外乱に対する補償制御を行う方法
が特開平3−164247号で提案されている。この特
開平3−164247号で提案された方法は、図7に示
す制御ブロックのように、モールドへ流入する基準流量
に、ノズル詰まり、ノズル溶損、鋳込み温度変化等の影
響による外乱流量の加算量を加算した後の総流入流量を
積分してモールドの湯面レベルとなるモデルを作成し、
該モデルから予想される湯面レベルと、実際の湯面レベ
ルが一致するように、両者の誤差を、該モデルにおける
湯面レベル、基準流量及び外乱流量の各項へ逐次フィー
ドバックする演算を行い、該演算過程において推定され
る基準流量及び外乱流量からモールド内への流入流量を
検出するものであり、一般的に外乱オブザーバ制御とい
われている。
【0005】また、特開平3−164247号で提案さ
れた方法と同様に、図8に示す制御ブロックのように、
スライディングノズルの応答特性を模擬した制御系のモ
デルを設け、該モデルによって得られる応答出力と、実
際のスライディングノズルの開度を比較し、その差に応
じて制御系を補正する方法が実開昭63−66553号
に開示されている。
【0006】また、特開平6−79423号では、湯面
レベル変動を引起こす外乱から、湯面レベル制御出力ま
での伝達関数の大きさを所望の周波数域で小さくするた
めの第1の重み関数と、前記外乱からこの外乱が加わる
手前までの伝達関数の大きさを所望の周波数域で小さく
するための第2の重み関数を夫々設定し、これらと制御
出力、制御操作量、並びに外乱推定値を状態変数とし
て、状態方程式並びに出力方程式を記述し、これらに対
してH無限大制御理論を適用することにより、フィード
バック演算信号を求め、これと外乱量を打ち消すための
補正信号の和を、モールドへの溶融金属の流入量を制御
するアクチュエータに加えるものである。
【0007】また、特開昭54−153663号では、
渦流式湯面計の出力をバンドパスフィルターに入力して
ノイズ信号を抽出し、これと湯面計出力を加算すること
によって、ノイズ信号を除去した出力信号を得る方法が
開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、モールド内
の溶融金属はモールド下部から冷却されながら引抜かれ
る一方、スライディングノズルを通して流入する半流動
性の液体であり、流入量或いは流出量の変化による外乱
を受けて、微妙な波打ち現象がモールド内の湯面に発生
することがある。この波打ちの基本周波数は、溶融金属
の粘性・比重、流量及びモールドの形状・大きさによっ
て異なるが、一般的には0.5〜1.0Hz周辺の周波
数成分をもっていることが多い。
【0009】一方、一般的なPID制御においては、ノ
ズル詰まりや鋳片引抜き速度の変更等の外乱に対して早
い応答を要求されているので、できるだけ応答周波数を
高く設定し、また、湯面レベル計や、スライディングノ
ズル或いはストッパーを駆動する油圧シリンダの駆動装
置についても、高応答タイプのものが多く使われてい
る。
【0010】しかるに、モールド内の湯面に波打ちが生
じた場合、湯面レベル計では湯面全体の均一な変化とし
て検出するので、これに追随して溶融金属の流入流量が
調整されてしまう。その結果、波打ちを抑制することに
はならず、かえって助長すると言う弊害がある。従っ
て、調節計の応答特性を向上させる目的で制御ゲインを
高く設定すると、かえって波打ちを助長し、ハンチング
が生じて湯面変動が大きくなってしまう結果になる。
【0011】つまり、制御系の外乱応答を上げること
と、波打ちに対する感度を鈍くすることは二律背反する
関係にある。この問題は前記した特開平4−26282
5号で提案された方法では、基本的に何ら解消されない
問題である。また、特開平3−164247号で提案さ
れた方法や、実開昭63−66553号で提案された方
法も、モールド内の湯面に波打ちが発生すると、これを
外乱による湯面全体の変動と区別できないため、結果と
して、不必要な補償出力が出され、かえって湯面の波打
ちを助長する結果となる。
【0012】これに対して、特開平6−79423号で
提案された方法では、外乱応答性と高周波ノイズに対す
る感度の二律違反する命題に対して、外乱とノイズを周
波数領域で分離し、両者に対する応答特性を適正にバラ
ンスする状態を数理的に求める手法を提供しているが、
前記したように、波打ち周波数は一般に0.5〜1.0
Hzと比較的低いので、これに対する感度を低く設定す
ると外乱応答についても低くなってしまい、顕著な効果
は期待できない。
【0013】また、特開昭54−153663号で提案
された方法では、波打ち周波数が特定できる場合には、
適正なバンドパスフィルターにより波打ちの成分を除去
できるので、相応の効果は期待できると考えられる。し
かしながら、溶融金属は半流動状態であり、波打ちその
ものが複雑なメカニズムによって生じるものであるか
ら、その周波数の特定が難しく、実際には、顕著な効果
は期待できない。
【0014】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、外乱による湯面レベルの大きな変
動はもとより、波打ちによる湯面の微小な変動をも効果
的に抑制することができる連続鋳造機における湯面レベ
ル制御方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る連続鋳造機における湯面レベル制
御方法では、フィードバック制御の前段に非線形補償要
素を設けることとしている。そして、湯面の変動幅が極
めて小さい場合は、制御ゲインを低め或いは零に設定
し、また、過大な湯面変動が生じた場合には、制御ゲイ
ンを高めに設定しておけば、全体として波打ちに対する
感度は最大限低く抑えつつ、外乱による大きな湯面変動
に対しては高応答性を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者は、ノズル詰まりや引抜
き速度の変化等の外乱のない状態で制御出力を保持した
場合、すなわち、モールドからの流出流量及びモールド
内への流入流量を一定に保持した場合には、波打ちは自
然に解消し、湯面は穏やかになることを知見している。
つまり、モールドにおける溶融金属の流入流出量に何ら
かの変化があると、これが起点となって波打ちが発生
し、湯面の制御出力が変化して流入流量が変化すること
になり、その結果、波打ちが助長される現象が生ずるも
のと考えられる。
【0017】そこで、本発明では、フィードバック制御
の前段に非線形補償要素を設け、モールド内における湯
面の変動幅が極めて小さい場合は、制御ゲインを低め或
いは零に設定することで制御による波打ちの助長を極力
少なくし、一方、過大な湯面変動が生じた場合には、制
御ゲインを高めに設定して高速修正が可能なようにし、
全体として波打ちに対する感度は最大限低く抑えつつ、
外乱による大きな湯面変動に対しては高応答性を確保で
きるようにした。
【0018】すなわち、第1の本発明に係る連続鋳造機
における湯面レベル制御方法は、連続鋳造機のモールド
内における溶融金属の湯面レベルを検出し、湯面レベル
設定値との偏差に応じてモールドへの溶融金属の流入流
量を調節し、湯面レベルを一定に保つ湯面レベル制御方
法において、湯面レベル設定値と、湯面レベル検出値と
の偏差を、偏差の小さい時に低ゲイン特性となる非線形
補償要素に入力し、この非線形補償要素の制御出力を、
前記偏差に応じて変更するフィードバック制御を行うも
のである。
【0019】また、第2の本発明に係る連続鋳造機にお
ける湯面レベル制御方法は、連続鋳造機のモールド内に
おける溶融金属の湯面レベルを検出し、湯面レベル設定
値との偏差に応じてモールドへの溶融金属の流入流量を
調節し、湯面レベルを一定に保つために、フィードバッ
ク制御系以外に外部からの補償制御を行う湯面レベル制
御方法において、湯面レベル設定値と、湯面レベル検出
値との偏差を、偏差の小さい時に低ゲイン特性となる非
線形補償要素に入力し、この非線形補償要素の制御出力
を、前記偏差に応じて変更するフィードバック制御する
と共に、前記フィードバック制御系以外の補償制御の制
御出力を、別の非線形補償要素に入力した後に、この非
線形補償要素の制御出力を、補償出力として使用するも
のである。
【0020】上記した本発明に係る連続鋳造機における
湯面レベル制御方法において、フィードバック制御とし
ては、比例・積分・微分要素で構成される制御要素の
組み合わせであるPID制御、基本的にはPID制御
の形であり、理論演算により各要素の制御ゲインを決定
する最適レギュレータ制御やH無限大制御、制御対象
と等価なモデルを設け、実機と制御モデルの検出値の差
に応じて制御出力を変化させるモデル追従制御、偏差
に応じて制御を入り切りするon−off制御、等が採
用される。また、前記したPID制御を採用する場合、
比例要素、積分要素、微分要素の各々に、独立に非線形
補償要素を与えることも可能である。
【0021】また、上記した本発明に係る連続鋳造機に
おける湯面レベル制御方法における非線形補償要素とし
ては、図4(a)(b)に示す不感帯要素、図4(c)
に示す非線形要素、図4(d)に示す高次関数要素のい
ずれかが採用される。このうち不感帯要素を採用する場
合には、制御偏差が小さい場合に制御ゲインを零にし、
制御出力が出ないようにするのである。このようにする
ことで、湯面の波打ち等の外乱が生じた場合にも、必要
以上に制御出力が出るのを防ぐことができる。
【0022】また、非線形要素を採用する場合には、制
御偏差が小さい場合に制御ゲインを零若しくは小さくす
ることにより、不感帯要素を採用した場合と同様の効果
を期待することができる。制御ゲインを零以外の小さい
値にした場合、外乱の影響による制御出力は完全に零と
はならず、少量ながら外乱に影響されることになるが、
反面、常にフィードバック制御が働くために湯面の平均
的なずれや、0.1Hzオーダー以下の非常に低周波の
変動に対して制御が動作し、湯面の平均的な変動が抑え
られる利点がある。反対に、制御偏差が大きい場合に、
制御ゲインをより大きくすることにより、過大な湯面変
動が生じた場合に応答性をあげる効果が期待できる。以
上により、外乱に比較的鈍感で湯面の大きな変動には従
来以上に敏感な制御が実現できるようになる。
【0023】また、高次関数要素を採用する場合には、
基本的な効果は非線形要素を採用した場合と等価であ
る。但し、制御ゲイン、すなわち、曲線の勾配が滑らか
な曲線になるため、制御偏差の変化に対して制御出力の
変化率が過大にならず、円滑な制御出力の変更が期待で
きることになる。これにより、湯面変動の抑制効果が期
待される。
【0024】上記した第2の本発明に係る連続鋳造機に
おける湯面レベル制御方法における、外部からの補償
は、外乱の影響による湯面検出後、差分を何らかの方
法で検出し、湯面センサー検出値から差し引いたり、或
いは、制御目標の変化や状態変化に応じて制御出力を直
接変更させる、狭義のフィードフォワード補償や、制
御出力と湯面検出値から外乱を推定し、外乱を打ち消す
べく制御出力を変化させる外乱オブザーバ補償、等が採
用される。なお、狭義のフィードフォワード補償として
は、モールドオシレーションによる湯面センサーへの外
乱を補償するように、湯面センサーの出力からオシレー
ションによる影響分を差し引くオシレーション補償、引
抜き速度の変化に応じて制御出力を直接変化させる引抜
き速度補償、目標値の変化率を演算し、直接制御出力を
変化させる制御目標値の微分補償等がある。
【0025】また、上記した第2の本発明に係る連続鋳
造機における湯面レベル制御方法において、例えば湯面
のレベル変動の平均的な振幅値を設け、振幅の大きい場
合には大きな偏差まで低ゲインとし、反対に振幅が比較
的小さい場合には偏差が小さくても高ゲインとするよう
に、非線形補償要素の特性を、湯面レベルの変動幅に応
じて可変とすることも可能である。この場合、波打ちが
発生し難い条件下では、偏差の小さいうちから高ゲイン
が得られるので、外乱に対してより高応答特性が得るこ
とができる。なお、湯面レベルの変動幅は、「振幅値」
に限らないことは言うまでもなく、湯面レベルの「標準
偏差」を採用しても良い。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係る連続鋳造機における湯面
レベル制御方法を図1〜図3に示す一実施例に基づいて
説明する。図1は第1の本発明に係る連続鋳造機におけ
る湯面レベル制御方法の制御ブロック図、図2は図1の
制御ブロック図において、非線形要素の特性を湯面レベ
ルの変動幅に応じて可変とした場合の図、図3は第2の
本発明に係る連続鋳造機における湯面レベル制御方法の
制御ブロック図である。
【0027】図1において、11は連続鋳造機のモール
ド内における溶融金属の湯面レベルを検出する湯面レベ
ル計であり、目標湯面レベル信号と、この湯面レベル計
11によって実測された湯面レベル信号の偏差信号は、
例えば図4(a)に示すような不感帯要素12に入力さ
れる。この不感帯要素12は、前記した偏差信号が小さ
い場合に制御ゲインを零にし、制御出力が出ないように
する。
【0028】13は前記不感帯要素12からの制御出力
を入力される例えばPID調節計であり、このPID調
節計13では、前記制御出力に基づいて通常のPID演
算を行い、例えばストッパー制御器14に対してストッ
パーの位置指令値を出力する。ストッパー制御器14
は、この位置指令値に従ってストッパーを所定位置に制
御し、このストッパーの位置と、モールドへ流入する溶
融金属流量との関係を表す湯面特性15によって決まる
溶融金属流量を調整し、モールド内の湯面レベルを制御
する。
【0029】すなわち、本発明に係る連続鋳造機におけ
る湯面レベル制御方法では、常にモールド内の湯面レベ
ルを監視し、目標湯面レベル信号と、実測された湯面レ
ベル信号の偏差信号が一定値以下の低レベルで変動して
いる場合には、不感帯要素12の働きによってPID調
節計13への入力信号がでないようになされている。こ
の結果、PID調節計13からの出力も変化せず、モー
ルド内への流入流量も変化しないので、湯面の波打ちが
抑制されることになる。
【0030】一方、ノズル詰まりによる流入流量の突発
変位や、引抜き速度の変化などの大きな外乱が生じた場
合等、湯面変動が一定値以上になると、不感帯要素12
の働きによってPID調節計13への入力信号が増加
し、制御出力が大きくなって、過大な湯面変動が抑制さ
れることになる。
【0031】また、図2は上記した図1に示した制御ブ
ロックにおいて、湯面の偏差信号を整流回路16で整流
した後に遅れ要素17に入力し、この遅れ要素17で湯
面レベルの平均的な振幅を求めた後、求めた平均的な振
幅値を関数発生器18に入力して関数発生器18からの
出力で不感帯要素12における不感帯の幅を変更できる
ようにしたものである。
【0032】このような図2に示す制御ブロックによれ
ば、湯面の波打ちが比較的小さい場合には不感帯の幅を
波打ちの振幅より高めに設定しておき、湯面の変動量が
少しでも不感帯の幅を超えた場合には、ストッパー制御
器14に制御信号を出力し、湯面の変動を抑制する。逆
に、湯面の波打ちが比較的大きい場合には、不感帯の幅
を大きめに設定しておき、必要以上に制御信号を出力し
て波打ちを更に助長することのないようにする。
【0033】図3は図1や図2に示したフィードバック
制御系以外に、外部からの補償制御系、例えばフィード
フォワード補償装置19を備えたもので、本発明ではこ
のフィードフォワード補償装置19からの制御出力を、
前記した図1や図2に示した不感帯要素12とは別の例
えば不感帯要素20に入力し、この不感帯要素20から
の制御出力を補償出力として使用するようにしている。
なお、前記不感帯要素20では、フィードフォワード補
償装置19からの制御出力が小さい場合には制御ゲイン
を零にして、制御出力が出ないようにする。
【0034】ところで、前記フィードフォワード補償装
置19としては、オシレーション補償や引抜き速度(V
C)補償、外乱オブザーバ補償等いろいろな種類のもの
が適用可能であるが、図3(b)では、目標湯面レベル
信号と、ストッパー制御器21からの制御信号に基づく
流量特性22と、この流量特性22から得られるノズル
の流量と、実機の湯面特性23により得られる湯面検出
値に基づいて演算器24で外乱流量を推定し、この推定
値をPID調節計13からの制御出力から差し引く外乱
オブザーバ補償を採用した例を示している。なお、図3
(b)中の25は関数発生器である。
【0035】このような、フィードフォワード制御で
は、実測された湯面レベル信号を用いてフィードバック
制御する方式でないため、制御の安定性を損なうことな
く応答性を改善できるものの、何らかの推定演算を行っ
ていることから、補償量が適正でないとかえって湯面の
変動を助長する場合がある。特に外乱オブザーバ制御の
場合、湯面変動から外乱を推定するループを有している
ので、ノイズあるいは湯面の波打ち等による検出値の変
動があると、これを外乱の影響と見做して制御出力を出
し、湯面の変動を更に助長する弊害がある。
【0036】しかしながら、図3に示した本発明では、
フィードフォワード補償装置19の制御信号を不感帯要
素20等の非線形要素に入力することで、不用な出力を
抑制することができる。
【0037】ちなみに、連続鋳造設備に実際に溶鋼を鋳
込み、縦210mm、横1500mmのサイズの鋳片を
1.0mpmの引抜き速度で製造した際に、図1に示し
た制御ブロックを用いた本発明方法(不感帯の幅:±
2.0mm)と、従来のPID制御による一般的な制御
方法により、モールド内の湯面を制御した。その場合の
湯面変動を示したのが図5である。
【0038】波打ちによる短周期変動があった際に、従
来方法によれば、図5(b)に示すように、制御を開始
した時点で波打ちが助長されていることが判る。これに
対して、本発明では、図5(a)に示すように、制御の
入り、切りによる波打ちの変化はほとんど見られなかっ
た。なお、図5は鋳片引抜き速度等の条件を一定とした
状態で、湯面の波打ちが生じている時に、制御の入り、
切りを行った場合の結果である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る連続
鋳造機における湯面レベル制御方法では、湯面の微小な
波打ちが生じている場合に、不感帯、その他の非線形補
償要素によって必要以上に制御出力が出されるのを抑制
できるので、過大な制御出力による波打ちの助長を軽減
することができる。また、外乱その他の影響で湯面レベ
ルが大きく変動した場合には、それに対応して必要な制
御出力が出されるので、従来と同等の制御性能が得られ
る。さらに、湯面レベルの変動幅が特に大きい場合にあ
っては非線形要素の勾配を大きくしておけば、従来以上
に高速応答が得られる。
【0040】すなわち、本発明に係る連続鋳造機におけ
る湯面レベル制御方法によれば、波打ちに対する感度は
最大限低く抑えつつ、外乱による大きな湯面変動に対し
ては高応答性を確保することができるので、連続鋳造機
におけるモールド内溶融金属の湯面レベル制御を安定し
て、かつ、高応答に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明に係る連続鋳造機における湯面レ
ベル制御方法の制御ブロック図である。
【図2】図1の制御ブロック図において、非線形要素の
特性を湯面レベルの変動幅に応じて可変とした場合の図
である。
【図3】第2の本発明に係る連続鋳造機における湯面レ
ベル制御方法の制御ブロック図であり、(a)は全体
図、(b)はフィードフォワード補償装置の制御ブロッ
ク図である。
【図4】本発明に係る連続鋳造機における湯面レベル制
御方法における非線形補償要素の例を示した図で、
(a)(b)は不感帯要素、(c)は非線形要素、
(d)は高次関数要素である。
【図5】鋳片引抜き速度等の条件を一定とした状態で、
湯面の波打ちが生じている時に、制御の入り、切りを行
った場合の湯面変動を示す結果で、(a)は本発明方
法、(b)は従来方法を適用した場合を示す。
【図6】特開平4−262825号で提案された湯面レ
ベル制御方法の制御ブロック図である。
【図7】特開平3−164247号で提案された湯面レ
ベル制御方法の制御ブロック図である。
【図8】実開昭63−66553号に開示された湯面レ
ベル制御方法の制御ブロック図である。
【符号の説明】
11 湯面レベル計 12 不感帯要素 13 PID調節計 14 ストッパー制御器 15 湯面特性 16 整流回路 17 遅れ要素 18 関数発生器 19 フィードフォワード補償装置 20 不感帯要素 24 演算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造機のモールド内における溶融金
    属の湯面レベルを検出し、湯面レベル設定値との偏差に
    応じてモールドへの溶融金属の流入流量を調節し、湯面
    レベルを一定に保つ湯面レベル制御方法において、湯面
    レベル設定値と、湯面レベル検出値との偏差を、偏差の
    小さい時に低ゲイン特性となる非線形補償要素に入力
    し、この非線形補償要素の制御出力を、前記偏差に応じ
    て変更するフィードバック制御することを特徴とする連
    続鋳造機における湯面レベル制御方法。
  2. 【請求項2】 連続鋳造機のモールド内における溶融金
    属の湯面レベルを検出し、湯面レベル設定値との偏差に
    応じてモールドへの溶融金属の流入流量を調節し、湯面
    レベルを一定に保つために、フィードバック制御系以外
    に外部からの補償制御を行う湯面レベル制御方法におい
    て、湯面レベル設定値と、湯面レベル検出値との偏差
    を、偏差の小さい時に低ゲイン特性となる非線形補償要
    素に入力し、この非線形補償要素の制御出力を、前記偏
    差に応じて変更するフィードバック制御すると共に、前
    記フィードバック制御系以外の補償制御の制御出力を、
    別の非線形補償要素に入力した後に、この非線形補償要
    素の制御出力を、補償出力として使用することを特徴と
    する連続鋳造機における湯面レベル制御方法。
  3. 【請求項3】 非線形補償要素は、不感帯、非線形、高
    次関数のいずれかであることを特徴とする請求項1又は
    2記載の連続鋳造機における湯面レベル制御方法。
  4. 【請求項4】 非線形補償要素の特性を、湯面レベルの
    変動幅の関数として与えることを特徴とする請求項3記
    載の連続鋳造機における湯面レベル制御方法。
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