JPH0531560A - 連続鋳造における湯面レベル制御方法 - Google Patents

連続鋳造における湯面レベル制御方法

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JPH0531560A
JPH0531560A JP21281591A JP21281591A JPH0531560A JP H0531560 A JPH0531560 A JP H0531560A JP 21281591 A JP21281591 A JP 21281591A JP 21281591 A JP21281591 A JP 21281591A JP H0531560 A JPH0531560 A JP H0531560A
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孝行 加地
Kazuya Asano
一哉 浅野
Kazuo Arai
和夫 新井
Masaki Takashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 あらゆる外乱に対して迅速且つ適切に対応し
て湯面レベルを常に安定に保つことができる連続鋳造に
おける湯面レベル制御方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 フィードバック制御ループ40が湯面レベル
実績値Lを湯面レベル目標値Lref に一致させるべく作
用し、外乱打消制御ループ50、52がアクチュエータ
46へ出力する指令値Uo と湯面レベル実績値L及び湯
面レベル制御モデルを用いて、フィードバック制御ルー
プ40でフィードバック制御しきれない外乱Qωの残差
量を推定し、この残差量を打消す補正信号Uc を指令値
Uo に加えてアクチュエータ46に出力する構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造における湯面
レベル制御方法に係り、特に、ストッパあるいはスラィ
デイングノズル等の溶融金属のモールドへの流入流量を
制御するアクチュエータを備えた連続鋳造機により、ス
ラブ、ビレット等の鋳片を連続的に製造する際に用いる
のに好適な、バルジングと呼ばれる非定常外乱や、速い
応答性が要求されるノズル詰まりやその剥離に対して
も、安定且つ良好な湯面レベル制御性を実現することが
でき、モールド内の湯面レベル変動を抑制することが可
能な湯面レベル制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融金属からスラブ、ビレット等の鋳片
を連続的に製造する連続鋳造機(以下、連鋳機と称す
る)は、例えば図3に示す如く構成されており、レード
ル12内の溶鋼10は、タンディッシュ14及びノズル
16を通って、モールド18に注入される。例えば水冷
されているモールド18内で表面層が凝固した溶鋼は、
ピンチロール20で引抜かれ、更に冷却されて凝固した
後に、カッタ22で所定の長さに切断され、鋳片24と
なって後方の圧延工程に送られる。
【0003】この連鋳機において、モールド18内の溶
鋼10の湯面レベルを安定に保つことは、良好な鋳片品
質を確保する上で極めて重要である。即ち、湯面レベル
の変動は、耐火物、溶融スラグ等の介在物の溶鋼中への
巻込みを生じ、凝固鋳片24の表皮部に捕捉されてピン
ホール発生や皮下介在物生成により欠陥をもたらした
り、不均一な抜熱による割れが生じたりする。従って、
一般に連続鋳造においては、モールド18内の湯面レベ
ルを検出する湯面レベル計26からの信号を受け、スト
ッパ28やスライディングノズル等を流量制御アクチュ
エータとした湯面レベル一定制御が行われている。特
に、最近の鋳造速度の高速化により、湯面レベル制御の
重要性は、ますます高まっている。
【0004】従来、湯面レベル制御は、例えば特開昭5
9−30460や特開昭63−192545に開示され
ているように、図4に示す如く、タンディッシュ14か
らモールド18への流路を絞ることにより流量を制御す
るアクチュエータである前記ストッパ28と、該ストッ
パ28を所望位置に制御するストッパ制御器30と、モ
ールド18内の湯面レベルを検出する前記湯面レベル計
26と、湯面レベル目標設定器32と、湯面レベルの目
標値と検出値を比較して、その偏差e を出力する比較器
34と、予め定められた制御パラメータにより、該偏差
e を零とするようなストッパ位置指令値u を演算して、
比例積分微分(PID)制御を行うPID調節計36
と、からなる湯面レベル制御系を用いて実施されるのが
一般的であった。
【0005】このような湯面レベル制御系の動作は、図
5に示す如くである。即ち、湯面レベル計26によって
湯面レベルLが検出され、比較器34によって湯面レベ
ルの目標値Lref と検出値Lの偏差 e(=Lref −L)
が算出され、この偏差e に基づいて、PID調節計36
がストッパ制御器30に対し、ストッパ位置指令値uを
送る。ストッパ制御器30は、該指令値u に従って、ス
トッパ28を所定位置に制御し、該ストッパ位置x (図
5の例では、ストッパ制御器30の出力自体)とモール
ドへ流入する溶鋼流量との関係を表わす流量ゲインGc
によって決まる溶鋼流量qを調節することにより、湯面
レベルLを制御している。即ち、常に湯面レベル検出値
Lを監視し、それをフィードバックして制御を行ってい
る。図5において、ディーQo /ディーV(Qo のVに
よる偏微分)は、鋳込み速度Vから、モールドから流出
する溶鋼流量Qo への影響係数を表わす。
【0006】モールドへの溶鋼流量を制御するアクチュ
エータとしては、スライディングノズルと称する丸い穴
の開いた板を2枚組合わせ、それらをスライドさせるも
のもあるが、基本的な制御方法はストッパの場合と同一
である。
【0007】実際の連鋳機においては、タンディッシュ
14の出口のノズル16内にアルミナが付着してノズル
詰まりが生じたり、その付着物が突然剥れたり、あるい
は、ストッパ28とタンディッシュ14の接触部付近へ
のアルミナの付着、ストッパ28やノズル16の溶損等
による外乱が生じる。このために、ストッパ開度からモ
ールドへ流入する流量への特性を表わす前記流量ゲイン
Gc が大きく変動する。又、連鋳機下方において、鋳片
24が、これを支持するピンチロール20間で膨張・収
縮を周期的に繰返すバルジングと称する非定常現象のた
めに、鋳片内の溶鋼が押し上げられ、湯面レベル変動を
引起こすことがある。しかしながら、これらの現象が生
じると、前記のような通常のPID制御系では対処する
ことができず、大きな問題となっていた。即ち、連続鋳
造における湯面レベルの制御モデルは、モ―ルドへの流
入流量が積分されて湯面レベルとなるため、積分が系の
特性を支配するモデルとなる。従って、微分動作が湯面
レベル維持に有効であるが、微分動作は一般にノイズの
影響を強く受けるため、希望する高いゲインを使用する
ことは困難であり、必ずしも単純なPID調節計だけで
は、安定で且つ良好な結果を得られなかった。
【0008】このような問題に対して、前記特開昭63
−192545においては、湯面レベル、ストッパ開度
及び鋳片鋳込み速度の各検出値を用いて推定した流量ゲ
イン推定値G1 を用いて、フィードバック制御手段の出
力 uの修正値 u′を次式により演算するゲイン補償手段
を備えている。
【0009】 u′=(K10/G1 ) u ………(1)
【0010】ここで、K10は正の定数である。
【0011】又、日本鉄鋼協会第117回(春季)講演
大会(平成元年4月4日〜6日)の予稿集第308頁の
講演番号245の講演に対する予稿(以下、CAMP−
ISIJ−245と表わす)においては、非定常バルジ
ングに起因する周期的な湯面レベル変動に対処するべ
く、渦流式レベル計の検出値から、湯面レベルの変動量
と周期を演算処理し、各々が設定範囲内である場合に湯
面変動を打消すように補正出力を算出し、これを湯面変
動の周期に合わせてPID調節計の出力に加算すること
によって、湯面レベル変動を安定化させるようにしたも
のが開示されている。
【0012】又、特公昭60−144では、交番電流で
駆動される励磁コイルと検知コイルを使用して、湯面レ
ベルの微分に相当するノズル内の流速を検出して湯面レ
ベル制御を行っており、この方法によれば、ノズル詰ま
りやノズル詰まりの剥離など、ノズル内の流量変化には
対処可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、流速測定であるため高い測定精度を得ることが
難しく、又、鋳片内の現象を起因とするバルジングに対
しては対処できない。更に、高温という測定環境の悪さ
に加えて、狭い空間での機器配置となるため、高い検出
精度や機器の長寿命は期待できないにも拘わらず、高価
な機器となってしまう等の問題点を有していた。
【0014】更に、前記のような湯面レベル制御方法で
は、いずれも、ノズル詰まりや剥離、非定常バルジング
等の前述したような様々な外乱の全てに統一的に対応す
ることはできず、湯面レベル変動は依然として残るとい
う問題点を有していた。
【0015】湯面レベル制御において、直接操作できる
量は溶鋼の流量であり、それがモールドに蓄積された
量、即ち積分量が制御したい湯面レベルの値となる。即
ち、もともと位相遅れの大きい系であるため、外乱の影
響が結果となって現われるのに時間がかかり、湯面レベ
ルの値だけを見てフィードバック制御をしているので
は、制御が後追いとなり、外乱の影響が大きく残るとい
う性質を持っている。例えば、ノズル内に付着したアル
ミナが突然剥離すると、流量ゲインGc が突発的に増加
し、モールド内に流入する流量は、図6の(A)に示す
如く、ステップ状に変化する。それに対して何も処置を
しないと、湯面レベルは、図6の(B)の如く、ランプ
状に上昇する。これに対する望ましい処置は、ストッパ
等の流量制御アクチュエータを、図6の(C)の如く、
ステップ状に操作して、外乱による流量変動を打消すこ
とであるが、PID制御系のようなフィードバック制御
系では、湯面レベルに変化が現われてから初めて処置が
行われるため、流量制御アクチュエータの操作は、図6
の(D)の如く緩慢なものとなり、図6の(E)に示す
如く、大きな湯面レベル変動をもたらすことになる。
【0016】前記特開昭63−192545において提
案されている湯面レベル制御装置は、このような流量ゲ
インの変動を推定してフィードバック制御出力を修正ゲ
イン補償手段を備えたことを特徴としているが、これが
有効に作用するのは、ノズル内にアルミナが付着してい
く過程等、流量ゲインの変化が極めて遅い場合だけであ
る。従って、たとえ補償手段を備えたにせよ、フィード
バック制御には変わりはなく、前述のような突発的な流
量ゲインの変動には、原理的に対処することが不可能で
ある。又、流量ゲイン変動以外の外乱、例えば非定常バ
ルジング等に対しては、この方法は通常のPID制御系
と何ら変わるところはないため、全く同等の制御性しか
持ち得ない。
【0017】一方、前記CAMP−ISIJ−245で
提案されている湯面レベル制御方法は、PID制御系と
は別に補正出力の算出手段を持つものであり、湯面レベ
ルを検出して、非定常バルジングに起因する周期変動分
の変動量と周期を算出し、これを湯面レベル変動の周期
に合わせてPID調節計の出力に加算することによっ
て、変動を打消そうとするものである。しかしながら、
この方法では、一旦制御が始まって湯面レベルの周期変
動が減少してしまうと、湯面レベルだけを測定していた
のでは非定常バルジングが一見収束したかのように観測
されるため、時々刻々の補正値を正確に算出できない場
合があるという問題が生じる。又、この方法では、非定
常バルジング以外の外乱には全く対処できないのは言う
までもない。
【0018】このように、従来の技術では、前述のよう
な様々な外乱の全てに対して有効な湯面レベル制御方法
はなく、そのために、湯面レベル変動は依然として大き
いまま残され、鋳片品質の低下を招いていた。
【0019】本発明は、前記従来の課題を解消するべく
なされたもので、バルジング等の非定常外乱や、速い応
答性が要求されるノズル詰まり、剥離に対しても、安定
且つ良好な湯面レベル制御性を実現して、湯面レベル変
動を抑制することが可能な、連続鋳造における湯面レベ
ル制御方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、溶融金属のモールドへの流入流量を制御
するアクチュエータを備えた連続鋳造機による鋳片の連
続鋳造に際して、フィードバック制御ループが、湯面レ
ベル実績値を湯面レベル目標値に一致させるべく作用
し、外乱残差打消制御ループが、前記フィードバック制
御がアクチュエータへ出力する指令値と湯面レベル実績
値及び湯面レベル制御モデルを用いて湯面レベル変動を
引き起す外乱のうち前記フィードバック制御ループで制
御(抑制)しきれない外乱の残差量を推定し、且つ該外
乱の残差量を打消すアクチュエータ指令値を前記指令値
の補正信号としてアクチュエータに出力することを特徴
とする。
【0021】
【作用】本発明の連続鋳造における湯面レベル制御方法
によれば、フィードバック制御ループが湯面レベル実績
値を湯面レベル目標値に一致されるべく作用する。
【0022】更に、外乱残差打消制御ループがアクチュ
エータに出力する指令値と湯面レベル実績値及び湯面レ
ベル制御モデルを用いてフィードバック制御しきれなか
った外乱の残差量を推定し、この推定値に基づいて外乱
の残差量を打消すアクチュエータ指令値を演算し、補正
信号としてアクチュエータに出力する。
【0023】従って、ノズル詰りやその剥離、非定常バ
ルジング等によって引き起される外乱はフィードバック
制御ループによってフィードバック制御され、フィード
バック制御しきれなかった外乱の残差量は外乱残差打消
制御ループの補正信号によって打消されるので、湯面レ
ベルは外乱の影響を受けることなく常に安定に保たれ
る。
【0024】
【実施例】次に、本発明に係る連続鋳造における湯面レ
ベル制御方法の実施例を図面に基づいて説明する。
【0025】図1は、本発明の実施例を示すブロック線
図であり、本実施例には前述した図3の連続鋳造機が適
用されている。
【0026】本実施例では、流入流量制御アクチュエー
タがストッパ28であり、湯面レベルフィードバック制
御がPI調節計40、ストッパ動特性46が一次送れ、
ストッパ位置実績値x とモールド18への流入流量q が
比例関係にあり(比例係数Gc (流量ゲイン))、モー
ルド内現象48が積分で表現される場合を例にとって説
明する。
【0027】図1中、34は湯面レベルの目標値Lref
と湯面レベル計26で検出した湯面レベル検出値Lとを
比較してその偏差e (Lref−L)を出力する比較器で
ある。
【0028】40は、比較積分(PI)制御を行うPI
調節計で、予め定められた制御パラメータ(比例ゲイン
Kp と積分時間TI )により、比較器34から入力した
偏差e を零にするようにストッパ28の位置を指令する
ストッパ位置指令値Uo を演算して加算器42に出力す
る。
【0029】このPI調節計40により湯面レベル検出
値Lを湯面レベル目標値Lref に一致させるべく作用す
るフィードバック制御ループが形成されるが、本実施例
は、更に外乱残差演算器50と補正信号演算器52とで
構成される外乱残差打消制御ループを内包している。
【0030】外乱残差演算器50は、PI調節計40か
ら入力したストッパ位置指令値Uoと湯面レベル検出値
LとからPI調節計40だけではフィードバック制御し
きれない外乱Qωの残差量γωを推定して、この外乱残
差量の推定値γωハットを補正信号演算器52に出力す
るものである。
【0031】この外乱残差演算器50では、湯面レベル
変動をPI調節計40でフィードバック制御しきれなか
った外乱の残差に起因すると仮定し、次のような制御モ
デルによって外乱の残差量の推定値γωハットを演算す
る。
【0032】外乱残差量γωが生じない場合には、スト
ッパ位置指令値Uo と湯面レベル検出値Lは、状態方程
【数1】 で表現される。ここで、d /dtは微分演算子である。
【0033】外乱残差演算器50は、PI調節計40か
ら入力したストッパ位置指令値Uoから(2)式により
湯面レベルLを算出する。
【0034】算出された湯面レベルLは湯面レベル推定
値Lハットであり、外乱残差演算器50はこの湯面レベ
ル推定値Lハットと湯面レベル計26を介して入力した
湯面レベル検出値Lとの差を式
【数2】 に代入して外乱残差量推定値γωハットを算出し、補正
信号演算器52に出力する。ここで、g1、g2、g3は定数
である。
【0035】補正信号演算器52は、外乱残差演算器5
0からの外乱残差量推定値γωハットに補正係数−Kを
乗じてストッパ補正信号Uc を加算器に出力するもので
ある。即ち、補正信号演算器52から出力されるストッ
パ補正信号Uc は、式
【数3】 で示される。
【0036】加算器42は、ストッパ位置指令値Uo と
ストッパ補正信号Uc とを加算して、総ストッパ位置指
令値u として出力する。
【0037】46は加算器42からの総ストッパ位置指
令値u によって制御されるストッパ28の動特性を示
し、総ストッパ位置指令値u によって制御されたストッ
パ28の実際の位置がストッパ位置実績値x として出力
される。
【0038】47はモールド18の流量特性を示し、ノ
ズル16からモールド18に流入する溶鋼10の流入流
量q はストッパ動特性46で決定されるストッパ位置実
績値x と比例関係(比例係数は流量係数Gc )を保つよ
うになっている。
【0039】44は、外乱が生じた場合に、その外乱Q
ωが流入流量q に加わって、その総流入流量Qの溶鋼1
0がモールド18に流入することを示す加算器である。
【0040】48は、総流入流量Qの溶鋼10が流入さ
れたモールド18内の現象を示し、湯面レベルLは総流
入流量Qによって決定される。ここで、Aはモールド1
8の断面積、Sはラプラス演算子である。
【0041】次に、本実施例の作用について説明する。
【0042】湯面レベル計26で検出れさた溶鋼10の
湯面レベル検出値Lと湯面レベル目標値Lref とが比較
器34で比較されて、その偏差e がPI調節計40に入
力され、PI調節計40から偏差e を零とするようなス
トッパ位置指令値Uo が加算器42に出力される。
【0043】ノズル詰り等による外乱Qωが生じている
場合には、PI調節計40だけでフィードバック制御し
ても、外乱Qωが残るので、湯面レベルを安定に保つこ
とはできない。
【0044】かかる事態に対処すべく、外乱残差演算器
50がPI調節計40からのストッパ位置指令値Uo と
湯面レベル検出値Lとを入力し、前記(2)式と(3)
式のモデルに従って外乱残差量推定値γωハットを算出
して、補正信号演算器52に出力し、補正信号演算器5
2がストッパ補正信号Uc を加算器42に出力する。
【0045】従って、加算器42からはストッパ動特性
46に対してストッパ位置指令値Uo にストッパ補正信
号Uc が加算された総ストッパ位置指令値u が出力され
る。
【0046】その結果、ストッパ28がノズル詰り、剥
離及び非定常バルジング等による外乱Qωの残差量γω
を打消すような位置に制御されて、流量特性47及びモ
ールド内現象48が外乱残差量γωを打消すような特性
及び現象を示すことになる。
【0047】従って、ストッパ28が総ストッパ位置指
令値u によって制御される結果、ノズル16からモール
ド18内に流入された溶鋼10の湯面レベルはあらゆる
外乱Qωに対して安定した値を持つことになる。
【0048】図2は、本実施例による制御特性と従来例
の制御特性とを比較したものであり、本実施例の制御方
法による湯面レベル変動量は従来の制御方法による湯面
レベル変動量の3分の1であった。
【0049】このように、本実施例の制御方法は、PI
調節計40だけではフィードバック制御しきれない外乱
の残差量を外乱残差演算器50と補正信号演算器52と
で演算した外乱残差量推定値γωハットで打消すもの
で、あらゆる外乱に対して迅速且つ適切に対応してモー
ルド18内の湯面レベルを常に安定に保つことができ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の連続
鋳造における湯面レベル制御方法によれば、フィードバ
ック制御しきれなかった外乱の残差量が推定され、この
残差量を打消す補正信号がアクチュエータに出力される
ので、あらゆる外乱に対して迅速且つ適切に対応して湯
面レベルを常に安定に保つことができ、その結果、良好
な鋳片品質を保つことができると共に品質欠陥の発生を
防止して歩留りの向上を図ることができるという優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る連続鋳造における湯面レ
ベル制御方法の実施例の構成を示すブロック線図であ
る。
【図2】図2は、実施例による応答と従来例の応答とを
比較して示す線図である。
【図3】図3は、本発明が適用される連続鋳造機の一例
の構成を示す全体図である。
【図4】図4は、従来の湯面レベル制御装置の構成を示
す全体図である。
【図5】図5は、図4の装置を伝達関数で表したブロッ
ク線図である。
【図6】図6は、ノズル内の付着物が剥離した場合の湯
面レベル変動の一例を示す線図である。
【符号の説明】
10…溶鋼、 14…タンディッシュ、 16…ノズル、 18…モールド、 24…鋳片、 26…湯面レベル計、 L…湯面レベル検出値(湯面レベル実績値)、 28…ストッパ(アクチュエータ)、 x …ストッパ位置実績値、 Lref …湯面レベル目標値、 34…比較器、 40…PI調節計、 Uo …ストッパ位置指令値(指令値)、 u …総ストッパ位置指令値、 42、44…加算器、 46…ストッパ動特性、 47…流量特性、 48…モールド内現象、 50…外乱残差演算器、 Qω…外乱、 γωハット…外乱残差量の推定値、 52…補正信号演算器、 Uc …ストッパ補正信号(補正信号)、 q …流入流量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 和夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 高士 昌樹 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 田中 修二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】溶融金属のモールドへの流入流量を制御す
    るアクチュエータを備えた連続鋳造機による鋳片の連続
    鋳造に際して、 フィードバック制御ループが、湯面レベル実績値を湯面
    レベル目標値に一致させるべく作用し、 外乱残差打消制御ループが、前記フィードバック制御が
    アクチュエータへ出力する指令値と湯面レベル実績値及
    び湯面レベル制御モデルを用いて湯面レベル変動を引き
    起す外乱のうち前記フィードバック制御ループで制御
    (抑制)しきれない外乱の残差量を推定し、 且つ該外乱の残差量を打消すアクチュエータ指令値を前
    記指令値の補正信号としてアクチュエータに出力するこ
    とを特徴とする連続鋳造における湯面レベル制御方法。
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Cited By (4)

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