JPH0773778B2 - 連続鋳造における湯面レベル制御方法及び装置 - Google Patents

連続鋳造における湯面レベル制御方法及び装置

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JPH0773778B2
JPH0773778B2 JP7586790A JP7586790A JPH0773778B2 JP H0773778 B2 JPH0773778 B2 JP H0773778B2 JP 7586790 A JP7586790 A JP 7586790A JP 7586790 A JP7586790 A JP 7586790A JP H0773778 B2 JPH0773778 B2 JP H0773778B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、連続鋳造における湯面レベル制御方法及び装
置に係り、特に、ストツパあるいはスライデイングノズ
ル等の溶融金属のモールドへの流入流量を制御するアク
チユエータを備えた連続鋳造機により、スラブ、ビレツ
ト等の鋳片を連続的に製造する際に用いるのに好適な、
ノズル詰まりやその剥離、非定常バルジング等の様々な
外乱に統一的に対処でき、モールド内の湯面レベル変動
を抑制することが可能な湯面レベル制御方法及び装置に
関するものである。
【従来の技術】
溶融金属からスラブ、ビレツト等の鋳片を連続的に製造
する連続鋳造機(以下、連続機と称する)は、例えば第
6図に示す如く構成されており、レールド12内の溶鋼10
は、タンデイツシユ14及びノズル16を通つて、モールド
18に注入される。例えば水冷されているモールド18内で
表面層が凝固した溶鋼は、ロール20で引抜かれ、更に冷
却されて凝固した後に、カツタ22で所定の長さに切断さ
れ、鋳片24となつて後方の圧延工程に送られる。 この連鋳機において、モールド18内の溶鋼10の湯面レベ
ルを安定に保つことは、良好な鋳片品質を確保する上で
極めて重要である。即ち、湯面レベルの変動は、耐火
物、溶融スラグ等の介在物の溶鋼中への巻込みを生じ、
凝固鋳片24の表皮部に捕捉されてピンホール発生や皮下
介在物生成により欠陥をもたらしたり、不均一な抜熱に
よる割れが生じたりする。従つて、一般に連続鋳造にお
いては、モールド18内の湯面レベルを検出する湯面レベ
ル計26からの信号を受け、ストツパ28やスライデイング
ノズル等を流量制御アクチユエータとした湯面レベル一
定制御が行われている。特に、最近の鋳造速度の高速化
により、湯面レベル制御の重要性は、ますます高まつて
いる。 従来、湯面レベル制御は、例えば特開昭63−192545に開
示されているように、第7図に示す如く、タンデイツシ
ユ14からモールド18への流路を絞ることにより流量を制
御するアクチユエータである前記ストツパ28と、該スト
ツパ28を所望位置に制御するストツパ制御器30と、モー
ルド18内の湯面レベルを検出する前記湯面レベル計26
と、湯面レベル目標設定器32と、湯面レベルの目標値と
測定値を比較して、その偏差eを出力する比較器34と、
予め定められた制御パラメータにより、該偏差eを零と
するようなストツパ位置指令値uを演算して、比例積分
微分(PID)制御を行うPID調節計36と、からなる湯面レ
ベル制御系を用いて実施されるのが一般的であつた。 このような湯面レベル制御系の動作は、第8図に示す如
くである。即ち、湯面レベル計26によつて湯面レベルL
が測定され、比較器34によつて湯面レベルの目標値Lref
と測定値Lの偏差e(=Lref−L)が算出され、この偏
差eに基づいて、PID調節計36がストツパ制御器30に対
し、ストツパ位置指令値uを送る。ストツパ制御器30
は、該指令値uに従つて、ストツパ28を所定位置に制御
し、該ストツパ位置x(第8図の零では、ストツパ制御
器30の出力自体)とモールドへ流入する溶鋼流量との関
係を表わす流量ゲインGによつて決まる溶鋼流量qを調
節することにより、湯面レベルLを制御している。即
ち、常に湯面レベル測定値Lを監視し、それをフイード
バツクして制御を行つている。なお、第8図において、
qwは以下に述べる外乱による流量変動を表わす。 モールドへの溶鋼流量を制御するアクチユエータとして
は、スライデイングノズルと称する丸い穴の開いた板を
2枚組合わせ、それらをスライドさせるものもあるが、
基本的な制御方法はストツパの場合と同一である。 実際の連鋳機においては、タンデイツシユ14の出口のノ
ズル16内にアルミナが付着してノズル詰まりが生じた
り、その付着物が突然剥れたり、あるいは、ストツパ28
とタンデイツシユ14の接触部付近へのアルミナの付着、
ストツパ28やノズル16の溶損等が生じる。このために、
モールドへ流入する流量が大きく変動する。又、連鋳機
下方において、鋳片24が、これを支持するロール20間で
膨張・収縮を周期的に繰返す非定常バルジングと称する
現象のために、鋳片内の溶鋼が押し上げられ、湯面レベ
ル変動を引起こすことがある。しかしながら、これらの
現象が生じると、前記のような通常の湯面レベル偏差に
よるPID制御系では対処することができず、大きな問題
となつていた。 又、流量ゲインGの変動に対しては、前記特開昭63−19
2545において、湯面レベル、ストツパ開度及び鋳片鋳込
み速度の各測定値を用いて推定した流量ゲイン推定値G1
を用いて、フイードバツク制御手段の出力uの修正値
u′を次式により演算するゲイン補償手段を備えた湯面
レベル制御装置が提供されている。 u′=(K10/G1)u ……(1) ここで、K10は正の定数である。 又、具体的な流量ゲインの推定方法としては、鋳込み速
度変化による流出流量変化量とストツパ開度変化量から
推定する方法や、前記特公昭63−16219のように、現鋳
込み速度に見合つた流量と実開度からストツパ実流量特
性を推定する手段を用いて流量ゲインを推定する方法等
があるが、いずれも湯面レベルが安定しているときに限
定され、例えばノズル詰まりが剥離し、急激に湯面レベ
ルが上昇する場合のように、流入流量と流出流量が等し
くない過渡状態では適用できない等、制約が多い。又、
この方法では流量ゲインGの変動以外の原因によつて生
じる湯面レベル変動には対処できないことは言うまでも
ない。 又、たとえ流量ゲインGの推定が行えたとしても、構造
的にはPID制御系と変わるところはなく、以下のような
本質的な問題を持つている。 湯面レベル制御において、直接操作できる量は溶鋼の流
量であり、それがモールドに蓄積された量、即ち積分量
が制御したい湯面レベルの値となる。即ち、もともと位
相遅れの大きい系であるため、外乱の影響が結果となつ
て現われるのに時間がかかり、湯面レベルの値だけを見
てフイードバツク制御をしているのでは、制御が後追い
となり、外乱の影響が大きく残るという性質を持つてい
る。例えば、ノズル内に付着したアルミナが突然剥離す
ると、モールド内に流入する流量は、第9図(A)に示
す如く、ステツプ状に変化する。それに対して何も処置
をしないと、湯面レベルは、第9図(B)の如く、ラン
プ状に上昇する。これに対する望ましい処置は、ストツ
パ等の流量制御アクチユエータを、第9図(C)の如
く、ステツプ状に操作して、外乱による流量変動を打消
すことであるが、PID制御系のようなフイードバツク制
御系では、湯面レベルに変化が現われてから初めて処置
が行われるため、流量制御アクチユエータの操作は、第
9図(D)の如く緩慢なものとなり、第9図(E)に示
す如く、大きな湯面レベル変動をもたらすことになる。 前記のような従来の湯面レベル偏差によるPID制御系で
の問題は、このような制御対象自体の性質に依存してい
るため、PID制御の改良だけでは、原理的に問題の解決
は不可能である。 このような問題に対して、特公昭60−144では、交番電
流で駆動される励磁コイルと検知コイルを使用し、鋳湯
をモールド内に注入するノズル内の流速を検出し、該流
速検出値と設定流速値との偏差に基づいてモールドへ流
入する注湯量を制御することにより、モールド内の湯面
レベルを設定レベルに保持する湯面レベル制御装置が開
示されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような湯面レベル制御方法では、
いずれも、ノズル詰まりや剥離、非定常バルジング等の
前述したような様々な外乱の全てに統一的に対応するこ
とはできず、湯面レベル変動は以前として残るという問
題点を有していた。 即ち、前記特公昭60−144で開示されている湯面レベル
制御装置では、モールドに流入する流量だけを検出して
いるため、前記非定常バルジングや鋳込み速度変動な
ど、モールドから流出する流量の変動による湯面レベル
変動には対処できず、又、精度良く流量を測定するに
は、環境対策、較正方法、メンテナンス等の問題があ
り、そのために多くのコストもかかる。 このように、従来の技術では、前述のような様々な外乱
の全てに対して有効な湯面レベル制御方法はなく、その
ために、湯面レベル変動は依然として大きいまま残さ
れ、鋳片品質の低下を招いていた。 本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたも
ので、ノズル詰まりやその剥離、非定常バルジング等の
様々な外乱に統一的に対処でき、湯面レベル変動を抑制
することが可能な、連続鋳造における湯面レベル制御方
法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を達成するための手段】
本発明は、溶融金属のモールドへの流入流量を制御する
アクチユエータを備えた連続鋳造機による鋳片の連続鋳
造に際して、第1図にその要旨を示す如く、モールド内
の湯面ノズル測定値、及び前記流量制御アクチユエータ
の位置の測定値又は指令値のうち、少なくとも湯面ノズ
ル測定値から、モールドへ流入、流出する溶融金属の流
量バランスの崩れによる流量変動を推定し、該推定した
流量変動推定値をフイードバツクして前記流量制御アク
チユエータを操作することにより、前記課題を達成した
ものである。 又、前記流量変動推定値をフイードバツクして流量制御
アクチユエータを操作するに際し、該流量変動推定値が
目標流量値と一致するように前記流量アクチユエータを
操作すると共に、モールド内湯面ノズルが所定値となる
よう前記目標流量値を変更するようにしたものである。 又、前記流量変動推定値をフイードバツクして流量制御
アクチユエータを操作するに際し、モールド内湯面レベ
ルの目標値と測定値の偏差に基づく前記流量制御アクチ
ユエータの操作量に、前記流量変動に係数を乗じたもの
を加算し、該加算後の操作量に基づいて前記流量制御ア
クチユエータを操作するようにしたものである。 又、溶融金属のモールドへの流量流量を制御するアクチ
ユエータを備えた連続鋳造機に適用される湯面レベル制
御装置において、モールド内の湯面レベルを測定する湯
面レベル計と、前記湯面レベル計の測定値、及び前記流
量制御アクチユエータ位置の測定値又は指令値から、モ
ールドへ流入、流出する溶融金属の流量バランスの崩れ
による流量変動を推定する流量変動推定器と、該推定し
た流量変動推定値が目標流量値と一致するように前記流
量制御アクチユエータの操作量を算出する流量制御器
と、モールド内湯面レベルの測定値が目標値と一致する
ように前記目標流量値を算出する湯面レベル制御器と、
前記流量制御アクチユエータの操作量に基づいて前記流
量制御アクチユエータを制御するアクチユエータ制御系
と、を備えることにより、前記課題を達成したものであ
る。 又、溶融金属のモールドへの流量流量を制御するアクチ
ユエータを備えた連続鋳造機に適用される湯面レベル制
御装置において、モールド内の湯面レベルを測定する湯
面レベル計と、前記湯面レベル計の測定値、及び前記流
量制御アクチユエータの位置の測定値又は指令値から、
モールドへ流入、流出する溶融金属の流量バランスの崩
れによる流量変動を推定する流量変動推定器と、該推定
した流量変動推定値にフイードバツクゲインを乗じて流
量フイードバツク信号を出力する流量フイードバツクゲ
イン乗算器と、モールド内湯面レベルの測定値が目標値
と一致するように前記流量制御アクチユエータの操作量
を算出する湯面レベル制御器と、該湯面レベル制御器の
出力と前記流量フイードバツク信号を加算して前記操作
量を補正する加算器と、該補正後の操作量に基づいて前
記流量制御アクチユエータを制御するアクチユエータ制
御系と、を備えることにより、同じく前記課題を達成し
たものである。
【作用及び効果】
本発明者等は、前述のような様々な外乱による湯面レベ
ル変動をモールドへ流入、流出する溶融金属の流量バラ
ンスの崩れによる流量変動に帰着させ、その流量変動を
推定し、それをフイードバツクして流量制御アクチユエ
ータを操作するという新規な方法により、あらゆる外乱
に対処できる湯面レベル制御方法を考案したものであ
る。 即ち、湯面レベルはモールドに流入する流量とモールド
から流出する流量の差が積分された分だけ変動する。そ
の差が流量バランスの崩れであり、これが零であれば湯
面レベルは変動しない。この流入流量の変動をもたらす
外乱には、ノズル詰まりやその剥離、ストツパ溶損等が
ある。又、流出流量の変動をもたらす外乱には、非定常
バルジングや鋳込み速度変動等がある。 流量変動は上記のように、湯面レベルの微分値であり、
従来の湯面レベル偏差に基づくフイードバツク系の内部
に新たに流量変動のフイードバツクループを設けること
ができれば、外乱の影響が湯面レベルに大きく現れる前
に、その流量変動を吸収してしまうことができる。これ
を流量ゲイン変動について言えば、流量ゲインのよう
な、制御性に直接影響を与えるパラメータに対して、該
パラメータの前後にフイードバツクループを付加して、
該パラメータ変動による制御性への影響度を小さくする
ことに相当する。 しかしながら、従来は、流量変動を検知する有効な方法
がなかつたため、上記方法を用いることができなかつ
た。これに対して本発明では、モールド内の湯面レベル
測定値、及び流量制御アクチユエータの位置の測定値又
は指令値のうち、少くともモールド内の湯面レベル測定
値を用いて流量変動を推定し、該推定した流量変動をフ
イードバツクして流量制御アクチユエータを操作するこ
とにより、前記の流量変動のフイードバツクループの構
築を達成している。具体的なフイードバツクの手段とし
ては、該流量変動量が目標流量と一致するようなマイナ
ーループにより前記流量制御アクチユエータを操作する
と共に、モールド内湯面レベルが所定値になるように前
記目標流量を変更するようにしたものである。又、モー
ルド内湯面レベルの目標値と測定値の偏差に基づく前記
流量制御アクチユエータの操作量に、前記流量変動に係
数を乗じたものを加算し、該加算語の操作量に基づいて
前記流量制御アクチユエータを操作するようにしたもの
である。 このように、本発明では、ノズル詰まりやその剥離及び
流量ゲイン変動や非定常バルジング等、性質の異なる様
々な外乱が引きおこすモールドへ流入、流出する溶融金
属の流量バランスの崩れによる流量変動の形でとらえ、
それを正確に推定して流量のフイードバツク制御を行つ
ているので、あらゆる外乱に迅速に対処可能であり、湯
面レベルを常に安定に保つことができる。従つて、良好
な鋳片品質を保つことが可能となり、又、歩留りも向上
することができる。
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明を流量制御アクチユエー
タとしてストツパが用いられた連鋳機に適用した実施例
を詳細に説明する。 本発明の第1実施例に係る湯面レベル制御装置の構成を
第2図に示す。この装置は湯面レベル制御系40を有し、
この制御系40は、第2図に示す如く、湯面レベル目標値
Lrefと例えば湯面レベル計26を用いて検出される湯面レ
ベル測定値Lとを比較するための比較器42と、該比較器
42の出力に応じて流量目標値Qrefを算出する湯面レベル
制御部44と、該湯面レベル制御部44の出力の流量目標値
Qrefと後出の流量変動演算部50によつて算出される流量
変動測定値 とを比較する比較器46と、該比較器46から入力される流
量の目標値Qrefと推定値 の誤差に応じて、目標値Qrefと推定値 を一致させるようにストツパ制御器30にストツパ位置指
令値uを出力する流量制御部48と、該流量制御部48出力
のストツパ位置指令値u(又はストツパ制御器30による
ストツパ位置実績値x)及び湯面レベル測定値Lに応じ
て、流量変動推定値 を演算する流量変動演算部50とから構成されている。 なお、ここでは簡単のため、湯面レベル計26は湯面レベ
ルを時間遅れなく測定できるものとし、その特性(伝達
関数)を1としている。 以下、第1実施例の作用を説明する。 本実施例は、溶融金属のモールドへの流入流量を制御す
るアクチユエータとノズルを備えた、例えば第2図に示
したような連続鋳造機による鋳片の連続鋳造に際して、
モールドへ流入、流出する流量変動を、前記流量制御ア
クチユエータ(ストツパ)からモールドへ流入する流入
流量と、ノズル詰まり、ノズル溶損の影響による外乱流
量の加算量とし、該加算後の流量変動が積分されてモー
ルドの湯面レベルの変動分となるモデルを作成し、該モ
デルから予想される湯面レベルと実際の湯面レベルが一
致するように、両者の誤差を、該モデルにおける湯面レ
ベル、流入流量及び外乱流量の各項へ逐次フイードバツ
クする演算を行い、該演算過程において推定される流入
流量及び外乱流量から流量変動を推定し、該流量変動推
定値が目標流量値と一致するように前記流量アクチユエ
ータを操作すると共に、モールド内湯面レベルが所定値
となるよう前記目標流量値を変更するようにしたもので
ある。 以下、各構成要素の働きについて、数式を用いて具体的
に説明する。 前記比較器42は、湯面レベル測定値Lを湯面レベル目標
値Lrefと比較し、両者の差を湯面レベル制御部44へ入力
して、誤差を零とするような流量変動目標値Qrefを算出
する。一方、流量制御部48からストツパ制御器30への位
置指令値u(又はストツパ制御器30によるストツパ位置
実績値x)及び湯面レベル測定値Lを流量変動演算部50
へ入力して、流量変動推定値 を演算する。 この流量変動演算部50では、ストツパ制御器30への位置
指令値u及び湯面レベル測定値Lを入力とする場合に
は、(5)式の演算を行う。 但し、ストツパの指令値uの入力に対する、その作動の
変動制御特性を示すアクチユエータ制御モデルを一次遅
れとして(2)式で表わし、 dx/dt=−(1/T)・x+(1/T)u …(2) ストツパ位置の変動等に係わる、流入流量qの変動特性
(流量ゲイン)は、代表的なストツパ位置x0における値
として(3)式で表わし、 =(∂q/∂x)x=x0 …(3) 流量変動から、湯面レベルの変動制御特性を積分として
(4)式で表わした。 dL/dt=−(1/A)(+w) …(4) ここで、Aはモールド断面積、G1、G2、G3は湯面レベル
誤差の収束ゲイン、Tはストツパの動特性を表現する定
数、は流量ゲイン推定値である。 又、ストツパ位置実績値x及び湯面レベル測定値Lを入
力とする場合には、流量変動演算部50は、次式の演算を
行う。 この(5)式あるいは(6)式を逐次積分することによ
り、モールド内湯面レベル推定値と測定値Lをほぼ一
致させることができ、同時に各時点においてモールド内
へ流入するノズル詰まり、ノズル溶損の影響などによる
外乱流量推定値 及び(5)式の場合はモールドへの流入流量推定値も
求めることができる。 従つて、(5)式を使用する場合は次の(7)式によ
り、(6)式を使用する場合には次の(8)式により、
流量変動推定値 を求めることができる。 このようにして流量変動演算部50で算出された流量変動
推定値 は、比較器46においてその目標値Qrefと比較され、両者
の誤差が流量制御部48に入力されて、両者の誤差に基づ
いてストツパ位置が制御されて流入流量qが調整され、
湯面レベル測定値Lが一定に制御される。 即ち、本実施例は、湯面レベルを目標値に一致させるた
めのフイードバツクループの中に、流量バランスを目標
値に一致させるためのマイナー・ループを設けることに
より、応答性を高めたものである。 次に、本発明の第2実施例を詳細に説明する。 この第2実施例は、第3図に示す如く、第1実施例と同
様の湯面レベル制御装置において、流量制御部48に替え
て流量フイートバツクゲイン乗算器52を設けたもので、
比較器46はこの場合加算器として働き、流量フイードバ
ツクゲイン乗算器52からの流量フイードバツク信号の符
号を反転し、湯面レベル制御部44からの信号に加算する
働きをする。第2実施例では、流量変動演算部50によ
り、流量変動推定値 を得るまでの処理は第1実施例と同じであるが、得られ
た推定値 に対し、流量フイードバツクゲイン乗算器52でゲインKB
を乗じ、ストツパ位置指令値uを補正している点が異つ
ている。即ち、例えば、湯面レベル制御部44が、PI調節
器であり、KP(1+1/TI・S)(KPは比例ゲイン、TI
は積分時間)で表される場合は、ストツパ位置指令値u
は次式となる。 この(9)式は、モールド18に流入、流出する溶鋼流量
なる差が生じた場合、それに比例して流量制御アクチユ
エータを操作するという状態フイードバツク制御を意味
している。 ストツパ制御器30は、前記(9)式から求まるストツパ
位置指令値uに基づいて、ストツパ28の位置xを制御
し、モールド18へ流入する流量qを調節する。その結
果、外乱により、流量変動が生じても、その流量変動を
解消する方向にストツパ28が操作されるので、モールド
18内の湯面レベルは迅速に定常レベルに復帰する。従つ
て、湯面レベル測定値Lが一定に制御される。 以上詳述した本発明の構成においては、既設制御方法に
対する補正信号として付加できるため、設備改造が容易
であり、実機への適用に当り操業を阻害することなく、
現制御方法からの切替が可能であるという利点もある。 第4図は、ノズル詰まりが剥離した場合の湯面レベル制
御について、従来例及び本発明の第1実施例による制御
性能を数値実験により調べた結果を示したものである。
即ち、第4図は、2通りの流量ゲインG0(定数)、2G0
について、流量ゲイン補正を行わない場合の従来の制御
方法と本発明による制御方法の効果を比較したものであ
る。第4図から明らかな如く、従来の制御方法と比較し
て、本発明による制御方法においては、各段に速い応答
を現実すると共に、流量ゲインが2倍異つていても、良
好な制御性を保つていることがわかる。 第5図は、非定常バルジングにより、モールドから流出
する流量が正弦波状に変動した場合の従来のPI制御(第
5図(A))と本発明の第2実施例による制御(第5図
(B))の制御性能を数値実験により調べた結果を示し
たものである。変動の振幅は、定常状態における流量の
10%、周期は20秒とした。第5図(A)に示したPI制御
では、湯面レベルが変動してからストツパ位置が変更さ
れるため、制御が遅れてしまい、その結果、湯面レベル
が−4.57〜+5.65mmの範囲で変動し、変動幅は10.22mm
となる。これに対して、本発明による制御では、外乱が
湯面レベル変動に現われる前に、直接的に流量差の形で
捉えることができるので、迅速に対応することができ、
湯面レベル変動は、第5図(B)に示す如く、−1.14〜
+1.14mmで、変動幅は2.28mmとなり、従来のPI制御の場
合の22.3%に抑制されていることがわかつた。 なお、以上の説明では、湯面レベル計26の特性(伝達関
数)を1で近似したが、これを一次遅れ系等で表わし、
流量変動演算部50を構築するときにこの遅れを考慮する
ことも可能である。 又、前記実施例においては、流量制御アクチユエータと
してストツパが用いられており、ストツパ制御器に入力
される指令値uにより流入流量qを求めていたが、本発
明の適用範囲はこれに限定されず、流量制御アクチユエ
ータとしてスライデイングノズルを用いたものにも同様
に適用できる。 又、前記実施例において、流量変動演算部50において
は、注湯系のモデルを置き、そのモデルによる湯面ノズ
ルと実際の湯面レベルの誤差をモデルにフイードバツク
することにより該誤差を零に潮近させ、その演算過程に
おいて該モデルにおける流量変動をもつて流量変動の推
定を行つている。この方法は、湯面レベル測定値に含ま
れるノイズに対して強いという特徴を持ち、この点から
特に本発明に適用して好適である。しかし、本発明で
は、湯面レベルを良好な信号雑音比で測定することがで
きれば、前記のようにモデルを使わずに、湯面レベル測
定値だけを用いて流量変動を推定することもできる。雑
音が非常に少ない場合は、湯面レベル測定値の微分値か
ら流量変動を推定することができる。又、擬似微分、カ
ルマン・フイルタなど公知の技術により雑音の影響を軽
減した微分値を用いることもできる。 又、鋳込み速度変更のような確定的な要因による流量変
動については、別途フイードフオワードを制御行うこと
ができ、本発明はこのフイードフオワード制御を併用す
ることもできる。 本発明においては、鋳込み速度変更による流量バランス
の崩れも流量変動推定値に反映されるので、鋳込み速度
の情報は特に必要としない。しかし、鋳込み速度変更に
よる流量変動を別扱いとし、流量変動演算部50に鋳込み
速度の測定値あるいは指令値を与えて流量変動推定精度
を高めることも可能である。即ち、この場合は、流量変
動演算部50で用いる注湯系のモデルに鋳込み速度を考慮
し、鋳込み速度変更が流量変動に与える影響を除外して
流量変動を推定しておき、その後に確定的な流量変動と
して鋳込み速度変更による変動分を加算すればよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る連続鋳造における湯面レベル制
御方法の要旨を示す流れ図、 第2図は、本発明を実施するための湯面レベル制御装置
の第1実施例の構成を示すブロツク線図、 第3図は、前記湯面レベル制御装置の第2実施例の構成
を示すブロツク線図、 第4図は、ノズル内の付着物が剥離した場合の従来のPI
制御と本発明に係る制御の制御性能を比較した数値実験
結果を示す線図、 第5図は、非定常バルジングに対する従来のPI制御と本
発明に係る制御の制御性能を比較した数値実験結果を示
す線図、 第6図は、本発明が適用される連続鋳造機の一例の構成
を示す全体図、 第7図は、従来の湯面レベル制御装置の構成を示すブロ
ツク線図、 第8図は、第7図の装値を伝達関数で表わしたブロツク
線図、 第9図は、ノズル内の付着物が剥離した場合の湯面レベ
ル変動の一例を示す線図である。 10……溶鋼、 14……タンデイツシユ、 16……ノズル、 18……モールド、 26……湯面レベル計、 L……湯面レベル、 28……ストツパ、 30……ストツパ制御器、 x……ストツパ位置、 32……湯面レベル目標設定器、 Lref……湯面レベル目標値、 34……比較器、 36……PID調節計、 u……ストツパ位置指令値、 40……湯面レベル制御系、 42、46……比較器(加算器)、 44……湯面レベル制御部、 Qref……流量目標値、 48……流量制御部、 50……流量変動演算部、 q……流入流量、 qw……外乱流量、 Qd……流量変動、 52……流量フイードバツクゲイン乗算器。
フロントページの続き (72)発明者 鍋島 祐樹 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 田中 修二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属のモールドへの流入流量を制御す
    るアクチユエータを備えた連続鋳造機による鋳片の連続
    鋳造に際して、 モールド内の湯面レベル測定値、及び前記流量制御アク
    チユエータの位置の測定値又は指令値のうち、少くとも
    湯面レベル測定値から、モールドへ流入、流出する溶融
    金属の流量バランスの崩れによる流量変動を推定し、 該推定した流量変動推定値をフイードバツクして前記流
    量制御アクチユエータを操作することを特徴とする連続
    鋳造における湯面レベル制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記流量変動推定値を
    フイードバツクして流量制御アクチユエータを操作する
    に際し、 該流量変動推定値と目標流量値とが一致するように前記
    流量アクチユエータを操作すると共に、モールド内湯面
    レベルが所定値となるよう前記目標流量値を変更するよ
    うにした連続鋳造における湯面レベル制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記流量変動推定値を
    フイードバツクして流量制御アクチユエータを操作する
    に際し、 モールド内湯面レベルの目標値と測定値の偏差に基づく
    前記流量制御アクチユエータの操作量に、前記流量変動
    推定値に係数を乗じたものを加算し、 該加算後の操作量に基づいて前記流量制御アクチユエー
    タを操作するようにした連続鋳造における湯面レベル制
    御方法。
  4. 【請求項4】モールド内の湯面レベルを測定する湯面レ
    ベル計と、 前記湯面レベル計の測定値、及び流量制御アクチユエー
    タ位置の測定値又は指令値から、モールドへ流入、流出
    する溶融金属の流量バランスの崩れによる流量変動を推
    定する流量変動推定器と、 該推定した流量変動推定値が目標流量値と一致するよう
    に前記流量制御アクチユエータの操作量を算出する流量
    制御器と、 モールド内湯面レベルの測定値が目標値と一致するよう
    に前記目標流量値を算出する湯面レベル制御器と、 前記流量制御アクチユエータの操作量に基づいて前記流
    量制御アクチユエータを制御するアクチユエータ制御系
    と、 を備えたことを特徴とする連続鋳造における湯面レベル
    制御装置。
  5. 【請求項5】モールド内の湯面レベルを測定する湯面レ
    ベル計と、 前記湯面レベル計の測定値、及び流量制御アクチユエー
    タの位置の測定値又は指令値から、モールドへ流入、流
    出する溶融金属の流量バランスの崩れによる流量変動を
    推定する流量変動推定器と、 該推定した流量変動推定値にフイードバツクゲインを乗
    じて流量フイードバツク信号を出力する流量フイードバ
    ツクゲイン乗算器と、 モールド内湯面レベルの測定値が目標値と一致するよう
    に前記流量制御アクチユエータの操作量を算出する湯面
    レベル制御器と、 該湯面レベル制御器の出力と前記流量フイードバツク信
    号を加算して前記操作量を補正する加算器と、 該補正後の操作量に基づいて前記流量制御アクチエータ
    を制御するアクチユエータ制御系と、 を備えたことを特徴とする連続鋳造における湯面レベル
    制御装置。
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