JP2665260B2 - 連続鋳造におけるモールド内流入流量推定方法 - Google Patents
連続鋳造におけるモールド内流入流量推定方法Info
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- JP2665260B2 JP2665260B2 JP1283976A JP28397689A JP2665260B2 JP 2665260 B2 JP2665260 B2 JP 2665260B2 JP 1283976 A JP1283976 A JP 1283976A JP 28397689 A JP28397689 A JP 28397689A JP 2665260 B2 JP2665260 B2 JP 2665260B2
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Description
本発明は、連続鋳造におけるモールド内流入流量推定
方法に係り、特にストツパあるいはスライデングノズル
等の溶融金属のモールドの流入流量を制御する手段とノ
ズルを備えた連続鋳造機により、スラブ、ビレツト等の
鋳片を連続的に製造する際に用いるのに好適な、連続鋳
造プロセスにおける生産性及びモールド内湯面レベル制
御性は大きな影響を与えるモールド内流入流量変動を常
時推定することが可能なモールド内流入流量推定方法に
関するものである。
方法に係り、特にストツパあるいはスライデングノズル
等の溶融金属のモールドの流入流量を制御する手段とノ
ズルを備えた連続鋳造機により、スラブ、ビレツト等の
鋳片を連続的に製造する際に用いるのに好適な、連続鋳
造プロセスにおける生産性及びモールド内湯面レベル制
御性は大きな影響を与えるモールド内流入流量変動を常
時推定することが可能なモールド内流入流量推定方法に
関するものである。
溶融金属からスラブ、ビレツト等の鋳片を連続的に製
造する連続鋳造機(以下、連鋳機と称する)は、例えば
第5図に示す如く構成されており、レードル12内の溶鋼
10は、タンデイツシユ14及びノズル16を通つて、モール
ド18に注入される。例えば水冷されているモールド18内
で表面層が凝固した溶鋼は、ピンチロール20で引抜か
れ、更に冷却されて凝固した後に、カツタ22で所定の長
さに切断され、鋳片24となつて後方の圧延工程に送られ
る。 この連鋳機において、モールド18内の溶鋼10の湯面レ
ベルの変動は、耐火物、溶融スラグ等の介在物の巻込み
を生じ、凝固鋳片24でのピンホール発生や皮下介在物生
成をもたらすため、一般に連続鋳造においては、湯面レ
ベル検出器26からの信号を受け、ストツパ28やスライデ
イングノズル等の流量制御手段を操作端とした湯面レベ
ル一定制御が行われている。 この湯面レベル一定制御における主な湯面レベル変動
要因としては、ノズル詰まり、ノズル溶損あるいは鋳込
み速度変更があり、いずれもモールドにおける流入流量
と流出流量の流量バランスを乱すものである。従つて、
モールド内流量バランスの乱れを早期に検知又は推定で
きれば、前記湯面レベル一定制御による制御の遅れによ
つて、上記湯面レベル変動が大きくなる前に、流量バラ
ンスの乱れを迅速に修正することが可能となり、大きな
湯面レベル変動を未然に防止することができる。 従来技術においては、例えば特公昭60−144では、モ
ールド内に注入するノズルの外周面に巻装され、交番電
流で駆動される励磁コイル、及び、この励磁コイルを挾
んで上記励磁コイルに対して対称に前記ノズルにそれぞ
れ巻装された検知コイルを用いて、上記検知コイルに誘
起される各誘起電圧の差に基づいて前記ノズル内の鋳湯
の流速を検出し、該流速を用いたノズルからの流出量制
御を具備することにより、モールドにおける流量バラン
スを補償している。
造する連続鋳造機(以下、連鋳機と称する)は、例えば
第5図に示す如く構成されており、レードル12内の溶鋼
10は、タンデイツシユ14及びノズル16を通つて、モール
ド18に注入される。例えば水冷されているモールド18内
で表面層が凝固した溶鋼は、ピンチロール20で引抜か
れ、更に冷却されて凝固した後に、カツタ22で所定の長
さに切断され、鋳片24となつて後方の圧延工程に送られ
る。 この連鋳機において、モールド18内の溶鋼10の湯面レ
ベルの変動は、耐火物、溶融スラグ等の介在物の巻込み
を生じ、凝固鋳片24でのピンホール発生や皮下介在物生
成をもたらすため、一般に連続鋳造においては、湯面レ
ベル検出器26からの信号を受け、ストツパ28やスライデ
イングノズル等の流量制御手段を操作端とした湯面レベ
ル一定制御が行われている。 この湯面レベル一定制御における主な湯面レベル変動
要因としては、ノズル詰まり、ノズル溶損あるいは鋳込
み速度変更があり、いずれもモールドにおける流入流量
と流出流量の流量バランスを乱すものである。従つて、
モールド内流量バランスの乱れを早期に検知又は推定で
きれば、前記湯面レベル一定制御による制御の遅れによ
つて、上記湯面レベル変動が大きくなる前に、流量バラ
ンスの乱れを迅速に修正することが可能となり、大きな
湯面レベル変動を未然に防止することができる。 従来技術においては、例えば特公昭60−144では、モ
ールド内に注入するノズルの外周面に巻装され、交番電
流で駆動される励磁コイル、及び、この励磁コイルを挾
んで上記励磁コイルに対して対称に前記ノズルにそれぞ
れ巻装された検知コイルを用いて、上記検知コイルに誘
起される各誘起電圧の差に基づいて前記ノズル内の鋳湯
の流速を検出し、該流速を用いたノズルからの流出量制
御を具備することにより、モールドにおける流量バラン
スを補償している。
しかしながら、上記方法では、流速測定であるにもか
かわらず、高温の測定環境に加えてモールドからの振動
による影響を受けるため、高い測定精度を得ることが難
しく、又、連鋳機下方において、鋳片24がピンチロール
20間で膨張・収縮を周期的に繰返すバルジンクと呼ばれ
るモールド内で発生する外乱に対しては対処できない等
の問題点を有していた。 本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされた
もので、操業に大きな影響を与えるモールド内流入流量
を常時正確に推定することが可能な、連続鋳造における
モールド内流入流量推定方法を提供することを課題とす
る。
かわらず、高温の測定環境に加えてモールドからの振動
による影響を受けるため、高い測定精度を得ることが難
しく、又、連鋳機下方において、鋳片24がピンチロール
20間で膨張・収縮を周期的に繰返すバルジンクと呼ばれ
るモールド内で発生する外乱に対しては対処できない等
の問題点を有していた。 本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされた
もので、操業に大きな影響を与えるモールド内流入流量
を常時正確に推定することが可能な、連続鋳造における
モールド内流入流量推定方法を提供することを課題とす
る。
本発明は、溶融金属のモールドへの流入流量を制御す
る流量制御手段とノズルを備えた連続鋳造機による鋳片
の連続鋳造に際して、前記モールドへの総流入流量を、
該モールドへ流入する溶融金属の流量あるいはモールド
から流出する流量の変化をもたらす物理的な外乱が存在
しないときに、前記流量制御手段からモールドへ流入す
る流量で定義される基準流量と、ノズル詰まり、ノズル
溶損、鋳込み速度変化等の物理的な外乱によって生じる
流量で定義される外乱流量の加算量で表わし、前記流量
制御手段の指令値と流入流量との関係を表わす微分方程
式又は前記流量制御手段の実績値と流入流量との関係を
表わす代数式、前記外乱流量の動特性が従う微分方程
式、及び、前記流入流量と前記外乱流量との和と前記モ
ールド湯面レベルとの関係を表わす微分方程式を連立さ
せて解くことにより、前記外乱流量を推定するようにし
て、前記課題を達成したものである。 又、前記流量制御手段の指令値と流入流量との関係を
表わす微分方程式、前記外乱流量の動特性が従う微分方
程式及び前記流入流量と前記外乱流量との和と前記モー
ルド湯面レベルとの関係を表わす微分方程式のそれぞれ
の入力に、該流入流量と該乱流量との和とモールド湯面
レベルとの関係を表わす微分方程式の変数とモールド湯
面レベル実測値の差を加算することにより、モールド湯
面レベルの測定値と流量制御手段の指令値を入力とし、
流入流量、外乱流量及びモールド湯面レベルの各推定値
を出力とする状態観測器を構成し、該状態観測器に、逐
次モールド湯面レベルの測定値と流量制御手段の指令値
を入力し、状態観測器を構成する前記連立微分方程式を
解くことにより、前記外乱流量を推定するようにしたも
のである。 又、前記外乱流量の動特性が従う微分方程式及び前記
流入流量と前記外乱流量との和と前記モールド湯面レベ
ルとの関係を表わす微分方程式のそれぞれの入力に、該
流入流量と外乱流量との和とモールド湯面レベルとの関
係を表わす微分方程式の変数とモールド湯面レベル実測
値の差を加算することにより、モールド湯面レベルの測
定値と流量制御手段の実績値を入力とし、外乱流量及び
モールド湯面レベルの各推定値を出力とする状態観測器
を構成し、該状態観測器に、逐次モールド湯面レベルの
測定値と流量制御手段の実績値を入力し、状態観測器を
構成する前記連立微分方程式を解くことにより、前記外
乱流量を推定するようにしたものである。
る流量制御手段とノズルを備えた連続鋳造機による鋳片
の連続鋳造に際して、前記モールドへの総流入流量を、
該モールドへ流入する溶融金属の流量あるいはモールド
から流出する流量の変化をもたらす物理的な外乱が存在
しないときに、前記流量制御手段からモールドへ流入す
る流量で定義される基準流量と、ノズル詰まり、ノズル
溶損、鋳込み速度変化等の物理的な外乱によって生じる
流量で定義される外乱流量の加算量で表わし、前記流量
制御手段の指令値と流入流量との関係を表わす微分方程
式又は前記流量制御手段の実績値と流入流量との関係を
表わす代数式、前記外乱流量の動特性が従う微分方程
式、及び、前記流入流量と前記外乱流量との和と前記モ
ールド湯面レベルとの関係を表わす微分方程式を連立さ
せて解くことにより、前記外乱流量を推定するようにし
て、前記課題を達成したものである。 又、前記流量制御手段の指令値と流入流量との関係を
表わす微分方程式、前記外乱流量の動特性が従う微分方
程式及び前記流入流量と前記外乱流量との和と前記モー
ルド湯面レベルとの関係を表わす微分方程式のそれぞれ
の入力に、該流入流量と該乱流量との和とモールド湯面
レベルとの関係を表わす微分方程式の変数とモールド湯
面レベル実測値の差を加算することにより、モールド湯
面レベルの測定値と流量制御手段の指令値を入力とし、
流入流量、外乱流量及びモールド湯面レベルの各推定値
を出力とする状態観測器を構成し、該状態観測器に、逐
次モールド湯面レベルの測定値と流量制御手段の指令値
を入力し、状態観測器を構成する前記連立微分方程式を
解くことにより、前記外乱流量を推定するようにしたも
のである。 又、前記外乱流量の動特性が従う微分方程式及び前記
流入流量と前記外乱流量との和と前記モールド湯面レベ
ルとの関係を表わす微分方程式のそれぞれの入力に、該
流入流量と外乱流量との和とモールド湯面レベルとの関
係を表わす微分方程式の変数とモールド湯面レベル実測
値の差を加算することにより、モールド湯面レベルの測
定値と流量制御手段の実績値を入力とし、外乱流量及び
モールド湯面レベルの各推定値を出力とする状態観測器
を構成し、該状態観測器に、逐次モールド湯面レベルの
測定値と流量制御手段の実績値を入力し、状態観測器を
構成する前記連立微分方程式を解くことにより、前記外
乱流量を推定するようにしたものである。
ノズル詰まり、ノズル溶損等によるノズル開口面積の
変化の影響をノズル流量特性変化に含めて求める比較例
における湯面ノズルモデルを第6図に示す。このモデル
において、流量制御手段に入力された指令値により実現
したストツパ位置あるいはスライデイングノズル開度か
ら、ノズル詰まり、ノズル溶損等によるノズル開口面積
の変化の影響を含むノズル流量特性によつて、ノズルか
らモールドに流入する流量が決定される。そして、前記
流入流量が積分されて、モールド内湯面レベルLとな
る。 図において、30は、流量制御手段の動作特性を示すブ
ロツク、32は、ノズル流量特性を示すブロツク、34は、
流量差−湯面レベル特性を示すブロツク、Sは、ラプラ
ズ演算子である。 この第6図のモデルは、本発明により、第1図のよう
に構成することができる。即ち、ノズル流量特性は、ノ
ズル詰まり、ノズルの溶損等の影響を受けず、流量制御
手段の出力により一意的に決定され、ノズル詰まり等の
影響を受けて変化したノズル流量特性変化分及び鋳込み
速度変化分の流量が、外乱流量として外部から流入して
いると考えることができる。従つて、モールドの総流入
流量を、流量制御手段へ入力される指令値、あるいは、
この指令値により実現した流量制御手段の実績値(スト
ツパ位置、スライデイングノズル開度)によつて求めら
れる基準流量と、ノズル詰まり、ノズル溶損、鋳込み速
度変化等の影響による外乱流量の加算量とし、逐次、モ
ールド湯面レベルの測定値と流量制御手段の指令値又は
実測値に基づいて、例えば状態観測器により、外乱流量
を推定できる。 このようにして、モールドへ流入する流量の状況を常
時正確に推定することができるので、推定された外乱流
量を用いて外乱を迅速に打ち消す補償を行つたり、総流
入流量を一定にする補償を行うことにより、モールド内
湯面レベル制御における制御性を向上できると共に、湯
面レベル変動に伴つて発生する品質欠陥を防止すことが
できる。又、現有のセンサを用いての検出であるため、
設備導入コストが削減でき、メンテナンスも容易であ
る。
変化の影響をノズル流量特性変化に含めて求める比較例
における湯面ノズルモデルを第6図に示す。このモデル
において、流量制御手段に入力された指令値により実現
したストツパ位置あるいはスライデイングノズル開度か
ら、ノズル詰まり、ノズル溶損等によるノズル開口面積
の変化の影響を含むノズル流量特性によつて、ノズルか
らモールドに流入する流量が決定される。そして、前記
流入流量が積分されて、モールド内湯面レベルLとな
る。 図において、30は、流量制御手段の動作特性を示すブ
ロツク、32は、ノズル流量特性を示すブロツク、34は、
流量差−湯面レベル特性を示すブロツク、Sは、ラプラ
ズ演算子である。 この第6図のモデルは、本発明により、第1図のよう
に構成することができる。即ち、ノズル流量特性は、ノ
ズル詰まり、ノズルの溶損等の影響を受けず、流量制御
手段の出力により一意的に決定され、ノズル詰まり等の
影響を受けて変化したノズル流量特性変化分及び鋳込み
速度変化分の流量が、外乱流量として外部から流入して
いると考えることができる。従つて、モールドの総流入
流量を、流量制御手段へ入力される指令値、あるいは、
この指令値により実現した流量制御手段の実績値(スト
ツパ位置、スライデイングノズル開度)によつて求めら
れる基準流量と、ノズル詰まり、ノズル溶損、鋳込み速
度変化等の影響による外乱流量の加算量とし、逐次、モ
ールド湯面レベルの測定値と流量制御手段の指令値又は
実測値に基づいて、例えば状態観測器により、外乱流量
を推定できる。 このようにして、モールドへ流入する流量の状況を常
時正確に推定することができるので、推定された外乱流
量を用いて外乱を迅速に打ち消す補償を行つたり、総流
入流量を一定にする補償を行うことにより、モールド内
湯面レベル制御における制御性を向上できると共に、湯
面レベル変動に伴つて発生する品質欠陥を防止すことが
できる。又、現有のセンサを用いての検出であるため、
設備導入コストが削減でき、メンテナンスも容易であ
る。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明
する。 本実施例で用いられているモールド湯面レベルモデル
は、第2図に示す如く構成されており、ストツパ又はス
ライデイングノズルからなる流量制御手段への指令値
(ストツパ位置指令値又はノズル開度指令値)uが、例
えば一次遅れ時定数Tの伝達特性によつて実績値(スト
ツパ位置又はノズル開度)xとなる。該実績値xノズル
流量特性GCの積により、流量制御手段からの基準(流
入)流入qが実現される。基準流量qとノズル詰まり、
ノズル溶損、鋳込み速度変化等の影響による外乱(流
入)流量qwが加算されて、モールド内に流入する総流入
流量Qiとなる。そして、総流入流量Qiが積分されて、モ
ールド内湯面レベルLとなる。 第2図のモデルを状態方程式で表現すると、次式に示
く如くとなる。 更に、湯面レベルL及び流量制御手段への指令値uを
用いて、(1)式から本発明を実施するための状態観測
器を構成すると、次式に示す如くとなる。 ここで、〜印はモールド内湯面レベルモデルによる推
定値、giは状態観測器の収束ゲインである。 又、湯面レベルL及び流量制御手段の実績値xを用い
て、(1)式から同様に状態観測器を構成すると次式に
示す如くとなる。 逐次、検出されるLとu又はxを代入し、(2)式又
は(3)式を積分することにより、モールド内湯面レベ
ルの推定値L及びモールド内へ流入する、ノズル詰
り、ノズル溶損、鋳込み速度変化等による外乱流量推定
値 を求める。同時に(2)式ではgが求まる。 よつて、本発明に係る流入流量予測装置38は、(2)
又は(3)式を逐次積分することによつて、モールド内
湯面レベルの推定値と外乱流量推定値 を求める。 本実施例により、ストツパ位置指令値及び湯面レベル
を基に外乱流量を求めた結果の一例を第3図に示す。第
3図は、鋳込み速度が一定であり、モールド湯面レベル
一定制御を行つているときに、徐々にノズル詰まりが発
生し、且つ、ノズル詰まりが取れた場合の外乱流量の検
出状況を示している。なお、湯面レベルの目標値は、初
めのノズル詰まり剥離のときに変更している。徐々にノ
ズル詰まりが発生しているために、ストツパ位置指令値
uが上昇しており、それに応じて外乱流量も低下してい
る。又、ノズル詰まり剥離時において、モールド内湯面
レベルLは上昇しているが、外乱流量推定値も急激に増
加しており、ノズル詰まり剥離に伴い流入流量が増加す
る現象を精度良く推定できていることがわかる。 第4図は、湯面レベルの変化状況と、湯面レベルの微
分から総流入流量を求める従来方法、及び、本発明によ
る方法の予測結果の関係を比較して示したものである。
本発明法によれば、ノイズによる影響が小さく、良好な
予測精度が得られることがわかる。 なお、前記実施例においては、流量制御手段としてス
トツパが用いられており、該ストツパの制御装置に入力
される指令値により基準流量を求めていたが、本発明の
適用範囲はこれに限定されず、流量制御手段としてスラ
イデイングノズルを用いたものにも同様に適用できる。
又、基準流量を求めるデータも、流量制御手段へ入力さ
れる指令値に限定されず、流量制御手段の実績値によつ
て基準流量を求めてもよい。
する。 本実施例で用いられているモールド湯面レベルモデル
は、第2図に示す如く構成されており、ストツパ又はス
ライデイングノズルからなる流量制御手段への指令値
(ストツパ位置指令値又はノズル開度指令値)uが、例
えば一次遅れ時定数Tの伝達特性によつて実績値(スト
ツパ位置又はノズル開度)xとなる。該実績値xノズル
流量特性GCの積により、流量制御手段からの基準(流
入)流入qが実現される。基準流量qとノズル詰まり、
ノズル溶損、鋳込み速度変化等の影響による外乱(流
入)流量qwが加算されて、モールド内に流入する総流入
流量Qiとなる。そして、総流入流量Qiが積分されて、モ
ールド内湯面レベルLとなる。 第2図のモデルを状態方程式で表現すると、次式に示
く如くとなる。 更に、湯面レベルL及び流量制御手段への指令値uを
用いて、(1)式から本発明を実施するための状態観測
器を構成すると、次式に示す如くとなる。 ここで、〜印はモールド内湯面レベルモデルによる推
定値、giは状態観測器の収束ゲインである。 又、湯面レベルL及び流量制御手段の実績値xを用い
て、(1)式から同様に状態観測器を構成すると次式に
示す如くとなる。 逐次、検出されるLとu又はxを代入し、(2)式又
は(3)式を積分することにより、モールド内湯面レベ
ルの推定値L及びモールド内へ流入する、ノズル詰
り、ノズル溶損、鋳込み速度変化等による外乱流量推定
値 を求める。同時に(2)式ではgが求まる。 よつて、本発明に係る流入流量予測装置38は、(2)
又は(3)式を逐次積分することによつて、モールド内
湯面レベルの推定値と外乱流量推定値 を求める。 本実施例により、ストツパ位置指令値及び湯面レベル
を基に外乱流量を求めた結果の一例を第3図に示す。第
3図は、鋳込み速度が一定であり、モールド湯面レベル
一定制御を行つているときに、徐々にノズル詰まりが発
生し、且つ、ノズル詰まりが取れた場合の外乱流量の検
出状況を示している。なお、湯面レベルの目標値は、初
めのノズル詰まり剥離のときに変更している。徐々にノ
ズル詰まりが発生しているために、ストツパ位置指令値
uが上昇しており、それに応じて外乱流量も低下してい
る。又、ノズル詰まり剥離時において、モールド内湯面
レベルLは上昇しているが、外乱流量推定値も急激に増
加しており、ノズル詰まり剥離に伴い流入流量が増加す
る現象を精度良く推定できていることがわかる。 第4図は、湯面レベルの変化状況と、湯面レベルの微
分から総流入流量を求める従来方法、及び、本発明によ
る方法の予測結果の関係を比較して示したものである。
本発明法によれば、ノイズによる影響が小さく、良好な
予測精度が得られることがわかる。 なお、前記実施例においては、流量制御手段としてス
トツパが用いられており、該ストツパの制御装置に入力
される指令値により基準流量を求めていたが、本発明の
適用範囲はこれに限定されず、流量制御手段としてスラ
イデイングノズルを用いたものにも同様に適用できる。
又、基準流量を求めるデータも、流量制御手段へ入力さ
れる指令値に限定されず、流量制御手段の実績値によつ
て基準流量を求めてもよい。
第1図は、本発明における湯面レベルモデルの構成を示
す概念図、 第2図は、本発明の実施例で用いられている湯面レベル
モデルの具体的構成を示す概略図、 第3図は、前記実施例による制御結果の一例を示す線
図、 第4図は、従来法と本発明法の予測結果を比較して示す
線図、 第5図は、本発明が適用される連続鋳造機の一例の構成
を示す全体図、 第6図は、比較例における湯面レベルモデルの構成を示
す概念図である。 10……溶鋼、 16……ノズル、 18……モールド、 28……ストツパ、 q……基準(流入)流量、 qw……外乱(流入)流量、 Qi……総流入流量、 L……湯面レベル、 38……流入流量予測装置。
す概念図、 第2図は、本発明の実施例で用いられている湯面レベル
モデルの具体的構成を示す概略図、 第3図は、前記実施例による制御結果の一例を示す線
図、 第4図は、従来法と本発明法の予測結果を比較して示す
線図、 第5図は、本発明が適用される連続鋳造機の一例の構成
を示す全体図、 第6図は、比較例における湯面レベルモデルの構成を示
す概念図である。 10……溶鋼、 16……ノズル、 18……モールド、 28……ストツパ、 q……基準(流入)流量、 qw……外乱(流入)流量、 Qi……総流入流量、 L……湯面レベル、 38……流入流量予測装置。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−165261(JP,A) 特開 平2−165855(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】溶融金属のモールドへの流入流量を制御す
る流量制御手段とノズルを備えた連続鋳造機による鋳片
の連続鋳造に際して、 前記モールドへの総流入流量を、該モールドへ流入する
溶融金属の流量あるいはモールドから流出する流量の変
化をもたらす物理的な外乱が存在しないときに、前記流
量制御手段からモールドへ流入する流量で定義される基
準流量と、ノズル詰まり、ノズル溶損、鋳込み速度変化
等の物理的な外乱によって生じる流量で定義される外乱
流量の加算量で表わし、 前記流量制御手段の指令値と流入流量との関係を表わす
微分方程式又は前記流量制御手段の実績値と流入流量と
の関係を表わす代数式、前記外乱流量の動特性が従う微
分方程式、及び、前記流入流量と前記外乱流量との和と
前記モールド湯面レベルとの関係を表わす微分方程式を
連立させて解くことにより、前記外乱流量を推定するこ
とを特徴とする連続鋳造におけるモールド内流入流量推
定方法。 - 【請求項2】請求項1において、前記流量制御手段の指
令値と流入流量との関係を表わす微分方程式、前記外乱
流量の動特性が従う微分方程式及び前記流入流量と前記
外乱流量との和と前記モールド湯面レベルとの関係を表
わす微分方程式のそれぞれの入力に、該流入流量と外乱
流量との和とモールド湯面レベルとの関係を表わす微分
方程式の変数とモールド湯面レベル実測値の差を加算す
ることにより、モールド湯面レベルの測定値と流量制御
手段の指令値を入力とし、流入流量、外乱流量及びモー
ルド湯面レベルの各推定値を出力とする状態観測器を構
成し、 該状態観測器に、逐次モールド湯面レベルの測定値と流
量制御手段の指令値を入力し、 状態観測器を構成する前記連立微分方程式を解くことに
より、前記外乱流量を推定することを特徴とする連続鋳
造におけるモールド内流入流量推定方法。 - 【請求項3】請求項1において、前記外乱流量の動特性
が従う微分方程式及び前記流入流量と前記外乱流量との
和と前記モールド湯面レベルとの関係を表わす微分方程
式のそれぞれの入力に、該流入流量と外乱流量との和と
モールド湯面レベルとの関係を表わす微分方程式の変数
とモールド湯面レベル実測値の差を加算することによ
り、モールド湯面レベルの測定値と流量制御手段の実績
値を入力とし、外乱流量及びモールド湯面レベルの各推
定値を出力とする状態観測器を構成し、 該状態観測器に、逐次モールド湯面レベルの測定値と流
量制御手段の実績値を入力し、 状態観測器を構成する前記連立微分方程式を解くことに
より、前記外乱流量を推定することを特徴とする連続鋳
造におけるモールド内流入流量推定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1283976A JP2665260B2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 連続鋳造におけるモールド内流入流量推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1283976A JP2665260B2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 連続鋳造におけるモールド内流入流量推定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03146247A JPH03146247A (ja) | 1991-06-21 |
JP2665260B2 true JP2665260B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=17672673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1283976A Expired - Lifetime JP2665260B2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 連続鋳造におけるモールド内流入流量推定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2665260B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61165261A (ja) * | 1985-01-17 | 1986-07-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 連続鋳造装置における湯面の位置制御方法および装置 |
JPH02165855A (ja) * | 1988-12-15 | 1990-06-26 | Toshiba Corp | 連続鋳造におけるノズルつまり検知方法 |
-
1989
- 1989-10-31 JP JP1283976A patent/JP2665260B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH03146247A (ja) | 1991-06-21 |
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