JPH07178525A - 複層鋼板の連続鋳造における表層用溶鋼の注湯量制御方法 - Google Patents

複層鋼板の連続鋳造における表層用溶鋼の注湯量制御方法

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JPH07178525A
JPH07178525A JP32722193A JP32722193A JPH07178525A JP H07178525 A JPH07178525 A JP H07178525A JP 32722193 A JP32722193 A JP 32722193A JP 32722193 A JP32722193 A JP 32722193A JP H07178525 A JPH07178525 A JP H07178525A
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molten steel
pouring amount
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JP32722193A
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Keihachiro Tanaka
中 啓 八 郎 田
Masayuki Araki
木 誠 之 荒
Takashi Sato
藤 孝 佐
Eiichi Takeuchi
内 栄 一 竹
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複層鋼板の連続鋳造において、表層用溶鋼の
注湯量制御の応答性と制御の安定性を維持する。 【構成】 目標湯面レベルと鋳造速度に基づいて、表層
厚を一定とする表層用溶鋼の目標注湯量を算出し、注湯
量計算所定時間内でのタンディッシュ内溶鋼重量の平均
減少量を算出して表層用溶鋼の注湯量を検出し、注湯量
制御系のパルス伝達関数に含まれる係数ベクトルを算出
して、制御系の可制御離散型状態方程式を構成し、状態
観測器の観測ゲインベクトルを算出して状態変数ベクト
ルを推定し、制御系の閉ループゲインを一定にする制御
ゲインベクトルを算出して、該制御ゲインベクトルに基
づいて検出注湯量が目標注湯量を維持する表層用ストッ
パー等の開度調節手段の設定開度を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異種溶鋼から直接、複
層鋼板を連続鋳造する際の表層用溶鋼の注湯量制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】複層鋼板の連続鋳造設備の操業において
は、ブレークアウト等の操業事故の発生を未然に防止す
ると共に、表面欠陥の発生を低減させ、表層,内層の界
面が明瞭な高品質の複層鋼板を得るための湯面レベル制
御が行われている。この湯面レベル制御は一般的に、両
タンディッシュの注湯羽口にストッパー等の開度調節手
段とタンディッシュ内の溶鋼重量を検出するロードセ
ル、及び鋳型内部の湯面レベルを検出するレベル計を設
け、タンディッシュ内溶鋼重量のロードセルによる検出
重量減少量と目標重量減少量との偏差、及びレベル計に
よる検出湯面レベルと目標湯面レベルとの偏差が解消す
るように、前記開度調節手段を動作させ、鋳型への溶鋼
注湯量を調整する手順にて行われている。
【0003】また連続鋳造設備の操業に際しては、溶鋼
に含まれるAL23、SiO2等の脱酸生成物、及びス
ラグが鋳片中に不純物として残在し、鋳片品質の低下を
来すことが重大な問題となっており、この問題の解消の
ため、前記注湯ノズルとして鋳型内部にまで延びる浸漬
ノズルを用い、また該ノズルの吐出口の形状を変更する
等、鋳型内部における流動パターンを適正化する一方、
溶湯の酸化防止,溶湯から大気への熱放散の防止、及
び、鋳型と鋳片との潤滑促進を目的として鋳型に投入さ
れるパウダの成分を改善し、湯面上に堆積するパウダ層
にて前記不純物を捕捉させ溶湯の清浄化を図る等の対策
が講じられている。
【0004】また、この種の連続鋳造設備の操業におい
ては、目標湯面レベルの変更や鋳造速度の設定値変更に
応じて、表層,内層用溶鋼の各注湯ノズルからの注湯量
の目標注湯量に対する変動を最小にすることが重要であ
り、これが達成されない場合、鋳型内において表層,内
層用溶鋼間に混合層が形成され、この混合層は複層鋼板
の品質低下を招来するという難点が生じるのみならず、
溶湯流の衝突により鋳型内部の流動パターンが逆に悪化
して不純物の除去が良好に行えず、また湯面の波打ちに
より前記パウダが溶湯中に巻き込まれる等が生じ、この
パウダ混入により鋳片品質の更なる低下を来すという難
点が生じる。
【0005】注湯量の目標注湯量に対する変動を最小と
する従来の注湯量制御方法としては下記のものがある; 表層用溶鋼注湯量を一定にして、内層用溶鋼注湯量に
て鋳型内部の湯面レベルを制御する方法, 内層用溶鋼注湯量を一定にして、表層用溶鋼注湯量に
て鋳型内部の湯面レベルを制御する方法、および、 表層,内層用溶鋼の注湯量比を一定にして、表層,内
層用溶鋼の注湯量和で鋳型内部の湯面レベルを制御する
方法。
【0006】前記およびの制御方法は、注湯量をロ
ードセルによりタンディッシュ内溶鋼重量の減少量とし
て検出し、注湯量と湯面レベルとを単一ループとして注
湯量と湯面レベルとを制御量するフィードバック制御で
ある。の制御方法は、表層,内層用溶鋼の注湯量比を
各ロードセルによるタンディッシュ内溶鋼重量の減少量
として検出し、注湯量比と湯面レベルとを制御量とする
フィードバック制御である。これらの制御方法は、各制
御系の調節器の制御ゲインを一定としたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、注湯量の目
標注湯量に対する変動の最小化は、〜の注湯量制御
により達成されるかの如くであるが、注湯ノズルの内部
には、溶湯の通流に伴う溶損及び局部的な凝固金属の付
着が生じており、この溶損の度合い及び凝固金属の付着
態様の相違により、各注湯ノズルの流量特性が異なり、
しかもこれらが経時的に変化するため、各制御系の調節
器の制御ゲインを一定とした前記注湯量制御では、十分
に対応しきれないという欠点があり、十分な制御精度を
得るためには、熟練操業者の介入による制御ゲインの補
正を必要とする。
【0008】またノズル詰り除去の方法として、ストッ
パー等の開度調節手段の操作端に対する通常の開度調節
操作信号に、振動した信号を重畳させる方法が有るが、
この方法では重畳させるタイミングにより、溶鋼のオー
バーフローあるいはブレークアウト等の危険性が有るた
め、自動的に行うことは困難であった。
【0009】従って本発明は、上記の欠点を除去し、応
答性よく制御を安定させることができる複層鋳造におけ
る表層用溶鋼の注湯量制御方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、ノズル詰りや剥離等の外乱による
注湯ノズルの流量特性の経時的な変化を自動的に検知し
て調節器の制御ゲインベクトルを自動的に補正すること
により、制御系の閉ループゲインを一定にす。すなわ
ち、異種溶鋼を複数本の注湯ノズルを用いて鋳型内部に
注ぎ分け、両タンディッシュの注湯羽口にストッパー等
の開度調節手段とタンディッシュ内の溶鋼重量を検出す
るロードセル、及び鋳型内部の湯面レベルを検出するレ
ベル計を設け、さらに両溶鋼の混合抑制のため直流磁界
を作用させ、溶鋼から直接、表層,内層の界面が明瞭で
表面性状の優れた複層鋼板を連続鋳造する方法におい
て、目標湯面レベルと鋳造速度の設定値に基づいて決定
される表層厚を一定とする表層用溶鋼の目標注湯量計算
式モデルにより、目標注湯量を算出し、ロードセルの分
解能と注湯量制御精度より決定される表層用溶鋼の注湯
量計算所定時間と該所定時間内の注湯量計算式モデルに
より、該所定時間内でのタンディッシュ内溶鋼重量の平
均減少量を算出して表層用溶鋼の注湯量を検出し、表層
用ストッパー等の開度調節手段と設定開度と前記表層用
溶鋼の注湯量検出値とで構成される注湯量制御系のパル
ス伝達関数に含まれる係数ベクトルを係数ベクトル計算
式モデルにより算出し、得られた係数ベクトルに基づい
て、制御系の可制御離散型状態方程式を構成し、状態変
数ベクトルを推定するための観測器ゲインベクトル計算
式モデルにより、観測器ゲインベクトルを算出して状態
変数ベクトルを推定し、制御系の閉ループゲインを一定
にする制御ゲインベクトル計算式モデルにより、注湯量
を制御する為の制御ゲインベクトルを算出し、該制御ゲ
インベクトルに基づいて検出注湯量を目標注湯量に維持
するよう表層用ストッパーの開度調節手段の設定開度を
決定することを特徴とする。
【0011】
【作用】複層鋼板の連続鋳造において、表層用溶鋼は鋳
型上部に鋳込まれ、内層用溶鋼は鋳型下部、即ち直流磁
界の中心位置近傍に鋳込まれる。表層用溶鋼は鋳型内部
湯面レベル位置より凝固を開始し、内層用溶鋼は直流磁
界の中心位置近傍より凝固を開始して複層鋼板を形成す
る。従って表層厚D(mm)は、凝固時間をt(秒)とし
て通常用いる
【0012】
【数1】
【0013】Yrは目標湯面レベル(mm)、H0は直流
磁界の中心位置(mm)で、Vsは鋳造速度の設定値(mm
/秒)である。複層鋼板の板厚をW(mm)、板幅をL(m
m)とすると、複層鋼板の断面の面積収支より、表層厚
を一定とする表層用溶鋼の目標注湯量Qr(Kg/秒)は Qr=ρ・〔W・L・Vs−(W−2D)・(L−2D)・Vs〕 ・・・(2) で決定される。ここで、ρは表層用溶鋼の密度(Kg/m
m3)である。
【0014】タンディッシュに設置したロードセルが検
出したタンディッシュ内溶鋼重量はストッパー等の開度
調節手段の開閉動作による振動ノイズ,周辺設備による
誘導ノイズやその他のノイズ等の影響を受けて変動す
る。そこで、ロードセルの分解能と注湯量制御に対する
要求制御精度より表層用溶鋼の注湯量計算所定時間を決
定し、該所定時間内での重み付き差分法でタンディッシ
ュ内溶鋼重量の平均重量減少量Q(Kg/秒)を、 Q=(Wa−Wb)/T ・・・(3) で算出して、該平均重量減少量を注湯量として検出す
る。ここで、Wa(Kg)は該所定時間内の初めの1秒間
のタンディッシュ内溶鋼平均重量、Wb(Kg)は該所定
時間内の終わりの1秒間のタンディッシュ内溶鋼平均重
量、T(秒)は該所定時間である。
【0015】図2は表層用溶鋼の注湯プロセスを表す模
式図で、以下本発明の計算手順について説明する。スト
ッパー等の開度調節手段の駆動系を、〔積分要素+むだ
時間要素〕で近似し、表層用溶鋼の注湯量計算所定時間
をむだ時間要素で近似する。ストッパー等の開度調節手
段の設定開度を入力U、注湯量の検出値を出力Y(=
Q)として、注湯プロセスの伝達関数GYUを、
【0016】
【数4】
【0017】で表す。ここで、K(Kg/mm3/秒)は注湯プ
ロセスの定常ゲイン、L(秒)は注湯プロセスの等価む
だ時間、Sはラプラス変換演算子である。むだ時間Lを
2次のPade展開
【0018】
【数5】
【0019】で近似し、 指数重み付き最小2乗同定逐次形アルゴリズムを使用
して、次の注湯プロセスのパルス伝達関数 G(Z)=Y(Z)/U(Z) =(B1・Z2+B2・Z+B3)/(Z3+A1・Z2+A2・Z+A3)・・・(6) に含まれる係数A1,A2,A3とB1,B2,B3を同定す
る。(6)式のパルス伝達関数は、次の入出力関係を表
す。
【0020】
【数7】
【0021】ここでβは1より大きくはない正の重みと
する。βが1より小さいときは古いデータへの重みをへ
らす(過去を忘れる)ことになる。係数ベクトルFの推
定値をθとし、 θ0=任意(通常0と選ぶ) P0=rI(rは十分大きな正数、Iは単位マトリク
ス) として、次の逐次形アルゴリズムにて係数A1,A2,A
3とB1,B2,B3を同定する。
【0022】
【数8】
【0023】であり、 Z・X1(Z)=A1・X1(Z)−A2・X2(Z)−A3・X3(Z)+U(Z), Y(Z)=B1・X1(Z)+B2・X2(Z)+B3・X3(Z) ・・・(8
−4) である。従って作成した離散時間の状態方程式と出力方
程式は、
【0024】
【数9】
【0025】ただし、
【0026】
【数10】
【0027】を構成する。
【0028】観測器を用いて状態変数X,X2,X3
を次の状態推定アルゴリズムより推定する; 暫定値:XC 0(J+1)=AC・XC(J)+BC・U(J), ただし、X(0)=O, 最終値:XC(J+1)=XC 0(J+1)+f〔Y(J+1)−CC・XC 0(J+1)〕 ・・・(10) ここで、fは観測器のゲインベクトルで、有限時間制定
観測器を用いる場合、状態方程式の次数をnとして、次
のように与えられる。
【0029】
【数11】
【0030】注湯量制御系の閉ループゲインを一定とす
る状態ベクトルフィードバック制御ゲインとI動作ゲイ
ンを算出するのに、固有値指定制御アルゴリズムを用い
る。ここで、状態ベクトルフィードバック制御ゲインK
Cを、 KC=[K123] とすると、
【0031】
【数12】
【0032】となる。したがって状態ベクトルフィード
バックつき制御系のパルス伝達関数は、分子は(6)式と
同じだが、分母が次のAf(z)となる; Gf(z)=〔B(z)/Af(z)〕 ={〔B1・z2+B2・z+B3〕/〔z3+(A1+K1)z2+(A2+K2)z+(A3+K3) 〕} ・・・(13) このGf(z)とI動作 K0・z/(z-1)との直列結合が
開ループパルス伝達関数 GO(z)={(K0・z/(z−1)}・〔B(z)/Af(z)〕 ・・・(14) である。したがって閉ループ系の特性式は1+GO(z)
の分母をはらって次の形に求められる。
【0033】 FC(z)=(z−1)・Af(z)+K0・z・B(z) =z4+(A1+K1+K0・B1-1)・z3+(A2+K2+K0・B2-A1-K1)・z2 +(A3+K3+K0・B3-A2-K2)・z+〔-(A3+K3)〕 =z4+α1・z3+α2・z2+α3・z+α4 ・・・(15) ここで、 α1=A1+K1+K0・B1−1, α2=A2+K2+K0・B2−A1−K1, α3=A3+K3+K0・B3−A2−K2, α4=−(A3+K3) ・・・(16) である。パラメータα1〜α4は、事前に、制御系の基準
状態にLQI制御アルゴリズム(制御系の挙動を連続時
間系(または離散時間系)の状態方程式で表し、2乗形
の評価関数を最小にするような最適操作量を求める制御
アルゴリズム)を適用して求めた状態ベクトルフィード
バック制御ゲインK1,K2,K3とI動作ゲインK0を用
いて決定する。
【0034】制御周期毎の状態ベクトルフィードバッ
ク制御ゲインベクトルとI動作ゲインは(8)式で算出し
た係数A1,A2,A3とB1,B2,B3を用いて、
【0035】
【数17】
【0036】で算出し、今回操作量U(J)を、 U(J)=R0・〔Qr−Q(J)〕−Σ{Ri・〔Xi(J)−Xi(J-1)〕}+U(J-1) ・・・(18) ただし、i=1,2,3 で決定して実行する。
【0037】上述の制御アルゴリズムの計算手順を図3
にフローとして示す。以上述べた制御アルゴリズムを制
御周期毎に実行する事により、ノズル詰りや剥離等の外
乱による注湯ノズルの流量特性の経時的な変化を自動的
に検知して調節器の制御ゲインベクトルを自動的に補正
し、制御系の閉ループゲインを一定にして、応答性よく
制御を安定させる自動制御が実現する。
【0038】つまり、表層注湯量の目標注湯量に対する
変動を最小にするストッパー等の開度調節手段の開度調
整が行われるので、鋳型内部の流動パターンが適正化さ
れ、表層,内層の界面が明瞭で、表面性状の優れた高品
質の複層鋼板を得ることができる。
【0039】
【実施例】図1は、本発明を一態様で実施する装置構成
の概要を示すブロック図である。以下本発明の実施例
を、図1を参照して説明する。図1において表層溶鋼2
は、図示しない取鍋からタンディッシュ1に注入された
後、該タンディッシュ1より注湯ノズル3を経て通り、
鋳型4の上部に鋳込まれ、鋳型4内での溶鋼の凝固に伴
い表層凝固殻を形成し、鋳型下方解放端より表層鋼板5
として、図示しないピンチロールにより内層鋼板9と共
に引き抜かれる。
【0040】内層溶鋼7は、図示しない取鍋からタンデ
ィッシュ6に注入された後、該タンディッシュ6より注
湯ノズル8を経て通り、鋳型4の下部、即ち直流磁界発
生器10の中心位置近傍に鋳込まれ、鋳型4内での溶鋼
の凝固に伴い内層凝固殻を形成し、該鋳型下方解放端よ
り内層鋼板9として、図示しないピンチロールにより表
層鋼板5と共に引き抜かれる。この時、タンディッシュ
1,6から鋳型4に鋳込まれる溶鋼2,7の注湯量は、
注湯ノズル3,8の湯流入口を上下方向に開閉するスト
ッパー11,12によって調整される。
【0041】13,14はタンディッシュ1,6内の溶
鋼重量を検出するロードセル、15は鋳型4内の湯面レ
ベルを検出する湯面レベル計である。
【0042】表層用溶鋼注湯量検出器16は、タンディ
ッシュ1の下端に設置したロードセル13によって検出
した表層用溶鋼重量を入力し、ロードセルの分解能と注
湯量制御に対する要求制御精度より決定した注湯量計算
所定時間内での初めの1秒間の溶鋼平均重量と終わりの
1秒間の溶鋼平均重量を用いた、上述の(3)式に示す重
み付き差分法により表層用溶鋼注湯量17を検出する。
【0043】注湯量制御系のパルス伝達関数に含まれる
係数ベクトル20の同定器19は、検出した表層用溶鋼
注湯量17と表層用ストッパーの設定開度18を入力
し、係数ベクトル20を、上述の(8)式に示す指数重み
付き最小2乗同定アルゴリズムによって算出する。
【0044】状態観測器の観測ゲインベクトル算出器2
1は、係数ベクトル20を入力し、上述の(11)式によ
り、観測ゲインベクトルを算出する。
【0045】状態変数ベクトル推定器22は、前記表層
用溶鋼注湯量17と表層用ストッパーの設定開度18を
入力し、上述の(9)式に示す可制御離散型状態方程式の
状態変数ベクトル23を推定する。
【0046】制御系の閉ループゲインを一定にする制御
ゲインベクトル算出器24は、前記係数ベクトル20を
入力し、上述の(17)式により、状態ベクトルフィードバ
ック制御ゲインR1,R2,R3とI動作ゲインR0を算出
する。
【0047】表層用溶鋼目標注湯量算出器27は、上述
の(1),(2)式により、目標湯面レベルと鋳造速度の設定
値に基づいて決定される表層厚を一定とするための表層
用溶鋼の目標注湯量28を算出し、表層用溶鋼注湯量調
節器26に入力する。
【0048】表層用溶鋼注湯量調節器26は、前記表層
用溶鋼注湯量17と前記状態変数ベクトル23の推定値
を入力し、検出注湯量を目標注湯量に維持するように、
検出注湯量と目標注湯量との偏差を、上述の(18)式で演
算し、表層用ストッパーの設定開度18を算出する。
【0049】表層用ストッパーの設定開度18は表層用
ストッパー駆動系29に入力され、油圧シリンダー30
を介して、表層用ストッパー11の開度が調節される。
【0050】鋳型4内部の湯面レベル調節器31は、湯
面レベル計15からの検出湯面レベル32と表層用スト
ッパーの設定開度18を入力し、検出湯面レベルを目標
湯面レベルに維持するように、検出湯面レベルと目標湯
面レベルとの偏差をPI(比例・積分)演算し、この操
作量より前記表層用ストッパーの設定開度18を除去し
て、内層用ストッパーの設定開度33を算出する。
【0051】内層用ストッパーの設定開度33は内層用
ストッパー駆動系34に入力され、油圧シリンダー35
を介して内層用ストッパー12の開度が調節される。
【0052】以上の処理の流れを図3に示す。以上の処
理を制御周期毎に繰り返し、目標湯面レベル変更や、鋳
造速度の設定値変更に応じて、表層用溶鋼の注湯量の目
標注湯量に対する変動を最小にしつつ鋳型内部の湯面レ
ベルを目標湯面レベルに維持する。
【0053】
【発明の効果】図5に、従来法による制御シミュレーシ
ョン結果を示す。図の上段は、むだ時間L=3.5sec、中
段はL=3.0sec、下段はL=2.5secで、各段の左端は、
プロセス特性の定常ゲインK=1.5、中央はK=1.0、右
端はK=0.5の場合の制御シミュレーション結果で、各
図には目標値、制御対象プロセスの特性毎に制御ゲイン
を調整し制御シミュレーション結果、及び基準プロセス
特性(L=3.0sec,K=1.0)、制御ゲインを調整した制御
シミュレーション結果とを対比して示した。なお各図の
縦軸は流量〔Kg/sec〕を示し、横軸は時間〔xiosec〕を
示す。
【0054】図4は本発明のシミュレーション結果であ
る。図中むだ時間L、プロセス特性の定常ゲインKの
値、及び目標値等は図4と同じでありプロセスの状態が
操業中に大きく変化しても、制御目標の変更に対する追
従性が良く制御精度が高い事がわかる。また前記詳述し
た如く本発明方法においては、目標湯面レベルと鋳造速
度の設定値に基づいて決定される表層厚を一定とする目
標注湯量を算出し、ロードセルの分解能と注湯量制御精
度より決定された所定時間内でのタンディッシュ内溶鋼
重量の平均減少量を算出して表層用溶鋼の注湯量を検出
し、注湯量制御系のパルス伝達関数に含まれる係数ベク
トルを算出し、得られた係数ベクトルに基づいて制御系
の閉ループゲインを一定にする注湯量制御ゲインベクト
ルを算出し、該制御ゲインベクトルに基づいて検出注湯
量を目標注湯量に維持するように表層用ストッパー等の
開度調節手段の設定開度を決定すると共に、検出湯面レ
ベルを目標湯面レベルに維持するように表層用ストッパ
ー等の開度調節手段の設定開度を決定し、表層,内層用
ストッパーの開度調整を行い、各タンディッシュから鋳
型への注湯量を調整することにより、各注湯ノズルにお
いて生じる注湯量の目標値に対する変動を最小にするこ
とができ、安定した注湯が実現される結果、鋳型への鋳
込みが安定して行え、鋳型内部の流動パターンが適正化
され、表層,内層の界面が明瞭で、表面性状の優れた高
品質の複数鋼板を得ることができる等、本発明は製品鋼
板の品質向上に優れた効果を奉する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を一態様で実施する装置構成の概要を
示すブロック図である。
【図2】 図1に示す連続鋳造システムの注湯プロセス
を表すブロック図である。
【図3】 本発明の一実施例での、注湯制御処理の概要
を示すフロ−チャ−トである。
【図4】 本発明法による制御シミュレーション結果を
示すグラフである。
【図5】 従来法による制御シミュレーション結果を示
すグラフである。
【符号の説明】
1,6:タンディッシュ 2,7:溶鋼 3,8:注湯ノズル 4:鋳型 5:表層鋼板 9:内層鋼板 10:直流磁界発生器 11,12:ス
トッパー 13,14:ロードセル 15:湯面レベ
ル計 16:表層用溶鋼注湯量検出器 17:表層用溶
鋼注湯量 18:表層用ストッパーの設定開度 19:表層用溶鋼注湯量制御系のパルス伝達関数の係数
ベクトル同定器 20:係数ベクトル 21:状態観測器の観測ゲインベクトル算出器 22:状態変数ベクトル推定器 23:状態ベクトルの推定値 24:状態ベクトルフィードバック制御ゲインベクトル
とI動作ゲインの算出器 25:制御ゲインベクトル 26:表層用溶
鋼注湯量調節器 27:表層用溶鋼目標注湯量算出器 28:表層用溶
鋼の目標注湯量 29,34:ストッパー駆動系 30,35:油
圧シリンダー 31:湯面レベル調節器 32:検出湯面
レベル 33:内層用ストッパー設定開度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹 内 栄 一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種溶鋼を複数本の注湯ノズルを用いて
    鋳型内部に注ぎ分け、両タンディッシュの注湯羽口にス
    トッパー等の開度調節手段とタンディッシュ内の溶鋼重
    量を検出するロードセル、及び鋳型内部の湯面レベルを
    検出するレベル計を設け、さらに異種溶鋼の混合抑制の
    ため直流磁界を作用させ、溶鋼から直接、表層,内層の
    界面が明瞭で表面性状の優れた複層鋼板を連続鋳造する
    方法において、 目標湯面レベルと鋳造速度の設定値に基づいて決定され
    る表層厚を一定とする表層用溶鋼の目標注湯量計算式モ
    デルにより、目標注湯量を算出し、ロードセルの分解能
    と注湯量制御精度より決定される表層用溶鋼の注湯量計
    算所定時間と該所定時間内の注湯量計算式モデルによ
    り、該所定時間内のタンディッシュ内溶鋼重量の平均減
    少量を算出して表層用溶鋼の注湯量を検出し、表層用ス
    トッパー等の開度調節手段の設定開度と前記表層用溶鋼
    の注湯量検出値とで構成される注湯量制御系のパルス伝
    達係数に含まれる係数ベクトルを係数ベクトル計算式モ
    デルにより算出し、得られた係数ベクトルに基づいて、
    制御系の可制御離散型状態方程式を構成し、状態変数ベ
    クトルを推定するための観測器ゲインベクトル計算式モ
    デルにより、観測器ゲインベクトルを算出して状態変数
    ベクトルを推定し、制御系の閉ループゲインを一定にす
    る制御ゲインベクトル計算式モデルにより、注湯量を制
    御する為の制御ゲインベクトルを算出し、該制御ゲイン
    ベクトルに基づいて検出注湯量を目標注湯量に維持する
    よう表層用ストッパーの開度調節手段の設定開度を決定
    することを特徴とする、複層鋼板の連続鋳造における表
    層用溶鋼の注湯量制御方法。
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