JP2002248412A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JP2002248412A
JP2002248412A JP2001047933A JP2001047933A JP2002248412A JP 2002248412 A JP2002248412 A JP 2002248412A JP 2001047933 A JP2001047933 A JP 2001047933A JP 2001047933 A JP2001047933 A JP 2001047933A JP 2002248412 A JP2002248412 A JP 2002248412A
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Japan
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coating
coating film
cationic electrodeposition
parts
resin
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JP2001047933A
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English (en)
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Hidehiko Haishi
秀彦 羽石
Shigeo Murofushi
重雄 室伏
Minoru Hanatani
稔 花谷
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車ボディの塗膜形成において、仕上り
性、チッピング性良好な総合塗膜を開発すること。 【解決手段】下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、その組成
物中に導電剤を含有し硬化塗膜の塗膜固有抵抗が10
12Ω・cm以下となるカチオン電着塗料(A)を塗装
し、水洗後、得られた塗膜を硬化乾燥する工程、 工程2:カチオン電着塗膜(A)を有する被塗物に、塗
色が有彩色、又は白であるカチオン電着塗料(B)を塗
装し、水洗後、得られた塗膜を硬化乾燥する工程、 工程3:さらに上塗り塗料(C)を塗装し、得られた塗
膜を硬化乾燥する工程、により塗膜を形成することを特
徴とする塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属などの被塗物
に、1回目に導電剤を有するカチオン電着塗料(A)を
塗装して硬化乾燥し、さらにカチオン電着塗料(B)を
塗装して硬化乾燥した後、次に上塗り塗料(C)を塗装
して硬化乾燥する塗膜形成方法で、2回目に塗装される
カチオン電着塗料(B)の塗色が、上塗り塗料(C)の
塗色とマンセル表示の色相で同系色である有彩色、又は
白である塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】自動車ボディにおいて、その
下塗り塗料として塗装されるカチオン電着塗装は、1コ
ート電着塗装のほかに2コート電着塗装(以下、「Wコ
ート電着塗装」と略す場合がある。)がある。ここで、
Wコート電着塗装には、1回目に塗装されるカチオン電
着塗料とは別の機能を持ったカチオン電着塗料を2回目
に塗り重ねることができ、特開平7−41994号、特
開平9−324292号、特開平10−8291号など
が挙げられる。
【0003】一方、ボディ塗装のコストダウンや生産性
の向上を目的として、ウェットオンウェット(Wet
on Wet)塗装による焼き付け工程の省略や、さら
には中塗り塗装工程を省略したり、塗装膜厚を薄くする
傾向がある。しかし最近のユーザーの要求に「高仕上が
り外観」、「より外観を白く」、「耐チッピング性の向
上」などの要求があり、中塗り塗装省略、塗膜減少によ
る隠蔽性や耐チッピング性を確保するために、上塗り塗
膜のフロー性や耐チッピング性向上の為に顔料濃度を下
げたり、または塗装膜厚を厚くすることにより仕上がり
性を上げていた。
【0004】この場合、顔料濃度を下げた場合、隠蔽性
の低下、また塗装膜厚を厚くした場合コスト増や、特に
水性上塗り塗膜が垂直塗装時(例えば、ドアパーツのプ
レスライン下や鍵穴部の周りで)タレることによる仕上
がり性低下が問題点として発生し改良が求められてい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、Wコート電着
塗装において1回目に塗装されるカチオン電着塗料
(A)中に導電剤を添加し、電着した塗膜を焼き付け硬
化させ体積固有抵抗値が1012Ω・cm以下であり、
電着時のガス穴や析出時のラウンドがフローし平滑性の
あるカチオン電着塗膜が得られる。
【0006】2回目にカチオン電着塗料(B)の電着塗
装を行うが、好ましくはカチオン電着塗料(B)の塗色
が、次に塗装される上塗り塗料(C)とマンセル表示の
色相で同系色の有彩色、又は白であるカチオン電着塗料
(B)を電着塗装を行うことを特徴としている。このこ
とによって、仕上がり性(隠蔽性、平滑性)、耐チッピ
ング性、さらにはタレ抵抗性の向上も得られ本発明を完
成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、 1.下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、その組成
物中に導電剤を含有し硬化塗膜の塗膜固有抵抗が10
12Ω・cm以下となるカチオン電着塗料(A)を塗装
し、水洗後、得られた塗膜を硬化乾燥する工程、 工程2:カチオン電着塗膜(A)を有する被塗物に、塗
色が有彩色、又は白であるカチオン電着塗料(B)を塗
装し、水洗後、得られた塗膜を硬化乾燥する工程、 工程3:さらに上塗り塗料(C)を塗装し、得られた塗
膜を硬化乾燥する工程、により塗膜を形成することを特
徴とする塗膜形成方法、 2.上塗り塗料(C)が、カチオン電着塗膜の塗色とマ
ンセル表示の色相で同系色の有彩色、又は白である上塗
り塗料(C)を塗装する1項記載の塗膜形成方法、 3.上塗り塗料(C)が、ソリッドカラーコート(a)
である1項、又は2項に記載の塗膜形成方法、 4.上塗り塗料(C)が、メタリックベースコート
(b)を塗装後、メタリックベースコート(b)を硬化
させないで、クリアートップコート(c)を塗装する1
項乃至3項のいずれか1項に記載の塗膜形成方法、 に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】 以下、本発明における工程1〜
工程3、及びカチオン電着塗料(A)、カチオン電着塗
料(B)、上塗り塗料(C)のソリッドカラーコート
(a)、メタリックベースコート(b)、クリアートッ
プコート(c)について説明する。
【0009】工程1:工程1で使用する被塗物は、自動
車ボディ、自動車部品などの袋部構造を有するものも挙
げることができる。被塗物の材質としては、金属を挙げ
ることができ防食性の面から防錆鋼板が好適である。
【0010】防錆鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、
電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−鉄二層めっき鋼板及び
有機複合めっき鋼板、アルミニウム鋼板、さらにこれら
の鋼板や冷延鋼板などの鋼板を、必要に応じてアルカリ
脱脂などによって表面を清浄化した後、リン酸塩化成処
理、クロメート処理などの表面処理を行ったものが挙げ
られる。
【0011】本発明方法において、1回目に電着塗装さ
れるカチオン電着塗料(A)としては、カチオン電着塗
料である限り特に制限なく使用することができ、目標と
する塗膜性能に応じて適宜選択して使用すればよい。カ
チオン電着塗料(A)は、金属などの被塗物に無処理又
は化成処理を施した後、電着塗装する電着塗料であり、
その硬化塗膜の体積固有抵抗値が1012Ω・cm以下
の塗膜を形成するカチオン電着塗料が使用できる。具体
的には、カチオン性樹脂を必須成分として含有し、さら
に塗膜の体積固有抵抗値を上記範囲に調整するための導
電剤を配合し、これらを水に混合・分散させてなるカチ
オン電着塗料があげられる。
【0012】カチオン性樹脂は、カチオン電着塗料に使
用されているそれ自体既知のものが使用でき、例えば、
水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂とブロック化
ポリイソシアネ−ト化合物などの架橋剤を含有する組成
物が好適に使用される。
【0013】基体樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂
とカチオン化剤との反応生成物、ポリカルボン酸とポリ
アミンとの重縮合物(米国特許第2450940号明細
書参照)を酸(中和剤)でカチオン化したもの、ポリイ
ソシアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノ、又はポリア
ミンとの重付加物を酸(中和剤)でカチオン化したも
の、水酸基及びアミノ基含有アクリル系またはビニル系
モノマ−の共重合体を酸(中和剤)でカチオン化したも
の(特公昭45−12395号公報、特公昭45−12
396号公報参照)、ポリカルボン酸樹脂とアルキレン
イミンとの付加物を酸(中和剤)でカチオン化したもの
(米国特許第3403088号明細書参照)などが挙げ
られる。
【0014】このうち、ポリフェノ−ル化合物とエピク
ロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂にカ
チオン化剤を反応させた基体樹脂は、防食性が優れてい
るので特に好ましい。このエポキシ樹脂は、エポキシ基
を1分子中に2個以上有し、数平均分子量が200以
上、特に400〜4000、エポキシ当量が190〜2
000、特に400〜1000の範囲内にあることが適
している。
【0015】エポキシ樹脂を調製するためのポリフェノ
−ル化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2,2−プロパン、4,4´−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert
−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−
ヒドロキシブチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタ
ン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,
2−エタン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエ−テ
ル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェ
ノ−ルノボラック、クレゾ−ルノボラックなどがあげら
れる。また、アクリル樹脂、ポリブタジエン、アルキド
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などで上記の
基体樹脂を変性したものも適用できる。
【0016】カチオン化剤としては、例えば、第1級ア
ミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリアミンなどの
アミン化合物があげられれ、これらはエポキシ樹脂中に
存在するエポキシ基のほとんど、又は全てと反応させる
ことが好ましい。これらはエポキシ基と反応して、第2
級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基
などのカチオン性基を形成する。また、アンモニア、ヒ
ドロキシアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエチルヒドラ
ジン、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン等の塩基性化
合物をカチオン化剤としてエポキシ基と反応させ、それ
により形成される塩基性基を酸でカチオン化してカチオ
ン性基としてもよい。
【0017】基体樹脂の水酸基は、例えば、カチオン化
剤として使用できるアルカノ−ルアミンとの反応によっ
て付加された第1級水酸基が、ブロック化ポリイソシア
ネ−ト化合物(架橋剤)との架橋反応性が優れており好
適である。
【0018】基体樹脂は、20〜5000、特に100
〜1000mgKOH/gの水酸基当量を有することが
好ましく、特に、第1級水酸基当量は200〜1000
mgKOH/gにあることが好ましい。一方、カチオン
性基は、安定に基体樹脂を水中に分散する必要な量が存
在すればよく、KOH(mg/g固形分)(アミン価)
換算で一般に3〜200、特に10〜80にあることが
好ましい。このような基体樹脂は、原則として遊離エポ
キシ基を有していないことが望ましい。
【0019】ブロック化ポリイソシアネ−ト化合物は、
基体樹脂を三次元の架橋硬化させるための架橋剤であ
り、1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有するポ
リイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基をブロック
剤で封鎖したものである。このブロックポリイソシアネ
−ト化合物は、加熱すると、ブロック剤が解離し、遊離
のソシアネ−ト基が再生され、それが基体樹脂中の水酸
基などの活性水素と架橋反応する。
【0020】ポリイソシアネ−ト化合物は、1分子中に
2個以上の遊離イソシアネ−ト基を有する化合物であ
り、それ自体既知のものが使用でき、例えば、トリレン
ジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−
ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシ
アネ−トなどの芳香族ジイソシアネ−ト;トリメチレン
ジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、
ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシ
アネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジイソ
シアネ−ト;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ
−ト)、イソホロンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘ
キサンジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシアネ
−ト、シクロペンタンジイソシアネ−トなどの脂環族ジ
イソシアネ−ト;該ポリイソシアネ−トのビユ−レット
タイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物;これらの
ポリイソシアネ−トと低分子量もしくは高分子量のポリ
−ル類とをイソシアネ−ト基過剰で反応させてなる遊離
イソシアネ−ト基含有ウレタン化プレポリマ−などがあ
げられる。
【0021】ブロック剤としては、フェノ−ル系、ラク
タム系、アルコ−ル系、オキシム系、活性メチレン系、
メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミド系、イ
ミダゾ−ル系、イミン系など既知のものが使用できる。
【0022】基体樹脂とブロック化ポリイソシアネ−ト
化合物などの架橋剤との比率は、目的により任意に選択
できるが、例えば、この両成分の合計重量を基準に、前
者の基体樹脂は50〜90%、好ましくは60〜80
%、後者のブロック化ポリイソシアネ−ト化合物は50
〜10%、好ましくは40〜20%の範囲内が適してい
る。
【0023】基体樹脂と架橋剤とを撹拌混合してから、
基体樹脂中のカチオン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸
などの酸で中和したのち、水と混合することにより水分
散(エマルション)化することができる。
【0024】導電剤は、カチオン電着塗料(A)の硬化
塗膜の体積固有抵抗値を1012Ω・cm以下に調整す
るためのものであり、例えば、粒子状、又は粉末状のカ
−ボンブラック、グラファイト、銀、銅、ニッケル、酸
化錫などが挙げられ、これらから選ばれた1種、又は2
種以上を使用することができる。導電剤の配合比率は、
樹脂成分100重量部(固形分)あたり、1〜50重量
部、特に3〜30重量部の範囲内が好ましい。
【0025】本発明で使用するカチオン電着塗料(A)
の硬化塗膜の体積固有抵抗値は、1012Ω・cm以
下、好ましくは10Ω・cm以下の範囲内である。こ
の抵抗値が1012Ω・cmより大きくなると、次に塗
装されるカチオン電着塗料(B)の電着塗装性が低下
し、仮りに塗装できたとしても、その塗膜の平滑性など
が低下するので好ましくない。
【0026】体積固有抵抗値の測定方法は、JIS−K
6911−1955に準じて測定したものであり、測定
器として東亜電波工業(株)製、「DSM−8103」
を使用した。
【0027】カチオン電着塗料(A)は、基体樹脂、架
橋剤及び導電剤を含有し、基体樹脂中のカチオン性基を
酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸で中和し、かつ脱イ
オン水に分散させることによって得られるエマルショ
ン、及び顔料ペーストからなるが、塗色が被塗物の素地
を隠蔽する目的のため灰色や黒である。
【0028】顔料組成として、例えば、カーボンブラッ
ク、チタン白のような着色顔料;クレー、タルク、炭酸
カルシウムのような体質顔料;クロム酸ストロンチウ
ム、クロム酸鉛、ケイ酸鉛、トリポリりん酸アルミ、ト
リポリりん酸亜鉛、亜鉛華、無機ビスマス、有機酸ビス
マスなどの防錆顔料;さらに、分散用樹脂として3級ア
ミン型エポキシ樹脂系、4級アンモニウム塩型エポキシ
樹脂系、3級アミン型アクリル樹脂系などと、中和剤、
脱イオン水を加えたのち、ボールミル、サンドミルなど
で分散して得られる顔料ペーストである。
【0029】また、特に、顔料ペーストにおいて、防錆
顔料として鉛含有化合物などの有害物質を使用せず(鉛
フリ−)、これに代えて、水酸化ビスマスや、乳酸ビス
マスなどのビスマス含有化合物を配合することが環境対
策からも好ましい。
【0030】このカチオン電着塗料(A)の電着塗装条
件は特に制限されるものではないが、一般的には、浴温
は、15〜35℃(好ましくは20〜30℃)、電圧
は、100〜400V(好ましくは200〜300
V)、通電時間は、30秒〜10分、極面積比(A/
C)=8/1〜1/8、極間距離10〜300cmの塗
装条件で撹拌状態によって電着塗装することが望まし
い。カチオン電着塗料(A)の膜厚は、目的とする性能に
応じて適宜選定すればよいが、5〜60μm 、好ましく
は10〜40μm の範囲であることがよい。電着塗装後
は、UFろ液、RO水洗水、工業用水、脱イオン水など
により塗装物表面にカチオン電着塗料(A)が残らない
よう、2回以上の回数を経て十分に水洗する。この水洗
設備は、自動車ボディや部品を水洗槽内に浸漬するディ
ピング水洗、又はスプレー水洗で行うことができる。
【0031】次に、その塗膜の硬化乾燥であるが、14
0〜200℃の温度で、5〜60分間で焼き付け硬化乾
燥する。乾燥設備としては、電気熱風乾燥炉、ガス熱風
乾燥炉のいずれでもよい。
【0032】また、カチオン電着塗料(A)として、基体
樹脂にエポキシ樹脂を主成分とするカチオン電着塗料を
使用することによって防食性の良好な塗膜を得ることが
でき、ビニル系共重合体を主成分とするカチオン電着塗
料を使用することによって耐候性の良好な塗膜を得るこ
とができる。
【0033】工程2は、カチオン電着塗膜を有する被塗
物に、カチオン電着塗料(B)を塗装し、水洗後、得ら
れた塗膜を硬化乾燥する工程である。塗色は、グレーで
あってもさしつかえないが、好ましくは、次に塗装され
る上塗り塗料(C)とマンセル表示の色相(R、Y、
G、B、P)で、同系色の有彩色、又は白であることを
本発明は特徴としている。
【0034】カチオン電着塗料(B)はカチオン電着塗
料(A)と同様に、エマルションと顔料ペーストからな
る水性の電着塗料である。エマルションとしては、例え
ば、エポキシ樹脂とカチオン化剤との反応生成物、耐候
性などを重視する場合は、水酸基及びアミノ基含有アク
リル樹脂、又はビニル系モノマ−の共重合体を、酸(中
和剤)でカチオン化したもの等、カチオン電着塗料
(A)と同様のエマルションが使用できる。
【0035】カチオン電着塗料(B)における架橋剤と
しては、特に制限されるものではないが、例えば、ブロ
ック化ポリイソシアネ−ト化合物、メラミン樹脂、ポリ
オキサゾリン化合物などがあげられる。このうち、ブロ
ック化ポリイソシアネ−ト化合物を使用することが特に
好ましい。上記のカルボキシル基及び水酸基を付加した
アクリル樹脂は、カルボキシル基含有不飽和単量体、水
酸基含有アクリル系単量体、さらに必要に応じてその他
の重合性単量体を用い、これらの単量体をラジカル重合
させた共重合体が使用できる。
【0036】顔料ペーストは、分散用樹脂としてカルボ
キシル基や水酸基を付加した水溶性のアクリル樹脂、中
和剤、脱イオン水を加え、ボールミル、サンドミル、シ
ェーカーなどで分散して得ることができる。
【0037】使用できる顔料は、着色顔料として、 白系:二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カ
ルシウム、リン酸(Zn、Al)、モリブデン酸(Z
n、Ca)、 青系:無機系として、紺青、群青、コバルトブルー、有
機系として、銅フタロシアニンブルー、インダンスロン
ブルー、 黄系:無機系として、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べん
がら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜
鉛黄(ジンクエロー)、クロム酸ストロンチウム、アナ
ミド鉛、有機系として、モノアゾイエロー、モノアゾイ
エロー、ジスアゾ、モノアゾイエロー、イソインドリノ
ンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエ
ロー、イソインドリンイエロー、ベンズイミダゾロンイ
エロー、 赤系:無機系として、べんがら、透明べんがら(赤)、
鉛丹、有機系として、モノアゾレッド、モノアゾレッ
ド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn
塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレン
ジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キ
ナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピ
ロールクロムバーミリオン、塩基性クロム酸鉛、 緑系:無機系として、酸化クロム、有機系として、塩素
化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリ
ーン、 その他:ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレ
ンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレッ
トなどが挙げられる。 体質顔料としては、マイカ、クレー(カオリン)、タル
ク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなど、他にアルミニ
ウム粉、亜鉛末、パールマイカなどが挙げられる。
【0038】カチオン電着塗料(B)には、上記した成
分に加えて、さらに顔料、界面活性剤、表面調整剤、は
じき防止剤、有機溶剤などの塗料用添加剤を適宜配合す
ることができる。
【0039】このカチオン電着塗料(B)の電着塗装条
件は特に制限されるものではないが、一般的には、浴温
は、15〜35℃(好ましくは20〜30℃)、電圧
は、100〜400V(好ましくは200〜300
V)、通電時間は、30秒〜10分、極面積比(A/
C)=8/1〜1/8、極間距離10〜300cmの塗
装条件で撹拌状態によって電着塗装することが望まし
い。カチオン電着塗料(B)の膜厚は、目的とする性能に
応じて適宜選定すればよいが、5〜60μm、好ましく
は10〜40μmの範囲であることがよい。
【0040】電着塗装後は、UFろ液、RO水洗水、工
業用水、脱イオン水などにより塗装物表面にカチオン電
着塗料(B)が残らないよう、2回以上の回数を経て十
分に水洗する。この水洗設備は、自動車ボディや部品を
水洗槽内に浸漬するディピング水洗、又はスプレー水洗
で行うことができる。その塗膜の硬化乾燥は、140〜
200℃の温度で、5〜60分間で焼き付け硬化乾燥す
る。乾燥設備としては、電気熱風乾燥炉、ガス熱風乾燥
炉のいずれでもよい。
【0041】工程3は、カチオン電着塗装した後、上塗
り塗料(C)を塗装する工程である。上塗り塗料(C)
としては、溶剤型・水性・粉体のいづれでもかまわない
が、VOC低減(VOC:Volatile Organic Compoun
ds揮発性有機化合物、WHOでは沸点50−100〜2
40−260℃の範囲のものを言う)の点から水性塗料
が好ましい。
【0042】上塗り塗料(C)には、ソリッドカラーコ
ート(a)としてを塗装して、硬化乾燥する塗膜形成方
法(1コート1ベーク方法:1C1B)がある。また、
上塗り塗料(C)には、メタリックベースコート(b)
を塗装後、メタリックベースコート(b)を硬化させな
いで、溶剤型でハイソリッドのクリアートップコート
(c)を塗装し、同時に焼き付け硬化乾燥させる塗膜形
成方法(2コート1ベーク方法、2C1B)がある。
【0043】ソリッドカラーコート(a)は、アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂
などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソ
シネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤と併
用したものが挙げられる。またここで使用される着色顔
料としては、カチオン電着塗料で用いた有機系顔料、無
機系顔料などが使用でき、1種、又は2種以上の併用も
可能である。ソリッドカラーコート(a)の塗装方法
は、スプレー塗装、静電塗装及び非静電塗装のいずれで
もよい。また、焼き付け条件は、従来と異なるものでは
なく、例えば120〜150℃の温度で20〜40分焼
き付け硬化させる。
【0044】他に、メタリックベースコート(b)とク
リアートップコート(c)の2層からなる上塗り塗料
(C)は、メタリックベースコート(b)を塗装した
後、未硬化のままクリアートップコート(c)を塗装し
同時に焼き付け硬化させる。
【0045】メタリックベースコート(b)は、樹脂成
分、着色顔料、有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて
体質顔料、その他の塗料添加剤などを配合してなる熱硬
化性塗料である。樹脂成分として、具体的には、架橋性
官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アル
キド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹
脂、尿素樹脂、(ブロック化)ポリイソシアネート化合
物などの架橋剤と併用したものが挙げられる。
【0046】着色顔料としては、カチオン電着塗料に用
いたものと同様のものが使用でき、例えば、チタン白
は、二酸化チタンを主成分とする白色顔料であり、一般
に、その粒径が0.2〜0.35μm、特に0.25〜
0.30μmの範囲内にあるものが好ましい。
【0047】他に、アルミニウムフレーク等を用いるこ
とができ、形状はりん片状の金属アルミニウムであっ
て、通常、その厚さが0.1〜1.0μm、特に0.2
〜0.5μmの範囲内にあり、粒径が1〜20μmの範
囲内及び平均粒径が10μm以下であるものが好まし
い。
【0048】他に、酸化チタンで被覆された燐片状雲母
なども配合でき、一般にホワイトマイカ、又はシルバー
マイカと称されているものである。一般に、その最大直
径が5〜60μm、特に5〜25μmの範囲内にあり、
かつ厚さが0.25〜1.5μm、特に0.5〜1μm
の範囲内にあるものが好ましい。
【0049】酸化チタン被覆燐片状雲母の配合量は、厳
密に制限されるものではないが、通常、樹脂成分の固形
分合計100重量部あたり3〜20重量部、特に7〜1
3重量部の範囲内が好ましい。また必要に応じて、銀メ
ッキガラスフレーク、チタンコートグラファイト、金属
チタンフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレーク
などを配合することができる。
【0050】メタリックベースコート(b)の塗装は、
静電塗装、エアースプレー、エアレススプレーなどの方
法で塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜に基づい
て、一般に5〜20μmの範囲内が好ましい。
【0051】クリアートップコート(c)は、樹脂、及
び有機溶剤を主成分とし、さらに必要に応じて該塗膜の
透明感を損なわない程度で、着色顔料及びその他の塗料
用添加剤などを配合してなる無色、もしくは有色の透明
塗膜を形成する塗料である。
【0052】クリアートップコート(c)で使用する樹
脂は熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、水酸基、カ
ルボキシル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有する
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレ
タン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、
(ブロック化)イソシアネート化合物、カルボキシル基
含有化合物(又は樹脂)、エポキシ基含有化合物(又は
樹脂)などの架橋剤と併用したものが挙げられる。
【0053】クリアートップコート(c)は、未硬化の
メタリックベースコート(b)の塗面に、エアースプレ
ー、エアレススプレー、静電塗装などの方法で塗装する
ことができ、その膜厚は硬化塗膜に基づいて10〜10
0μmの範囲内とするのが好ましい。クリアートップコ
ート(c)の形成は、溶剤で塗装に適した粘度に希釈し
た後、被塗物にスプレー等により、静電塗装、非静電塗
装などにより行われる。
【0054】水性メタリックベースコート(b)及びク
リアートップコート(c)の膜厚としては、特に制限さ
れるものではないが、水性メタリックベースコート
(b)の硬化膜厚が通常10〜30μm程度、好ましく
は15〜20μm範囲、また溶剤型ハイソリッドクリア
ートップコート(c)の膜厚は、通常20〜60μm程
度、好ましくは30〜50μm範囲がよい。
【0055】
【発明の効果】 2コート電着塗装において、1回目の
カチオン電着塗料(A)に導電剤を含有した塗膜を焼き
付け硬化乾燥することによって、電着時のガス穴や析出
膜がフローして平滑性良好なカチオン電着塗膜を形成す
る。さらに、カチオン電着塗料(B)の電着塗装を行い
2層からなる塗膜を得る。また2回目の電着塗膜は、目
的とする機能も変えることができ、例えば、カチオン電
着塗膜(B)の塗色が、その上に塗装される上塗り塗料
(C)とマンセル表示の色相で同系色の有彩色、又は白
にする。そのことによって、上塗り塗料(C)による隠
蔽性が向上し、顔料濃度を調整することによる耐チッピ
ング性、仕上がり性、タレ抵抗性も得られた。
【0056】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0057】カチオン電着用 アミン付加エポキシ樹脂
の製造例 エピコート828EL(油化シェル社製、商品名、エポ
キシ樹脂)1010g、ビスフェノールA390g、ジ
メチルベンジルアミノ0.2gを加え、130℃でエポ
キシ当量800になるまで反応させた。次にε−カプロ
ラクトン260g、テトラブトキシチタン0.03gを
加えて170℃に昇温し、この温度を保ちながら経時で
サンプリングを行い、赤外吸収スペクトル測定において
未反応のε−カプロラクトン量を追跡して反応率が98
%以上になった時点で120℃に温度を下げた。次にジ
エタノールアミン160g、ジエチレントリアミンのメ
チルイソブチルジケチミン化物65gを加え、120℃
で4時間反応させ、ブチルセロソルブ420gを加え、
アミン価58、樹脂固形分80%のアミン付加エポキシ
樹脂を得た。
【0058】カチオン電着用 ブロック化ポリイソシア
ネート化合物(MDI)の製造例 MDI(ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネー
ト)250g、メチルイソブチルケトン44gを加え7
0℃に昇温した。メチルアセトアミド146gをゆっく
り加えた後、90℃に昇温した。この温度を保ちなが
ら、経時でサンプリングし赤外吸収スペクトル測定にて
未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認
することにより、固形分90%のブロック化ポリイソシ
アネート化合物を得た。
【0059】カチオン電着用 ブロック化ポリイソシア
ネート化合物(HMDI)の製造例 HMDI(ヘキサメチレンジイソシアヌレート)50部
を、メチルケトオキシム40部に40〜60℃で滴下し
た後、80℃で1時間加熱し、樹脂固形分90%のブロ
ック化ポリイソシアネート化合物(HMDI)を得た。
【0060】カチオン電着用 エマルションNo.1の
製造例 上記、アミン付加エポキシ樹脂を87.5部(固形分7
0%)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(MD
I)を33.3部(固形分30部)、液状有機錫2.5
部、10%ギ酸8.2部を配合し、均一に攪拌した後、
脱イオン水184.1部を強く攪拌しながら約15分か
けて滴下し、固形分32.0%のカチオン電着用 エマ
ルションNo.1を得た。
【0061】カチオン電着用 エマルションNo.2の
製造例 上記、アミン付加エポキシ樹脂を87.5部(固形分7
0%)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(HMD
I)を33.3部(固形分30部)、液状有機錫2.5
部、10%ギ酸8.2部を配合し、均一に攪拌した後、
脱イオン水184.1部を強く攪拌しながら約15分か
けて滴下し、固形分32.0%のカチオン電着用 エマ
ルションNo.2を得た。
【0062】顔料ペーストAの製造例 固形分85%の3級アミン中和型分散樹脂5.88部
(固形分5部)、10%酢酸1.4部を配合した後、さ
らに脱イオン水を加え混合攪拌した。ついでこの中に、
チタン白14部、導電剤バルカンXC72(キャボット社
製、商品名、導電性カーボンブラック)10部、水酸化
ビスマス2部、ジオクチル錫オキサイド1部を配合し、
ボールミルにて20時間分散を行い、50%の顔料ペー
ストAを得た。
【0063】顔料ペーストB〜Eの製造例 表1のような配合にて、顔料ペーストAと同様の操作
で、カチオン電着用顔料ペーストB〜Eを得た。
【0064】
【表1】
【0065】カチオン電着塗料No.1の製造例 作成した32%のカチオン電着用エマルションNo.1
318.5部(固形分101.9部)、50%のカチ
オン電着用 顔料ペースト70部(固形分35部)、及
び脱イオン水296部を加え、固形分20%のカチオン
電着塗料No.1を得た。
【0066】カチオン電着塗料No.2〜No.5の製
造例 カチオン電着塗料No.1の製造と同様に、表2のよう
な配合で固形分20%のカチオン電着塗料No.2〜N
o.5を得た。
【0067】
【表2】
【0068】上塗り塗料用 アクリルエマルションの製
造例 撹拌機、温度計、冷却管を装備した2リットルのガラス
製フラスコに、脱イオン水300部とドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ1部を仕込み、内部の空気を窒素で置
換した後撹拌しつつ内部温度を82℃までに上げ溶解さ
せた。次に、別容器に脱イオン水320部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ50部、ペルオキソ2−硫酸ア
ンモニウム2部を添加し、よく撹拌して泡立て、以下の
組成でモノマー混合溶液を加えて撹拌し乳化物を作り、
それを4時間を要して反応容器中へ連続滴下した。 スチレン 275部 n−ブチルアクリレート 170部 2−ヒドロキシメタクリレート 50部 アクリル酸 5部 滴下終了後、82℃で2時間撹拌した後、40℃まで冷
却して、固形分濃度50重量%上塗り塗料用アクリルエ
マルションを得た。
【0069】アクリル樹脂水溶液の製造例 反応容器にブチルセロソルブ60部およびイソブチルア
ルコール15部を加えて窒素気流中で115℃に加温
し、同温度でアクリル酸n−ブチル26部、メタクリル
酸メチル47部、スチレン10部、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル10部、アクリル酸6部およびアゾイソ
ブチロニトリル1部からなる混合物を3時間かけて加え
た。その後、同温度で30分熟成し、アゾビスイソブチ
ロニトリル1部とブチルセロソルブ115部との混合物
を1時間にわたって加え30分熟成してから、固形分5
5%ものをジメチルエタノールアミンで当量中和してか
ら、脱イオン水を加えて固形分50%のアクリル樹脂水
溶液を得た。
【0070】上塗り塗料用 顔料ペーストNo.1の製
造例 上記、製造例で得られたアクリルエマルション10部
(固形分5部)、チタン白80部、トリエチルアミン
(1.0中和当量)、脱イオン水を加え、これを混合・
分散して固形分30%の上塗り用 顔料ペーストNo.
1を得た。
【0071】上塗り塗料用 顔料ペーストNo.2、N
o.3の製造例 上塗り塗料用 顔料ペーストNo.1と同様に、表3の
ような配合内容で上塗り塗料用 顔料ペーストNo.
2、No.3を得た。
【0072】
【表3】
【0073】上塗り塗料No.1〜No.3の製造例 次に、固形分濃度50%アクリルエマルションを60部
(固形分30部)、架橋剤として「スタフィロイドWD
−220」(武田薬品株式会社製、商品名、HMDI−
MEKオキシムブロック化物)30部、アクリル樹脂水
溶液60部(固形分30部)、固形分30重量%の上塗
り用 顔料ペーストNo.1を283部(固形分85
部)、及び脱イオン水を加えてディスパーで十分に攪拌
し、固形分30重量%の上塗り塗料 No.1を得た。
【0074】表4に、上塗り塗料No.1〜No.3の
配合内訳を示す。上塗り塗料No.3は、塗装後7分間
セッティングを行ったのち「マジクロンHK−4」(関
西ペイント社製、商品名、アクリルメラミン系クリヤー
トップコート)を塗装した。
【0075】
【表4】
【0076】実施例及び比較例 実施例1 工程1:化成処理パルボンド#3020(日本パーカラ
イジング社製、商品名、りん酸亜鉛化成処理剤)にて処
理した冷延鋼板(70×150×0.8mm)、及び図
1のようなドアパーツの鍵穴を想定した試験板を被塗物
とし、導電剤を含有したカチオン電着塗料(A)を浴温
28℃、塗装電圧250Vで膜厚20μmになるように
塗装し、余分なカチオン電着塗料No.1を水洗により
除去した後、電気熱風乾燥機によって170℃−20分
間焼き付け乾燥しカチオン電着塗膜を得た。 工程2:上記、工程1で得られたカチオン電着塗膜を有
する被塗物に、塗色が白であるカチオン電着塗料No.
3を浴温28℃、塗装電圧250Vで膜厚20μmにな
るように塗装した。その後、水洗し余分なカチオン電着
塗料No.3を除去した後、電気熱風乾燥機によって1
70℃−20分間焼き付け乾燥しカチオン電着塗膜を得
た。 工程3:次に、上塗り塗料No.1を35μm塗装して
工程1〜工程3で作成した総合塗膜を電気熱風乾燥機に
て140℃−20分間焼き付け乾燥した後、性能試験用
の塗装板を得た。
【0077】実施例2、比較例3、比較例1〜4 表5に示すような塗料、工程にて塗板を作成し試験に供
した。
【0078】
【表5】
【0079】(注1)60°グロス:JIS K−54
00 7.6(1990)の60°グロスに従い、塗膜
の光沢の程度を、入射角と受光角とがそれぞれ60°の
ときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度
を100としたときの百分率で表す。 (注2)耐チッピング性:Q−G−Rグラベロメーター
(Qパネル株式会社製)を用い7号砕石100gを0.
392MPa(4kgf/cm)のエア圧、20℃の
温度条件で試験板に砕石を吹き付け、塗膜に衝撃を与え
た後JIS Z−2371に規定された方法に準じて塩水噴
霧試験を48時間実施した。錆発生の状態を総合的に評
価し次の基準で表示する。 ○:良好 (70×150mmの試験板に錆発生
5個以下 ) △:やや劣る (70×150mmの試験板に錆発生
6〜9個 ) ×:劣る (70×150mmの試験板に錆発生
10個以上 ) (注3)タレ性:被塗物としてドアパーツの鍵穴部分ド
アパーツの鍵穴部分を想定し、図1のような直径10m
mのポンチ○穴が開けてある鋼板を用いた。各塗装工程
により作成した塗板を、上塗り塗料の垂直塗装にて図1
の一般部が表4の上塗り膜厚のとき、ポンチ○穴周辺の
塗膜のタレ状態を焼き付け塗膜にて観察した。 ○:問題なく良好 △:鍵穴の周りに1mmくらいの塗膜のタレがみられる ×:鍵穴の周りに2mm以上の塗膜のタレがみられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タレ性の塗装試験に用いた試験板。ドアパーツ
の鍵穴部分を想定し、直径10mmのポンチ○穴が開け
てある鋼板である。
【符号の説明】
1. 直径10mmの穴 2. 一般部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 AE10 AE16 BB65X BB65Z BB89X CA04 CA48 DB02 DC12 EC60 4J038 DB061 DB071 DB441 DB451 DB491 DG302 GA03 HA036 HA066 JB01 JB02 JB04 JB09 JB19 JB32 KA08 KA12 KA14 KA20 LA03 MA08 MA10 NA01 NA20 PA04 PA07 PA19 PB07 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、その組成
    物中に導電剤を含有し硬化塗膜の塗膜固有抵抗が10
    12Ω・cm以下となるカチオン電着塗料(A)を塗装
    し、水洗後、得られた塗膜を硬化乾燥する工程、 工程2:カチオン電着塗膜(A)を有する被塗物に、塗
    色が有彩色、又は白であるカチオン電着塗料(B)を塗
    装し、水洗後、得られた塗膜を硬化乾燥する工程、 工程3:さらに上塗り塗料(C)を塗装し、得られた塗
    膜を硬化乾燥する工程、により塗膜を形成することを特
    徴とする塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】上塗り塗料(C)が、カチオン電着塗膜の
    塗色とマンセル表示の色相で同系色の有彩色、又は白で
    ある上塗り塗料(C)を塗装する請求項1記載の塗膜形
    成方法。
  3. 【請求項3】上塗り塗料(C)が、ソリッドカラーコー
    ト(a)である請求項1、又は2に記載の塗膜形成方
    法。
  4. 【請求項4】上塗り塗料(C)が、メタリックベースコ
    ート(b)を塗装後、メタリックベースコート(b)を
    硬化させないで、クリアートップコート(c)を塗装す
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗膜形成方
    法。
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JP2008031210A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Kansai Paint Co Ltd 顔料分散ペーストおよびカチオン電着塗料
JP2017170692A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 マツダ株式会社 金属部材と樹脂部材との接合方法およびその方法において使用される金属部材

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