JP2002035691A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JP2002035691A
JP2002035691A JP2000221729A JP2000221729A JP2002035691A JP 2002035691 A JP2002035691 A JP 2002035691A JP 2000221729 A JP2000221729 A JP 2000221729A JP 2000221729 A JP2000221729 A JP 2000221729A JP 2002035691 A JP2002035691 A JP 2002035691A
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color
coating
top coat
paint
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JP2000221729A
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Hidehiko Haishi
秀彦 羽石
Shigeo Murofushi
重雄 室伏
Yasuyuki Hirata
靖之 平田
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車ボディの塗膜形成において、仕上り性、
塗装作業性、チッピング性良好な総合塗膜を開発するこ
と。 【解決手段】下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、塗膜の塗
色(色彩)が有彩色又は無彩色の白であるカチオン電着
塗料を塗装して電着塗膜を形成する工程、 工程2:被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着
塗料を除去する工程、 工程3:次いで、塗膜を加熱して、硬化乾燥させる工
程、 工程4:下地の電着塗膜の塗色と、マンセル表示の色相
で同系色の有彩色、又は無彩色の白である上塗り塗料を
塗装する工程、 工程5:次いで、硬化させる工程、を含むことを特徴と
する塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜形成方法に関
し、詳しくは自動車ボディ、自動車部品などの被塗物に
対して、電着塗膜の塗色(色彩)が上塗り塗膜のマンセ
ルの色相(R、Y、G、B、P等)で、同系色の有彩色
又は無彩色の白であるソリッドカラーの電着塗膜、又は
有彩色又は無彩色の白の顔料にアルミニウムやマイカを
含有したメタリックカラーの電着塗膜であることを特徴
としており、さらに電着塗膜の上に上塗り塗装を施した
場合、上塗り塗膜が電着塗膜と同系色であることから、
上塗り塗膜の下地隠蔽性や塗装作業性に優れた塗膜形成
方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来、自動車ボディなどの金
属被塗物を塗膜で被覆する方法として、塗色が無彩色で
ある黒やグレーのカチオン電着塗装を施した後、中塗り
塗装及び/又は上塗り塗装が行われる。
【0003】一般的に、上塗り塗装には、ソリッドカラ
ー上塗り塗装として、硬化型ソリッドカラー上塗り塗料
を塗装し硬化させる塗膜形成方法。メタリックカラー上
塗り塗装として、硬化型着色ベースコートを塗装後、着
色ベースコートを硬化させないで、硬化型クリアートッ
プコートを塗装することを特徴とする塗膜形成方法。
【0004】硬化型着色ベースコートを塗装後、着色ベ
ースコートを硬化させた後、硬化型クリアートップコー
トを塗装することを特徴とする塗膜形成方法がある。一
方、ボディコストの低減や生産性の向上を目的として、
中塗り塗装工程を省略したり、また上塗り膜厚を薄くす
る傾向がある。
【0005】しかしユーザーの要求に、マンセルカラー
チャートでN7〜N9.5の範囲、好ましくは純白であ
るN10により近い「高白度光沢感」や、60度光沢度
などでよりグロス値の高い「高鮮映性」の要求が高まっ
てきており、その対策として上塗り塗膜のフロー性向上
のため顔料濃度を下げたり、または塗装膜厚を厚くして
仕上がり性を上げていた。
【0006】例えば、白系上塗り塗料には、着色顔料と
して隠蔽力が低いチタン白を多量に用いるが、「高白度
光沢感」の要求に対し、熱フロー性向上を狙って顔料濃
度低下させたりするが、低下する量にも限界があり、ま
た単に塗装膜厚を厚くするとコスト増や、上塗り塗膜が
被塗物の垂直面(例えば、ドアパーツのプレスライン下
や鍵穴部の周りで)タレることによる仕上がり性低下が
あり、塗装作業性に問題点としてあった。
【0007】他に、例えば電着塗膜が黒であった場合、
顔料濃度を下げると下地隠蔽性の低下があり、上塗りの
塗色が白の場合、下地である黒の影響を受けて灰色にな
る。またブルーの場合は、黒味が加わり真の色味が得ら
れないなどの問題があった。メタリックカラーでは、ア
ルミニウムやマイカの光沢感を低下するなどの問題点が
あった。
【0008】上塗り塗膜の下地隠蔽性を確保するため
に、例えば、ブルーにカーボンブラックのような隠蔽力
の大きい顔料を少量塗料に混入することで得られるが、
カーボンブラックは少量でも着色力が大きいために塗色
の明度、彩度が低下し、限られた色域範囲でしか隠蔽性
が確保できない。また真の色味からずれるなどの問題点
があった。この下地隠蔽性を確保するために、上塗り塗
料中の顔料濃度を上げることが考えられるが、そのこと
により耐チッピングが低下し、仕上がり性と塗膜物性な
ど問題点があり苦慮していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、通常、自動車
ボディなどの金属被塗物において、りん酸亜鉛などの化
成処理を施した後、灰色や黒の塗色の電着塗装が行われ
る。
【0010】本発明では、この電着塗膜の塗色をソリッ
ドカラー上塗り塗色や、メタリックカラー上塗り塗膜の
塗色と、マンセル表示の色相で同系色の有彩色又は無彩
色の白のソリッドカラーや、有彩色又は無彩色の白の顔
料にアルミニウム、マイカ等を含有したメタリックカラ
ーにすることにより、上塗り仕上がり性を向上すること
ができた。このことにより、下地隠蔽性が向上し、上塗
り塗装膜厚を増やすことによる垂直部のタレによる仕上
がり性低下や、顔料の濃度を上げることによる耐チッピ
ングなどの問題点を解決し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、 1.下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、塗膜の塗
色(色彩)が有彩色又は無彩色の白であるカチオン電着
塗料を塗装して電着塗膜を形成する工程、 工程2:被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着
塗料を除去する工程、 工程3:次いで、塗膜を加熱して、硬化乾燥させる工
程、 工程4:下地の電着塗膜の塗色と、マンセル表示の色相
で同系色の有彩色、又は無彩色の白である上塗り塗料を
塗装する工程、 工程5:次いで、硬化させる工程、を含むことを特徴と
する塗膜形成方法、 2.上塗り塗料を塗装する工程が、硬化型ソリッドカラ
ー上塗り塗料を塗装することを特徴とする1項記載の塗
膜形成方法。 3.上塗り塗料を塗装する工程が、硬化型着色ベースコ
ートを塗装後、着色ベースコートを硬化させないで、硬
化型クリアートップコートを塗装することを特徴とする
1項記載の塗膜形成方法、 4.上塗り塗料を塗装する工程が、硬化型着色ベースコ
ートを塗装後、着色ベースコートを硬化させて、硬化型
クリアートップコートを塗装することを特徴とする1項
記載の塗膜形成方法、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明は、現状で無彩色の黒や
灰色である電着塗膜の塗色を、上塗り塗膜の塗色とマン
セル表示の色相(R、Y、G、B、P等)で同系色の有
彩色又は無彩色の白であるソリッドカラー、又は有彩色
又は無彩色の白の顔料にアルミニウム、マイカなどを含
有したメタリックカラーの塗色にするものである。(以
下、カラー電着塗装、塗膜と略す場合がある。) 従来、カラー電着塗装、塗膜に関するものは、特開昭6
0−24400号、特開昭60−70200号、特開昭
63−157899号などが挙げられるが、本発明は、
上塗り塗膜を塗装した総合塗膜での仕上がり性向上や塗
装作業性、耐チッピングに寄与するものであり、例示し
た発明とは異なるものである。
【0012】以下、本発明における工程1〜工程5及び
電着塗料について順次説明する。 工程1:被塗物としては、自動車ボディ、自動車部品、
など袋部などの複雑な構造を有するものを挙げることが
できる。被塗物の材質としては、金属を挙げることがで
き防食性の面から防錆鋼板が好適である。鋼板として
は、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜
鉛−鉄二層めっき鋼板及び有機複合めっき鋼板など、並
びにこれらの鋼板や冷延鋼板などの基材を、必要に応じ
てアルカリ脱脂などによって表面を清浄化した後、リン
酸塩化成処理、クロメート処理などの表面処理を行った
ものが挙げられる。
【0013】本発明方法において、電着塗装される塗料
としては、カチオン電着塗料である限り特に制限なく使
用することができ、目標とする塗膜性能に応じて、その
組成である顔料ペーストとエマルションを適宜選択して
使用すればよい。
【0014】本発明は、電着塗膜の塗色が、有彩色又は
無彩色の白であるソリッドカラー、又は有彩色又は無彩
色の白の顔料にアルミニウムやマイカなどを含有したメ
タリックカラーであり、後に塗装される上塗り塗料の塗
色とマンセル表示(JIS Z8721三属性による色の表示方
法)の色相(R、Y、G、B、P)で同系色であること
を特徴としている。また好ましくは電着塗膜と上塗り塗
膜の色差:ΔE(注)を10以下、さらに好ましくは6
以下にすることにより、下地隠蔽性が増し、仕上がり性
向上することがわかった。 (注)色差:ΔEは、JIS Z 8730によるLa
b表示値に従って2つの色の差である色差を測定した。
【0015】本発明のカチオン電着塗料に用いられる顔
料ペーストとして、以下の顔料を配合することができ
る。着色顔料として、 白;二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カル
シウム、リン酸(Zn、Al)、モリブデン酸(Zn、
Ca)、 黒;カーボンブラック、黒鉛(グラファイト)、鉄黒
(アイアンブラック) 青;無機系として、紺青、群青、コバルトブルー、有機
系として、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブ
ルー、 黄;無機系として、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんが
ら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛
黄(ジンクエロー)、クロム酸ストロンチウム、アナミ
ド鉛、有機系として、モノアゾイエロー、モノアゾイエ
ロー、ジスアゾ、モノアゾイエロー、イソインドリノン
イエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロ
ー、ベンズイミダゾロンイエロー、 赤;無機系として、べんがら、透明べんがら(赤)、鉛
丹、有機系として、モノアゾレッド、モノアゾレッド、
無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キ
ナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアン
スラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン
マゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロ
ムバーミリオン、塩基性クロム酸鉛、 緑;無機系として、酸化クロム、有機系として、塩素化
フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリー
ン、 その他;ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレ
ンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレッ
トなどが挙げられる。また、被塗物の素地を隠蔽する面
から、有彩色顔料にはカーボンブラックなどを併用する
場合もある。他に、アルミニウム粉、アルミニウムフレ
ーク、パールマイカ、着色マイカなどを添加しメタリッ
クカラーとして用いる。
【0016】上記、着色顔料、アルミニウム、マイカ等
のカチオン電着塗料における添加量としては、カチオン
電着塗料中の樹脂固形分100重量部に対して1〜40
重量部の範囲、好ましくは5〜30重量部さらに好まし
くは10〜25重量部の範囲がよい。着色顔料、アルミ
ニウム、マイカ等の添加量の固形分合計が1重量未満で
は下地隠蔽性に効果がなく、また40重量部を越えると
塗料の安定性を損なうので好ましくない。
【0017】他に、クレー、タルク、炭酸カルシウムの
ような体質顔料;クロム酸ストロンチウム、クロム酸
鉛、ケイ酸鉛、トリポリりん酸アルミ、トリポリりん酸
亜鉛、亜鉛華、無機ビスマス、有機酸ビスマスなどの防
錆顔料;ジブチル錫オキサイド(DBTO)、ジオクチ
ル錫オキサイド(DOTO)などの錫触媒が挙げられ、
これらの顔料や触媒は、分散用樹脂として3級アミン型
エポキシ樹脂系、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂
系、3級アミン型アクリル樹脂系などと、中和剤、脱イ
オン水を加えたのち、ボールミル、サンドミルなどで分
散し、顔料分散ペーストを得ることができる。
【0018】カチオン電着塗料の組成であるエマルショ
ンに用いられる基体樹脂としては、例えば、エポキシ樹
脂を主成分とする電着塗料組成物、ビニル共重合体(ア
クリル樹脂)を主成分とするカチオン電着塗料組成物等
を挙げることができる。ビニル系共重合体を主成分とす
る電着塗料組成物には、他の電着用樹脂として、従来公
知のアミン付加エポキシ樹脂を、少量併用することが防
食性の点から望ましい。
【0019】エポキシ樹脂を主成分とするカチオン電着
塗料組成物は、エポキシ樹脂としては、アミン付加エポ
キシ樹脂が挙げられ、該アミン付加エポキシ樹脂は、電
着塗料組成物において通常使用されているポリアミン樹
脂、例えば、(i)ポリエポキシド化合物と1級モノ−
及びポリアミン、2級モノ−及びポリアミン又は1、2
級混合ポリアミンとの付加物(例えば米国特許第3,9
84,299号明細書参照);(ii)ポリエポキシド化
合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ
−及びポリアミンとの付加物(例えば米国特許第4,0
17,438号明細書参照);(iii) ポリエポキシド化
合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキ
シ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば
特開昭59−43013号公報参照)などがある。
【0020】上記、ポリアミン樹脂の製造に使用される
ポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に2個
以上有する化合物であり、一般に少なくとも200、好
ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800
〜2,000の範囲内の数平均分子量を有するものが適
しており、特にポリフェノール化合物とエピクロルヒド
リンとの反応によって得られるものが好ましい。該ポリ
エポキシド化合物の形成のために用いうるポリフェノー
ル化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,2−プロパン、4,4′−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−
イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フ
ェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナ
ブチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビ
ス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェ
ノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられ
る。
【0021】該、ポリエポキシド化合物はポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リアシドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート
化合物などと一部反応させたものであってもよく、さら
にまた、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどを
グラフト重合させたものであってもよい。
【0022】例えば、ビニル系共重合体を主成分とする
カチオン電着塗料において、ビニル系共重合体として
は、従来公知のものが使用でき、例えばアミノ基含有モ
ノマーと水酸基含有モノマー、及びその他のビニルモノ
マーとを共重合してなるものが挙げられる。
【0023】アミノ基含有モノマーとしては、アミノ基
含有アクリル系モノマーが好ましく、例えばアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
ブチル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキルアク
リル酸エステル又はメタクリル酸エステル類;N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ドなどのアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリル
アミド類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2
種以上組合せて使用することができる。かかるアミノ基
含有モノマーは全モノマー量の3〜20重量%、好まし
くは5〜18重量%の範囲で使用されるのが適当であ
る。
【0024】上記、水酸基含有モノマーとしては、例え
ば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又は
メタクリル酸のC1 〜C8 のヒドロキシアルキルエステ
ルが好ましく使用できる。
【0025】その他のビニルモノマーとしては、アミノ
基含有モノマーや水酸基含有モノマーと共重合可能なモ
ノマーであれば特に制限はなく、例えばメチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、 iso−ブチル(メタ)アクリ
レート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメ
タクリル酸のC1 〜C24のアルキル又はシクロアルキル
エステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アク
リロニトリル、ビニルプロピオネート、(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、
ベオバモノマー(シェル化学製品)などのビニルモノマ
ーが挙げられ、それぞれ単独で又は2種以上組合せて使
用することができる。これらのモノマーは目的とするカ
チオン電着塗料の性状、及びそれにより形成される塗膜
の要求性能に応じて適宜選択できる。以上のようなモノ
マー類からなる共重合体の製造は、従来公知の方法で行
うことができ、一般には溶液重合法に従って行われる。
【0026】また、ビニル系共重合体を主成分とするカ
チオン電着塗料としては、グリシジル基含有モノマーと
水酸基含有モノマー、及びこれらと共重合可能でグリシ
ジル基と反応しないその他のビニルモノマーとの共重合
体にアミンを付加してなるものも挙げられる。
【0027】上記、グリシジル基含有モノマーとして
は、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘ
キセンモノエポキシド、N−グリシジルアクリルアミ
ド、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。かか
るグリシジル基含有モノマーは、全モノマー量の5〜5
0重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲で使用さ
れるのが適当である。水酸基含有モノマー及びこれらと
共重合可能でグリシジル基と反応しないその他のビニル
モノマーは、前述のものが同様に使用できる。またかか
るモノマー類からなる共重合体の製造も、従来公知の方
法で行うことができる。
【0028】このようにして得られるグリシジル基含有
共重合体とアミンとの付加反応は、従来公知の方法に従
って行うことができ、例えば該共重合体溶液に第2級ア
ミンを加え約50〜120℃の温度で約1〜20時間反
応せしめる方法などが挙げられる。使用されるアミンと
しては、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどのア
ルキルアミン類;ジエタノールアミン、ジイソプロパノ
ールアミン、N−メチルエタノールアミンなどのアルカ
ノールアミン類;ピペリジン、モルホリン、N−メチル
ピペラジンなどが挙げられる。かかるアミンの使用量は
通常グリシジル基1モル当たり約0.1〜1モルの範囲
が適当である。
【0029】以上の如くして得られるカチオン電着性ビ
ニル系共重合体の水酸基価は、特に制限されるものでは
ないが、通常30〜200mgKOH/g、好ましくは
50〜150mgKOH/gの範囲が適当である。該水
酸基価が30未満では得られる塗膜の硬化性が劣りやす
く、また200mgKOH/gを越えると耐候性や防食
性が劣る傾向がみられる。また該カチオン電着性ビニル
系共重合体の分子量は、通常約5,000〜100,0
00、好ましくは10,000〜50,000の範囲が
適当である。
【0030】次に、硬化剤として用いる(ブロック化)
ポリイソシアネート化合物は、脂肪族及び/又は脂環式
のポリイソシアネート化合物をブロック剤でブロックし
た化合物である。ポリイソシアネート化合物が脂肪族及
び/又は脂環式以外のポリイソシアネート化合物、例え
ば芳香族ポリイソシアネート化合物の場合には塗膜の耐
候性の劣化等を招くので好ましくない。脂肪族及び/又
は脂環式のポリイソシアネート化合物としては、例え
ば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、メチ
レンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族のジイソシア
ネート化合物、またはそれらの2量体、3量体、及びこ
れらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等の低分子活性水素
含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含
有化合物が挙げられる。
【0031】ブロック化剤はポリイソシアネート化合物
のイソシアネート基に付加してブロックするものであ
り、そして付加によって生成するブロックポリイソシア
ネート化合物は常温において安定で且つ約100〜20
0℃、好ましくは120〜150℃に加熱した際、ブロ
ック剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうる
ものであることが望ましい。
【0032】そのようなブロック化剤として、例えば、
ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタ
ム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パ
ラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノー
ル系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノール
などの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メ
チルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコ
ール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどの
エーテルアルコール系化合物等を挙げることができる。
【0033】このブロック剤の配合量としては、イソシ
アネートのNCO基に対して1:1〜1:1.3で反応
させることが好ましい。比率が1.3を越えるとブロッ
ク剤が残存して塗膜の防食性を低下させ、1.0未満で
はNCO基が残存して塗料組成物の安定性を損なうので
好ましくない。
【0034】また、上記架橋剤を使用しなくても硬化さ
せることが可能な自己架橋タイプのアミン付加エポキシ
樹脂を使用することができ、例えばポリエポキシ物質に
β−ヒドロキシアルキルカルバメート基を導入した樹脂
(例えば、特開昭59−155470号);エステル交
換反応によって硬化しうるタイプの樹脂(例えば、特開
昭55−80436号);基体樹脂中に(ブロック化)
イソシアネート基を導入した樹脂などを用いることもで
きる。
【0035】基体樹脂の中和、水分散化は通常、硬化
剤、界面活性剤、表面調整剤(アクリル樹脂、フッ素樹
脂、シリコン樹脂など)、硬化触媒(例えば、錫、亜
鉛、鉛、ビスマスなどの金属の塩)やその他の添加剤な
どを加えた後、該基体樹脂を脂肪族カルボン酸、例え
ば、グリコール酸、グリセリン酸、乳酸、ジメチロール
プロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草
酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロン酸、ジヒドロ
キシコハク酸、トリヒドロキシコハク酸、メチルマロン
酸、酢酸、ギ酸などの水溶性有機酸によって行われる。
また中和剤としてギ酸を用いると、つきまわり性に優れ
るので好ましい。
【0036】上記、カチオン電着塗料は、適宜脱イオン
水で希釈して固形分濃度が約5〜25重量%、pHが
5.5〜8の範囲内になるように調整する。カチオン電
着塗料を用いて被塗物に電着塗装を行う方法及び装置と
しては、従来から電着塗装において使用されている、既
知の方法及び装置を使用することができる。
【0037】その際、電着塗装条件は特に制限されるも
のではないが、一般的には、浴温は、15〜35℃(好
ましくは20〜30℃)、電圧:100〜400V(好
ましくは200〜300V)、通電時間:30秒〜10
分、極面積比(A/C)=8/1〜1/8、極間距離1
0〜200cm、撹拌状態で電着することが望ましい。
【0038】カチオン電着塗料による電着塗膜の膜厚は
目的とする性能に応じて適宜選定すればよいが、5〜6
0μm 、好ましくは10〜40μm の範囲であることが
よい。カチオン電着塗料として、基体樹脂にエポキシ樹
脂を主成分とするカチオン電着塗料を使用することによ
って防食性の良好な塗膜を得ることができ、ビニル系共
重合体を主成分とするカチオン電着塗料を使用すること
によって耐候性の良好な塗膜を得ることができる。
【0039】工程2:電着塗装後、余分に付着したカチ
オン電着塗料を落とすための水洗工程である。水洗液と
しては、ウルトラフィルトレーションろ液(UFろ
液)、RO透過水、工業用水、純水などにより、塗装物
表面に電着塗料が残らないよう2回以上の回数を経て十
分に水洗する。この水洗設備は、自動車ボディや部品を
水洗槽内に浸漬するディピング水洗方法、又は水洗水を
シャワーリングするスプレー水洗方法で行うことができ
る。
【0040】工程3:電着塗膜を加熱して硬化させる工
程である。乾燥設備としては、電気熱風乾燥機、ガス熱
風乾燥機などを用いて行うことができる。乾燥温度とし
ては被塗物表面の温度で110℃〜200℃、好ましく
は140〜180℃、乾燥時間としては10分間〜18
0分間、好ましくは20分間〜50分間が良い。
【0041】工程4:上記工程により得られた電着塗膜
を有する被塗物に、上塗り塗装を施す工程である。また
カチオン電着塗膜と上塗り塗膜の間に、中塗り塗膜を施
すこともできる。色彩としては、電着塗膜と同系統の塗
色である熱硬化性中塗り塗料が、下地隠蔽性から好まし
い。
【0042】例えば、アルキド樹脂またはオイルフリー
ポリエステル樹脂とアミノ樹脂を主成分とする中塗り塗
料が挙げら、塗装膜厚は、10〜50μmの範囲、好ま
しくは25〜35μmの範囲である。また中塗り塗装の
硬化乾燥としては条件としては、乾燥温度が100〜1
60℃で乾燥時間は10〜90分間の範囲が好ましい。
【0043】また中塗り塗装、工程は省工程の面から、
電着塗膜の上に直接、上塗り塗装を行う傾向があり、下
地隠蔽性が上塗り塗装を施した総合塗膜で要求されてい
る。例えば、電着塗膜が黒であると上塗り塗膜が白を塗
り重ねた場合、塗装膜厚を厚くしたり、チタン白などの
顔料濃度を上げて隠蔽性を出して黒味を隠蔽していた。
しかし電着塗膜が白で、上塗り塗膜が同系色の白である
と膜厚が薄くても、また顔料濃度を下げても隠蔽するこ
とがわかった。
【0044】上塗り塗料には、ソリッドカラー上塗り塗
料として、硬化型ソリッドカラー上塗り塗料を塗装し
て、焼き付け硬化させる塗膜形成方法(1コート1ベー
ク方法:1C1B)。メタリックカラー上塗り塗料とし
て、硬化型着色ベースコートを塗装後、着色ベースコー
トを硬化させないで、硬化型クリアートップコートを塗
装して、同時焼き付け硬化させる塗膜形成方法(2コー
ト1ベーク方法、2C1B)。硬化型着色ベースコート
を塗装後、着色ベースコートを硬化させた後、硬化型ク
リアートップコートを塗装して、焼き付け硬化させる塗
膜形成方法(2コート2ベーク方法:2C2B)等があ
る。
【0045】ソリッドカラー上塗り塗料は、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂な
どの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシ
ネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤と併用
したものが挙げられ、これらは有機溶剤及び/又は水な
どの溶剤に溶解または分散して使用される。
【0046】またここで使用される着色顔料としては、
カチオン電着塗料で用いた有機系顔料、無機系顔料など
が使用できる。1種、又は2種以上の併用も可能であ
る。該ソリッドカラー上塗り塗料の塗装方法は、スプレ
ー塗装、静電塗装及び非静電塗装のいずれでもよい。
【0047】焼き付け条件は、従来と異なるものではな
く、例えば120〜150℃の温度で20〜40分焼き
付けることにより塗膜を硬化、乾燥させるのがよい。硬
化乾燥膜厚は10〜50μm、好ましくは15〜40μ
mの範囲である。
【0048】またこのソリッドカラー上塗り塗料の塗色
は、特に制限されるものではないが、下地となる電着塗
膜の塗色がソリッドカラー上塗り塗色とマンセルの色相
で同系色の塗色で塗られていることから、膜厚を減らし
ても下地隠蔽性を得ることができ、タレなどの塗装作業
性が向上した。また他に、塗料配合中からチタン白量な
どの顔料濃度を下げても下地隠蔽性を確保でき、塗膜中
から顔料分を減らすことにより可塑効果みられ、耐チッ
ピング等の塗膜物性が向上することがわかった。
【0049】メタリックカラー上塗り塗料は、着色ベー
スコート(A)とクリアートップコート(B)からな
る。着色ベースコート(A)は、樹脂成分、着色顔料、
有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて体質顔料及びそ
の他の塗料添加剤などを配合してなる熱硬化性塗料であ
る。
【0050】樹脂成分として、具体的には、架橋性官能
基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、
尿素樹脂、(ブロック化)ポリイソシアネート化合物な
どの架橋剤と併用したものが挙げられ、これらは有機溶
剤及び/又は水などの溶剤に溶解または分散して使用さ
れる。
【0051】着色顔料としては、カチオン電着塗料に用
いたものと同様のものが使用でき、例えば、チタン白は
二酸化チタンを主成分とする白色顔料であり、一般にそ
の粒径が0.2〜0.35μm、特に0.25〜0.3
0μmの範囲内にあるものが好ましい。
【0052】他に、アルミニウムフレークはりん片状の
金属アルミニウムであって、通常、その厚さが0.1〜
1.0μm、特に0.2〜0.5μmの範囲内にあり、
そして粒径が1〜20μmの範囲内及び平均粒径が10
μm以下であるものが好ましい。他に、酸化チタンで被
覆された燐片状雲母なども配合でき、一般にホワイトマ
イカ、又はシルバーマイカと称されているものである。
一般に、その最大直径が5〜60μm、特に5〜25μ
mの範囲内にあり、かつ厚さが0.25〜1.5μm、
特に0.5〜1μmの範囲内にあるものが好ましい。酸
化チタン被覆燐片状雲母の配合量は、厳密に制限される
ものではないが、通常、樹脂成分の固形分合計100重
量部あたり3〜20重量部、特に7〜13重量部の範囲
内が好ましい。また必要に応じて、銀メッキガラスフレ
ーク、チタンコートグラファイト、金属チタンフレー
ク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレークなどを配合す
ることができる。
【0053】着色ベースコート(A)の塗装は、静電塗
装、エアースプレー、エアレススプレーなどの方法で塗
装することができ、その膜厚は硬化塗膜に基づいて、一
般に5〜20μmの範囲内が好ましい。
【0054】クリアートップコート(B)は、樹脂、及
び有機溶剤を主成分とし、さらに必要に応じて該塗膜の
透明感を損なない程度で着色顔料及びその他の塗料用添
加剤などを配合してなる無色、もしくは有色の透明塗膜
を形成する塗料である。
【0055】クリアートップコート(B)で使用する樹
脂は熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、水酸基、カ
ルボキシル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有する
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレ
タン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、
(ブロック化)イソシアネート化合物、カルボキシル基
含有化合物(又は樹脂)、エポキシ基含有化合物(又は
樹脂)などの架橋剤と併用したものが挙げられ、そして
上記溶剤としては、有機溶剤及び/又は水を使用するこ
とができる。
【0056】クリアートップコート(B)は、未硬化
の、若しくは架橋硬化させた着色ベースコート(A)の
塗面に、静電塗装、エアースプレー、エアレススプレー
などの方法で塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜
に基づいて10〜100μmの範囲内とするのが好まし
い。
【0057】クリアートップコート(B)の形成は、例
えば、有機溶剤や脱イオン水で塗装に適した粘度に希釈
した後、被塗物にスプレー等により、静電塗装、非静電
塗装などにより行われる。
【0058】メタリックカラー上塗り塗装における、着
色ベースコート(A)及びクリアートップコート(B)
の膜厚としては、特に制限されるものではないが、着色
ベースコート(A)の硬化膜厚が通常10〜30μm程
度、好ましくは15〜20μm範囲、またクリアートッ
プコート(B)の膜厚は、通常20〜60μm程度、好
ましくは30〜50μm範囲がよい。
【0059】工程5:焼き付け硬化工程である。方法と
しては、電気熱風乾燥機、ガス熱風乾燥機などにより、
120〜160℃の温度で、10〜40分間、焼き付け
ることにより塗膜を硬化させるのがよい。
【0060】
【発明の効果】 本発明の塗膜形成方法は、自動車ボデ
ィなどの金属被塗物に塗られるカチオン電着塗膜の塗色
を、ボディ外板色であるソリッドカラー上塗り塗膜やメ
タリックカラー上塗り塗膜の塗色と、マンセルの色相で
同系統の有彩色か無彩色である白のソリッドカラーや、
有彩色か無彩色である白の顔料にアルミニウムやマイカ
などを含有したメタリックカラーにする。
【0061】このことにより、従来の電着塗膜の塗色が
黒や灰色に比べ、上塗り塗装膜厚を減らしても下地隠蔽
性が得られる。また上塗り塗料の顔料濃度を下げても下
地隠蔽性が得られることがわかった。それに伴う、塗装
膜厚を減らすことによる、コストの低減、垂直面塗装で
タレ性などの塗装作業性が向上した。また顔料濃度の低
下により、塗膜に可塑効果が出ることから耐チッピング
性などの塗膜物性が向上する。
【0062】他の効果として、自動車ボディのトラン
ク、ドアインナー、ピラーなどに塗られる、外板上塗り
塗色と同一塗色の共色中塗り塗料、及び工程があるが、
電着塗膜が、上塗り塗膜のマンセルの色相で同系色であ
ることから、共色中塗り塗料、及び工程を省略でき、省
資源化、省工程に寄与する。
【0063】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0064】顔料ペーストAの製造例 固形分85%の3級アミン酸中和型分散樹脂5.88部(固
形分5部)、10%酢酸1.4部を配合した後、さらに脱
イオン水を加え混合攪拌した。ついでこの中に、チタン
白14部、カーボンブラック0.3部、精製クレー8部、
ケイ酸鉛2部、有機錫3部を配合し、ボールミルにて4
0時間分散を行い50%の顔料ペーストAを得た。
【0065】顔料ペーストB〜Fの製造例 顔料ペーストAと同様の操作にて、表1の配合内容で顔
料ペーストB〜Fを作成した。
【0066】
【表1】 (注1)ホワイトパール(メルク社製、二酸化チタン被
覆マイカ) (注2)アルミ顔料ペースト(旭化成工業社製、固形分
66.3%)アミン付加エポキシ樹脂(a)の製造例 エピコート828EL(油化シェルエポキシ社製、商品
名、エポキシ樹脂)1010g、ビスフェノールA39
0g、ジメチルベンジルアミノ0.2gを加え、130
℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次にε
−カプロラクトン260g、テトラブトキシチタン0.
03gを加え、170℃に昇温し、この温度を保ちなが
ら経時でサンプリングを行い、赤外吸収スペクトル測定
において未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応
率が98%以上になった時点で120℃に温度を下げ
た。次にジエタノールアミン160g、ジエチレントリ
アミンのメチルイソブチルジケチミン化物65gを加
え、120℃で4時間反応させ、ブチルセロソルブ42
0gを加え、アミン価58、樹脂固形分80%のアミン
付加エポキシ樹脂(a)を得た。
【0067】(ブロック化)ポリイソシアネート化合物
(b)の製造例 イソホロンジイソシアネート50部をメチルケトオキシ
ム40部に40〜60℃で滴下した後、80℃で1時間
加熱し、樹脂固形分90%の(ブロック化)ポリイソシ
アネート化合物(b)を得た。
【0068】カチオン電着用クリアーエマルションの製
造例 上記、アミン付加エポキシ樹脂(a)を87.5部、
(ブロック化)ポリイソシアネート化合物(b)を3
3.3部、液状有機錫2.5部、10%ギ酸8.2部を
配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水184.1部を
強く攪拌しながら約15分かけて滴下し、固形分32.
0%のカチオン電着用クリアーエマルションを得た。
【0069】カチオン電着塗料NO.1の製造例 作成した32%のカチオン電着用エマルション 31
8.5部、50%の顔料ペーストA 70部及び純水2
96部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料NO.
1を得た。
【0070】カチオン電着塗料NO.2〜NO.6の製
造例 以下、表2のような顔料ペーストとの組み合わせでカチ
オン電着塗料NO.2〜NO.6を作成した。
【0071】
【表2】
【0072】上塗り塗料NO.1(ソリッドカラー)の
製造例 フタルキッド133−60(日立化成工業株式会社製、
商品名、アルキド樹脂)70部、ユーバン20SE−6
0(三井東圧化学社製、商品名、n−ブトキシメラミン
樹脂)、ベントン27(NLケミカル社製、商品名、チ
クソトロピック性付与剤)0.5部、チヌビン900
1部、チタン白 80部加えてディスパーにて攪拌した
のち、フォードカップ#4で25秒/20℃の粘度にな
るようにスワゾール#1000で希釈し、上塗り塗料N
O.1を製造した。
【0073】上塗り塗料NO.2〜NO.4の製造例 表3に示す配合で、上塗り塗料NO.1と同様の操作に
より上塗り塗料NO.2〜NO.4を作成した。
【0074】
【表3】 着色ベースコートNO.1の製造例(メタリックカラー
上塗り塗料用) スチレン15部、メチルメタクリレート20部、エチル
アクリレート30部、n−ブチルメタクリレート21
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12部及びア
クリル酸2部を重合開始剤アゾビスブチロニトリルを用
いてキシレン中で重合させ、樹脂分50%、ワニス粘度
Z1のアクリル樹脂溶液Aを得た。このアクリル樹脂溶液
を用いて下記配合で着色ベースコートNO.1を作成し
た。
【0075】着色ベースコートNO.1 50% アクリル樹脂溶液A 160部 60% ユーバン20SE 33部 ホワイトパール(注1) 30部 また、表4の配合で着色ベースコートNO.1と同様の
操作で、着色ベースコートNO.2〜NO.3を作成し
た。なお着色ベースコートNO.1〜NO.3、それぞ
れにクリアートップコートとしてルーガベーククリアー
(関西ペイント社製、商品名、アクリル・アミノ樹脂
系)を塗装し、上塗り塗料NO.5〜NO.7(メタリ
ックカラー)を得られた。組み合わせ及び配合は、表4
のとおりである。
【0076】
【表4】 実施例及び比較例 実施例1 工程1:化成処理パルボンド#3020(日本パーカー
ライジング社製、商品名、りん酸亜鉛化成処理剤)にて
処理した冷延鋼板(70×150×0.8mm)及び図1のような
ドアパーツの鍵穴を想定した試験板を被塗物とし、カチ
オン電着塗料NO.1を浴温28℃、塗装電圧250V
で膜厚20μmになるように塗装した。 工程2:次いで、上記で得られた電着塗膜を有する被塗
物をスプレーにて水洗し、余分に付着したカチオン電着
塗料NO.1を除去した。 工程3:170℃−20分間電気熱風乾燥機にて硬化乾
燥し、膜厚20μmの電着塗膜を得た。 工程4:以上の工程により作成した電着塗膜に、上塗り
塗料NO.1を乾燥膜厚で35μmになるようにスプレ
ーにて塗装した。 工程5:10分間セッテングを行い溶剤を塗膜中から揮
散させた後、140℃−20分間電気熱風乾燥機にて焼
き付け硬化させ総合塗膜を得た。
【0077】実施例2〜4、比較例1〜4 実施例1と同様に、表5に示すような工程にてカチオン
電着塗料、及び上塗り塗料を塗装し、試験に供した結果
を示す。
【0078】実施例5 工程1:化成処理パルボンド#3020(日本パーカー
ライジング社製、商品名、りん酸亜鉛化成処理剤)にて
処理した冷延鋼板(70×150×0.8mm)及び図1のような
ドアパーツの鍵穴を想定した試験板を被塗物とし、カチ
オン電着塗料NO.5を浴温28℃、塗装電圧250V
で膜厚20μmになるように塗装した。 工程2:次いで、上記で得られた電着塗膜を有する被塗
物をスプレーにて水洗し、余分に付着したカチオン電着
塗料NO.5を除去した。 工程3:170℃−20分間電気熱風乾燥機にて硬化乾
燥し、膜厚20μmの電着塗膜を得た。 工程4:以上の工程により作成した電着塗膜に、べース
コートNO.1を乾燥膜厚で15μmになるようにスプ
レーにて塗装し、7分間セッテイングを行い、次に、ク
リアートップコート「ルーガベーククリアー」を20μ
mスプレーにて塗装した。 工程5:その後10分間セッテングを行い溶剤を塗膜中
から揮散させた後、140℃−20分間電気熱風乾燥機
にて、上塗り塗料NO.5(ベースコートNO.1+ル
ーガベーククリアー)を焼き付け硬化させ総合塗膜を得
た。
【0079】実施例6、7及び比較例6、7 表5に示すような工程にてカチオン電着塗料、及びメタ
リックカラー上塗り塗料を塗装し、試験に供した。実施
例1〜7及び比較例1〜7の結果をまとめて表5に示
す。
【0080】
【表5】
【0081】(注3)60°グロス JIS K−5
400 7.6(1990)の60°グロスに従い、塗
膜の光沢の程度を、入射角と受光角とがそれぞれ60°
のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢
度を100としたときの百分率で表す。 (注4)耐チッピング性 Q−G−Rグラベロメータ
ー(Qパネル株式会社製)を用い7号砕石50gを3.
92mPa(4kgf/cm2)のエア圧、20℃の温
度条件で試験板に砕石を吹き付け、塗膜に衝撃を与えた
後JIS Z−2371に規定された方法に準じて塩水噴霧
試験を48時間実施した。錆発生の状態を総合的に評価
し次の基準で表示する。 ◎:優れている(70×150mmの試験板に錆発生 3個以下 ) ○:良好 (70×150mmの試験板に錆発生 5個以下 ) △:やや劣る (70×150mmの試験板に錆発生 6〜9個 ) ×:劣る (70×150mmの試験板に錆発生 10個以上 ) (注5)タレ性 被塗物としてドアパーツの鍵穴部分ド
アパーツの鍵穴部分を想定し、図1のような直径10m
mのポンチ○穴が開けてある鋼板を用いた。各塗装工程
により作成した塗板を、上塗り塗料の垂直塗装にて図1
の一般部が表5の上塗り膜厚のとき、ポンチ○穴周辺の
塗膜のタレ状態を焼き付け塗膜にて観察した。 ○:良好 △:鍵穴の周りに1mmくらいの塗膜のタレがみられる ×:鍵穴の周りに2mm以上の塗膜のタレがみられる
【図面の簡単な説明】
【図1】タレ性の塗装試験に用いた試験板。ドアパーツ
の鍵穴部分を想定し、直径10mmのポンチ○穴が開け
てある鋼板である。
【符号の説明】
1.直径10mmの穴 2.一般部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月27日(2000.7.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】
【表4】 実施例及び比較例 実施例1 工程1:化成処理パルボンド#3020(日本パーカー
ライジング社製、商品名、りん酸亜鉛化成処理剤)にて
処理した冷延鋼板(70×150×0.8mm)及び図1のような
ドアパーツの鍵穴を想定した試験板を被塗物とし、カチ
オン電着塗料NO.2(塗色 白)を浴温28℃、塗装
電圧250Vで膜厚20μmになるように塗装した。 工程2:次いで、上記で得られた電着塗膜を有する被塗
物をスプレーにて水洗し、余分に付着したカチオン電着
塗料NO.2を除去した。 工程3:170℃−20分間電気熱風乾燥機にて硬化乾
燥し、膜厚20μmの電着塗膜を得た。 工程4:以上の工程により作成した電着塗膜に、上塗り
塗料NO.1を乾燥膜厚で35μmになるようにスプレ
ーにて塗装した。 工程5:10分間セッテングを行い溶剤を塗膜中から揮
散させた後、140℃−20分間電気熱風乾燥機にて焼
き付け硬化させ総合塗膜を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 AE06 BB20Y BB24Y BB89X CA48 DA23 DB02 DC12 EA05 EA43 EC11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、塗膜の塗
    色(色彩)が有彩色又は無彩色の白であるカチオン電着
    塗料を塗装して電着塗膜を形成する工程、 工程2:被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着
    塗料を除去する工程、 工程3:次いで、塗膜を加熱して、硬化乾燥させる工
    程、 工程4:下地の電着塗膜の塗色と、マンセル表示の色相
    で同系色の有彩色、又は無彩色の白である上塗り塗料を
    塗装する工程、 工程5:次いで、硬化させる工程、を含むことを特徴と
    する塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】上塗り塗料を塗装する工程が、硬化型ソリ
    ッドカラー上塗り塗料を塗装することを特徴とする請求
    項1記載の塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】上塗り塗料を塗装する工程が、硬化型着色
    ベースコートを塗装後、着色ベースコートを硬化させな
    いで、硬化型クリアートップコートを塗装することを特
    徴とする請求項1記載の塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】上塗り塗料を塗装する工程が、硬化型着色
    ベースコートを塗装後、着色ベースコートを硬化させ
    て、硬化型クリアートップコートを塗装することを特徴
    とする請求項1記載の塗膜形成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009041084A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Nippon Paint Co Ltd 塗装システム
JP2009050793A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Nippon Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法
JP2010012407A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Nippon Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法
JP2014200977A (ja) * 2013-04-03 2014-10-27 日本カーバイド工業株式会社 加飾シート

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