JP2002053997A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JP2002053997A
JP2002053997A JP2000235348A JP2000235348A JP2002053997A JP 2002053997 A JP2002053997 A JP 2002053997A JP 2000235348 A JP2000235348 A JP 2000235348A JP 2000235348 A JP2000235348 A JP 2000235348A JP 2002053997 A JP2002053997 A JP 2002053997A
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coating film
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Hidehiko Haishi
秀彦 羽石
Shigeo Murofushi
重雄 室伏
Yasuyuki Hirata
靖之 平田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車ボディの塗膜形成において、仕上り性、
塗装作業性、チッピング性良好な総合塗膜を開発するこ
と。 【解決手段】下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、塗膜の色
彩(塗色)が有彩色、又は無彩色の白であるカチオン電
着塗料を塗装して電着塗膜を形成する工程、 工程2:被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着
塗料を除去する工程、 工程3:次いで、塗膜を加熱して硬化させる工程、 工程4:下地の電着塗膜の塗色と、マンセル表示の色相
で同系色の有彩色、又は無彩色の白である上塗り塗料を
塗装する工程であり、該塗料が着色ベースコート
(A)、メタリックベースコート(B)、クリアートッ
プコート(C)の3層を塗装する工程、 工程5:上塗り塗膜を加熱して硬化させる工程、を含む
ことを特徴とする塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜形成方法に関
し、自動車ボディ、自動車部品などの金属被塗物に対し
て、電着塗膜の塗色(色彩)をカラー化するということ
である。
【0002】詳しくは、電着塗膜の塗色(色彩)が、後
工程である上塗り塗膜のマンセル表示における色相
(R、Y、G、B、P等)と、同系色の有彩色や無彩色
の白、好ましくはアルミニウムやマイカを含有したメタ
リック調やパール調の電着塗料であることを特徴として
おり、さらに上塗り塗料が、着色ベースコート(A)、
メタリックベースコート(B)、及びクリアートップコ
ート(C)の3層からなるにより、緻密で、しかも柔ら
か(シルキー)なメタリックカラー、もしくはパールカ
ラーの仕上がり性、塗膜性能に優れた塗膜形成方法に関
する。
【0003】
【従来技術及びその課題】従来、自動車ボディなどの金
属被塗物を塗膜で被覆する方法として、塗色が無彩色で
ある黒やグレーのカチオン電着塗装を施した後、中塗り
塗装及び/又は上塗り塗装が行われる。
【0004】上塗り塗装には、着色ベースコート
(A)、メタリックベースコート(B)、及びクリアー
トップコート(C)を硬化させないで順次塗装し同時に
焼き付ける塗膜形成方法(3C1B)。着色ベースコー
ト(A)、メタリックベースコート(B)塗装後、両塗
膜を硬化させて、クリアートップコート(C)を塗装
し、同時に焼き付ける塗膜形成方法(3C2B)。着色
ベースコート(A)、メタリックベースコート(B)、
クリアートップコート(C)の各々の塗膜において、塗
装後焼き付ける塗膜形成方法(3C3B)等がある。
【0005】一方、ボディコストの低減や生産性の向上
を目的として、中塗り塗装工程を省略したり、また上塗
り膜厚を薄くする傾向があるが、ユーザーの要求に、マ
ンセル表示でN7〜N9.5の範囲、好ましくは、純白
であるN10により近い「高白度光沢感」や、60度光
沢度などでよりグロス値の高い「高鮮映性」の要求が高
まってきている。その対策として、上塗り塗膜のフロー
性向上のため顔料濃度を下げたり、または塗装膜厚を厚
くして仕上がり性を上げていた。
【0006】例えば、白系上塗り塗料には、着色顔料と
して隠蔽力が低いチタン白を多量に用いるが、「高白度
光沢感」の要求に対し、熱フロー性向上を狙って顔料濃
度を低下するなどの手法があるが、低下する量にも限界
があり、また単に塗装膜厚を厚くするとコスト増や、上
塗り塗膜が被塗物の垂直面(例えば、ドアパーツのプレ
スライン下や鍵穴部の周りで)タレることによる仕上が
り性低下など、塗装作業性が問題点としてあった。
【0007】例えば、電着塗膜が黒であった場合、上塗
り塗料の顔料濃度を下げると下地隠蔽性が低下し、上塗
りの塗色が白で隠蔽性が不十分な場合、電着塗膜の色味
である黒の影響を受けて、マンセル表示のN値が低下し
外観が灰色になる。また、ブルーの場合は、黒味が加わ
り目的とする真の色味が得られないなどの問題点があっ
た。他に、メタリック調やパール調の上塗り塗膜のアル
ミニウムやマイカによる光沢感を低下させることがあっ
た。
【0008】対策として、上塗り塗膜での下地隠蔽性を
確保するために、例えば、ブルーにカーボンブラックの
ような隠蔽力の大きい顔料を、少量添加することで得ら
れるが、カーボンブラックは着色力が大きいため、塗膜
の明度、彩度が低下し、限られた色域範囲でしか隠蔽性
が得られない。また、目的とする色相からずれるなどの
問題点があった。この下地隠蔽性や目的とする色相を得
るために、上塗り塗料中の顔料濃度を上げることが考え
られるが、塗膜が硬くなる為、耐チッピングなどの塗膜
物性が低下したり、熱フロー抑制による仕上がり性低下
があり、その改良に苦慮していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記問題点を解決すべく鋭意検討した結果。通常、自動車
ボディなどの金属被塗物において、りん酸亜鉛などの化
成処理を施した後、電着塗装が行われるが、塗色は灰色
や黒であるのが現状である。
【0010】本発明では電着塗膜の塗色を、有彩色又は
無彩色の白、またさらにアルミニウムやマイカなどを含
有しメタリック調やパール調の塗色とする。かつその上
に塗装されるメタリックカラーやパールカラーの上塗り
の塗色と、マンセル表示による色相で同系色にすること
により外観仕上がり性を向上することができた。
【0011】また下地隠蔽性が向上したことから、上塗
りの膜厚増による垂直部のタレ性低下や、隠蔽性のため
に顔料濃度を上げることによる耐チッピング性などの問
題点を解消し、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明は、 1.下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、塗膜の色
彩(塗色)が有彩色、又は無彩色の白であるカチオン電
着塗料を塗装して電着塗膜を形成する工程、 工程2:被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着
塗料を除去する工程、 工程3:次いで、塗膜を加熱して硬化させる工程、 工程4:下地の電着塗膜の塗色と、マンセル表示の色相
で同系色の有彩色、又は無彩色の白である上塗り塗料を
塗装する工程であり、該塗料が着色ベースコート
(A)、メタリックベースコート(B)、クリアートッ
プコート(C)の3層を塗装する工程、 工程5:上塗り塗膜を加熱して硬化させる工程、を含む
ことを特徴とする塗膜形成方法、 2.上塗り塗料を塗装する工程が、着色ベースコート
(A)、メタリックベースコート(B)、及びクリアー
トップコート(C)を硬化させないで順次塗装すること
を特徴とする請求項1に記載の塗膜形成方法、 3.上塗り塗料を塗装する工程が、着色ベースコート
(A)及びメタリックベースコート(B)塗装後、両塗
膜を硬化させて、クリアートップコート(C)を塗装す
ることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成方法、 4.上塗り塗料を塗装する工程が、着色ベースコート
(A)を塗装後、該塗膜を硬化させ、メタリックベース
コート(B)を塗装後、該塗膜を硬化させ、次に、クリ
アートップコート(C)を塗装することを特徴とする1
項に記載の塗膜形成方法、に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明は、現状は無彩色の黒や
灰色である電着塗膜の塗色(色彩)を有彩色又は無彩色
の白、好ましくはアルミニウムやマイカなどを含有しメ
タリック調やパール調とするというものである。かつそ
の上に塗装される上塗りの塗色(色彩)とマンセル表示
の色相(R、Y、G、B、P等)で同系色の電着塗膜に
するものである。(以下、カラー電着塗装、塗膜と略す
場合がある。) 従来、カラー電着塗装、塗膜に関するものは、特開昭6
0−24400号、特開昭60−70200号、特開昭
63−157899号などが挙げられるが、本発明は、
電着塗膜に上塗り塗膜を塗装する総合塗膜での仕上がり
性、塗装作業性、耐チッピング向上に寄与するものであ
り、例示した発明とは異なるものである。以下、本発明
における工程1〜工程5及びカチオン電着塗料について
順次説明する。
【0013】工程1:被塗物としては、自動車ボディ、
自動車部品等、シル部、ピラー部などの袋構造を有する
ものを挙げることができる。被塗物の材質としては、金
属であれば特に制限ないが、防食性の面から防錆鋼板が
好適である。鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気
亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−鉄二層めっき鋼板及び有機
複合めっき鋼板など、並びにこれらの鋼板や冷延鋼板な
どの基材を、必要に応じてアルカリ脱脂などによって表
面を清浄化した後、リン酸塩化成処理、クロメート処理
などの表面処理を行ったものが挙げられる。
【0014】本発明方法において、電着塗装される塗料
としては、カチオン電着塗料である限り特に制限なく使
用することができ、目標とする塗膜性能に応じて、その
組成である顔料ペーストとエマルションを適宜選択して
使用すればよい。
【0015】本発明の特徴は、電着塗膜の塗色(色彩)
のカラー化にするカラー電着塗料、塗装に関するもの
で、詳しくは、有彩色又は無彩色の白であるもの、好ま
しくはアルミニウムやマイカなどを含有したメタリック
調やパール調の電着塗料が挙げられる。またこの電着の
塗色は、その上に塗装される上塗りの塗色(色彩)とマ
ンセル表示(JIS Z 8721三属性による色の表示方法)
の色相(R、Y、G、B、P等)で同系色である電着塗
膜の塗色(色彩)にする。
【0016】また好ましくは、電着塗膜と上塗り塗膜の
色差:ΔE(注1)を10以下、さらに好ましくは6以
下にすることにより、下地隠蔽性が増し、外観の仕上が
り性向上に寄与することがわかった。 (注1)色差:ΔEは、JIS Z 8730によるL
***表示値に従って2つの色の差である色差を測定
した。本発明のカチオン電着塗料に用いられるカチオン
電着用顔料ペーストとしては、以下の顔料を配合するこ
とができる。
【0017】着色顔料として、白系;二酸化チタン、酸
化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸(Z
n、Al)、モリブデン酸(Zn、Ca)、黒系;カー
ボンブラック、黒鉛(グラファイト)、鉄黒(アイアン
ブラック)青系;無機系として、紺青、群青、コバルト
ブルー、有機系として、銅フタロシアニンブルー、イン
ダンスロンブルー、黄系;無機系として、黄鉛、合成黄
色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、
チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、クロム酸ス
トロンチウム、アナミド鉛、有機系として、モノアゾイ
エロー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、モノアゾイエロ
ー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロ
ー、キノフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、
ベンズイミダゾロンイエロー、赤系;無機系として、べ
んがら、透明べんがら(赤)、鉛丹、有機系として、モ
ノアゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレ
ッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、
アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、
ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレ
ッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩基
性クロム酸鉛、緑系;無機系として、酸化クロム、有機
系として、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタ
ロシアニングリーン、その他;ピラゾロンオレンジ、ベ
ンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレッ
ト、ペリレンバイオレットなどが挙げられる。また、被
塗物の素地を隠蔽する面から、有彩色顔料にはカーボン
ブラックなどを併用する場合もある。他に、アルミニウ
ム粉、アルミニウムフレーク、パールマイカ等を添加
し、メタリック調やパール調の電着塗膜とすることがで
きる。
【0018】上記、着色顔料、アルミニウム粉、アルミ
ニウムフレーク、パールマイカ等のカチオン電着塗料に
おける添加量としては、カチオン電着塗料中の樹脂固形
分100重量部に対して1〜50重量部の範囲、好まし
くは5〜40重量部の範囲がよい。着色顔料、アルミニ
ウム、マイカ等の添加量が1重量未満では隠蔽性に効果
がなく、また50重量部を越えると塗料の安定性を損な
うので好ましくない。
【0019】また、クレー、タルク、炭酸カルシウムの
ような体質顔料;クロム酸ストロンチウム、クロム酸
鉛、ケイ酸鉛、トリポリりん酸アルミ、トリポリりん酸
亜鉛、亜鉛華、無機ビスマス、有機酸ビスマスなどの防
錆顔料;ジブチル錫オキサイド(DBTO)、ジオクチ
ル錫オキサイド(DOTO)などの錫触媒が挙げられ、
これらの顔料や触媒は、分散用樹脂として3級アミン型
エポキシ樹脂系、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂
系、3級アミン型アクリル樹脂系等と、中和剤、脱イオ
ン水を加えたのち、ボールミル、サンドミルなどで分散
し、顔料ペーストを得ることができる。
【0020】次に、カチオン電着用エマルションの基体
樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする電
着塗料、ビニル共重合体(アクリル樹脂)を主成分とす
るカチオン電着塗料等を挙げることができる。ビニル系
共重合体を主成分とする電着塗料には、他の電着用樹脂
として、従来公知のアミン付加エポキシ樹脂を、少量併
用することが防食性の点から望ましい。
【0021】エポキシ樹脂を主成分とするカチオン電着
塗料は、エポキシ樹脂としては、アミン付加エポキシ樹
脂が挙げられ、該アミン付加エポキシ樹脂は、電着塗料
において通常使用されているポリアミン樹脂、例えば、
(i)ポリエポキシド化合物と1級モノ−及びポリアミ
ン、2級モノ−及びポリアミン又は1、2級混合ポリア
ミンとの付加物(例えば米国特許第3,984,299
号明細書参照);(ii)ポリエポキシド化合物とケチミ
ン化された1級アミノ基を有する2級モノ−及びポリア
ミンとの付加物(例えば米国特許第4,017,438
号明細書参照);(iii) ポリエポキシド化合物とケチミ
ン化された1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物との
エーテル化により得られる反応物(例えば特開昭59−
43013号公報参照)などがある。
【0022】上記、ポリアミン樹脂の製造に使用される
ポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に2個
以上有する化合物であり、一般に少なくとも200、好
ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800
〜2,000の範囲内の数平均分子量を有するものが適
しており、特にポリフェノール化合物とエピクロルヒド
リンとの反応によって得られるものが好ましい。該ポリ
エポキシド化合物の形成のために用いうるポリフェノー
ル化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,2−プロパン、4,4′−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−
イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フ
ェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナ
ブチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビ
ス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェ
ノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられ
る。
【0023】該、ポリエポキシド化合物はポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リアシドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート
化合物などと一部反応させたものであってもよく、さら
にまた、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどを
グラフト重合させたものであってもよい。
【0024】例えば、ビニル系共重合体を主成分とする
カチオン電着塗料において、ビニル系共重合体として
は、従来公知のものが使用でき、例えばアミノ基含有モ
ノマーと水酸基含有モノマー、及びその他のビニルモノ
マーとを共重合してなるものが挙げられる。
【0025】アミノ基含有モノマーとしては、アミノ基
含有アクリル系モノマーが好ましく、例えばアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
ブチル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキルアク
リル酸エステル又はメタクリル酸エステル類;N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ドなどのアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリル
アミド類が挙げられる。
【0026】これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合
せて使用することができる。かかるアミノ基含有モノマ
ーは全モノマー量の3〜20重量%、好ましくは5〜1
8重量%の範囲で使用されるのが適当である。
【0027】上記、水酸基含有モノマーとしては、例え
ば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又は
メタクリル酸のC1 〜C8 のヒドロキシアルキルエステ
ルが好ましく使用できる。
【0028】その他のビニルモノマーとしては、アミノ
基含有モノマーや水酸基含有モノマーと共重合可能なモ
ノマーであれば特に制限はなく、例えばメチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、 iso−ブチル(メタ)アクリ
レート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメ
タクリル酸のC1 〜C24のアルキル又はシクロアルキル
エステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アク
リロニトリル、ビニルプロピオネート、(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、
ベオバモノマー(シェル化学製品)などのビニルモノマ
ーが挙げられ、それぞれ単独で又は2種以上組合せて使
用することができる。これらのモノマーは目的とするカ
チオン電着塗料の性状、及びそれにより形成される塗膜
の要求性能に応じて適宜選択できる。以上のようなモノ
マー類からなる共重合体の製造は、従来公知の方法で行
うことができ、一般には溶液重合法に従って行われる。
【0029】また、ビニル系共重合体を主成分とするカ
チオン電着塗料としては、グリシジル基含有モノマーと
水酸基含有モノマー、及びこれらと共重合可能でグリシ
ジル基と反応しないその他のビニルモノマーとの共重合
体にアミンを付加してなるものも挙げられる。
【0030】上記、グリシジル基含有モノマーとして
は、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘ
キセンモノエポキシド、N−グリシジルアクリルアミ
ド、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。かか
るグリシジル基含有モノマーは、全モノマー量の5〜5
0重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲で使用さ
れるのが適当である。水酸基含有モノマー及びこれらと
共重合可能でグリシジル基と反応しないその他のビニル
モノマーは、前述のものが同様に使用できる。またかか
るモノマー類からなる共重合体の製造も、従来公知の方
法で行うことができる。
【0031】このようにして得られるグリシジル基含有
共重合体とアミンとの付加反応は、従来公知の方法に従
って行うことができ、例えば該共重合体溶液に第2級ア
ミンを加え約50〜120℃の温度で約1〜20時間反
応せしめる方法などが挙げられる。使用されるアミンと
しては、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどのア
ルキルアミン類;ジエタノールアミン、ジイソプロパノ
ールアミン、N−メチルエタノールアミンなどのアルカ
ノールアミン類;ピペリジン、モルホリン、N−メチル
ピペラジンなどが挙げられる。かかるアミンの使用量は
通常グリシジル基1モル当たり約0.1〜1モルの範囲
が適当である。
【0032】以上の如くして得られるカチオン電着性ビ
ニル系共重合体の水酸基価は、特に制限されるものでは
ないが、通常30〜200mgKOH/g、好ましくは
50〜150mgKOH/gの範囲が適当である。該水
酸基価が30未満では得られる塗膜の硬化性が劣りやす
く、また200mgKOH/gを越えると耐候性や防食
性が劣る傾向がみられる。また該カチオン電着性ビニル
系共重合体の分子量は、通常約5,000〜100,0
00、好ましくは10,000〜50,000の範囲が
適当である。
【0033】次に、カチオン電着塗料に硬化剤として用
いる(ブロック化)ポリイソシアネート化合物は、脂肪
族及び/又は脂環式のポリイソシアネート化合物をブロ
ック剤でブロックした化合物である。ポリイソシアネー
ト化合物が脂肪族及び/又は脂環式以外のポリイソシア
ネート化合物、例えば芳香族ポリイソシアネート化合物
の場合には塗膜の耐候性の劣化等を招くので好ましくな
い。脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアネート化合
物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、メチレンジイソシアネート等の脂肪族、脂
環族のジイソシアネート化合物、またはそれらの2量
体、3量体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰
量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等
の低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端
イソシアネート含有化合物が挙げられる。
【0034】ブロック化剤はポリイソシアネート化合物
のイソシアネート基に付加してブロックするものであ
り、そして付加によって生成するブロックポリイソシア
ネート化合物は常温において安定で且つ約100〜20
0℃、好ましくは120〜150℃に加熱した際、ブロ
ック剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうる
ものであることが望ましい。
【0035】そのようなブロック化剤として、例えば、
ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタ
ム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パ
ラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノー
ル系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノール
などの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メ
チルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコ
ール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどの
エーテルアルコール系化合物等を挙げることができる。
【0036】このブロック剤の配合量としては、イソシ
アネートのNCO基に対して1:1〜1:1.3で反応
させることが好ましい。比率が1.3を越えるとブロッ
ク剤が残存して塗膜の防食性を低下させ、1.0未満で
はNCO基が残存して塗料の安定性を損なうので好まし
くない。
【0037】また、上記架橋剤を使用しなくても硬化さ
せることが可能な自己架橋タイプのアミン付加エポキシ
樹脂を使用することができ、例えばポリエポキシ物質に
β−ヒドロキシアルキルカルバメート基を導入した樹脂
(例えば、特開昭59−155470号);エステル交
換反応によって硬化しうるタイプの樹脂(例えば、特開
昭55−80436号);基体樹脂中に(ブロック化)
イソシアネート基を導入した樹脂などを用いることもで
きる。
【0038】基体樹脂の中和、水分散化は通常、硬化
剤、界面活性剤、表面調整剤(アクリル樹脂、フッ素樹
脂、シリコン樹脂など)、硬化触媒(例えば、錫、亜
鉛、鉛、ビスマスなどの金属の塩)やその他の添加剤な
どを加えた後、該基体樹脂を脂肪族カルボン酸、例え
ば、グリコール酸、グリセリン酸、乳酸、ジメチロール
プロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草
酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロン酸、ジヒドロ
キシコハク酸、トリヒドロキシコハク酸、メチルマロン
酸、酢酸、ギ酸などの水溶性有機酸によって行われる。
また中和剤としてギ酸を用いると、つきまわり性に優れ
るので好ましい。
【0039】上記、カチオン電着塗料は、適宜、脱イオ
ン水で希釈して固形分濃度が約5〜25重量%、pHが
5.5〜8の範囲内になるように調整する。カチオン電
着塗料を用いて被塗物に電着塗装を行う方法及び装置と
しては、従来から電着塗装において使用されている、既
知の方法、及び装置を使用することができる。
【0040】その際、電着塗装条件は特に制限されるも
のではないが、一般的には、浴温は、15〜35℃(好
ましくは20〜30℃)、電圧:100〜400V(好
ましくは200〜300V)、通電時間:30秒〜10
分、極面積比(A/C)=8/1〜1/8、極間距離1
0〜200cm、撹拌状態で電着することが望ましい。カ
チオン電着塗料による電着塗膜の膜厚は目的とする性能
に応じて適宜選定すればよいが、5〜60μm 、好まし
くは10〜40μm の範囲であることがよい。カチオン
電着塗料として、基体樹脂にエポキシ樹脂を主成分とす
るカチオン電着塗料を使用することによって防食性の良
好な塗膜を得ることができ、ビニル系共重合体を主成分
とするカチオン電着塗料を使用することによって耐候性
の良好な塗膜を得ることができる。
【0041】工程2:電着塗装後、余分に付着したカチ
オン電着塗料を落とすための水洗工程である。水洗液と
しては、ウルトラフィルトレーションろ液(UFろ
液)、RO透過水、工業用水、純水などで、塗装物表面
にカチオン電着塗料が残らないよう2回以上の回数を経
て十分に水洗する。この水洗設備は、自動車ボディや部
品を水洗槽内に浸漬するディピング水洗方法、又は水洗
水をシャワーリングするスプレー水洗方法で行うことが
できる。
【0042】工程3:電着塗膜を加熱して硬化させる工
程である。乾燥設備としては、電気熱風乾燥機、ガス熱
風乾燥機などを用いて行うことができる。乾燥温度とし
ては被塗物表面の温度で110℃〜200℃、好ましく
は140〜180℃、乾燥時間としては10分間〜18
0分間、好ましくは20分間〜50分間が良い。
【0043】工程4:上記工程により得られたカチオン
電着塗膜を有する被塗物に、上塗り塗料の塗装を施す工
程である。また中塗り塗料を、カチオン電着塗膜の上に
施こし、さらに上塗り塗料を塗装することもできる。上
記、上塗り塗料は、着色ベースコート(A)、メタリッ
クベースコート(B)、及びクリアトップコート(C)
の各塗料を、順次塗装してなる3層の上塗り塗膜であ
る。
【0044】着色ベースコート(A)は、樹脂成分、着
色顔料、有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて体質顔
料及びその他の塗料添加剤などを配合してなる熱硬化性
塗料である。着色ベースコート(A)の色調は、カチオ
ン電着塗膜と同系色の有彩色又は無彩色の白のいずれで
もよいがアルミニウムやマイカなども配合し、より新規
性のある仕上がり性の塗膜を得ることができる。
【0045】着色ベースコート(A)における樹脂成分
としては、具体的に、水酸基などの架橋性官能基を有す
るアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂な
どの基体樹脂をメラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)
イソシアネート化合物などの架橋剤と併用したものが挙
げられ、これらは有機溶剤及び/又は水などの溶剤に溶
解又は分散して使用される。着色顔料としては、カチオ
ン電着塗料で用いたものが使用できる。
【0046】例えば、白系;二酸化チタン、酸化亜鉛、
塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸(Zn、A
l)、モリブデン酸(Zn、Ca)、黒系;カーボンブ
ラック、黒鉛(グラファイト)、鉄黒(アイアンブラッ
ク)青系;無機系として、紺青、群青、コバルトブル
ー、有機系として、銅フタロシアニンブルー、インダン
スロンブルー、黄系;無機系として、黄鉛、合成黄色酸
化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタ
ンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、クロム酸ストロ
ンチウム、アナミド鉛、有機系として、モノアゾイエロ
ー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、モノアゾイエロー、
イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キ
ノフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、ベンズ
イミダゾロンイエロー、赤系;無機系として、べんが
ら、透明べんがら(赤)、鉛丹、有機系として、モノア
ゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッ
ド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、ア
ンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペ
リレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッ
ド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩基性
クロム酸鉛、緑系;無機系として、酸化クロム、有機系
として、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロ
シアニングリーン、その他;ピラゾロンオレンジ、ベン
ズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、
ペリレンバイオレットなどが挙げられる。また、被塗物
の素地を隠蔽する面から、有彩色顔料にはカーボンブラ
ックなどを併用する場合もある。
【0047】この着色ベースコート(A)は、下地であ
る電着塗膜が同系色の塗色であることから、電着塗膜上
に直接塗られることの方が、より効果を見い出せる。ま
た電着塗膜の上に、中塗り塗料を塗装し硬化した後、着
色ベースコート(A)を塗装することもできる。
【0048】着色ベースコート(A)は、静電塗装、エ
アースプレー、エアレススプレー、などの方法で塗装す
ることができ、その膜厚は乾燥塗膜で一般に5〜40μ
mの範囲が好ましい。
【0049】次にメタリックベースコート(B)は、着
色ベースコート(A)が未硬化のまま、または着色ベー
スコート(A)を焼き付け硬化した後に塗装する塗料で
あり、樹脂、酸化アルミニウムフレーク、パールマイ
カ、有機溶剤等を含有し、さらに必要に応じて着色顔
料、体質顔料及びその他の添加剤などを配合してなるキ
ラキラとした光輝感を有するパール調やメタリック調の
塗膜を形成する熱硬化性塗料である。
【0050】メタリックベースコート(B)に用いられ
る樹脂としては、具体的には水酸基などの架橋性官能基
を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿
素樹脂、(ブロック化)ポリイソシアネート化合物など
の架橋剤を配合したものが挙げられる。
【0051】メタリックベースコート(B)は、アルミ
ニウム粉、フレーク状酸化アルミニウム、パールマイ
カ、フレーク状マイカ等を配合することができ、これら
の1種又は2種以上を含有することにより、緻密感を有
したメタリック調や、シルキーなパール調塗膜が得られ
る。アルミニウム粉は、従来からメタリックベースコー
トに用いられるものでありペースト状にして配合され
る。フレーク状酸化アルミニウムは、酸化アルミニウム
(Al23)を主成分とし、このものはアルミナとも言
われる。形状はフレーク(りん片)状であり、その厚さ
は0.1〜1.0μm、特に、0.2〜0.5μm、長手
方向寸法は2〜50μm、特に10〜30μmであること
が好ましい。
【0052】この酸化アルミニウムフレークは表面が平
滑で、これを含む塗膜は、これを含む塗膜は、フレーク
状マイカ含有塗膜に比べてキラキラしており、優れた光
輝感を有している。また、この酸化アルミニウムフレー
クは、その表面を酸化チタンなどの金属酸化物で被覆し
ておくと、パール調もしくは光干渉作用を呈するので好
ましい。フレーク状マイカとして、りん片状マイカ、さ
らにその表面を金属酸化物で被覆した雲母フレークが使
用でき、その厚さは0.1〜1.0μm、特に0.2〜
0.5μm、長手方法寸法は2〜50μm、特に10〜3
0μmであることが好ましい。
【0053】メタリックベースコート(B)において、
アルミニウム粉、酸化アルミニウムフレーク、フレーク
状マイカ等の配合量は、樹脂組成物の固形分100重量
部あたり、0.5〜30重量部、特に3〜10重量部が
好ましい。
【0054】メタリックベースコート(B)は、樹脂、
アルミニウム粉、酸化アルミニウムフレーク、フレーク
状マイカ等を有機溶剤又は水に混合分散せしめることに
より調整され、塗装時の固形分含有を20〜60重量
%、好ましくは25〜50重量%で、粘度を10〜30
秒/フォードカップ#4/20℃に調整しておくことが
好ましい。塗装は、エアスプレー、エアレススプレーま
たは静電塗装機などで、乾燥塗膜が15〜70μm好ま
しくは20〜50μmの範囲がよい。
【0055】次に、クリアトップコート(C)は、メタ
リックベースコート(B)の未硬化塗面、または120
〜170℃で10〜60分間加熱して架橋硬化させてな
るメタリックベースコート(B)の塗面に、静電塗装、
エアースプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装す
ることができ、その膜厚は硬化塗膜に基づいて10〜1
00μmの範囲内とするのが好ましい。
【0056】クリアトップコート(C)の成分は、樹
脂、及び有機溶剤を主成分とし、さらに必要に応じて該
塗膜の透明感を損なわない程度で、着色顔料及びその他
の塗料用添加剤などを配合してなる無色若しくは有色の
透明塗膜を形成する塗料である。
【0057】クリアトップコート(C)で使用する樹脂
は熱硬化性樹脂が好ましく、具体的には、水酸基、カル
ボキシル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有するア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタ
ン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、
(ブロック化)イソシアネート化合物、カルボキシル基
含有化合物(又は樹脂)、エポキシ基含有化合物(又は
樹脂)などの架橋剤と併用したものが挙げられ、そして
上記溶剤としては、有機溶剤及び/又は水を使用するこ
とができる。
【0058】工程4における上塗り塗膜の焼き付け条件
としては、着色ベースコート(A)、メタリックベース
コート(B)、及びクリアートップコート(C)を未硬
化のままで順次塗装する塗膜形成方法。着色ベースコー
ト(A)及びメタリックベースコート(B)塗装後、両
塗膜を硬化させて、クリアートップコート(C)を塗装
する塗膜形成方法。また他に、着色ベースコート(A)
を塗装後、塗膜を硬化させ、次にメタリックベースコー
ト(B)を塗装後、塗膜を硬化させ、次に、クリアート
ップコート(C)を塗装する塗膜形成方法、等が挙げら
れる。
【0059】工程5:塗装された、着色ベース(A)、
メタリックベース(B)、クリアトップコート(C)の
3層からなる塗膜を同時に加熱して硬化させる工程であ
る。乾燥設備としては、電気熱風乾燥機、ガス熱風乾燥
機などを用いて行うことができる。乾燥温度としては、
被塗物表面の温度で110〜200℃、好ましくは13
0〜180℃、乾燥時間としては10分間〜180分
間、好ましくは20分間〜40分間が良い。
【0060】他に、上記、上塗り塗料は、着色ベース
(A)、メタリックベース(B)、クリアトップコート
(C)の3層からなる塗膜を各それぞれ室温放置、又は
焼き付け硬化の他に、各々の塗膜を約50〜約100℃
の温度でプレヒートすることもできる。このプレヒート
は、各塗膜のゲル分率が60重量%以下程度で実施する
ことが好ましい。
【0061】
【発明の効果】現状で無彩色の黒や灰色である電着塗膜
の塗色が、本発明は、有彩色又は無彩色の白、好ましく
はアルミニウムやマイカなどを含有しメタリック調やパ
ール調であることを特徴としている。かつその上に塗装
される上塗りの塗色(色彩)とマンセル表示の色相
(R、Y、G、B、P等)で同系色である。
【0062】このことにより、従来の電着塗膜の塗色
(色彩)が黒や灰色に比べ、上塗り塗装膜厚や、上塗り
塗料に配合される顔料濃度を下げても下地隠蔽性が得ら
れることがわかった。また、上塗り塗装塗装膜厚を減ら
すことにより、コスト低減、ドフェンダーなどの垂直塗
装面でタレ性等の塗装作業性が向上した。また上塗りの
顔料濃度を下げることにより、塗膜に可塑効果が出るこ
とから耐チッピング性などの塗膜物性が向上する。
【0063】他の効果として、自動車ボディのトラン
ク、ドアインナー、ピラーなどに塗られる、外板上塗り
塗色と同一塗色の共色中塗り塗料、及び工程があるが、
電着塗膜が、上塗り塗膜のマンセルの色相で同系色であ
ることから、上記共色中塗り塗料、及び工程を省略で
き、省資源化、省工程に寄与する。
【0064】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0065】顔料ペーストAの製造例 固形分85%の3級アミン酸中和型分散樹脂5.88部(固
形分5部)、10%酢酸1.4部を配合した後、さらに脱
イオン水を加え混合攪拌した。ついでこの中に、チタン
白14部、カーボンブラック0.3部、精製クレー8部、
ケイ酸鉛2部、有機錫3部を配合し、ボールミルにて4
0時間分散を行い50%の顔料ペーストAを得た。
【0066】顔料ペーストB〜Fの製造例 顔料ペーストAと同様の操作にて、表1の配合内容で顔
料ペーストB〜Dを作成した。
【0067】
【表1】 (注2)アルミニウムフレーク:酸化鉄で被覆された酸
化アルミフレークで酸化アルミニウムフレーク100部
あたり10部の酸化鉄で被覆したもので、厚さは0.2
〜0.5μm、長手方向は10〜30μm。 (注3)パールマイカ白:酸化鉄被覆マイカ、マール社
製、厚さ0.2〜0.5μm、長手方向寸法10〜30
μmアミン付加エポキシ樹脂(a)の製造例 エピコート828EL(油化シェル社製、商品名、エポ
キシ樹脂)1010g、ビスフェノールA390g、ジ
メチルベンジルアミノ0.2gを加え、130℃でエポ
キシ当量800になるまで反応させた。次にε−カプロ
ラクトン260g、テトラブトキシチタン0.03gを
加え、170℃に昇温し、この温度を保ちながら経時で
サンプリングを行い、赤外吸収スペクトル測定において
未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98
%以上になった時点で120℃に温度を下げた。次にジ
エタノールアミン160g、ジエチレントリアミンのメ
チルイソブチルジケチミン化物65gを加え、120℃
で4時間反応させ、ブチルセロソルブ420gを加え、
アミン価58、樹脂固形分80%のアミン付加エポキシ
樹脂(a)を得た。
【0068】(ブロック化)ポリイソシアネート化合物
(b)の製造例 イソホロンジイソシアネート50部をメチルケトオキシ
ム40部に40〜60℃で滴下した後、80℃で1時間
加熱し、樹脂固形分90%の(ブロック化)ポリイソシ
アネート化合物(b)を得た。
【0069】カチオン電着塗料用エマルションの製造例 上記、アミン付加エポキシ樹脂(a)を87.5部、
(ブロック化)ポリイソシアネート化合物(b)を3
3.3部、液状有機錫2.5部(固形分1部)、10%
ギ酸8.2部を配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水
184.1部を強く攪拌しながら約15分かけて滴下
し、固形分32.0%のカチオン電着用エマルションを
得た。
【0070】カチオン電着塗料NO.1の製造例 作成した32%のカチオン電着用エマルション 31
8.5部、50%の顔料ペーストA 70部及び純水2
96部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料NO.
1(塗色グレー)を得た。
【0071】カチオン電着塗料NO.2〜NO.4の製
造例 以下、表2のように、カチオン電着用エマルションに顔
料ペーストを組み合わせて、カチオン電着塗料NO.2
〜NO.4を作成した。
【0072】
【表2】 上塗り塗料NO.1〜NO.6の製造例 以下、表3のような配合でディスパーにて攪拌したの
ち、フォードカップ#4で20秒/20℃の粘度になる
ようにスワゾール#1000で希釈し、着色ベースコー
ト(A)、メタリックベースコート(B)として、上塗
り塗料NO.1〜NO.6を作成した。また、クリアト
ップコート(C)は、ルーガベーククリアー(注7)を
用いた。
【0073】
【表3】
【0074】(注3)水酸基含有アクリル樹脂:水酸基
価110、数平均分子量25000 (注4)メラミン樹脂:ブチルエーテル化メラミン樹脂 (注5)水酸基含有アクリル樹脂:水酸基価100、数平
均分子量20000 (注6)ブチル化メラミン樹脂:メチル・ブチル混合エ
ーテル化メラミン樹脂 (注7)ルーガベーククリアー:関西ペイント社製、商
品名、アクリル樹脂・アミノ樹脂系 実施例及び比較例 実施例1 工程1:化成処理パルボンド#3020(日本パーカー
ライジング社製、商品名、りん酸亜鉛化成処理剤)にて
処理した冷延鋼板(70×150×0.8mm)及び図1のような
ドアパーツの鍵穴を想定した試験板を被塗物とし、カチ
オン電着塗料NO.2(塗色白メタリック)を浴温28
℃、塗装電圧250Vで膜厚20μmになるように塗装
した。 工程2:次いで、上記で得られた電着塗膜を有する被塗
物をスプレーにて水洗し、余分に付着したカチオン電着
塗料NO.2を除去した。 工程3:170℃−20分間電気熱風乾燥機にて硬化乾
燥し、膜厚20μmの電着塗膜を得た。 工程4:以上の工程により作成した電着塗膜に、上塗り
塗料NO.1(着色ベースコート)を乾燥膜厚で25μ
mになるようにスプレーにて塗装した。次いで、上塗り
塗料NO.5(メタリックベースコート)を12μm、
ルーガベーククリア(クリアトップコート)を25μ
m、各セッテイング時間を7分間づつ置き、未硬化のま
ま塗り重ねた。 工程5:その後、10分間セッテングを行い溶剤を塗膜
中から揮散させた後、140℃−20分間電気熱風乾燥
機にて硬化乾燥し、着色ベースコート、メタリックベー
スコート、クリアトップコートの3層からなる上塗り塗
膜である総合塗膜を得た。
【0075】実施例2〜6、比較例1〜6 表4に示すような塗料組成物、工程にて塗板を作成し試
験に供した。その結果を示す。実施例及び比較例の配合
及び試験結果を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】(注8)60°グロス JIS K−5
400 7.6(1990)の60°グロスに従い、塗
膜の光沢の程度を、入射角と受光角とがそれぞれ60°
のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢
度を100としたときの百分率で表す。
【0078】(注9)耐チッピング性 Q−G−Rグ
ラベロメーター(Qパネル株式会社製)を用い7号砕石
50gを3.92mPa(4kgf/cm2)のエア
圧、20℃の温度条件で試験板に砕石を吹き付け、塗膜
に衝撃を与えた後JIS Z−2371に規定された方法に
準じて塩水噴霧試験を48時間実施した。錆発生の状態
を総合的に評価し次の基準で表示する。 ◎:優れている(70×150mmの試験板に錆発生
3個以下 ) ○:良好 (70×150mmの試験板に錆発生
5個以下 ) △:やや劣る (70×150mmの試験板に錆発生
6〜9個 ) ×:劣る (70×150mmの試験板に錆発生
10個以上 )
【0079】(注10)タレ性 被塗物としてドアパ
ーツの鍵穴部分ドアパーツの鍵穴部を想定し、図1のよ
うな直径10mmのポンチ○穴が開けてある鋼板を用い
た。各塗装工程により作成した塗板を、上塗り塗料の垂
直塗装にて図1の一般部が表4の上塗り膜厚のとき、ポ
ンチ○穴周辺の塗膜のタレ状態を焼き付け塗膜にて観察
した ○:良好 △:鍵穴の周りに1mmくらいの塗膜のタレがみられる ×:鍵穴の周りに2mm以上の塗膜のタレがみられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タレ性の塗装試験に用いた試験板。ドアパーツ
の鍵穴部分を想定し、直径10mmのポンチ○穴が開け
てある鋼板である。
【符号の説明】
1.直径10mmの穴 2.一般部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/14 B05D 7/14 L C23C 28/00 C23C 28/00 Z Fターム(参考) 4D075 AE03 AE06 AE15 BB26X BB26Z BB65X BB89X CB13 DB02 DC12 EA43 4K044 AA01 AB10 BA21 BB03 BB05 BB11 BB15 BB16 BC09 CA17 CA53 CA62

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程、 工程1:自動車ボディなどの金属製被塗物に、塗膜の色
    彩(塗色)が有彩色、又は無彩色の白であるカチオン電
    着塗料を塗装して電着塗膜を形成する工程、 工程2:被塗物を水洗し、余分に付着したカチオン電着
    塗料を除去する工程、 工程3:次いで、塗膜を加熱して硬化させる工程、 工程4:下地の電着塗膜の塗色と、マンセル表示の色相
    で同系色の有彩色、又は無彩色の白である上塗り塗料を
    塗装する工程であり、該塗料が着色ベースコート
    (A)、メタリックベースコート(B)、クリアートッ
    プコート(C)の3層を塗装する工程、 工程5:上塗り塗膜を加熱して硬化させる工程、を含む
    ことを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】上塗り塗料を塗装する工程が、着色ベース
    コート(A)、メタリックベースコート(B)、及びク
    リアートップコート(C)を硬化させないで順次塗装す
    ることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】上塗り塗料を塗装する工程が、着色ベース
    コート(A)及びメタリックベースコート(B)塗装
    後、両塗膜を硬化させて、クリアートップコート(C)
    を塗装することを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成
    方法。
  4. 【請求項4】上塗り塗料を塗装する工程が、着色ベース
    コート(A)を塗装後、該塗膜を硬化させ、メタリック
    ベースコート(B)を塗装後、該塗膜を硬化させ、次
    に、クリアートップコート(C)を塗装することを特徴
    とする請求項1に記載の塗膜形成方法。
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