JP2002247953A - 冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓の製造法 - Google Patents

冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓の製造法

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JP2002247953A JP2001049193A JP2001049193A JP2002247953A JP 2002247953 A JP2002247953 A JP 2002247953A JP 2001049193 A JP2001049193 A JP 2001049193A JP 2001049193 A JP2001049193 A JP 2001049193A JP 2002247953 A JP2002247953 A JP 2002247953A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 冷菓の製造法において、フリージング終
了後冷凍貯蔵状態でも凍結しない高濃度糖液コーティン
グ剤を添加して、捏和によりフリージング時発生した氷
結晶をコーティングし、長期間冷凍貯蔵しても柔らかい
組織が維持可能なオーバーラン150%以下の冷菓製造
法。 【効果】 本法によって製造された冷菓は、従来品とは
異なって柔らかく、冷凍庫から取り出した直後でも、ス
プーンやアイスクリームディッシャーなどで容易にすく
い取ることができ、しかも、製造工程においてアルコー
ル類等の氷点降下作用を有する成分を別途添加する必要
がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、−18℃以下の冷
凍貯蔵期間が長くなったり、−30℃以下の急凍装置を
通過して冷菓の結氷率が上昇しても、製造直後に近い硬
度の維持が可能で、冷凍庫に貯蔵された冷菓の品温が、
−18℃以下でも速やかにスプーンやアイスクリームデ
ィッシャーにて掬い取る事が可能で、従来の冷菓に比べ
喫食性の高い冷菓の製造に関するものである。
【0002】本明細書において、冷菓とは、昭和26年
12月27日厚生省令第52号「乳及び乳製品の成分規
格に関する省令」に定義されるアイスクリーム、アイス
ミルク、ラクトアイス、並びに氷菓の総称であり、気泡
の粒度分布など特に断りのない限り重量による値とす
る。
【0003】本明細書において、冷菓の硬度は、180
ml容(深さ40mm)の冷菓用カップに冷菓を密に充
填し、硬化並びに/若しくは冷凍貯蔵後、不動工業社製
レオメーターにて感圧治具;3.0mmφ(先端は頂角
33度で尖らせてある)、加圧速度;15mm/sec
で冷菓に40mm挿入した時、現われる最大抵抗力をk
gで表している。
【0004】
【従来の技術】一般に冷菓は、アイスクリーム類と氷菓
に分類され、アイスクリーム類は更に乳脂肪及び無脂乳
固形分含量によりアイスクリーム、アイスミルク並びに
ラクトアイスに分類される。アイスクリーム類は一般
に、乳脂肪、植物性油脂、若しくはこれらを混合した油
脂3〜20%、無脂乳固形分3〜12%、糖質8〜20
%、その他必要に応じて少量の安定剤、乳化剤、色素、
香料等を含む。殺菌した冷菓原料に、オーバーランを1
60%以下、好ましくは150%以下の任意の値に調整
しながら、連続若しくはバッチフリーザーでフリージン
グ後、容器に充填・硬化して製造する。
【0005】冷菓の製造工程で、原料の配合割合、フリ
ージング、硬化等の製造条件により、アイスクリーム類
のクリーム感、冷感、甘味度、口溶け、滑らかさ、硬さ
等で総合的に表される風味が決定される。
【0006】冷菓に含まれる脂肪球のチャーニングによ
る凝集物は、氷結晶並びにその他の固形分と共に組織の
骨格を形成している。組織の強度により、アイスクリー
ムのドライネス及び口溶けに影響を及ぼすことが知られ
ている。
【0007】冷菓は組成による分類以外に、空気含量、
充填する容器の形状、フレーバー等により更に多種多様
に分類される。そのような冷菓の風味は、クリーム感、
冷感、甘味、テクステュアー等で特徴づけられるが、そ
の中でも柔らかな食感は、最も大切な冷菓風味の1つで
ある。
【0008】近年店頭でコーン、容器等に盛り付けして
販売されるソフトクリーム、ジェラート等の柔らかな食
感の冷菓を嗜好する消費者が増加し、逆に一般の冷菓は
消費が減少しつつある。一般に冷菓愛好者にとって、従
来冷菓は硬質で喫食性が悪いことから、柔らかな食感を
求める傾向が高い。冷菓の柔らかな食感を与える因子と
して、配合原料、オーバーラン、製法、喫食時の品温等
が上げられる。ソフトクリームやジェラートのように比
較的高い温度で販売される商品を除き、一般の冷菓は、
−18℃以下で貯蔵され、−15〜−25℃のショーケ
ースに保管されて販売され、−12〜−18℃で消費さ
れる。
【0009】通常冷菓が消費される−12〜−18℃の
冷凍温度下で、冷菓に柔らかな食感を付与する方法とし
て配合原料に注目すると、冷菓の原料に糖類、塩類並び
にアルコール類などを添加して、冷菓原料の凍結点を低
下させ、冷凍貯蔵しても結氷率が上がらず氷結晶による
冷菓組織の骨格を軟弱にする方法があげられる。
【0010】前記添加成分による氷点降下作用を利用し
た斯様な方法は、冷菓原料に添加する物質の分子量によ
りその作用効果に差があり、例えば糖類を使用した場
合、分子量の大きい水飴よりも小さい蔗糖や果糖のほう
がその効果が大きく、また塩類やアルコール類にも同様
な効果があり、冷菓原料にこのような分子量の小さい成
分を添加することにより、冷菓に柔らかな食感を付与す
ることが行われている状況にある。
【0011】しかし冷菓原料に、斯様な糖類などを添加
使用することは、冷菓の風味並びに甘味などに重大な影
響を与えかねず、特に冷菓に十分柔らかな食感を付与す
るためには、糖類を多用する必要があり甘味過剰に陥り
やすい。また塩類やアルコール類を過剰に使用すると、
冷菓の風味を著しく損なうので、一部の糖アルコールを
除き使用には限度がある。また結氷率が低いと、冷凍貯
蔵中に巨大氷結晶が発生し易く冷菓の食感を劣化させる
ことが多い。
【0012】冷菓原料に氷点降下作用の高い種々の成分
を添加する方法以外に、製造法ではフリーザーから排出
された冷菓を昇温しないような環境で捏和する方法(例
えば連結した2台の連続式フリーザーの第1シリンダー
でフリージング後、第2シリンダーで保冷しながら捏和
する)等が紹介されている。しかし調製した冷菓は、冷
凍貯蔵後数日は柔らかな食感を有するものの、徐々に硬
化して一般冷菓のように硬くなってくる。またオーバー
ランを高くして、冷菓に柔らかな食感を与える方法もあ
る。しかし通常のオーバーランの範囲を超えて過剰のオ
ーバーランを付与することは、目的とする冷菓本来の食
感を著しく悪化させることになるため、採用し難い状況
にある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
技術の現状に鑑み、長期間冷凍貯蔵しても柔らかく、冷
凍庫から取り出した直後でも、スプーンやアイスクリー
ムディッシャー等で容易にすくいとることが可能な冷菓
を製造する新規システムを新たに開発する目的でなされ
たものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、今まで記述した冷
菓に関する諸問題を解決するため、本発明者は柔らかい
冷菓の製造法に関する検討を積み重ねた結果、冷菓製造
工程のフリージング工程途中で、配合原料である冷凍貯
蔵されても凍結し難い、液状糖質の一部若しくは全部を
コーティング剤として添加し、冷菓原料に生成した氷結
晶をコーティングすると、氷結晶が冷凍貯蔵中に成長し
ても、凍結し難いコーティング成分に氷結晶の連続層形
成並びに/若しくはブロック化が阻害され、冷凍貯蔵状
態でも柔らかな組織の維持が可能であることを見い出
し、ここに冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓の製造法を完
成するに至った。
【0015】また本発明は、通常組成として冷菓原料に
氷点降下作用並びに溶解性が高い、果糖や蔗糖で代表さ
れる単糖類、若しくは単糖類が2〜10個結合したオリ
ゴ糖が含まれていれば、如何なる組成であっても、柔ら
かい食感を有する冷菓を製造し得ることも発見し、冷菓
原料に糖類、塩類、アルコール類等氷点降下作用を有す
る成分を追加する必要もなく、冷凍温度下でも柔らかい
食感を有し、且つ風味良好な冷菓を製造する方法を完成
するに至った。
【0016】このように本発明は、冷凍貯蔵状態でも凍
結しない高濃度糖液に調製可能な糖質が冷菓原料に存在
すると、これをコーティング剤として、フリーザーを用
いて冷菓の製造を行うことを基本的技術思想とし、更に
他の工程、装置、材料、製造処理条件等を詳細に検討
し、それらを有機的に結合してなるものであり、フリー
ザーとしては、2基以上のシリンダーを連結してなる連
続フリーザーのほか、バッチフリーザーのいずれもが使
用可能であって、本発明によれば、例えば次のようにす
ぐれた冷凍貯蔵下でも柔らかい冷菓の製造法が提供され
る。
【0017】冷菓の製造法において、凍結した2台の連
続フリーザーの第1シリンダーで、160%以下、好ま
しくは150%以下のオーバーランを付与しながら、−
4℃以下、出来れば−7℃より低温になるように冷却す
る。冷却された冷菓原料を直接若しくはブースターポン
プを介して第2シリンダーに移送する工程で、コーティ
ング剤を冷菓原料の流量に対し比例注入する。第2シリ
ンダーではダッシャー(掻き取り式攪拌機)による捏和
効果によって、比例注入された成分で冷菓原料に発生し
た氷結晶をコーティングする事を特徴とする、冷凍貯蔵
下でも柔らかい冷菓の製造法を提供するものである。第
2シリンダーに替えてフリージング可能な冷菓用エクス
トルーダーを利用しても、同様な製造法が可能になる。
【0018】コーティング剤を、予めコーティング剤添
加直前の冷菓原料以下に冷却して添加できる装置を利用
すると、前述の第2シリンダー若しくは冷菓用エクスト
ルーダーに替えて、フリージング困難な連続的捏和装置
を利用しても、前項同様の冷菓製造が可能である。
【0019】本発明は、バッチフリーザーにも適用可能
で、冷菓の製造方法に於いて、バッチフリーザーに冷菓
原料を投入し、ダッシャーで攪拌して160%以下、好
ましくは150%以下のオーバーランを付与しながら規
定温度以下に冷却する。以降コーティング剤をミックス
に対して規定された割合をもって投入し、ダッシャーの
攪拌による捏和効果よって、冷菓原料に発生した氷結晶
をコーティングする事を特徴とする、冷凍貯蔵下でも柔
らかい冷菓の製造法を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明の冷凍貯蔵下でも柔らかい冷菓の製造
方法に於いて、フリージング工程を除く他の工程、即ち
フリージング工程前の冷菓原料の調製、殺菌、熟成(エ
ージング)の各工程、並びにフリージング以降の容器へ
の充填、硬化、冷凍貯蔵の各工程は、各々常法によって
実施できる。フリージング工程は、一般に熟成が完了し
た5℃前後の冷菓原料をフリーザーに移送し、急激に水
分を凍結し、同時に適当量の空気を混入してオーバーラ
ンを付与し、部分凍結によって発生した氷結晶、脂肪粒
子、気泡などを冷菓原料に均一に分散させて組織を整え
る工程で、冷菓の品質に与える最も重要な工程である。
【0021】このフリージング工程は、連続式フリーザ
ーを利用する場合、2台のシリンダーを有し、このシリ
ンダーを直列に連結可能なフリーザーを用いて実施可能
である。1台のシリンダーのみを有する連続式フリーザ
ー利用の場合、2台のフリーザーを直列に連結したも
の、若しくは1台のシリンダーを有する連続式フリーザ
ー出口に、冷菓用エクストルーダーを連結したものを用
いて実施される。連続式フリーザーとしては、市販品で
あってダッシャー回転の可変が可能でシリンダー内圧を
検出し、自動運転可能なタイプが好適である。冷菓用エ
クストルーダー利用の場合、捏和工程での冷菓をフリー
ジング可能な装置が好適であるが、エクストルージョン
による発熱を吸収できる程度の、冷凍設備が付与されて
いれば利用できる。但し冷菓用エクストルーダーによっ
て、冷菓原料にオーバーラン付与が困難である事から第
1シリンダーの代替えはできない。このフリージング工
程において、冷菓原料は、5℃前後でフリーザーに移送
され、第1シリンダーでこの冷菓原料を冷却しながら空
気を吹き込み、オーバーラン160%以下、好ましくは
150%以下、即ち0〜150%の範囲で所定の値に調
整する。
【0022】もし1台のシリンダーを有する連続式フリ
ーザー以外に、冷菓原料をフリージングしながら捏和で
きる装置が存在しない場合、制約があるものの、冷菓原
料を連続的に捏和可能な装置があれば、冷凍貯蔵下でも
柔らかい冷菓の製造は可能である。適用可能な捏和装置
としてモノポンプ等が上げられる。前項同様このフリー
ジング工程において、冷菓原料は、5℃前後でフリーザ
ーに移送され、第1シリンダーでこの冷菓原料を冷却し
ながら空気を吹き込み、オーバーラン160%以下、好
ましくは150%以下、即ち0〜150%の範囲で所定
の値に調整する。
【0023】このフリージング工程は、バッチフリーザ
ーを利用する場合、ダッシャー回転の可変が可能でフリ
ージング途中若しくは終了時、コーティング剤の添加が
可能であり、添加後フリージング途中若しくはフリージ
ングが終了した冷菓原料と、コーティング剤の捏和が可
能なバッチフリーザーを利用して実施される。装置は前
述の要件を満たしていると、市販のどの装置でも適用可
能である。このフリージング工程において、熟成が完了
した冷菓原料は5℃前後でフリーザーに投入され、フリ
ージングする。連続式装置と異なり一部の機種を除いて
オーバーランのコントロールが困難で、一般にオーバー
ランを下げるときはフリージング時間を長くする必要が
ある。
【0024】冷菓原料は、フリージング工程で次第に温
度が低下する。本発明の製造方法においては、コーティ
ング剤の添加前温度は約−4℃以下に、できれば−7℃
より低温になるようフリージングする必要がある。試験
例にて明らかなように、この温度より高い状態でコーテ
ィング剤を添加すると、コーティング剤が糖液の場合速
やかに未凍結水によって希釈され、氷点が上昇してその
効果が消滅する。そのためコーティング剤は、未凍結水
による希釈の影響を受けないレベル、並びにコーティン
グ剤が必要以上に分散し過ぎないようなレベルまで冷菓
原料を硬化させる必要がある。フリージング時冷菓は、
原料組成により同一温度でも結氷率並びに硬度が異なる
ので、品種毎にコーティング剤添加時のフリージング温
度を規定する必要がある。
【0025】コーティング剤に低融点油脂を利用して
も、氷結晶のコーティングは可能である。しかし、食品
として取り扱われている油脂は、分画品でも−15℃以
下になると固化するので、このような温度、つまり通常
の冷菓よりも比較的高い温度で凍結、保存されるタイプ
の冷菓の製造の場合において、低融点油脂はコーティン
グ剤として使用することができる。
【0026】コーティング剤添加時の温度は、低いほど
好ましい結果が得られる。しかし、通常組成の冷菓原料
の冷却可能な温度は通常、連続フリーザーで−8℃、バ
ッチフリーザーでは装置によるものの−12℃が限度
で、これ以上低くするとフリーザーより冷菓原料の排出
が困難になったり、コーティング剤添加後の捏和が困難
になったり、コーティングに時間のかかる事等から望ま
しくない。
【0027】コーティング剤添加前のオーバーランは、
製造する冷菓の種類により適宜決定される。しかし一般
にオーバーランが170%を超える場合、食感が悪化し
望ましい冷菓製造が困難である。そのため170%以下
に調整する必要があるが、160%以下であれば多少食
感に問題はあるものの充分に所期の目的が達成され、特
に150%以下であれば更に良好な結果が得られる。な
お、バッチフリーザーを用いる場合、一部の機種を除い
てオーバーランコントロールは困難であるが、低くなる
傾向にあり、160%〜150%を超える事はない。
【0028】コーティング剤添加後、冷菓原料にオーバ
ーランを付与せずに捏和する事が、本発明の製造法に於
ける重要事項のひとつである。捏和は連続フリーザー利
用の場合、第2シリンダー若しくはフリージング可能な
冷菓用エクストルーダーが利用できる。もしコーティン
グ剤を、予め冷菓の冷凍貯蔵温度以下に冷却して添加で
きる装置がある時は、第2シリンダー若しくは冷菓用エ
クストルーダーに替わって、フリージング困難でも連続
的に捏和可能な装置を利用して、冷凍貯蔵下でも柔らか
い冷菓の製造は可能である。バッチフリーザーの場合コ
ーティング剤添加後引き続き捏和する。
【0029】コーティング剤は、添加率が高いほど冷凍
貯蔵時柔らかい製品が得られる。しかし、25%を超え
ると出来上がった冷菓の硬度が均一にならず、均一にし
ようとして捏和時間を長くしてもチャーニング粒子発生
等商品価値に影響する物性の維持が困難になる。したが
って、コーティング剤の添加率は、25%以下、好まし
くは20%以下とするのが好適である。
【0030】コーティング剤は、冷凍貯蔵状態でも凍結
しない高濃度糖液であって、糖類としては、−18℃以
下、好ましくは−20℃以下でも凍結せず且つ結晶析出
が生じ難いレベルに溶解可能な単糖類、もしくは単糖類
が2〜15個、好ましくは2〜10個結合したオリゴ糖
が1種又は2種以上併用される。糖液の濃度は、格別の
限定はないものの、25%以上の高濃度にするのが良
く、好ましくは35〜85%、更に好ましくは40〜8
0%程度の高濃度糖液を使用するのが良い。
【0031】単糖としては、グルコース、フルクトー
ス、マンノース、ガラクトース等のヘキソース;アラビ
ノース、キシロース、リボース等のペントースその他各
種単糖類が適宜使用される。また、オリゴ糖としては、
蔗糖、乳糖、マルトース、イソマルトース、トレハロー
ス、セロビオース、ゲンチオビオース、ラフィノース、
メレチトース、スタキオース等の各種オリゴ糖が適宜使
用される。ただ、オリゴ糖は、糖鎖が長くなるほど、結
晶し難いものの低温化につれて増粘し添加困難になる事
から、蔗糖、マルトース、トレハロース、イソマルトー
スで代表される2糖類若しくは結晶性が低い単糖類(例
えば果糖)が望ましいが、これらのみに限定されるもの
ではない。
【0032】本発明に於いて、冷菓の氷結晶コーティン
グ状態を微視的に観察すると、微細な氷結晶を個々にコ
ーティングしているのではなく、コーティング剤と冷菓
原料が微細で不規則なサンドイッチ状になっている事が
観察されている。その顕微鏡写真を図1に示す。このよ
うな組織が冷凍貯蔵中に発生する氷結晶の連続層形成を
防止し、冷菓の柔らかさを維持している要因のひとつと
考えられているのである。コーティング剤は、コーティ
ング剤に挟まれた冷菓原料に含まれる未凍結水で希釈さ
れる事が予測される。しかし、本発明にしたがって斯様
な組織形成後、速やかにカップ等に充填・硬化させる
と、未凍結水の移動が困難になり且つ未凍結水が減少す
ることから、殆ど希釈が起きないことが発見された。但
し、前記のコーティング剤添加前の結氷率が低すぎたり
粘度が低かったりすると、硬化工程前に未凍結水の浸透
でサンドイッチ構造が軟弱若しくは破壊されて、冷凍貯
蔵すると徐々に硬化する事から、本発明においては、コ
ーティング条件を各種規定している。
【0033】コーティング後の捏和時間が長すぎたり、
捏和エネルギーが高すぎるとサンドイッチ構造が微細に
なりすぎ、硬化工程で成長する氷結晶がコーティング剤
に抗して連続層を形成しやすくなり、冷凍貯蔵中に硬化
し易い。また油脂が凝集してチャーニングを起こし商品
価値が低下しやすい。また捏和不十分だと、コーティン
グ剤の遊離や食感に異味を感じるようになる。そのため
コーティング法は適切な標準化が必要で、例えばバッチ
フリーザーではコーティング剤添加後の捏和時間、連続
フリーザーでは第二シリンダーのダッシャー回転数を冷
菓の品種毎に、また同一品種でも装置毎に個々に操作条
件設定が必要であって、例えばバッチフリーザーの場
合、捏和時間は1.5〜5分、好ましくは2〜4分、更
に好ましくは2.5分程度であり、連続フリーザーの場
合、第二シリンダーのダッシャー回転数は100rpm
以上、130〜150rpm程度が好ましく、250r
pmでも許容可能である。
【0034】捏和工程の発熱を押さえるため、コーティ
ング剤添加後捏和しながらフリージングする必要があ
る。但しフリージング過剰になると捏和時に氷結晶や添
加油脂の結晶が成長し、前記サンドイッチ構造を破壊し
てコーティング効果を低減させる事から、フリージング
は望ましくないと言う拮抗した結果を得ている。通常コ
ーティング剤添加直前に比べ、±2.3℃〜±2.5℃
以内、好ましくは±2℃以内で冷菓原料を低温にする事
が望ましいが、排出温度を−5.0℃より高くすること
は避けるべきである。またオーバーランが高いときは、
保型性維持の観点から更に低くしたほうが良好な結果を
得る事もあり、品種毎に規定する必要がある。
【0035】コーティング剤添加後、フリージング困難
な捏和装置を利用する場合、コーティング剤を冷却して
添加し、捏和工程の発熱を押さえる必要がある。発熱す
るとコーティング剤添加前に形成した氷結晶が溶解し、
冷凍貯蔵時徐々に硬化する原因になることから、温度上
昇は2.5℃以内、好ましくは2℃以内に抑える必要が
ある。添加するコーティング剤の温度は、コーティング
直前の冷菓原料以下にすることが必須であるが、実情は
コーティング剤の添加量は冷菓原料より少なく、融解熱
に比べ熱容量が小さい事から、添加するコーティング剤
の温度は、−18℃以下、好ましくは−20℃以下にす
ることが望ましい。
【0036】コーティング剤の添加温度は、前記のよう
にフリージング困難な捏和装置利用の場合、発熱を押え
る観点から冷凍貯蔵温度以下にする事が望ましい。しか
しフリージング可能な捏和装置を利用する場合、理論上
冷却不要である。しかし試験例に示すように、10℃、
特に11.5℃を超えると添加直後に冷菓原料に生成し
た氷結晶の一部を溶解し、冷凍貯蔵時硬化し易くなるこ
とから、10℃、特に11.5℃以上とすることは避け
るべきである。
【0037】冷菓の配合原料である糖質の一部を、香味
に影響しない糖アルコールに置換して、凝固点を降下さ
せると、コーティング剤との相乗効果により、より長期
間冷凍貯蔵しても柔らかい組織を維持できる冷菓を得る
ことができる。但し置換率が高くなると結氷率が下が
り、粗大な氷結晶発生の原因になったり、香味が変化し
やすい事から置換は慎重を期すべきである。糖アルコー
ルとしては、糖のアルデヒド基、ケトン基を還元してア
ルコール基としたものをすべて指し、例えば、ソルビト
ール、マンニトール、イノシトール、マルチトール、グ
リセロール等が挙げられる。
【0038】コーティング剤を添加せず、冷菓を連続フ
リーザーで製造する時、第1シリンダーでフリージング
された冷菓原料を、コーティング剤の添加をしないで第
2シリンダーでの捏和により冷凍温度下でも柔らかい冷
菓の製造方法が紹介されている(特開平11−1230
49)。しかし、試験例に示したが、開示された従来発
明に比べ、今回出願に係る本発明製造法の方が長期保存
しても硬化しにくく、格段にすぐれている。
【0039】このようにして製造された冷菓は、製法の
いかんを問わず、常に対象冷菓よりも低い硬度を示し、
場合によっては、硬度0.1kg以下という柔かい冷菓
を得ることにも成功した。しかも、本発明に係る冷菓
は、オーバーランが160%以下、中には150%以下
のものも多数存在し、単に柔らかいだけでなく、アイス
クリーム等冷菓が本来有しているすぐれた食感は充分に
保持されている点でも卓越している。
【0040】斯様にして本発明の製造法により製造され
た冷菓は、長期間冷凍貯蔵されても柔らかい食感を有し
ており、販売店のショーケースや家庭用冷凍庫から取り
出した直後でも、スプーンやアイスクリームディッシャ
ー等で容器から容易に掬い取る事が可能であり、従来製
品のように氷点降下剤が過剰に含まれていないので、風
味良好な製品を得ることができる。
【0041】
【試験例】以下に本発明を試験例に基づいて説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0042】
【試験例1】この試験は、連続フリーザーを利用して冷
凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、第1シリ
ンダーの排出温度設定のため試験した。 1)冷菓原料の調製 試験用冷菓原料は、脱脂粉乳(明治乳業社製)12.0
2部、無塩バター(明治乳業社製)7.54部、45%
生クリーム(明治乳業社製)12.57部、果糖液(参
松工業社製)8.31部、水飴(参松工業社製)1.8
6部、乳化安定剤(太陽化学社製)0.52部、色素
(三栄源FFI社製)0.01部を清水56.96部に
添加、加温後均一に混合溶解し、60℃に加温後2段階
均質化(100kg/cm2並びに40kg/cm2)後
85℃15秒間殺菌する。以降5℃に急冷後バニラエッ
センス(ジボダン社製)0.21部添加して1昼夜エー
ジングを行った。別途上白糖(大日本明治製糖社製)を
67%に溶解し、−10℃に調温した。
【0043】対象品用冷菓原料は、脱脂粉乳(明治乳業
社製)11部、無塩バター(明治乳業社製)6.9部、
45%生クリーム(明治乳業社製)11.5部、上白糖
(大日本明治製糖社製)5.7部、果糖液(参松工業社
製)7.6部、水飴(参松工業社製)1.7部、乳化安
定剤(太陽化学社製)0.48部、色素(三栄源FFI
社製)0.01部を清水54.92部に添加、加温後均
一に混合溶解し、60℃に加温後2段階均質化(100
kg/cm2並びに40kg/cm2)後85℃15秒間
殺菌する。以降5℃に急冷後バニラエッセンス(ジボダ
ン社製)0.19部添加して1昼夜エージングを行っ
た。試作用冷菓原料91.49部に67%蔗糖液8.5
1部を混合すると、対象品用冷菓原料と同一組成とな
る。
【0044】2)硬度測定法 冷菓の硬度は、180ml容(深さ40mm)の冷菓用
カップに冷菓を密に充填し、硬化並びに/若しくは冷凍
貯蔵後測定12時間前より−18℃恒温冷凍庫にてテン
パリングし、不動工業社製レオメーターにて感圧治具;
3.0mmφ(先端は頂角33度で尖らせてある)、加
圧速度;15mm/secで冷菓に40mm挿入した
時、現れる最大抵抗力をkgで表した。なお、同一装置
で測定した他の食品硬度を例示すると、5.0℃にテン
パリングした無塩バターの硬度は、約1.0kgであ
る。なお装置の測定範囲は0.0〜2.0kgの範囲に
ある。2.0kgを越えると2.0kgで測定が停止す
ることから、硬度が2.0kgを越える時は2.0(k
g)に〔40/(感圧治具が冷菓に侵入した長さ、単位
mm)〕を掛けて硬度とした。
【0045】3)試験方法 APVクレパコ社製WS−204GS型(2本のシリン
ダー保有)連続フリーザーに、先に示した配合組成の冷
菓原料を100L/hrで供給して、オーバーラン40
%に制御しながら第1シリンダーにて−3℃から−8℃
に冷却後、第2シリンダーに移送直前でこの冷菓原料9
1.49部に対し、−10℃に冷却した67%蔗糖液を
8.51部の割合で比例注入し、第2シリンダー出口の
冷菓品温が第1シリンダー出口と同一になるよう、第2
シリンダーでフリージングしながら捏和した。第2シリ
ンダー出口の冷菓は、180ml容(深さ40mm)の
冷菓用カップに採取し、−40℃のブラストフリーザー
で1時間以上硬化後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、前記
硬度測定法に準じて硬度を測定した。対象品用冷菓の試
作は、フリージング温度以外は従来法に準じた。
【0046】4)試験結果 この試験結果は表1の通りである。この表から明らかな
ように、同一温度で比較すると、本発明の製造法によっ
て製造した冷菓の硬度は、対象品のそれより顕著に低
く、冷凍貯蔵下でも柔らかい事が明らかになった。但し
−5.0℃未満の冷菓は冷凍貯蔵中に徐々に硬化し対象
品に近い硬度になることから望ましくなかったが、比較
的短期間の冷凍貯蔵には有効であることが確認された。
また、−8℃を下回る温度での冷菓原料の排出は困難で
あった。斯様な状況から第1シリンダーからの排出温度
が−5〜−8℃の範囲で、冷凍貯蔵しても柔らかい冷菓
製造が可能で、特に−7℃以下にすると顕著に保存性が
良好になることが解った。なお、他の原料配合の冷菓に
ついても、今回の試験結果に近い結果が得られた。
【0047】
【表1】
【0048】
【試験例2】この試験は、連続フリーザーを利用して冷
凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、第1シリ
ンダーのオーバーランの影響を調べるため試験した。 1)冷菓原料の調製、2)硬度測定法は試験例1に準じ
た。
【0049】3)試験方法 APVクレパコ社製WS−204GS型(2本のシリン
ダー保有)連続フリーザーに、試験例1同様配合組成の
冷菓原料を100L/hrで供給して、オーバーランを
種々変更しながら第1シリンダーにて−7.0℃に冷却
後、第2シリンダーに移送直前でこの冷菓原料91.4
9部に対し、−10℃に冷却した67%蔗糖液を8.5
1部の割合で比例注入し、第2シリンダー出口の冷菓品
温が−6.5℃になるように、第2シリンダーでフリー
ジングしながら捏和した。第2シリンダー出口の冷菓
は、180ml容(深さ40mm)の冷菓用カップに採
取し、−40℃のブラストフリーザーで1時間以上硬化
後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、試験例1に示した硬度
測定法に準じて硬度を測定した。対象品用冷菓の試作
は、オーバーラン以外は従来法に準じた。
【0050】4)試験結果 この試験結果は表2の通りである。この表から明らかな
ように、同一オーバーランで比較すると、本発明の製造
法によって製造した冷菓の硬度は、対象品のそれより顕
著に低く、冷凍貯蔵下でも柔らかい事が明らかになっ
た。但しオーバーランが150%を超えると、特に17
0%を超えると、組織がスポンジ状になり噛みごたえが
なく、食感が顕著に劣化し商品にすることは困難であっ
た。斯様な状況から、第1シリンダーのオーバーランが
170%以下、好ましくは160%以下、更に好ましく
は150%以下の場合、所定品質の冷菓製造が可能であ
ることが解った。なお、他の原料配合の冷菓について
も、今回の試験結果に近い結果が得られた。
【0051】
【表2】
【0052】
【試験例3】この試験は、連続フリーザーを利用して冷
凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、第2シリ
ンダー出口の冷菓温度の影響を調べるため試験した。 1)冷菓原料の調製、2)硬度測定法は試験例1に準じ
た。
【0053】3)試験方法 APVクレパコ社製WS−204GS型(2本のシリン
ダー保有)連続フリーザーに、試験例1同様配合組成の
冷菓原料を100L/hrで供給して、オーバーランを
40%に制御しながら第1シリンダーにて−7.0℃に
冷却後、第2シリンダーに移送直前でこの冷菓原料9
1.49部に対し、−3℃に冷却した67%蔗糖液を
8.51部の割合で比例注入し、第2シリンダー出口の
冷菓品温を種々制御しながら捏和した。第2シリンダー
出口の冷菓は、180ml容(深さ40mm)の冷菓用
カップに採取し、−40℃のブラストフリーザーで1時
間以上硬化後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、試験例1に
示した硬度測定法に準じて硬度を測定した。
【0054】4)試験結果 この試験結果は表3の通りである。この表から明らかな
ように、第2シリンダー出口の品温が第1シリンダーに
比べ2.0℃以上、特に2.5℃以上低くなると顕著に
硬度が増加し、逆に2.5℃以上、特に3.0℃以上高
くなっても顕著に硬くなった。なお第1シリンダー出口
の温度を変更しても、今回の結果に近い結果が得られた
が、第2シリンダー出口の温度が−4.5℃以上、特に
−5℃より高くなると硬化傾向が高かった。
【0055】
【表3】
【0056】
【試験例4】この試験は、連続フリーザーを利用して冷
凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、原料油脂
の平均融点の違いによる製造の可否を調べるため試験し
た。 1)冷菓原料は、原料油脂に乳脂肪(無塩バター並びに
45%クリームにて供給。何れも明治乳業社製。平均融
点;33℃)、分別植物油脂(不二製油社製。平均融
点;27℃並びに−15℃)の3種類を利用した。分別
油脂利用時は、乳脂肪利用時相当の無脂乳固形分を脱脂
粉乳(明治乳業社製)にて強化し、更に清水を追加して
濃度並びに成分組成を揃えた。油脂以外の配合原料並び
に調製法は試験例1に準じた。2)硬度測定法もまた試
験例1に準じた。
【0057】3)試験方法 APVクレパコ社製WS−204GS型(2本のシリン
ダー保有)連続フリーザーに、各々の冷菓原料を100
L/hrで供給して、オーバーランを60%に制御しな
がら第1シリンダーにて−7.5℃に冷却後、第2シリ
ンダーに移送直前でこの冷菓原料91.49部に対し、
−10℃に冷却した67%蔗糖液を8.51部の割合で
比例注入し、出口の冷菓品温を−4.0〜−7.0℃に
制御しながら捏和した。フリーザー出口の冷菓は、18
0ml容(深さ40mm)の冷菓用カップに採取し、−
40℃のブラストフリーザーで1時間以上硬化後、−2
0℃の冷凍庫に貯蔵し、試験例1に示した硬度測定法に
準じて硬度を測定した。
【0058】4)試験結果 この試験結果は表4の通りである。この表から明らかな
ように、原料油脂の平均融点によって硬度に変化が見ら
れるものの、本発明の冷菓は、対象冷菓の硬度に比べ顕
著に低かった。なお、他の原料配合の冷菓についても、
今回の試験結果に近い結果が得られた。
【0059】
【表4】
【0060】
【試験例5】この試験は、連続フリーザーを利用して冷
凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、第2シリ
ンダーに替えて冷菓用エクストルーダーを利用したと
き、捏和法の違いによる製造の可否を調べるため試験し
た。 1)冷菓原料組成並びに、2)硬度測定法は試験例1に
準じた。
【0061】3)試験方法 APVクレパコ社製WS−204GS型(2本のシリン
ダー保有)連続フリーザーに、各々の冷菓原料を100
L/hrで供給して、オーバーランを35%に制御しな
がら第1シリンダーにて−6.5℃に冷却後、その一部
を自社で栗本鉄鋼社製2軸エクストルーダー(KEX−
50型)を実験用に自社改造した冷菓用エクストルーダ
ー(2軸スクリュー並びにバレルを冷却専用装置に自社
改造。ドイツSchroeder社Ice Cream
Extruder VKBX65−1000−F型に
酷似した機能を付与している)に移送直前でこの冷菓原
料91.49部に対し、−10℃に冷却した67%蔗糖
液を8.51部の割合で比例注入し、エクストルーダー
出口の冷菓品温を−7.0℃に制御しながら捏和した。
エクストルーダー出口の冷菓は、180ml容(深さ4
0mm)の冷菓用カップに採取し、−40℃のブラスト
フリーザーで1時間以上硬化後、−20℃の冷凍庫に貯
蔵し、試験例1に示した硬度測定法に準じて硬度を測定
した。
【0062】4)試験結果 この試験結果は表5の通りである。この表から明らかな
ように、冷菓用エクストルーダー出口の冷菓の硬度は対
象冷菓の硬度に比べ顕著に低かった。なお、他の原料配
合の冷菓についても、今回の試験結果に近い結果が得ら
れた。
【0063】
【表5】
【0064】
【試験例6】この試験は、連続フリーザーを利用して冷
凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、第2シリ
ンダーに替えてモノポンプを利用したとき、捏和法の違
いによる製造の可否を調べるため試験した。 1)冷菓原料組成並びに、2)硬度測定法は試験例1に
準じた。
【0065】3)試験方法 APVクレパコ社製WS−204GS型(2本のシリン
ダー保有)連続フリーザーに、各々の冷菓原料を100
L/hrで供給して、オーバーランを40%に制御しな
がら第1シリンダーにて−7.0℃に冷却後、その一部
をモノポンプ(兵神装備社製2NBL29型)に移送直
前でこの冷菓原料91.49部に対し、−10℃に冷却
した67%蔗糖液を8.51部の割合で比例注入し捏和
した。モノポンプ出口の冷菓は、180ml容(深さ4
0mm)の冷菓用カップに採取し、−40℃のブラスト
フリーザーで1時間以上硬化後、−20℃の冷凍庫に貯
蔵し、試験例1に示した硬度測定法に準じて硬度を測定
した。モノポンプ出口の冷菓は、−5.2℃であった。
【0066】4)試験結果 この試験結果は表6の通りである。この表から明らかな
ように、モノポンプ出口の冷菓の硬度は対象冷菓の硬度
に比べ顕著に低かった。なお、他の原料配合の冷菓につ
いても、今回の試験結果に近い結果が得られ、またモノ
ポンプ類似の捏和可能な装置でも、多少の柔らかさに差
があるものの今回の試験結果に近い結果が得られた。
【0067】
【表6】
【0068】
【試験例7】この試験は、連続フリーザーを利用して冷
凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、コーティ
ング剤添加量の影響を調べるため試験した。
【0069】1)冷菓原料の調製 試験用冷菓原料配合率は、脱脂粉乳(明治乳業社製)
7.02部、無塩バター(明治乳業社製)7.54部、
45%生クリーム(明治乳業社製)4.57部、水飴
(参松工業社製)1.35部、蔗糖(大日本明治製糖社
製)25.0部、乳化安定剤(太陽化学社製)0.52
部、色素(三栄源FFI社製)0.01部、清水54部
とし、蔗糖の一部を67%に溶解してコーティング剤と
し試験に供した。蔗糖液のコーティング量は3%、5
%、10%、15%、20%、25%とし、本発明の冷
菓原料は、コーティング後の配合率を前記配合率と同一
になるよう、調製時に冷菓原料から蔗糖並びに溶解水を
差し引いた。
【0070】対象品用冷菓原料は、脱脂粉乳(明治乳業
社製)7.02部、無塩バター(明治乳業社製)7.5
4部、45%生クリーム(明治乳業社製)4.57部、
水飴(参松工業社製)1.35部、蔗糖(大日本明治製
糖社製)25.0部、乳化安定剤(太陽化学社製)0.
52部、色素(三栄源FFI社製)0.01部、清水5
4部を一括調製した。調製法は、試験例1準じた。2)
硬度測定法は試験例1に準じた。
【0071】3)試験方法 APVクレパコ社製WS−204GS型(2本のシリン
ダー保有)連続フリーザーに、各々の冷菓原料を100
L/hrで供給して、オーバーランを20%に制御しな
がら第1シリンダーにて−6.5℃に冷却後、第2シリ
ンダーに移送直前でこの冷菓原料97部に対し、−10
℃に冷却した67%蔗糖液を3部、冷菓原料95部に対
し同蔗糖液を5部、冷菓原料90部に対し同蔗糖液を1
0部、冷菓原料85部に対し同蔗糖液を15部、冷菓原
料80部に対し同蔗糖液を20部、冷菓原料75部に対
し同蔗糖液を25部の、6種類の割合で比例注入し−
7.5℃になるよう捏和した。対象品は同率で蔗糖が混
合された冷菓原料より得たサンプルとし硬度を比較し
た。発明品対象品共180ml容(深さ40mm)の冷
菓用カップに採取し、−40℃のブラストフリーザーで
1時間以上硬化後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、試験例
1に示した硬度測定法に準じて硬度を測定した。
【0072】4)試験結果 この試験結果は表7の通りである。この表から明らかな
ように、コーティング剤の添加率が高いほど、硬度が低
くなった。添加率が25%になると、コーティング剤と
冷菓原料が分離して食感の維持が多少困難となったが許
容の域内であり、上限は20%程度と判断された。な
お、蔗糖以外の他の単糖類を利用しても、多少の柔らか
さに差があるものの今回の試験結果に近い結果が得られ
た。
【0073】
【表7】
【0074】
【試験例8】この試験は、バッチフリーザーを利用して
冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、氷結晶
コーティング前冷菓原料の温度設定のため試験した。 1)冷菓原料の調製、2)硬度測定法は試験例1に準じ
た。
【0075】3)試験方法 カルピジャーニー社製バッチフリーザー「Labotr
onic DGT 2030型」に、先に示した配合組
成の冷菓原料を5リッター供給して、ダッシャー回転数
100rpmで−3℃から−11℃になるまで冷却後、
この冷菓原料91.49部に対し、−15℃に冷却した
67%蔗糖液を8.51部の割合で投入し、コーティン
グ後の冷菓品温が糖液投入時と同一になるように、フリ
ージングしながら捏和した。排出口の冷菓は、直ちに1
80ml容(深さ40mm)の冷菓用カップに採取し、
−40℃のブラストフリーザーで1時間以上硬化後、−
20℃の冷凍庫に貯蔵し、前記硬度測定法に準じて硬度
を測定した。対象品用冷菓の試作は、フリージング温度
以外は従来法に準じた。
【0076】4)試験結果 この試験結果は表8の通りである。この表から明らかな
ように、同一温度で比較すると、本発明の製造法によっ
て製造した冷菓の硬度は、対象品のそれよりも顕著に低
く、冷凍貯蔵下でも柔らかい事が明らかになった。但し
−5.0未満の冷菓は冷凍貯蔵中に徐々に硬化し対象品
に近い硬度になることから望ましくなかった。また−8
℃を下回ると徐々に硬くなり、フリーザー内で供回り現
象が起き−11℃を下回る温度に冷却困難であった。斯
様な状況から排出温度が−5〜−11℃の範囲で、冷凍
貯蔵しても柔らかい冷菓製造が可能で、特に−7℃以下
にすると顕著に保存性が良好になることが解った。な
お、他の原料配合の冷菓についても、今回の試験結果に
近い結果が得られた。
【0077】
【表8】
【0078】
【試験例9】この試験は、バッチフリーザーを利用して
冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、排出時
の冷菓温度の影響を調べるため試験した。 1)冷菓原料の調製、2)硬度測定法は試験例1に準じ
た。
【0079】3)試験方法 カルピジャーニー社製バッチフリーザー「Labotr
onic DGT 2030型」に、先に示した配合組
成の冷菓原料を5リッター供給して、ダッシャー回転数
110rpmで−7.5℃に冷却後、この冷菓原料9
1.49部に対し、−10℃に冷却した67%蔗糖液を
8.51部の割合で蔗糖液投入し、冷菓品温を種々制御
しながら捏和した。排出後冷菓は、180ml容(深さ
40mm)の冷菓用カップに採取し、−40℃のブラス
トフリーザーで1時間以上硬化後、−20℃の冷凍庫に
貯蔵し、試験例1に示した硬度測定法に準じて硬度を測
定した。
【0080】4)試験結果 この試験結果は表9の通りである。この表から明らかな
ように、排出時の品温が蔗糖添加前に比べ2℃以上、特
に2.5℃以上低くなると硬度が増加した。逆に高くな
っても硬度の増加が起き、2.5〜2.8℃以上、特に
3℃以上高くなると顕著になった。
【0081】
【表9】
【0082】
【試験例10】この試験は、バッチフリーザーを利用し
て冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、コー
ティング剤添加量の影響を調べるため試験した。 1)冷菓原料の調製は試験例7に準じて6種類調製し
た。2)硬度測定法は試験例1に準じた。
【0083】3)試験方法 カルピジャーニー社製バッチフリーザー「Labotr
onic DGT 2030型」に、試験例7に準じて
調製した6種類の冷菓原料4リッターを、ダッシャー回
転数110rpmで−7.0℃に冷却後、冷菓原料97
部に対し−10℃に冷却した67%蔗糖液を3部、冷菓
原料85部に対し同蔗糖液を5部、冷菓原料90部に対
し同蔗糖液を10部、冷菓原料85部に対し同蔗糖液を
15部、冷菓原料80部に対し同蔗糖液を20部、冷菓
原料75部に対し同蔗糖液を25部の割合で添加し、約
3分間捏和して−8.0℃まで冷却した。
【0084】対象品は試験例7に準じて一括配合・調製
された原料4リッターを、ダッシャー回転数110rp
mで−7.0℃に冷却して得たサンプルとした。対象品
製作時併せて、特開平11−123049にて開示され
た方法で冷菓を試作した。発明品、対象品共180ml
容(深さ40mm)の冷菓用カップに採取し、−40℃
のブラストフリーザーで1時間以上硬化後、−20℃の
冷凍庫に貯蔵し、試験例1に示した硬度測定法に準じて
硬度を測定した。
【0085】4)試験結果 この試験結果は表10の通りである。この表から明らか
なように、コーティング剤の添加率が高いほど硬度が低
くなった。しかし添加率が25%になると、冷凍ホイッ
プクリーム状になって食感が低下が認められたが許容の
域内であり、特に好適な上限は20%程度と判断され
た。なお、蔗糖以外の他の単糖類を利用しても、多少の
柔らかさに差があるものの今回の試験結果に近い結果が
得られた。特開平11−123049に準じた試作品
は、1日後は柔らかかったが1週間以上冷凍保持すると
対象品同様の硬度となった。
【0086】
【表10】
【0087】
【試験例11】この試験は、バッチフリーザーを利用し
て冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、添加
するコーティング剤温度の影響を調べるため、試験し
た。 1)冷菓原料の調製、2)硬度測定法は試験例1に準じ
た。
【0088】3)試験方法 カルピジャーニー社製バッチフリーザー「Labotr
onic DGT 2030型」に、先に示した配合組
成の冷菓原料を5リッター供給して、ダッシャー回転数
110rpmで−7℃になるまで冷却後、この冷菓原料
91.49部に対し、−15〜−20℃の各種温度の6
7%蔗糖液を8.51部の割合で投入し、フリージング
しながら3分捏和し−6.0℃で排出した。排出後の冷
菓は、直ちに180ml容(深さ40mm)の冷菓用カ
ップに採取し、−40℃のブラストフリーザーで1時間
以上硬化後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、7日後前記硬
度測定法に準じて硬度を測定した。対象品用冷菓の試作
は、フリージング温度以外は従来法に準じた。
【0089】4)試験結果 この試験結果は表11の通りである。この表から明らか
なように、添加時の蔗糖液温度に比例して徐々に硬度が
上昇し、蔗糖液温度が10℃〜11.5℃、特に12℃
を超えると、本発明の製造法によって製造した冷菓の硬
度が、顕著に硬くなる事が解った。なお、連続フリーザ
ーの場合でも、今回の試験結果に近い結果が得られた。
【0090】
【表11】
【0091】
【試験例12】この試験は、バッチフリーザーを利用し
て冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、捏和
時間の影響を調べるため試験した。 1)冷菓原料の調製、2)硬度測定法は試験例1に準じ
た。
【0092】3)試験方法 カルピジャーニー社製バッチフリーザー「Labotr
onic DGT 2030型」に、先に示した配合組
成の冷菓原料を5リッター供給して、ダッシャー回転数
110rpmで−7℃になるまで冷却後、この冷菓原料
91.49部に対し、−10℃に冷却した67%蔗糖液
を8.51部の割合で投入し、ダッシャー回転数130
rpmで各種時間(必要に応じてフリージングしなが
ら)捏和し、−6.0℃で排出した。排出後の冷菓は、
直ちに180ml容(深さ40mm)の冷菓用カップに
採取し、−40℃のブラストフリーザーで1時間以上硬
化後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、前記硬度測定法に準
じて硬度を測定した。対象品用冷菓の試作は、フリージ
ング温度以外は従来法に準じた。
【0093】4)試験結果 この試験結果は表12の通りである。この表から明らか
なように、捏和時間は、1.5〜5分、好ましくは2〜
4分、更には2.5分が最良で、捏和時間がこれ以上長
くなると硬化し保存期間が長くなると硬化した。逆に捏
和時間が短いと混合が悪く食感に悪影響を与える事が解
った。なお、ダッシャー回転数を変更すると、最良条件
を与える捏和時間が変化するものの、今回の試験結果に
近い結果が得られた。
【0094】
【表12】
【0095】
【試験例13】この試験は、連続フリーザーを利用して
冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、第2シ
リンダーダッシャー回転数の影響を調べるため試験し
た。 1)冷菓原料の調製、2)硬度測定法は試験例1に準じ
た。
【0096】3)試験方法 APVクレパコ社製WS−204GS型(2本のシリン
ダー保有)連続フリーザーに、試験例1同様配合組成の
冷菓原料を供給して、オーバーランを60%に制御しな
がら第1シリンダーにて−7.5℃に冷却後、第2シリ
ンダーに移送直前でこの冷菓原料91.49部に対し、
−10℃に冷却した67%蔗糖液を8.51部の割合で
比例注入し、第2シリンダー回転数を種々制御しながら
捏和して、−8.5℃に冷却し排出した。第2シリンダ
ー出口の冷菓は、180ml容(深さ40mm)の冷菓
用カップに採取し、−40℃のブラストフリーザーで1
時間以上硬化後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、試験例1
に示した硬度測定法に準じて硬度を測定した。
【0097】4)試験結果 この試験結果は表13の通りである。この表から明らか
なように、第2シリンダー回転数が100rpm以上、
特に130〜150rpmの時最良で、回転数がこれ以
上高くなると硬化し保存期間が長くなるにつれて更に硬
化する傾向が認められたが、250rpmの場合も硬度
が対象品以下であった。逆に回転数が低いと混合が悪く
食感に悪影響を与える事が解った。なお、配合成分並び
に割合を変更しても、今回の試験結果に近い結果が得ら
れた。
【0098】
【表13】
【0099】
【試験例14】この試験は、バッチフリーザーを利用し
て冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓を製造するとき、配合
原料の糖質を糖アルコールに置換したときの影響を調べ
るために試験した。 1)冷菓原料は試験例1に示した果糖液の60%をソル
ビトール(参松工業社製)に置換し、調製した(対象品
は置換なし)。2)硬度測定法は試験例1に準じた。
【0100】3)試験方法 カルピジャーニー社製バッチフリーザー「Labotr
onic DGT 2030型」に、先に示した果糖液
の60%をソルビトールに置換した冷菓原料、置換しな
い冷菓原料を各々5リッター供給して、−7℃になるま
で冷却後、この冷菓原料91.49部に対し、−10℃
の67%蔗糖液を8.51部の割合で投入し、ダッシャ
ー回転数110rpmで(一部フリージングしながら)
捏和し、各種温度で排出した。排出後の冷菓は、直ちに
180ml容(深さ40mm)の冷菓用カップに採取
し、−40℃のブラストフリーザーで1時間以上硬化
後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、前記硬度測定法に準じ
て硬度を測定した。対象品用冷菓の試作は、フリージン
グ温度以外は従来法に準じた。
【0101】4)試験結果 この試験結果は表14の通りである。この表から明らか
なように糖アルコールを置換した本発明品は、置換しな
い発明品にくらべ稍柔らかく、保存性も高かった。
【0102】
【表14】
【0103】
【実施例】次に実施例を示して本発明を更に具体的に説
明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0104】
【実施例1】30%脱脂濃縮乳(明治乳業社製)97.
31kg、生クリーム(明治乳業社製)97.3kg、
果糖液(参松工業社製)11.94kg、水飴(参松工
業社製)4.28kg、卵黄(太陽化学社製)6.48
kgを清水22.20kgに添加、加温後均一に混合溶
解し、60℃に加温後2段階均質化(100kg/cm
2並びに30kg/cm2)後85℃15秒間殺菌した。
以降5℃に急冷後バニラエッセンス(ジボダン社製)
0.21部添加して1昼夜エージングを行った。別途上
白糖(大日本明治製糖社製)27kgを清水にて67%
に溶解し、−10℃に調温した。
【0105】次いでこの冷菓原料を、APVクレパコ社
製WS−204GS型連続フリーザーに100L/hr
で供給して、オーバーランを40%に制御しながら第1
シリンダーにて−6.5℃に冷却後、第2シリンダーに
移送直前でこの冷菓原料85.07部に対し、−10℃
に調温した67%蔗糖液を14.93部の割合で比例注
入し、第2シリンダー出口の冷菓品温が−6.5±0.
5℃になるよう、第2シリンダーでフリージングしなが
ら捏和した。第2シリンダー出口の冷菓は、180ml
容(深さ40mm)の冷菓用カップに120gを採取
し、定法により硬化して冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓
230kgを得た。
【0106】
【実施例2】脱脂粉乳(明治乳業社製)390g、調製
ヤシ油(不二製油社製)400g、上白糖(大日本明治
製糖社製)110g、水飴(参松工業社製)57g、乳
化安定剤(太陽化学社製)10g、着色料0.24gを
清水2.027kgに添加、加温後均一に混合溶解し、
60℃に加温後2段階均質化(100kg/cm2並び
に30kg/cm2)後70℃10分間殺菌した。以降
5℃に急冷後バニラエッセンス(ジボダン社製)0.7
0g添加して1昼夜エージングを行った。別途42%果
糖液(参松工業社製)333gを、−10℃に調温し
た。
【0107】次いでこの冷菓原料を、バッチフリーザー
(カルピジャーニー社製「Labotronic DG
T 2030型」)にて、−7.5℃までに冷却後、こ
の冷菓原料90部に対し、−10℃に調温した42%果
糖液を10部の割合で追加投入し、冷却を止めて2分間
捏和した。捏和後の冷菓は−6.6℃で、この冷菓を常
法により硬化し、冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓3kg
を得た。
【0108】
【実施例3】脱脂粉乳(明治乳業社製)8.4kg、精
製ヤシ油(不二製油社製)13.0kg、果糖液(参松
工業社製)1.0g、水飴(参松工業社製)6.1k
g、卵黄(太陽化学社製)2.2kg、上白糖(大日本
明治製糖社製)4.8kg、乳化安定剤(太陽化学社
製)0.23kgを清水57.5kgに添加、加温後均
一に混合溶解し、60℃に加温後2段階均質化(70k
g/cm2並びに30kg/cm2)後85℃15秒間殺
菌した。以降5℃に急冷後バニラエッセンス(ジボダン
社製)0.1g添加して1昼夜エージングを行った。別
途75%トレハロースシロップ(三井製糖社製)6.7
kgを、−20℃に調温した。
【0109】次いでこの冷菓原料を、APVクレパコ社
製WS−204GS型連続フリーザーに、100L/h
rで供給して、オーバーランを40%に制御しながら第
1シリンダーにて−7.5℃に冷却後、第1シリンダー
出口でこの冷菓原料93.3部に対し、−20℃に調温
した75%トレハロースシロップを6.7部の割合で比
例注入し、以降モノポンプ(兵神装備社製、2NBLS
40型)並びにスタティックミキサー(ノリタケカンパ
ニー社製)を利用して捏和し、捏和後の温度;−6.3
℃の冷菓を定法により硬化して冷凍貯蔵状態でも柔らか
い冷菓45kgを得た。
【0110】
【実施例4】脱脂粉乳(明治乳業社製)425g、精製
ヤシ油(不二製油社製)350g、上白糖(大日本明治
製糖社製)60g、水飴(参松工業社製)27g、42
%果糖液(参松工業社製)120g、乳化安定剤(太陽
化学社製)10g、着色料0.24gを清水1700g
に添加、加温後均一に混合溶解し、60℃に加温後2段
階均質化(100kg/cm2並びに30kg/cm2
後70℃10分間殺菌した。以降5℃に急冷後バニラエ
ッセンス(ジボダン社製)0.70g添加して1昼夜エ
ージングを行った。別途60%精製マルトース液(参松
工業社製)350gを、−10℃に調温した。
【0111】次いでこの冷菓原料を、バッチフリーザー
(カルピジャーニー社製「Labotronic DG
T 2030型」)にて、−7.0℃まで冷却後、この
冷菓原料88.5部に対し、−10℃に調温した60%
マルトース液を11.5部の割合で追加投入し、冷却し
ながら3分間捏和した。捏和後の冷菓は−6.8℃で、
この冷菓を常法により硬化し、冷凍貯蔵状態でも柔らか
い冷菓3kgを得た。
【0112】実施例においては、高濃度糖液からなるコ
ーティング剤を冷菓原料85.07部〜93.3部に対
して14.93部〜6.7部使用する例を述べたが、コ
ーティング剤はこのような使用比率に限定されるもので
はなく、3部〜30部程度使用することが可能である
が、場合によっては、このような範囲を逸脱しても構わ
ない。
【0113】
【発明の効果】本発明の冷凍貯蔵状態でも柔らかい冷菓
の製造法によって奏される効果は次の通りである。
【0114】1)冷凍温度下で長期間貯蔵されても柔ら
かく、冷凍庫から取り出した直後でもスプーン、アイス
クリームディッシャーなどで容易に掬い取る事ができる
冷菓を簡便に製造できる。 2)冷菓原料に、糖類、塩類、アルコール類等の氷点降
下作用を有する成分を過剰に添加することなく、冷凍温
度下で長期間貯蔵しても柔らかい食感を有し、且つ風味
の優れた冷菓が製造できる特徴を有する。 3)従来のフリーザーが適用可能で、新規設備としてコ
ーティング剤の調製(冷却)設備、並びに冷菓の捏和可
能な設備を付与することによって、簡単に冷凍温度下で
長期間貯蔵しても柔らかい食感を有する冷菓を製造する
事ができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷菓の氷結晶コーティング状態を示す顕微鏡写
真(倍率40倍)である(図面代用写真)。図中、多数
の黒点は、コーティング剤中の糖を示し、図中左上から
右下にかけて帯状に不規則に配列しており、その黒点の
帯状配列の間に冷菓原料がサンドイッチ状にはさまれて
いる(図中、白い部分)のが判る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月7日(2001.3.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】3)試験方法 カルピジャーニー社製バッチフリーザー「Labotr
onic DGT 2030型」に、先に示した配合組
成の冷菓原料を5リッター供給して、ダッシャー回転数
110rpmで−7℃になるまで冷却後、この冷菓原料
91.49部に対し、15〜−20℃の各種温度の67
%蔗糖液を8.51部の割合で投入し、フリージングし
ながら3分捏和し−6.0℃で排出した。排出後の冷菓
は、直ちに180ml容(深さ40mm)の冷菓用カッ
プに採取し、−40℃のブラストフリーザーで1時間以
上硬化後、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、7日後前記硬度
測定法に準じて硬度を測定した。対象品用冷菓の試作
は、フリージング温度以外は従来法に準じた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 徳雄 東京都東村山市栄町1−21−3 明治乳業 株式会社食品開発研究所内 (72)発明者 小野田 敏昭 東京都東村山市栄町1−21−3 明治乳業 株式会社食品開発研究所内 (72)発明者 円城 雅史 東京都東村山市栄町1−21−3 明治乳業 株式会社食品開発研究所内 Fターム(参考) 4B014 GB18 GG07 GG08 GK03 GL10 GL11 GP01 GP13 GT12 GU09

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリーザーを用いる冷菓の製造法におい
    て、フリージング終了後、あるいはフリージングしなが
    ら、冷凍貯蔵状態でも凍結しない高濃度糖液(コーティ
    ング剤)を添加し、捏和して、フリージング時に発生し
    た氷結晶をコーティングし、もって長期間冷凍貯蔵して
    も柔らかい組織が維持可能なオーバーラン160%以
    下、好ましくは150%以下の冷菓を製造すること、を
    特徴とする冷菓の製造法。
  2. 【請求項2】 フリーザーとして、連続式フリーザーあ
    るいはバッチ式フリーザーを使用すること、を特徴とす
    る請求項1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】 シリンダーが2台連結した連続式フリー
    ザーを使用し、第一シリンダーで、冷菓原料に160%
    以下、好ましくは150%以下のオーバーランを付与
    し、−4℃以下、好ましくは−7℃以下の低温にフリー
    ジングした後、第二シリンダーに移送途中、もしくは第
    二シリンダーにおいて、コーティング剤を添加し、捏和
    すること、を特徴とする請求項2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】 第二シリンダーにおいて、フリージング
    しながら捏和して、第一シリンダーで発生した氷結晶を
    コーティングすること、を特徴とする請求項2又は3に
    記載の製造法。
  5. 【請求項5】 第二シリンダーのダッシャーの回転数を
    100rpm以上にして捏和すること、を特徴とする請
    求項2〜4のいずれか1項に記載の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項3において、第二シリンダーに替
    えて冷菓用エクストルーダーを用い、冷菓用エクストル
    ーダーに移動途中でコーティング剤を添加して、エクス
    トルーダー由来の捏和を行うこと、を特徴とする同項記
    載の製造法。
  7. 【請求項7】 第一シリンダーで、冷菓原料に160%
    以下、好ましくは150%以下のオーバーランを付与
    し、−4℃以下、好ましくは−7℃以下の低温にフリー
    ジングした後、冷菓を連続的に捏和可能な装置に移送途
    中、移送されてきた冷菓原料以下の温度に冷却されたコ
    ーティング剤を添加し、捏和すること、を特徴とする請
    求項1又は2に記載の製造法。
  8. 【請求項8】 冷菓の配合原料である糖質の、一部若し
    くは全部を、冷凍貯蔵状態でも液状状態が維持出来る濃
    度に溶解してこれをコーティング剤とし、フリージング
    途中の冷菓原料に添加し、発生した氷結晶をコーティン
    グすること、を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項8の配合原料である糖質の一部
    を、香味に影響しない糖アルコールに置換して、凝固点
    降下作用との相乗効果を利用した請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載の製造法。
  10. 【請求項10】 コーティング剤添加率が25%以下、
    好ましくは20%以下であること、を特徴とする請求項
    1〜9のいずれか1項に記載の製造法。
  11. 【請求項11】 コーティング剤添加時の温度が11.
    5℃以下、好ましくは10℃以下であること、を特徴と
    する請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造法。
  12. 【請求項12】 コーティング剤添加・捏和後の冷菓品
    温が添加直前の冷菓品温に比べ±2.5℃以下、好まし
    くは±2℃以下であること、を特徴とする請求項1〜1
    1のいずれか1項に記載の製造法。
  13. 【請求項13】 フリーザーとしてバッチフリーザーを
    使用し、フリージング途中でコーティング剤添加後、フ
    リージングしながら捏和若しくは捏和のみを行って、発
    生した氷結晶をコーティングすることを特徴とする請求
    項1〜12のいずれか1項に記載の製造法。
  14. 【請求項14】 フリーザーとしてバッチフリーザーを
    使用し、コーティング剤添加後捏和時間が1分以上、好
    ましくは2分以上であること、を特徴とする請求項1〜
    13のいずれか1項に記載の製造法。
  15. 【請求項15】 コーティング後の排出温度が−5℃以
    下であること、を特徴とする請求項1〜14のいずれか
    1項に記載の製造法。
  16. 【請求項16】 コーティング剤として利用する糖が、
    単糖類若しくは単糖類が2〜10個結合したオリゴ糖で
    あることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に
    記載の製造法。
  17. 【請求項17】 コーティング剤として利用する糖が、
    果糖、蔗糖、マルトース、イソマルトース、トレハロー
    スの少なくともひとつであること、を特徴とする請求項
    16に記載の製造法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか1項に記載
    の製造法によって製造してなる、長期間冷凍貯蔵しても
    柔らかい組織が維持され、オーバーランが1160%以
    下、好ましくは150%以下の冷菓。
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