JP2002246788A - 透視性電磁波シールド材 - Google Patents

透視性電磁波シールド材

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JP2002246788A
JP2002246788A JP2001370011A JP2001370011A JP2002246788A JP 2002246788 A JP2002246788 A JP 2002246788A JP 2001370011 A JP2001370011 A JP 2001370011A JP 2001370011 A JP2001370011 A JP 2001370011A JP 2002246788 A JP2002246788 A JP 2002246788A
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JP2001370011A
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English (en)
Inventor
Toshinori Marutsuka
利徳 丸塚
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ディスプレイ装置前面等に設置
し電磁波を遮蔽する透視性電磁波シールド材に関するも
ので、高い透視性(光透過率)と電磁波シールド性能、
更には良好な視認性、広い視野角、金属層等の高い密着
性を同時に満たすものである。 【解決手段】本発明は、透明基材上に、透明下地層を介
して、ドライプレーティングにて、同一メッシュ状の黒
色層・金属層、金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒
色層が順に一致して積層されてなる透視性電磁波シール
ド材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ装置
前面等に設置し電磁波を遮蔽する透視性電磁波シールド
材であって、特に大画面のプラズマディスプレイパネル
に好適な、透視性電磁波シールド材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイ装置前面等に設置される電
磁波シールド材は、電磁波シールド性に加えて、透視性
(光透過性)、視認性(黒色層黒化度)においても優れ
ていることが要求され、かかる要求をある程度満たす透
視性電磁波シールド材として、特開平11−29818
5号公報及び特開平1−170098号公報に記載され
た発明が知られている。すなわち、特開平11−298
185号公報に記載された発明は、「透明基体上に、金
属酸化物または金属硫化物からなる黒色層と、金属薄膜
層とが電磁波シールドパターン形状に少なくとも順次積
層されていることを特徴とする透視性電磁波シールド材
料」である。一方、特開平1−170098号公報に記
載された発明は、「透明板であって、該透明板には透明
性導電膜と導電性の格子パターンが形成されていること
を特徴とする電磁波遮蔽透明板」である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平11−
298185号公報に記載された透視性電磁波シールド
材料は、次のような欠点を有している。 透明基体に対する黒色層の密着性が低く、金属層を
含め電磁波シールドパターン形状(メッシュ状)に加工
する際、又電磁波シールド以外の機能材料(近赤外線カ
ット材料、反射防止材料等)を貼り合せ・積層する際に
剥離することがある。 透明基体と黒色層の組合せも限定されるため、良好
な視認性(十分な黒色層黒化度)の確保が容易でない。 歩留が低く、コストも高い。
【0004】一方、特開平1−170098号公報に記
載された電磁波遮蔽透明板も、次のような欠点を有して
いる。 電磁波シールド性能は極めて低い(導電性格子パタ
ーンのシールド性能向上効果は、低周波(長波長)側で
わずかにあるが、500MHzでは殆ど無い)。 視認性も極めて悪い(格子パターンが目視でき目障
り)。 PDP等のディスプレイ用途では使用不可。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の従来
技術の欠点を払拭した透視性電磁波シールド材について
鋭意研究の結果、本発明に到達した。即ち本発明は、透
明基材上に、透明下地層を介して、ドライプレーティン
グにて同一メッシュ状の黒色層・金属層、金属層・黒色
層又は黒色層・金属層・黒色層が順に一致して積層され
たものである透視性電磁波シールド材、である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の透視性電磁波シールド材
に使用する透明基材は、用途によって選択されるが、た
とえば、ガラス板、プラスチックフィルム、プラスチッ
クシート、プラスチック板等が挙げられる。また基材の
形状も特に限定されない。透明基材に使用されるプラス
チックとしては、透明性の高い樹脂が好ましく、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、AB樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリ
塩化ビニル、オレフィン・マレイミド共重合体、ノルボ
ルネン系樹脂等が適当であるが、なかでも耐熱性の高
い、オレフィン・マレイミド共重合体、ノルボルネン系
樹脂が好ましい。
【0007】プラスチックの熱変形温度は、140〜3
60℃、熱線膨張係数は6.2×10-5cm/cm・℃
以下、鉛筆硬度は2H以上、曲げ強度は1,200〜
2,000kgf/cm2 、曲げ弾性率は30,000
〜50,000kgf/cm2、引張強度は700〜
1,200kgf/cm2 であることが好ましい。この
ようなプラスチックは、高温下でも反りにくく、傷つき
にくいため広範な環境下で使用できる。
【0008】又、プラスチックの光線透過率は90%以
上、アッベ数は50〜70、光弾性定数(ガラス領域)
の絶対値は10×10-13 cm2 /dyne以下である
ことが好ましい。このようなプラスチックは、透明性が
高く(明るく)、複屈折が小さい(2重像となりにく
い)ため、ディスプレイの本来の画質、輝度等を損なわ
ない。透明基材の厚さは、通常0.05〜10mmの範
囲で選定される。この厚さが0.05mm未満では取扱
い性が悪く、又10mmを超えると重量が重くなり、好
ましくない。好ましくは0.1〜5mmの範囲である。
【0009】本発明の透視性電磁波シールド材に使用す
る透明下地層は、透明樹脂層、透明無機層(透明導電層
と共通するものあり)又は透明導電層からなるもので、
その上に積層する金属層等(黒色層・金属層、金属層・
黒色層又は黒色層・金属層・黒色層)の密着性向上・応
力緩和、又透明下地層が透明導電層の場合は同時にシー
ルド性能向上を図るためのものであり、適当な透明性と
膜物性(耐熱、耐薬品、強度、硬度、比抵抗等)があれ
ば、種類、厚さ、形成方法等は問わないが、以下に記載
するものが適当である。
【0010】(1) 透明樹脂層 種類;ポリビニルアセタール系、アクリル系、ポリエ
ステル系、エポキシ系、セルロース系、酢酸ビニル系、
ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリカルボジイミ
ド系の1種又は2種以上、好ましくはポリビニルアセタ
ール系、ポリカルボジイミド系(透明性が損なわれない
範囲で、樹脂膜の応力緩和・硬度向上・導電性付与等を
図るべく、有機・無機・金属粒子を分散することも可
能) 厚さ;0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μm
(0.1μm未満でははじき、10μm超ではゆず肌が
発生しやすい)、 形成方法;樹脂溶液を通常のコート方法(ディップコ
ート、スピンコート、ダイコート、ロールコート、バー
コート、スプレーコート等)にて塗布後、乾燥
【0011】(2) 透明無機層 種類;酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、
酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化インジ
ウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウムの1種又は2種以
上の1層又は2層以上 厚さ;10〜1000nm、好ましくは20〜500
nm(10nm未満ではピンホール、1000nm超で
はクラックが発生しやすい) 形成方法;ドライプレーティング法、ゾルゲル法
【0012】(3) 透明導電層 (3)-1 導電性粒子分散透明樹脂膜 種類;上記(1) の透明樹脂中に導電性粒子を分散(導
電性粒子は金、銀、銅、酸化錫、酸化インジウム、酸化
亜鉛の1種又は2種以上、粒径は樹脂膜厚の1/10以
下、含有量は透明性が損なわれない範囲) 厚さ;上記(1) の透明樹脂層と同じ 形成方法;上記(1) の透明樹脂層と同じ
【0013】(3)-2 金属薄膜、金属酸化物膜、金属硫化
物膜等 金属薄膜を構成する金属は、比抵抗が2.5×10-6Ω
・cm以下のものが好ましく、このようなものとして
は、金、銀、鋼又はこれらの合金が好適である。この金
属薄膜の厚さは、通常5〜100nm、好ましくは10
〜50nm(5nm未満ではピンホールが発生しやすく
導電性も低い、100nm超では透明性が低い)の範囲
である。また、金属酸化物としては、例えば、酸化亜
鉛、酸化インジウム、酸化錫、ITO(インジウム錫酸
化物)、ATO(アンチモン錫酸化物)、FTO(フッ
素錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などを
好ましく挙げることができる。一方、金属硫化物として
は、例えば硫化銅などを好ましく挙げることができる。
この金属酸化物膜又は金属硫化物膜の厚さは、通常10
〜1000nm好ましくは20〜500nm(10nm
未満ではピンホールが発生しやすく導電性も低い、10
00nm超ではクラックが発生しやすい)の範囲であ
る。
【0014】これらの膜は、例えば真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティングなどのドライプレーティ
ング法により、形成することができる。尚、金属薄膜
は、金属酸化物膜又は金属硫化物膜で挟む形で交互に積
層することで、可視光透過率が向上する、又近赤外線カ
ット性能が発現することが知られており、このような使
われ方も少なくない。
【0015】本発明の透視性電磁波シールド材に使用す
る金属層は、電磁波シールド性能を付与するためのもの
で、エッチングが可能であれば種類・色・厚さ・形成方
法等は問わない。比抵抗が1.0×10-4Ω・cm以下
の銅、ニッケル、鉄、クロム、チタン、アルミニウム、
金、銀等のいずれか1種又は2種以上を積層したものが
適当であるが、なかでもシールド性能(比抵抗)、エッ
チング加工性、価格の点で銅が好ましい。更に、金属層
の耐食性を考慮し銅をクロム、ニッケル等の耐食性の高
い金属で挟んだ構成も好ましい。一般に金属層は、導電
性が高く(比抵抗が小さく)、厚い程シールド性能は高
く、薄い程エッチング加工性は高い。
【0016】比抵抗が1.0×10-4Ω・cm超では、
良好なシールド性能及びエッチング加工性を同時に満た
すことが困難である。金属層は必要とする厚さ・密着性
等に応じて、ドライプレーティング、たとえばイオンプ
レーティング、スパッター、真空蒸着の1つ又は2つ以
上を組合せた方法で形成すればよい。
【0017】又、金属層のパターン形状及び開口率も、
十分な電磁波シールド性能及び光透過率が確保される範
囲であれば問わない。パターン形状としては、例えば平
行線状でもシールド効果は得られる(近接界においては
方向性が生じる)が十分ではないため、通常はメッシュ
状(網目状)とする。メッシュ状パターンには、基本的
には、格子状(四角形)、三角形、多角形、円形、長円
形等種々のものがある。
【0018】一方、開口率(パターンのくり返し単位の
面積に占める非金属層部面積の割合)は金属層パターン
のライン幅及び間隔(開口幅)によって決まる。同じ開
口率の各種パターンにおいては、光透過率は同じである
が、電磁波シールド性能は、開口幅が狭い程高いため、
通常は開口幅を狭くする方が望ましい。
【0019】格子状の場合、開口幅は好ましくは200
μm未満であり、更に好ましくは、100μm以下であ
る。開口幅の下限はパターニング加工ができる限り限定
されないが、ライン幅下限及び開口率等を考慮し通常は
10μm程度とされる。開口幅を広げる場合では、開口
率(光透過率)を上げればシールド性能は必ず低下する
が、開口幅を狭める場合では、開口率(光透過率)を上
げ同時にシールド性能を上げることも可能である。
【0020】ライン幅は、好ましくは50μm以下、更
に好ましくは25μm以下であり、開口幅及び開口率を
設定すれば自ずと決まる。下限は特に限定されないが、
パターニング加工性等を考慮し通常は2μm程度とされ
る。又、ライン厚みは好ましくは10μm以下、更に好
ましくは5μm以下であり、通常はパターニング加工
性、視野角等を考慮し、ライン厚み/ライン幅のアスペ
クト比は0.5以下に設定される(アスペクト比が高い
程、パターニング加工性は低下し、視野角は狭くなるた
め)。ライン厚みの下限は特に限定されないが、シール
ド性能等を考慮し通常は0.5μm程度とされる。ただ
し最終的には、ディスプレイパネルの前面に配置し、モ
アレ縞が発生しない範囲で決められる。
【0021】本発明の透視性電磁波シールド材に使用す
る黒色層は、黒色金属酸化物層又は黒色金属硫化物層か
らなる。黒色金属酸化物又は黒色金属硫化物(「黒色金
属の酸化物又は硫化物」ではなく、「黒色の金属酸化物
又は硫化物」という意味で使用)の層は、反射防止等を
含む視認性(見やすさ)確保を図るために形成される。
金属層に付加(積層)されるものであり、金属層の一部
(表層)を酸化又は硫化処理により黒色化したものでは
ない。
【0022】使用される黒色金属酸化物又は黒色金属硫
化物は、金属層を積層した状態で十分な黒さを有しパタ
ーニング(加工)が可能であれば、種類、厚さ、形成方
法は問わない。銅、ニッケル、コバルト,鉄、パラジウ
ム、白金、インジウム、錫、チタン、クロム等の金属の
酸化物又は硫化物の1つ又は2つ以上を組合せたものが
適当であるが、なかでもメッシュ加工性・価格の点で、
酸化銅、酸化錫、酸化クロム、硫化銅、硫化鉄、硫化ニ
ッケルが好ましい。
【0023】金属酸化物層又は金属硫化物層(多くは絶
縁性である)のなかには、低い導電性を有するもの(酸
化錫、硫化銅等)もあるが、良好なシールド性能を得る
のは困難であり、金属層とは目的及び導電性の点で明ら
かに区別される。黒色層(黒色金属酸化物層又は黒色金
属硫化物層)の厚さは0.01〜1μm、好ましくは
0.05〜0.5μmである。0.01μm未満ではピ
ンホールも多く黒さも不十分であり、1μm超では処理
コストが高い。黒色層(黒色金属酸化物層又は黒色金属
硫化物層)は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法等の1つ又は2つ以上を組合せた方法
で形成できる。
【0024】この積層品の黒色層(黒色金属酸化物層又
は黒色金属硫化物層)の黒化度は、金属層を積層した状
態で、光学濃度(入射角7°、正反射を含まない場合)
で2.9以上であることが好ましい。光学濃度が2.9
未満では、黒化度が低く最終的な透視性電磁波シールド
材の視認性が悪い(光学濃度が低いほど金属層の光沢が
強くまぶしい)。光学濃度が2.9以上では、黒化度は
十分高く視認性は良好である(くっきり見える)。但
し、4.0を超えても、実質的に肉眼では視認性がそれ
以上向上しない。なお、黒色層単独では透明であっても
良く,光学濃度で2.9以上でなくてもよい。(金属層
を積層して始めて十分な黒化度が発現する場合も少なく
ない。又、酸化錫のように組成次第では透明下地層に使
用できる場合もある。)
【0025】透明基材上に透明下地層を介して積層され
た黒色層・金属層、金属層・黒色層又は金属層・黒色層
・金属層(以下これら3種の層の組合せを総称して「金
属層等」と記すことがある。)を同一形状で一致したメ
ッシュ状とするには、金属層等積層後にレーザー等で直
接加工することもできるが、次のように通常は(A)ブ
ラスト及び/又はエッチング法、又は(B)リフトオフ
法で加工する。
【0026】(A)金属層等積層後、まず、その上にメ
ッシュ状のレジスト部を形成する。レジスト部は印刷
法、フォトリソ法等の一般に知られている方法で形成す
るとよい。次に、金属層等をレジスト部に対応したメッ
シュ状とするが、ブラスト法及び/又はエッチング(エ
ッチング液にて溶解)等の方法で加工(非レジスト 部を
除去)するとよい。最後に、レジスト部をアルカリ水溶
液等の剥離液に浸漬する及び/又は剥離液をスプレーに
て吹きつける等して除去する。尚、金属層等をブラスト
加工した場合は、非レジスト部の透明基材又は透明下地
層の表層が粗化(白化)するため、透明樹脂で被覆し透
明化するとよい。ブラスト及びエッチングによる加工条
件は特に限定されず、黒色層及び金属層の種類に応じて
適宜選択すればよい。
【0027】(B)金属層等積層前に透明基材表面に形
成した透明下地層上にメッシュ状とは逆のレジストパタ
ーン部を形成し、透明下地層及びレジスト層上に金属層
等を積層後、レジスト(及びその上の金属層等)を剥離
することで、透明下地層上にメッシュ状の金属層等だけ
を残すことができる。レジストパターン部の形成方法・
条件は上記(A)の場合と同様である。この方法では、
金属層等をメッシュ状に加工するのにメッシュ状とは逆
パターンのレジスト層(及びその上の金属層等)を剥離
するだけで達成できるため、ブラスト、エッチング等の
加工が不要となり工程数は大幅に削減される。その結果
上記(A)の場合よりも加工精度・歩留りが高くなる。
【0028】但し、レジスト層(及びその上の金属層
等)だけを剥離、除去するためには、金属層等の厚さは
5μm以下、好ましくは3μm以下が望ましい。5μm
超では加工性が低下する(非レジスト部透明下地層上の
金属層等が一部剥離する)。厚さの下限は、加工上は存
在せず(薄い程加工性は高い)、要求されるシールド性
能によって決定される。尚、この厚さ(5μm以下)に
するには薄くても十分な黒化度を確保しやすい黒色金属
酸化物層又は黒色金属硫化物層であることが好ましい。
黒色金属酸化物層又は黒色金属硫化物層は、通常、イオ
ンプレーティング、スパッター、真空蒸着等のドライプ
レーティングで積層される。
【0029】このようにして、金属等のメッシュ状パタ
ーンを有する透視性電磁波シールド材が作製できる。
尚、シールド材をディスプレイ等に設置し使用するにあ
たっては、アース部を設ける必要があるが、最外層が黒
色層の場合は、黒色層の一部(多くは枠部)を広く知ら
れた方法(ブラスト法等)にて除き、金属層(導電部)
を露出させればよい。
【0030】透視性電磁波シールド材の光透過率は65
%以上、シールド性能は30〜1,000MHzにおい
て40dB以上(500MHzにおいて50dB以上)
であることが好ましい。光透過率が65%未満では暗
く、シールド性能が40dB未満(30〜1,000M
Hz)では実用レベルでない。
【0031】上記の製造方法を透明フィルムに適用して
透視性電磁波シールドフィルムを作製後、必要に応じて
透明接着剤を介してディスプレイパネル又は透明基板に
貼り合わせ透視性電磁波シールドパネルを作製すること
ができる。この際、使用される透明フィルムとしては、
長尺物として、ロール状に連続処理できるものが望まし
い。たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフォン(PE
S)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
カーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリ
アミド、アクリル、セルロースプロピオネート(C
P)、セルロースアセテート(CA)などの厚みが50
〜300μm程度のプラスチックフィルムなどが好まし
く用いられる。
【0032】次に、本発明で得られる透視性電磁波シー
ルド材の例を図1及び図2で説明する。図1及び図2
は、本発明の透視性電磁波シールド材の断面構成を示し
たもので、図1はドライプレーティングにより透明基材
1の表面に形成された透明下地層5上に積層された黒色
層2、金属層3が同一形状で重なったメッシュ状になっ
ている。図1の場合は、金属層等(黒色層・金属層)は
透明基材のディスプレイに近い側にある。又、図2は同
様に形成された金属層3、黒色層2が同一形状で重なっ
たメッシュ状となっている。図2の場合は、金属層等
(金属層・黒色層)は透明基材のディスプレイに遠い側
にある。なお、金属層等が黒色層・金属層・黒色層の場
合は,金属層等は透明基材のディスプレイに近い側又は
遠い側のどちらにあってもよい。
【0033】
【実施例】以下実施例をもって具体的に説明する。 実施例1 ガラス板表面にスパッター(SP)にてITO(インジ
ウム錫酸化物、500nm)膜からなる透明下地層(透
明導電層)を形成した。その後、該透明導電層上に格子
状とは逆(正方形)のレジストパターン(正方形の一辺
180μm、パターン間隔20μm、厚さ5μm)を形
成後、この面上(レジストパターン及び透明導電層上)
にスパッター(SP)にてSP酸化銅(黒色層0.1μ
m)・SP銅(金属層1.0μm)の金属層等を形成し
た。次いで、この形成品を剥離液中に浸漬しレジスト
(及びその上の金属層等)を剥離、除去して透視性電磁
波シールド材(ライン幅20μm、ライン間隔180μ
mの格子状パターン)を形成した(リフトオフ法)。こ
の透視性電磁波シールド材は、シールド性能が70dB
(500MHz)、透視性が可視光線透過率で70%と
いずれも高く、しかも視認性が良好(黒色層黒化度が十
分高く、むらも無かった)、金属層等の密着牲も高かっ
た。特に、シールド性能は、メッシュ状金属層等と透明
導電層の相乗効果により極めて高いものであった。又、
金属層等の密着性も極めて高く、メッシュ加工(レジス
ト剥離)時や他機能材料との複合化(貼り合せ)時のメ
ッシュ部分の剥離は一切見られなかった(歩留が極めて
高かった)。
【0034】実施例2 ガラス板表面にイオンプレーティング(IP)にて酸化
チタン膜(100nm)からなる透明下地層(透明無機
層)を形成した。その後、該透明無機層上にイオンプレ
ーティング(IP)にてlP酸化錫(黒色層0.1μ
m)・IP銅(金属層1.0μm)の金属層等を形成し
た後、その面上にエッチングレジストの格子状パターン
(ライン幅20μm、ライン間隔180μm、厚さ5μ
m)を形成した。次いで、この形成品を常温のエッチン
グ液(20%塩化第二鉄/1.75%塩酸水溶液)中に
1分間浸漬し、非レジスト部の金属層等(黒色層・金属
層)を除去し、レジストパターンを剥離して透視性電磁
波シールド材(パターン形状及びライン幅・ライン間隔
はレジストパターンと同じ)を形成した。この透視性電
磁波シールド材は、シールド性能が60dB(500M
Hz)、透視性が可視光線透過率で75%といずれも高
く、しかも視認性が良好(黒色層黒化度が十分高く、む
らも無かった)で、金属層等の密着性も高かった(黒色
層黒化度は、実施例1より若干劣っていた)。特に、金
属層等の密着性が極めて高く、メッシュ加工(エッチン
グ)時や他機能材料との複合化(貼り合せ)時のメッシ
ュ部分の剥離は一切見られなかった(歩留が極めて高か
った)。
【0035】実施例3 ガラス板表面に電気化学工業(株)製ポリビニルブチラ
ール(PVB)「デンカブチラール#6000−C」の
アルコール溶液をスピンコートにて塗布後、乾燥して透
明下地層(透明樹脂層)を形成した。透明下地層の形成
以外は、実施例2と同方法・条件にて透視性電磁波シー
ルド材を作成した。この透視性電磁波シールド材は、実
施例2と同等の各性能を示した。
【0036】比較例1 透明下地層(透明導電層)を形成しない以外は、実施例
1と同方法・条件にて透視性電磁波シールド材を作成し
た。この透視性電磁波シールド材は、透視性が可視光線
透過率で75%と実施例11 より若干高かったが、シー
ルド性能が60dB(500MHz)と実施例1より大
きく劣っていた。又、視認性(黒色層黒化度)も実施例
1より劣っていた(実施例2又は3と同等)。更に、金
属層等の密着性は、メッシュ加工時や他機能材料との複
合化時に、条件次第ではメッシュ部分が剥離するなど、
実施例1より大きく劣っていた。
【0037】比較例2 実施例1の透明導電層上にスクリーン印刷法にて銀ぺー
ストの印刷パターン(ライン幅1mm、ライン間隔7m
m、厚さ20μmの格子状)を形成し、透視性電磁波シ
ールド材を作製した。この透視性電磁波シールド材は、
透視性が可視光線透過率で65%と実施例1より劣って
いた。又、シールド性能は15dB(500MHz)と
極めて低く、視認性も極めて悪いものであった(銀色の
パターンが目視でき目障りであった)。(PDP等のデ
ィスプレイ用途には使用できなかった。)
【0038】
【発明の効果】本発明は次の効果を有する。 (1)パターン設計の制約が小さい。 (2)黒色パターンの黒化度及び解像度が高く、視認性
が良好。長期的にも安定。 (3)アースリード線との接続が容易。 (4)金属層の導電性が高く、シールド効果が高い(開
口率を高く設定できるため、光透過率が高い)。長期的
にも安定。 (5)高温高湿下でも金属層の性能低下がない(電磁波
シールド性能が安定)。 (6)視野角が広い。 (7)透明基材が長尺物(ロール状)フィルムである場
合、透視性電磁波シールドフィルムから欠陥部分を回避
しながら各種サイズを切出し透明基板に張り合わせるこ
とができ、歩留りが高い。 (8)曲面のシールドも可能。 (9)透明基材上に透明下地層を形成することで、金属
層等の密着性が飛躍的に向上する。この結果、歩留りは
向上し加工コストも著しく低下する。又、使用可能な金
属層等の種類も制約が小さくなる。 (10)透明下地層が透明導電層の場合、メッシュ状の
金属層等との相乗効果によりシールド性能が向上する。
この向上分が、過剰性能である場合は、メッシュ状パタ
ーンの開口率を上げ透視性(可視光透遇率)の更なる向
上を図ることができるため、意義が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透視性電磁波シールド材の1例を示す
断面図である。
【図2】本発明の透視性電磁波シールド材の1例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 透明基材 2 黒色金属酸化物層 3 金属層 4 ディスプレイ 5 透明下地層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17C AA33B AB01D AB17D AG00A AK11A AK70A AR00A AR00B BA04 BA07 BA10A BA10D DC15C DC15D EH66B EH66C EH66D GB41 JD08 JG01B JL02 JL10C JL11 JN01 JN01A JN01B 5E321 BB23 BB41 GG05 GH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材上に、透明下地層を介して、ドラ
    イプレーティングにて同一メッシュ状の黒色層・金属
    層、金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層が順に
    一致して積層されたものであることを特徴とする透視性
    電磁波シールド材。
  2. 【請求項2】積層された層が金属層・黒色層又は黒色層
    ・金属層・黒色層であり、且つ金属層上の黒色層の一部
    が除去されたものであることを特徴とする請求項1に記
    載の透視性電磁波シールド材。
  3. 【請求項3】透明下地層が透明導電層であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の透視性電磁波シールド
    材。
  4. 【請求項4】透明導電層がドライプレーティングにて形
    成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の
    透視性電磁波シールド材。
  5. 【請求項5】 透明基材がガラス、オレフィン・マレイ
    ミド共重合体又はノルボルネン系樹脂である請求項1〜
    4の何れかに記載の透視性電磁波シールド材。
  6. 【請求項6】 メッシュ状が格子状であり、その開口幅
    (ライン間隔)が200μm未満で、かつライン幅が5
    0μm未満である請求項1〜4の何れかに記載の透視性
    電磁波シールド材。
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