JPH11163587A - 電磁波シールド材、パネル及び製造方法 - Google Patents

電磁波シールド材、パネル及び製造方法

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JPH11163587A
JPH11163587A JP10276400A JP27640098A JPH11163587A JP H11163587 A JPH11163587 A JP H11163587A JP 10276400 A JP10276400 A JP 10276400A JP 27640098 A JP27640098 A JP 27640098A JP H11163587 A JPH11163587 A JP H11163587A
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electromagnetic wave
black
layer
metal foil
wave shielding
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JP10276400A
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English (en)
Inventor
Toshinori Marutsuka
利徳 丸塚
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Publication date
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  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電磁波を遮蔽する働きをし、かつデ
ィスプレイ装置前面等に設置し、内部を透視することが
できる電磁波シールド材、及びパネルとその製造方法に
関するものである。 【解決手段】 少なくともメッシュ状の金属箔層と、金
属箔層のメッシュパターンに一致し金属箔層に接する黒
色樹脂部と、透明基材とからなる電磁波シールド材。電
磁波シールド材とディスプレイパネル又は透明基板とが
貼合されたものからなり、電磁波放射源に対し金属箔が
対面し、黒色樹脂部がそれより外側に配置された電磁波
シールドパネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ装置
前面等に設置し電磁波を遮蔽する透視性電磁波シールド
材、パネル及びそれらの製造方法に関するものである。
特に大型のプラズマディスプレイ用パネルに好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイ装置前面等に設置される電
磁波シールド材は、優れた電磁波シールド性能の他に、
透視性(光透過率)に優れ、視認性(塗膜黒化度等)が
良好且つ視野角が広いことなどが要求されている。この
要求をある程度みたす電磁波シールド材として特開平9
―298384号に記載された発明が知られている。
【0003】すなわち、この発明は、「透明基体上に黒
染色層を設ける工程、黒染色層上に金属層を設ける工
程、金属層上にレジスト層をパターン状に設ける工程、
レジスト層で覆われていない部分の金属層をエッチング
液により除去する工程を順次行い、エッチング工程にお
いてパターン化された金属層で覆われていない部分の黒
染色層をエッチング液により脱色する。」ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、黒色樹
脂層に黒色染料を用いた場合、一般的に、十分な塗膜黒
化度を得にくく、良好な視認性が得られにくく、そのた
め染料の含有量を多くしたり、樹脂層の厚さを厚くする
必要がある。
【0005】又黒色染料の脱色、抽出に際し、金属層の
エッチング液を使った際、脱色に時間がかかりすぎて、
金属層がオーバーエッチングされることがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともメ
ッシュ状の金属箔層と、金属箔層のメッシュパターンに
一致し金属箔層に接する黒色樹脂部と、透明基材とから
なる電磁波シールド材、及び電磁波シールド材とディス
プレイパネル又は透明基板とが貼合されたものからな
り、電磁波放射源に対し金属箔が対面し、さらに黒色樹
脂部がそれより外側に配置されたことを特徴とする電磁
波シールドパネル、及び透明基材上に順に黒色顔料を含
む黒色樹脂層と金属箔層とメッシュ状のレジスト層を設
け、レジスト層で保護されていない金属箔部分をエッチ
ングし、金属箔をレジストに対応したメッシュ状にし、
さらに黒色樹脂層からそのメッシュ状金属箔層に接して
いない部分に含まれる黒色顔料を抽出除去して黒色樹脂
部を形成することを特徴とした電磁波シールド材の製造
方法、及び透明基材上に順に接着剤層と黒色顔料を含む
黒色樹脂層と金属箔層とメッシュ状のレジスト層を設
け、レジスト層で保護されていない金属箔部分をエッチ
ングし、金属箔をレジストに対応したメッシュ状にし、
さらに黒色樹脂層からそのメッシュ状金属箔層に接して
いない部分に含まれる黒色顔料を抽出除去して黒色樹脂
部を形成することを特徴とした電磁波シールド材の製造
方法、である。
【0007】本願発明は、透明基材が長尺物(ロ−ル
状)フィルムである場合、得られた透視性電磁波シール
ドフィルムから欠陥部分を回避しながら各種サイズを切
出し、ディスプレイパネル又は透明基板に貼り合せるこ
とが容易なため、歩留りが高く、経済的である。しかも
ロ−ル状フィルムを連続処理にて製造するため、透明基
材が基板である場合に比べ生産性が高い。又、フィルム
で柔軟性があるから曲面のシ−ルドも可能である。
【0008】又、本発明は、透視性電磁波シールドフィ
ルムを電磁波シールド層の面に透明粘着剤層を介してデ
ィスプレイパネル又は透明基板に貼り合せて透視性電磁
波シールドパネルを製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の基材は用途によって選択
され、透明であることが要求され、たとえば、ガラス
板、プラスチックフィルム、プラスチックシート、プラ
スチック板等が挙げられる。また基材の形状も特に限定
されない。
【0010】基材に使用されるプラスチックとしては透
明性の高い樹脂が好ましく、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリエチレン、AS樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリサル
ホン、ポリエーテルサルホン、ポリ塩化ビニル、オレフ
ィン・マレイミド共重合体、ノルボルネン系樹脂等が適
当であるが、なかでも耐熱性の高い、オレフィン・マレ
イミド共重合体、ノルボルネン系樹脂が好ましい。
【0011】プラスチックの熱変形温度は 140〜3
60℃、熱線膨張係数は6.2×10-5cm/cm・℃
以下、鉛筆硬度は2H以上、曲げ強度は1,200〜
2,000kgf/cm2 、曲げ弾性率は30,000
〜50,000kgf/cm2 、引張強度は700〜
1,200kgf/cm2 であることが好ましい。この
ようなプラスチックは、高温下でも反りにくく、傷つき
にくいため広範な環境下で使用できる。
【0012】又、プラスチックの光線透過率は90%以
上、アッベ数は50〜70、光弾性定数(ガラス領域)
の絶対値は10×10-13 cm2 /dyne以下であるこ
とが好ましい。このようなプラスチックは、透明性が高
く(明るく)、複屈折が小さい(2重像となりにくい)
ため、ディスプレイの本来の画質、輝度等を損なわな
い。
【0013】本発明に使用される金属箔は、電磁波シー
ルド性能を有しエッチングが可能であれば種類・厚さ等
は問わない。銅、ニッケル、鉄、ステンレススチール、
チタン、アルミニウム、金、等が適当であるが、なかで
もシールド性能(比抵抗)、エッチング加工性の点で銅
箔が好ましい。一般に金属箔は、厚い程シールド性能は
高く、薄い程エッチング加工性は高い。銅箔の場合は、
5μ以上ではシールド性能が大差ないこと、取扱い性、
単位面積当たりの価格(現状18μが最安価)等を考慮
し、通常5〜35μが使用される。さらに好ましくは9
〜18μが使用される。
【0014】又、金属箔のパターン形状及び開口率も、
十分な電磁波シールド性能及び光透過率が確保される範
囲であれば問わない。パターン形状としては、例えば平
行線状でもシールド効果は得られる(近接界においては
方向性が生じる)が、十分ではないため通常はメッシュ
状とする。メッシュ状パターンには、基本的には、格子
状(四角形)、三角形、多角乃至円形、長円形等種々の
ものがある。
【0015】一方、開口率(パターンのくり返し単位面
積に占める非金属箔部面積の割合)は金属箔パターンの
ライン巾及び間隔(開口巾)によって決まる。同じ開口
率の各種パターンいおいては、光透過率は同じである
が、電磁波シールド性能は、開口巾が狭い程高いため、
通常は開口巾を狭くする方が望ましい。ただし最終的に
は、ディスプレイパネルの前面に配置し、モアレ縞が発
生しない範囲で決められる。
【0016】金属箔に塗布する黒色顔料を含有する樹脂
溶液(黒色塗布液)中の樹脂は、透明性が必要の他、黒
色顔料に対して良好な分散性又は溶解性を有する限りそ
の種類を問わない。
【0017】使用される樹脂としては、黒色塗膜中の黒
色顔料を主に水溶液にて抽出除去するため、親水性の透
明樹脂が好ましく、親水性透明樹脂層としては、ビニル
アセタール系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、アクリル
系樹脂、セルロース系樹脂などが適当であるが、なかで
もポリビニルブチラール等のビニルアセタール系樹脂、
及びセルロースアセテートブチレート等のセルロース系
樹脂が好ましい。
【0018】本発明に使用される黒色顔料は、還元金属
粒子又は金属酸化物粒子であり、還元金属粒子として
は、還元金属コロイド分散液中のコロイド粒子、あるい
は該分散液から得られる還元金属粉であって、塗布液
(塗膜)内に均一に分散できる限り、又、抽出除去後の
塗膜透明性がそこなわれない限り金属の種類、粒径は問
わないが抽出しやすいため、粒径は好ましくは1μ以下
である。かかる還元金属粒子は、空気特に湿気に対して
安定であることが望ましい。
【0019】具体例としては、周期律表第Ib族又は、第
VIII族の金属(Cu、Ni、Co、Rh、Pdなど)を
含むコロイドで、還元Pdコロイド粒子、あるいは、こ
れより得られる還元Pd粉が特に好ましい。還元金属コ
ロイド粒子は、特開平1―315334号公報に記載の
方法で製造できる。すなわち、低級アルコール類と非プ
ロトン極性化合物とからなる混合溶液中で金属の塩を還
元することによりコロイド分散液が得られる。
【0020】一方、金属酸化物粒子は、還元金属粒子同
様、塗布液(塗膜)内に均一に分散できる限り、又抽出
除去後の塗膜透明性がそこなわれない限り、金属の種
類、粒径は問わないが抽出しやすいため粒径は好ましく
は1μm以下である。かかる金属酸化物粒子は塗布液
(塗膜)中で分散性が安定していることが望ましい。具
体例としては、鉄、銅、ニッケル、コバルト、パラジウ
ム等の元素周期律表の第Ib族、又は第VIII族に属する金
属の酸化物が挙げられる。
【0021】これらの黒色顔料は1〜100PHR(樹
脂100重量部に対する重量部)であることが望まし
く、さらに好ましくは5〜50PHRの範囲である。1
PHR未満では塗膜黒化度に乏しく、100PHR超で
は塗膜物性が低下する。
【0022】本発明の樹脂溶液をつくる溶媒は、樹脂及
び黒色顔料を分散あるいは溶解可能であればその種類を
問わない。
【0023】例えば、水、メタノール、エタノール、ク
ロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ア
セトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、ジメチルアセトアミド、N―メチルピロ
リドン等の単独又は混合溶媒が好ましく用いられる。用
いる樹脂と黒色顔料との組合せに応じて適宜に選択す
る。
【0024】溶媒の使用量は、適当な粘性、流動性を有
するように、かつ基材に塗布するのに適するように選ば
れる。
【0025】樹脂及び黒色顔料からなる溶液(黒色塗布
液)を金属箔上に塗布し、乾燥することにより、黒色顔
料を含む塗膜を形成する。塗布は、ハケ塗り、スプレー
塗装、ディップコート、ロール塗装、カレンダー塗装、
スピンコート、バーコート等の通常の塗布方法を金属箔
の形状に応じて選択する。
【0026】また、塗膜形成は、樹脂の種類、濃度、塗
膜厚さ等に応じて条件(温度、時間等)が決定される。
通常、不揮発分濃度が0.05〜20wt%で塗布され
る。乾燥塗膜厚は0.5〜50μ、好ましくは1〜25
μとする。0.5μ未満では黒さが確保できず視認性が
悪い。50μ超では不要部分の抽出除去が難しくなる。
【0027】この黒色塗膜形成金属箔の塗膜側を、直接
又は透明接着剤を介して透明基材に貼り合わせ積層品と
する。透明接着剤としては、ポリビニルアセタール系、
アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、セルロース
系等が挙げられる。接着剤層の厚みは一般的には1μ以
上、好ましくは5〜500μ程度である。
【0028】この積層品の透明基材(厚さ2mm、屈折
率1.49、光透過率93%、平均粗さRa40Å)側
から見た塗膜の黒化度は、光学濃度(入射角7°、正反
射を含まない場合)で2.9以上であることが好まし
い。光学濃度が2.9未満では、塗膜の黒化度が低く最
終的な透視性電磁波シールド材の視認性が悪い(光学濃
度が低いほどめっき光沢が強くまぶしい)。光学濃度が
2.9以上では、塗膜の黒化度が十分高く視認性は良好
である(くっきり見える)。4.0を超えると実質的に
肉眼では視認性がそれ以上向上しない。
【0029】次に、電磁波シールド材料の金属箔層のパ
ターンと同じパターンのレジスト部を積層品の金属箔上
に形成する。レジスト部は印刷法、フォトリソ法等一般
に知られている方法で形成するとよい。なおレジスト部
は透明でも着色されていてもよい。
【0030】次に、非レジスト部の不要な金属箔をエッ
チング液にて、更に塗膜中黒色顔料を同エッチング液又
は、酸又はアルカリ等の別処理液で除去する。除去は、
その部分を液に浸漬させ、10〜30℃程度で1〜10
分程度保持するのが好ましい。浸漬に代え液をスプレー
させてもよく、超音波をあてて除去を促進させてもよ
い。
【0031】その結果、パターン化された金属箔層下に
それと同一のパターンの黒色部が塗膜に形成される。ま
た、金属箔層と塗膜中黒色顔料が除去された部分は透視
性を有する。その後、レジスト部をアルカリ水溶液な
ど、レジスト膜を溶解するような剥離液に浸漬、あるい
は吹き付けて除去する。なお、黒色顔料を除去する方法
としては、抽出の他、エッチングやサンドブラスト等の
方法を使用することもできる。
【0032】このようにして、所望のパターンに形成さ
れた金属箔層を有する透視性電磁波シールド材が作製で
きる。
【0033】透視性電磁波シールド材の光透過率は65
%以上、30〜1,000MHzにおけるシールド性能
は40dB以上であることが好ましい。光透過率が65
%未満では暗く、シールド性能が40dB未満では実用
レベルでない。
【0034】前記エッチング液は、金属箔層の金属の種
類により適宜選択する。たとえば、銅箔であれば、エッ
チング液として塩化第二鉄などを使用するとよい。
【0035】上記製造方法を透明フィルムに適用し透視
性電磁波シールドフィルムを作製後、必要に応じて透明
接着剤を介してディスプレイパネル又は透明基板に貼り
合わせ透視性電磁波シールドパネルを作製するにあた
り、使用される透明フィルムとしては、長尺物として、
ロ−ル状に連続処理できるものが望ましい。たとえばポ
リエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリイミド(P
I)、ポリエ−テルサルフォン(PES)、ポリエ−テ
ルエ−テルケトン(PEEK)、ポリカ−ボネ−ト(P
C)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド、アクリ
ル、セルロ−スプロピオネート(CP)、セルロ−スア
セテート(CA)などの厚みが5〜300μm程度のプ
ラスチックフィルムなどが好ましく用いられる。
【0036】次に、本発明で得られる透視性電磁波シー
ルド材の1例を第1図で説明する。第1図はシールド材
の断面構成を示したもので、メッシュ状の金属箔層1と
透明基材4とが、黒色顔料を含有した黒色樹脂部2をは
さんで相対したものである。
【0037】透明基材4と黒色樹脂部2とが透明な接着
剤3を介して貼着されている。接着剤を用いないで透明
基材と黒色樹脂部とが直接貼着されていてもよい。この
場合は、たとえば透明基材上に溶融した又は溶液状の黒
色樹脂をロール、スプレー等の手段で塗布、乾燥するこ
とによって達成される。黒色樹脂間には、黒色顔料が抽
出除去された透明樹脂5が存在している。
【0038】
【実施例1】日本化学産業(株)製黒色顔料(酸化第二
銅微粉)「A」を、電気化学工業(株)製ポリビニルブ
チラール(PVB)「#6000―C」のアルコール
(エタノール)溶液中に均一分散し黒色塗布液とした
(塗布液組成重量部;酸化第二銅/PVB/エタノール
=50/100/1850)。
【0039】この塗布液を福田金属箔粉工業(株)製電
解銅箔「CF T9 SV」(12μ)の一方の面上に
塗布、乾燥して黒色塗膜(25μ)とし、この塗膜面と
旭化成工業(株)製アクリル板「デラグラスK」をアク
リル系接着剤を介して貼り合せ積層品とした。
【0040】この積層品(銅箔側)に東京応化工業
(株)製エッチング用ポジ型フォトレジスト「PMER
P―DF40S」を塗布後、プリベーク、露光、現
像、ポストベークして、レジストパターンを形成した。
【0041】このレジストパターン形成品をエッチング
液(20%塩化第二鉄/1.75%塩酸水溶液)中に浸
漬し、非レジスト部の銅箔層を溶解除去、更に同エッチ
ング液(抽出液)にて銅箔層下の塗膜中酸化第二銅粉を
抽出除去後、レジストを剥離して透視性電磁波シールド
材を作製した。
【0042】この電磁波シールド材は、シールド性能が
40〜80dB(30〜1000MHz)であり、透視
性は光透過率が65%であり、その他視認性(塗膜黒化
度)、銅箔密着性、基板平坦性ともに良好であった。
【0043】
【実施例2】実施例1の黒色塗布液において、酸化第二
銅微粉の代わりに大同化成工業(株)製黒色顔料(酸化
鉄微粉)「鉄黒P0023」を用いて、又塗膜中黒色顔
料の抽出液として5%塩酸水溶液を用いて電磁波シール
ド材を作製した。
【0044】この電磁波シールド材は、実施例1同様、
各性能ともに良好であった。特に視認性(塗膜黒化度)
が良好であった。
【0045】
【実施例3】酢酸パラジウムのN―メチル―2―ピロリ
ドン(NMP)/エタノール溶液とPVBのエタノール
溶液を混合撹拌(必要に応じて加熱)し、還元パラジウ
ムコロイド系黒色塗布液とした(塗布液組成重量部;酢
酸パラジウム/PVB/NMP/エタノール=25/1
00/1250/2625)。
【0046】この塗布液を用い、塗膜厚を10μとする
以外は実施例1と同条件にて透視性電磁波シールド材を
作製した。
【0047】この電磁波シールド材は、実施例1同様、
各性能ともに良好であった。特に透視性が良好(透過率
が70%)であった。
【0048】
【実施例4】酢酸パラジウムのN―メチル―2―ピロリ
ドン(NMP)/エタノール溶液とPVBのエタノール
溶液を混合撹拌(必要に応じて加熱)し、還元パラジウ
ムコロイド系黒色塗布液とした(塗布液組成重量部;酢
酸パラジウム/PVB/NMP/エタノール=25/1
00/1250/2625)。
【0049】この塗布液を福田金属箔粉工業(株)製電
解銅箔「CF T9 SV」(12μ)の一方の面上に
塗布、乾燥して黒色塗膜(10μ)とし、この塗膜面と
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをアク
リル系接着剤を介して貼り合せ積層フィルムとした。
【0050】この積層フィルム(銅箔面)に東京応化工
業(株)製エッチング用ポジ型フォトレジスト「PME
R P―DF40S」を塗布後、プリベーク、露光、現
像、ポストベークして、レジストパターンを形成した。
このレジストパターン形成品をエッチング液(20%塩
化第二鉄/1.75%塩酸水溶液)中に浸漬し、非レジ
スト部の銅箔層を溶解除去、更に同エッチング液(抽出
液)にて銅箔層下の塗膜中還元パラジウムコロイド粒子
を抽出除去後、レジストを剥離して透視性電磁波シール
ド材を作製した。
【0051】この電磁波シールドフィルムのフィルム側
にアクリル系透明接着剤層(10μ)を形成し、この接
着剤層を介してガラス板(厚さ4mm)に貼り合せ、透
視性電磁波シールドパネルを作製した。
【0052】この電磁波シールドパネルは、シールド性
能が40〜80dB(30〜1000MHz)であり、
透視性は光透過率が70%であり、その他視認性(塗膜
黒化度)、銅箔密着性、基板平坦性ともに良好であっ
た。
【0053】
【実施例5】実施例4の透視性電磁波シールドフィルム
の銅箔パターン側に実施例4と同様に透明接着剤層を形
成し、この接着剤層を介してプラズマディスプレイパネ
ル(PDP)に貼り合せ、透視性電磁波シールドパネル
を作製した。この電磁波シールドパネルは、実施例4と
同様、良好な各性能を示した。
【0054】
【実施例6】実施例4のPETフィルムの代わりに、ト
リアセチルセルロース(TAC)フィルムに透明粘着剤
層を介して保護フィルムを貼り合せたTACフィルム積
層品を用いて、実施例4と同様に透視性電磁波シールド
フィルムを作製した。
【0055】この電磁波シールドフィルムから保護フィ
ルムを剥離し、アクリル板に貼り合せ透視性電磁波シー
ルドパネルを作製した。この電磁波シールドパネルは、
実施例4と同様、良好な各性能を示した。
【0056】
【実施例7】実施例4のPETフィルムの代わりに、近
赤外線(NIR)カットフィルムを用いて、実施例4と
同様に透視性電磁波シールドフィルムを作製した。
【0057】この電磁波シールドフィルム(銅箔パター
ン側)を、透明接着剤層を形成したガラス板に貼り合せ
透視性電磁波シールドパネルを作製した。この電磁波シ
ールドパネルは、実施例4と同様、良好な各性能を示し
た。
【0058】
【実施例8】実施例4の透明基板において、アクリル板
の代わりに東ソー(株)製オレフィン・マレイミド共重
合体「TI―160」の透明耐熱性プラスチック基板を
用いて透視性電磁波シールドパネルを作製した。又,日
本合成ゴム(株)製ノルボルネン系樹脂「ARTON」
の透明耐熱性プラスチック基板を用いて同様に透視性電
磁波シールドパネルを作製した。
【0059】これらの電磁波シールドパネルは、実施例
4と同様、良好な各性能を示した。特に、基板平坦性の
点で、実施例4より優れていた(同じ厚さ・面積の基板
で比較して、明らかに反りが小さかった)。
【0060】具体的には、(プラズマ)ディスプレイ前
面に配置し電磁波シールドパネルとして使用した際に、
通常、耐熱性・剛性に乏しいプラスチック基板ではディ
スプレイの発熱の影響で基板が大きく反る為、ディスプ
レイが割れたりモアレ縞が発生したりするが、これらの
問題は全く見られなかった。
【0061】
【実施例9】実施例1において、銅箔の代わりに東洋ア
ルミホイルプロダクツ(株)製アルミニウム箔(15
μ)を用いて、透視性電磁波シールド材を作製した。
【0062】この電磁波シールド材は実施例1同様、各
性能とも良好であった。これにより、軽量かつ安価な電
磁波シールド材とすることができた。
【0063】
【比較例1】実施例1の黒色塗布液において、酸化第二
銅微粉の代わりに住友染料テック(株)製黒色染料の含
金属酸性染料「LC2951 LY BLACK BG E
XCC」を用いて塗布液を調製した。但し、析出物(ボ
ウ硝Na2SO4と考えられる)が生じたため濾過し、濾
液を最終塗布液(若干赤味を帯びた黒色系)とした。
【0064】この塗布液を用い塗膜厚を50μとする以
外は実施例1と同条件で透視性電磁波シールド材作製を
試みたが、エッチング液による脱色(抽出除去)は困難
であった。そこで脱色液(抽出液)をエタノールに変更
し脱色を試みたところ、かなりの樹脂溶解を伴って脱色
されたため、処理後の樹脂塗膜は表面が荒れた透明性の
低いものとなった。
【0065】この電磁波シールド材は、シールド性能は
実施例1と同等であったものの、視認性が極めて悪い、
即ち黒色パターンの黒さ(塗膜黒化度)が低く(塗膜厚
は実施例1の2倍であるが)、解像度が低いものであっ
た。更に、透視性も光透過率で40%と低いものであっ
た。
【0066】
【比較例2】実施例1の黒色塗布液において、酸化第二
銅微粉を除いた塗布液を調製した。この塗布液を用い実
施例1と同じ銅箔上に塗膜(50μ)を形成した。この
塗膜形成銅箔を、比較例1と同じ黒色染料の水溶液(若
干青味を帯びた黒色系)中に1時間浸漬したものの、黒
さ(塗膜黒化度)の乏しいものであった(電磁波シール
ド材まで作製しても視認性が悪いのは明らかである)た
め、それ以降の加工は行なわなかった。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明は次の効果を有する。 (1)パターン設計の制約が小さい。 (2)透明基材側の黒色パターンの黒化度及び解像度が
高く、視認性が良好。長期的にも安定。 (3)アースリード線との接続が容易。 (4)金属箔を利用するため導電性が高く、シールド効
果が高い(開口率を高く設定できるため、光透過率が高
い)。長期的にも安定。 (5)めっき不要のため、めっき時の塗膜(/基材)及
びめっき(/塗膜)の密着性の低下がない。 (6)めっき法に比べ、材料及び製造コストが圧倒的に
低い。 (7)視野角が広い。 (8)長尺物(ロール状)の透視性電磁波シールドフィ
ルムから欠陥部分を回避しながら各種サイズを切出し透
明基板に貼り合せる為歩留りが高い。 (9)曲面のシールドも可能。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁波シールド材の1例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 金属箔 2 黒色樹脂 3 接着剤 4 透明基材 5 透明樹脂

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともメッシュ状の金属箔層と、金
    属箔層のメッシュパターンに一致し金属箔層に接する黒
    色樹脂部と、透明基材とからなる電磁波シールド材。
  2. 【請求項2】 金属箔層と透明基材とが黒色樹脂部をは
    さんで相対することを特徴とする請求項1に記載の電磁
    波シールド材。
  3. 【請求項3】 金属箔層と透明基材とが黒色樹脂部をは
    さんで相対し、黒色樹脂部間に透明樹脂部を配した請求
    項2に記載の電磁波シールド材。
  4. 【請求項4】 透明基材と黒色樹脂部とが接着剤層を介
    して貼着されたことを特徴とする請求項2又は3に記載
    の電磁波シールド材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つの電磁波シ
    ールド材とディスプレイパネル又は透明基板とが貼合さ
    れたものからなり、電磁波放射源に対し金属箔が対面
    し、さらに黒色樹脂部がそれより外側に配置されたこと
    を特徴とする電磁波シールドパネル。
  6. 【請求項6】 黒色樹脂部が黒色顔料を分散含有する樹
    脂塗膜であることを特徴とする請求項1、2、3又は4
    記載の電磁波シールド材。
  7. 【請求項7】 黒色顔料が還元金属粒子又は金属酸化物
    粒子であることを特徴とする請求項6記載の電磁波シー
    ルド材。
  8. 【請求項8】 黒色樹脂部が黒色顔料を分散含有する樹
    脂塗膜であることを特徴とする請求項5記載の電磁波シ
    ールドパネル。
  9. 【請求項9】 黒色顔料が還元金属粒子又は金属酸化物
    粒子であることを特徴とする請求項5記載の電磁波シー
    ルドパネル。
  10. 【請求項10】 透明基材上に順に黒色顔料を含む黒色
    樹脂層と金属箔層とメッシュ状のレジスト層を設け、レ
    ジスト層で保護されていない金属箔部分をエッチング
    し、金属箔をレジストに対応したメッシュ状にし、さら
    に黒色樹脂層からそのメッシュ状金属箔層に接していな
    い部分に含まれる黒色顔料を抽出除去して黒色樹脂部を
    形成することを特徴とした電磁波シールド材の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 透明基材上に順に接着剤層と黒色顔料
    を含む黒色樹脂層と金属箔層とメッシュ状のレジスト層
    を設け、レジスト層で保護されていない金属箔部分をエ
    ッチングし、金属箔をレジストに対応したメッシュ状に
    し、さらに黒色樹脂層からそのメッシュ状金属箔層に接
    していない部分に含まれる黒色顔料を抽出除去して黒色
    樹脂部を形成することを特徴とした電磁波シールド材の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 黒色顔料が還元金属粒子又は金属酸化
    物粒子であることを特徴とする請求項10記載の電磁波
    シールド材の製造方法。
  13. 【請求項13】 黒色顔料が還元金属粒子又は金属酸化
    物粒子であることを特徴とする請求項11記載の電磁波
    シールド材の製造方法。
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