JP2002246497A - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

半導体素子収納用パッケージ

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JP2002246497A
JP2002246497A JP2001044032A JP2001044032A JP2002246497A JP 2002246497 A JP2002246497 A JP 2002246497A JP 2001044032 A JP2001044032 A JP 2001044032A JP 2001044032 A JP2001044032 A JP 2001044032A JP 2002246497 A JP2002246497 A JP 2002246497A
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semiconductor element
substrate
semiconductor device
carbon fibers
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JP2001044032A
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Tetsuharu Nagashima
徹治 長島
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の炭素繊維から成る基体では、半導体素
子が発する輻射熱を外部に放散しきれず半導体素子が誤
作動や熱破壊を起こしたり、また基体を外部電気回路装
置にネジ止めする際にネジ止め部の周囲が押圧力や圧縮
応力で潰れ易く、基体を強固に外部電気回路装置に密着
固定するのが困難であった。 【解決手段】 略直方体状とされ、上面に形成された凹
部の底面に半導体素子5を載置するための載置部2aを
有し、対向する側壁外面の下端に外側に突出して形成さ
れた張出部に切欠または貫通穴から成るネジ止め部2b
が設けられた基体2は、その上下面に略垂直な方向に配
列された炭素繊維9の集合体にAl,Cu,Ag,M
g,Fe,Zn,NiまたはCoのうちの少なくとも一
種の金属8を含浸させた基材Eの全面にCuメッキ層7
が被着されて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC,LSI等の
半導体集積回路素子、電界効果型トランジスター(FE
T:Field Effect Transistor)などの半導体素子を収
容するための半導体素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体素子収納用パッケージ(以
下、半導体パッケージという)の一種である光半導体パ
ッケージを、図4の(a),(b),(c)の平面図,
断面図,部分拡大断面図にそれぞれ示す。尚、同図にお
いては、光ファイバおよび光ファイバを取り付けるため
の筒状の固定部材を省略している。
【0003】この光半導体パッケージ101は、上面に
光半導体素子105がペルチェ素子等の熱電冷却素子B
を介して載置される載置部102aを有するとともに、
両端部に貫通穴または切欠から成るネジ止め部102b
を有する基体102を有する。また、基体102の上面
に載置部102aを囲繞するようにして取着されるとと
もに、側部に貫通孔または切欠部から成る入出力端子1
06の取付部103aが設けられた枠体103を有して
おり、取付部103aに嵌着された入出力端子106を
具備したものである。
【0004】また、この光半導体パッケージ101は、
光半導体素子105が載置される基体102が、その上
下面に略垂直な方向に配列した一方向性炭素繊維(以
下、炭素繊維という)を炭素で結合した一方向性複合材
料からなっており、その上下面に、例えば第1層A1と
してクロム(Cr)−鉄(Fe)合金層、第2層A2と
して銅(Cu)層、第3層A3として鉄−ニッケル(N
i)合金層もしくは鉄−ニッケル−コバルト(Co)合
金層の3層構造を有する金属層Aが被着されている。そ
して、基体102と枠体103と入出力端子106およ
び蓋体104とからなる光半導体パッケージ101の内
部に、光半導体素子105を気密に封止することによ
り、光半導体装置となる(特開2000−150746
号公報参照)。
【0005】この従来例では、上面に光半導体素子10
5が載置される載置部102aを有する基体102は、
炭素繊維が上面側から下面側に向かう方向に配列してお
り、金属層Aの被着がなければ炭素繊維の方向に直交す
る方向の熱膨張係数は約7ppm/℃(×10-6/℃)
であり、またこの方向の弾性率が炭素繊維の配列方向の
弾性率に比べて約70分の1と小さいことから、金属層
Aが被着されることで基体102の熱膨張率が金属層A
の熱膨張率に応じて10〜13ppm/℃と大きくなっ
ている。
【0006】よって、基体102の熱膨張係数は10〜
13ppm/℃に調整され、またその熱伝導率は、炭素
繊維の配列方向では300W/m・K以上であるが、炭
素繊維の配列方向に直交する方向では30W/m・K以
下と小さくなっている。これは、炭素繊維がその繊維方
向に黒鉛の結晶が連続的に形成された構造を有している
ことにより、炭素繊維の方向と、この方向に直交する方
向では熱伝導率が大きく異なっているからである。
【0007】そして、基体102は、その上面にFe−
Ni−Co合金やFe−Ni合金等から成る、熱膨張係
数が10〜13ppm/℃(室温〜800℃)の枠体1
03が、例えばAgロウ等のロウ材で取着されることに
より、光半導体素子105が収容される空所が形成され
る。また、光半導体素子105の発する熱が熱電冷却素
子Bおよび基体102を介して外部に放散される。
【0008】この基体102は、炭素繊維が基体102
の上面側から下面側に向かう方向に配列していることに
より、この方向に直交する方向の熱伝導率が上記のよう
に30W/m・K以下であり、よって光半導体素子10
5が発する熱は、基体102の炭素繊維の方向に直交す
る方向には実質的にほとんど伝わらないことになる。
【0009】よって、光半導体素子105が作動時に発
する熱は、選択的に炭素繊維の配列方向、即ち基体10
2の上面側から下面側に向かって伝達されるとともに、
下面側から大気中に放散されることとなる。その結果、
光半導体素子105は常に適温となり、光半導体素子1
05を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが
可能になる。上記従来例(特開2000−150746
号)では、大気中に熱が放散されると記載されている
が、この放散以外にも光半導体パッケージが密着固定さ
れる外部電気回路装置(図示せず)を介して熱が外部に
放散されることは明らかである。
【0010】また、この従来例では、光半導体素子10
5の作動時に発する熱が基体102と枠体103に加わ
った場合、基体102と枠体103の熱膨張係数がいず
れも10〜13ppm/℃であることから、両者間に大
きな熱応力が発生することはない。また、たとえ小さな
熱応力が発生したとしても、基体102の炭素繊維の方
向に直交する方向の弾性率が上述したように極めて小さ
いことから、基体102が適度に変形することで、枠体
103との間に発生する熱応力が緩和される。その結
果、基体102上に枠体103を長期間にわたり強固に
取着させておくことが可能になる。
【0011】よって、基体102と枠体103と蓋体1
04および入出力端子106から成る光半導体パッケー
ジ101の気密封止を完全として、内部に収容される光
半導体素子105を長期間にわたり正常かつ安定に作動
させることが可能になる。
【0012】この光半導体パッケージ101の放熱構造
は、大量の熱を発するLSIや電界効果型トランジスタ
ー(FET)等を収容する半導体パッケージにも適用で
きることは勿論である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光半導
体素子105の発する熱量が大きくなった場合には、基
体102へ直接伝達される熱に加えて、光半導体素子1
05から放射される輻射熱が蓋体104および枠体10
3の温度を上昇させることが問題となる。即ち、この輻
射熱が小さい場合、熱伝導率が約17W/m・KのFe
−Ni−Co合金、熱伝導率が約15W/m・KのFe
−Ni合金等からなる枠体103および蓋体104を介
して外部に十分放散されるが、輻射熱が大きい場合、枠
体103や蓋体104に放射によって伝えられた熱は枠
体103および蓋体104の熱伝導率が小さいため、こ
れらの表面から外部に放散されるまでに枠体102や蓋
体103に畜熱される。その結果、枠体103、蓋体1
04の温度を上昇させることになる。
【0014】従って、光半導体素子105から放射され
る輻射熱は、基体102と枠体103と蓋体104とに
よって構成される空所(内部空間)の温度を上昇させる
ことになり、その結果、光半導体素子105の温度を上
昇させ、光半導体素子105が誤作動する、あるいは熱
破壊するといった不具合を招来していた。
【0015】また、光半導体パッケージ101を外部電
気回路装置に密着固定して熱放散を良好なものとするた
めに、基体102の両端部に形成されたネジ止め部10
2bにおいて光半導体パッケージ101が外部電気回路
装置にネジで締め付けられる。
【0016】ところが、基体102が炭素繊維を厚さ方
向に揃えて、これを炭素で結合したものであることか
ら、その圧縮強度は金属に比べて桁違いに小さい。その
ため、光半導体パッケージ101を外部電気回路装置に
ネジで締め付けて密着固定する際に、ネジ止め部102
bが厚さ方向に潰れてしまう場合があった。従って、そ
の場合、光半導体パッケージ101を外部電気回路装置
に対して強い締め付け力で密着固定できなくなり、光半
導体素子105の発する熱が十分に放散されなくなって
いた。
【0017】これらの不具合は、図4の従来例で示した
光半導体パッケージに限らず、FETやMMIC(Mono
lithic Microwave IC)等の半導体素子を収容する半導
体パッケージでも発生することは勿論である。
【0018】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたものであり、その目的は、光半導体素子,FET,
MMIC等の半導体素子が発する熱および輻射熱を効率
よく半導体パッケージの外部に放散して、半導体パッケ
ージ内部に収容する半導体素子を長期間に亘り正常かつ
安定に作動させることである。また、半導体パッケージ
を外部電気回路装置に密着固定させるためのネジ止め時
において、基体がネジ止め部で厚さ方向に潰れるのを有
効に防止することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体パッケー
ジは、略直方体状とされ、上面に形成された凹部の底面
に半導体素子を載置するための載置部を有するととも
に、対向する側壁外面の下端に外側に突出するように形
成された張出部に切欠または貫通穴から成るネジ止め部
が設けられた基体と、該基体の側壁に形成された貫通孔
または切欠部から成る入出力端子の取付部と、該取付部
に嵌着された入出力端子とを具備した半導体素子収納用
パッケージにおいて、前記基体は、その上下面に略垂直
な方向に配列された一方向性炭素繊維の集合体にアルミ
ニウム,銅,銀,マグネシウム,鉄,亜鉛,ニッケルま
たはコバルトのうちの少なくとも一種の金属を含浸させ
た基材の全面に銅メッキ層が被着されて成ることを特徴
とする。
【0020】本発明は、上記の構成により、基体におけ
る炭素繊維の体積含有率が90vol(体積)%で、残
る10vol%の気孔に例えばアルミニウム(Al)が
含浸された場合、炭素繊維方向に約500W/m・Kの
高い熱伝導率を得ることができる。一方、炭素繊維の配
列方向に直交する方向では約40W/m・Kの熱伝導率
が得られる。従って、半導体素子から基体に伝達された
熱は、基体表面のCuメッキ層を介して炭素繊維により
ほぼ選択的に基体の下面へと伝達され、その下面から外
部に放散されるとともに、半導体素子からの輻射熱は、
従来の半導体パッケージよりも高い約40W/m・Kの
熱伝導率を有する基体の側方へ導かれ、側部から効率よ
く外部に放散される。よって、半導体素子を適温に保つ
ことが可能となる。
【0021】炭素繊維方向の熱伝導率が500W/m・
Kとなるのは、炭素繊維のみが厚さ方向に配列している
場合のこの方向の熱伝導率(約420W/m・K)に対
して、Al等の金属の熱伝導率(Alで230W/m・
K)が寄与しているためである。また、炭素繊維方向に
直交する方向の熱伝導率が約40W/m・Kとなってい
るのは、炭素繊維のみが厚さ方向に配列している場合の
炭素繊維方向に直交する方向の熱伝導率が約8W/m・
Kであるのに対して、同様にAl等の金属の熱伝導率が
寄与しているからである。
【0022】従って、本発明では、基体内部の側壁に対
して放射される輻射熱も、基体の側壁の熱伝導率が従来
のFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等に比べて数
倍大きいことから、速やかに外部へ放散される。その結
果、半導体素子が載置されている空所の温度が適温とな
り、半導体素子に誤作動を発生させたり熱破壊を発生さ
せることが解消される。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の半導体パッケージを以下
に詳細に説明する。図1,図2(a),図2(b),図
3は、本発明の半導体パッケージについて実施の形態の
一例を示すものであり、図1は半導体パッケージの断面
図、図2(a)は半導体パッケージにおける基体の断面
図、同図(b)は(a)におけるD部の拡大図、図3は
基材の断面図である。
【0024】図1において、1は半導体パッケージ、2
は、略直方体状とされ、上面に形成された凹部の底面に
半導体素子5を載置するための載置部2aを有するとと
もに、対向する側壁外面の下端に外側に突出するように
形成された張出部2dに切欠または貫通穴から成るネジ
止め部2bが設けられた基体である。3は、基体2の側
壁に形成された貫通孔または切欠部から成る入出力端子
6の取付部、4は蓋体、5は半導体素子、6は取付部3
に嵌着されるとともにメタライズ配線層10を有する入
出力端子である。そして、基体2と入出力端子6と蓋体
4とで、半導体素子5を収容する半導体パッケージ1が
主に構成される。
【0025】また、図2(a)は半導体パッケージ1の
基体2の断面図、(b)は(a)のD部の拡大断面図で
あり、7はCuメッキ層、8は金属、9は炭素繊維をそ
れぞれ示す。また、図3のEは、炭素繊維9とその間の
気孔(隙間)に含浸された金属8とからなる基材を示
す。
【0026】このように構成された半導体パッケージ1
は、炭素繊維9方向に直交する方向においては炭素繊維
方向の弾性率に対して1/70程度の非常に小さい弾性
率であることと、その熱膨張係数は金属の性質や量によ
って若干異なるが、金属8としてAlが含浸されている
場合約8.7ppm/℃となることから、載置部2aに
半導体素子5を載置して作動させた場合に発生する熱に
より、半導体素子5と基体1との熱膨張係数差に起因し
て発生する熱応力は大きなものとならない。また、発生
した小さな熱応力も基体2が適度に変形することにより
緩和される。従って、半導体パッケージ1の内部に収容
する半導体素子5を長期間に亘り、正常かつ安定に作動
させることができる。
【0027】また、半導体パッケージ1には図3に示す
ように金属8が含浸されていることにより、炭素繊維9
間の気孔が完全に塞がれており、半導体パッケージ1の
内部の気密封止の信頼性が高いものとなる。また、半導
体パッケージ1の内部に半導体素子5を収容し半導体装
置となした後、ヘリウム(He)を使用して半導体装置
の気密検査をする場合、Heの一部が炭素繊維9間の気
孔にトラップされることが有効に防止され、半導体装置
の気密封止の検査に対して有効なものとなる。
【0028】また図3に示すように、基体2に金属8が
含浸されていることによって、基体2のネジ止め時の圧
縮応力や押圧力による潰れが大きく抑制される。よっ
て、半導体パッケージ1を外部電気回路装置にネジで締
め付けることにより密着固定する場合に、強固に締め付
けることができる。
【0029】また、基体2の表面は金属8の含浸により
炭素繊維9間の気孔が皆無であることから、Cuメッキ
層7の被着が容易となる。Cuメッキ層7を被着させて
おくと、取付部3に入出力端子6をロウ材により嵌着接
合する際に、ロウ材の濡れ性が向上するという効果が得
られるとともに、Cuメッキ層7の熱伝導性に優れた性
質から、Cuメッキ層7の面方向を伝わり基体2の側方
へ向かう伝熱経路の熱伝導性を非常に高くできる。
【0030】Cuメッキ層7の厚さは、0.5μm未満
であると、ロウ材の濡れ性が低下し易く、また伝熱媒体
として有効に機能しなくなる。Cuメッキ層7の厚さが
5μmを超えると、Cuメッキ層7を形成する際にCu
メッキ層7が被着される基材EとCuメッキ層7との間
に大きな応力が発生し内在することとなる。この内在し
た応力によって、Cuメッキ層7が剥離し易くなること
から、Cuメッキ層7の厚さは0.5〜5μmの範囲が
好ましい。
【0031】また、炭素繊維9の体積含有率が10vo
l%であり、炭素繊維9間の気孔にAlを含浸させた場
合に、炭素繊維9の密度は約2.1g/cm3となり、
Alを含浸させない場合の密度(約2g/cm3)に比
べてほとんど変化しない。これは、従来一般的に用いら
れているCu−W合金に比べて約1/8程度であり、極
めて軽量なものとなる。従って、近時の小型軽量化が進
む電子装置へ実装する際に有利なものとなる。
【0032】本発明において、金属8はアルミニウム
(Al),銅(Cu),銀(Ag),マグネシウム(M
g),鉄(Fe),亜鉛(Zn),ニッケル(Ni)ま
たはコバルト(Co)のうちの少なくとも一種から成る
が、その他真鍮(Cu−Zn合金),Fe−Ni−Co
合金,42アロイ(Fe−Ni合金)等の合金であって
もよい。
【0033】金属8がAlの場合、炭素繊維9に直交す
る方向の基体2の熱膨張係数は約8.7ppm/℃とな
り、これは基体2の90vol%程度を占める炭素繊維
9の配列方向に直交する方向での熱膨張係数が約7pp
m/℃であり、基体2の10vol%程度を占めるAl
の熱膨張係数が約24ppm/℃であることから、Al
の影響により若干大きな値となっているものである。
【0034】また、炭素繊維9の体積含有率が80vo
l%で20vol%の気孔にAlが含浸されている場
合、炭素繊維9方向の熱伝導率は約450W/m・Kと
なり、炭素繊維9方向に直交する方向での熱伝導率は約
100W/m・K程度となる。この場合、半導体素子5
からその載置部2aに伝達された熱は、炭素繊維9方向
に限らずランダムな方向にも伝達され、半導体素子5か
ら発する熱を効率よく外部に放散させることができる。
また、基体2の側壁2cからも半導体素子5からの輻射
熱を効率よく外部に放散させることができる。このと
き、炭素繊維9方向に直交する方向の熱膨張係数は約1
0ppm/℃であるため、半導体素子5と基体2との接
合部(載置部)において両者の熱膨張係数差に起因して
発生する熱応力は小さくなり、半導体素子5の剥れ等の
破損が発生し難くなる。
【0035】炭素繊維9の体積含有率が65vol%程
度になると、炭素繊維9方向の熱伝導率が約370W/
m・K、炭素繊維9方向に直交する方向の熱伝導率が約
200W/m・K程度となる。この場合、従来から一般
的に用いられているCuとの差が小さくなるが、Cuに
比べて基体2を軽量化できるという点で有利である。し
かし、この場合炭素繊維9方向に直交する方向の熱膨張
係数は約14ppm/℃となり、基体2の炭素繊維9方
向に直交する方向の弾性率が炭素繊維9方向の約70分
の1と小さくなるとはいえ、半導体素子5の接合面(載
置面)に発生する熱応力によって半導体素子5が基体2
の表面から剥れる場合がある。従って、炭素繊維9の体
積含有率は65vol%以上が好ましい。
【0036】また含浸される金属8は、Al以外にC
u,Ag,Mg,Fe,Zn,Ni,Coがあり、例え
ば炭素繊維9の体積含有率が90vol%の場合にCu
を含浸させると、Cuの熱伝導率はAlの約1.7倍で
あることから、基体2の炭素繊維9方向に直交する方向
の熱伝導率が約550W/m・Kとなる。また、Cuの
熱膨張係数は16〜18ppm/℃であることから、同
方向の熱膨張係数は7.9〜8.1ppm/℃となる。
【0037】同様にして、Ag,Mg,Fe,Ni,Z
n,Coを、炭素繊維9の体積含有率が90vol%で
ある場合に炭素繊維9間の気孔に含浸させると、炭素繊
維9方向の熱伝導率が350〜420W/m・Kにな
り、またそれぞれの金属8の熱膨張係数に応じた8pp
m/℃前後の熱膨張係数が得られる。
【0038】このとき、半導体素子5の熱膨張係数と基
体2の炭素繊維9方向に直交する方向の熱膨張係数との
差による熱応力は、基体2の弾性率が上述したように極
めて小さいことから、基体2が変形することによって緩
和される。
【0039】このように、本発明の半導体パッケージ1
は、基体2が炭素繊維9間に金属8が含浸されている構
造を有していることから、半導体素子5が発する熱を基
体2を介して極めて効率良く外部に放散させることがで
き、半導体素子5を長期間に亘り正常かつ安定に作動さ
せることができる。また、金属8が炭素繊維9間の気孔
に含浸されているので、炭素繊維9方向の圧縮強度が大
きくなり、基体2を外部電気回路装置にネジ止め部でネ
ジ止めする際に発生する圧縮応力や押圧力が基体2の表
面に加わった場合、基体2がつぶれ難くなる。この場
合、炭素繊維9の体積含有率が95vol%以上であれ
ば、金属8が含浸されていてもネジ締め時の圧縮応力や
押圧力によって基体2が潰れる場合があるため、炭素繊
維9の体積含有率は95vol%未満であることが好適
である。
【0040】よって、マザーボード等の外部電気回路装
置に基体2をネジで締め付けて密着固定させる場合、基
体2が厚さ方向に潰れることにより締め付けが緩くなっ
て密着固定が不十分となり、外部への熱放散性が損なわ
れるといった不具合が解消される。
【0041】また本発明の半導体パッケージ1は、基体
2に炭素繊維9間の気孔(隙間)に金属が含浸されてお
り、金属8の含浸は高温、高圧下で行われる。炭素繊維
9との濡れ性が悪い金属8に対しては、予め炭素繊維9
の表面に濡れ性を改善する材料を被着させておくと良
い。この場合、本発明の金属8を炭素繊維9間の気孔を
100%充填するように含浸させることができる。
【0042】また本発明では、基体2の側壁2cには入
出力端子6の取付部3が形成されており、取付部3に
は、側壁2cの内側から外側にかけて導出する複数個の
メタライズ配線層10が形成された入出力端子6が嵌着
されている。
【0043】入出力端子6は、メタライズ配線層10を
基体2の側壁2cに対し電気的絶縁をもって基体2の内
側から外側にかけて配設する作用をなし、酸化アルミニ
ウム(Al23)質焼結体などの電気絶縁材料からな
る。そして、入出力端子6において、取付部3の内側面
に対向する側面に予めメタライズ配線層10となる金属
層を被着させておき、このメタライズ配線層10を取付
部3の内側面にAgロウなどのロウ材を介して接合させ
ることによって、入出力端子6は取付部3に嵌着接合さ
れる。
【0044】また、入出力端子6の電気絶縁材料からな
る本体部分は以下のようにして作製される。まず、例え
ばAl23、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に
適当なバインダー、溶剤等を添加混合してスラリーとな
す。このスラリーをドクターブレード法やカレンダーロ
ール法によってセラミックグリーンシートとする。次い
で、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を
施すとともに、W,Mo,Mn等の高融点金属粉末に適
当な有機バインダー、溶剤等を添加混合して得たペース
トを、従来周知のスクリーン印刷法により所定パターン
に印刷塗布し、メタライズ配線層10となる金属層を形
成する。次いで、このセラミックグリーンシートを複数
枚積層するとともに所定の大きさに切断し、最後に約1
600℃で焼結させることによって入出力端子6が作製
される。
【0045】なお、メタライズ配線層10は、その露出
する表面に、Ni,金(Au)等の耐食性に優れかつロ
ウ材との濡れ性に優れる金属を0.5〜9μmの厚さで
メッキ法により被着させておくのが好ましい。その場
合、メタライズ配線層10の酸化腐食を有効に防止する
ことができる。また、メタライズ配線層10への外部リ
ード端子のロウ付けを強固にすることができる。
【0046】また、メタライズ配線層10の側壁2c外
面側の部位には、外部リード端子(図示せず)が銀ロウ
などのロウ材でロウ付け取着されている。外部リード端
子は、容器内部に収容する半導体素子5の各電極を外部
電気回路装置に電気的に接続する作用をなし、外部リー
ド端子を外部電気回路装置に接続することによって、半
導体パッケージ1の内部に収容される半導体素子5はメ
タライズ配線層10および外部リード端子を介して外部
電気回路装置に電気的に接続されることになる。
【0047】この外部リード端子は、Fe−Ni−Co
合金やFe−Ni合金等等の金属材料からなり、例えば
Fe−Ni−Co合金のインゴット(塊)に圧延加工法
や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すこと
によって、所定の形状に形成される。
【0048】かくして、本発明の半導体パッケージによ
れば、半導体パッケージ1の半導体素子5が載置される
載置部2a上に半導体素子5を低融点ガラス,樹脂接着
材,ロウ材等の接着剤を介して接着固定するとともに、
半導体素子5の電極をボンディングワイヤ11を介して
入出力端子6のメタライズ配線層10に接続させ、しか
る後、基体2の上面に蓋体4を低融点ガラス,樹脂接着
剤,ロウ材等からなる封止材を介して接合させ、基体
2、入出力端子6、および蓋体4とからなる半導体パッ
ケージ1の内部に半導体素子5を気密に収容することに
よって、製品としての半導体装置となる。
【0049】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば種々の変更は何等差し支えない。例えば、基体2は厳
密な直方体でなくてもよく、角部に曲面的または平面的
な面取りが施された形状、側壁がなだらかな曲面状とさ
れた形状であってもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明は、略直方体状とされ、上面に形
成された凹部の底面に半導体素子を載置するための載置
部を有するとともに、対向する側壁外面の下端に外側に
突出するように形成された張出部に切欠または貫通穴か
ら成るネジ止め部が設けられた基体と、基体の側壁に形
成された貫通孔または切欠部から成る入出力端子の取付
部と、取付部に嵌着された入出力端子とを具備し、基体
は、その上下面に略垂直な方向に配列された炭素繊維の
集合体にアルミニウム,銅,銀,マグネシウム,鉄,亜
鉛,ニッケルまたはコバルトのうちの少なくとも一種の
金属を含浸させた基材の全面に銅メッキ層が被着されて
成ることから、半導体素子が作動時に発した熱は基体の
上面側から下面側へ炭素繊維と金属とにより効率よく伝
達される。また、基体の側壁に伝わった輻射熱を側壁を
介してすみやかに外部へと放散させることができ、大量
の熱を効率よく外部に放散させることができる。その結
果、半導体素子は常に適温となって、半導体素子を長期
間に亘り正常かつ安定に作動させることが可能になる。
【0051】また、基材には金属を含浸させていること
により、基材表面の気孔が完全にふさがれる。その結
果、基材表面にメッキ層を平坦性よく被着させることが
でき、基体の内部の気密封止の信頼性が高いものとな
る。また、半導体パッケージの内部に半導体素子を収容
し半導体装置となした後、Heを使用して半導体装置の
気密検査をする場合、Heの一部が基体表面の凹凸にト
ラップされることが有効に防止されてHeの疑似リーク
が皆無となり、半導体装置の気密封止の検査に対して有
効なものとなる。
【0052】さらに、本発明は、基体には金属が炭素繊
維間に含浸されているので、この金属が圧縮応力や押圧
力等の外力に対して基体の形状を保持し得る強度を付与
する。その結果、基体をネジ止め部において外部電気回
路装置等にネジ止めして固着させる際に、基体に加わる
押圧力や基体に発生する圧縮応力がネジ止め部に加わっ
ても、基体が潰れ難くなる。よって、マザーボード等の
外部電気回路装置にネジ止めで固定するに際して、基体
が厚さ方向に潰れるといった不具合が解消されるという
効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体パッケージについて実施の形態
の一例を示す断面図である。
【図2】(a)は図1の半導体パッケージにおける基体
の断面図、(b)は(a)におけるD部の拡大断面図で
ある。
【図3】本発明の半導体パッケージにおける基材の断面
図である。
【図4】(a)は従来の光半導体パッケージの例の平面
図、(b)は(a)の光半導体パッケージの断面図、
(c)は(b)におけるC部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1:半導体パッケージ 2:基体 2a:載置部 2b:ネジ止め部 2c:側壁 3:取付部 5:半導体素子 6:入出力端子 7:銅メッキ層 8:金属 9:炭素繊維 E:基材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体状とされ、上面に形成された凹
    部の底面に半導体素子を載置するための載置部を有する
    とともに、対向する側壁外面の下端に外側に突出するよ
    うに形成された張出部に切欠または貫通穴から成るネジ
    止め部が設けられた基体と、該基体の側壁に形成された
    貫通孔または切欠部から成る入出力端子の取付部と、該
    取付部に嵌着された入出力端子とを具備した半導体素子
    収納用パッケージにおいて、前記基体は、その上下面に
    略垂直な方向に配列された一方向性炭素繊維の集合体に
    アルミニウム,銅,銀,マグネシウム,鉄,亜鉛,ニッ
    ケルまたはコバルトのうちの少なくとも一種の金属を含
    浸させた基材の全面に銅メッキ層が被着されて成ること
    を特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
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