JP2002246029A - 結着剤組成物 - Google Patents

結着剤組成物

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JP2002246029A
JP2002246029A JP2001043093A JP2001043093A JP2002246029A JP 2002246029 A JP2002246029 A JP 2002246029A JP 2001043093 A JP2001043093 A JP 2001043093A JP 2001043093 A JP2001043093 A JP 2001043093A JP 2002246029 A JP2002246029 A JP 2002246029A
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copolymer
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Yoshiyuki Miyaki
義行 宮木
Kazuyoshi Ohashi
和義 大橋
Vallieres Benoit
バリエール ブノア
Michael T Burchill
T. バーチル マイケル
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Atofina Japan KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極活性物質と結着剤からなる電池用電極にお
いて、少ない結着剤量でも十分な電極層と集電体との接
着強度を持ち、柔軟性に優れた電極構造体を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】特定の有機溶媒に溶解するフッ素系樹脂A
と該有機溶媒に完全あるいは部分的に不溶解の樹脂Bか
らなり、フッ素系樹脂Aが、N−メチルピロリドンに溶
解して得た樹脂濃度8重量%の溶液の粘度が0.3Pa
・s〜20Pa・sであフッ素系ポリマーA1と極性基
が導入されたフッ素系ポリマーA2から選ばれる少なく
とも1種類のポリマーから構成され、A/Bの比が重量
比で99/1〜1/99である結着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池などの電極に使用される結着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、ビデオカメラ、ノート
型パソコン等のポータブル機器に用いられるようになっ
たリチウム二次電池においては、その負極活性物質とし
ては、リチウムイオンをドーピング、脱ドーピングする
コークスやグラファイト等の炭素質材料が用いられ(公
開特許公報昭62−90863号)、正極活性物質とし
ては、マンガン酸化物、五酸化バナジウムのような遷移
金属酸化物、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属酸化
物、さらにこれらとリチウムとの複合化合物(例えば、
リチウムコバルト複合酸化物、リチウムコバルトニッケ
ル複合酸化物、リチウムマンガン酸化物)などが用いら
れている。これらの場合、通常、粉体状の電極活性材料
に結着剤を適当量添加した混合物に溶媒を混ぜてペース
ト状にしたものを集電体に塗布、乾燥後圧着させて電極
が得られる。
【0003】このような二次電池の電極に用いる結着剤
には、電解液に用いられる有機溶媒に対する耐性と電極
反応によって生じる活性種への耐性が要求され、さらに
電極を作製する工程上、特定の溶媒への溶解性も必要で
ある。これらを満足する結着剤として、多くの場合、ポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂が用いられる。し
かしながら、PVDF樹脂は元来金属との接着性が悪
く、特に結着剤の使用量が少ない場合、負極と正極いず
れにおいても、活性物質を集電体に圧着させた後、集電
体と活性物質との接着力や柔軟性が十分でないために、
活性物質が集電体から剥離し易く、電池製造の歩留まり
や製造された電池のサイクル特性が悪くなるという問題
があった。
【0004】集電体と電極活性物質との接着性を改善す
る方法として、集電体表面を粗面化することが提案され
たが(公開特許公報平5−6766号)、これにおいて
も接着性は十分とは言えず、さらなる改良が求められて
いる。また、フッ化ビニリデンとカルボン酸基を有する
モノマーとの共重合体(公開特許公報平6−17245
2号)が提案されたが、通常、フッ素系モノマーとカル
ボン酸基を有する他のモノマーとの共重合は容易でな
く、量産化が困難で実用的とは言えない。さらに、メル
カプト基等を有する含硫黄有機化合物をペースト状の電
極合剤に添加する方法(公開特許公報平9−82311
号および同平9−82314号)、官能基を有するアク
リル樹脂とPVDF系共重合体のいずれかまたは両方を
PVDF樹脂に混合して結着剤として用いる方法(公開
特許公報平9−199132号、同平9−199134
号、および同平9−199130号)が提案されたが、
アクリル樹脂を混合することは電気化学的安定性の観点
から好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少量
の結着剤でも十分な接着性、結着性、および柔軟性が得
られる結着剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の有
機溶媒に溶解するフッ素系樹脂Aと該有機溶媒に膨潤は
するが溶解しない樹脂Bとを混合して電極の結着剤とし
て用いた場合、該有機溶媒にフッ素樹脂Aを溶解して得
られる溶液の粘度が十分に高いか、あるいはフッ素樹脂
Aが極性基を有していれば、該溶媒を用いたプロセスに
より、電気化学的に安定で、少ない結着剤量において
も、十分な集電体と電極層間の接着性が得られ、柔軟性
のある電極が作製できることを見いだした。
【0007】ここで、フッ素系樹脂Aと樹脂Bの比は、
A/Bが、重量比で、99/1〜1/99であり、望ま
しくは、80/20〜5/95である。
【0008】本発明で用いられるフッ素系樹脂Aとして
は、フツ化ビニリデン単独重合体(ホモポリマー)とフ
ッ化ビニリデン系共重合体とがある。フツ化ビニリデン
単独重合体は、フッ化ビニリデンモノマーを懸濁重合法
あるいは乳化重合法等で重合することにより得られ、2
30℃、5kg荷重下でのメルトフローレート(MF
R)が0.01〜20g/10分であることが望まし
く、さらに望ましくは、0.05〜2g/10分であ
る。
【0009】また、フッ化ビニリデン系共重合体とは、
フツ化ビニリデンモノマーとこれと共重合可能な他のモ
ノマーとの共重合体で、該共重合体中のフッ化ビニリデ
ン成分比率が10〜99重量%であればよく、さらに望
ましくは、50〜99重量%である。ここで共重合可能
な他のモノマーとしては、四フッ化エチレン、六フッ化
プロピレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレ
ン、フッ化ビニル、パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル等のフッ素系モノマーやエチレンやプロピレン等の不
飽和オレフィン系モノマーがあり、これらの1種又は2
種以上を用いることができる。この樹脂の場合も、上記
モノマーを懸濁重合あるいは乳化重合法等で重合するこ
とにより得られ、230℃、5kg荷重下でのメルトフ
ローレート(MFR)が0.01〜20g/10分であ
ることが望ましく、さらに望ましくは、0.05〜2g
/10分である。
【0010】また、上記のポリフッ化ビニリデンやフッ
化ビニリデン系共重合体は、有機溶媒に溶解した場合の
溶液の粘度が高いことが望ましく、その目安として N
−メチルピロリドンに樹脂濃度8重量%で溶解して得ら
れる溶液の粘度が0.3Pa・s〜20Pa・sであ
る。溶液の粘度がこの範囲より低い場合、電極を製造す
る際に使用する電極活物質、結着剤、および溶媒からな
るスラリ−の粘性が低くなり、均一な電極の作製が困難
となる。一方、溶液の粘度が高すぎる場合は、樹脂を溶
媒に均一に溶解するのが困難となる。
【0011】本発明においては、フッ素系樹脂として
は、極性基が導入された変性フッ素樹脂を、結着剤組成
物の全体あるいは一部に使用することが望ましい。この
ような化学変性フッ素系樹脂は、フッ素系モノマーと極
性基を有するモノマーとの共重合(例えば、公開特許公
報平6−172452号に記載の方法)、フッ素系樹脂
に極性基を有する化合物をグラフトする方法(例えば、
公開特許公報平 特願08−258464に記載の方
法)、フッ素系樹脂を部分脱弗化水素と引き続き酸化す
る方法などがある。このようなフッ素樹脂は、エラスト
マー系の樹脂となじみがよいため、均一な電極が得やす
くなる。さらに、本発明で用いる化学変性フッ素系樹脂
においても、これを有機溶媒に溶解した場合の溶液の粘
度が高いことが望ましく、その目安として N−メチル
ピロリドンに樹脂濃度8重量%で溶解して得られる溶液
の粘度が0.2Pa・s〜20Pa・sである。
【0012】これらのうち、フッ素系樹脂を部分脱弗化
水素と引き続き酸化する方法に用いられるフッ素系樹脂
は、以下の化学構造単位を有するものである。
【0013】
【化1】
【0014】ここで、XとX’は、同一または異なっ
て、水素、ハロゲン(特に、フッ素あるいは塩素)、パ
ーハロアルキル(特に、パーフロロアルキル)から選ば
れる原子を表わす。このようなフッ素系樹脂には、上記
の化学反応により接着性を有する官能基を導入可能であ
る。
【0015】化学変性フッ素系樹脂に使用されるフッ素
系樹脂は、不飽和オレフィン単量体を重合することによ
って得られる。(1)式の構造単位を有するフッ素系ポ
リマーを得るには、炭素原子に結合したフッ素原子を炭
素原子に結合した水素原子両方から構成されるモノマー
を重合する必要がある。例えば、そのようなフッ素系樹
脂として、ハイドロフロロカーボンであるモノマーの単
独重合体あるいはパーフロロ不飽和単量体と水素原子を
含む単一または複数のモノマーとの共重合体がある。
【0016】上記フッ素系樹脂に使用される不飽和オレ
フィンモノマーとして、四フッ化エチレン、六フッ化プ
ロピレン、フッ化ビニリデン、三フッ化塩化エチレン、
2−クロロ五フッ化プロペン、三フッ化エチレン、パー
フルオロアルキルビニルエーテル、1−ハイドロ五フッ
化プロペン、2−ハイドロ五フッ化プロペン、ジクロロ
ジフルオロエチレン、1,1−ジクロロフルオロエチレ
ンおよびパーフルオロ−1,3−ジオキソールが挙げら
れる(US 4 558 142参照)。また、エチレ
ン、プロピレン、ブチレン等のフッ素を含まない不飽和
オレフィンモノマーも使用できる。
【0017】本発明で用いるフッ素系樹脂は、公知の手
法により製造される。特に、フツ化ビニリデン単独重合
は、フツ化ビニリデンを懸濁重合法(US 3 553
185およびEP 0 120 524参照)あるいは乳
化重合法(US 4 025 709、US 4 569 9
78、US 4 360 652、US 4 626 396
およびEP 0 655 468参照)等で重合すること
により得られる。
【0018】一般に、不飽和フッ素化オレフィンモノマ
ーは水系エマルジョンの状態で重合でき、フッ素を含ま
ないオレフィン系モノマーとの共重合も可能である。こ
の場合、アンモニウムまたはアルカリ金属過硫酸塩やア
ルカリ金属過マンガン酸塩のような水溶性開始剤および
パーフルオロオクタン酸のアンモニウムまたはアルカリ
金属塩のような乳化剤が使用される。一方、水系のコロ
イド懸濁液中での重合の場合、開始剤としては、有機相
に可溶なジアルキルパーオキシド、アルキルハイドロパ
ーオキシド、ジアルキルパーオキシジカーボナート、ジ
アルキルアゾパーオキシド等,および分散剤としては、
メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチ
ルセルロース等が用いられる。
【0019】本発明で用いるフッ素系樹脂には、数々の
市販のフッ素樹脂が使用可能である。ポリフッ化ビニリ
デンおよびフッ化ビニリデン系共重合体の例として、ア
トフィナ社の製品である「カイナー」がある。
【0020】上記のフッ素系樹脂に化学変性を施すに
は、樹脂は水系の懸濁液あるいは乳化液のように分散状
態であることが望ましい。このような分散液は、上記の
重合処方により得られるものである。このようなフッ素
系樹脂は、塩基により部分的に脱フッ化水素され、続い
て得られた樹脂を酸化剤と反応せしめ、化学変性フッ素
系樹脂とすることができる。
【0021】このフッ素樹脂の脱フッ化水素は、水中あ
るいは有機溶媒中で塩基の働きにより行われる。使用可
能な塩基としては、WO 98/08880に記されて
いるように、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウムのような水酸化物、アンモニア水、
炭酸カリウムや炭酸ナトリウムにような炭酸塩、各種三
級アミン、四級アンモニウム水酸化物、金属アルコキシ
ドなどがある。水または有機溶剤に可溶あるいは部分的
に可溶な炭化水素構造を有するアミン化合物も使用さ
れ、この代表例として、1,8−ジアゾビシクロ[5.
4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)や1,4−ジア
ゾビシクロ2.2.2オクタン(DABCO)がある。
水媒体中に乳化されたフッ素樹脂の脱フッ化水素のプロ
セスは、例えば、WO 98/08879に記載されて
いる。
【0022】上述の塩基は必要に応じて触媒とともに用
いられる。使用される触媒としては、例えば、臭化テト
ラブチルアンモニウム(TBAB)やテトラアルキル燐
酸、アルキルアリル燐酸、ハロゲン化アルキルアンモニ
ウムやアルキル燐酸塩がある。
【0023】脱フッ化水素されたフッ素樹脂の酸化反応
は、酸化剤により水媒体中で行われる。酸化剤として
は、過酸化水素が特に好んで用いられる。この場合、水
を媒体として反応が行うことができるので、有機溶媒系
での反応に比べて、環境対策やコストにおいて利点があ
る。また、他の酸化剤に比べて、反応後の廃水処理が容
易なことも利点として挙げられる。他の酸化剤として、
PdCl2などのハロゲン化パラジウム、CrCl2など
のハロゲン化クロム、過マンガン酸カリウムなどの過マ
ンガン酸アルカリ金属塩、アルキルパーオキシド、各種
過酸化物、過硫酸なども使用でき、これらと過酸化水素
を組み合わせて用いることもできる。
【0024】このような過酸化水素水によるフッ素樹脂
の酸化反応はpHが6.5〜8.0で行うことが望まし
く、さらに望ましくは、6.7〜7.6である。この理
由は、pHが6.5より低い場合、酸化反応は著しく遅
くなり、一方、pHは8より高い場合、過酸化水素の分
解が起こり、制御不能となる可能性があるからである。
また、この反応温度としては、20℃〜100℃で行う
ことが望ましく、さらに望ましくは、50℃〜90℃で
ある。
【0025】また、酸化反応に用いる過酸化水素の量
は、投入されるフッ素樹脂の全量に対して、重量で1%
〜50%であることが望ましく、さらに望ましくは、2
%〜12%である。
【0026】以上のようにして得られる化学変性フッ素
系樹脂は、化学変性を行われていないフッ素樹脂に比べ
て、各種有機および無機材料に対して著しく高い接着性
あるいは親和性を示す。
【0027】本発明において、フッ素系樹脂Aは、極性
基が導入された変性ポリフッ化ビニリデン樹脂と変性フ
ッ化ビニリデン系共重合体から選ばれる少なくとも1種
類の樹脂を1〜99重量部、未変性のポリフッ化ビニリ
デン樹脂とフッ化ビニリデン系共重合体から選ばれる少
なくとも1種類の樹脂を99〜1重量部の割合で混合し
て用いてもよい。
【0028】本発明で用いる樹脂Bとして好ましいポリ
マーとしては、ジエン系ポリマー、オレフィン系ポリマ
ー、スチレン系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポ
リアミド系あるいはポリイミド系ポリマー、エステル系
ポリマー、セルロース系ポリマー等が挙げられ、具体的
には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、イソプレン−
イソブチレン共重合体、天然ゴム、スチレン−1,3−
ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、
1,3−ブタジエン−イソプレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−1,3−ブタジエン−イソプレン共
重合体、1,3−ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン
−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル−1,3−ブタジエン−イタコン酸共重合体、ス
チレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタ
クリル酸メチル−フマル酸共重合体、スチレン−1,3
−ブタジエン−イタコン酸−メタクリル酸メチル−アク
リロニトリル共重合体、アクリロニトリル−1,3−ブ
タジエン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−1,3−ブタジエン−イタコン酸−メタ
クリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル
酸メチル−フマル酸共重合体などのジエン系ポリマー;
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エ
チレン系アイオノマー、ポリビニルアルコール、酢酸ビ
ニル重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩
素化ポリエチレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、クロロスルホン化ポリエチレンなどオレフィン系ポ
リマー;スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−ブタジエン−プロピレン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸n−ブチル
−イタコン酸−メタクリル酸メチル−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−アクリル酸n−ブチル−イタコン
酸−メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体な
どのスチレン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポ
リブチルアクリレート、アクリレート−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル
酸メチル−アクリル酸−メトキシポリエチレングリコー
ルモノメタクリレートなどのアクリレート系ポリマー;
ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリ
アミド12、芳香族ポリアミド、ポリイミドなどのポリ
アミド系又はポリイミド系ポリマー;ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのエステ
ル縮合系ポリマー;カルボキシメチルセルロース、カル
ボキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
カルボキシエチルメチルセルロース等のセルロース化合
物(これらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩類
を含む);スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ス
チレン−ブタジエン−スチレン・ブロック共重合体、ス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロック共重
合体、スチレン−イソプレン・ブロック共重合体、スチ
レン−エチレン−プロピレン−スチレン・ブロック共重
合体等のブロック共重合体;その他メチルメタクリレー
ト重合体などが挙げられる。また、これらのポリマーは
単独でも、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0029】上記樹脂Bとして用いるポリマーは、スラ
リー中で大部分または全部が粒子状に分散するものであ
り、その粒径(分散媒乾燥後、電子顕微鏡で100個の
粒子の長径と短径とを測定し、その平均値をとる)は、
通常0.005〜100μm、好ましくは0.01〜5
0μm、更に好ましくは0.05〜30μmである。粒
径が大きすぎると結着剤として使用する場合に、活物質
と接触しにくくなり、電極の内部抵抗が増加する。小さ
すぎると必要な結着剤の量が多くなりすぎ、活物質の表
面を被覆してしまう。
【0030】樹脂Bは電極作製に用いるN−メチルピロ
リドン(NMP)などの溶媒に完全あるいは部分的に不
溶であり、不溶解部分の含量は、通常50%以上、好ま
しくは75%以上、より好ましくは80%以上である。
なお、本発明において、不溶解含量はNMP不溶分とし
て算出され、具体的には1gのポリマーを100℃で2
4時間乾燥させ、ポリマー乾燥重量を測定後、このポリ
マーを25℃で、NMP 100gに24時間浸漬し、
200メッシュのふるいにかけ、ふるいの上に残留した
固形物を乾燥させ、重量を測定し、(ふるい上の残留固
形物乾燥重量/ポリマー乾燥重量)×100の計算式か
ら算出した値である。不溶解含量が50%より少ない
と、少ない結着剤量で、十分な結着性と柔軟性を得るこ
とができない。
【0031】上述したポリマーの不溶解含量が50%未
満の場合には、架橋すればよい。架橋は熱、光、放射
線、電子線などによる自己架橋であってもよいし、架橋
剤を用いて架橋構造を導入するものであってもよく、ま
たこれらの組み合わせであってもよい。
【0032】架橋剤としては、ベンゾイルペルオキシ
ド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオ
キシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘ
キシン−3,1,4−ビス(tert−ブチルペルオキ
シドジプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、
tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3,2,5−トリメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾ
エート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、t
ert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチル
ペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピ
パレート、クミルペルピパレート、tert−ブチルペ
ルジエチルアセテートなどのパーオキサイド系架橋剤や
アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレ
ートなどのアゾ化合物;エチレンジグリコールジメタク
リレート、ジエチレンジグリコールジメタクリレートな
どのジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパン
トリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合物;
ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレートなどのジアクリレート化
合物;トリメチロールプロパントリアクリレートなどの
トリアクリレート化合物;ジビニルベンゼンなどのジビ
ニル化合物;などの架橋性モノマー等が例示されるが、
エチレンジグリコールジメタクリレートなどのジメタク
リレート化合物やジビニルベンゼンなどのジビニル化合
物などの架橋性モノマーを用いるのが好ましい。
【0033】本発明で樹脂Bに使用されるポリマーは上
述の如きポリマーの他、ゲル含量が50%以上のポリマ
ーとしてフッ素ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチ
レン、ポリフッ化ビニル、エチレン−クロロトリフルオ
ロエチレン共重合体などの含フッ素ポリマーなどが挙げ
られる。また、これらのポリマーにおいて、重合時に少
量の極性基を有するモノマーを共重合したり、重合後、
化学変性を行いことにより極性基を導入することによ
り、集電体との接着性と電極活物質の結着性を向上させ
ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】さらに、本発明のフッ素系接着性
樹脂組成物は、集電体の表面に少なくとも電極活性物質
と結着剤からなる電極構成物質層が形成されている電池
用電極構造体の結着剤に応用することができ、これによ
り電極活性物質と集電体との接着性が改善され、電池の
製造の途中での電極活性物質の集電体からの脱落を防止
できるばかりでなく、最終的にサイクル特性が改善され
た電池用電極が得られるようになる。特に、非水系の二
次電池、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の結着
剤として有用である。
【0035】この場合、電極の集電体としては、金属
箔、金属メッシュ、三次元多孔体等があるが、この集電
体に用いる金属としては、リチウムと合金ができ難い金
属が望ましく、特に、鉄、ニッケル、コバルト、銅、ア
ルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガンが
単独、あるいはこれらの合金が用いられる。
【0036】電極活性物質のうち負極活性物質として
は、リチウムイオンをドーピング、脱ドーピングし得る
材料であればよい。このような材料として、石油系コー
クスや炭素系コークスなどのコークス材料、天然あるい
は合成グラファイト、ガラス状炭素、炭素繊維、有機高
分子を非酸化性雰囲気中で焼成して得られる有機高分子
焼成体等の炭素質材料がある。
【0037】正極活性物質としては、マンガン酸化物、
五酸化バナジウムのような遷移金属酸化物、硫化鉄、硫
化チタンのような遷移金属酸化物、さらにこれらとリチ
ウムとの複合化合物(例えば、リチウムコバルト複合酸
化物、リチウムコバルトニッケル複合酸化物、リチウム
マンガン酸化物)などが用いられる。
【0038】電極を作製するプロセス例として、所定量
の電極活性物質、および結着剤として上記の結着剤組成
物を溶媒の存在下で混練して得られたスラリーを電極集
電体に塗布した後、乾燥後、必要に応じてプレスして電
極が得られる。この場合、スラリーを塗布後、必要に応
じて、60〜250℃、さらに望ましくは80〜200
℃で、1分間〜10時間、加熱処理することが望まし
い。電極構成物質層には、必要に応じて、導電性付与剤
やその他添加剤(酸化銅等)等を添加してもよい。
【0039】ここで、電極集電体に塗布するスラリーを
得るために用いられる溶媒としては、N−メチルピロリ
ドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセ
トン、メチルエチルケトン等の有機溶媒や水であればよ
く、これらを単独で用いても、混合して用いてもよい。
これらのうち、N−メチルピロリドンが特に好んで用い
られる。また、必要に応じて分散剤を添加してもよい。
この場合、ノニオン系の分散剤が好んで用いられる。
【0040】また、電極活性物質に添加する結着剤の量
は、電極活性物質100重量部に対して、0.5〜40
重量部であることが望ましく、さらに望ましくは1〜2
0重量部である。この結着剤の最適量は電池や電極の型
によって異なるが、結着剤の接着性を高めることにより
使用量を減らすことが可能となる。
【0041】以上の様にして作製された負極構造体と陽
極構造体とを、透液性のセパレータ(例えば、ポリエチ
レンあるいはポリプロピレン製の多孔性フィルム)を間
に介して、配置し、これに非水系の電解液を含浸せしめ
ることにより非水系二次電池が形成される。また、両面
に活性層が形成された負極構造体/セパレータ/両面に
活性層が形成された正極構造体/セパレータからなる積
層体をロール状(渦巻状)に巻回して得られる構造体を
有底の金属ケーシングに収容し、負極を負極端子に、正
極を正極端子に接続し、電解液を含浸せしめた後、ケー
シングを封止することにより筒状の二次電池が得られ
る。
【0042】ここで使用される電解液としては、例え
ば、リチウムイオン二次電池の場合、電解質としてのリ
チウム塩を1M程度の濃度で非水系有機溶媒に溶解した
ものが用いられる。ここで、リチウム塩として、LiP
6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiSO
3CF3、Li[(SO2CF32N]などがある。ま
た、非水系有機溶媒としては、例えば、プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシ
エタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
トなどが単独であるいは二種類以上を混合して用いられ
る。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0044】
【合成例1】米国特許US 4 025 709に記載さ
れている乳化重合法によりポリフッ化ビニリデン(PV
DF)ラテックス(ラテックス1)を合成した。このラ
ッテクスはPVDFを42重量%含有し、これを乾燥し
て得られた樹脂は、230℃、5kg荷重下でのメルト
・インデックス(MI)が0.2g/10分であった。
また、樹脂濃度8%のNMP溶液に対してE型粘度計に
て測定した粘度は1.3Pa・sであった。
【0045】
【合成例2】合成例1と同様に、乳化重合法によりフッ
化ビニリデンと六フッ化プロピレン(HFP)からなる
共重合体で、HFP含有量が11重量%、融点が142
℃、および230℃、5kg荷重下でのメルト・インデ
ックス(MI)が0.3g/10分である樹脂の固形分
含量が11%のラテックス(ラテックス2)を得た。ま
た、樹脂濃度8%のNMP溶液に対してE型粘度計にて
測定した粘度は0.6Pa・sであった。
【0046】
【合成例3】水酸化ナトリウムを15重量%含有する水
溶液7.2kgを20リットルの容器に入れ、70℃に
加温した。これに上記合成例1で得られたラテックス1
の7.2kgを、180rpmで攪拌下、0.72 k
g/分の速度で添加した。直ちに、脱フッ化水素反応が
起こり、褐色のPVDFの凝集体が得られた。これを同
じ温度で攪拌下放置すると、時間とともにPVDF凝集
体の色は濃くなった。
【0047】上記の水酸化ナトリウムによる脱フッ化水
素反応を30分間行った後、続けて懸濁状態のまま、7
0℃に保ち、36%の塩酸を約2.5kg添加し、pH
を5とした。この後、35%の過酸化水素1.68kg
を0.4 kg/分の速度で添加した。さらに続けて、
15%の水酸化ナトリウム水溶液を添加しpHを6.6
〜7.6の範囲に調整した。必要量の同じ水酸化ナトリ
ウム水溶液を添加しながら、このpH範囲にPVDF懸
濁液を所定の時間保ち、酸化反応を行った。PVDF凝
集体は、時間と共に徐々に脱色され、最終的に淡黄色と
なった。この酸化処理を150分間行った後、凝集体分
散液をろ別し、蒸留水にて十分に洗浄を行った後、10
5℃で乾燥し、粉体を得た。
【0048】得られた粉体をNMPに溶解して調整した
樹脂濃度0.1重量%の溶液の300nmでの吸光度を
測定したところ、0.19という値が得られた。また、
樹脂濃度8%のNMP溶液に対してE型粘度計にて測定
した粘度は1.2Pa・sであった。
【0049】
【合成例4】合成例2で得られたラテックスを用いて、
合成例3と同様に、水酸化ナトリウム水溶液による脱フ
ッ化水素の反応時間を230分間、過酸化水素水による
酸化反応の時間を75分間行い、変性フッ化ビニリデン
系共重合体樹脂を得た。得られた樹脂をNMP中に溶解
して得られた0.1重量%の溶液の300nmでの吸光
度は0.154であった。また、樹脂濃度8%のNMP
溶液に対してE型粘度計にて測定した粘度は0.7Pa
・sであった。
【0050】
【合成例5】合成例1と同様な乳化重合法により、重合
開始剤の量を合成例1よりも多く使用し、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)ラテックス(ラテックス1)を合
成した。このラッテクスはPVDFを45重量%含有
し、これを乾燥して得られた樹脂は、230℃、5kg
荷重下でのメルト・インデックス(MI)が0.4g/
10分であった。また、樹脂濃度8%のNMP溶液に対
してE型粘度計にて測定した粘度は0.2Pa・sであ
った。
【0051】
【参考例1〜4】合成例1〜4で得られたフッ素系樹脂
それぞれを、N−メチルピロリドン(NMP)に溶解し
て樹脂濃度が10重量%の溶液を調製した。それぞれの
溶液を厚さ1mmのアルミニウム板および銅板に塗布
し、120℃で1時間放置した後、減圧乾燥を行なっ
た。塗布面を1mm間隔でカットし、碁盤目試験(JI
S K5400 6・15に準ずる)を行ったところ、
ポリマー塗布層の付着残留率は、合成例1と2で得られ
た未変性の樹脂においては、30%〜50%であり、合
成例3〜6で得られた変性フッ化ビニリデン系樹脂にお
いては、いずれもアルミニウムおよび銅板とも100%
であった。さらにテープ剥離試験を行ったところ、上記
の未変性の樹脂においては、0%〜20%であり、変性
フッ化ビニリデン系樹脂においては、いずれにおいて
も、付着残留率は、アルミニウム板上、銅板上共に10
0%であった。上記の変性フッ化ビニリデン系樹脂組成
物と金属板との接着性が未変性物に比べて勝れているこ
とが確認された。
【0052】
【実施例1】合成例1で得られたフッ素系樹脂10gを
N−メチルピロリドン(NMP)170gに溶解して得
た溶液に、スチレン(40重量部)、ブタジエン(35
重量部)、メタクリル酸メチル(20重量部)、および
アクリロニトリル(5重量部)からなり、平均粒径が
0.15μm、NMP不溶解含量が95%の粉体状樹脂
20gを投入し、ホモジナイザーを用いて分散を行い、
結着剤分散液を作製した。
【0053】負極活性物質担持体として石炭ピッチコー
クスをボールミルで粉砕したもの96gを上記の結着剤
分散液33gを混合し、少量のNMPを添加してスラリ
ー粘度を調製し、負極スラリー(ペースト)を作製し
た。このスラリーを、集電体としての厚さ20μmの銅
箔の片面に塗布し、130℃で15分間乾燥し、厚さ1
10μm、幅20mmの電極構造体(負極として用いら
れる)を作製した。
【0054】この電極表面の電極活性層に粘着テープを
接着し、引っ張り試験機により集電体と電極活性層との
接着強度を測定したところ20g重/cmであった。さ
らに、直径1mmのシリンダーにロール状に巻き付けて
行う接着性試験において、電極活性層の剥離は全く認め
られなかった。このように、電極活性物質と集電体との
接着性および電極の柔軟性は電池を製造するプロセスに
おいて問題のないレベルであった。さらに、電極をエチ
レンカーボネート中に浸漬し、60℃で3日間放置して
も電極活性層の剥離は全く認められなかった。
【0055】正極活性物質としてのLiCoO2を94
g、導電剤としてのアセチレンブラックを3g、および
上述の結着剤分散液を20g混合し、適量のNMPを添
加し、スラリー(ペースト)状にした。このスラリー
を、集電体としての厚さ20μmのアルミニウム箔の片
面に塗布し、130℃で15分間乾燥し、厚さ100μ
m、幅20mmの電極構造体(正極として用いられる)
を作製した。集電体と電極活性層との接着強度は25g
重/cmであった。また、直径1mmのシリンダーにロ
ール状に巻き付けて行う接着性試験において、電極活性
層の剥離は全く認められなかった。さらに、電極をエチ
レンカーボネート中に浸漬し、60℃で3日間放置して
も電極活性層の剥離は全く認められなかった。
【0056】
【実施例2】実施例1において、フッ素系樹脂を、合成
例3で得られた変性ポリフッ化ビニリデン樹脂とした他
は、実施例1と同様に結着剤分散液を作製し、これを用
いて、実施例1と同様に負極と正極を得た。
【0057】実施例1と同様に集電体と電極活性層との
接着強度を測定したところ、負極および正極についての
測定値は、それぞれ、50g重/cmおよび55g重/
cmであった。さらに、直径1mmのシリンダーにロー
ル状に巻き付けて行う接着性試験において、いずれの電
極においても、活性層の剥離は全く認められなかった。
このように、電極活性物質と集電体との接着性は、実施
例1よりも改善された。さらに、電極をエチレンカーボ
ネート中に浸漬し、60℃で3日間放置しても電極活性
層の剥離は全く認められなかった。
【0058】
【実施例3】合成例2で得られたフッ素系樹脂10gを
N−メチルピロリドン(NMP)270gに溶解して得
た溶液に、スチレン(30重量部)、1,3−ブタジエ
ン(40重量部)、メタクリル酸メチル(30重量
部)、およびジビニルベンゼン(2重量部)からなり、
平均粒径が0.2μm、NMP不溶解含量が97%の粉
体状樹脂20gを投入し、ホモジナイザーを用いて分散
を行い、結着剤分散液を作製した。
【0059】この結着剤分散液を用いて、実施例1と同
様に負極と正極を作製し、実施例1と同様に集電体と電
極活性層との接着強度を測定したところ、負極および正
極についての測定値は、それぞれ、23g重/cmおよ
び25g重/cmであった。さらに、直径1mmのシリ
ンダーにロール状に巻き付けて行う接着性試験におい
て、いずれの電極においても、活性層の剥離は全く認め
られなかった。このように、電極活性物質と集電体との
接着性と柔軟性は、電池を製造するプロセスにおいて問
題のないレベルであった。
【0060】
【実施例4】合成例1で得られたポリフッ化ビニリデン
樹脂5gと合成例4で得られた変性フッ化ビニリデン系
共重合体樹脂5gとをN−メチルピロリドン(NMP)
270gに溶解して得た溶液に、スチレン(30重量
部)、1,3−ブタジエン(40重量部)、メタクリル
酸メチル(30重量部)、およびジビニルベンゼン(2
重量部)からなり、平均粒径が0.2μm、NMP不溶
解含量が97%の粉体状樹脂20gを投入し、ホモジナ
イザーを用いて分散を行い、結着剤分散液を作製した。
【0061】この結着剤分散液を用いて、実施例1と同
様に負極と正極を作製し、実施例1と同様に集電体と電
極活性層との接着強度を測定したところ、負極および正
極についての測定値は、それぞれ、53g重/cmおよ
び55g重/cmであった。さらに、直径1mmのシリ
ンダーにロール状に巻き付けて行う接着性試験におい
て、いずれの電極においても、活性層の剥離は全く認め
られなかった。このように、電極活性物質と集電体との
接着性は、実施例3の場合よりも改善された。
【0062】
【比較例1】NMP90gに、合成例1で得られたポリ
フッ化ビニリデン10gを溶解して、結着剤溶液を作製
した。この結着剤溶液を用いた他は、実施例1と同様に
負極および正極を作製した。実施例1と同様に集電体と
電極活性層との接着強度を測定したところ、負極および
正極についての測定値は、それぞれ、5g重/cmおよ
び6g重/cmと低い値であった。また、直径1mmの
シリンダーによるロール巻き付試験においては、電極活
性層の剥離が認められ、60℃のエチレンカーボネート
中への浸漬試験では、かなりの電極活性層の剥離が起こ
った。
【0063】
【比較例2】実施例1において、フッ素系樹脂を、合成
例5で得られたポリフッ化ビニリデン樹脂とした他は、
実施例1と同様に結着剤分散液を作製し、これを用い
て、実施例1と同様の方法で負極と正極の作製を試みた
が、厚さの均一な電極が得られず、実施例1と同様に集
電体と電極活性層との接着強度を測定したところ、負極
および正極についての測定値は、それぞれ、3g重/c
mおよび5g重/cmと低い値であった。また、直径1
mmのシリンダーによるロール巻き付試験においては、
電極活性層の剥離が認められ、60℃のエチレンカーボ
ネート中への浸漬試験では、かなりの電極活性層の剥離
が起こった。
【0064】
【発明の効果】本発明の特定の有機溶媒に溶解するフッ
素系樹脂と該有機溶媒に完全あるいは部分的に不溶解の
樹脂とからなる結着剤組成物をリチウムイオン電池の電
極の結着剤に使用すれば、少ない結着剤量で十分な電極
層と集電体との接着強度を得ることができ、柔軟性に優
れた電極構造体の作製が可能となる。これにより、電池
製造時における電極活性物質と集電体との剥離を防止で
きるばかりでなく、充放電の繰り返しにより放電容量が
劣化しない二次電池が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/16 C08L 27/16 27/22 27/22 101/00 101/00 (72)発明者 ブノア バリエール フランス国、27470 セルキニ アトフィ ナ SA セントル デチュード ド ル シェルシェ エ ド デベロプモン内 (72)発明者 マイケル T. バーチル アメリカ合衆国、19047 ペンシルバニア 州 ラングホーン ハンプトン ドライブ 83 Fターム(参考) 4J002 AB01Y AB02Y AB03Y AC01Y AC03Y AC06Y AC07Y AC08Y BB03Y BB06Y BB12Y BB15Y BB18Y BB24Y BB27Y BC03Y BC05Y BD14W BE03Y BG01Y BG04Y BG05Y BG06Y BG10Y BH01Y BN15Y BN20X BP01Y CF06Y CF07Y CL01Y CL03Y FD110 GQ02 4J100 AC24P AC25Q AC26Q AC27Q AC31Q CA04 HA01 HA25 HB34 HB37 HB39 HB43 HC42 HC45 HC63 HC75 JA45 5H050 AA14 BA17 CA02 CA07 CA08 CA09 CA11 CB07 CB08 CB09 DA11 EA24 EA28 HA01 HA10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定の有機溶媒に溶解するフッ素系樹脂A
    と該有機溶媒に完全あるいは部分的に不溶解の樹脂Bか
    らなり、フッ素系樹脂Aが、N−メチルピロリドンに溶
    解して得た樹脂濃度8重量%の溶液の粘度が0.3Pa
    ・s〜20Pa・sであるフッ素系ポリマーA1と極性
    基が導入されたフッ素系ポリマーA2から選ばれる少な
    くとも1種類のポリマーから構成され、A/Bの比が重
    量比で99/1〜1/99である結着剤組成物。
  2. 【請求項2】フッ素系ポリマーA1がポリフッ化ビニリ
    デン樹脂である範囲1記載の結着剤組成物。
  3. 【請求項3】フッ素系ポリマーA2が極性基が導入され
    た変性ポリフッ化ビニリデン樹脂である特許請求の範囲
    1記載の結着剤組成物。
  4. 【請求項4】フッ素系樹脂Aがポリフッ化ビニリデン樹
    脂と極性基が導入された変性ポリフッ化ビニリデン樹脂
    との混合物である範囲1記載の結着剤組成物。
  5. 【請求項5】フッ素系ポリマーA1が、四フッ化エチレ
    ン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレン、および三
    フッ化塩化エチレンから選ばれる少なくとも1種類のモ
    ノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体であり、該共重
    合体中のフッ化ビニリデン成分の比率が50〜98重量
    %のフッ化ビニリデン系共重合体である特許請求の範囲
    1あるいは3記載の結着剤組成物。
  6. 【請求項6】フッ素系ポリマーA2が、四フッ化エチレ
    ン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレン、および三
    フッ化塩化エチレンから選ばれる少なくとも1種類のモ
    ノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体に極性基が導入
    された変性フッ化ビニリデン系共重合体である特許請求
    の範囲1、2あるいは5記載の結着剤組成物。
  7. 【請求項7】フッ素系ポリマーA2として、N−メチル
    ピロリドンに溶解して得た樹脂濃度8重量%の溶液の粘
    度が0.2Pa・s〜20Pa・sである極性基が導入
    されたフッ素系ポリマーを用いる特許請求の範囲1〜6
    記載の結着剤組成物。
  8. 【請求項8】フッ素系樹脂Aが、極性基が導入された変
    性ポリフッ化ビニリデン樹脂と請求項6記載の変性フッ
    化ビニリデン系共重合体から選ばれる少なくとも1種類
    の樹脂を1〜99重量部、未変性のポリフッ化ビニリデ
    ン樹脂と請求項5記載のフッ化ビニリデン系共重合体か
    ら選ばれる少なくとも1種類の樹脂を99〜1重量部か
    らなる混合物である範囲1および7記載の結着剤組成
    物。
  9. 【請求項9】変性ポリフッ化ビニリデン樹脂がポリフッ
    化ビニリデン樹脂を部分脱弗化水素および酸化反応を施
    して得られた樹脂である特許請求の範囲3〜5、7およ
    び8記載の結着剤組成物。
  10. 【請求項10】変性フッ化ビニリデン系共重合体が請求
    項5記載のフッ化ビニリデン系共重合体を部分脱弗化水
    素および酸化反応を施して得られた樹脂である特許請求
    の範囲6〜8記載の結着剤組成物。
  11. 【請求項11】樹脂Bが化学的に架橋されたエラストマ
    ーである特許請求の範囲1〜10記載の結着剤組成物。
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