JP2002244303A - シャドウマスクの製造方法 - Google Patents

シャドウマスクの製造方法

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JP2002244303A
JP2002244303A JP2001045733A JP2001045733A JP2002244303A JP 2002244303 A JP2002244303 A JP 2002244303A JP 2001045733 A JP2001045733 A JP 2001045733A JP 2001045733 A JP2001045733 A JP 2001045733A JP 2002244303 A JP2002244303 A JP 2002244303A
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JP2001045733A
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Shoichi Nagai
昇一 永井
Masaji Sotomi
正司 外海
Hiroaki Nishikubo
宏昭 西窪
Takaharu Cho
隆治 長
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】シャドウマスク製品におけるムラ不良の発生を
防止することができるシャドウマスクの製造方法を提供
する。 【解決手段】 帯状金属薄板Wの両面のレジスト膜R
1,R2に一対のパターン板P1,P2が吸引密着され
た状態で、光の方向が一定に揃って互いにほぼ平行な光
L1,L2が、一対のパターン板P1,P2を介して帯
状金属薄板Wの両面のレジスト膜へ照射される。なお、
平行光L1,L2は一対のパターン板P1,P2および
帯状金属薄板Wのレジスト膜R1,R2に対してほぼ垂
直に入射している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属薄板の両面
に形成されたレジスト膜に対し、互いに異なるパターン
が形成された一対のパターン板を介して光を照射し、レ
ジスト膜にパターンを焼付ける焼付け処理を含むシャド
ウマスクの製造方法に関し、特に、高品質のカラー受像
管用のシャドウマスクを長尺の金属薄板からフォトリソ
エッチング法を利用して製造する場合に好適に使用され
るシャドウマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、民生用のカラー受像管に用いら
れるスロットタイプのシャドウマスクは、たとえば、以
下のようにして製造される。まず、インバー材またはア
ルミキルド材からなる帯状金属薄板を軸に巻き取ってロ
ール状にし、このロール状の帯状金属薄板を順に巻き出
してその長手方向に搬送しつつ、後述するようなフォト
リソエッチング工程の処理を順次施すことによって、電
子ビームを通過させるための複数のスロット状(細長孔
状)の貫通孔(以下、透孔という)がほぼ矩形の範囲内
に形成され、この矩形の範囲が帯状金属薄板から剥ぎ取
られてシャドウマスク製品が完成する。
【0003】フォトリソエッチング工程においては、大
略的に、帯状金属薄板の両面に感光性を有するレジスト
膜を形成するレジスト塗布処理、このレジスト膜に所定
の透孔のパターン画像(以下、透孔パターンという)を
焼付ける焼付け処理、レジスト膜を現像してレジスト膜
の透孔パターンに対応する部分を除去する現像処理、レ
ジスト膜が除去された部分をエッチングして帯状金属薄
板に複数の透孔を形成するエッチング処理、および、帯
状金属薄板表面に残留するレジスト膜を除去するレジス
ト剥離処理などの処理が順に行われる。
【0004】ここで、上記フォトリソエッチング工程の
うちのエッチング処理においては、一般に、帯状金属薄
板の両面にエッチング液を噴射して、両面に形成される
窪み同士を繋いで貫通させることによって、複数の透孔
を形成している。また、このエッチング処理において形
成された透孔は、いずれか一方の面の方が他方の面より
大きく開口しており、この一方の面がある側を「大孔
側」、他方の面がある側を「小孔側」と呼ばれている。
【0005】ところで、上記フォトリソエッチング工程
のうちの焼付け処理においては、帯状金属薄板をその長
手方向へ搬送しながら、レジスト膜が形成された帯状金
属薄板の両面に対して、所定の透孔パターンが形成され
た一対のパターン板を真空密着させた状態で光を照射
し、帯状金属薄板両面のレジスト膜にそれぞれ所定の透
孔パターンを焼付ける。
【0006】そして、一般的に、帯状金属薄板両面のレ
ジスト膜へ照射される光は、点光源または棒状光源等か
ら発せられた光を反射板によって拡散反射されてできる
散乱光(光の方向が一定でない光)となっている。
【0007】また、一対のパターン板としては、PV
A、カゼイン等に重クロム酸塩、ジアゾニウム塩等を含
む感光性樹脂が透孔パターンとしてガラス板の表面に凸
状に形成されたレリーフ状パターン板が用いられてい
る。また、通常、この凸状の感光性樹脂の欠損を防止す
るために、感光性樹脂は透明な薄いシリコン保護膜で被
覆されている。したがって、このレリーフ状パターン板
の表面(レジスト膜に密着される側の面)は凸凹状にな
っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
BSデジタルテレビ放送に代表されるHDTV(High-D
efinition-Television:高品位テレビ)に対応するた
め、そのカラー受像管に内蔵されるシャドウマスク製品
はさらに高精細なものが要求されており、従来のシャド
ウマスクの製造方法では対応するのが困難となってき
た。すなわち、高精細化にともなってシャドウマスクの
透孔の孔径(スロット幅)が従来より小さくなってくる
ため、具体的には、スロット幅がシャドウマスクの板厚
の70%以下になるため、この透孔の孔径の寸法精度を
従来よりも向上させなければならないという課題が生じ
てきた。
【0009】なお、この透孔の孔径の寸法精度が悪く、
複数の透孔の孔径間のバラツキ(不均一)が大きくなる
と、複数の透孔同士の孔径の微妙な差が全体として斑状
に見えてしまう不良、いわゆる「ムラ不良」が発生する
という問題がある。
【0010】さらに、シャドウマスクをカラー受像管に
組み込んだ際に電子ビームが当る部分がドーム状に膨れ
て色表現が悪化する現象、いわゆるドーミング現象を抑
えるために、近年はシャドウマスクの板厚を0.20m
m以上にすることが一般的になりつつあるが、このよう
に板厚を厚くすると、エッチング処理時のエッチング量
およびエッチング時間が増えてしまうので、エッチング
処理時における透孔の孔径の制御が非常に困難となって
しまう。そして、これが原因でも上述のムラ不良が発生
する。
【0011】ところが、本願発明者の実験研究によれ
ば、上述した従来の焼付け処理では散乱光とシリコン保
護膜付のレリーフ状パターン板との組合わせで焼付けが
行われているので、帯状金属薄板に照射される光の方向
が一定せず、さらにパターン板表面のシリコン保護膜で
光が屈折してしまうために、レジスト膜に焼付けられた
透孔パターンの輪郭部が鈍くなってぼやけてしまうこと
が判明し、従来の方法ではこれ以上、透孔の孔径の精度
を向上させることができないことがわかった。
【0012】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、焼付け処理を改善することで、エッ
チング処理後の透孔の孔径の寸法精度を向上させ、シャ
ドウマスク製品におけるムラ不良の発生を防止すること
ができるシャドウマスクの製造方法を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
金属薄板(W)の両面に形成されたレジスト膜(R1,
R2)に対し、互いに異なる透孔パターンが形成された
一対のパターン板(P1,P2)を介して光を照射し、
レジスト膜に透孔パターンを焼付ける焼付け処理を含む
シャドウマスクの製造方法において、上記焼付け処理に
おいて金属薄板の両面に照射される光は平行光(L1,
L2)であり、かつ、上記一対のパターン板は、透孔パ
ターンを有するハロゲン化銀含有乳剤層(Z1,Z2)
がガラス板(G1,G2)の表面に形成されたガラス乾
板からなることを特徴とするシャドウマスクの製造方法
である。
【0014】ただし、括弧内の英数字は、後述の実施形
態における対応構成要素等を表す。以下、この項におい
て同じである。
【0015】この請求項1に係る発明のシャドウマスク
の製造方法によると、金属薄板の両面に形成されたレジ
スト膜に、ガラス乾板からなる一対のパターン板を介し
て互いにほぼ平行な光が照射されることで、レジスト膜
に透孔パターンが焼付けられる。これにより、金属薄板
に照射される光の方向がほぼ一定となり、ガラス乾板の
ハロゲン化銀含有乳剤層の表面がほぼ平面であるので、
これらの協働作用により、金属薄板に照射される光が不
規則に屈折することがほとんどない。このため、レジス
ト膜に焼付けられた透孔パターンの輪郭部は鋭くくっき
りしたものとなり、したがって、引き続き現像処理を行
ってエッチング処理後の透孔の孔径の寸法精度を向上さ
せることができ、複数の透孔の孔径のバラツキが抑えら
れるので、シャドウマスク製品におけるムラ不良の発生
を良好に防止できる。
【0016】なお、ここでいう「平行光」とは、点光源
または棒状光源から発せられた散乱光を、凹面鏡やレン
ズ等のコリメート手段(12)によって互いにほぼ平行
に揃えられた光等を含む。すなわち、「平行光」とは、
太陽光のように元よりほぼ平行な光だけでなく、意図的
にほぼ平行に揃えられた光をも含む。また、ここでいう
「光」とは、可視光、紫外光、および赤外光のうちの少
なくともいずれかを含むものであり、シャドウマスクの
製造方法における焼付け処理おいては、一般に、紫外光
を主体とする光が用いられる。
【0017】また、ここでいう「ガラス乾板」とは、ガ
ラス板上にハロゲン化銀含有乳剤層が形成されたもので
あれば何でもよく、ハロゲン化銀含有乳剤層の表面に透
明なシリコン保護膜等の薄膜が形成されていても形成さ
れていなくてもよく、また、ハロゲン化銀含有乳剤層の
内部に粒子状のマット剤が混入されていても混入されて
いなくてもよい。なお、焼付け処理において、このガラ
ス乾板は、ハロゲン化銀含有乳剤層が形成されている側
の面が金属薄板に面して設置されるのが好ましい。
【0018】また、ここでいう「透孔パターン」とは、
電子ビーム通過用の複数の透孔に対応する形状の画像の
パターンのことであり、ガラス乾板のハロゲン化銀含有
乳剤層に形成されるものである。また、この透孔パター
ンは、複数のスロット状(細長孔状)の透孔がほぼ周期
的に配列された画像パターンや、ドット状(丸孔状)の
透孔がデルタ状(正三角形の頂点上)にほぼ周期的に配
列された画像パターン等を含む。
【0019】なお、請求項2に記載の発明のように、ド
ーミング現象を抑制するためにシャドウマスクの板厚を
0.20mm以上とするような場合等に、特に良好に適
用される。すなわち、シャドウマスクの板厚が0.20
mm以上と大きくなると、エッチング処理時における透
孔の孔径の制御が困難となるが、このような場合でも透
孔の孔径の寸法精度を十分に向上させることができ、複
数の透孔の孔径のバラツキが抑えられるので、シャドウ
マスク製品におけるムラ不良の発生を良好に防止でき
る。
【0020】また、請求項3に記載の発明のように、シ
ャドウマスクが、複数のスロット状の透孔が形成された
スロットタイプのシャドウマスクであって、カラー受像
管の高精細化の実現ために透孔のスロット幅を板厚の7
0%以下にするような場合に、特に良好に適用される。
すなわち、透孔のスロット幅が板厚の70%以下となる
までスロット幅が小さくなると、透孔のスロット幅寸法
に対するスロット幅の変動の割合が大きくなるため、ム
ラ不良が目立つようになるが、このような場合でも透孔
の孔径(スロット幅)の精度を向上させ、シャドウマス
ク製品におけるムラ不良の発生を抑制できる。
【0021】なお、ここでいう「スロット」とは、長方
形状または長楕円状を含む細長孔状の透孔のことを指
し、「スロット幅」とは、このスロットの短辺方向また
は短軸方向の幅を指す。
【0022】次に、請求項4に係る発明は、請求項1か
ら3までのいずれかに記載のシャドウマスクの製造方法
において、上記焼付け処理は、ガラス乾板のハロゲン化
銀含有乳剤層の表面をレジスト膜に直接密着させた状態
で、レジスト膜に対して光を照射するものであることを
特徴とするシャドウマスクの製造方法である。
【0023】この請求項4に係る発明のシャドウマスク
の製造方法によると、ハロゲン化銀含有乳剤層の表面が
レジスト膜に直接密着され得るようなガラス乾板、すな
わち、ハロゲン化銀含有乳剤層の表面にシリコン保護膜
等の薄膜が形成されていないガラス乾板、を介して、レ
ジスト膜に対して光が照射される。これにより、シリコ
ン保護膜等の薄膜の表面で光が屈折することがないの
で、レジスト膜に焼付けられた透孔パターンの輪郭部は
さらに鋭くくっきりしたものとなる。したがって、エッ
チング処理後の透孔の孔径の寸法精度をより向上させる
ことができ、複数の透孔の孔径のバラツキがさら抑えら
れるので、シャドウマスク製品におけるムラ不良の発生
をさらに良好に防止できる。
【0024】なお、ガラス乾板のハロゲン化銀含有乳剤
層の内部には、上述のマット剤が混入されていてもよい
し混入されていなくてもよい。また、ハロゲン化銀含有
乳剤層の表面をレジスト膜に直接密着させる方法として
は、ハロゲン化銀含有乳剤層の表面とレジスト膜との間
の空気を吸引手段(24)等により吸引するのが好まし
い。
【0025】請求項5に係る発明は、請求項1から4ま
でのいずれかに記載のシャドウマスクの製造方法におい
て、上記焼付け処理における平行光は、ガラス乾板に対
してほぼ垂直に入射されるものであることを特徴とする
シャドウマスクの製造方法である。
【0026】この請求項5に係る発明のシャドウマスク
の製造方法によると、平行光がガラス乾板のガラス板に
対してほぼ垂直に入射した後、ハロゲン化銀含有乳剤層
を通過して、帯状金属薄板のレジスト膜に達する。これ
により、ガラス板、ハロゲン化銀含有乳剤層、およびレ
ジスト膜に対する光の入射角度が常にほぼ90°に維持
されるので、ガラス板とハロゲン化銀含有乳剤層との境
界面、もしくはハロゲン化銀含有乳剤層とレジスト膜と
の境界面で光が屈折することがない。このため、レジス
ト膜に焼付けられた透孔パターンの輪郭部はさらに鋭く
くっきりしたものとなり、したがって、エッチング処理
後の透孔の孔径の寸法精度を向上させることができ、複
数の透孔の孔径のバラツキを抑えられるので、シャドウ
マスク製品におけるムラ不良の発生をさらに良好に防止
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図1および図2を参照しながら説明する。図1
は、この発明の一実施形態に係る、シャドウマスクの製
造工程のうちの焼付け処理で用いられる帯状金属薄板の
両面焼付け装置の概略構成を模式的に示す正面図であ
る。また、図2は、この発明の一実施形態に係る、パタ
ーン板と帯状金属薄板の密着関係を示す断面図である。
なお、この一実施形態におけるシャドウマスクは、複数
のスロット状の透孔が形成されたスロットタイプのシャ
ドウマスクである。
【0028】図1に示すように、焼付け処理で用いられ
る両面焼付け装置は、金属薄板の両面に形成されたレジ
スト膜にそれぞれ、複数のスロット状(細長孔状)の透
孔がほぼ周期的に配列された透孔パターンを焼付けるも
のであり、長手方向(図1における紙面に対して直行す
る方向)へ間欠的に搬送される長尺の帯状金属薄板Wを
挟んでその上側および下側に設けられ、一対のパターン
板P1,P2を介して帯状金属薄板Wのレジスト膜に光
を照射する光照射部10と、帯状金属薄板Wを挟むよう
にその上面側および下面側にそれぞれ配置される一対の
パターン板P1,P2を支持するパターン板保持部20
とを備えている。
【0029】光照射部10は、紫外光を含む光を放つ棒
状の紫外線ランプ11,11と、一対のパターン板P
1,P2に対向するように設けられ、一対のパターン板
P1,P2と対向する側が凹面状に形成された凹面鏡1
2,12と、紫外線ランプ11,11から見て凹面鏡1
2,12とは反対側に配置されて紫外線ランプ11,1
1からの光を凹面鏡12,12のある方向へ導く背面反
射板13とを有している。なお、この背面反射板13
は、紫外線ランプ11,11からの光エネルギーをより
有効に利用するためのものであって、本発明において必
須の構成ではない。
【0030】また、パターン板保持部20は、一対のパ
ターン板P1,P2を重ねた状態で保持することがで
き、中央に開口部を有する四角形枠状の焼付け枠21
と、この焼付け枠21の外側上面と上側のパターン板P
1周縁部の下面との間をシールする環状の第1シール部
材22と、焼付け枠21の内側上面と下側のパターン板
P2周縁部の下面との間をシールする環状の第2シール
部材23と、一対のパターン板P1,P2と第1および
第2シール部材22,23とで囲まれる密閉空間に接続
されて該密閉空間内部を吸引する吸引ポンプ24とを有
している。
【0031】これらの構成により、パターン板保持部2
0によって帯状金属薄板Wの両面のレジスト膜に一対の
パターン板P1,P2が吸引密着された状態で、紫外線
ランプ2から発せられた光および紫外線ランプ2から発
せられて背面反射板13で反射された光が、凹面鏡12
で反射された後、一対のパターン板P1,P2を介して
帯状金属薄板Wの両面のレジスト膜へ照射される。そし
て、最終的にこの帯状金属薄板Wの両面のレジスト膜へ
照射される光L1,L2は、光の方向が一定に揃って互
いにほぼ平行な光L1,L2となり、また、この平行光
L1,L2は一対のパターン板P1,P2および帯状金
属薄板Wのレジスト膜面に対してほぼ垂直に入射してい
る。
【0032】次に、図2にパターン板P1,P2と帯状
金属薄板Wの密着関係を示す断面図を示す。この図2に
おいて、両面にレジスト膜R1,R2が形成された帯状
金属薄板Wを挟むように、その上面側にパターン板P1
が、下面側にパターン板P2が密着されている。そし
て、これら一対のパターン板P1,P2は、ソーダガラ
ス又は石英ガラスからなる透明のガラス板G1,G2
と、それぞれレジスト膜R1,R2に密着される側に形
成されてハロゲン化銀を含むゼラチン層Z1,Z2とで
構成された、いわゆるガラス乾板である。また、このゼ
ラチン層Z1,Z2は、ハロゲン化銀を含む乳剤の層で
あって、光L1,L2を透過しない遮光部A1,A2
と、光L1,L2を透過する透光部N1,N2とからな
る透孔パターンを有している。また、ゼラチン層Z1,
Z2のレジスト膜R1,R2に密着する側の表面はむき
出しの状態となっている。
【0033】なお、上面側の透光部N1よりも下面側の
透光部N2の方が大きくなっているのは、図2において
上側が小孔側、下側が大孔側となっているためである。
なお、ムラ不良の発生の抑制のためには、一般に、小孔
側の孔径(スロット幅)の寸法精度が大孔側よりも要求
される。
【0034】この図2のような状態で、光照射部10か
ら光L1,L2が照射されると、パターン板P1,P2
を介して透光部N1,N2に面するレジスト膜R1,R
2部分にのみ光L1,L2が到達する結果、そのレジス
ト膜R1,R2部分が露光されて透孔パターンが焼き付
けられる(焼付け処理)。なお、上述のように、平行光
L1,L2は、一対のパターン板P1,P2および帯状
金属薄板W両面のレジスト膜R1,R2に対してほぼ垂
直に入射している。
【0035】その後、この帯状金属薄板Wに対して、従
来の技術の項で説明したような現像処理、エッチング処
理、およびレジスト剥離処理が施された後、透孔が形成
された矩形の範囲が帯状金属薄板から剥ぎ取られてシャ
ドウマスク製品が完成する。ここで、このシャドウマス
ク製品の板厚(厚み)は、0.20mm以上の、たとえ
ば0.25mmとなっており、また、形成された透孔の
スロット幅は、板厚の70%以下の、たとえば70%
(0.175mm)または63%(0.157mm)など
となっている。
【0036】&lt一実施形態の効果&gt
【0037】以上の一実施形態に示したような焼付け処
理を含むシャドウマスクの製造方法によると、帯状金属
薄板Wの両面に形成されたレジスト膜R1,R2に、ガ
ラス乾板からなる一対のパターン板P1,P2を介して
互いにほぼ平行な光L1,L2が照射されて、レジスト
膜R1,R2に透孔パターンが焼付けられている。した
がって、エッチング処理が完了したシャドウマスク製品
のスロット幅の寸法精度を向上させることができ、複数
の透孔のスロット幅のバラツキが抑えられるので、シャ
ドウマスク製品におけるムラ不良の発生を良好に防止で
きる。また、シャドウマスクの板厚が0.20mm以上
と大きい場合であっても、シャドウマスク製品における
ムラ不良の発生を十分に防止できる。さらに、透孔のス
ロット幅が板厚の70%以下と細い場合であっても、シ
ャドウマスク製品におけるムラ不良の発生を十分に防止
できる。
【0038】また、ハロゲン化銀を含むゼラチン層Z
1,Z2の表面がレジスト膜R1,R2に直接密着され
得るようなガラス乾板としてのパターン板P1,P2、
すなわち、ゼラチン層Z1,Z2の表面にシリコン保護
膜等の薄膜が形成されていないパターン板P1,P2を
介して、レジスト膜R1,R2に対して光L1,L2が
照射される。したがって、シャドウマスク製品の透孔の
スロット幅の寸法精度を向上させることができ、シャド
ウマスク製品におけるムラ不良の発生をさらに良好に防
止できる。
【0039】また、平行光L1,L2がパターン板P
1,P2のガラス板G1,G2に対してほぼ垂直に入射
した後、ゼラチン層Z1,Z2を通過して、帯状金属薄
板Wのレジスト膜R1,R2に達する。これにより、ガ
ラス板G1,G2とゼラチン層Z1,Z2との境界面、
もしくはゼラチン層Z1,Z2とレジスト膜R1,R2
との境界面で光L1,L2が屈折することがない。した
がって、エッチング処理後の透孔のスロット幅の寸法精
度を向上させることができ、シャドウマスク製品におけ
るムラ不良の発生をさらに良好に防止できる。
【0040】&lt実験の結果&gt
【0041】ここで、本願発明者による実験の比較結果
(下の表1に示す)によると、従来のように散乱光とレ
リーフ状パターン板との組合わせで焼付け処理を行った
場合に比べて、本願に係る一実施形態のように平行光と
ガラス乾板のパターン板との組合わせで焼付け処理を行
った場合の方が、エッチング処理後の透孔の孔径の寸法
精度が向上し、シャドウマスク製品におけるムラ不良の
発生が著しく抑制されることが認められた。
【0042】
【表1】
【0043】この表1において、「現像後の小孔側孔
径」とは、正確には、焼付け処理し現像処理が終了した
直後の、帯状金属薄板表面のレジスト膜が除去されたス
ロット状の小孔側凹部の幅のことであり、「エッチング
後の孔径」とは、エッチング処理後の透孔のスロット幅
を示す。また、「レンジ」とは、測定値の分布範囲、す
なわち測定値の最大値と最小値との差のことである。な
お、本実験においては、現像後の小孔側孔径については
シャドウマスク製品相当部分の中央部81ヶ所を測定
し、エッチング後の孔径についてはシャドウマスク製品
部分の中央部120ヶ所を測定している。なお、シャド
ウマスク製品のムラ不良の検査では、通常、ムラ不良は
肉眼の官能検査により判定していたが、この表1の実験
結果から、現像後の小孔側孔径のバラツキが小さいと、
エッチング後の孔径のバラツキも小さくなり、それがシ
ャドウマスク製品のムラ品質と関連することが分かっ
た。すなわち、従来は検査者の肉眼に頼っていた定性的
なムラ不良の検査を定量的に行えることが分かった。
【0044】&lt他の実施形態&gt
【0045】以上、この発明の一実施形態について説明
したが、この発明は、さらに他の形態で実施することも
できる。たとえば、上述した一実施形態においては、棒
状光源としての紫外線ランプ11が用いられているが、
点光源としての球状の紫外線ランプを用いてもよい。
【0046】また、上述した一実施形態においては、紫
外線ランプ11から発せられた散乱光を、コリメート手
段としての凹面鏡12によって平行光L1,L2を作り
出しているが、凹面鏡12に替えて、凸レンズ、凹レン
ズ、またはフレネルレンズなどの他のコリメート手段を
用いてもよい。
【0047】また、上述した一実施形態においては、パ
ターン板P1,P2の一方面のハロゲン化銀含有乳剤層
としてのゼラチン層Z1,Z2の表面には薄膜は形成さ
れていないが、たとえば透明なシリコン保護膜等の薄膜
を形成して、ゼラチン層Z1,Z2を保護するようにし
てもよい。ただし、ムラ不良の発生をより抑制するため
には、上述の一実施形態のようにゼラチン層Z1,Z2
の表面に薄膜を形成しないことが好ましい。また、上述
した一実施形態においては、ゼラチン層Z1,Z2の内
部に粒子状のマット剤が混入されていないが、混入され
ていてもよい。
【0048】上述した一実施形態においては、パターン
板P1,P2に形成された透孔パターンは、複数のスロ
ット状(細長孔状)の透孔がほぼ周期的に配列された画
像パターンであるが、ドット状(丸孔状)の透孔がデル
タ状(正三角形の頂点上)にほぼ周期的に配列された画
像パターンであってもよい。
【0049】上述した一実施形態においては、平行光L
1,L2はガラス乾板からなるパターン板P1,P2に
対してほぼ垂直に入射されるようになっているが、必ず
しも垂直に入射されるのに限らず、斜めに入射するもの
であってもよい。ただし、斜めに入射した場合には、ガ
ラス板G1,G2とゼラチン層Z1,Z2との境界面、
もしくはゼラチン層Z1,Z2とレジスト膜R1,R2
との境界面で光L1,L2が屈折する恐れがあるため、
ムラ不良の発生をより抑制するためには、上述の一実施
形態のように平行光をガラス乾板に対して垂直に入射さ
せるのが好ましい。
【0050】
【発明の効果】請求項1に係る発明のシャドウマスクの
製造方法によると、エッチング処理後の透孔の孔径の寸
法精度を向上させることができ、複数の透孔の孔径のバ
ラツキを抑えられるので、シャドウマスク製品における
ムラ不良の発生を良好に防止できるという効果を奏す
る。
【0051】請求項2に係る発明のシャドウマスクの製
造方法によると、ドーミング現象を抑制しつつ、請求項
1に係る発明の効果を有することができる。
【0052】請求項3に係る発明のシャドウマスクの製
造方法によると、カラー受像管の高精細化を実現しつ
つ、請求項1または2に係る発明の効果を有することが
できる。
【0053】請求項4に係る発明のシャドウマスクの製
造方法によると、シャドウマスク製品におけるムラ不良
の発生を良好に防止できるという効果をさらに向上させ
ることができる。
【0054】請求項5に係る発明のシャドウマスクの製
造方法によると、シャドウマスク製品におけるムラ不良
の発生を良好に防止できるという効果をさらに向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る、シャドウマスクの
製造工程のうちの焼付け処理で用いられる帯状金属薄板
の両面焼付け装置の概略構成を模式的に示す正面図であ
る。
【図2】本発明の一実施形態に係る、パターン板と帯状
金属薄板の密着関係を示す断面図である。
【符号の説明】
10 光照射部 11 紫外線ランプ 12 凹面鏡 13 背面反射板 20 パターン板保持部 21 焼付け枠 22 第1シール部材 23 第2シール部材 24 吸引ポンプ A1,A2 遮光部 G1,G2 ガラス板 L1,L2 平行光 N1,N2 透光部 P1,P2 パターン板(ガラス乾板) R1,R2 レジスト膜 W 帯状金属薄板 Z1,Z2 ゼラチン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西窪 宏昭 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 (72)発明者 長 隆治 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 2H097 BB03 GA12 GA21 JA02 LA11 4K057 WA11 WB02 WC10 WD07 WN01 5C027 HH09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属薄板の両面に形成されたレジスト膜に
    対し、互いに異なる透孔パターンが形成された一対のパ
    ターン板を介して光を照射し、レジスト膜に透孔パター
    ンを焼付ける焼付け処理を含むシャドウマスクの製造方
    法において、 上記焼付け処理において金属薄板の両面に照射される光
    は平行光であり、かつ、上記一対のパターン板は、透孔
    パターンを有するハロゲン化銀含有乳剤層がガラス板の
    表面に形成されたガラス乾板からなることを特徴とする
    シャドウマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】上記シャドウマスクの板厚は0.20mm
    以上であることを特徴とする請求項1に記載のシャドウ
    マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】上記シャドウマスクは、複数のスロット状
    の透孔が形成されたスロットタイプのシャドウマスクで
    あって、透孔のスロット幅は板厚の70%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のシャドウマス
    クの製造方法。
  4. 【請求項4】上記焼付け処理は、ガラス乾板のハロゲン
    化銀含有乳剤層の表面をレジスト膜に直接密着させた状
    態で、レジスト膜に対して光を照射するものであること
    を特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載のシ
    ャドウマスクの製造方法。
  5. 【請求項5】上記焼付け処理における平行光は、ガラス
    乾板に対してほぼ垂直に入射されるものであることを特
    徴とする請求項1から4までのいずれかに記載のシャド
    ウマスクの製造方法。
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