JP2002242944A - 軸受保持具及び軸受固定方法 - Google Patents

軸受保持具及び軸受固定方法

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JP2002242944A
JP2002242944A JP2001041630A JP2001041630A JP2002242944A JP 2002242944 A JP2002242944 A JP 2002242944A JP 2001041630 A JP2001041630 A JP 2001041630A JP 2001041630 A JP2001041630 A JP 2001041630A JP 2002242944 A JP2002242944 A JP 2002242944A
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JP
Japan
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bearing
hole
peripheral surface
fixing portion
inner peripheral
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JP2001041630A
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English (en)
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Hideyuki Miyahara
英行 宮原
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Nakamura Seisakusho KK
Original Assignee
Nakamura Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受の組み付け精度を高精度に確
保できるとともに、経済性の高い軸受保持具、およびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 軸受孔7の内周面を端部13,14から
軸線方向に薄肉に削ぎ寄せることによって半径方向内方
に向けて突出する軸受固定部15,16を軸受5,6の
外側端面52,62に当接させ、当該軸受5,6を軸線
方向に位置規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受保持具の構造
および軸受の固定方法に関するものであり、詳しくは、
軸受保持具の軸受孔の内周で軸受を保持する軸受固定部
を一体形成する一方、この軸受固定部により軸受を固定
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に回転体を回転支持するために
軸受が使用され、この軸受は軸受保持具に保持されてい
る。図7は軸受を使用する機器の一例としてモータを示
している。図7において、フレーム10には円筒状の筒
体1とベース部9とが一体に形成されている。筒体1の
内周側には、半径方向内方に突出した台座部2が形成さ
れ、軸受50,60の一端面外側をこの台座部2の上下
面にあたる軸受保持面3,4に当接させて当該軸受5
0,60を保持している。また、筒体1の外周側にはコ
イル41を巻装したステータコア42が固定されてい
る。一対の軸受50,60の中心孔には一端をロータケ
ース71に連結した軸体73が挿入され、この軸体73
を回転自在に支持している。ロータケース71の周壁部
の内側には、多極着磁された駆動マグネット72がステ
ータコア42と対向するように固着され、コイル41に
所定の駆動電流を印加することにより、ステータコア4
2と駆動マグネット72との間に磁気作用が生じて上記
ロータケース71が回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く構成された
モータにおいて、軸受50,60は軸受保持具としての
筒体1に接着剤を用いて接着固定される。このとき、筒
体1の内周面には接着剤溜まり溝8を設け、接合面や接
着剤溜まり溝8に接着剤を塗布することにより接着固定
される。しかしながら、接着剤溜まり溝8を切削加工す
る際に必然的に切削屑や微細な切削粉が生ずる。この切
削粉は微細なために、洗浄を行ったとしても完全に除去
することが困難であることから、切削粉が軸受保持面
3,4や内周面に付着した状態で軸受50,60を固定
した場合には、軸受50,60の取付精度が悪化すると
共に、所望の回転精度が得られなくなる問題がある。さ
らに、接着固定においては、接着剤の固化時間が必要な
ことから、組立に長時間を要し、ひいては製品コストが
高騰する問題がある。
【0004】また、筒体1を備えるフレーム10は、一
般にダイキャスト成型によって成型し、その後、軸受5
0,60を保持するための軸受保持面3,4や筒体1の
内周面などの高精度が要求される部分には仕上げ加工が
施される。しかし、軸方向に離間した上下の内周面を一
工程により切削加工することができないため、必然的
に、台座部2を挟んだ上下の内周面を別個に切削加工す
ることになる。ところが、このように個々に加工した場
合は、上下に配置した一対の軸受の軸心を一致させるた
めに高精度の切削加工機と高度な加工技術が要求される
ことから、歩留まりを高めることができず、やはり製品
コストを高騰させる問題がある。
【0005】本発明は、上記実状に鑑み、軸受の組み付
け精度を高精度に確保すると共に、経済性の高い軸受保
持具、および軸受固定方法を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の軸受保持具は、軸受を嵌
入する軸受孔を有し、この軸受孔の奥側に上記軸受の内
側端面を当接する台座部を形成している。そして、上記
軸受孔の開口側には内周面の肉を開口端側から奥側方向
に薄肉に削ぎ寄せることにより半径方向内方に突出させ
た削ぎ塊により軸受固定部を形成し、この軸受固定部を
上記軸受の外側端面に当接させ、上記軸受を上記台座部
との間に挟持することにより軸線方向に位置規制して固
定したことを特徴としている。
【0007】かかる請求項1に記載の発明によれば、軸
受孔に形成された台座部に内側端面を当接した軸受に対
し、軸受孔の内周面を薄肉に削ぎ寄せることにより軸受
固定部を形成するので、軸受固定部には微細な切削粉が
発生することがない。したがって、切削粉がない状態で
軸受を挟持固定するので高精度に組み付けられ、しか
も、軸受固定部の形成と軸受の固定の両工程を同時に行
えることから、安価な軸受保持具を提供できる。
【0008】また、本発明の請求項2に記載の軸受保持
具は、軸受の内側端面を当接させる台座部は、上記軸受
孔の内周面の肉を開口端側から薄肉に削ぎ寄せることに
よって軸線方向に突出させた削ぎ塊により形成したこと
を特徴としている。
【0009】かかる請求項2に記載の発明によれば、軸
受孔の内周面を端部から軸線方向に薄肉に削ぎ寄せる台
座部を形成すると、軸受保持面や筒体の内周面は切削等
による仕上げ加工が不要になる。したがって、軸受保持
部に微細な切削粉が発生せず、軸受を高精度に組み付け
られ、しかも安価な軸受保持具を提供できる。
【0010】また、本発明の請求項3に記載の軸受固定
方法は、軸受孔の奥側に形成した台座部に軸受の内側端
面を当接した後、上記軸受孔の内周面の肉を削り工具に
より開口端側から奥側方向に向けて薄肉に削ぎ寄せるこ
とによって半径方向内方に突出させた削ぎ塊からなる軸
受固定部を形成すると共に、この軸受固定部の形成過程
後段で上記軸受の外側端面に軸受固定部を押圧して当接
し、上記軸受固定部と上記台座部との間に上記軸受を挟
持して固定したことを特徴としている。
【0011】かかる請求項3に記載の発明によれば、軸
受固定部の形成過程後段で軸受の他端面外側に軸受固定
部を押圧して当接し、軸受を軸受固定部と台座部との間
に挟持固するので、軸受固定部の形成と同時に軸受を固
定するので、加工及び組立時間の短縮により、コストを
低減することができる。
【0012】本発明の請求項4に記載の軸受固定方法
は、軸受保持具の軸受孔の内周面を削り工具により開口
端側から奥側方向に向けて薄肉に削ぎ寄せ、上記軸受孔
の所定位置に半径方向内方に向けて突出する削ぎ塊から
なる台座部を形成した後、上記軸受孔内に整形工具を挿
入すると共に上記台座部を押圧して、上記台座部の軸受
保持面を整形する。その後、上記軸受保持面に軸受の内
側端面が当接するよう上記軸受を嵌入した後、上記軸受
孔の内周面を削り工具の刃部により開口端側から奥側方
向に向かって薄肉に削ぎ寄せた削ぎ塊からなる軸受固定
部を上記軸受の外側端面に押圧して当接する固定するこ
とを特徴としている。
【0013】このような軸受固定方法によれば、軸受の
一端面外側を当接して保持する台座部と軸受保持面を軸
受孔の内周面を薄肉に削ぎ寄せた削ぎ塊によって形成す
るので、軸受保持部における微細な切削粉の発生を防止
でき、軸受を高精度に組み付けられる。しかも、軸受孔
の内周面を薄肉に削ぎ寄せて形成する削ぎ塊からなる軸
受固定部によって軸受を台座部と軸受固定部との間に挟
持固定するので、加工及び組立時間が短縮され、コスト
を低減することができる。
【0014】本発明の請求項5に記載の軸受固定方法
は、軸受の外周面と軸受孔の内周面との間に隙間を設け
る一方、上記軸受の中心孔に上記軸受が支承する軸体も
しくは該軸体とほぼ同一の外径を有する軸体を嵌挿した
状態で、上記軸受の外側端面に当接する軸受固定部を形
成することを特徴としている。
【0015】このような軸受固定方法によれば、軸受を
遊嵌させると共に、軸体を嵌挿した状態で軸受固定部を
形成することにより、軸受を台座部と軸受固定部との間
に挟持固定するので、軸受の中心孔と軸受が支承する回
転体の中心を容易に一致させることができる。また、軸
受保持具に一対の軸受を保持するときは、これら両軸受
の軸中心を一致させることができ、軸受を高精度に組み
付けられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0017】[第1の実施形態;軸受保持具の構造]図
1は、本発明にかかる軸受保持具を軸回転型のモータに
適用した第1の実施形態を示す断面図である。尚、図7
と同符号は同部材を示し、その説明を省略する。図1に
おいて、略円筒状に形成されたの軸受保持具1は、フレ
ーム10の中央部に一体的に形成され、軸方向に貫通す
る軸受孔7が形成されている。軸受孔7の奥側の軸方向
中間部には、半径方向内側に突出した台座部2が形成さ
れ、この台座部2の上下面には軸受孔の軸線方向と直角
な平面を有する軸受保持面3,4が形成されている。こ
れら軸受保持面3,4には、軸受50,60の内側端面
51,61がそれぞれ当接されて軸方向に位置決めされ
ている。上記軸受50,60は、ボールベアリング型軸
受、焼結含油軸受、あるいは動圧流体軸受などの各種軸
受を適宜使用することができ、特に種別を問わない。
【0018】一方、軸受50,60の外側端面52,6
2は、それぞれ軸受固定部15,16に当接させると共
に、この軸受固定部15,16と上記台座部2との間に
挟持固定することにより各軸受50,60を軸線方向に
位置規制している。軸受固定部15,16は軸受孔7の
開口側に形成され、軸受保治具1の開口端部13,14
から軸線方向に沿って内周面を薄肉に削ぎ寄せることに
より、半径方向内方に向けて突出形成されている。即
ち、軸受固定部15は、軸受孔7の開口端部13側の内
周面に本来存在した肉を開口端側13から奥側方向に薄
肉に削ぎ寄せることにより形成している。一方、軸受固
定部16も、軸受孔7の開口端部14側の内周面に本来
存在した肉を開口端側14から奥側方向に薄肉に削ぎ寄
せることにより形成される。
【0019】図示上側の開口端部13側に保持された軸
受50は、その内側端面51が台座部2の軸受保持面3
に当接すると共に、外側端面52を軸受固定部15に当
接することにより軸線方向に位置規制されている。ま
た、図示下側の開口端部14側に保持された軸受60
は、その内側端面61が台座部2の軸受保持面4に当接
すると共に、外側端面62が軸受固定部16に当接する
ことにより軸線方向に位置規制される。
【0020】かかる構造によれば、軸受50,60の内
側端面51,61を台座部2の軸受保持面3に当接する
と共に、外側端面52,62を軸受固定部15,16に
当接させ、この軸受固定部15,16と上記台座部2と
の間に挟持固定するので、接着剤を用いることなく軸受
50,60を容易かつ強固に固定できる。したがって、
組立時間を短縮でき、安価な軸受保持具を提供すること
ができる。また、従来の軸受保持具においては必要であ
った接着剤溜まり溝の加工が不要になるので、必然的に
溝加工も不要となりことから、軸受保持部に微細な切削
粉が発生せず、軸受を高精度に組み付けられる。
【0021】ところで、図1に示す実施形態において、
軸受50,60の外周面と軸受孔7の内周面との間に
は、それぞれ若干の隙間S1,S2が設けられている。
この隙間S1,S2によって、各軸受50,60が半径
方向に僅かに移動可能な状態になる。このため、軸方向
に離間した軸受50,60を軸受保持具1に保持すると
きに、各軸受50,60の中心孔に、この軸受が支承す
る軸体73もしくは該軸体とほぼ同一の外径を有する軸
体(図示せず)を挿嵌することにより、各軸受50,6
0がセンタリングされ、中心同士を容易に一致させるこ
とが可能となる。仮に各軸受50,60の中心同士がず
れている場合には、上記隙間S1,S2によって各軸受
50,60の両方または一方が変移し、中心同士が一致
するので、高精度に組み付けることが可能となる。尚、
隙間S1,S2は必要に応じて設けるものであり、ま
た、隙間S1,S2は上下両方あるいは一方に設けても
よい
【0022】[第2の実施形態;軸受固定方法]次に、
第1の実施形態における軸受固定方法について、図2に
基づいて説明する。図2(A)に示す軸受保持具1の素
体には、軸線方向に貫通する軸受孔7が形成され、その
中央部には断面略矩形状の台座部2が半径方向内側に突
出形成されている。突出した台座部2の上下面には、軸
受孔の軸線方向と直角な平面を有する軸受保持面3,4
が形成されている。そして、上下の開口端側からそれぞ
れ軸受50,60を挿入し、各軸受50,60の内側端
面51,61を台座部2の軸受保持面3,4に当接す
る。尚、図2(A)に示した軸受保持具1の素体は、略
円筒状に形成しているが、図1に示したモータなどに使
用する場合には、フレーム10と一体に形成してもよ
い。
【0023】その後、図2(B)に示すように、先端側
の外径d2を軸受孔7の内径d1よりも大きな刃部21
a,22aを有し、かつ、先端面に略擂り鉢状凹部を形
成した一対の削り工具21,22を軸受保持具1の開口
端部13,14に各々当接させる。このとき、一対の削
り工具21,22の中心線と軸受孔7の中心線を一致さ
せている。
【0024】しかる後に、図2(C)に示すように、各
々の削り工具21,22を互いに接近させるように開口
端部13,14から奥側方向に移動すると、各々の削り
工具21,22によって軸受孔7の内周面が薄肉に削り
起こされ、次第に内方に向けて削ぎ塊15’,16’が
突出する。そして、この削ぎ塊15’,16’が軸受5
0,60の外側端面に当接し、所定の押圧力によって押
圧した形成過程後段で軸受固定部15,16が形成され
る。この結果、軸受50,60は、軸受固定部15,1
6と台座部2との間に挟持固定される。
【0025】このような薄肉に削り起こす加工は、周知
の切削加工と異なり、切削屑等は実質的に発生しない。
なお、以上の実施態様は、削ぎ塊15’,16’を軸受
孔7の内周全周に形成しているが、周方向の複数箇所に
分割して形成してもよい。
【0026】また、削り工具21,22によって軸受孔
7の内周面を薄肉に削り起こしときの削り代、即ち、削
り工具21,22の刃部21a,22aの外径d2と、
軸受孔7の内径d1の差は、半径で0.05mm〜2.
0mm程度とし、刃部21a,22aの外径d2を大き
くしている。この削り代は、軸受50,60の種別、外
径、あるいは固定強度によって適宜に設定される。因み
に、削り代が0.05mm未満の場合は、削り起こす部
分が軸受保持具1から剥離し易くなり、逆に2.0mm
以上の場合は、切削抵抗が大きくなるため軸受保持具1
全体に歪みやストレスを生じさせる虞れがある。尚、削
り工具によって軸受孔7の内周面を削り起こす工程にお
いて、各々の削り工具21,22を同時に移動させるよ
うにしたが、各々別個に移動させてもよい。
【0027】以上の実施態様は、先端面に略擂り鉢状凹
部を形成した一対の削り工具21,22によって軸受固
定部15,16を形成し、軸受50,60を固定するよ
うにしたが、その後工程で、削ぎ塊15’,16’から
形成した軸受固定部15,16を平坦状に整形してもよ
い。即ち、図2(D)に示すように、先端面が平坦な整
形工具23,24を軸受孔7の開口部側から挿入して削
ぎ塊15’,16’を押圧することにより、外側の面が
平坦な軸受固定部15,16が形成される。このよう
に、軸受固定部15,16を平坦に形成することによ
り、軸受50,60の外側端面に軸受固定部15,16
が接合するので、強固に固定することができる。
【0028】以上説明したような軸受固定方法によれ
ば、軸受保持部1における微細な切削粉を発生させるこ
となく軸受50,60を高精度に組み付けられる。しか
も、接着剤により固定しなくてもよいことから、組立時
間を短縮でき、しかも、軸受固定部15,16の形成と
同時に軸受50,60を固定するので、コストを低減す
ることができる。
【0029】[第3の実施形態;軸受固定方法]図3は
本発明にかかる第2の実施形態を示す断面図である。
尚、図1と同符号は同部材を示し、その説明を省略す
る。先ず第1の工程として、軸受保持具1の内側に図3
に示す台座部5,6を形成する。即ち、軸受保持具1の
軸受孔7の内周面を図2(B)に示した削り工具21,
22と実質的に同じ一対の削り工具により、開口端側1
3,14から奥側方向に向けて薄肉に削ぎ寄せ、軸受孔
7の奥側中央部の所定位置に半径方向内方に向けて突出
した削ぎ塊を形成することにより、台座部5,6の原形
を形成する。
【0030】このとき、台座部5,6の原形は、中心に
至るに従って隆起した断面略八字状になっているため、
図2(D)に示した整形工具23と同様の整形工具を上
記軸受孔7に挿入すると共に上記削ぎ塊を押圧すること
により、各々の外側面を平坦に形成した軸受保持面3,
4を整形する。この結果、台座部5,6が完成する。
【0031】以上のように台座部5,6を形成した後、
軸受孔7の開口端から軸受50,60を嵌入し、軸受保
持面3,4に軸受50,60の内側端面51,61を当
接させると共に支持する。その後、上記第1の実施形態
と同様に、各々の削り工具21,22を互いに接近させ
るように開口端部13,14から奥側方向に移動し、軸
受孔7の内周面を薄肉に削り起こして削ぎ塊15’,1
6’を突出形成する。そして、この削ぎ塊15’,1
6’を軸受50,60の外側端面51,61に当接する
形成過程後段で、所定の押圧力によって押圧した軸受固
定部15,16を形成する。この結果、軸受50,60
が軸受固定部15,16と台座部2との間に挟持固定さ
れる。
【0032】この第2の実施形態によれば、軸受孔7の
内周面を薄肉に削ぎ寄せることによって台座部5,6を
形成しているので、軸受保持面3,4や筒体1の内周面
を切削等により仕上げ加工することが不要となる。した
がって、軸受保持部に微細な切削粉が発生せず、軸受5
0,60を高精度に組み付けられ、しかも安価に軸受5
0,60を固定することができる。
【0033】[第4の実施形態]図4は本発明にかかる
第4の実施形態を示す断面図である。尚、図1と同符号
は同部材を示し、その説明を省略する。図4において、
略円筒状に形成された軸受保持具1は、フレーム10の
中央部に一体形成され、軸方向に貫通する軸受孔7が形
成されている。軸受孔7には略円筒状の軸受40が後述
する固定方法により固定されている。
【0034】軸受40の一方端側には、スラスト板44
がカシメもしくは接着等の手段により固定され、軸受孔
7の一方端側を封止している。また、他方端側からはロ
ータケース71と一体化された軸体74が軸受孔7に挿
入されている。そして、軸受40の内周面と軸体74と
の間にはラジアル軸受部75,76が形成され、このラ
ジアル軸受部75,76により軸体74が回転自在に支
承されている。上記軸受40は、内部に潤滑油を含浸さ
せた焼結含油合金からなる含油軸受、または、ラジアル
軸受部75,76の少なくとも一方の面に動圧発生溝を
形成すると共に、隙間内に潤滑流体を充填させて、軸体
74の回転に伴って発生する動圧力により軸体74を支
承する動圧軸受あってもよい。
【0035】また、軸受40は一対の軸受固定部17,
18によって軸受保持具1の内側に固着されている。こ
れらの軸受固定部17,18は、第1の実施形態に示し
た軸受保持部15,16と同様に、軸受孔7の内周面を
それぞれ開口端部13,14から軸線方向に薄肉に削ぎ
寄せることによって半径方向内方に向けて突出した削ぎ
塊によって形成されている。そして、軸受40の外側端
面40a,40bを軸受固定部17,18に当接させる
と共に、軸線方向に位置規制して各軸受固定部17,1
8間に挟持固定している。
【0036】このように、含油軸受、あるいは、流体動
圧軸受等の単一構造の軸受けであっても、前述した実施
形態と同様に、半径方向内方に向けて突出した削ぎ塊に
よって軸受40を容易に固定できる。従って、軸受保持
具1に従来のような接着剤溜まり溝の加工形成すること
が不要となることから、微細な切削粉等の発生もないの
で、軸受40を高精度に、しかも容易に組み付けること
ができる。
【0037】[第5の実施形態]図5は、本発明にかか
る軸受保持具を軸固定型のモータに適用した実施形態を
示す断面図である。このモータの構造は第1の実施形態
に示した軸回転型のモータと相違するが、軸受50,6
0を固定するための軸受固定部78,79の構成はいず
れも同様であり、詳細な説明は省略する。
【0038】図5において、軸受保持具1は、記録ディ
スクを搭載して回転するためのハブ77と一体に構成さ
れ、軸受保持具1の軸受孔7には軸方向中間部に、図1
と同様な一対の軸受50,60を保持するための台座部
2が形成されている。軸受50,60の中心孔にはフレ
ーム81に立設された固定軸83が嵌挿され、軸受保持
具1およびハブ77は軸受50,60を介して固定軸8
3に対して回転自在に支承されている。なお、軸受保持
具1における一方の開口部はキャップ80によって閉塞
されている。
【0039】軸受50,60は、それぞれの内側端面5
1,61を台座部2の軸受保持面3,4に当接させると
ともに、軸受50,60の外側端面52,62にはそれ
ぞれ軸受固定部78,79を当接させ、各軸受50,6
0を軸線方向に位置規制すると共に、台座部2と軸受固
定部78,79との間に挟持固定している。
【0040】上記軸受固定部78,79は、前述した各
例と同様に、軸受保治具1の軸受孔7内周面を軸方向端
部13,14から奥側方向に沿って内周面を薄肉に削ぎ
寄せることにより、半径方向内方に向けて突出形成した
ものである。
【0041】尚、本発明は、以上説明した実施形態に限
定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種
々変更可能であることは言うまでもない。また、軸受を
削ぎ塊からなる軸受固定部によって固定するようにして
いるが、軸受固定作業時に仮固定のために接着剤を使用
したり、あるいは、固定強度を更に高めるために補助的
に接着剤を使用しても良い。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明にかかる軸受
保持具は、軸受を当接して保持する軸受固定部を軸受孔
の内周面を薄肉に削ぎ寄せた削ぎ塊によって形成するの
で、微細な切削粉の発生を未然に防止でき、軸受を高精
度に組み付けることができる。しかも、軸受固定部を形
成する時に軸受を挟持固定することにより、従来の接着
剤による固定に比較して形成と組立の時間を短縮するこ
とができ、コストが低減されるので、経済性を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる軸受保持具を
適用した軸回転型モータを示す断面図である。
【図2】本発明にかかる軸受保持具の製造方法の一部を
示す工程説明図である。
【図3】本発明の第2の実施形態にかかる軸受保持具を
適用した軸回転型モータを示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態にかかる軸受保持具を
適用した軸回転型モータを示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態にかかる軸受保持具を
適用した軸固定型モータを示す断面図である。
【図6】従来の軸受保持具を備えたモータの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 軸受保持具 2,5,6 台座部 3,4 軸受保持面 7 軸受孔 13,14 開口端部 15,16 軸受固定部 15,16,17,18,78,79 軸受固定部 21,22,56,26 削り工具 23,24,27,28 整形工具 40,50,60 軸受 51,61 軸受の内側端面 52,62 軸受の外側端面 S1,S2 隙間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受を嵌入する軸受孔を有し、この軸受
    孔の奥側に上記軸受の内側端面を当接する台座部を形成
    した軸受保持具において、上記軸受孔の開口側には内周
    面の肉を開口端側から奥側方向に薄肉に削ぎ寄せること
    により半径方向内方に突出させた削ぎ塊により軸受固定
    部を形成し、この軸受固定部を上記軸受の外側端面に当
    接させて上記台座部との間に挟持し、上記軸受を軸線方
    向に位置規制して固定したことを特徴とする軸受保持
    具。
  2. 【請求項2】 軸受の内側端面を当接させる台座部は、
    上記軸受孔の内周面の肉を開口端側から薄肉に削ぎ寄せ
    ることによって軸線方向に突出させた削ぎ塊により形成
    した請求項1に記載の軸受保持具。
  3. 【請求項3】 軸受孔の奥側に形成した台座部に軸受の
    内側端面を当接した後、上記軸受孔の内周面の肉を削り
    工具により開口端側から奥側方向に向けて薄肉に削ぎ寄
    せることによって半径方向内方に突出させた削ぎ塊から
    なる軸受固定部を形成すると共に、この軸受固定部の形
    成過程後段で上記軸受の外側端面に軸受固定部を押圧し
    て当接し、上記軸受固定部と上記台座部との間に上記軸
    受を挟持して固定したことを特徴とする軸受固定方法。
  4. 【請求項4】 軸受保持具の軸受孔の内周面を削り工具
    により開口端側から奥側方向に向けて薄肉に削ぎ寄せ、
    上記軸受孔の所定位置に半径方向内方に向けて突出する
    削ぎ塊からなる台座部を形成する工程と、上記軸受孔内
    に整形工具を挿入すると共に上記台座部を押圧して、上
    記台座部の軸受保持面を整形する工程と、上記軸受を軸
    受孔に嵌入して上記軸受保持面に上記軸受の内側端面を
    当接させる工程と、上記軸受孔の内周面を削り工具の刃
    部により開口端側から奥側方向に向かって薄肉に削ぎ寄
    せた削ぎ塊からなる軸受固定部を上記軸受の外側端面に
    押圧して当接する固定工程とを備えたことを特徴とする
    軸受固定方法。
  5. 【請求項5】 軸受の外周面と軸受孔の内周面との間に
    隙間を設ける一方、上記軸受の中心孔に上記軸受が支承
    する軸体もしくは該軸体とほぼ同一の外径を有する軸体
    を嵌挿した状態で、上記軸受の他端面外側に当接する軸
    受固定部を形成した請求項3または請求項4に記載の軸
    受固定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7421523B2 (ja) 2021-08-24 2024-01-24 ダイハツ工業株式会社 トランスアクスル

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