JP4554324B2 - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4554324B2
JP4554324B2 JP2004295243A JP2004295243A JP4554324B2 JP 4554324 B2 JP4554324 B2 JP 4554324B2 JP 2004295243 A JP2004295243 A JP 2004295243A JP 2004295243 A JP2004295243 A JP 2004295243A JP 4554324 B2 JP4554324 B2 JP 4554324B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
housing
lid member
thrust
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004295243A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006105330A (ja
Inventor
冬木 伊藤
林  達也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2004295243A priority Critical patent/JP4554324B2/ja
Publication of JP2006105330A publication Critical patent/JP2006105330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4554324B2 publication Critical patent/JP4554324B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

本発明は、軸受隙間に生じる流体の動圧作用により圧力を発生させて軸部材を非接触支持する動圧軸受装置に関するものである。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、その他の小型モータ用として好適である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化等が求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の1つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、上記要求性能に優れた特性を有する動圧軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
例えば、HDD等のディスク駆動装置のスピンドルモータに組み込まれる動圧軸受装置では、軸部材をラジアル方向で支持するラジアル軸受部およびスラスト方向で支持するスラスト軸受部の双方を動圧軸受で構成する場合がある。この種の動圧軸受装置におけるスラスト軸受部としては、軸部材のフランジ部端面と、これに対向する面、例えばハウジングの底側開口部を封口する蓋部材の端面(スラスト受け面)との何れか一方に動圧溝を形成すると共に、両端面間にスラスト軸受隙間を形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、蓋部材は例えば接着によりハウジングに固定される。
特開2003−239951号公報
蓋部材をハウジングに接着固定する際、通常は、先ず蓋部材をハウジングの開口部に圧入して仮固定した後、両部材の嵌合部に接着剤を供給している。
ところで、特許文献1に記載された構造では、軸受スリーブに対する蓋部材の軸方向位置がスラスト軸受隙間の幅寸法精度を決定づける。そのため、蓋部材をハウジング開口部に圧入する際には、蓋部材の仮固定位置を治具等を用いて精度良く管理する必要があり、工程が複雑化する。
そこで、本発明では、ハウジングへの蓋部材の組み付けを能率良くかつ高精度に行うことのできる動圧軸受装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る動圧軸受装置は、ハウジングと、ハウジングの内周に固定される軸受スリーブと、軸受スリーブの内周に挿入される軸部材と、スラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で圧力を発生させて軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部と、ハウジングの一端に接着で固定され、軸部材の端面との間にスラスト軸受隙間を形成するスラスト受け面を有する蓋部材とを具備したものにおいて、蓋部材に筒状の外周突出部が設けられ、この外周突出部の端面に、スラスト受け面との間に軸方向の段差を有軸受スリーブの端面と当接する当接面設けられ、かつスラスト受け面および当接面がプレス加工による仕上げ面であって、蓋部材の円筒状外周面がハウジングの一端開口側の円筒状内周面に圧入され、かつ外周突出部の外周面はハウジングに対して非圧入状態となるようにハウジングの一端開口側から蓋部材を押し進めることで当接面が軸受スリーブの端面に当接し、この当接位置で蓋部材がハウジングに固定されることを特徴とする。
このように本発明では、蓋部材に、軸部材の端面との間でスラスト軸受隙間を形成するスラスト受け面に対して軸方向の段差を有する当接面を設け、この当接面を軸受スリーブの端面に当接させている。従って、蓋部材の組付け時には、位置決め用の治具を用いることなく、当接面が軸受スリーブの端面に当接するまで蓋部材を押し進めるだけで、容易に軸受スリーブに対する蓋部材の軸方向の位置出しを行うことができ、高精度のスラスト軸受隙間が形成可能となる。
この蓋部材の形状では、当接面とスラスト受け面との間の段差の精度がスラスト軸受隙間の幅寸法精度を左右する。そこで、本発明では、当接面とスラスト受け面を何れもプレス加工で成形した。斯かる構成によれば、予め高精度の金型を製作することで、精度の良い段差を有する蓋部材を量産することができ、スラスト軸受隙間の高精度化を図ると共に、蓋部材の加工コストの高騰を防止することができる。また、プレス加工であれば、高い面精度を有する成形面が容易に得られるから、スラスト軸受隙間のさらなる高精度化を図ることができる。
蓋部材のスラスト受け面と当接面とを同時にプレス加工することにより、当接面およびスラスト受け面の面精度確保と段差の精度出しとを一のプレス動作で行うことができ、精度面およびコスト面の両面でより一層好ましい結果が得られる。
蓋部材のスラスト受け面にプレス加工で動圧発生部を形成すれば、前記段差の精度出しと面精度の確保と同時に動圧発生部を成形することができ、精度面およびコスト面の両面でさらに好ましい結果が得られる。
また、軸部材にフランジ部を設ける場合には、フランジ部の一方の端面とこれに対向する軸受スリーブの端面との間、およびフランジ部の他方の端面とこれに対向する蓋部材のスラスト受け面との間にそれぞれスラスト軸受隙間を形成する構成とすることもできる。
上記動圧軸受装置は、動圧軸受装置と、ロータマグネットと、ステータコイルとを備えたモータとして提供することも可能である。
このように、本発明によれば、ハウジングへの蓋部材の組み付けを能率よくかつ精度良く行うことができ、スラスト軸受隙間を高精度かつ低コストに設定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に取付けられたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取付けられ、ロータマグネット5は、ディスクハブ3の内周に取付けられる。また、ブラケット6は、その内周に動圧軸受装置1を装着している。ディスクハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスク状情報記録媒体(以下、単にディスクという。)Dを一枚または複数枚保持している。このように構成された情報機器用スピンドルモータにおいて、ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間の磁力でロータマグネット5が回転し、これに伴って、ディスクハブ3およびディスクハブ3に保持されたディスクDが軸部材2と一体に回転する。
図2は、動圧軸受装置1を示している。この動圧軸受装置1は、円筒状のハウジング7と、ハウジング7の一端開口部を封口する蓋部材10と、ハウジング7の内周に固定された軸受スリーブ8と、軸受スリーブ8の内周に挿入された軸部材2とを主な構成部品として構成される。なお、説明の便宜上、ハウジング7の一端開口部を封口する蓋部材10の側を下側、蓋部材10と反対の側を上側として以下説明を行う。
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、軸部2aと、軸部2aの下端に一体または別体に設けられたフランジ部2bを備えている。
軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、後述するハウジング7内周の所定位置に固定される。
軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受隙間に面する上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、この2つの領域には、図示は省略するが、動圧発生部として、例えばへリングボーン形状等の動圧溝がそれぞれ形成される。
軸受スリーブ8の下側端面8bの全面または一部の環状領域には、図示は省略するが、例えばスパイラル形状やヘリングボーン形状の動圧溝が形成される。
ハウジング7は、例えば液晶ポリマー(LCP)やポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等をベース樹脂とする樹脂組成物で円筒状に射出成形される。ハウジング7の上端内径側には、図2に示すように、シール部9がハウジング7と一体に形成される。
蓋部材10は、金属材料、好ましくは黄銅等の軟質金属で外周部を軸方向に突出させた有底筒状に形成される。蓋部材10の外周突出部11よりも内径側の端面の一部領域には、環状のスラスト受け面12が形成され、このスラスト受け面12には、例えば図3(a)に示すように、スパイラル状の動圧溝12aが形成される。外周突出部11の端面は環状の当接面13であり、軸受スリーブ8の下側端面8bとその全周で当接する。外周突出部11とスラスト受け面12の間およびスラスト受け面12の内径側には、それぞれ凹状の逃げ部12b、12cが形成される。この逃げ部12b、12cの深さは、スラスト受け面12に形成された動圧溝12aの溝底12a1よりも深い。この逃げ部12b,12cは、後述のようにスラスト受け面12および当接面13をプレス成形する際に、金属組織の塑性変形時の余肉を吸収する。
蓋部材10の外周面10aには、環状の凹部10bが形成され、当接面13と外周面10aとの間には、下方に向かうにつれて漸次拡径するテーパ面10cが全周に亘って形成される。
蓋部材10は、例えば以下の手順で製作される。
まず、切削加工等により、蓋部材10を図3(b)に示す形状に粗成形する。この段階で、蓋部材10は概ね最終形状に相当する形状に形成される。ただし、各部位の寸法公差は、後述するプレス加工後のそれに比べて大きく、例えば、スラスト受け面12と当接面13との間の軸方向段差Wは、±0.005mm〜±0.010mmの範囲の公差、好ましくは±0.005mm〜±0.008mmの範囲の公差で形成される。
次に、蓋部材10にプレス加工を施す。このプレス加工は、例えば図示は省略するが、型内で拘束した蓋部材10を上下から一対のポンチで加圧することにより行われる。上側に配したポンチには、スラスト受け面12の成形部および当接面13の成形部が設けられ、1回のプレスでスラスト受け面12、当接面13が最終的な面精度に仕上げられると共に、両面間の段差Wが最終寸法に仕上げられる。この際、例えば両面12、13間の平行度は0.002mm以下に仕上げられ、スラスト受け面12と当接面13の間の段差Wが±0.002mmの公差範囲内で、より好ましくは±0.001mmの公差範囲内で仕上げられる。
プレス後の外周突出部11の内周面は、上ポンチで拘束されるため、その内径寸法Diはほとんど変化しない。一方、プレス後は、上下のポンチからの圧縮力により蓋部材10の軸方向全長Lが僅かに縮小し、さらに脱型時のスプリングバックによって蓋部材10の外径寸法が僅かに拡大する。この際、凹部10bよりも上方の部分の外径寸法Do1は、凹部10bよりも下方の外径寸法Do2よりも僅かに(例えば50μm程度)小さくする。
このプレス加工に際して、上ポンチのスラスト受け面12の成形部に、スラスト受け面12の動圧溝形状に対応した溝型を形成しておけば、プレスと同時にスラスト受け面12に動圧発生部としての動圧溝12aを成形することが可能となる。このプレス成形により、動圧溝12aの溝底12a1と動圧溝間の背の部分12a2とが溝型に押し付けられて同時成形され、さらにこの動圧溝12a成形と同時に、スラスト受け面12となる動圧溝間の背の部分12a2と当接面13との間の段差Wが規定の寸法に仕上げられる。
このように、蓋部材10のスラスト受け面12と当接面13とを、共にプレス加工で成形することで、切削加工等による面仕上げに比べて高精度な仕上げ面を得ることができる。この時、上記両面12、13のプレス成形は、共通の型(ポンチ等)に設けた成形部により同時に行うことができるので、この成形部間の距離を精度良く管理すれば、両面12、13間の軸方向段差Wを高精度に仕上げることができる。また、両面12、13のプレス加工を別々に行う場合に、相互に面精度に悪影響を及ぼすのを避けて、両面12、13の面精度を高めることができる。また、プレス加工による面仕上げは、切削加工による面仕上げに比べて、加工時間の短縮化、切粉の発生を抑制することに伴う加工後の洗浄工程の簡略化等のメリットを得ることができるので、コストダウンと共に生産性の向上を図ることもできる。特に、本実施形態のように、動圧溝12aをスラスト受け面12および当接面13と同時に成形すれば、動圧溝12aの成形工程を省略して、さらに生産性を高めることができる。
この手順で製作した蓋部材10は、図2に示すように、軸受スリーブ8を、その上側端面8cをシール部9の下側端面9aに当接させた状態でハウジング7の内周面7aに固定し、さらに軸受スリーブ8の内周面に軸部材2を挿入した上で、ハウジング7の内周面7aに接着固定される。具体的には、蓋部材10の接着固定は以下の手順で行われる。
まず、ハウジング7の一端開口部の内周面7aに接着剤を塗布する。次いで、ハウジング7の一端開口部に当てがった蓋部材10を、当接面13が軸受スリーブ8の下側端面8bに当接するまで押し進める。このとき、蓋部材10の外周面10aのうち、凹部10bより下側の部分はハウジング7の内周面7aに対して圧入状態となり、凹部10bよりも上側の部分はハウジング7の内周面7aとの間に微小な隙間(接着隙間)Gを形成した状態となる。
蓋部材10の前進に伴って圧入部分から掻き出された接着剤Mは、図4に示すように、凹部10bに溜まり、さらには上記接着隙間Gに流れ込んで保持される。そのため、蓋部材10の外周面10aとハウジング内周面7aとの間がその全周で接着剤Mによって密封され、軸受内部からの油漏れを確実に防止することができる。また、余剰の接着剤Mが生じても、その余剰分は、蓋部材10のテーパ面10cとハウジング7の内周面7aとの間のテーパ状空間で毛細管力によって保持されるので、接着剤Mがそれ以上軸受スリーブ8側へ進むことはない。従って、接着剤Mが当接面13と軸受スリーブ8の下側端面8bとの間に入り込み、軸受スリーブの下側端面8bに形成された動圧溝を塞ぐのを防止することができる。このように、蓋部材10の外周面10aとハウジング7の内周面7aとの間に部分的に圧入部を確保することで、蓋部材10とハウジング7との同軸度が確保され、かつこの圧入部分よりも押し込み方向前方側に接着剤溜まりとなる凹部10b、さらには接着隙間Gを設けることにより、高い油漏れ防止効果を得ることができる。
ハウジング7の強度が低く、圧入による固定が困難な場合には、蓋部材10の外周面10aとハウジング内周面7aとの間を負隙間とすることなく、全て正隙間(接着隙間)とすることもできる。この場合、蓋部材10の当接面13と軸受スリーブ8の下側端面8bとの当接状態を保持するだけで蓋部材10の軸方向位置を保持することができるので、接着剤Mが固化するまでの蓋部材10の位置ずれを確実に防止することができる。
上述のようにして各構成部品を組み立てた後、ハウジング7の内部空間に潤滑油を充満させることで、動圧軸受装置1が完成する。このとき、シール部9によって密封されたハウジング7の内部空間に充満した潤滑油の油面は、シール部9の内周に形成され、上方に向かうにつれて漸次拡径するテーパ面9bと、軸部材2の軸部2aの外周面2a1との間に形成されたシール空間Sの範囲内に維持される。
上述の如く構成された動圧軸受装置1において、軸部材2を回転させると、軸受スリーブ8の内周面8aの動圧溝の形成領域(上下2箇所)と、これら動圧溝の形成領域にそれぞれ対向する軸部2aの外周面2a1との間のラジアル軸受隙間に、潤滑油の動圧作用による圧力が発生し、軸部材2の軸部2aがラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが形成される。また、軸受スリーブ8の下側端面8bに形成される動圧溝領域と、この動圧溝領域に対向するフランジ部2bの上側端面(スラスト軸受面)2b1との間の第1スラスト軸受隙間δ1、および蓋部材10のスラスト受け面12に形成される動圧溝12aの形成領域と、この動圧溝12aの形成領域と対向するフランジ部2bの下側端面(スラスト軸受面)2b2との間の第2スラスト軸受隙間δ2に、潤滑油の動圧作用による圧力がそれぞれ発生し、軸部材2のフランジ部2bが両スラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とが形成される。
このように、ハウジング7内を潤滑油で満たした状態で、軸部材2を回転させると、図4に示すように、軸受スリーブ8の下側端面8bとフランジ部2bの上側端面2b1との間に第1スラスト軸受隙間δ1が形成され、フランジ部2bの下側端面2b2と蓋部材10のスラスト受け面12との間に第2スラスト軸受隙間δ2が形成される。このとき、第1スラスト軸受隙間δ1、第2スラスト軸受隙間δ2、フランジ部2bの軸方向寸法t、蓋部材10の軸方向段差Wの間には、W=t+(δ1+δ2)の関係が成り立つ。従って、フランジ部2bの軸方向寸法tと、蓋部材10の軸方向段差Wを高精度に設定することにより、組立て時に蓋部材10を軸受スリーブ8に当接するまで押し進めるだけで、両スラスト軸受隙間δ1、δ2(の総和δ1+δ2)の幅を適正な値に管理することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
以上の実施形態では、蓋部材10の当接面13を、軸受スリーブ8の下側端面8bに、その外径側全周に亘って当接するように形成した場合を説明したが、特にこの形態に限られるものではない。軸受スリーブ8の下側端面8bと、スラスト受け面12との間の平行度を保った状態で、蓋部材10をハウジング7の内周面7aに固定可能な限り、例えば図示は省略するが、当接面13を、円周方向に所定の間隔を空けて複数箇所設けることもできる。
また、以上の実施形態では、シール部9を、ハウジング7と一体に形成した場合を説明したが、他の方法を採ることもできる。例えば図示は省略するが、シール部9を、ハウジング7とは別体に形成し、後付けでハウジング7に装着することもできる。その場合、先に軸受スリーブ8を、軸方向の位置決めを行うための治具を適宜用いてハウジング7の内周面7aに位置決め固定し、次に蓋部材10を、当接面13を軸受スリーブ8の下側端面8bに当接させた状態でハウジング7の内周面7aに固定する。これにより、スラスト軸受隙間δ1、δ2(あるいはδ1+δ2)が適正値に設定される。この後、ハウジング7とは別体のシール部9を、ハウジング7の内周面7a上端に接着等の固定手段を用いて固定することにより動圧軸受装置1が構成される。
また、以上の実施形態では、軸受スリーブ8の内周面8aに動圧溝を形成する場合を説明したが、内周面8aと対向する軸部2aの外周面2a1に動圧溝を形成することもできる。その場合には、軸受スリーブ8内周への動圧溝加工が不要となるため、軸受スリーブとハウジングを別部材とする必要はなく、これらを一体化することができる。そのため、軸受スリーブ8のハウジング7に対する軸方向の位置決め作業を省略して、ハウジング7への他部材の組付け作業をより簡便にすることができる。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T1、T2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により潤滑流体の動圧作用を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、いわゆるステップ軸受や多円弧軸受を採用してもよい。
ステップ軸受としては、例えば図示は省略するが、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受隙間に面する領域(ラジアル軸受面となる領域)に、複数の軸方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けたものが挙げられる。このステップ軸受により、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方が構成される。
多円弧軸受としては、例えば図示は省略するが、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域を、3つの円弧面で構成したものが挙げられる(いわゆる3円弧軸受)。3つの円弧面の曲率中心は、それぞれ、軸受スリーブ8(軸部2a)の軸中心から等距離オフセットされている。3つの円弧面で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の両方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小した形状を有している。そのため、軸受スリーブ8と軸部2aとが相対回転すると、その相対回転の方向に応じて、ラジアル軸受隙間内の潤滑流体が楔状に縮小した最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような構成の多円弧軸受における潤滑流体の動圧作用によって、軸受スリーブ8と軸部2aとが非接触支持され、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方が構成される。なお、3つの円弧面の相互間の境界部に、分離溝と称される、一段深い軸方向溝を形成してもよい。
多円弧軸受は、これ以外の構成を採ることもできる。例えば図示は省略するが、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域を、3つの円弧面で構成し(いわゆる3円弧軸受)、3つの円弧面で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間を、円周方向の一方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小した形状とすることもできる。このような構成の多円弧軸受は、テーパ軸受と称されることもある。また、3つの円弧面の相互間の境界部に、分離溝と称される、一段深い軸方向溝を形成することもできる。この場合、軸受スリーブ8と軸部2aとが所定方向に相対回転すると、ラジアル軸受隙間内の潤滑流体が楔状に縮小した最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような構成の多円弧軸受における潤滑流体の動圧作用によって、軸受スリーブ8と軸部2aとが非接触支持され、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方が構成される。
多円弧軸受は、さらに別の構成を採ることもできる。例えば図示は省略するが、上記3円弧軸受において、3つの円弧面の最小隙間側の円周方向所定領域を、それぞれ、軸受スリーブ8(軸部2a)の軸中心を曲率中心とする同心かつ同径の円弧で構成することもできる。従って、各所定領域において、ラジアル軸受隙間(最小隙間)は一定になる。このような構成の多円弧軸受は、テーパ・フラット軸受と称され、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を構成する。
以上の各例における多円弧軸受は、いわゆる3円弧軸受であるが、これに限らず、いわゆる4円弧軸受、5円弧軸受、さらに6円弧以上の数の円弧面で構成された多円弧軸受を採用してもよい。また、ラジアル軸受部をステップ軸受や多円弧軸受で構成する場合、ラジアル軸受部R1、R2のように、2つのラジアル軸受部を軸方向に離隔して設けた構成とする他、軸受スリーブ8の内周面8aの上下領域に亘って1つのラジアル軸受部を設けた構成としてもよい。
また、スラスト軸受部T1、T2の一方又は双方は、例えば、スラスト軸受面となる領域に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、いわゆる波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる。
また、以上の実施形態では、動圧軸受装置1の内部に充満し、軸受スリーブ8と軸部材2との間のラジアル軸受隙間や、軸受スリーブ8およびハウジング7と軸部材2との間のスラスト軸受隙間δ1、δ2に動圧作用を生じる流体として、潤滑油を例示したが、特にこの流体に限定されるものではない。動圧溝を有する各軸受隙間に動圧作用を生じ得る限り、例えば空気等の気体、あるいは、流動性を有する潤滑剤や潤滑グリース等を使用することもできる。
本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの断面図である。 動圧軸受装置の断面図である。 (a)はハウジングの下端に装着される蓋部材の平面図、(b)は正面断面図である。 蓋部材の当接面周辺の拡大断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
2b フランジ部
2b1 上側端面
2b2 下側端面
3 ディスクハブ
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
7 ハウジング
7a 内周面
8 軸受スリーブ
8b 下側端面
8c 上側端面
9 シール部材
9a 下側端面
10 蓋部材
12 スラスト受け面
12a 動圧溝
12a1 溝底
12a2 動圧溝間の背の部分
13 当接面
t フランジ部の軸方向寸法
W 軸方向段差
δ1 第1スラスト軸受隙間
δ2 第2スラスト軸受隙間
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部

Claims (5)

  1. ハウジングと、ハウジングの内周に固定される軸受スリーブと、軸受スリーブの内周に挿入される軸部材と、スラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で圧力を発生させて軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部と、ハウジングの一端に接着で固定され、軸部材の端面との間にスラスト軸受隙間を形成するスラスト受け面を有する蓋部材とを具備した動圧軸受装置において、
    蓋部材に筒状の外周突出部が設けられ、この外周突出部の端面に、スラスト受け面との間に軸方向の段差を有軸受スリーブの端面と当接する当接面設けられ、かつスラスト受け面および当接面がプレス加工による仕上げ面であって、
    蓋部材の円筒状外周面がハウジングの一端開口側の円筒状内周面に圧入され、かつ外周突出部の外周面はハウジングに対して非圧入状態となるようにハウジングの一端開口側から蓋部材を押し進めることで当接面が軸受スリーブの端面に当接し、この当接位置で蓋部材がハウジングに固定されることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 蓋部材のスラスト受け面と当接面とが同時にプレス加工されている請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 蓋部材のスラスト受け面に、プレス加工で動圧発生部が形成されている請求項1記載の動圧軸受装置。
  4. 軸部材にフランジ部を設け、フランジ部の一方の端面と、これに対向する軸受スリーブの端面との間、およびフランジ部の他方の端面とこれに対向するスラスト受け面との間にそれぞれスラスト軸受隙間を形成した請求項1〜3の何れかに記載の動圧軸受装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載した動圧軸受装置と、ロータマグネットと、ステータコイルとを備えたモータ。
JP2004295243A 2004-10-07 2004-10-07 動圧軸受装置 Expired - Fee Related JP4554324B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004295243A JP4554324B2 (ja) 2004-10-07 2004-10-07 動圧軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004295243A JP4554324B2 (ja) 2004-10-07 2004-10-07 動圧軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006105330A JP2006105330A (ja) 2006-04-20
JP4554324B2 true JP4554324B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=36375306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004295243A Expired - Fee Related JP4554324B2 (ja) 2004-10-07 2004-10-07 動圧軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4554324B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5250756B2 (ja) * 2006-09-29 2013-07-31 セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 半導体装置の製造方法及び半導体装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003239951A (ja) * 2002-02-20 2003-08-27 Ntn Corp 動圧軸受装置及びその製造方法
JP2004003582A (ja) * 2002-04-05 2004-01-08 Ntn Corp 動圧軸受装置
JP2004144205A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Ntn Corp 動圧軸受装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003239951A (ja) * 2002-02-20 2003-08-27 Ntn Corp 動圧軸受装置及びその製造方法
JP2004003582A (ja) * 2002-04-05 2004-01-08 Ntn Corp 動圧軸受装置
JP2004144205A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Ntn Corp 動圧軸受装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006105330A (ja) 2006-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4531584B2 (ja) 流体動圧軸受装置およびこれを備えたモータ
JP2007024146A (ja) 動圧軸受装置
JP2007263228A (ja) 動圧軸受装置
JP4874004B2 (ja) 動圧軸受装置
JP5207657B2 (ja) 動圧軸受装置の製造方法
JP3981564B2 (ja) 動圧軸受装置及びその製造方法
KR101405075B1 (ko) 유체 베어링 장치, 및 그 제조 방법
JP2000291648A (ja) 動圧型軸受ユニット
JP4657734B2 (ja) 動圧軸受装置
JP2005337490A (ja) 動圧軸受装置
JP2009168147A (ja) 動圧軸受装置およびその製造方法
JP4554324B2 (ja) 動圧軸受装置
JP4226559B2 (ja) 動圧軸受装置の製造方法
US7789565B2 (en) Fluid dynamic bearing apparatus
JP2009024810A (ja) 流体軸受装置およびその製造方法
JP2006207787A (ja) 動圧軸受装置用ハウジングおよびその製造方法
JP4330961B2 (ja) 動圧軸受装置
JP2009014121A (ja) 動圧軸受装置及びその製造方法
JP2005265180A (ja) 動圧軸受装置
JP4498932B2 (ja) 流体軸受装置
JP2013053692A (ja) 流体動圧軸受装置及びその製造方法
JP2005140344A (ja) 動圧型軸受装置
JP2007278325A (ja) 流体軸受装置
JP2006214542A (ja) 流体軸受装置
JP2005130699A (ja) ディスク装置のスピンドルモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091019

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091218

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100422

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100701

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100714

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4554324

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees