JP2002242028A - 炭素短繊維および樹脂組成物 - Google Patents

炭素短繊維および樹脂組成物

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JP2002242028A
JP2002242028A JP2001036871A JP2001036871A JP2002242028A JP 2002242028 A JP2002242028 A JP 2002242028A JP 2001036871 A JP2001036871 A JP 2001036871A JP 2001036871 A JP2001036871 A JP 2001036871A JP 2002242028 A JP2002242028 A JP 2002242028A
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short carbon
resin
resin composition
sizing agent
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JP2001036871A
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Yoshiki Takebe
佳樹 武部
Atsuki Tsuchiya
敦岐 土谷
Masanobu Kobayashi
正信 小林
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、集束性に優れ、かつ、成形物に優れ
た電気的特性を発現させる炭素短繊維および樹脂組成物
を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の炭素短繊維は、本文に定義される
嵩抵抗値が0.1〜5Ωであることを特徴とするもので
あり、また、本発明の樹脂組成物は、かかる炭素短繊維
と熱可塑性樹脂の少なくとも2つの構成要素からなるこ
とを特徴とするものである。本発明の炭素短繊維を使用
することにより優れた電気的特性を有する繊維強化樹脂
組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集束性に優れ、か
つ、成形物に優れた電気的特性を発現させる炭素短繊維
および樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、炭素繊維を各種マトリックス中に
混合、分散させてなる繊維強化材料は、炭素繊維の優れ
た特性、例えば高強度、高剛性、低比重、高電気伝導
性、低熱膨張率、高耐磨耗性などを有していることか
ら、幅広い用途が期待され、工業的に重要な材料として
注目されている。
【0003】また、該炭素短繊維を用いた成形物は上記
のような優れた各種特性から電気・電子機器、OA機
器、家電機器、自動車用途の各種部品またはハウジング
等の一般産業分野に広く用いられている。
【0004】一般に、炭素短繊維を各種マトリックスに
混合、分散させて繊維強化複合材料を得る場合、該炭素
短繊維の取り扱い性を容易にして、混合、分散の工程に
おける作業性を高めるために、あらかじめ炭素短繊維を
集束したチップ状集合体が用いられている。
【0005】しかし、特にマトリックスとしてプラスチ
ックを用い、且つ主に経済的な面から機械的強化用とし
てガラス繊維を用いた場合には、プラスチックとガラス
繊維は共に電気的不導体であるので、得られた繊維強化
材料も又、電気的不導体となる。繊維強化複合材料はそ
の用いられる用途によっては電気的特性を要求される分
野が多々あり、優れた電気的特性を有する繊維強化材料
の出現が要望されている。
【0006】そこで、特開昭61−23629号公報に
開示されているように、繊維強化複合材料の機械的強化
用として用いられる素材に炭素繊維を用い、他の性能の
向上と共に炭素繊維の有する電気的特性を利用する試み
が行われている。しかしながら、他の性能向上との関連
で単に炭素繊維を導電性物質として混入する程度では電
気的特性の大幅な改善は得られず、炭素繊維を大量に混
入する必要が出てくる。そこで炭素繊維を大量に練り込
んで用いると、溶融時にマトリックス樹脂と炭素繊維の
混合物の粘度を高くしたり、コストの上昇などの問題点
があり、その使用には制限があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、集束性に優れ、かつ、成形物に優れ
た電気的特性を発現させる炭素短繊維および樹脂組成物
を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の炭素短繊維は、本文に定義され
る嵩抵抗値が0.1〜5Ωであることを特徴とするもの
であり、また、本発明の樹脂組成物は、かかる炭素短繊
維と熱可塑性樹脂の少なくとも2つの構成要素を含むこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり電気
的特性に優れた成形物を与える樹脂組成物について、鋭
意検討し、以下に定義する嵩抵抗値が0.1〜5Ω、好
ましくは3〜4Ωである特定な炭素短繊維を用いて樹脂
組成物つくり、これを成形することで、かかる課題を一
挙に解決することを究明したものである。
【0010】本発明でいう嵩抵抗値とは、円筒状容器に
一定重量の炭素短繊維を投入した状態で測定した抵抗値
のことである。
【0011】本発明において、炭素短繊維を作製する際
に、電気的特性の良好な炭素繊維と電気的特性の良好な
サイジング剤を組み合わせることが電気的特性向上に有
効であろうことは容易に想像することができる。しか
し、実際には、炭素繊維とサイジング剤との混合物であ
る炭素短繊維、またはそれを用いた樹脂組成物、並びに
それを成形してなる成形物において、その電気的特性向
上に関する因子は全て解明されておらず、単に電気的特
性の良好な炭素繊維や電気的特性の良好なサイジング剤
とを混合するだけでは、所望の炭素短繊維および樹脂組
成物並びにそれを成形してなる成形物を得ることは困難
である。
【0012】本発明の嵩抵抗が一定の範囲の炭素短繊維
を使用することで優れた電気的特性を得ることができ、
更に、それら炭素短繊維を用いた樹脂組成物、並びにそ
れを成形してなる成形物に優れた電気的特性を与えるこ
とができる。
【0013】この嵩抵抗には、炭素繊維同士の接触抵
抗、炭素繊維とサイジング剤の密着性、炭素繊維自身の
電気的特性、熱可塑性樹脂との混錬の際の容易さ等の因
子が含まれると推測される。
【0014】かかる嵩抵抗測定について、以下、さらに
具体的に説明する。
【0015】嵩抵抗値は、前記円筒状容器に、炭素短繊
維を約30g投入し、上部から径47mmの銅板を垂直
に下ろし、2つの銅板で挟み込まれた炭素短繊維に、5
kgの荷重を加えた状態で、2つの銅板電極間の抵抗値
を測定する。なお、炭素短繊維の繊維長としては、1〜
26mmであるものを使用する。また、試験は、雰囲気
温度23℃、相対湿度50%の環境下で行い、デジタル
マルチメーター(アドバンテスト社製R6581)を用
いた。前記円筒状容器は、図1に示すような形状を有
し、その底部および上部は、それぞれ銅板電極により構
成されている。前記銅板電極は、底部が55mm、上部
が47mmの径を有している。また、銅板電極間抵抗値
は嵩抵抗の測定結果をより正確なものにするため、0.
001Ω以下であるものが好ましい。
【0016】本発明における炭素短繊維のサイジング剤
としては、集束性、工程面においても、熱可塑性ポリマ
ーが好適に使用される。具体的には、ポリエステルある
いはポリアミドなどが好適である。熱可塑性樹脂マトリ
ックスとの溶融混練時に、炭素短繊維の分散性を向上
し、組成物の電気的特性を向上させるよう働く。また、
ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂は、その皮膜特性か
ら、炭素短繊維の集束性を高めるサイジング剤としては
好適である。また、水溶性もしくは水分散性であると炭
素繊維との濡れ性が良好であり、炭素繊維束内への浸透
性が良く、好ましい。
【0017】かかるポリエステル樹脂としては、例え
ば、ジカルボン酸とグリコールとの重縮合物、環状ラク
トンの開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の重縮合物、
二塩基酸とグリコールとの重縮合物などが使用され、具
体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロ
ピレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタ
レート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエ
チレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹
脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂
およびポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタ
ン−4、4'−ジカルボキシレート樹脂などのほか、ポ
リエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4、
4'−ジカルボキシレート樹脂などのほか、ポリエチレ
ンイソフタレート/テレフタレート樹脂、ポリブチレン
テレフタレート/イソフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート/デカンジカルボキシレート樹脂およびポ
リシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタ
レート樹脂などの共重合体や混合物などを代表的に使用
することができる。その中でも、サイジング剤としての
本発明のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とグリコー
ルとの重縮合物であるのが好ましく、ジカルボン酸成分
として、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、それらの誘導体から選ばれる少なくとも1種
を含むジカルボン酸と、グリコール成分として、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオー
ル、それらの誘導体から選ばれる少なくとも1種を含む
グリコールとの重縮合物が好ましい。とりわけ、テレフ
タル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸および
それらの誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むジカ
ルボン酸と、エチレングリコール、その誘導体から選ば
れる少なくとも1種を含むグリコールとの重縮合物が好
ましい。特にジカルボン酸成分としては、30mol%
以上(より好ましくは50mol%以上、更に好ましく
は70mol%以上)テレフタル酸および/またはイソ
フタル酸を含むのが好ましく、グリコール成分として
は、30mol%以上(より好ましくは50mol%以
上、更に好ましくは70mol%以上)エチレングリコ
ールを含むのが好ましい。
【0018】また、これらのポリエステル樹脂をサイジ
ング剤として用いる場合、これらは水溶性または部分水
溶性、水分散性であることが好ましく、分子鎖中または
末端基にポリアルキレンオキシド鎖、スルホン酸基また
はその塩、カルボキシル基またはその塩、アミノ基また
はその塩などを導入することにより達成することがで
き、その中ではポリアルキレンオキシド鎖の導入および
/またはスルホン酸基またはその塩の導入が好ましく、
その塩としてはアルカリ金属塩が好ましい。
【0019】かかるポリアミド樹脂としては、例えば、
アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を
主たる原料とした重合体、それらの共重合体や混合物な
どが挙げられ、具体的には、ナイロン6/66/61
0、ナイロン6/66/612、ナイロン6/66/6
10/12コポリマー、アミド基中の水素をメトキシメ
チル基などで置換されたナイロン8などが代表的な例と
して挙げることができる。 また、これらのポリアミド
樹脂をサイジング剤として用いる場合、これらは水溶性
または部分水溶性、水分散性であることが好ましく、ポ
リアミド樹脂にポリエチレングリコール、あるいはその
他のポリエーテル成分を合成させるか、分子鎖中または
末端基にポリアルキレンオキシド鎖、スルホン酸基また
はその塩、カルボキシル基またはその塩、アミノ基また
はその塩などを導入することにより達成することがで
き、その中ではポリアルキレンオキシド鎖の導入および
/またはスルホン酸基またはその塩の導入が好ましく、
その塩としてはアルカリ金属塩が好ましい。
【0020】本発明の炭素繊維とは、例えば、ポリアク
リロニトリル(PAN)系、ピッチ(等方性、メソフェ
ーズなど)系、セルロース(ビスコースレーヨン、酢酸
セルロースなど)系、気相成長(炭化水素など)系など
からつくられた炭素繊維や黒鉛繊維を使用することがで
きる。
【0021】かかる炭素繊維としては、強度と弾性率な
どの力学的特性と価格とのバランスに優れ、電気的特性
を有するPAN系炭素繊維が好ましい。
【0022】本発明における炭素短繊維は、その性能を
最大限に発現できるように、連続炭素繊維(フィラメン
ト)の単繊維本数が、好ましくは1.5万〜10万、よ
り好ましくは4万〜8万で束ねられているものが使用さ
れる。単繊維本数が1.5万以上であることは、炭素短
繊維の生産性向上につながり、また単繊維本数が10万
以下であるということは、炭素短繊維のハンドリング性
の向上だけではなく、マトリックス樹脂との溶融混練時
に分散性良好となり、それらの炭素短繊維を用いて得ら
れた組成物に優れた電気的特性が期待できる。
【0023】本発明による炭素短繊維の製造方法を以下
に説明する。単繊維本数が好ましくは1.5万〜10
万、より好ましくは4万〜8万の連続炭素繊維束を含浸
する直前のローラで拡幅させながら、サイジング剤を含
む処理液を、いわゆる含浸法により付与し、その後、該
連続炭素繊維束を、さらにローラ上で拡幅せしめなが
ら、サイジング剤を炭素繊維束内部まで浸透させた後、
熱風乾燥機で乾燥する。この連続炭素繊維束を切断する
際、炭素短繊維が1mm以上であると、切断時に集束さ
せた炭素繊維が開繊しにくくなり、毛羽・毛玉の発生を
抑え、炭素短繊維として優れた集束性を発現する。ま
た、26mm以内であると、マトリックス樹脂と混練す
る際、押出機供給口(ホッパー、供給配管など)で詰ま
りやブリッジを抑さえることができるため好ましい。連
続炭素繊維束の切断長さは、好ましくは1〜26mm、
より好ましくは2〜15mm、特に好ましくは3〜12
mmである。
【0024】上述の連続炭素繊維の切断方法としては、
サイジング剤を水溶液または水エマルジョンまたは溶媒
液またはそれらの混合液により、炭素繊維に付着・付与
させた後、その水分(または有機溶媒)を乾燥させてか
ら切断してもよいし、かかる乾燥する前に切断して、そ
の後に乾燥させてもよく、いずれの方法でもよく、制約
されない。
【0025】本発明で使用する炭素繊維としては、広角
X線回折法により測定された結晶サイズ(Lc)が、好
ましくは1〜6nmの範囲内であるのがよい。Lcが1
nm以上であることは、炭素繊維の炭化もしくは黒鉛化
が十分であり、炭素繊維自体の電気的特性が良好にな
る。このことに起因して、所望の嵩抵抗値を得ることが
できる。また、このような炭素繊維を用いた樹脂組成物
は電気的特性が向上する傾向があるため好ましい。一
方、Lcが6nm以内であるということは、炭素繊維の
過剰な炭化もしくは黒鉛化を抑えることになり、炭素繊
維自体の電気的特性が優れ、尚且つ炭素繊維の折損を防
ぐことができる。そのため、樹脂組成物中の繊維長さは
長くなり、優れた電気的特性が得られるため好ましい。
より好ましくは1.3〜4.5nm、特に好ましくは
1.6〜3.5nmの範囲であることが樹脂組成物の高
い電気的特性を得るのに好ましい。なお、広角X線回折
法によるLcの測定は、日本学術振興会第117委員
会、炭素、36、p25(1963)に記載された方法
に基づいて測定した。
【0026】本発明で使用する炭素繊維としては、X線
光電子分光法により測定される炭素繊維表面の酸素
(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度
(O/C)好ましくは0.02〜0.2の範囲である。
【0027】(O/C)が0.02より大きいと、マト
リックス樹脂との濡れ性が高く、成形物中の炭素繊維の
分散性が良好になることや、炭素繊維とマトリックス樹
脂との接着性が高く、組成物に所望の力学的特性を発現
させることができるため好ましく、また、(O/C)が
0.2より小さいということは、炭素繊維表面の絶縁性
が下がり、炭素繊維同士が接触した接触抵抗が低くな
り、組成物の電気的特性が良好になるため好ましい。よ
り好ましくは0.03〜0.15、特に好ましくは0.
04〜0.13、とりわけ0.05〜0.11の範囲の
ものがよい。
【0028】ここで、表面酸素濃度(O/C)は、X線
光電子分光法により、次のような手順によって測定し
た。なお、本発明では島津製作所(株)製ESCA−7
50を用いて測定を行い、前記感度補正値は2.85で
あった。 (1)まず、サイジング剤などを溶媒で除去した炭素繊
維を銅製の試料支持台上に拡げて並べた後、光電子脱出
角度を90°とし、X線源としてMgKα1、2を用
い、試料チャンバー中を1.3×10-6Pa(1×10
-8Torr)に保つ。 (2)測定時の帯電に伴うピークの補正としてC1Sの主
ピークの運動エネルギー値B.E.を284.6eVに
合わせる。C1Sピーク面積は、282〜296eVの範
囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1S
ピーク面積は、528〜540eVの範囲で直線のベー
スラインを引くことにより求める。 (3)ここで表面酸素濃度(O/C)とは、前記O1S
ーク面積とC1Sピーク面積の比から、装置固有の感度補
正値を用いて原子数比として算出する。
【0029】炭素繊維は、表面酸素濃度(O/C)が
0.02〜0.2の範囲であれば、炭素繊維は、酸性水
溶液中もしくはアルカリ水溶液中での電解処理が施され
ていてもよいが、中でも、酸性水溶液中で電解処理され
ているのが、(O/C)を好ましい範囲により制御しや
すいので好ましい。
【0030】本発明で使用する炭素短繊維は、繊維基材
100%に対して、サイジング剤の付着量が0.5〜4
重量%であるものが好ましい。サイジング剤の付着量が
0.5重量%以上であると、サイジング剤が炭素短繊維
の内部に充分に浸透し、炭素短繊維の集束性が向上し、
マトリックス樹脂との混錬時に、押出機供給口、例えば
ホッパーや供給配管などで炭素短繊維が詰まったり、ブ
リッジすることを抑えることができる。これにより供給
不良などの要因を除去することができ、得られる組成物
の電気的特性が良好になる傾向にある。また、サイジン
グ剤の付着量が4重量%未満であると、サイジング剤に
よる炭素短繊維間の接触抵抗が非常に小さくなり、樹脂
組成物を成形した際に、優れた電気的特性を発現する。
より好ましいサイジング剤付着量は1〜3重量%であ
る。
【0031】本発明の樹脂組成物は、例えば射出成形、
ブロー成形、回転成形、押出成形、プレス成形、トラン
スファー成形、フィラメントワインディング成形などの
成形方法によって成形されるが、最も望ましい成形法
は、生産性の高い射出成形により成形するのがよい。か
かる成形に用いられる成形材料の形態としては、ペレッ
ト、スタンパブルシート、プリプレグ等を使用すること
ができるが、最も望ましい成形材料は、射出成形に用い
られるペレットである。前記ペレットは、一般的には、
所望量の樹脂と繊維のチョップド糸、もしくは連続炭素
繊維を押出機中で混練し、押出、ペレタイズすることに
よって得られたものを指す。また、樹脂組成物中にガラ
ス繊維やアラミド繊維、気相成長炭素繊維やその他の強
化繊維、カーボンブラック、導電性フィラー等をブレン
ドしたものも本発明では使用することができる。
【0032】前記ペレットを用いた射出成形による成形
物において、優れた電気的特性を達成するためには、成
形物中の繊維長さを長くすることが有効であるが、この
場合、特に成形条件および射出成形機、さらに金型の影
響を考慮しなければならない。成形条件に関していえ
ば、背圧が低いほど、射出速度が遅いほど、スクリュー
回転数が遅いほど、成形物中の繊維長さが長くできる傾
向があり、特に背圧は、計量性が不安定にならない程度
に、できるだけ低く設定するのが望ましい。望ましい背
圧は0.1〜1MPa程度である。射出成形機について
は、ノズル径が太いほど、ノズルのテーパー角度が小さ
いほど、スクリュー溝深さが深いほど、圧縮比が低いほ
ど、成形物中の繊維長さが長くできる傾向がある。金型
については、スプルー径、ゲート径を大きくするほど、
成形物中の繊維長さが長くできる傾向がある。
【0033】マトリックス樹脂には、得られた成形品の
衝撃強度に優れ、かつ成形効率の高いプレス成形または
射出成形が可能である熱可塑性樹脂が好ましい。
【0034】かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレ
ート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン
等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオ
キシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカ
ーボネート(PC)、ポリメチレンメタクリレート(P
MMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレン
スルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PP
E)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PA
I)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン
(PSU)、ポリエーテルスルホン、ポリケトン(P
K)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート(PA
R)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール
(ノボラック型など)フェノキシ樹脂、フッ素樹脂、更
にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン
系、飽和ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエ
ン系、ポリイソプレン系、フッ素系等の熱可塑エラスト
マー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以
上ブレンドした樹脂などであってもよい。また、更に機
械的特性向上のために、上記熱可塑性樹脂にその他のエ
ラストマーもしくはゴム成分を添加した樹脂であっても
よい。
【0035】前記熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂の少なくとも1種類が配合されていることが好まし
い。特にポリカーボネート樹脂が配合されていることが
好ましい。
【0036】かかるスチレン系樹脂としては、PS(ポ
リスチレン)等のスチレン系重合体、HIPS(高衝撃
ポリスチレン)等のゴム強化スチレン系重合体、AS
(アクリロニトリル/スチレン共重合体)等のスチレン
系共重合体、AES(アクリロニトリル/エチレン・プ
ロピレン・非共役ジエンゴム/スチレン共重合体)、A
BS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合
体)、MBS(メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチ
レン共重合体)、ASA(アクリロニトリル/スチレン
/アクリルゴム共重合体)などのゴム強化(共)重合体
等が挙げられ、なかでも特にPS(ポリスチレン)等の
スチレン系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン
共重合体)等のスチレン系共重合体、ABS(アクリロ
ニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、ASA
(アクリロニトリル/スチレン/アクリルゴム共重合
体)が好ましい。
【0037】かかるポリカーボネート樹脂としては、芳
香族二価フェノール系化合物とホスゲンまたは炭酸ジエ
ステルとを反応させることにより得られる粘度平均分子
量が10000〜1000000の範囲の芳香族ホモま
たはコポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0038】かかるポリフェニレンエーテル系樹脂とし
ては、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が
0.01〜0.8dl/gの重合体が好ましく用いられ
る。具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/
2,4,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−
ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノー
ル共重合体などを例として挙げることができる。
【0039】また、これら熱可塑性樹脂は2種以上を併
用してもよく、具体的には、ABS樹脂またはASA樹
脂またはAS樹脂とPC樹脂との組み合わせ、PPE樹
脂とPS樹脂またはHIPS樹脂との組み合わせ、PC
樹脂とPS樹脂またはHIPS樹脂との組み合わせなど
の例を好ましく挙げることができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前、後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは、全て本発明の技術範囲に包含される。
【0041】本発明に関する評価項目およびその方法を
下記する。また、各種測定結果は表1にまとめて示し
た。 (1)炭素短繊維の嵩抵抗測定 底部が径55mmの銅板で構成されている内径55mm
の円筒状容器に炭素短繊維30gを入れ、上部から径4
7mmの銅板を垂直に下ろして炭素短繊維に5kgの荷
重を加え、挟み込みながら2つの銅板間の抵抗値を測定
した。また、デジタルマルチメーター(アドバンテスト
社製R6581)を用い、銅板電極間抵抗値0.001
Ω、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下で測定
した。 (2)炭素繊維の結晶サイズ(Lc)測定 広角X線回折法により結晶サイズ(Lc)の測定を、日
本学術振興会第117委員会、炭素、36、p25(1
963)に記載された方法にて行った。
【0042】測定により結晶サイズ(Lc)の値が決定
したものを実施例1〜7、比較例1〜3に使用した。 (3)炭素繊維の表面酸素濃度(O/C)測定 本発明記載の炭素繊維表面の酸素濃度(O/C)は次の
ような手順により、X線光電子分光法(島津製作所
(株)製ESCA−750)を用いて測定を行った。 (a)まず、サイジング剤などを溶媒で除去した炭素繊
維を銅製の試料支持台上に拡げて並べた後、光電子脱出
角度を90°とし、X線源としてMgKα1、2を用
い、試料チャンバー中を1.3×10-6Pa(1×10
-8Torr)に保つ。 (b)測定時の帯電に伴うピークの補正としてC1Sの主
ピークの運動エネルギー値B.E.を284.6eVに
合わせる。C1Sピーク面積は、282〜296eVの範
囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1S
ピーク面積は、528〜540eVの範囲で直線のベー
スラインを引くことにより求める。 (c)ここで表面酸素濃度(O/C)とは、前記O1S
ーク面積とC1Sピーク面積の比から、装置固有の感度補
正値を用いて原子数比として算出する。
【0043】炭素繊維は、表面酸素濃度(O/C)が
0.02〜0.2の範囲であれば、炭素繊維は酸性水溶
液中もしくはアルカリ水溶液中での電解処理が施されて
いてもよいが、より(O/C)を好ましい範囲に制御し
やすい酸性水溶液中で電解処理されているのが好まし
い。
【0044】測定により表面酸素濃度(O/C)の値が
決定したものを実施例1〜7、比較例1〜3に使用し
た。 (4)サイジング付着量測定 炭素短繊維の付着させたサイジング剤の付着量は熱分解
法にて測定した。具体的には、水分率0.05%以下に
乾燥しているサイジング剤が付着している炭素短繊維の
重量W1と、その炭素短繊維を窒素雰囲気下で450℃
×15分間加熱、その後、窒素雰囲気下で25℃×15
分間冷却し湿度50%雰囲気下で25℃×10分間調湿
した後の重量W2とを用いて、(W1-W2)×100/
W1から算出した。(単位は重量%) (5)嵩密度測定 炭素短繊維70gを採取し、500mlメスシリンダー
に入れた後、メスシリンダーを高さ2.54cmから自
由落下させる。この自由落下を60回繰り返した後に、
読取ったメスシリンダーの容量値にて投入重量を除し、
その値を嵩密度とした。(単位はg/ml) (6)樹脂組成物からなる成形物の電気的特性測定 JSW製J150EII−P型射出成形機(スクリュー
直径46mm)にてバレル温度320℃、金型温度80
℃で成形した、長さ80mm×幅80mm×厚さ3mm
の板状組成物上に、導電性ペースト(藤倉化成(株)製
ドータイト)を図2のように塗布し、AB間、AC間、
BD間、CD間の抵抗を測定し、その4種の測定値の平
均値をもって表面抵抗(単位はLogΩ)とすることで
電気的特性を評価した。 (7)機械的特性測定 炭素短繊維を採取し、ASTM 256−93aに従
い、アイゾット衝撃値を求めた。
【0045】実施例1 フィラメント数4.8万の連続炭素繊維(乾湿式紡糸P
AN系、ストランド数48000本、平均単繊維直径
7.1(μm)、結晶サイズ1.78、表面酸素濃度
0.08、固有抵抗値9.4(Ω/m))にサイジング
剤として、ポリエステル樹脂(ES2200、大日本イ
ンキ化学工業(株)製、商品番号、固有抵抗値1×10
16(Ω))を水と混合させることで2.0%の濃度に調
製し、連続的に含浸法により付与し、さらにローラ上で
拡幅せしめながら、サイジング剤を炭素繊維束内部まで
浸透させた後、210℃で乾燥させたストランドを得、
カートリッジカッターを用い、6mm長に切断すること
により炭素短繊維を得た。
【0046】ここで、上記した炭素繊維の固有抵抗値と
は、ストランド数48000本が束になった状態の炭素
繊維を用いて、束状炭素繊維の両端に端子を取り付け、
端子間の抵抗値を測定したものを示す。また、上記した
サイジング剤の固有抵抗値は、サイジング剤のフィルム
(厚さ2μm)を作製し、フィルム状サイジング剤の表
面抵抗を測定した値を示す。
【0047】得られた炭素短繊維は上記(1)項記載の
方法により、嵩抵抗測定を行い、嵩抵抗値を求めた。こ
の後(4)項記載の方法により、サイジング剤付着量を
測定し、(5)項記載の方法により、嵩密度測定を行い
嵩密度を求めた。
【0048】所望量の炭素短繊維と熱可塑性樹脂として
ポリカーボネート樹脂(GEプラスチックス社製レキサ
ン121)を二軸押出機(スクリュー直径40mm、ダ
イス直径5mm×3、バレル温度300℃、回転数10
0rpm)のメインホッパーから投入し、十分溶融・混
練された状態で押し出しながら、水分率0.05%以下
に十分乾燥した所望量のチョップド炭素繊維をサイドホ
ッパーから投入し、ポリカーボネート樹脂を炭素繊維束
中に含浸させる。このようにして得られた不連続の炭素
繊維束を含有するガットを冷却後、カッターで5mmに
切断して、ペレットを得た。
【0049】得られたペレットを80℃にて5時間以上
真空中で乾燥させた後、JSW製J150EII−P型
射出成形機(スクリュー直径46mm)にてバレル温度
320℃、金型温度80℃で成形し、(6)、(7)項
記載の各試験に供した。
【0050】嵩抵抗値1.7Ωの炭素短繊維を得た。樹
脂組成物(炭素短繊維強化熱可塑性樹脂組成物)の電気
的特性においても良好な値を示した。
【0051】実施例2 炭素繊維は実施例1と同様のものを用い、サイジング剤
として、ポリアミド樹脂(P70、東レ(株)製、商品
番号、固有抵抗値5×108(Ω))を用いた以外は実
施例1と同様に炭素短繊維、樹脂組成物を得、その後
(1)〜(7)項記載の測定を行った。
【0052】嵩抵抗値3.9Ωの炭素短繊維を得た。樹
脂組成物の電気的特性においても良好な値を示した。
【0053】実施例3 炭素繊維として乾湿式紡糸PAN系、ストランド数48
000本、平均単繊維直径7.1(μm)、結晶サイズ
1.78、表面酸素濃度0.05、固有抵抗値7.5
(Ω/m)のものを用い、サイジング剤として、ポリア
ミド樹脂(P70、東レ(株)製、商品番号、固有抵抗
値5×108(Ω))を用いた以外は実施例1と同様に
炭素短繊維、樹脂組成物を得、その後(1)〜(7)項
記載の測定を行った。
【0054】嵩抵抗値3.3Ωの炭素短繊維を得た。樹
脂組成物の電気的特性においても良好な値を示した。
【0055】実施例4 炭素繊維は実施例1と同様のものを用い、サイジング剤
として、ポリアミド樹脂(P70、東レ(株)製、商品
番号、固有抵抗値5×108(Ω))を用い、その付着
量を0.4重量%に調整した以外は実施例1と同様に炭
素短繊維、樹脂組成物を得、その後(1)〜(7)項記
載の測定を行った。
【0056】嵩抵抗値3.9Ωの炭素短繊維を得た。樹
脂組成物の電気的特性においても良好な値を示した。
【0057】実施例5 炭素繊維は実施例1と同様のものを用い、サイジング剤
として、ポリアミド樹脂 (P70、東レ(株)製、商
品番号、固有抵抗値5×108(Ω))を用い、その付
着量を4.0重量%に調整した以外は実施例1と同様に
炭素短繊維、樹脂組成物を得、その後(1)〜(7)項
記載の測定を行った。
【0058】嵩抵抗値3.9Ωの炭素短繊維を得た。樹
脂組成物の電気的特性においても良好な値を示した。
【0059】実施例6 炭素繊維として乾湿式紡糸PAN系、ストランド数48
000本、平均単繊維直径5.5(μm)、結晶サイズ
3.00、表面酸素濃度0.08、固有抵抗値10.7
(Ω/m)のものを用い、サイジング剤として、ポリア
ミド樹脂 (P70、東レ(株)製、商品番号、固有抵
抗値5×108(Ω))を用いた以外は実施例1と同様
に炭素短繊維、樹脂組成物を得、その後(1)〜(7)
項記載の測定を行った。
【0060】嵩抵抗値3.5Ωの炭素短繊維を得た。樹
脂組成物の電気的特性においても良好な値を示した。
【0061】実施例7 炭素繊維は実施例1と同様のものを用い、サイジング剤
として、ポリエーテル樹脂(ビスフェノールAエチレン
オキシド付加物、液状物質のため固有抵抗値は測定不可
能)を用いた以外は実施例1と同様に炭素短繊維、樹脂
組成物を得、その後(1)〜(7)項記載の測定を行っ
た。
【0062】嵩抵抗値が4.3Ωの炭素短繊維を得た。
樹脂組成物の電気的特性においてはポリエステル樹脂水
溶液やポリアミド樹脂水溶液を用いたものには劣るもの
の良好な電気的特性が得られた。
【0063】比較例1 炭素繊維は実施例1と同様のものを用い、サイジング剤
として、エポキシ樹脂(Ep828、油化シェル製、商
品番号、とEp1001、油化シェル製、商品番号、を
等量混合した混合エポキシ樹脂;固有抵抗値3×1011
(Ω))を予め付着させた後に、ウレタン樹脂(1、6
−ヘキサメチレンカーボネートジオールとヘキサメチレ
ンジイソシアネートとを重合した自己乳化型ポリウレタ
ン樹脂、固有抵抗値2×109(Ω))を付着させた以
外は実施例1と同様に炭素短繊維、樹脂組成物を得、そ
の後(1)〜(7)項記載の測定を行った。
【0064】嵩抵抗値30.0Ωの炭素短繊維を得た。
それを用いた樹脂組成物の電気的特性は劣悪な値であっ
た。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、電気的特性が極めて優
れた炭素短繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供すること
ができるので、電気・電子機器、OA機器、家電機器、
自動車用途の各種部品またはハウジング等の一般産業分
野用に極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素短繊維の嵩抵抗値を測定する装置
の概略図である。
【図2】本発明の樹脂組成物からなる成形物の表面抵抗
値を測定するための試験片の平面図である。
【符号の説明】 1:導電性ペースト塗布範囲A 2:導電性ペースト塗布範囲B 3:導電性ペースト塗布範囲C 4:導電性ペースト塗布範囲D
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/507 D06M 15/59 15/59 15/507 Z Fターム(参考) 4F072 AA02 AA08 AB10 AB18 AC05 AC08 AD41 AG05 AK15 AL02 AL11 4J002 AA011 BB031 BB121 BB171 BC021 BC031 BC041 BC061 BD041 BD121 BG061 BN071 BN121 BN151 BN161 CB001 CC031 CF051 CF061 CF071 CF081 CF161 CG001 CH071 CH081 CH091 CJ001 CL001 CM041 CN011 CN031 DA016 FA046 FB266 GN00 GQ02 4L033 AA09 AB01 AC12 AC15 CA45 CA48 CA55 4L037 AT05 CS03 FA01 FA02 UA12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本文で定義する嵩抵抗値が0.1〜5Ωで
    あることを特徴とする炭素短繊維。
  2. 【請求項2】前記炭素短繊維が、熱可塑性ポリマーから
    なるサイジング剤が付着したものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の炭素短繊維。
  3. 【請求項3】前記サイジング剤が、テレフタル酸、イソ
    フタル酸およびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも
    1種のジカルボン酸成分、エチレングリコールおよびそ
    の誘導体から選ばれる少なくとも1種のジオール成分と
    を重合して得られたポリエステル樹脂に、ポリエチレン
    グリコールまたはその他のポリエーテル成分を共重合さ
    せるか、あるいは、イオン性親水基を導入させてなるポ
    リエステル樹脂である請求項2に記載の炭素短繊維。
  4. 【請求項4】前記炭素短繊維のサイジング剤が、ヘキサ
    メチレンジアミンおよびその誘導体から選ばれる少なく
    とも1種のジアミン成分と、アジピン酸およびその誘導
    体から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸成分とを
    重合して得られるポリアミドに、ポリエチレングリコー
    ルまたはその他のポリエーテル成分を共重合させる、あ
    るいは、イオン性親水基を導入させてなるポリアミド樹
    脂である請求項2に炭素短繊維。
  5. 【請求項5】前記炭素短繊維の表面酸素濃度(O/C)
    が、0.02〜0.2の範囲であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の炭素短繊維。
  6. 【請求項6】前記炭素短繊維の結晶サイズ(Lc)が、
    1〜6nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の炭素短繊維。
  7. 【請求項7】前記サイジング剤の付着量が、0.4〜4
    重量%であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか
    に記載の炭素短繊維。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の炭素短繊
    維と熱可塑性樹脂の少なくとも2つの構成要素を含むこ
    とを特徴とする樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の樹脂組成物を射出成形し
    てなることを特徴とする成形物。
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