JP2002241529A - フェノール樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂発泡体の製造方法

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JP2002241529A
JP2002241529A JP2001044108A JP2001044108A JP2002241529A JP 2002241529 A JP2002241529 A JP 2002241529A JP 2001044108 A JP2001044108 A JP 2001044108A JP 2001044108 A JP2001044108 A JP 2001044108A JP 2002241529 A JP2002241529 A JP 2002241529A
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phenolic resin
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JP2001044108A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Tsuchiya
信之 土屋
Yasuaki Nakada
安章 仲田
Takashi Hashiba
喬 橋場
Hitoshi Takada
等 高田
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中和剤、難燃剤として粉末フィラーを添加し
てもフェノール樹脂コンパウンドに沈降、凝集を起こさ
せることなく、安定して樹脂発泡体を製造することがで
きるフェノール樹脂発泡体の製造方法を提供する。 【構成】 レゾール型フェノール樹脂に、整泡剤、発泡
剤、中和剤、難燃剤、酸性硬化剤を添加混合し、発泡硬
化させてフェノール発泡体を製造する際に、添加する粉
末発泡剤、中和剤、難燃剤の粉末フィラーを分散剤と予
め混合してコンパウンドを作製し、このコンパウンドを
酸性硬化剤とともにレゾール型フェノール樹脂と混合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観、強度、断熱性等
の特性に優れた、レゾール型フェノール樹脂発泡体を安
定して製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レゾール型フェノール樹脂に整泡剤、発
泡剤、酸性硬化剤を使用して、発泡硬化させたフェノー
ル樹脂発泡体は、耐熱性、耐薬品性、断熱性に優れ、ま
た目的の形状や生産性から多種の生産方法が選択できる
ことから、建材、家庭電化製品、自動車等の輸送機器に
使用されている。これらの発泡体を製造する際に、耐火
性、耐熱性を改良するため、あるいは複合させて使用す
る金属を腐食させないために無機質、有機質の粉末フィ
ラーを添加する場合が多い。また、発泡剤として有機質
発泡剤、無機質発泡剤を使用する場合がある。
【0003】従来この方式を採用する場合は、まず一定
量のレゾール型フェノール樹脂に、整泡剤、発泡剤を混
合し、さらに一定量の粉末フィラーを添加混合したレゾ
ール型フェノール樹脂コンパウンドを作製し、次にこの
レゾール型フェノール樹脂コンパウンドに酸性硬化剤を
添加して急速に混合し、型内に注入して発泡硬化させる
方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなフ
ェノール樹脂発泡体を断熱、防火材として使用する際、
近年防火基準の改正により防火性能のさらなる向上が求
められ、そのため粉末状の難燃剤の添加量が多くなって
いる。また金属板と複合させて使用する場合が多くな
り、このような発泡体に金属板を腐食させないという特
性も要求され、このために酸性硬化剤を中和させるため
の粉末状中和剤の添加が増えている。粉末状の難燃剤、
中和剤は元来難溶性で、レゾール型フェノール樹脂に添
加すると時間の経過とともに沈降凝集を起こす。
【0005】このように、粉末フィラーの添加量が増え
ると、従来の方法では、レジ−ル型フェノール樹脂への
粉末フィラーの混合に手間取ったり、粉末フィラーの沈
降、凝集が発生し易く、さらに配管や移送ポンプを詰ま
らせる等の生産安定性を低下させる現象が起きている。
このようなことから、当然製造過程において発泡挙動が
安定せず、製造された発泡体の品質も劣る結果となる。
このために、予め少量のレゾール型フェノール樹脂に粉
末フィラーを練り込んでマスターコンパウンドを作製
し、このマスターコンパウンドを他の整泡剤、発泡剤等
とともにレゾール型フェノール樹脂に混合する方法が検
討されているが、レゾール型フェノール樹脂の増粘、粉
末フィラーの沈降、凝集は避けられず、マスターコンパ
ウンドの安定性に問題があった。
【0006】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、中和剤、難燃剤として粉末フィラ
ーを添加してもフェノール樹脂コンパウンドに沈降、凝
集を起こさせることなく、安定して樹脂発泡体を製造す
ることができるフェノール樹脂発泡体の製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のフェノール樹脂
発泡体の製造方法は、その目的を達成するため、レゾー
ル型フェノール樹脂に、整泡剤、発泡剤、中和剤、難燃
剤、酸性硬化剤を添加混合し、発泡硬化させてフェノー
ル発泡体を製造する際に、添加する粉末発泡剤、中和
剤、難燃剤の粉末フィラーを分散剤と予め混合してコン
パウンドを作製し、このコンパウンドを酸性硬化剤とと
もにレゾール型フェノール樹脂と混合するものである。
分散剤としては、分子中にエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシドを含む非イオン系界面活性剤を使用すること
が好ましく、またコンパウンドはレゾール型フェノール
樹脂および硬化剤とは別々に保存し、別々の配管を通し
て攪拌混合部に連続的に供給することが好ましい。
【0008】
【実施の態様】本発明について詳細に説明する。フェノ
ール樹脂発泡体は、レゾール型フェノール樹脂またはノ
ボラック型フェノール樹脂から製造されるが、本発明で
使用されるフェノール樹脂はレゾール型フェノール樹脂
である。レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類と
アルデヒド過剰でアルカリ性触媒の存在下で反応させ
て、脱水縮合させることにより製造される。
【0009】該フェノール類としては、フェノール、ク
レゾール、キシレノ−ル等が挙げられるが、これらの中
でも反応性、硬化性の面からフェノール、m−クレゾー
ルが好ましい。これらのフェノール類は単独で用いて
も、混合しても良く、さらにo−クレゾール、p−クレ
ゾール、ビスフェノール等を併用しても良い。アルデヒ
ド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ド、ポリオキシメチレン、トリオキサン等が使用でき
る。これらのアルデヒド類は単独で用いても、混合して
も良い。レゾール化触媒として使用するアルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げら
れる。
【0010】本発明で使用される整泡剤は、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンジメチルシリコン等の非
イオン系界面活性剤である。これらは単独で用いても、
混合しても良い。本発明で使用される分散剤は、整泡剤
として使用される非イオン系界面活性剤の範囲から選ば
れる。
【0011】整泡剤と分散剤の合計使用量はレゾール型
フェノール樹脂100重量部に対して、通常0.5〜1
0重量部の範囲であることが好ましい。整泡剤と分散剤
の合計使用量が0.5重量部未満であると、気泡が安定
して形成されず、セルのばらつきが発生したり、ボイド
を生じる等、均質な気泡構造が得られ難い。また、10
重量部を超えると、整泡力が過剰となり気泡壁が厚すぎ
て剛直となり得られた発泡体が脆くなる。
【0012】本発明で使用する発泡剤としては、発泡剤
として公知の−20℃〜100℃程度の揮発性有機液
体、例えばフッ素化炭化水素、塩素化炭化水素、脂肪族
炭化水素の一種類または二種類以上の混合物が使用可能
であるが、地球環境破壊を促進するフロンであるトリク
ロロモノフルオロメタン(F−11)、トリクロロトリ
フルオロエタン(F−113)、ジクロロテトラフルオ
ロエタン(F−114)等、さらに四塩化炭素、トリク
ロロエタンは事実上好ましくない。オゾン破壊係数の小
さい塩化メチレン、代替フロン(F−141b)、n−
ペンタン、シクロペンタン、イソプロピルエーテル等の
低沸点有機化合物が有効である。また、粉末発泡剤とし
ては、二酸化炭素を発生する炭酸塩、窒素ガスを発生す
るニトロ素化合物、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体が挙
げられ、上記揮発性有機液体と併用しても良い。
【0013】本発明で使用する中和剤は、発泡体の発泡
硬化後も発泡体中に残存する硬化剤である酸を中和する
ために使用するものである。中和剤としては、金属粉末
またはバリウム、カルシウム、ストロンチウム、鉛等の
弱酸との塩が良い。金属粉末としては、亜鉛、アルミニ
ウム、鉄、鉛、マグネシウム等の粉末が挙げられるが、
中和力が高い亜鉛粉末が好ましい。またバリウム、カル
シウム、ストロンチウム、鉛との弱酸の塩では、メタホ
ウ酸バリウム、炭酸バリウム等が好ましい。また、これ
らを併用して使用することもできる。
【0014】これらの中和剤は、発泡体中に残存してい
る硬化剤である酸を中和し、発泡体を金属に接触させて
使用している場合等で、金属が発泡体から腐食されるこ
とを抑制する作用を有するものである。その使用量は、
使用する酸性硬化剤に対して中和当量比で0.1〜2当
量で良いが、0.5〜2当量が好ましい。0.1当量以
下であると、中和が進まず、腐食抑制効果が低い。ま
た、2当量以上であると、発泡硬化反応中に、中和が進
み、発泡硬化反応が遅れる。
【0015】本発明で使用する難燃剤としては、公知の
有機系難燃剤、無機系難燃剤には制限はない。しかし、
発泡体使用後に、焼却して廃棄する時の毒性の問題か
ら、有機系難燃剤よりも無機系難燃剤の方が好ましい。
無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、ホウ酸、二水和石膏、タルク、クレー等が
挙げられる。これらは固体であり、粉末状で使用され
る。無機系難燃剤で比較的微細な粒状形で結晶水を多量
に含んだものは難燃性が高い。
【0016】本発明で使用する酸性硬化剤としては、特
に制限はない。一般的にレゾール型フェノール樹脂の硬
化剤として使用されている公知のものが使用可能であ
る。例えば、硫酸、リン酸、塩酸等の無機酸、ベンゼン
スルホン酸、フェノールスルホン酸、トルエンスルホン
酸、キシレンスルホン酸、蟻酸、酢酸等の有機酸が挙げ
られる。
【0017】本発明の特徴であるコンパウンドは、レゾ
ール型フェノール樹脂に対して難溶性の上記の粉末発泡
剤、中和剤、難燃剤である粉末フィラーを分散剤に混合
して作成される。使用する分散剤は、上記に示した整泡
剤を使用し、使用量はレゾール型フェノール樹脂100
重量部に対し、0.5〜9.5重量部が好ましい。粉末
の発泡剤、中和剤、難燃剤の量は整泡剤・分散剤の合計
量に対して、0.5〜4倍の範囲内とすることが好まし
い。0.5倍に満たないと最終の発泡体の中和剤、難燃
剤が少なくなり、中和効果、難燃効果が期待できない。
また4倍を超えると、コンパウンドの粘度が高くなり、
取り扱い難くなる。
【0018】このようにして得られたコンパウンドは、
界面活性剤がベースのスラッジ状になるため、個々の粉
末が界面活性剤に覆われ、非常に安定したものとなる。
また、界面活性剤の潤滑効果のため、コンパウンドは配
管で容易に移送することができる。他の液体の発泡剤、
難燃剤等も場合により、このコンパウンドに適宜添加す
ることができる。
【0019】本発明で使用するレゾール型フェノール樹
脂は、整泡剤の一部と発泡剤を添加混合してレゾール型
フェノール樹脂混合物を作製する。ここで整泡剤を添加
するのは、レゾール型フェノール樹脂と発泡剤を均一に
分散させておくためである。レゾール型フェノール樹脂
に添加する整泡剤の使用量は、レゾール型フェノール樹
脂100重量部に対して0.5〜9.5重量部が好まし
く、0.5重量部未満であると、発泡剤がレゾール型フ
ェノール樹脂中によく混合分散せず、また発泡時に発泡
不良を起こす。整泡剤の量は、レゾール型フェノール樹
脂に添加する使用量とコンパウンド中に分散剤として添
加した量の合計が、レゾール型フェノール樹脂100重
量部に対して、10重量部を超えてはならない。10重
量部を超えると、発泡力が過剰となり気泡壁が厚すぎて
剛直となり得られた発泡体が脆くなる。
【0020】発泡剤の使用量は、レゾール型フェノール
樹脂100重量部に対し、通常1〜20重量部、好まし
くは1.5〜15重量部の範囲である。発泡剤の使用量
が1重量部に満たないと気化が急激となり、発泡硬化の
バランスがとれないため、均質なセル構造が得られな
い。また20重量部を超えると、セル内の発泡圧力と整
泡力のバランスがとれず、セル壁が破れてしまい、均質
なセル構造が得られない。
【0021】図1に、本発明レゾール型フェノール発泡
体の製造方法を実施する装置の概念図を示す。レゾール
型フェノール樹脂混合物は温度調節のできるタンク1内
に保存され配管2によりポンプ3を経由して混合攪拌部
4に導かれる。整泡剤コンパウンドは温度調節できるタ
ンク5内に保存され配管6によりポンプ7を経由して混
合攪拌部4に導かれる。酸性硬化剤は温度調節できるタ
ンク8内に保存され配管9によりポンプ10を経由して
混合攪拌部4に導かれる。レゾール型フェノール樹脂混
合物、整泡剤コンパウンド、酸性硬化剤の3つの成分は
混合攪拌部ではじめて接触され、モーター11により駆
動される攪拌羽根12で攪拌され、急激に混合される。
混合された発泡性混合物は、すぐに攪拌混合部分から、
型内に注入され、発泡硬化が始まる。発泡硬化時には、
発泡硬化を早めたい場合適宜加熱しても良い。
【0022】次に、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
各実施例、比較例とも使用するレゾール型フェノール樹
脂と酸性硬化剤の混合比は100:25の重量比になる
ように作製した。
【0023】
【実施例1】固形分80重量%、粘度2000mPas
(25℃)、重量平均分子量300のレゾール型フェノ
ール樹脂100重量部に、発泡剤の塩化メチレンを4重
量部、整泡剤のポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルを2重量部添加混合してレゾール型フェノール樹脂
Aを作製した。またポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル7重量部に、ホウ酸5重量部、ホウ酸バリウム
3重量部を添加混合してコンパウンドAを作製した。酸
性硬化剤はフェノールスルホン酸を使用した。
【0024】得られたレゾール型フェノール樹脂A、コ
ンパウンドAおよび酸性硬化剤をタンク1、5、8に貯
蔵保管した。保管した3成分を配管2、6、9によりポ
ンプ3、7、10で混合攪拌部4に導かれる量が、レゾ
ール型フェノール樹脂A、コンパウンドAおよび酸性硬
化剤が、106:14:25の重量比になるように、導
き攪拌し、急速混合した。混合された発泡性混合物
(A)は混合部分から直ちに排出され、40℃に加熱さ
れた金型に入れ、発泡硬化された。なお、レゾール型フ
ェノール樹脂Aの粘度、コンパウンドAの粘度、それぞ
れのタンクの貯蔵状況、発泡体の混合攪拌部から排出さ
れた時点から発泡硬化が終了するまでの時間を測定し、
発泡したセルの状態を観察した。測定、観察はそれぞれ
のコンパウンドを作製しタンクに貯蔵保管した直後およ
び48時間後に行なった。
【0025】
【実施例2】固形分80重量%、粘度2000mPas
(25℃)、重量平均分子量300のレゾール型フェノ
ール樹脂100重量部に、発泡剤の塩化メチレンを4重
量部、整泡剤のポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルを2重量部添加混合してレゾール型フェノール樹脂
Aを作製した。またポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル3重量部に、ホウ酸バリウム3重量部、亜鉛粉
末5重量部を添加混合してコンパウンドBを作製した。
酸性硬化剤はフェノールスルホン酸を使用した。
【0026】得られたレゾール型フェノール樹脂A、コ
ンパウンドBおよび酸性硬化剤をタンク1、5、8に貯
蔵保管した。保管した3成分を配管2、6、9によりポ
ンプ3、7、10で混合攪拌部4に導かれる量が、レゾ
ール型フェノール樹脂A、コンパウンドBおよび酸性硬
化剤が、106:11:25の重量比になるように、導
き攪拌し、急速混合した。混合された発泡性混合物
(B)は混合部分から直ちに排出され、40℃に加熱さ
れた金型に入れ、発泡硬化された。なお、レゾール型フ
ェノール樹脂Aの粘度、コンパウンドBの粘度、それぞ
れのタンクの貯蔵状況、発泡体の混合攪拌部から排出さ
れた時点から発泡硬化が終了するまでの時間を測定し、
発泡したセルの状態を観察した。測定、観察はそれぞれ
のコンパウンドを作製しタンクに貯蔵保管した直後およ
び48時間後に行なった。
【0027】
【比較例1】固形分80重量%、粘度2000mPas
(25℃)、重量平均分子量300のレゾール型フェノ
ール樹脂100重量部に、発泡剤の塩化メチレンを4重
量部、整泡剤のポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルを9重量部、ホウ酸5重量部、ホウ酸バリウム3重
量部を添加混合して、レゾール型フェノール樹脂Bを作
製した。酸性硬化剤はフェノールスルホン酸を使用し
た。
【0028】得られたレゾール型フェノール樹脂B、酸
性硬化剤をタンク1、8に貯蔵保管した。保管した2成
分を配管2、9によりポンプ3、10で混合攪拌部4に
導かれる量が、レゾール型フェノール樹脂Bおよび酸性
硬化剤が、120:25の重量比になるように、導き攪
拌し、急速混合した。混合された発泡性混合物(C)は
混合部分から直ちに排出され、40℃に加熱された金型
に入れ、発泡硬化された。なお、レゾール型フェノール
樹脂Bの粘度、それぞれのタンクの貯蔵状況、発泡体の
混合攪拌部から排出された時点から発泡硬化が終了する
までの時間を測定し、発泡したセルの状態を観察した。
測定、観察はそれぞれのコンパウンドを作製しタンクに
貯蔵保管した直後および48時間後に行なった。
【0029】
【比較例2】固形分80重量%、粘度2000mPas
(25℃)、重量平均分子量300のレゾール型フェノ
ール樹脂100重量部に、発泡剤の塩化メチレンを4重
量部、整泡剤のポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルを5重量部、ホウ酸バリウム3重量部、亜鉛粉末5
重量部を添加混合して、レゾール型フェノール樹脂Cを
作製した。酸性硬化剤はフェノールスルホン酸を使用し
た。
【0030】得られたレゾール型フェノール樹脂C、酸
性硬化剤をタンク1、8に貯蔵保管した。保管した2成
分を配管2、9によりポンプ3、10で混合攪拌部4に
導かれる量が、レゾール型フェノール樹脂Cおよび酸性
硬化剤が、117:25の重量比になるように、導き攪
拌し、急速混合した。混合された発泡性混合物(D)は
混合部分から直ちに排出され、40℃に加熱された金型
に入れ、発泡硬化された。なお、レゾール型フェノール
樹脂Cの粘度、それぞれのタンクの貯蔵状況、発泡体の
混合攪拌部から排出された時点から発泡硬化が終了する
までの時間を測定し、発泡したセルの状態を観察した。
測定、観察はそれぞれのコンパウンドを作製しタンクに
貯蔵保管した直後および48時間後に行なった。
【0031】実施例1、2、比較例1、2のそれぞれの
コンパウンドを作製しタンクに貯蔵保管した直後の粘度
および貯蔵状態、38時間後の粘度および貯蔵状態を観
察した。実施例1でレゾール型フェノール樹脂Aの粘度
を測定した結果、タンクに貯蔵保管直後も48時間後も
1600mPasであり変化はなかった。同じく、実施
例1のコンパウンドAの粘度を測定した結果、タンクに
貯蔵保管した直後も48時間後も整泡剤コンパウンドA
の粘度は30000mPasで変化はなかった。48時
間後のタンク内のレゾール型フェノール樹脂A、および
コンパウンドAの状態を観察したところ、レゾール型フ
ェノール樹脂A、コンパウンドAともに沈降、分離等の
変化はなかった。
【0032】実施例2はレゾール型フェノール樹脂Aが
実施例1と同一である。実施例2のコンパウンドBの粘
度を測定した結果、タンクに貯蔵保管直後も48時間後
もコンパウンドBの粘度は70000mPasであり変
化はなかった。48時間後のタンク内のコンパウンドB
の状態を観察したところ、コンパウンドBに沈降、分離
等の変化はなかった。実施例1のコンパウンドA、実施
例2のコンパウンドBは、界面活性剤がベースのスラッ
ジ状になるため、個々の粉末が界面活性剤に覆われ、非
常に安定したコンパウンドとなり、沈降、分離は発生し
なかった。
【0033】比較例1でレゾール型フェノール樹脂Bの
粘度を測定した結果、タンクに貯蔵保管直後は1900
mPasであったが、48時間後は3200mPas
(もっと上がるのでは)であり大幅に粘度が上昇した。
これは添加したホウ酸の酸性により、レゾール型フェノ
ール樹脂の硬化反応が進行したためによる。48時間後
のタンク内を観察したところ、比較例1のレゾール型フ
ェノール樹脂Bはタンクの底に沈降が見られ、添加した
粉末フィラーが分離する傾向があった。
【0034】比較例2でレゾール型フェノール樹脂Cの
粘度を測定した結果、タンクに貯蔵保管直後は1900
mPasで、48時間後は2000mPasであり粘度
の変化は少なかった。48時間後のタンク内を観察した
ところ、比較例2のレゾール型フェノール樹脂Cは、タ
ンクの底に沈降が見られ、添加した粉末フィラーが分離
する傾向があった。
【0035】実施例1、2および比較例1、2のそれぞ
れの成分を攪拌混合部に導き攪拌し、急速混合し、40
℃に加熱された金型に入れ、発泡硬化させ、混合攪拌部
から排出された時点から発泡硬化が終了するまでの時間
を測定し、発泡したセルの状態を観察した。測定と観察
はそれぞれタンクに貯蔵保管した直後と、48時間後に
実施した。実施例1の発泡体が発泡し硬化するまでの時
間を測定した結果、貯蔵保管直後は2分40秒、48時
間後は2分45秒でほとんど変化はなかった。セルも貯
蔵保管した直後と、48時間後とも微細で、ボイドやセ
ル荒れは見られなかった。実施例2の発泡体が発泡し硬
化するまでの時間を測定した結果、貯蔵保管直後は2分
55秒、48時間後は3分05秒でほとんど変化はなか
った。セルも貯蔵保管した直後と、48時間後とも微細
で、ボイドやセル荒れは見られなかった。
【0036】比較例1の発泡体が発泡し硬化するまでの
時間を測定した結果、貯蔵保管直後は、2分50秒、4
8時間後は4分20秒で発泡硬化時間は大幅に長くなっ
た。セルは貯蔵保管した直後は微細で、ボイドやセル荒
れは見られなかったが、48時間後はセルが若干大きく
なり、ボイドも一部見られた。比較例2の発泡体が発泡
し硬化するまでの時間を測定した結果、貯蔵保管直後は
2分40秒、48時間後は添加した粉末の沈降で配管が
閉塞し、発泡硬化時間の測定ができなくなった。
【0037】表1に、本発明で使用したレゾール方フェ
ノール樹脂、コンパウンド、酸性硬化剤の配合割合を、
表2にそれらの粘度と発泡硬化時間の測定結果および発
泡セルの観察状況をまとめて示す。
【0038】
【0039】
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、難溶性の中和
剤、難燃剤等の粉末フィラーを、レゾール型フェノール
樹脂に最初から添加混合するのではなく、使用攪拌混合
部分で初めて酸性硬化剤とともに添加混合することによ
り、従来、難燃剤、中和剤等を最初から添加混合された
レゾール型フェノール樹脂コンパウンドで発生しがちで
あったタンク内での沈降、分離、配管の閉塞、それらに
よる発泡硬化時間の変化等をなくすことができ、発泡化
体を安定的に製造することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を実施する装置の概念図
【符号の説明】
1,5,8:タンク、 2、6、9:配管、
3、7、9:ポンプ、4:攪拌混合部、 1
1:攪拌モーター、 12:攪拌羽根、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲田 安章 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 橋場 喬 群馬県伊勢崎市富塚町1021 昭和高分子株 式会社内 (72)発明者 高田 等 群馬県伊勢崎市富塚町1021 昭和高分子株 式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA60 AA76 AC08 AC33 AG10 AG16 BA44 BC02 CA23 DA32 DA33 DA50 4J002 CC041 CC051 CH052 CP182 DA087 DA097 DA107 DA117 DD019 DE078 DE148 DE216 DE237 DG049 DG058 DH029 DJ038 DJ048 DK007 DK008 EA016 EB026 EB066 EF039 EQ016 EQ026 ES006 EV239 FD138 FD149 FD202 FD207 FD326

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾール型フェノール樹脂に、整泡剤、
    発泡剤、中和剤、難燃剤、酸性硬化剤を添加混合し、発
    泡硬化させてフェノール発泡体を製造する際に、添加す
    る粉末発泡剤、中和剤、難燃剤の粉末フィラーを分散剤
    と予め混合してコンパウンドを作製し、このコンパウン
    ドを酸性硬化剤とともにレゾール型フェノール樹脂に添
    加混合することを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 分散剤が分子中にエチレンオキシド、プ
    ロピレンオキシドを含む非イオン系界面活性剤である請
    求項1に記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 レゾール型フェノール樹脂、コンパウン
    ド、酸性硬化剤を別々に攪拌混合部に連続的に供給する
    請求項1または2に記載のフェノール樹脂発泡体の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016538886A (ja) * 2013-11-25 2016-12-15 ネステク ソシエテ アノニム 膨張したテクスチャーを有する噛みごたえのある可食性組成物
CN111051406A (zh) * 2017-09-15 2020-04-21 乐金华奥斯株式会社 酚醛发泡体及其制备方法

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