JP2541703B2 - フェノ―ル樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

フェノ―ル樹脂発泡体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール樹脂発泡体
の製造方法に関する。更に詳しくは、オゾン層の破壊が
危惧される特定フロン系発泡剤の使用量の削減と金属の
腐食性改善の両立が達成されるフェノール樹脂発泡体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からフェノール樹脂発泡体を製造す
る方法として、液状フェノール樹脂を酸性硬化剤、発泡
剤及び整泡剤の存在下で発泡硬化させる方法が知られて
いる。このような発泡体の製造には種々の発泡剤が使用
されているが、中でも、特に断熱性能や発泡成形性の観
点から、主として1,1,2−トリクロロトリフルオロ
エタン、トリクロロモノフルオロメタン及びこれらの混
合物などが慣用されている。しかし、近年、これらの発
泡剤はオゾン層を破壊して自然環境を悪化させるのみな
らず、人体にも悪影響を及ぼすことが明らかにされたこ
とにより、今後、その使用量が段階的に規制されること
から、当該技術分野においてはかかる規制対象フロンに
代わる発泡剤の探索が急務とされている。このような事
情からオゾン層の破壊防止に有効な1,1−ジクロロ−
2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロ−
1−フルオロエタンなどの特定フロン代替品が開発され
る傍ら、従来公知の発泡剤である塩化メチレン、ペンタ
ン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ブタン、窒素ガス及
び炭酸ガス等の物理的発泡剤、又は炭酸ガスの発生を伴
う重曹等の化学的発泡剤などについても積極的な見直し
が行われており、中でも炭酸ガスの利用が特に関心を集
めている。
【0003】しかしながら、炭酸ガス自体を直接用いる
場合は、炭酸ガスが非常に低い沸点を有するため、発泡
原液を安定的に調製することが極めて困難であり、又得
られる発泡体は一般にボイドを含むために強度上の問題
を有する。一方、重曹は酸性硬化剤と接触すると炭酸ガ
スを瞬時に発生するため、発泡操作が極めて困難であ
り、前記炭酸ガス自体を使用した場合と同様な現象が観
察される。又液状フェノール樹脂を硬化させるために用
いる酸性硬化剤は、発泡終了後も発泡中に遊離酸として
残留するため、この発泡体を金属と接触する用途に使用
すると金属を腐食するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、前記フロ
ン規制に対応するため、1,1,2−トリクロロトリフ
ルオロエタン、トリクロロモノフルオロメタン等の特定
フロン系発泡剤を全く使用せず若しくは使用量を削減
し、しかも従来品と遜色のない機械的性能、耐火性能を
保持し、かつ金属に対する腐食性を減少させたフェノー
ル樹脂発泡体を得る製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく化学的発泡剤に着目して鋭意研究を行なっ
た結果、種々の化学的発泡剤の中でも特に炭酸バリウム
は、酸性硬化剤と接触させた場合、発泡操作に適した速
度で炭酸ガスを発生し、従来品と遜色のない物性を有す
る均一な発泡体を与え、しかも金属に対する腐食性が極
めて改善されることを見出し、更にこの知見を基礎に研
究を進めた結果、特定の酸性硬化剤を使用することによ
り、発泡操作が大幅に改善されることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は酸性硬化剤、発泡剤及び整
泡剤の存在下で液状フェノール樹脂を発泡硬化させてフ
ェノール樹脂発泡体を製造する方法において、前記発泡
剤が炭酸バリウム又はそれを含む発泡剤混合物であるこ
とを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製造方法を提供
する。更に好ましくは、前記酸性硬化剤が多環芳香族ス
ルホン酸、スルホン化クレオソート油若しくは多環芳香
族スルホン酸及び/又はスルホン化クレオソート油とホ
ルムアルデヒドとの縮合物から選ばれる少なくとも1
種、又はそれを含む酸性硬化剤混合物であるフェノール
樹脂発泡体の製造方法を提供する。
【0007】以下、本発明のフェノール樹脂発泡体の製
造方法について詳細に説明する。本発明において使用さ
れる液状フェノール樹脂は、酸性硬化剤の存在下で硬化
反応を引き起こすメチロール基やジメチレンエーテル基
等の架橋性官能基を分子中に有する樹脂液又は必要に応
じて適当な溶剤に溶解させた樹脂溶液であり、具体的に
はレゾール型フェノール樹脂又はベンジルエーテル型フ
ェノール樹脂に代表されるが、そのほかノボラック型フ
ェノール樹脂にメチロール基を付加させたノボラック・
レゾール型フェノール樹脂などが例示される。これらの
液状フェノール樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を
組み合せて用いてもよい。
【0008】このような液状フェノール樹脂の代表的な
レゾール型又はベンジルエーテル型フェノール樹脂は、
通常、フェノール類とアルデヒド類とを、フェノール類
に対するアルデヒド類の使用割合(モル比)を例えば0.
8〜4.0の範囲に調整し、アルカリ性又は弱酸性の反応
触媒存在下で例えば50℃〜還流温度で反応させた後、場
合によっては中和処理を行い、次に減圧下で所定の特性
値(例えば25℃での粘度が 500〜200000CP)まで脱水濃
縮を行って冷却し、しかる後必要に応じて添加物を加え
て製造される。上記フェノール類としては、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、P−ターシャリブチル
フェノール、カテコール、レゾルシン、ピロガロール、
ビスフェノールF、ビスフェノールA、フェノール類の
精製残渣などがある。又アルデヒド類としては、ホルム
アルデヒド、フルフラール、グリオキザールなどがあ
る。又反応触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、リン酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニ
ア、酢酸亜鉛、ほう酸亜鉛、塩化亜鉛、ナフテン酸鉛な
どがある。なお、これらフェノール類、アルデヒド類及
び反応触媒は、それぞれ例示されたものに限定されるも
のではなく、更にそれぞれは単独で又は2種以上を組み
合せて用いることができる。
【0009】本発明において使用される炭酸バリウム
は、後述する酸性硬化剤との中和反応によって発生する
炭酸ガスを発泡体中の気泡形成に利用するための中和機
能を合わせ持つ化学的発泡剤であるが、特に発泡効率や
中和効率の観点から細かい粒度、例えば 100μm以下の
ものが通常好ましく使用される。又炭酸バリウムの使用
量は、このものを単独で使用する場合又は従来公知の発
泡剤と併用する場合など使用目的によって異なるため一
概に限定されないが、一般的には液状フェノール樹脂の
固形分 100重量部あたり1〜40重量部、好ましくは3〜
30重量部の範囲で選ばれる。又その使用方法についても
特に限定はなく、液状フェノール樹脂の調製時若しくは
調製後又は発泡原液の調製時に添加混合して使用するな
どいずれの方法であっても良い。なお、炭酸バリウムと
の併用に好適な発泡剤としては、例えば1,1,2−ト
リクロロトリフルオロエタン(R−113)、トリクロロモ
ノフルオロメタン(R−11)、1,1−ジクロロ−2,
2,2−トリフルオロエタン(R−123)、1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタン(R− 141b)、1,1−ジ
クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン
(R−225ca)、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3
−ペンタフルオロプロパン(R−225cb)、メチレンクロ
ライド、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素類、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル等の脂肪族エー
テル類、そのほかパラトルエンスルホニルヒドラジッ
ド、4,4−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッ
ド、アゾビスイソブチロニトリル等の熱分解型発泡剤及
びポリイソシアネート等の水反応型発泡剤及びこれらの
混合物などがある。
【0010】本発明において使用される酸性硬化剤は、
液状フェノール樹脂の硬化反応を促進し、かつ炭酸バリ
ウムと反応して炭酸ガスを生起させる役割をなすもので
あり、このようなものとしては、例えば、(I)パラト
ルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、フェノールスルホン酸、スチレンスルホン酸な
どの単環芳香族スルホン酸、単環芳香族スルホン酸とホ
ルムアルデヒドとの縮合物及びポリスチレンスルホン
酸、又は(II)スルホン化フェノール樹脂、スルホン化
ポリスチレン樹脂等の樹脂系スルホン酸、又は(III)ナ
フタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エ
チルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン
酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフ
タレンスルホン酸等のナフタレン系スルホン酸、ナフト
ールスルホン酸等のナフトール系スルホン酸、アントラ
センスルホン酸等のアントラセン系スルホン酸、アント
ラノールスルホン酸等のアントラノール系スルホン酸な
どの多環芳香族スルホン酸、スルホン化クレオソート
油、多環芳香族スルホン酸及び/又はスルホン化クレオ
ソート油とホルムアルデヒドとの縮合物、又は(IV)リ
ン酸、硫酸等の無機酸などが挙げられる。中でも多環芳
香族スルホン酸、スルホン化クレオソート油、多環芳香
族スルホン酸及び/又はスルホン化クレオソート油とホ
ルムアルデヒドとの縮合物及びこれらの混合物は、発泡
操作時における炭酸バリウムの分解速度、即ちクリーム
タイム(発泡原液調製時の混合開始から発泡開始までの
時間)の調整が容易に行えるため、単独で又は酸性硬化
剤成分の1種として通常好ましく使用される。
【0011】前記酸性硬化剤は、上記の例示物に限定さ
れるものではなく、更には1種用いてもよいし、2種以
上を組み合せて用いてもよく、又その使用量についても
特に制限はないが、一般的には液状フェノール樹脂の固
形分 100重量部当たり3〜60重量部の範囲で選ばれる。
【0012】本発明において使用される整泡剤として
は、特に限定はなく、当該技術分野で従来使用されてき
た各種の整泡剤をいずれも適用できるが、中でもポリシ
ロキサン系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキルフ
ェノールエチレンオキサイド付加物等の非イオン系界面
活性剤が特に好ましい。これらの整泡剤は1種用いても
よいし、2種以上を組み合せて用いてもよく、又その使
用量についても特に制限はないが、一般的には液状フェ
ノール樹脂の固形分 100重量部当たり0.3〜10重量部の
範囲で選ばれる。
【0013】本発明により得られるフェノール樹脂発泡
体は、先ず前述したような液状フェノール樹脂、酸性硬
化剤、炭酸バリウム又はこれを含む発泡剤混合物、整泡
剤、必要に応じてその他の添加物を当該技術分野で従来
実施されている混合方法、例えば高速攪拌混合法、高圧
衝突混合法などにより均一に混合して発泡原液を調製
し、次に得られた発泡原液を従来実施されている発泡方
法、例えば連続発泡法、注入発泡法又は現場発泡法によ
り発泡硬化させて製造することができる。
【0014】なお、本発明においては前記必須成分以外
の一般的な添加物、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤、レゾルシン、アルキルレゾルシン等の
硬化促進剤、尿素、メラミン等のホルムアルデヒド捕捉
剤、メラミン、メラミン系樹脂、含リン系化合物、含ハ
ロゲン系化合物、水酸化アルミニウム等の難燃剤、シラ
スバルーン、ガラスバルーン、多孔質骨材、木粉等の無
機系又は有機系充填材、セラミック繊維、ガラス繊維、
炭素繊維、フェノール繊維、アラミド繊維等の繊維補強
材、そのほか可塑剤、中和剤、着色剤などを配合するこ
とができる。
【0015】
【作用】本発明方法によれば、発泡操作上においても殆
ど支障のない発泡挙動(クリームタイム/ゲルタイム)
を呈し、又品質的にも従来品と遜色がなく、しかも金属
に対する腐食性が大幅に改善されたボイドのない発泡体
を製造することができる。このような好ましい効果が得
られる理由については定かではないが、本発明において
使用されるアルカリ性の炭酸バリウムは酸性硬化剤と中
和反応を生じて発泡体中の残存遊離酸を減少せしめ、し
かも中和反応が一般におだやかに進行するため反応初期
における炭酸ガスの発生量は少なく、又反応系の温度が
上昇するに伴って炭酸ガスの発生量は増大の傾向を示す
など発泡操作上極めて好ましい性質を有することに基因
しているものと推察される。
【0016】
【実施例】以下、更に本発明を実施例により具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。なお、フェノール樹脂発泡体の諸特性は
以下の試験法により測定した。
【0017】1.密度はJIS A9514 、酸素指数はJIS K7
201 に準じて測定した。 2.発泡体のpH:蒸留水 100gに発泡体の粉末0.5gを
投入し、スターラーで30分間混合後静置して測定した検
液のpHを発泡体のpHとした。 3.金属に対する腐食性:中央部に20mmφの穴を開けた
70mm×70mm×20mmの発泡体と脱脂処理した70mm×70mm×
2mmのSS41鉄板とを輪ゴムで積層固定して作成した試験
片を温度50℃、湿度95%雰囲気中で20日間放置させた
後、鉄板の腐食程度を観察して次の3段階評価を行っ
た。
【0018】1…腐食なし、2…わずかに腐食、3…激
しく腐食
【0019】〔実施例1〕 (1)液状フェノール樹脂の製造 温度計、攪拌機及び冷却器を具備した反応釜にフェノー
ル 300kgと、47%ホルマリン 306kgと、20%水酸化ナト
リウム水溶液30kgを仕込んだ後、攪拌しながら約1時間
を要して約90℃の温度まで昇温し、更に同温度で2時間
反応を行って反応生成物を得た。次に得られた反応生成
物を40℃まで冷却した後、フェノールスルホン酸でpH6.
8に中和調整し、更に反応釜内を約60mmHgの真空に保持
しながら脱水濃縮を行って液状レゾール型フェノール樹
脂を得た。得られた液状レゾール型フェノール樹脂は粘
度8000CP/25℃であり、固形分は81重量%であった。な
お、ここでいう固形分とは、アルミ箔容器(100mm×100
mm)に10±0.1gの液状レゾール型フェノール樹脂を秤
量した後、 180℃の熱盤上で40分間放置して得られる不
揮発分であり、又粘度はB型粘度計により測定したもの
である。
【0020】(2)フェノール樹脂発泡体の製造 先ず、上記液状レゾール型フェノール樹脂 100kgに、整
泡剤としてポリシロキサン系非イオン界面活性剤〔商品
名:SH−193 、トーレシリコーン(株)製〕2kgを溶解
させた後、更に発泡剤として炭酸バリウム〔(株)伏見
製薬所製、平均粒子径2.8μmm〕12kgを混合させたもの
(I液)と、酸性硬化剤として水10kgに70%ナフトール
スルホン酸〔竹本油脂(株)製〕50kgとキシレンスルホ
ン酸〔商品名:テイカトックス100 、テイカ(株)製〕
40kgを溶解させたもの(II液)を準備した。次にこれら
をフェノールフォーム用発泡機〔商品名:PA−210 、東
邦機械(株)製〕を用いて、I液:II液= 114:21の重
量割合で混合して発泡原液を調製し、更に得られた発泡
原液をクラフト紙を敷設した80℃温調モールド内に手早
く注入し、発泡硬化させてフェノール樹脂発泡体(1800
mm×900mm×25mm)を作製した。なお、発泡原液のクリ
ームタイムは24秒であり、ゲルタイムは80秒であった。
又得られたフェノール樹脂発泡体は、20℃で7日間放置
した後、前記試験法により密度、圧縮強度、酸素指数、
pH及び金属腐食性をそれぞれ測定すると共に外観(ボイ
ドの有無)を調査した。その結果を表1及び表2に示
す。
【0021】〔実施例2〜8〕酸性硬化剤の組成を表1
及び表2に示すように変更する以外は実施例1と同様に
操作してフェノール樹脂発泡体を作製した。又得られた
フェノール樹脂発泡体については実施例1と同様に諸特
性を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
【0022】〔実施例9〕炭酸バリウムの使用量を22kg
に変更してI液を調製し、かつI液とII液とをI液:II
液= 124:27の重量割合で混合して発泡原液を調製する
以外は実施例1と同様に操作してフェノール樹脂発泡体
を作製した。なお、発泡原液のクリームタイムは14秒で
あり、ゲルタイムは85秒であった。又得られたフェノー
ル樹脂発泡体については実施例1と同様に諸特性を測定
した。その結果を表1及び表2に示す。
【0023】〔実施例10〕実施例1における炭酸バリウ
ムの使用量を5kgに変更してI液を調製し、かつメチレ
ンクロライド(III 液)を併用し、更にI液:II液: I
II液= 107:19:8(重量比)で混合して発泡原液を調
製する以外は実施例1と同様に操作してフェノール樹脂
発泡体を作製した。なお、発泡原液のクリームタイムは
30秒であり、ゲルタイムは80秒であった。又得られたフ
ェノール樹脂発泡体については実施例1と同様に諸特性
を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
【0024】〔実施例11〕実施例1において、メチレン
クロライド(III 液)を併用し、更にI液:II液:III
液= 114:22:5の重量割合で混合して発泡原液を調製
する以外は実施例1と同様に操作してフェノール樹脂発
泡体を作製した。なお、発泡原液のクリームタイムは27
秒であり、ゲルタイムは80秒であった。又得られたフェ
ノール樹脂発泡体については実施例1と同様に諸特性を
測定した。その結果を表1及び表2に示す。
【0025】〔比較例1〕実施例1における炭酸バリウ
ムに代えて重曹(旭硝子(株)製)5.1kgを使用する以
外は実施例1と同様にして調製したI液と、水25kgに75
kgのテイカトックス100 を溶解して調製したII液とをI
液:II液= 107.1:20の重量割合で混合して発泡原液を
調製する以外は実施例1と同様に操作してフェノール樹
脂発泡体を作製した。なお、得られた発泡原液は既に発
泡初期状態を示すクリーム状であり、ゲルタイムは70秒
であった。又得られたフェノール樹脂発泡体については
実施例1と同様に諸特性を測定した。その結果を表1及
び表2に示す。
【0026】〔比較例2〕実施例1−(1)で得られた
液状レゾール型フェノール樹脂 100kgに整泡剤として2
kgのSH−193 を溶解させたもの(I液)と、酸性硬化剤
として25kgの水に75kgのテイカトックス100 を溶解させ
たもの(II液)と、発泡剤としてR−113(III 液)と
を、I液:II液:III 液= 102:22:15の重量割合で混
合して発泡原液を調製する以外は実施例1と同様に操作
してフェノール樹脂発泡体を作製した。なお、発泡原液
のクリームタイムは35秒であり、ゲルタイムは75秒であ
った。又得られたフェノール樹脂発泡体については実施
例1と同様に諸特性を測定した。その結果を表1及び表
2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るフェノール樹脂発泡体の製造方法においては、オゾン
層の破壊が危惧される規制対象フロンを全く使用せず若
しくは削減して発泡体を製造するため、オゾン層破壊に
伴う自然環境の悪化を抑制することができる。又フェノ
ール樹脂発泡体が元来有する優れた機械的強度、耐燃性
等の品質特性も損わずに具備し、しかも金属に対する腐
食性が従来品より著しく改善されているため、従来使用
できなかった金属と接する用途、例えば金属との複合化
や金属面材その他金属部位等への施工が可能となり、フ
ェノール樹脂発泡体の用途拡大に寄与するなど工業的価
値が極めて高い。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性硬化剤、発泡剤及び整泡剤の存在下
    で液状フェノール樹脂を発泡硬化させてフェノール樹脂
    発泡体を製造する方法において、前記発泡剤が炭酸バリ
    ウム又はこれを含む発泡剤混合物であることを特徴とす
    るフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸性硬化剤が多環芳香族スルホン
    酸、スルホン化クレオソート油若しくは多環芳香族スル
    ホン酸及び/又はスルホン化クレオソート油とホルムア
    ルデヒドとの縮合物から選ばれる少なくとも1種、又は
    それを含む酸性硬化剤混合物である請求項1記載のフェ
    ノール樹脂発泡体の製造方法。
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