JP2002241215A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】滑らかな塗擦感を有し,毛穴やシワ等の皮膚形
態を補正し、尚且つ経日安定性に優れた化粧料を提供す
る。 【解決手段】(A)メチルシロキサン網状重合体及び/
又は架橋型メチルポリシロキサンと、(B)環状シリコ
ーンと、(C)融点100〜120℃のポリエチレンワ
ックスと、(D)常温で固形のトリグリセリドとを含有
することを特徴とする化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料に関し、特
に、滑らかな塗擦感を有し、皮膚を平滑にし、毛穴やシ
ワ等の皮膚形態を補正し、化粧持続性及び経日安定性に
優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】化粧料
において、滑らかな塗擦感を有しながら、皮膚を平滑に
し、毛穴やシワ等の皮膚形態を補正する試みは、主にロ
ーリング効果及び光学的性質から半透明の球状粉末を用
いることによってなされてきた。しかし、一般的に球状
粉末は皮膚への付着性が劣る為、単に化粧料に配合する
のみでは、塗擦時に縒れたり(モロモロになったり、消
しゴムのカス様になったり)する欠点が発生しやすく、
それらを制御する製剤技術の確立も困難であった。同時
に、皮膚への付着性にかかる問題により、優れた化粧持
続性を得ることも困難であり、また、乳液及びクリーム
状の製剤とした場合、経日変化に伴う「離漿」或いは
「固化」という不安定な事象が生じ悩まされ続けたもの
である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、斯かる事情
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の有機球状粉体
と、(B)環状シリコーンと、特定の油剤類とを配合し
た化粧料が、滑らかな塗擦感を有し、皮膚を平滑にし、
毛穴やシワ等の皮膚形態を補正し、化粧持続性及び経日
安定性に優れた化粧料を提供できることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0004】すなわち、本発明は、本発明は、(A)メ
チルシロキサン網状重合体及び/又は架橋型メチルポリ
シロキサンと、(B)環状シリコーンと、(C)融点1
00〜120℃のポリエチレンワックスと、(D)常温
で固形のトリグリセリドとを含有することを特徴とする
化粧料にある。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0006】本発明で使用されるメチルポリシロキサン
網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンは既に化粧
品原料として市販されているものであり、何ら限定なく
使用できる。それらの中で、球状で粒径が1.0〜2
0.0μmの範囲のものが好ましい。粒径が1.0μm
未満の場合には補正効果が低減する傾向が生じる場合が
あり、20μmを超えると皮膚への付着性が劣る場合が
あり好ましくない。
【0007】メチルシロキサン網状重合体としては、ア
ルキルシロキサン網状重合体等、架橋型メチルポリシロ
キサンとしては架橋型ジアルキルポリシロキサン等が挙
げられる。メチルシロキサン網状重合体又は架橋型メチ
ルポリシロキサンは、別名シリコーン樹脂粉末やシリコ
ーンゴム粉末とも称呼されるものであり、具体的には、
GE東芝シリコーン社製のトスパールシリーズ(トスパ
ール145A等)、東レ・ダウ・コーニング・シリコー
ン社製のトレフィルシリーズ(トレフィルE506W、
トレフィルE505C、トレフィルE506C、トレフ
ィルE505W等)などを挙げることができる。また、
これらを単独でも組み合わせて用いてもよく、各種の溶
媒等に分散したものや他の成分と事前に混合されたもの
も何ら問題なく使用できる。これらのものとして例え
ば、トレフィルE507液、BY29−119及びBY
29−122等が挙げられる。また、シリコーン樹脂/
ゴム複合パウダーである信越化学工業社製X−52−1
139K、X−52−1139Gも挙げられる。これら
の中で弾性を有するシリコーンエラストマー球状粉体で
あるトレフィルEシリーズが特に好ましい。
【0008】これらのメチルポリシロキサン網状重合体
及び/又は架橋型メチルポリシロキサンの配合量は、好
ましくは化粧料全量に対し1.0〜30.0質量%(以
下、単に%と記する)である。1.0%未満では補正効
果の発現が認知されにくく、30.0%を超えると皮膚
への付着性が劣る傾向が生じる場合があり、化粧持続性
が悪くなるときがある。
【0009】本発明で使用される環状シリコーンは、環
状シリコーンであれば特に限定されず、例えば、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペン
タシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン
などが挙げられ、それらの混合物であっても差し支えな
い。 配合量は化粧料全量に対し20〜70%が好まし
く、予め前記メチルポリシロキサン網状重合体及び/又
は架橋型メチルポリシロキサンと3本ロール等で混練し
ておくと、滑らかな塗擦感などの効果がより発現しやす
い。
【0010】本発明で使用されるポリエチレンワックス
は融点が100〜120℃のものであれば何ら限定され
るものではない。従来、特開平11−349442号公
報などに示されるように、ポリエチレン微粉末として主
にローリング効果としての応用が数多く見られるもので
ある。その配合量は化粧料全量に対し、0.5〜5.0
%が好ましく、更に好ましくは1.0〜3.0%であ
る。0.5%未満では十分な化粧持続性を得ることがで
きない場合がある。また、5.0%を超えると粘着性が
強く出てしまったり、滑らかな塗擦感を得ることができ
なくなってしまう場合がある。
【0011】本発明で用いられる常温で固形状のトリグ
リセリドは、化粧料に用いられるものであれば特に限定
されず、ペースト状をも含み、例えば、トリステアリン
酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリ(カ
プリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセ
リド、トリベヘン酸グリセリル、硬化油、硬化ヒマシ
油、粉末卵黄油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマ
シ油、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、水素添加乳脂、
パーム硬化油等を挙げることができる。
【0012】その配合量は化粧料全量に対し、0.5〜
5.0%が好ましく、特に好ましくは1.0〜4.0%
である。0.5%未満だと「離漿」等の現象をおこしや
すくなってしまうため好ましくない。また、5.0%を
超えると滑らかな塗擦感が得られない場合があったり、
低温化での「固化」といった現象が生じる場合があり、
使い勝手が悪くなる時がある。
【0013】融点100〜120℃のポリエチレンワッ
クスと、常温で固形状のトリグリセリドとは5:1〜
1:5の質量比で組み合わせて用いることにより、更に
滑らかな塗擦感を持ち、化粧持続性に優れた化粧料を得
ることができる。
【0014】本発明に係る化粧料には更に化粧料で一般
に用いられる成分を配合できる。有機球状粉体として
は、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、塩化ビ
ニリデン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレンパウダ
ー、シルク、セルロース等を適宜粒径を考慮して組み合
わせると、より好ましい滑らかさが得られる。
【0015】本発明に係る化粧料は、口紅、下地化粧
料、ファンデーション、チーク、アイシャドウ等種々の
形態とすることができ、特にファンデーションや下地化
粧料等の基礎メイクアップ化粧料とすることが好まし
い。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明について更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。なお、表中の数値は配合量(%)
を示す。
【0017】実施例に先立ち、各実施例で採用した評価
方法及び試料の調製方法を説明する。
【0018】・評価方法 (1)使用特性試験 アンケートによりシワや毛穴の目立ちが気になると答え
た女性パネラー20人の顔面に実施例、比較例の各試料
を塗布してもらい、「滑らかな塗擦感」「縒れにくい」
「化粧持続性がある」「毛穴、シワ隠し効果がある」と
いう項目について回答させ、以下の評価基準に従って使
用特性を評価した。
【0019】・評価基準 回答人数が15人以上 ;○ 回答人数が7〜14人 ;△ 回答人数が6人以下 ;×
【0020】(2)保存安定性試験 所定の方法で調製した試料を0℃、30℃、45℃の恒
温槽内に放置し,3週間後の保存安定性を目視にて下記
の基準に従って評価した。
【0021】 離漿なし ;○ わずかに離漿 ;△ 離漿あり ;×
【0022】・試料調製方法 常法に従い、表1記載の(A)を加温混合溶解後、
(B)成分に(A)成分を加え、約80℃まで加熱し攪
拌し溶解させることにより、目的の試料を得た。
【0023】表1記載の組成の試料を上記の方法で調製
して上記各試験を行った。その結果を併せて表1に示
す。なお、架橋型メチルポリシロキサンとして、東レ・
ダウ・コーニング・シリコーン社製のトレフィルE−5
06Cを、メチルシロキサン網状重合体としてGE東芝
シリコーン社製のトスパール145Aを用いた。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示すように実施例1〜4の化粧料
は、比較例1〜6の化粧料より明らかに種々の効果にお
いて優れていた。
【0026】以下の処方に従い、常法により化粧料を調
製した。いずれの化粧料も滑らかな塗擦感を有し,毛穴
やシワ等の皮膚形態を補正し、尚且つ経日安定性に優れ
ていた。
【0027】 応用例1(化粧下地) 配合成分 配合量(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポリエチレンワックス 1.5 (イーストマンケミカル社製エポーレンN−11) トリステアリン酸グリセリル 1.5 粉末卵黄油 0.2 架橋型メチルポリシロキサン 5.0 (東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製 トレフィルE−507) デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0 メチルシロキサン網状重合体 2.0 (GE東芝シリコーン社製 トスパール145) 球状ナイロン末(東レ社製 SP−500) 0.5 パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0 モノイソステアリン酸ソルビタン 2.0 シャクヤクエキス 0.2 (一丸ファルコス社製シャクヤクリキッド) 塩化ナトリウム 0.5 パラベン 0.3 シルク抽出液 0.5 (一丸ファルコス社製シルクゲンGソルブル) 1,3−ブチレングリコール 3.0 濃グリセリン 3.0 精製水 残 量
【0028】 応用例2(ソリッドファンデーション) 配合成分 配合量(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポリエチレンワックス 3.0 (三洋化成社製サンワックス151−P) 粉末卵黄油 0.2 水素添加乳脂(横関油脂工業社製) 1.0 硬化油 1.0 ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 30.0 メチルポリシロキサン(6cs) 5.0 メチルフェニルポリシロキサン(22cs) 5.0 モノイソステアリン酸ジグリセリル 2.0 グリチルレチン酸ステアリル 0.1 マカデミアナッツ油 0.5 1,3−ブチレングリコール 3.0 マルチトール液(林原生物化学研究所社製マビット) 1.0 メチルシロキサン網状重合体 12.0 (GE東芝シリコーン社製 トスパール130) 酸化チタン 20.0 ベンガラ 0.5 黄酸化鉄 2.5 黒酸化鉄 0.4 マイカ 5.0 タルク 4.1 精製水 残 量
【0029】 応用例3(アンダーカバー) 配合成分 配合量(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポリエチレンワックス 3.0 (製鉄化学社製 フローセンFG−801N) トリベヘン酸グリセリル 2.5 硬化ヒマシ油 1.0 架橋型メチルポリシロキサン 10.0 (東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製 トレフィルE−507) デカメチルシクロペンタシロキサン 45.0 ホホバ油 5.0 パルミチン酸デキストリン 2.0 メチルシロキサン網状重合体 3.0 (GE東芝シリコーン社製 トスパール145) 酸化チタン 20.0 ベンガラ 0.5 黄酸化鉄 2.5 黒酸化鉄 0.4 マイカ 5.1
【0030】 応用例4(クリームアイシャドウ) 配合成分 配合量(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポリエチレンワックス 2.0 (製鉄化学社製 フローセンFG−801N) 硬化油 3.5 モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油 0.5 架橋型メチルポリシロキサン 15.0 (東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製 トレフィルE−507) ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 35.0 メチルシロキサン網状重合体 5.0 (GE東芝シリコーン社製 トスパール145) ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン) 1.5 メチルポリシロキサン共重合体 (東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社製 SH3775M) ジカプリル酸プロピレングリコール 2.0 カロット油 0.5 長鎖分岐脂肪酸(12〜31)コレステリル 0.5 (日本精化社製 YOFCO CLE−NH) カモミラエキス 0.2 ジプロピレングリコール 5.0 マルチトール液(林原生物化学研究所社製マビット) 1.5 塩化ナトリウム 0.5 パラベン 0.3 酸化チタン 1.0 Nε−ラウロイル−L−リジン 2.0 硫酸バリウム 1.0 雲母チタン 7.0 チタン酸リチウムコバルト 0.5 黄酸化鉄 0.1 ポリアクリル酸アルキル 0.5 (松本油脂製薬社製 マイクロスフェアーM−305) 精製水 残 量
【0031】 応用例5(リップクリーム) 配合成分 配合量(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポリエチレンワックス 2.0 (東洋インキ製造社製 BARECO 655) トリベヘン酸グリセリル 3.0 トリ(カプリル・かプリン・ミリスチン・ 1.0 ステアリン酸)グリセリド 架橋型メチルポリシロキサン 20.0 (東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製 トレフィル E−505C) デカメチルシクロペンタシロキサン 60.0 水素添加ポリブテン 10.0 リンゴ酸ジステアリル 4.0
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、非常に滑らかな塗擦感
を持ち、毛穴やシワを補正し、且つ化粧持続性及び経日
安定性に優れた化粧料を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/021 A61K 7/021 7/025 7/025 7/032 7/032 Fターム(参考) 4C083 AA082 AA112 AA122 AB232 AB242 AB332 AB362 AB432 AC012 AC022 AC122 AC342 AC372 AC392 AC421 AC422 AC432 AC442 AC482 AC662 AD021 AD022 AD042 AD072 AD092 AD151 AD152 AD162 AD171 AD172 AD242 AD452 AD492 AD532 CC02 CC03 CC13 CC14 DD22 DD23 DD27 EE01 EE06 EE07 EE11 FF05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)メチルシロキサン網状重合体及び
    /又は架橋型メチルポリシロキサンと、(B)環状シリ
    コーンと、(C)融点100〜120℃のポリエチレン
    ワックスと、(D)常温で固形のトリグリセリドとを含
    有することを特徴とする化粧料。
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