JP2002238595A - 無細胞蛋白質の完全翻訳後修飾方法 - Google Patents

無細胞蛋白質の完全翻訳後修飾方法

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JP2002238595A JP2001057514A JP2001057514A JP2002238595A JP 2002238595 A JP2002238595 A JP 2002238595A JP 2001057514 A JP2001057514 A JP 2001057514A JP 2001057514 A JP2001057514 A JP 2001057514A JP 2002238595 A JP2002238595 A JP 2002238595A
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ヨン チョイ チャ
Sang Hyeon Kang
ヒョン カン サン
Taek Jin Kang
ジン カン テク
Ji Hyoung Woo
ヒョン ウー ジ
Sang Kil Lee
キル リー サン
Seong Woo Choi
ウー チョ スン
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 細胞培養法ではなく無細胞完全翻訳後修飾蛋
白質生産法で、治療用、研究用及び産業用価値をもつ翻
訳後修飾の必要な蛋白質を生産する方法の提供。 【解決手段】 完全翻訳後修飾蛋白質を生産するための
方法において、(a)目的蛋白質の遺伝情報を持つDN
A、又はRNAを細胞抽出物に添加する工程、(b)核
酸を上記抽出物に添加する工程、及び(c)完全翻訳後
修飾蛋白質の製造を刺激するのに十分な量の、小胞体
(ER)/ゴルジ体又は小胞体/ゴルジ体/細胞膜、或
いはこれらに加えて他の細胞小器官のような翻訳後修飾
マシーナリーを上記抽出物に添加する工程からなる結合
無細胞完全翻訳後修飾蛋白質合成法、を経由することを
特徴とする完全翻訳後修飾蛋白質の生産方法により提
供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無細胞蛋白質生産
(cell−free protein synthe
sis)と無細胞完全翻訳後修飾(cell−free
completely post−translti
onal modification)を組み合わせた
完全翻訳後修飾蛋白質(completely pos
t−transltional modified p
rotein)の生産方法に関する。また、本発明は、
治療用、研究用および産業用価値をもつ翻訳後修飾の必
要な蛋白質を、細胞培養法(cell culure
metood)ではなく、無細胞完全翻訳後修飾蛋白質
生産法(cell−free completelyp
ost−transltional modified
proteinsynthesis)で生産する方法
に関する。さらに詳しく説明すると、蛋白質生産のマシ
ーナリー(machinery)を含む細胞抽出物と完
全翻訳後修飾のマシーナリーを含む細胞の膜成分抽出物
とからなる無細胞完全翻訳後修飾蛋白質生産法を利用し
て有用な蛋白質が生産される。
【0002】医薬品などで使用される多くの蛋白質は、
活性のために、糖鎖付加(glycosylatio
n)、りん酸化(phosphorylation)、
アミド化(amidasion)などの翻訳後修飾を受
ける。その上、動物細胞から分泌される多くの蛋白質
も、このような翻訳後修飾を受けた蛋白質である。多く
の蛋白質は、小胞体(endoplasmic ret
iculum(ER))、ゴルジ体(Golgi ap
paratus)および細胞膜で構成された分泌経路
(secretory process)を経る間に、
糖鎖付加をはじめとする翻訳後修飾されたものと成る。
蛋白質の翻訳後修飾には、蛋白質にりん酸が付くりん酸
化、蛋白質の鎖の末端にアミド基が導入されるアミド化
および蛋白質に炭水化物からなる糖鎖が付く糖鎖付加反
応などがある。この中で、一番多くの酵素が関与する複
雑な反応が、糖鎖付加反応である。そのため、糖蛋白
は、全ての生物の広範に分布する生物学的化合物の中
で、最も多様な化合物である。これらは、細胞外基質や
細胞間にある溶液内と同じように、可溶性であり膜結合
性でもある細胞内で起こり、これらの化合物にさまざま
な機能を与える。
【0003】糖鎖付加蛋白質は、蛋白質を構成するアミ
ノ酸の一種のアスパラギン(Asn)の側鎖に糖鎖が付く
(“アスパラギン−結合型”(asparagine−
linked)、または“N−結合型”(N−link
ed))糖鎖付加と、セリンやスレオニンの側鎖に糖鎖
が付く(“O−結合型”(O−linked))糖鎖付
加に大別される。普通、糖蛋白質は、N−結合型糖鎖構
造だけを持っていたり、O−結合型糖鎖構造だけを持っ
ていたりまたは両方とも持っている。N−結合型糖鎖構
造は、高マンノース形(high−mannose t
ype)、混合形(hybird−type)および複
合形(complex−type)に分けられる。糖蛋
白の糖質のユニットは、単糖または二糖や、20種もの
単糖残基から構成される分枝したオリゴ糖に分類できる
が、サイズや構造において、かなりのバリエーションを
呈する。
【0004】要約すると、N−結合型糖鎖形成は、脂質
が結合したオリゴ糖部分の合成と、その小胞体(ER)
内の発生期ポリペプチド鎖への一体転位(transf
eren bloc)とともに始まる。結合は、As
n、一般的にはAsn−X−Ser/Theのトリペプ
チド認識シーケンスを通して起こる。ここで、Xは自然
に発生するアミノ酸のうちの任意のアミノ酸である。一
連の切断反応(trimming reaction)
は、ER内にあるエキソグリコシダーゼ(exogly
cosidase)によって触媒される。哺乳類の細胞
によるN−結合型オリゴ糖の次の処理は、ゴルジ体の区
画内で続けられる。そこでは、エキソグリコシダーゼや
グリコシルトランスフェラーゼ(grycosyltr
ansferase)のシーケンスに触媒された反応
が、高マンノース、混合型または複合型のオリゴ糖構造
を生成する。
【0005】このような、糖蛋白質を含む、翻訳後修飾
された生物学的に活性な蛋白質を、生物学的生産方法で
製造するためには、糖鎖付加反応を含む翻訳後修飾が可
能な真核生物細胞の培養が必要である。しかし、真核生
物細胞培養で有用な蛋白質を生産する場合には、培地費
用、運転費用、設備費用など、コストが莫大となる。ま
た、この方法は大変時間がかかるため、工程を単純化
し、時間を節約するために、多数の無細胞蛋白質生産法
が開発された。
【0006】無細胞蛋白質生産法は、宿主細胞(hos
t cell)への毒性の問題のために生体内(インビ
ボ;in vivo)で合成できない蛋白質を、試験管
内(インビトロ;in vitro)で遺伝子発現させ
る研究のための実験の手段として利用されてきた。さら
に、20種の天然アミノ酸に加えて、さまざまな合成ア
ミノ酸を、特別に意図された目的のために、この方法で
効率的に蛋白質の骨格内に組み込むことができる(No
ren C.J. et al., Science
244:182−188(1989))。さらに、無細
胞蛋白質生産法は、最近、商業的に重要な組換え型蛋白
質製造の代替として再評価されている。それは、主に、
最近の新しい反応器の開発や、反応実行条件の最適化に
よる((Kim,D.M.et al.,Eur.J.
Biochem. 239:881−886(199
6);Kigawa,T.et al.,FEBS L
ett. 442:15−19(1999))。そのた
め、無細胞蛋白質生産法の開発は、次世代に入っている
といえる。つまり、商業規模での活性蛋白質の生産であ
る。
【0007】従って、これらの無細胞蛋白質生産法に翻
訳同時修飾と初期段階の翻訳後修飾に関連する細胞小器
官(organells)を加えることにより、翻訳同
時修飾蛋白質(co−tranlationally
modified protein)と、初期段階の翻
訳後修飾蛋白質(initial post−tran
lationally modified prote
in)とを生産するためのいくつかの方法が開発され
た。ところで、初期段階の翻訳後修飾には蛋白質の生産
と同時に起こる機構もあるから、このような機構を区分
して、翻訳同時修飾(co−translationa
l modification)と名称するのが正しい
が、本発明ではこれらもすべて”翻訳後修飾”という。
無細胞蛋白質生産法による初期段階の翻訳後修飾の代表
例として、米国特許第6,103,489号は、翻訳後
修飾蛋白質の無細胞アッセイシステムが、粗面ミクロソ
ーム(rough microsome)と真核細胞の
無細胞翻訳システムとを結合することによって構築され
ることを開示している。もう1つの方法では、ERのよ
うな翻訳成分や翻訳後修飾成分を含んだ抽出物が単一原
料からの一段階抽出により調製された(Hirosh
i,T.,et al., J.Bioeng. 5:
508−513(2000))。
【0008】細胞内では、適切な処理のため、多くの蛋
白質の生物学的合成には、ERと呼ばれる細胞小器官の
膜を透過する同時翻訳的な翻訳が必要である。無細胞シ
ステムでは、ERの代わりに、ミクロソームの膜が利用
される。これは、それらは遠心分離できるERの膜を高
いパーセンテージで含み、ERと等価のものだからであ
る。これらの再構成された高等真核生物の蛋白質翻訳の
評価や初期段階の翻訳後修飾蛋白質のためのアッセイシ
ステムは、膜透過反応(転位置反応:tranloca
tional machinery)装置を特殊化さ
せ、また、膜蛋白のトポロジーの決定やN−結合型中心
糖鎖付加反応(core glycosylatio
n)に積極的に使用されてきた。しかし、これらでは完
全な糖鎖付加などを含む完全な翻訳後修飾蛋白質の生産
は不可能である。つまり、このような方法により生産さ
れた蛋白質は、完全な構造を持っていないので、蛋白質
の効能および特性の研究に利用することができないだけ
でなく、治療用蛋白質への応用にも適合しない。不完全
な形態の糖鎖構造を持つ糖蛋白質や翻訳後修飾が欠乏し
た蛋白質は、生物学的活性が無いかまたは大変低いの
で、治療目的で使用するには適合しない。このような不
完全な形態の翻訳後修飾を持つ蛋白質だけを生産できる
従来の無細胞蛋白質生産法は、完全な構造の蛋白質を生
産できないので、糖鎖付加反応などの翻訳後修飾の関連
研究や、遺伝子の機能研究に使用するには不十分であ
る。
【0009】一方、ヒューマンゲノムプロジェクト(H
uman Genome Project)から多くの
遺伝情報が得られている。近い将来には、完全なヒトの
遺伝子地図(genome map)が完成するであろ
う。現在、我々は、新しい遺伝子を探す段階から、それ
らの遺伝子や、それがエンコードする蛋白質の機能を探
求する段階に研究の目的が変わってきている。この目的
のために、コンピュータープログラムを利用する遺伝子
序列分析法でその遺伝子から生成された蛋白質の機能を
予測する生物情報学(bioinformatics)
が利用されている。この方法によって予測された蛋白質
の構造と遺伝子のシーケンスから、その蛋白質の機能を
明らかにすることができる。得られた蛋白質の機能は、
予測されたものであるため、実際と異なる可能性が大変
高く、十分に満足できる方法ではない。そのため、さら
に正確で完璧な方法が必要だが、その方法とは直接その
蛋白質を生産して、実験を通じて機能を調査することで
ある。この時生産される蛋白質は、翻訳後修飾がよく遂
行されて完全な形態と構造を持っていなければならな
い。このような蛋白質を生産するためには、上述したよ
うに、遺伝子を高等細胞から発現することが必要であ
る。これには大変多くの時間と労働が必要であるが、プ
ロセスを簡略化したり時間を節約するために、無細胞蛋
白質生産法が利用できる。現在までに、完全に翻訳後修
飾ができる無細胞蛋白質生産法は開発されていない。そ
のため、完全な翻訳後修飾が行われた蛋白質を生産でき
る無細胞蛋白質生産法を開発する必要があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無細
胞蛋白質生産法が完全な翻訳後修飾蛋白質を生産できな
いという、従来技術の問題点を解決するために、より進
歩した無細胞蛋白質生産法によって、特に、無細胞蛋白
質生産法と無細胞完全翻訳後修飾蛋白質生産法の組み合
わせにより、完全に翻訳後修飾された蛋白質を生産する
方法を提供することにある。さらには、本発明の目的
は、上述した方法で翻訳後修飾された蛋白質の発現およ
び翻訳後修飾キット(kit)などを提供することにあ
る。
【0011】本発明の無細胞蛋白質生産法は、蛋白質の
機能分析や治療に重要な蛋白質の大量生産のために用い
られる、完全翻訳後修飾蛋白質を合成するための有用な
手段になるばかりでなく、蛋白質の機能および修飾後翻
訳のメカニズムを解明するためのモデルシステムになり
うるものと思われる。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
めに、本発明は、次に示す結合無細胞完全翻訳後修飾蛋
白質合成法(coupled cell−free c
ompletelypost−transltiona
l modified protein synthe
sis)又は非結合無細胞完全翻訳後修飾蛋白質合成法
(uncoupled cell−free comp
letely post−transltional
modified protein synthesi
s)を経由することを特徴とする、完全翻訳後修飾蛋白
質を生産する方法を提供する。すなわち、本発明の結合
無細胞完全翻訳後修飾蛋白質合成法は、以下の(a)〜
(c)工程からなる; (a)目的蛋白質の遺伝情報を持つDNA(DNA t
emplate)を細胞抽出物に添加する工程、(b)
核酸(リボヌクレオチド三リン酸塩;ribonucl
eotidetriphosphates)を上記抽出
物に添加する工程、および(c)完全翻訳後修飾蛋白質
の製造を刺激するのに十分な量の、小胞体(ER)/ゴ
ルジ体(Golgi apparatus)又は小胞体
/ゴルジ体/細胞膜(plasma membran
e)、あるいはこれらに加えて他の細胞小器官(org
anells)のような翻訳後修飾マシーナリー(ma
chinery)を上記抽出物に添加する工程。さら
に、本発明の非結合無細胞完全翻訳後修飾蛋白質合成法
は、以下の(a’)〜(b’)工程からなる; (a’)目的蛋白質の遺伝情報を持つRNAを細胞抽出
物に添加する工程、および(b’)完全翻訳後修飾蛋白
質の製造を刺激するのに十分な量の、小胞体(ER)/
ゴルジ体又は小胞体/ゴルジ体/細胞膜、あるいはこれ
らに加えて他の細胞小器官のような翻訳後修飾マシーナ
リー(machinery)を上記抽出物に添加する工
程。
【0013】幾つかの酵素を必要とする最も複雑な翻訳
後修飾プロセスが糖鎖付加反応である。そのため、糖鎖
付加反応がよく起こると、これは大多数のほかの翻訳後
修飾も可能なことを意味する。
【0014】細胞内の蛋白質の糖鎖付加反応を調べてみ
ると、大部分の真核細胞で起こる糖鎖付加反応は、一般
に小胞体(ER)内で起こる。つまり、酵母菌、昆虫、
植物および哺乳類の細胞が、ER内で、N−結合型オリ
ゴ糖の機能を分け与えている。つまり、小胞体だけを通
過した糖蛋白質の糖鎖構造は、ほとんど同じであるけれ
ども、小胞体での初期糖鎖付加反応だけから成る糖蛋白
質は、最後の目的糖蛋白質の特性をあまり反映できない
し、このような初期糖鎖付加反応だけでは生産される糖
蛋白質に治療剤の効能を付与できない。
【0015】中途の糖蛋白の製造は、完全な翻訳後修飾
を経ておらず、ゴルジ体のような後期糖鎖付加反応マシ
ーナリーの欠如によって起こりうる。別の言葉でいえ
ば、異なったタイプの細胞によるオリゴ糖の処理は、ゴ
ルジ体によって異なるであろう。哺乳類細胞におけるO
−型糖鎖付加反応(O−glycosylation)
の初期段階は、セリンまたはスレオニンへの、N−型ア
セチルガラクトサミンの共有的な結合である。どんなO
−型糖鎖付加反応のシーケンスも、N−型糖鎖付加反応
(N−glycosylation)に必要とされる、
Asn−X−Ser/Thrの鋳型(templat
e)と類似していない。N−型糖鎖付加反応とのさらな
る相違として、前もって形成されない、脂質共役オリゴ
糖前駆体が初期の哺乳類O−型糖鎖付加反応に含まれて
いる。糖のヌクレオチドは、O−結合型プロセスにおけ
る、最初のそしてその後起こる全ての工程の基質とな
る。続いてセリンまたはスレオニンへのN−型アセチル
ガラクトサミンの共有的な結合が起こり、いくつかの異
なった処理の経路が、ゴルジ体における哺乳類のO−結
合型オリゴ糖に可能である。糖蛋白のオリゴ糖の構造
は、人間の治療用途に決定的な性質、血漿クリアランス
度、抗原性、免疫原性、比活性(specificac
tivity)、溶解度、熱による非活性化に対する抵
抗およびプロテアーゼの攻撃への抵抗に、重要な影響を
及ぼす。ゆえに、糖蛋白の大量生産に適用する無細胞蛋
白質生産法のために、および、安定性、形態、蛋白質と
糖鎖形成反応の機構の関係を理解するための蛋白質の糖
鎖付加反応の役割の急速な洞察のために、蛋白質が完全
に翻訳後修飾されるような、能率的な完全翻訳後修飾無
細胞蛋白生産法が開発される必要があった。
【0016】本発明は、完全な構造の糖鎖が付加された
糖蛋白質を生産するために、適切な無細胞蛋白質生産法
を構築し、これと、細胞から分離した翻訳後修飾関連細
胞内マシーナリーを利用した、無細胞糖鎖付加反応(i
n vitro glycosylation)の適切
な組み合わせを目的とする。このような概念の無細胞翻
訳後修飾蛋白質生産法は、今までに報告されたことがな
い、新しい方法である。これは、特に翻訳後修飾が必要
な蛋白質の大量生産に大変好適である。また、このよう
な方法は、糖鎖付加反応以外の、翻訳後修飾が必要な蛋
白質の生産にも、直接応用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】原核細胞(prokaryote
s)は、翻訳後修飾が欠乏しているから、本発明の無細
胞翻訳後修飾に利用される無細胞蛋白質生産系は、真核
細胞由来の無細胞蛋白質生産系でなければならない。今
まで、菌類、哺乳類細胞(例;網状赤血球、内皮細胞お
よびリンパ球)を含むさまざまな真核生物可溶化液(蛋
白質合成マシーナリー)、不死化株細胞(例;ガン株細
胞等)および植物細胞(コムギ胚芽または胚細胞など)
の原料を利用してきた。そして、効率的な真核細胞の転
写−翻訳結合無細胞蛋白質生産法(coupled c
ell−free protein synthesi
s;coupled transcription/t
ranslation system)がバクテリオフ
ァージRNAポリメラーゼとウサギ網状赤血球可溶化液
(RRL)を用いて開発された(米国特許第5,32
4,637号)。このように転写と翻訳が連続的に結合
された無細胞蛋白質生産法を“転写−翻訳結合無細胞蛋
白質生産法”という一方、転写と翻訳が別個の反応に区
分されて起こる場合、つまり転写反応でDNAからmR
NAを製造し、このmRNAを分離して、別個の翻訳反
応でmRNAから蛋白質を生産する無細胞蛋白質生産法
を“転写−翻訳非結合無細胞蛋白質生産法”(unco
upled cell−free protein s
ynthesis;cell−free transl
ation system)という。
【0018】上述したように、小胞体だけの添加は、完
全に翻訳後修飾された蛋白質を形成できない。これはゴ
ルジ体のような後期糖鎖付加反応(terminal
glycosylation)をはじめとする後期翻訳
後修飾に関連するマシーナリーの欠乏のためである。無
細胞蛋白質生産反応混合物に、信号識別粒子(sign
al recognition particle)、
ER、ゴルジ体、原形質膜等を含む翻訳後修飾マシーナ
リーを添加すると、完全翻訳後修飾蛋白質の生産が活性
化される。完全な培養混合物(無細胞蛋白質生産と翻訳
後修飾マシーナリーの複数の成分を含む)は、完全翻訳
後修飾蛋白質を与える。翻訳後修飾過程はインビトロで
忠実に再現しうる。本発明に記載した結果は、治療用の
蛋白質のインビボ生産の代替としての無細胞蛋白質生産
の可能性を開き、無細胞蛋白質生産法の理解を深めるも
のである。
【0019】無細胞蛋白質生産のための細胞抽出物製造
用細胞と翻訳後修飾のための細胞内膜成分抽出物製造用
細胞は、同じでも異なっていてもかまわない。同じ細胞
を使用する場合にも、蛋白質生産用抽出物と翻訳後修飾
用細胞内マシーナリーを別々に準備しても一緒に使用し
てもよい。
【0020】翻訳後修飾マシーナリーは、組織細胞や培
養した株細胞(culturedcell line
s)から製造することができる。糖鎖付加反応の場合、
糖鎖付加反応関連酵素の発現を増進させるためや、及び
/又は糖鎖付与反応で糖供与者(suger−dono
r)の役割をする糖−核酸(suger−nucleo
tides)複合体の量を増加させるためには、遺伝子
工学技術者にとって細胞源(cell source)
の方が有利である。このような遺伝子操作は、本発明が
属する分野で通常の知識を持つ者(当業者)が容易に実
施できるので、詳しい説明は省略する。
【0021】無細胞蛋白質生産法における細胞抽出物を
得る例としては、ヌクレアーゼ処理されたウサギ由来の
赤血球破砕物(rabbit reticulocyt
elysate;RRL)の詳しい製造方法が実施例1
に記載されている。また、糖鎖付加反応を含む翻訳後修
飾に関連されたいろいろな細胞内マシーナリーを分離す
るために、チャイニーズハムスター卵巣細胞(Chin
ese hamster ovary cell;CH
O cell)から細胞初期破砕物(crude ho
mogenate)を製造する詳しい製造方法が実施例
2に記載されている。さらに、上記細胞初期破砕物から
信号認識因子を含有する小胞体(ER)、ゴルジ体、さ
らには細胞膜を分離する方法は、実施例3、実施例4お
よび実施例5に各々記載されている。
【0022】場合によって、本発明の転写−翻訳結合無
細胞蛋白質生産法および転写−翻訳非結合無細胞蛋白質
生産法で生産された糖蛋白質は、糖転移酵素(glyc
osyltransferase)、糖切断酵素(gl
ycosidase)および糖置換酵素(transg
lycosidase)などの糖鎖構造変更関連酵素に
よって酵素的糖付加反応、糖切断反応、糖置換反応など
を経て変形されることができる。つまり、新しい糖の添
加や除去が可能であるので、一般的な糖鎖構造で発見さ
れない糖の導入や、新しい糖鎖構造合成が可能である。
そのため、新しい糖蛋白質の開発も可能である。例とし
て、糖鎖付与反応液自体、または、これから分離したE
POは、糖置換酵素のひとつのトランス−シリアダーゼ
によって糖鎖末端にシアル酸をさらに付加することがで
きるし、糖鎖末端にシアル酸の付加が増加するほど、一
般的に糖蛋白質の薬効が増加する。
【0023】本発明は、医薬用、産業用及び研究用蛋白
質の生産への応用が可能である。つまり成長ホルモン
類、顆粒球コロニー刺激因子、インターロイキン、イン
ターフェロン、トロンボポエチン(血小板産生因子;t
hrombopoietin)、組織プラスミノゲンア
クチベーター(tissue plasminogen
activator)、ヒト化モノクローナル抗体(h
umanized monoclonal antib
ody)などの蛋白質がすべて含まれる。また、本発明
は、翻訳後修飾された蛋白質の生産自体だけでなく、最
近新しく明かされた多くの遺伝子の機能の究明のため
の、完全な形態の蛋白質発現の研究手段および糖鎖付加
反応などを含む翻訳後修飾に対する研究手段にも使用が
可能である。また本発明は、上述した方法で生産された
翻訳後修飾蛋白質を含む蛋白質の発現および翻訳後修飾
キットなどで使用することができる。本発明の技術を利
用した蛋白質の発現および翻訳後修飾キットを利用する
と、時間、労働、費用を減らすことができる。特に膨大
な量の遺伝子の機能を調査するためには、時間を短縮で
きることが大変重要である。
【0024】本発明の一つの実施態様では、EPOが完
全翻訳後修飾蛋白質合成法により生産される。しかし、
EPOは、ただ応用可能な治療用蛋白質のひとつの実例
として提示され、本発明がこれら特定の実施例に限定さ
れることはないし、本発明の分野における当業者によっ
て、さまざまな変形が可能であることは理解されるであ
ろう。また実施例には翻訳後修飾の一例にEPOの糖鎖
付加反応だけを提示しているが、これは他の全ての翻訳
後修飾反応の代表である。それゆえ、本発明は他の翻訳
後修飾をすべて含むものである。
【0025】EPOは、慢性腎臓疾患をはじめとする各
種疾患に聯関された貧血症を治療するために現在多く使
用される治療用糖蛋白質である。EPOは、哺乳動物お
よび鳥類の赤血球の生育に主要な調節物質である。特
に、この糖蛋白質ホルモンは、骨髄、脾臓および胎児の
肝で、赤血球幹細胞が早く生長することを促進したり、
以後循環系を循環する赤血球の最終分化に必要である。
現在、治療用EPOは動物細胞培養で生産されている。
【0026】翻訳後修飾が導入された転写−翻訳結合無
細胞翻訳後修飾蛋白質生産法によるEPOの生産は、実
施例6に詳しく記載されている。また、翻訳後修飾が導
入された転写−翻訳非結合無細胞翻訳後修飾蛋白質生産
法によるEPOの生産は、実施例7に詳しく記載されて
いる。さらに、翻訳後修飾が導入された無細胞翻訳後修
飾蛋白質生産法と酵素的(インビトロ)糖付加反応を結
合した方法によるEPOの生産は、実施例8に詳しく記
載されている。
【0027】
【実施例】以下、本発明で開発された詳しい内容を次の
実施例に説明する。しかし、本発明は以下の例だけに限
定されていないし、その変形も含む。
【0028】実施例1ヌクリアーゼ処理されたウサギ由来の赤血球破砕物の製
新しい周辺飼育環境と飼料に適応するように約2週間飼
育したウサギに、3日間、貧血誘発剤の1.25%(w
/v)アセチルフェニルヒドラジン(APH)、4−5
mlをえりくびに注射した。1.25%(w/v)のA
PHの貯蔵水溶液は、加温撹拌機で準備され、その後−
20℃で保管された。ウサギは通常としてスケジュール
の8日目に採血された(最後のAPH注射の5日後ウサ
ギから採血した)。0.5mlのヒプノルム(Hypn
orm)が大腿筋に注射された。ヒプノルムが一旦効果
を示し、ウサギが麻酔にかかったら、片方の耳の縁が、
大辺縁静脈(the big marginal ve
in)が暴露するように、毛が剃られ、ヘパリンを2,
000単位含むネムブタル(Nembutal)または
サガタル(Sagatal)を、2−2.5ml、注射
した。動物が完全に無意識になったとき、ウサギの胸部
を95%(v/v)エタノールでひたした後、毛を除去
した。胸部(ribcage)が十分に暴露された時、
下部中央線から頭部中央線へ切開し、約1インチ側面に
筋肉と骨の三角形フラップができた。このフラップは開
かれるように折り畳まれ、心臓そのものまたは心臓から
でている大動脈が切開された。胸の空間が急速に血液で
満たされ、この血液を30−50ml、3インチのシリ
コンラバーまたはタイゴン(Tygon)チューブのつ
いた注射器で、ヘパリンなどの血液凝固防止剤があらか
じめ少量添加された冷たい採血容器に移した。ウサギ一
匹から平均100mlの血液が得られた。
【0029】得られた血液から毛などの不純物を除去す
るために、チーズクロスまたはナイロン布で血液を濾過
した。これを2,000rpmで10分間遠心分離して
赤血球を回収した。回収された赤血球を5mMのブドウ
糖が含まれている緩衝液(5.5mMの酢酸カリウム、
25mMのトリス−酢酸、137mMの塩化ナトリウ
ム、0.28mMのNaHPO・12HO、1m
Mのエチレジアミン四酢酸(EDTA)、1mMのジチ
オトレイトール(DTT))で再懸濁させた。これをま
た2,000rpmで10分間遠心分離した後上清を除
去した。この過程をもう3回反復して細胞を洗浄した。
つまり、全部で4回の低速回転である。最後の洗浄後、
計測された体積の生理食塩水中で再懸濁し、全体の体積
を計測することによって、細胞の体積が決定された。最
後の遠心分離の後、細胞の体積(濃縮細胞体積として)
の1.5倍の冷たい蒸溜水で再懸濁させた。溶液を完全
に混合して細胞を破砕し、もう一度溶液を10,000
rpm(約15,000g)、2℃で20分間遠心分離
した。上清をナイロン布(53μm,Nitex材質)
を利用して濾過して、どんなにかわ状間質の塊も可溶化
液に入るのを防いだ。それは蛋白質合成の抑制物質を含
むからである。
【0030】この時得られた赤血球破砕物は、蛋白質合
成マシーナリーを多く持っており、これを“赤血球破砕
物”または“細胞抽出物”という。このように得られた
赤血球破砕物には多量のmRNAが存在する。このmR
NAの活性を除去するためにmRNAの活性を選択的に
除去するヌクリアーゼで赤血球破砕物を処理した。40
0μlの溶液あたり1mlのへミン8μl、10mg/
mlのクレアチンキナーゼ4μl、125mMの塩化カ
リウム3.2μl、および15,000units/m
lのミクロコッカスヌクリアーゼ16μlを添加してよ
く混合した後、20℃で30分間反応した。ミクロコッ
カスヌクリアーゼの反応はカルシウムイオンを必要とす
るため、反応液にカルシウムイオンを選択的にキレート
できる500mMのエチレングリコールビス(2−アミ
ノエチルエーテル)―N,N’―四酢酸(EGTA)
8.8μlを添加して反応を停止した。この溶液は約8
5μlの適当な一定分量に分けられた。この溶液は可能
な限り急速に冷やすため、液体窒素内で凍結された。こ
の方法で貯蔵された溶液は、少なくとも3年間、どんな
活動も失わない。−70℃冷凍庫で保管された貯蔵物
は、少なくとも数ヶ月の間良好なようであった。
【0031】実施例2チャイニーズハムスター卵巣細胞からの天然ホモジネー
ト(細胞初期破砕物)の製造 翻訳後修飾マシーナリーの分離のために、まず、細胞内
膜成分を多量に含んでいる細胞初期破砕物を製造する。
本実施例で使用した細胞はCHO細胞である。30個の
細胞培養プレートに、CHO細胞を培養プレートあたり
4−6×10の細胞数になるように、培養温度を34
℃、気相を95%空気−5%炭酸ガスとして培養した。
培養後の細胞は、蛋白質分解酵素のトリプシンの処理で
培養プレートから外す。培養プレートから培養液を除去
した後、培養プレートに付いている細胞を10mlのト
リス緩衝液(5.5mMの酢酸カリウム、25mMのト
リス−酢酸、137mMの塩化ナトリウム、0.28m
MのNaHPO・12HO、1mMのエチレジア
ミン四酢酸(EDTA)、1mMのDTTおよび0.5
mMのフェニルメチルスルフォニルフッ化物(PMS
F)(pH7.4))で洗浄した。以後0.05%のト
リプシンと0.02%のEDTAが含まれているトリス
緩衝液を、各培養プレートあたり5ml加えた後、常温
で5分間放置して酵素反応を誘導した。酵素反応後、冷
たい培地を、各培養プレートあたり2ml添加して、各
培養プレートから酵素反応液を集めて、4℃、600g
で5分間遠心分離した。遠心分離後、細胞沈殿物からト
リプシンが完全に除去されるように、50−100ml
のトリス緩衝液で3回洗浄した。最後の遠心分離後、細
胞沈殿物の体積を測定し、細胞沈殿物を5倍の破砕緩衝
液(250mMのスクロース、10mMのトリス−酢
酸、1mMのEDTA、1mMのDTT、および0.5
mMのPMSF(pH7.4))で再懸濁させた。きっ
ちりと合わせられた15mlのドウンスホモジナイザー
(Dounce homogenizer、Wheat
on Co,. Milliville NJ)を30
回振ることによって、細胞の懸濁液から天然ホモジネー
トが製造された。得られた天然ホモジネートは、すぐに
使用できるが、さらに都合が良いように、液体窒素で凍
結され、後の細胞成分分画のために、−80℃で貯蔵さ
れた。
【0032】実施例3天然ホモジネートからの内部原形質の細網を含む信号識
別粒子の製造 (細胞初期破砕物からの信号認識粒子と結合している小
胞体の分離) 実施例2の、冷凍保管された細胞初期破砕
物を、30℃で速く解凍した後、氷に置いた。この細胞
初期破砕物を4℃、5,000gで15分間遠心分離し
た。遠心分離後上清を注意して回収し、4倍の細胞破砕
緩衝液で稀釈した後、ミトコンドリアを除去するため
に、4℃、8,500gで5分間遠心分離した。遠心分
離後、上清からスクロースの密度差超遠心分離で小胞体
を分離した。超遠心分離の際、超遠心分離用試料を準備
するために、容器の下から順に、10mMのトリス酢酸
(pH7.4)を含む2.0Mのスクロース溶液、10
mMのトリス−酢酸(pH7.4)を含む1.5Mのス
クロース溶液、10mMのトリス−酢酸(pH7.4)
を含む1.3Mのスクロース溶液を3:4:4の体積比
(v/v)で満たした。このスクロース溶液の上を、先
に遠心分離で準備された小胞体を含む上清で満たした。
この試料を4℃、90,000g(Beckman社S
W28ローター(rotor)使用時23,000rp
m)で150分間超遠心分離した。超遠心分離後、1.
3M−1.5Mのスクロース溶液の界面と、1.5M−
2.0Mのスクロース溶液の界面から、小胞体部分を得
られた。回収した小胞体部分を3倍の稀釈緩衝液(55
mMのトリス−酢酸、5mMの酢酸マグネシウム(pH
7.0))で稀釈した後、4℃、90,000gで、4
5分間、もう一度超遠心分離した。超遠心分離後、得た
小胞体の沈殿物を、50−100μlの貯蔵緩衝液(5
mMのトリエタノールアミン、2mMのDTTおよび2
50mMのスクロース)に溶解させた。
【0033】貯蔵緩衝液に溶解した小胞体を、ブドウ球
菌ヌクリアーゼ(EC 3.1.31.1)で処理し
て、内在RNAを除去した。つまり、0.1mlの小胞
体溶液あたり12.5mMの塩化カルシウム溶液8μ
l、および60unitのブドウ球菌ヌクリアーゼを添
加して20℃で30分間反応することによって処理し
た。30分後、0.5MのEGTA溶液(水酸化ナトリ
ウム;NaOHでpH7.5に調整されている)2.2
μlを加えて反応を停止し、これを50μlずつ分取し
て液体窒素で急冷した後、−70℃冷凍庫で保管した。
冷凍された小胞体溶液は、使用の前に、30℃で急速解
凍して使用した。
【0034】実施例4天然ホモジネート(細胞初期破砕物)からゴルジ体の分
実施例2の、冷凍保管された細胞初期破砕物を、30℃
で急速解凍した後、氷に置いた。この細胞初期破砕物を
4℃、5,000gで15分間遠心分離した。最初の
5,000gでの遠心分離後、ほとんどの上清が除去さ
れ、ペレットの黄褐色の部分(上部3分の1)が少量の
上清内で再懸濁された。よく混ぜた後、この溶液6ml
に10mMのトリス−酢酸(pH7.4)を含む2.3
Mのスクロース溶液を添加して、全体溶液のスクロース
濃度が1.4Mになるようにした。ここにNaEDT
Aの最終濃度が1mMになるように添加した後、よく混
ぜて、SW28チューブ(Beckman)に入れた。
この混合液を超遠心分離器に入れた。そして、その上を
14mlの10mMトリス−酢酸(pH7.4)を含む
1.2Mのスクロース溶液で、8mlの10mMトリス
−酢酸(pH7.4)を含む0.8Mのスクロース溶液
で、順に満たした後、4℃(BeckmanSW28ロ
ーター、23,000rpmで)、90,000gで1
50分間超遠心分離した。0.8M−1.2Mのスクロ
ース溶液の界面における濁った一群(ゴルジ体部分)
が、注射器の小さな穴によって、最小限の量(≦1.5
ml)得られた。この回収されたゴルジ体の部分を3倍
の稀釈緩衝液(55mMのトリス−酢酸、5mMの酢酸
マグネシウム(pH7.0))で稀釈した後、4℃、9
0,000gで45分間超遠心分離した。超遠心分離後
得られたゴルジ体の沈殿物を、50−100μlの貯蔵
緩衝液(5mMのトリエタノールアミン、2mMのDT
Tおよび250mMのスクロース)で溶解した。貯蔵緩
衝液に溶けさせた後、50μlずつ分取りして液体窒素
で急冷して−70℃冷蔵庫で保管した。このように冷凍
したゴルジ体溶液は使用の前に30℃で急速解凍して使
用した。
【0035】実施例5天然ホモジネート(細胞初期破砕物)から分離した細胞
膜の製造 実施例2の冷凍保管された細胞初期破砕物を30℃で速
く溶けさせた後、氷に置いた。この細胞初期破砕物を4
℃、25,000gで30分間遠心分離した。上清を除
去して約5×10の細胞数あたり1mlの0.2M、
リン酸カリウム緩衝液(pH7.2)で沈殿物を浮遊さ
せた。この溶液を6.6%のデキストランT500(P
hamacia Biotech)と6.6%(v/
v)のポリエチレングリコール3350(Fisher
Scientific)の高分子混合液および0.2
Mnリン酸カリウムを含んだ、2相系(two―pha
sesystem)の上に加えた。これを4℃で完全に
混ぜた後、4℃、1,150gで5分間遠心分離した。
このようにして層が分離されると、細胞膜を多量に含ん
でいる上層を回収して、1mlの重炭酸で稀釈し、3
0,000g、15分間で再遠心分離した。遠心分離
後、得た細胞膜の沈殿物を50−100μlの貯蔵緩衝
液で溶解した。50μlずつ分取し、液体窒素で急冷し
て、−70℃冷凍庫で保管した。このように保管したゴ
ルジ体溶液は使用の前に30℃で急速解凍して使用し
た。
【0036】実施例6翻訳後修飾が導入された転写−翻訳結合無細胞蛋白質生
産法によるEPOの生産 翻訳後修飾が導入された転写−翻訳結合無細胞蛋白質生
産法によるEPOの生産のために、ヒトEPOの遺伝子
を含んでいるベクターのp64T−EPO(Boiss
el,J.P.,et al., j.Biol.Ch
em. 268:15983−15993(199
3))を、塩化セシウムを利用する超遠心分離法で精製
して、無細胞蛋白質生産の鋳型として使用した。無細胞
蛋白質生産の際、糖鎖付加反応関連細胞内マシーナリー
を含んでいる翻訳後修飾関連細胞内マシーナリーを添加
する。ここで翻訳後修飾関連細胞内マシーナリーとは、
実施例3から5において説明した、小胞体とゴルジ体、
または、小胞体とゴルジ体と細胞膜の調合を意味する。
反応混合物は、ヌクリアーゼで処理した53%の細胞抽
出物(RRL)と、その他の基本的な構成成分の最終的
な濃度は;17mMのクレアチンリン酸、48μg/m
lのクレアチンフォスフォキナーゼ、40μMの各アミ
ノ酸、260units/mlのSP6RNAポリメラ
ーゼ、75μg/mlの環型プラスミドDNA、1.8
mMのATP、1.3mMのGTP、各1mMのUTP
およびCTP、50mMの酢酸カリウム、3.6mMの
酢酸マグネシウム、0.4mMのスペルミジン、4mM
のHepes/KOH(pH7.3)、1,600un
its/mlのリボヌクリアーゼ阻害剤、2.7mMの
DTT、9.5μMのヘミン、57μl/mlの子牛肝
由来のトータルtRNA混合物、である。以上をよく混
ぜた混合液を30℃で60分間反応して、蛋白質合成と
同時に糖鎖付加を誘導した。
【0037】図1には、上述した方法により翻訳後修飾
されたEPOと翻訳後修飾されていないEPOを、SD
S−ポリアクリルアミド電気泳動法で分離してオートラ
ジオグラフで撮影した写真が示されている。レーン1
は、翻訳後修飾マシーナリーの添加のない、無細胞蛋白
質生産法で生産したEPOを、レーン2は、翻訳後修飾
マシーナリーを添加して糖鎖付加を誘導して生産したE
POを示す。翻訳後修飾関連細胞内のマシーナリーの添
加は、生産されたEPOの分子量の増加を誘導し(レー
ン2)、これは糖鎖付加が起こったことを表す。
【0038】上記の反応後、糖鎖付加反応のために添加
したマシーナリーなどの膜成分を溶かすために、0.5
%のトリトンX−100を反応液に添加して常温で10
分間放置した後、生産されたEPOをEPOと特異的に
結合する単一群抗体を利用して一般的な方法で分離し
た。
【0039】図2は、通常の細胞培養方法によって製造
されたEPOと、本発明の無細胞完全翻訳後修飾法によ
って製造されたEPOのウエスタンブロッティングの結
果を示している。レーン1は、通常の細胞培養法で生産
されたEPOを、レーン2は、上記の翻訳後修飾が導入
された無細胞生産法で生産したEPOを表す。図2か
ら、本発明の方法で生産されたEPOは、従来の細胞培
養法で生産されたEPOと同じ分子量であり、また、E
POと特異的に結合する抗体に対し、同様の結合性質を
持つことが分かる。
【0040】図3は、糖切断酵素で処理したEPOをオ
ートラジオグラフで撮影した写真が提示されている。つ
まり、図3は、EPOに付加された糖鎖の構造が完全な
ことを確認するために、糖鎖構造を認識して選択的に切
断する、糖切断酵素で処理した結果を示す。レーン1
は、翻訳後修飾マシーナリーの添加をせずに生産された
EPOを、レーン2とレーン3は、翻訳後修飾が導入さ
れた、無細胞翻訳後修飾蛋白質生産法で生産されたEP
Oを、レーン4とレーン5は、無細胞翻訳後修飾蛋白質
生産法で生産されたEPOを糖切断酵素Fで処理した試
料を、レーン6は、無細胞翻訳後修飾蛋白質生産法で生
産されたEPOを糖切断酵素Hで処理した試料を示す。
報告されたものによると、生物学的活性を持つEPO
は、糖鎖構造が複合型である。このような複合型の糖鎖
は、糖切断酵素Hでは切られず、糖切断酵素Fで切られ
ると、知られている。図3から、無細胞翻訳後修飾蛋白
質生産法で生産されたEPOは、糖切断酵素Hに対する
抵抗性を持つが、糖切断酵素Fでは切られるので,完全
な複合型の糖鎖構造をもつことが分かる。
【0041】図2と3に示した結果から、本発明の方法
による無細胞翻訳後修飾蛋白質生産法で生産されたEP
Oは、細胞培養法で生産されたEPOと同じ構造を持つ
と結論付けることができる。
【0042】膜の可溶化のために、反応混合物は、0.
5%トリトン(Triton)X−100で処理され
た。その後、合成されたEPOは、一般的な手法を用い
て、EPOのモノクローナル抗体で、免疫的に浄化され
た(immuno−purified)。
【0043】一方、EPOを含む、分離した溶液を、リ
フォルディング(refolding)溶液(50mM
のリン酸二水素ナトリウム、2%(v/v)のラウリル
サルコシン酸ナトリウム、40μMの硫酸銅)に透析し
てリフォルディング(refolding)させた後、
EPOを凍結乾燥した。分離したEPOの生物学的活性
は、以下の記載のとおり測定した。
【0044】生産されたEPOのインビトロ活性は、1
0%の血清を含んでいるRPMI1640の培地(Ki
tamura,T.et al., Blood 7
3:375−380(1989))で培養した、EPO
依存性生長ヒト株細胞TF−1の成長で測定した。
【0045】インビボ活性は、ゴールドワッサーの方法
(Goldwasser,E. and Gross,
M., Methods in Enzymol. 3
7:109−121(1975))によりネズミの血球
細胞に導入された59Feを定量して測定した。
【0046】各測定値は、平行線分析(paralle
l line assay)(Dunn,C.D.R.,
and Napier, J.A.P., Exp.
Hematol. (N.Y.) 6:577−584
(1978))により決定した。つまり、1試料あたり
9度測定し、各測定あたり2度の分析でインビトロ活性
を測定し、インビボ活性の測定のために、1試料あたり
3度の測定と、各測定あたり3匹のマウスを使用した。
1/500に稀釈したEPOの試料に含まれている塩の
ようなほかの物質は、生物学的活性分析に影響しなかっ
た。
【0047】生物学的活性分析には、第二国際標準基準
品(the second internationa
l Reference Preparation)に
より高度に精製された組替えヒトEPO(recomb
inant human EPO、rHuEPO)を標
準品で使用した。生物学的活性の測定の結果、本実施例
の転写−翻訳結合無細胞翻訳後修飾蛋白質生産法で生産
されたEPOをrHuEPOと比較すると、先に無細胞
翻訳後修飾蛋白質生産法で生産したEPOが、細胞培養
で生産したEPOの構造と同じであったことから予想で
きるように、インビトロ活性およびインビボ活性が、実
験誤差の範囲内でrHuEPOと類似した。
【0048】実施例7翻訳後修飾が導入された転写−翻訳非結合無細胞翻訳後
修飾蛋白質生産法によるEPOの生産 翻訳後修飾が導入された転写−翻訳比結合無細胞翻訳後
修飾蛋白質生産法でEPOを生産するために、ヒトEP
Oの遺伝子(cDNA)を含んでいるベクター(プラス
ミド)の、p64T−EPOを、塩化セシウムを利用し
た超遠心分離法で精製して、インビトロ転写反応の鋳型
として使用した。この方法では、翻訳反応と分離され
た、別個の転写反応を遂行する。
【0049】本実施例のインビトロ転写反応に、キャッ
プ構造(mG(5’)ppp(5’)G)をmRNA
に導入する方法と導入しない方法を使用した。一般的に
キャップ構造を導入したmRNAを鋳型で使用した場合
のほうが、蛋白質合成反応に必要なmRNAの量が少な
い方法を利用した方法に比べて、最終蛋白質合成の面で
は不利であるが、mRNA生産自体が簡便で、転写反応
によるmRNAの生産量もはるかに多い。
【0050】キャップ構造を導入しないインビトロ転写
反応の最適条件は以下のとおりである;40mMのトリ
ス−塩酸(pH7.5)、6mMの塩化マグネシウム、
10mMのDTT、1mMの各核酸(NTP)、100
0units/mlのリボヌクリアーゼ阻害剤、2mM
のスペルミジン、1,000units/mlのSP6
RNA重合酵素、10mMの塩化ナトリウムおよび0.
1mg/mlの環型のDNA(プラスミド)。そして、
キャップ構造の導入のためのインビトロ転写反応の最適
条件は、キャップ構造類似体(cap analog)
の添加と使用GTP濃度に差異があるが、以下のとおり
である;40mMのトリス−塩酸(pH7.5)、6m
Mの塩化マグネシウム、10mMのDTT、各1mMの
ATP、CTPおよびUTP、0.5mMのGTP、1
000units/mlのリボヌクリアーゼ阻害剤、2
mMのスペルミジン、1,000units/mlのS
P6RNA重合酵素の塩化ナトリウム、0.5mMのキ
ャップ構造類似体および0.1mg/mlの環型DNA
(プラスミド)。
【0051】転写反応のために以上の成分を混合すると
き、低い温度ではスペルミジンとDNAが共沈するの
で、これらの間の沈殿物の形成を防止するために、DN
A以外のすべての成分を混合した混合液を、37℃であ
らかじめ温めた後に、DNAを添加した。転写反応は3
7℃で4時間遂行した。反応後、合成されたmRNAは
フェノール/クロロホルム抽出法で反応液から抽出し、
この抽出液に同量の5M塩化リチウム水溶液を加え、氷
に1時間放置してmRNAを選択的に沈殿させた。沈殿
されたmRNAを回収するために、4℃、5,000g
で15分間遠心分離した後、得られた沈殿物を75%
(v/v)のエタノールで洗浄し、RNA分解酵素がな
い、分子生物学用純度の水に溶かした。
【0052】転写−翻訳非結合無細胞翻訳後修飾蛋白質
生産の際に、糖鎖付加反応関連細胞内マシーナリーを含
む、翻訳後修飾関連細胞内マシーナリーを添加する。こ
こで、翻訳後修飾関連細胞内マシーナリーとは、実施例
3から5で説明した、小胞体とゴルジ体、または小胞体
とゴルジ体と細胞膜の調合物を意味する。
【0053】反応混合物は以下ものを含む:ヌクリアー
ゼで処理した53%(v/v)の細胞抽出物(RR
L)、17mMのクレアチンリン酸、48μg/mlの
クレアチンフォスフォキナーゼ、40μMの各アミノ
酸、30μg/mlのmRNA、0.8mMのATP、
0.3mMのGTP、50mMの酢酸カリウム、0.5
mMの酢酸マグネシウム、0.4mMのスペルミジン、
4mMのHepes/KOH(pH7.3)、1,60
0units/mlのリボヌクリアーゼ阻害剤、2.7
mMのDTT、9.5μMのヘミンおよび57μg/m
lの子牛肝由来全体tRNA混合物である。以上をよく
混ぜた混合液を30℃で60分間反応して、蛋白質合成
と同時に糖鎖付加を誘導した。
【0054】このように生産したEPOも、実施例6の
方法で生産したEPOと同じ構造をもつことが図4から
分かる。レーン1は翻訳後修飾関連細胞内マシーナリー
の添加なしで、無細胞蛋白質生産法で生産したEPO
を、レーン2は翻訳後修飾が導入された転写−翻訳非結
合無細胞翻訳後修飾蛋白質生産法で生産したEPOを、
レーン3は翻訳後修飾が導入された転写−翻訳結合無細
胞翻訳後修飾蛋白質生産法で生産したEPOを示す。つ
まり、実施例6の図3のレーン3のEPOと本実施例の
図4のレーン2のEPOが同じであることが分かる。
【0055】上記の反応後、糖鎖付加反応のために添加
した膜成分を溶かすために、0.5%のトリトンX−1
00を反応液に添加し、常温で10分間放置した後、合
成されたEPOをEPOと特異的に結合するモノクロー
ナル抗体を利用して、一般的な方法で分離した。EPO
を含んでいる分離した溶液を、リフォルディング(re
folding)溶液(50mMのリン酸二水素ナトリ
ウム、2%(v/v)のラウリルサルコシン酸ナトリウ
ム、40μMの硫酸銅)に透析してリフォルディングし
た後、EPOを凍結乾燥した。
【0056】分離したEPOの生物学的活性は、実施例
6と同じ方法で測定した。転写−rHuEPOと比較し
た結果、実施例6と同じく、インビトロ活性およびイン
ビボ活性がrHuEPOと類似していた。
【0057】実施例8無細胞翻訳修飾蛋白質生産法と酵素的糖付加反応を結合
した方法によるEPOの生産 実施例6と7に示された、転写−翻訳結合無細胞翻訳後
修飾蛋白質生産方および転写−翻訳非結合無細胞翻訳後
修飾蛋白質生産法による無細胞翻訳後修飾蛋白質生産反
応後、糖鎖付加反応のために添加した膜成分を溶かすた
めに、0.5%のトリトンX−100を反応液に添加
し、常温で10分間放置した。この反応液自体またはこ
れから分離したEPOは、糖置換酵素の一種のトランス
−シアリダーゼで糖鎖末端にシアル酸をさらに付加でき
る。また、糖鎖末端のシアル酸の付加が増大するほど、
一般的に糖蛋白質の薬効が増加する。使用したトランス
−シアリダーゼは既に報告された方法により得た(Ca
vallesco,R. and Pereira,
M.E.A., J. Immunol. 140:6
17−625(1988);Prioli,R.P.,
et al., J.Immunol. 144:4
384−4391(1990))。
【0058】シアル酸の提供者(donor)には、
0.25μmolの2,3−シアリルラクトースまたは
p−ニトロフェニル−α−N−アセチルノイラミン酸を
使用し、無細胞翻訳後修飾蛋白質生産反応液15μl
に、0.5μg/mlのトランス−シアリダーゼ5μl
を加えた。精製した後、凍結乾燥したEPOの場合は2
5−50μgのEPOを0.25μmolの2,3−シ
アリルラクトースまたはp−ニトロフェニル−α−N−
アセチルノイラミン酸が含まれた40μlのカコジル酸
/塩酸緩衝液(pH6.9)に溶かした後、ここに0.
5μg/mlのトランス−シアリダーゼ10μlを加え
た。このように反応液を準備して、30℃で18時間酵
素処理した後、実施例6に使用したモノクローナル抗体
を利用した分離法で、シアル酸がさらに付加されたEP
Oを分離した。
【0059】分離したEPOの糖鎖末端シアル酸の付加
の程度を調査するために、既に開示されているメチル化
分析法(Scudder,P., et al., E
ur.J.Biochem. 168:585−593
(1987))により分析し、生物学的活性は、実施例
6に提示された方法に従った。誘導化されたサンプル
は、0.25mm×30−m融合(fused)シリカ
DB5 キャピラリーカラム(J&W Scient
ific)で準備された、ヒューレット パッカード社
の5890Aキャピラリー ガス クロマトグラフィー
で分析された。そこでは、5分の保持時間の後、2℃/
分のレートで、150℃から230℃に温度上昇(ra
mped)された。トランス−シアリダーゼで処理した
EPOは、シアル酸の含量が10%増加し、生物学的活
性も15%増加した。つまり、平均EPO1mol当た
り、シアル酸が11.9molから13molに増加し
た。
【0060】上記から、本発明は、効率的な矛盾の無
い、無細胞完全翻訳後修飾蛋白質生産法を提供すること
が証明された。また、本発明はここに記載された特定の
方法、示された方法および混合物の特定の使用のどれに
も限定されるものではない。前述の開示の権利におい
て、本発明分野の当業者は、その精神および観点から離
れること無しに、本発明の実行において、代用、交換ま
たは修正が可能であることは明らかであろう。
【0061】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、無細胞蛋白質
生産と無細胞完全翻訳後修飾とを組み合わせた完全翻訳
後修飾蛋白質の生産方法を提供するものである。そのた
め、従来の無細胞蛋白質生産法では、部分的に翻訳後修
飾された蛋白質のみしか製造できなかったのに対し、本
発明では、翻訳後修飾のマシーナリーを採用することに
よって完全翻訳後修飾蛋白質が生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法により翻訳後修飾された
エリスロポエチン(erythropietin;EP
O)と翻訳後修飾されていないEPOをSDS−ポリア
クリルアミド電気泳動法で分離してオートラジオグラム
で撮影した写真である。
【図2】図2は、通常の細胞培養法で生産したEPOと
本発明の方法により翻訳後修飾が導入された無細胞生産
法で生産したEPOのウエスタンブロッティング(we
stern blotting)の結果である。
【図3】図3は、糖切断酵素で処理したEPOをオート
ラジオグラムで撮影した写真である。
【図4】図4は、翻訳後修飾が導入された転写−翻訳非
結合無細胞蛋白質生産法で生産したEPOと翻訳後修飾
が導入された転写−翻訳結合無細胞蛋白質生産法で生産
したEPOをオートラジオグラムで撮影した写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サン ヒョン カン 大韓民国、ソウル、ガナク−グ、ボンチョ ン 8−ドン、1536−2 (72)発明者 テク ジン カン 大韓民国、ソウル、ガナク−グ、シリム− ドン、415−19 (72)発明者 ジ ヒョン ウー 大韓民国、インチョン、ブピョン−グ、ブ ガエ 2−ドン、106−37 (72)発明者 サン キル リー 大韓民国、ソウル、ソチョ−グ、バンポボ ン−ドン、バンポ アパート、20−109 (72)発明者 スン ウー チョ 大韓民国、ソウル、マポ−グ、ソギョ−ド ン、347−13 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 DA44 FB01 FB03 FB05 FB09 4B024 AA20 BA21 CA04 CA12 HA01 HA03 HA06 HA15 4B064 AG18 CA21 CC24 CD21 DA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 完全翻訳後修飾蛋白質(complet
    ely post−transltional mod
    ified protein)を生産するための方法に
    おいて、(a)目的蛋白質の遺伝情報を持つDNA(D
    NA template)を細胞抽出物に添加する工
    程、(b)核酸(リボヌクレオチド三リン酸塩;rib
    onucleotide triphosphate
    s)を上記抽出物に添加する工程、および(c)完全翻
    訳後修飾蛋白質の製造を刺激するのに十分な量の、小胞
    体(ER)/ゴルジ体(Golgi apparatu
    s)又は小胞体/ゴルジ体/細胞膜(plasma m
    embrane)、あるいはこれらに加えて他の細胞小
    器官(organells)のような翻訳後修飾マシー
    ナリー(machinery)を上記抽出物に添加する
    工程からなる結合無細胞完全翻訳後修飾蛋白質合成法
    (coupled cell−free comple
    tely post−transltional mo
    dified protein synthesi
    s)、または(a’)目的蛋白質の遺伝情報を持つRN
    Aを細胞抽出物に添加する工程、および(b’)完全翻
    訳後修飾蛋白質の製造を刺激するのに十分な量の、小胞
    体(ER)/ゴルジ体又は小胞体/ゴルジ体/細胞膜、
    あるいはこれらに加えて他の細胞小器官のような翻訳後
    修飾マシーナリー(machinery)を上記抽出物
    に添加する工程からなる非結合無細胞完全翻訳後修飾蛋
    白質合成法(uncoupled cell−free
    completely post−translti
    onal modified protein syn
    thesis)を経由することを特徴とする完全翻訳後
    修飾蛋白質の生産方法。
  2. 【請求項2】 上記無細胞蛋白質合成法における細胞抽
    出物を製造するため細胞源(cell source)
    と上記翻訳後修飾マシーナリーの細胞源が、同一である
    か又は異なることを特徴とする請求項1記載の生産方
    法。
  3. 【請求項3】 上記完全翻訳後修飾が糖鎖付加反応であ
    ることを特徴とする請求項1記載の生産方法。
  4. 【請求項4】 上記蛋白質がEPOであることを特徴と
    する請求項1記載の生産方法。
  5. 【請求項5】 上記翻訳後修飾マシーナリーが、組織細
    胞及び/又は培養した株細胞(cultured ce
    ll lines)から抽出されたものであることを特
    徴とする請求項1記載の生産方法。
  6. 【請求項6】 糖鎖付加マシーナリーを含有しても良い
    上記翻訳後修飾マシーナリーが、糖鎖付加反応酵素の発
    現レベルの向上及び/又は糖ヌクレオチド貯蔵物(po
    ols of sugar nucleotides)
    の濃縮のために、遺伝子工学的に培養された株細胞から
    製造されることを特徴とする請求項5記載の生産方法。
  7. 【請求項7】 上記生産した糖蛋白質が、糖鎖構造変更
    関連酵素を用いた糖付加反応及び/又は糖切断反応及び/
    又は糖置換反応により追加的に修飾されることを特徴と
    する請求項4記載の生産方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方
    法で生産された翻訳後修飾蛋白質を含有することを特徴
    とする遺伝子機能を診断するためのキット。
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