JP2002238584A - 新規masレセプター類似蛋白質およびそのDNA - Google Patents

新規masレセプター類似蛋白質およびそのDNA

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JP2002238584A
JP2002238584A JP2001074256A JP2001074256A JP2002238584A JP 2002238584 A JP2002238584 A JP 2002238584A JP 2001074256 A JP2001074256 A JP 2001074256A JP 2001074256 A JP2001074256 A JP 2001074256A JP 2002238584 A JP2002238584 A JP 2002238584A
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receptor
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Kuniji Hinuma
州司 日沼
Masashi Fukuzumi
昌司 福住
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アゴニスト/アンタゴニストのスクリーニング
等に有用な新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質の提
供。 【解決手段】マウス心臓・ラット全脳由来のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質、該レセプター蛋白質をコードす
るDNAなど。 【効果】本発明のマウス心臓・ラット全脳由来のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質またはそれらの塩をコードす
るDNAは、組換え型レセプター蛋白質の発現系の構
築、同発現系を用いたレセプター結合アッセイ系の開発
と医薬品候補化合物のスクリーニングなどとして有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マウス心臓・ラッ
ト全脳由来の新規masレセプター類似蛋白質またはその
塩およびそれをコードするDNAなどに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質などの生
理活性物質は、細胞膜に存在する特異的なレセプター蛋
白質を通じて生体の機能を調節している。これらのレセ
プター蛋白質のうち多くは共役しているguanine nucleo
tide-binding protein(以下、G蛋白質と略称する場合
がある)の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行な
い、また7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっ
ていることから、G蛋白質共役型レセプター蛋白質ある
いは7回膜貫通型レセプター蛋白質(7TMR)と総称
される。G蛋白質共役型レセプター蛋白質は生体の細胞
や臓器の各機能細胞表面に存在し、それら細胞や臓器の
機能を調節する分子、例えばホルモン、神経伝達物質お
よび生理活性物質等の標的として生理的に重要な役割を
担っている。レセプターは生理活性物質との結合を介し
てシグナルを細胞内に伝達し、このシグナルにより細胞
の賦活や抑制といった種々の反応が惹起される。各種生
体の細胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、そ
の特異的レセプター蛋白質、特にはG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質との関係を明らかにすることは、各種生体
の細胞や臓器の機能を解明し、それら機能と密接に関連
した医薬品開発に非常に重要な手段を提供することとな
る。
【0003】例えば、生体の種々の器官では、多くのホ
ルモン、ホルモン様物質、神経伝達物質あるいは生理活
性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわ
れている。特に、生理活性物質は生体内の様々な部位に
存在し、それぞれに対応するレセプター蛋白質を通して
その生理機能の調節を行っている。生体内には未だ未知
のホルモンや神経伝達物質その他の生理活性物質も多
く、それらのレセプター蛋白質の構造に関しても、これ
まで報告されていないものが多い。さらに、既知のレセ
プター蛋白質においてもサブタイプが存在するかどうか
についても分かっていないものが多い。このような七回
膜貫通受容体の中には癌遺伝子の一つとして単離同定さ
れてきたmas受容体が知られている。mas受容体はそのリ
ガンドはまだ決定されていないオーファン受容体であ
る。またmas受容体については、癌との関係(Cell 1986
Jun 6;45(5):711-9 Isolation and characterization
of a new cellular oncogene encoding a protein with
multiple potential transmembrane domains. Young
D, Waitches G, Birchmeier C, Fasano O, Wigler
M)、あるいはAngiotensin受容体との類似性(Nature 1
988 Sep 29;335(6189):437-40 The mas oncogeneencode
s an angiotensin receptor. Jackson TR, Blair LA, M
arshall J, Goedert M, Hanley MR )、記憶との関係
(J Biol Chem 1998 May 8;273(19):11867-73 Sustaine
d long term potentiation and anxiety in mice lacki
ng the Mas protooncogene. Walther T, Balschun D, V
oigt JP, Fink H, Zuschratter W, Birchmeier C, Gant
en D, Bader M) が報告されており、受容体の中でも特
に重要な生理作用に関係していることが示唆されてい
る。しかしながらこのmas受容体に対してアミノ酸レベ
ルで40%以上の高い相同性を示す受容体は知られていな
い。生体における複雑な機能を調節する物質と、その特
異的レセプター蛋白質との関係を明らかにすることは、
医薬品開発に非常に重要な手段である。また、レセプタ
ー蛋白質に対するアゴニスト、アンタゴニストを効率よ
くスクリーニングし、医薬品を開発するためには、生体
内で発現しているレセプター蛋白質の遺伝子の機能を解
明し、それらを適当な発現系で発現させることが必要で
あった。近年、生体内で発現している遺伝子を解析する
手段として、cDNAの配列をランダムに解析する研究
が活発に行なわれており、このようにして得られたcD
NAの断片配列がExpressed Sequence Tag(EST)と
してデータベースに登録され、公開されている。しか
し、多くのESTは配列情報のみであり、その機能を推
定することは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、G蛋白質共役型
レセプターと生理活性物質(即ち、リガンド)との結合
を阻害する物質や、結合して生理活性物質(即ち、リガ
ンド)と同様なシグナル伝達を引き起こす物質は、これ
らレセプターの特異的なアンタゴニストまたはアゴニス
トとして、生体機能を調節する医薬品として活用されて
きた。従って、このように生体内での生理発現において
重要であるばかりでなく、医薬品開発の標的ともなりう
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質を新規に見出し、そ
の遺伝子(例えばcDNA)をクローニングすること
は、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質の特異的リガ
ンドや、アゴニスト、アンタゴニストを見出す際に、非
常に重要な手段となる。しかし、G蛋白質共役型レセプ
ターはその全てが見出されているわけではなく、現時点
でもなお、未知のG蛋白質共役型レセプター、また対応
するリガンドが同定されていない、いわゆるオーファン
レセプターが多数存在しており、新たなG蛋白質共役型
レセプターの探索および機能解明が切望されている。G
蛋白質共役型レセプターは、そのシグナル伝達作用を指
標とする、新たな生理活性物質(即ち、リガンド)の探
索、また該レセプターに対するアゴニストまたはアンタ
ゴニストの探索に有用である。一方、リガンドが見出さ
れなくても、該レセプターの不活化実験(ノックアウト
動物)から該レセプターの生理作用を解析することによ
り、該レセプターに対するアゴニストまたはアンタゴニ
ストを作製することも可能である。これら該レセプター
に対するリガンド、アゴニストまたはアンタゴニストな
どは、G蛋白質共役型レセプターの機能不全に関連する
疾患の予防/治療薬や診断薬として活用することが期待
できる。さらにまた、G蛋白質共役型レセプターの遺伝
子変異に基づく、生体での該レセプターの機能の低下ま
たは昂進が、何らかの疾患の原因となっている場合も多
い。この場合には、該レセプターに対するアンタゴニス
トやアゴニストの投与だけでなく、該レセプター遺伝子
の生体内(またはある特定の臓器)への導入や、該レセ
プター遺伝子に対するアンチセンス核酸の導入による、
遺伝子治療に応用することもできる。この場合には該レ
セプターの塩基配列は遺伝子上の欠失や変異の有無を調
べるために必要不可欠な情報であり、該レセプターの遺
伝子は、該レセプターの機能不全に関与する疾患の予防
/治療薬や診断薬に応用することもできる。本発明は、
上記のように有用な新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質を提供するものである。即ち、新規G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分
ペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNA、RN
Aおよびそれらの誘導体)を含有するポリヌクレオチド
(DNA、RNAおよびそれらの誘導体)、該ポリヌク
レオチドを含有する組換えベクター、該組換えベクター
を保持する形質転換体、該G蛋白質共役型レセプター蛋
白質またはその塩の製造法、該G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対す
る抗体、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現量を
変化させる化合物、該G蛋白質共役型レセプターに対す
るリガンドの決定方法、リガンドと該G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質との結合性を変化させる化合物(アンタ
ゴニスト、アゴニスト)またはその塩のスクリーニング
方法、該スクリーニング用キット、該スクリーニング方
法もしくはスクリーニングキットを用いて得られるリガ
ンドと該G蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合性を
変化させる化合物(アンタゴニスト、アゴニスト)また
はその塩、およびリガンドと該G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質との結合性を変化させる化合物(アンタゴニス
ト、アゴニスト)もしくは該G蛋白質共役型レセプター
蛋白質の発現量を変化させる化合物またはその塩を含有
してなる医薬などを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、マウス心臓およびラット全脳由来の新規
な蛋白質をコードするcDNAを単離し、その全塩基配
列を解析することに成功した。そして、この塩基配列を
アミノ酸配列に翻訳したところ、第1〜第7膜貫通領域
が疎水性プロット上で確認され、これらのcDNAにコ
ードされる蛋白質が7回膜貫通型のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質であることを確認した。本発明者らは、こ
れらの知見に基づいて、さらに研究を重ねた結果、本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有することを特徴とする蛋白質また
はその塩、(2)実質的に同一のアミノ酸配列が配列番
号:5で表されるアミノ酸配列である上記(1)記載の
蛋白質またはその塩、(3)上記(1)記載の蛋白質の
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩、(4)上記(1)記載の蛋白質または
(3)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドを含有するポリヌクレオチド、(5)DNAである上
記(4)記載のポリヌクレオチド、(6)配列番号:2
または配列番号:6で表される塩基配列を有する上記
(4)記載のポリヌクレオチド、(7)上記(4)記載
のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、(8)
上記(7)記載の組換えベクターで形質転換させた形質
転換体、(9)上記(8)記載の形質転換体を培養し、
上記(1)記載の蛋白質または(3)記載の部分ペプチ
ドを生成せしめることを特徴とする上記(1)記載の蛋
白質またはその塩または(3)記載の部分ペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製
造法、(10)上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩
または上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(11)上記(1)記載の蛋白質のシグナル伝達を不活
性化する中和抗体である上記(10)記載の抗体、(1
2)上記(10)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(13)上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または
上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもし
くはそのエステルまたはその塩を用いることにより得ら
れうる上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上
記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩に対するリガンド、(1
4)上記(13)記載のリガンドを含有してなる医薬、
(15)上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または
上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもし
くはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とす
る上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記
(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩に対するリガンドの決定方
法、(16)上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩ま
たは上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴
とするリガンドと上記(1)記載の蛋白質もしくはその
塩または上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(17)上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または
上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもし
くはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴と
するリガンドと上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩
または上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(18)上記(16)記載のスクリーニング方法または
上記(17)記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、リガンドと上記(1)記載の蛋白質もしくは
その塩または上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩、(19)上記(1
8)記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(20)上記(4)記載のポリヌクレオチドとハイスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレ
オチド、(21)上記(4)記載のポリヌクレオチドと
相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌ
クレオチド、(22)上記(4)記載のポリヌクレオチ
ドまたはその一部を用いることを特徴とする上記(1)
記載の蛋白質のmRNAの定量方法、(23)上記(1
0)記載の抗体を用いることを特徴とする上記(1)記
載の蛋白質または(3)記載の部分ペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩の定量方
法、(24)上記(22)または上記(23)記載の定
量方法を用いることを特徴とする上記(1)記載の蛋白
質の機能が関連する疾患の診断方法、(25)上記(2
2)または上記(23)記載の定量方法を用いることを
特徴とする、上記(1)記載の蛋白質の発現量を変化さ
せる化合物またはその塩のスクリーニング方法、および
(26)上記(23)記載の定量方法を用いることを特
徴とする、細胞膜における請求項1記載の蛋白質量を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法など
に関する。
【0007】さらには、(27)蛋白質が、配列番
号:1または配列番号:5で表わされるアミノ酸配列、
配列番号:1または配列番号:5で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
列、配列番号:1または配列番号:5で表わされるア
ミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30
個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好まし
くは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミノ酸
配列、配列番号:1または配列番号:5で表わされる
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好
ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸
で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わ
せたアミノ酸配列を含有する蛋白質である上記(1)記
載の蛋白質またはその塩、(28)上記(1)記載の蛋
白質もしくはその塩または上記(3)記載の部分ペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩と、試験化合物とを接触させることを特徴とする上記
(15)記載のリガンドの決定方法、(29)リガンド
が例えばアンギオテンシン、ボンベシン、カナビノイ
ド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メラ
トニン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、バ
ソプレッシン、オキシトシン、PACAP、セクレチ
ン、グルカゴン、カルシトニン、アドレノメジュリン、
ソマトスタチン、GHRH、CRF、ACTH、GR
P、PTH、VIP(バソアクティブ インテスティナ
ル ポリペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モ
チリン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシト
ニンジーンリレーティッドペプチド)、ロイコトリエ
ン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、トロン
ボキサン、アデノシン、アドレナリン、αおよびβ−ケ
モカイン(chemokine)(例えば、IL−8、GRO
α、GROβ、GROγ、NAP−2、ENA−78、
PF4、IP10、GCP−2、MCP−1、HC1
4、MCP−3、I−309、MIP−1α、MIP−
1β、RANTESなど)、エンドセリン、エンテロガ
ストリン、ヒスタミン、ニューロテンシン、TRH、パ
ンクレアティックポリペプタイド、ガラニンまたはラッ
トコルチスタチンである上記(28)記載のリガンドの
決定方法、
【0008】(30)(i)上記(1)記載の蛋白質も
しくはその塩または上記(3)記載の部分ペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と、
リガンドとを接触させた場合と、(ii)上記(1)記載
の蛋白質もしくはその塩または上記(3)記載の部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩と、リガンドおよび試験化合物とを接触させた場
合との比較を行なうことを特徴とする上記(16)記載
のスクリーニング方法、(31)(i)標識したリガン
ドを上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記
(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩に接触させた場合と、(ii)
標識したリガンドおよび試験化合物を上記(1)記載の
蛋白質もしくはその塩または上記(3)記載の部分ペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩に接触させた場合における、標識したリガンドの上
記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記(3)
記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエ
ステルまたはその塩に対する結合量を測定し、比較する
ことを特徴とするリガンドと上記(1)記載の蛋白質も
しくはその塩または上記(3)記載の部分ペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、(32)(i)標識したリガンドを上記(1)
記載の蛋白質を含有する細胞に接触させた場合と、(i
i)標識したリガンドおよび試験化合物を上記(1)記
載の蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における、
標識したリガンドの該細胞に対する結合量を測定し、比
較することを特徴とするリガンドと上記(1)記載の蛋
白質またはその塩との結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法、(33)(i)標識した
リガンドを上記(1)記載の蛋白質を含有する細胞の膜
画分に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよ
び試験化合物を上記(1)記載の蛋白質を含有する細胞
の膜画分に接触させた場合における、標識したリガンド
の該細胞の膜画分に対する結合量を測定し、比較するこ
とを特徴とするリガンドと上記(1)記載の蛋白質また
はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング方法、
【0009】(34)(i)標識したリガンドを上記
(8)記載の形質転換体を培養することによって該形質
転換体の細胞膜に発現した蛋白質に接触させた場合と、
(ii)標識したリガンドおよび試験化合物を上記(8)
記載の形質転換体を培養することによって該形質転換体
の細胞膜に発現した蛋白質に接触させた場合における、
標識したリガンドの該蛋白質に対する結合量を測定し、
比較することを特徴とするリガンドと上記(1)記載の
蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物また
はその塩のスクリーニング方法、(35)(i)上記
(1)記載の蛋白質またはその塩を活性化する化合物を
上記(1)記載の蛋白質を含有する細胞に接触させた場
合と、(ii)上記(1)記載の蛋白質またはその塩を活
性化する化合物および試験化合物を上記(1)記載の蛋
白質を含有する細胞に接触させた場合における、蛋白質
を介した細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴と
するリガンドと上記(1)記載の蛋白質またはその塩と
の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、(36)上記(1)記載の蛋白質またはその
塩を活性化する化合物を上記(8)記載の形質転換体を
培養することによって該形質転換体の細胞膜に発現した
蛋白質に接触させた場合と、上記(1)記載の蛋白質ま
たはその塩を活性化する化合物および試験化合物を上記
(8)記載の形質転換体を培養することによって該形質
転換体の細胞膜に発現した蛋白質に接触させた場合にお
ける、蛋白質を介する細胞刺激活性を測定し、比較する
ことを特徴とするリガンドと上記(1)記載の蛋白質ま
たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
のスクリーニング方法、
【0010】(37)上記(1)記載の蛋白質を活性化
する化合物が、アンギオテンシン、ボンベシン、カナビ
ノイド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、
メラトニン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリ
ン、バソプレッシン、オキシトシン、PACAP、セク
レチン、グルカゴン、カルシトニン、アドレノメジュリ
ン、ソマトスタチン、GHRH、CRF、ACTH、G
RP、PTH、VIP(バソアクティブ インテスティ
ナル ポリペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、
モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシ
トニンジーンリレーティッドペプチド)、ロイコトリエ
ン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、トロン
ボキサン、アデノシン、アドレナリン、αおよびβ−ケ
モカイン(chemokine)(例えば、IL−8、GRO
α、GROβ、GROγ、NAP−2、ENA−78、
PF4、IP10、GCP−2、MCP−1、HC1
4、MCP−3、I−309、MIP−1α、MIP−
1β、RANTESなど)、エンドセリン、エンテロガ
ストリン、ヒスタミン、ニューロテンシン、TRH、パ
ンクレアティックポリペプタイド、ガラニンまたはラッ
トコルチスタチンである上記(35)または(36)記
載のスクリーニング方法、(38)上記(30)〜(3
7)記載のスクリーニング方法で得られうる、リガンド
と上記(1)記載の蛋白質またはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩、(39)上記(30)〜
(37)記載のスクリーニング方法で得られうる、リガ
ンドと上記(1)記載の蛋白質またはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩を含有することを特徴
とする医薬、
【0011】(40)上記(1)記載の蛋白質を含有す
る細胞を含有することを特徴とする上記(17)記載の
スクリーニング用キット、(41)上記(1)記載の蛋
白質を含有する細胞の膜画分を含有することを特徴とす
る上記(17)記載のスクリーニング用キット、(4
2)上記(8)記載の形質転換体を培養することによっ
て該形質転換体の細胞膜に発現した蛋白質を含有するこ
とを特徴とする上記(17)記載のスクリーニング用キ
ット、(43)上記(40)〜(42)記載のスクリー
ニング用キットを用いて得られうる、リガンドと上記
(1)記載の蛋白質またはその塩との結合性を変化させ
る化合物またはその塩、(44)上記(40)〜(4
2)記載のスクリーニング用キットを用いて得られう
る、リガンドと上記(1)記載の蛋白質またはその塩と
の結合性を変化させる化合物またはその塩を含有するこ
とを特徴とする医薬、(45)上記(10)記載の抗体
と、上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記
(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩とを接触させることを特徴と
する上記(1)の蛋白質もしくはその塩または上記
(3)記載の部分ペプチドそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩の定量法、(46)上記(10)記載
の抗体と、被検液および標識化された上記(1)記載の
蛋白質もしくはその塩または上記(3)記載の部分ペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化さ
れた上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記
(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩の割合を測定することを特徴
とする被検液中の上記(1)記載の蛋白質もしくはその
塩または上記(3)記載の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩の定量法、およ
び(47)被検液と担体上に不溶化した上記(10)記
載の抗体および標識化された上記(10)記載の抗体と
を同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上
の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の
上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記
(3)記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩の定量法などを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質(以下、レセプター蛋白質と略記する場合があ
る)は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列(図1
中のアミノ酸配列)と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するレセプター蛋白質である。本発明の
レセプター蛋白質は、例えば、哺乳動物(例えば、ヒ
ト、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪
細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細
胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基
球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨
細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは
間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしく
はガン細胞など)や血球系の細胞、またはそれらの細胞
が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁頭核、大脳基底球、海馬、視床、視床下
部、視床下核、大脳皮質、延髄、小脳、後頭葉、前頭
葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳染、黒質)、脊髄、下垂
体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、
骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小
腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末梢
血球、前立腺、睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関
節、骨格筋など(特に、脳や脳の各部位)に由来する蛋
白質であってもよく、また合成蛋白質であってもよい。
【0013】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ま
しくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さ
らに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%
以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。 本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、例
えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列と実質的に同質の活性を有する蛋白質な
どが好ましい。実質的に同質の活性としては、例えば、
リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用などがあげら
れる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質
であることを示す。したがって、リガンド結合活性やシ
グナル情報伝達作用などの活性が同等(例、約0.01
〜100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好まし
くは約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これら
の活性の程度や蛋白質の分子量などの量的要素は異なっ
ていてもよい。リガンド結合活性やシグナル情報伝達作
用などの活性の測定は、自体公知の方法に準じて行なう
ことができるが、例えば、後述するリガンドの決定方法
やスクリーニング方法に従って測定することができる。 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一の
アミノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:5
で表されるアミノ酸配列等があげられる。
【0014】また、本発明のレセプター蛋白質として
は、配列番号:1または配列番号:5で表わされるア
ミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜3
0個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ま
しくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ
酸配列、配列番号:1または配列番号:5で表わされ
るアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好
ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミ
ノ酸配列、配列番号:1または配列番号:5で表わさ
れるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミ
ノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み
合わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いられ
る。
【0015】本明細書におけるレセプター蛋白質は、ペ
プチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末
端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するレセプタ
ー蛋白質をはじめとする、本発明のレセプター蛋白質
は、C末端が通常カルボキシル基(−COOH)または
カルボキシレート(−COO-)であるが、C末端がアミ
ド(−CONH2)またはエステル(−COOR)であ
ってもよい。ここでエステルにおけるRとしては、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもし
くはn−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シク
ロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキ
ル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12
リール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニ
ル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなど
のα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラル
キル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロ
イルオキシメチル基などが用いられる。本発明のレセプ
ター蛋白質がC末端以外にカルボキシル基(またはカル
ボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がア
ミド化またはエステル化されているものも本発明のレセ
プター蛋白質に含まれる。この場合のエステルとして
は、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられ
る。さらに、本発明のレセプター蛋白質には、上記した
蛋白質において、N末端のメチオニン残基のアミノ基が
保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC2- 6
ルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されて
いるもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミ
ル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸
の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ
基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチルな
どのC2-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で
保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる
糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。本発明のレ
セプター蛋白質の具体例としては、例えば、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列を含有するマウス由来(よ
り好ましくはマウス心臓由来)のレセプター蛋白質、配
列番号:5で表されるアミノ酸配列を含有するラット
(より好ましくはラット全脳由来)のレセプター蛋白質
などが用いられる。
【0016】本発明のレセプター蛋白質の部分ペプチド
(以下、本発明の部分ペプチドと略記する場合がある)
としては、前記した本発明のレセプター蛋白質の部分ペ
プチドであれば何れのものであってもよいが、例えば、
本発明のレセプター蛋白質分子のうち、細胞膜の外に露
出している部位であって、レセプター結合活性を有する
ものなどが用いられる。具体的には、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列を有するレセプター蛋白質の部分
ペプチドとしては、図2で示される疎水性プロット解析
において細胞外領域(親水性(Hydrophilic)部位)で
あると分析された部分を含むペプチドである。また、疎
水性(Hydrophobic)部位を一部に含むペプチドも同様
に用いることができる。個々のドメインを個別に含むペ
プチドも用い得るが、複数のドメインを同時に含む部分
のペプチドでも良い。本発明の部分ペプチドのアミノ酸
の数は、前記した本発明のレセプター蛋白質の構成アミ
ノ酸配列のうち少なくとも20個以上、好ましくは50
個以上、より好ましくは100個以上のアミノ酸配列を
有するペプチドなどが好ましい。実質的に同一のアミノ
酸配列とは、これらアミノ酸配列と約50%以上、好ま
しくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さ
らに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%
以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。ここで、
「実質的に同質の活性」とは、前記と同意義を示す。
「実質的に同質の活性」の測定は前記と同様に行なうこ
とができる。
【0017】また、本発明の部分ペプチドは、上記アミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10
個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ
酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個
以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))の
アミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ま
しくは数個、さらに好ましくは1〜5個程度)のアミノ
酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。また、本発
明の部分ペプチドはC末端が通常カルボキシル基(−C
OOH)またはカルボキシレート(−COO-)である
が、前記した本発明のレセプター蛋白質のごとく、C末
端がアミド(−CONH2)またはエステル(−COO
R)であってもよい。ここで、エステルにおけるRは上
記と同意義を示す。本発明の部分ペプチドがC末端以外
にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有して
いる場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化
されているものも本発明の部分ペプチドに含まれる。こ
の場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエ
ステルなどが用いられる。さらに、本発明の部分ペプチ
ドには、前記した本発明のレセプター蛋白質と同様に、
N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護され
ているもの、N端側が生体内で切断され生成したGlnが
ピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖
上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、ある
いは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプ
チドなども含まれる。本発明のレセプター蛋白質または
その部分ペプチドの塩としては、酸または塩基との生理
学的に許容される塩があげられ、とりわけ生理学的に許
容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例
えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫
酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プ
ロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられ
る。
【0018】本発明のレセプター蛋白質またはその塩
は、前述したヒトや哺乳動物の細胞または組織から自体
公知のレセプター蛋白質の精製方法によって製造するこ
ともできるし、後述する本発明のレセプター蛋白質をコ
ードするDNAで形質転換された形質転換体を培養する
ことによっても製造することができる。また、後述の蛋
白質合成法またはこれに準じて製造することもできる。
ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒ
トや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、
酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフ
ィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグ
ラフィーを組み合わせることにより精製単離することが
できる。
【0019】本発明のレセプター蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩またはそのアミド体の合成に
は、通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質の配列
通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合
させる。反応の最後に樹脂から蛋白質を切り出すと同時
に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジ
スルフィド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質または
そのアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の縮合
に関しては、蛋白質合成に使用できる各種活性化試薬を
用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよ
い。カルボジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロ
ピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノ
プロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これらに
よる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HO
OBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまた
は、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエ
ステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なっ
た後に樹脂に添加することができる。
【0020】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、蛋白質縮合反応に使用しうるこ
とが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセ
トアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩
化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素
類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジ
オキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセ
トニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸
メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの
適宜の混合物などが用いられる。反応温度は蛋白質結合
形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適
宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選
択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜
4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテス
トの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行う
ことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行
なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得
られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾー
ルを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することができ
る。
【0021】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキ
シル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シ
クロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状
もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステ
ル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジル
エステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロ
ベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェ
ナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジ
ド化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、
トリチルヒドラジド化などによって保護することができ
る。セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエー
テル化によって保護することができる。このエステル化
に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t-ブチル基などである。チロシンのフ
ェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2
-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリーブチル
などが用いられる。ヒスチジンのイミダゾールの保護基
としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチ
ルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、B
um、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0022】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd-黒あるいはPd-炭素
などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、ま
た、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの
混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに
よる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる
還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、
一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処
理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオ
アニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチ
ルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチ
オールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効であ
る。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用い
られる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理に
より除去され、トリプトファンのインドール保護基とし
て用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
【0023】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。蛋白質のアミド体を得る別の方法
としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα
−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基
側にペプチド(蛋白質)鎖を所望の鎖長まで延ばした
後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみ
を除いた蛋白質とC末端のカルボキシル基の保護基のみ
を除去した蛋白質とを製造し、この両蛋白質を上記した
ような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細につい
ては上記と同様である。縮合により得られた保護蛋白質
を精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去
し、所望の粗蛋白質を得ることができる。この粗蛋白質
は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍
結乾燥することで所望の蛋白質のアミド体を得ることが
できる。蛋白質のエステル体を得るには、例えば、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアル
コール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、蛋白質の
アミド体と同様にして、所望の蛋白質のエステル体を得
ることができる。
【0024】本発明のレセプター蛋白質または本発明の
部分ペプチド(以下、「本発明の部分ペプチドもしくは
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩」を単に
「本発明の部分ペプチド」と、「本発明のレセプター蛋
白質またはその塩」を単に「本発明のレセプター蛋白
質」と称する場合がある)は、自体公知のペプチドの合
成法に従って、あるいは本発明のレセプター蛋白質また
は本発明のレセプター蛋白質を含有する蛋白質を適当な
ペプチダーゼで切断することによって製造することがで
きる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成
法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本
発明のレセプター蛋白質または本発明の部分ペプチドを
構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分と
を縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱
離することにより目的のペプチドを製造することができ
る。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、
以下の〜に記載された方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年); SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年); 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年); 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 蛋白
質の化学IV、 205、(1977年); 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店。 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のレセプター蛋白
質または本発明の部分ペプチドを精製単離することがで
きる。上記方法で得られる本発明のレセプター蛋白質ま
たは本発明の部分ペプチドが遊離体である場合は、公知
の方法によって適当な塩に変換することができるし、逆
に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変
換することができる。
【0025】本発明のレセプター蛋白質をコードするポ
リヌクレオチドとしては、前述した本発明のレセプター
蛋白質をコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好
ましくはDNA)を含有するものであればいかなるもの
であってもよい。該ポリヌクレオチドとしては、本発明
のレセプター蛋白質をコードするDNA、mRNA等の
RNAであり、二本鎖であっても、一本鎖であってもよ
い。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまた
はDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場
合は、センス鎖(即ち、コード鎖)であっても、アンチ
センス鎖(即ち、非コード鎖)であってもよい。本発明
のレセプター蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用
いて、例えば、公知の実験医学増刊「新PCRとその応
用」15(7)、1997等に記載の方法またはそれに準じた方
法により、本発明のレセプター蛋白質のmRNAを定量
することができる。本発明のレセプター蛋白質をコード
するDNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライ
ブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記し
た細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNA
のいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクター
は、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファ
ージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細
胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製し
たものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase
Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)に
よって増幅することもできる。具体的には、本発明のレ
セプター蛋白質をコードするDNAとしては、例えば、
配列番号:2または配列番号:6で表わされる塩基配列
を含有するDNA、または配列番号:2または配列番
号:6で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな
条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明の
レセプター蛋白質と実質的に同質の活性(例、リガンド
結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有するレセプ
ター蛋白質をコードするDNAであれば何れのものでも
よい。配列番号:2または配列番号:6で表わされる塩
基配列とハイブリダイズできるDNAとしては、例え
ば、配列番号:2または配列番号:6で表わされる塩基
配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好
ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いら
れる。
【0026】ハイブリダイゼーションは、自体公知の方
法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook
etal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記
載の方法などに従って行なうことができる。また、市販
のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記
載の方法に従って行なうことができる。より好ましく
は、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことが
できる。該ハイストリンジェントな条件とは、例えば、
ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19
〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約6
0〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約1
9mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具
体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有
するレセプター蛋白質をコードするDNAとしては、配
列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAなどが
用いられ、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列を有
するレセプター蛋白質をコードするDNAとしては、配
列番号:6で表わされる塩基配列を有するDNAなどが
用いられる。本発明のレセプター蛋白質をコードするD
NAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的な塩基
配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、下記
の本発明の部分ペプチドをコードするDNAを包含する
だけではなく、RNAをも包含する意味で用いられる。
本発明に従えば、本発明のレセプター蛋白質遺伝子の複
製又は発現を阻害することのできるアンチセンス・ポリ
ヌクレオチド(核酸)を、クローン化したあるいは決定
された本発明のレセプター蛋白質をコードするDNAの
塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうしたポ
リヌクレオチド(核酸)は、本発明のレセプター蛋白質
遺伝子のRNAとハイブリダイズすることができ、該R
NAの合成又は機能を阻害することができるか、あるい
は本発明のレセプター蛋白質関連RNAとの相互作用を
介して本発明のレセプター蛋白質遺伝子の発現を調節・
制御することができる。本発明のレセプター蛋白質関連
RNAの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、
及び本発明のレセプター蛋白質関連RNAと特異的にハ
イブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、生
体内及び生体外で本発明のレセプター蛋白質遺伝子の発
現を調節・制御するのに有用であり、また病気などの治
療又は診断に有用である。用語「対応する」とは、遺伝
子を含めたヌクレオチド、塩基配列又は核酸の特定の配
列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味す
る。ヌクレオチド、塩基配列又は核酸とペプチド(蛋白
質)との間で「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)
の配列又はその相補体から誘導される指令にあるペプチ
ド(蛋白質)のアミノ酸を通常指している。本発明のレ
セプター蛋白質遺伝子の5’端ヘアピンループ、5’端
6−ベースペア・リピート、5’端非翻訳領域、ポリペ
プチド翻訳開始コドン、蛋白質コード領域、ORF翻訳
開始コドン、3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム
領域、及び3’端ヘアピンループは好ましい対象領域と
して選択しうるが、G蛋白質共役型レセプター蛋白質遺
伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
【0027】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なポリヌクレオチドとの関係は、対象物とハイブ
リダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係
は、「アンチセンス」であるということができる。アン
チセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リ
ボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、D−
リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、プ
リン又はピリミジン塩基のN−グリコシドであるその他
のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド
骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の蛋白質
核酸及び合成配列特異的な核酸ポリマー)又は特殊な結
合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはD
NAやRNA中に見出されるような塩基のペアリナグや
塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有す
る)などがあげられる。それらは、2本鎖DNA、1本
鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RNA、さらにDN
A:RNAハイブリッドであることができ、さらに非修
飾ポリヌクレオチド(又は非修飾オリゴヌクレオチ
ド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当
該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたも
の、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチ
ドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾の
されたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホ
ネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カ
ルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合又は硫
黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジ
チオエートなど)を持つもの、例えば蛋白質(ヌクレア
ーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、
シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖(例え
ば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有している
もの、インターカレント化合物(例えば、アクリジン、
プソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例え
ば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属
など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、
修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型の核
酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシド」、
「ヌクレオチド」及び「核酸」とは、プリン及びピリミ
ジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその他の複
素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。こうし
た修飾物は、メチル化されたプリン及びピリミジン、ア
シル化されたプリン及びピリミジン、あるいはその他の
複素環を含むものであってよい。修飾されたヌクレオチ
ド及び修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾され
ていてよく、例えば1個以上の水酸基がハロゲンとか、
脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテル、
アミンなどの官能基に変換されていてよい。
【0028】本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド
(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸
(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例と
しては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そ
してポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミ
ドの分解に抵抗性のものがあげられるが、それに限定さ
れるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のよ
うな方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内で
のアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセ
ンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス
鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし
毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなも
のにする。こうして修飾は当該分野で数多く知られてお
り。例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vo
l. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Cr
ooke et al. ed., Antisense Research and Applicatio
ns, CRC Press, 1993 などに開示がある。本発明のアン
チセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、
塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロス
フェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療
により適用されたり、付加された形態で与えられること
ができうる。こうして付加形態で用いられるものとして
は、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジ
ンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高め
たり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例え
ば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった粗水
性のものがあげられる。付加するに好ましい脂質として
は、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリ
ルクロロホルメート、コール酸など)があげられる。こ
うしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させ
ることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介
して付着させることができうる。その他の基としては、
核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャ
ップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどの
ヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものがあげら
れる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコー
ルをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が
あげられるが、それに限定されるものではない。アンチ
センス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明
の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発明のレ
セプター蛋白質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べ
ることができる。
【0029】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse
TranscriptasePolymerase Chain Reaction(以下、RT
-PCR法と略称する)によって増幅することもでき
る。具体的には、本発明の部分ペプチドをコードするD
NAとしては、例えば、(1)配列番号:2または配列
番号:6で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩
基配列を有するDNA、または(2)配列番号:2また
は配列番号:6で表わされる塩基配列とハイストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、
本発明のレセプター蛋白質ペプチドと実質的に同質の活
性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用な
ど)を有するレセプター蛋白質をコードするDNAの部
分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列番
号:2または配列番号:6で表わされる塩基配列とハイ
ブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:
2または配列番号:6で表わされる塩基配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90
%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する
塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0030】本発明のレセプター蛋白質またはその部分
ペプチド(以下、これらを単に本発明のレセプター蛋白
質と略記する場合がある)を完全にコードするDNAの
クローニングの手段としては、本発明のレセプター蛋白
質の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用い
てPCR法によって増幅するか、または適当なベクター
に組み込んだDNAを本発明のレセプター蛋白質の一部
あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成D
NAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーション
によって選別することができる。ハイブリダイゼーショ
ンの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Sp
ring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従
って行なうことができる。また、市販のライブラリーを
使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って
行なうことができる。
【0031】DNAの塩基配列の変換は、公知のキッ
ト、例えば、MutanTM-super ExpressKm(宝酒造
(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA
-LA PCR法やGapped duplex法やKunkel法等の自体公知の
方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことが
できる。クローン化されたレセプター蛋白質をコードす
るDNAは目的によりそのまま、または所望により制限
酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用する
ことができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コ
ドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終
止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有して
いてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドン
は、適当な合成DNAアダプターを用いて付加すること
もできる。本発明のレセプター蛋白質の発現ベクター
は、例えば、(イ)本発明のレセプター蛋白質をコード
するDNAから目的とするDNA断片を切り出し、
(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモー
ターの下流に連結することにより製造することができ
る。
【0032】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどがあげられる。これらのうち、CMV
プロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好
ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trp
プロモーター、lacプロモーター、recAプロモー
ター、λPLプロモーター、lppプロモーターなど
が、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモ
ーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター
など、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH
プロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場
合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーター
などが好ましい。
【0033】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等があげられる。特に、CHO(dhfr-)細胞
を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する
場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても
選択できる。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナ
ル配列を、本発明のレセプター蛋白質のN端末側に付加
する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・
シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバ
チルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配
列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母で
ある場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナ
ル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュ
リン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル
配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用でき
る。このようにして構築された本発明のレセプター蛋白
質をコードするDNAを含有するベクターを用いて、形
質転換体を製造することができる。
【0034】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
ズブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジー
ン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Bioch
emistry),95巻,87(1984)〕などが用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)などが用いられ
る。
【0035】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM 細胞、Mamestrabrassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞とし
ては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21
細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Viv
o),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫とし
ては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞などが用いられる。
【0036】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mole
cular & General Genetics),168巻,111(19
79)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メッソズ・イン・エ
ンザイモロジー(Methods in Enzymology),194
巻,182−187(1991)、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),75巻,1929(1978)などに記載
の方法に従って行なうことができる。昆虫細胞または昆
虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー
(Bio/Technology),6, 47-55(1988))などに記載の方
法に従って行なうことができる。動物細胞を形質転換す
るには、例えば、細胞工学別冊8新細胞工学実験プロト
コール.263−267(1995)(秀潤社発行)、
ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1973)
に記載の方法に従って行なうことができる。このように
して、レセプター蛋白質をコードするDNAを含有する
発現ベクターで形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換
体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培
地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要
な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。
炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、
可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、ア
ンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、
ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽
出液などの無機または有機物質、無機物としては、例え
ば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マ
グネシウムなどがあげられる。また、酵母エキス、ビタ
ミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のp
Hは約5〜8が望ましい。
【0037】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリル
アクリル酸のような薬剤を加えることができる。 宿主
がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃
で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加
えることもできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は
通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要によ
り通気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である
形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、バー
クホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4
505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するS
D培地〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ
・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.
USA),81巻,5330(1984)〕があげられ
る。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培
養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、
必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0038】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜ま
たは細胞外に本発明のレセプター蛋白質を生成せしめる
ことができる。
【0039】上記培養物から本発明のレセプター蛋白質
を分離精製するには、例えば、下記の方法により行なう
ことができる。本発明のレセプター蛋白質を培養菌体あ
るいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方
法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸
濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解など
によって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離や
ろ過により本発明のレセプター蛋白質の粗抽出液を得る
方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グ
アニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TM
などの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に本
発明のレセプター蛋白質が分泌される場合には、培養終
了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清と
を分離し、上清を集める。このようにして得られた培養
上清、あるいは抽出液中に含まれる本発明のレセプター
蛋白質の精製は、自体公知の分離・精製法を適切に組み
合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精
製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用す
る方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として
分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフ
ィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティーク
ロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、
逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利
用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用
する方法などが用いられる。
【0040】かくして得られる本発明のレセプター蛋白
質が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるい
はそれに準じる方法によって塩に変換することができ、
逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれ
に準じる方法により、遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。なお、組換え体が産生する本発明のレセプ
ター蛋白質を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵
素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポ
リペプチドを部分的に除去することもできる。蛋白修飾
酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、
アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、
グリコシダーゼなどが用いられる。かくして生成する本
発明のレセプター蛋白質またはその塩の活性は、標識し
たリガンドとの結合実験および本発明の抗体(以下に詳
述)を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより測定
することができる。
【0041】本発明のレセプター蛋白質に対する抗体
は、本発明のレセプター蛋白質を認識し得る抗体であれ
ば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れで
あってもよい。本発明のレセプター蛋白質に対する抗体
は、本発明のレセプター蛋白質を抗原として用い、自体
公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造すること
ができる。
【0042】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のレセプター蛋白質は、哺乳動物に対して投与に
より抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希
釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高
めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイ
ントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6
週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いら
れる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、
モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギがあげられ
るが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モノ
クローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫
された温血動物、例えば、マウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫
細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生
ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗
体価の測定は、例えば、後記の標識化レセプター蛋白質
と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の
活性を測定することにより行なうことができる。融合操
作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方
法〔ネイチャー(Nature)、256巻、495頁(19
75年)〕に従い実施することができる。融合促進剤と
しては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)や
センダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPE
Gが用いられる。骨髄腫細胞としては、例えば、NS−
1、P3U1、SP2/0などがあげられるが、P3U
1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾
臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜
20:1程度であり、PEG(好ましくは、PEG10
00〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添
加され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で
約1〜10分間インキュベートすることにより効率よく
細胞融合を実施できる。
【0043】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、本発明のレセプター蛋白質の抗原を直接あるいは担
体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)に
ハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵
素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用
いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン
抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に
結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グ
ロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハ
イブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素など
で標識したレセプター蛋白質を加え、固相に結合したモ
ノクローナル抗体を検出する方法などがあげられる。モ
ノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに準
じる方法に従って行なうことができるが、通常はHAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別お
よび育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できる
ものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1
〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含む
RPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含
むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブリド
ーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0044】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。
【0045】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法にしたがって製造することができる。例えば、免
疫抗原(本発明のレセプター蛋白質の抗原)とキャリア
ー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗
体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動
物から本発明のレセプター蛋白質に対する抗体含有物を
採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造でき
る。哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキ
ャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の
種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリ
アーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率
良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させ
てもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサイロ
グロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン等
を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好まし
くは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の
縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドや
カルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール
基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が
用いられる。縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産
生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤ととも
に投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、
完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュ
バントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に
1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことができる。ポ
リクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動物
の血液、腹水など、好ましくは血液から採取することが
できる。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上
記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポ
リクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル
抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に
従って行なうことができる。
【0046】本発明のレセプター蛋白質またはその塩、
その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩をコードするDNAは、(1)本発明
のレセプター蛋白質に対するリガンド(アゴニスト)の
決定、(2)本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関
連する疾患の予防および/または治療剤、(3)遺伝子
診断剤、(4)本発明のレセプター蛋白質の発現量を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(5)本発明のレセプター蛋白質の発現量を変化させる
化合物を含有する各種疾病の予防および/または治療
剤、(6)本発明のレセプター蛋白質に対するリガンド
の定量法、(7)本発明のレセプター蛋白質とリガンド
との結合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴ
ニストなど)のスクリーニング方法、(8)本発明のレ
セプター蛋白質とリガンドとの結合性を変化させる化合
物(アゴニスト、アンタゴニスト)を含有する各種疾病
の予防および/または治療剤、(9)本発明のレセプタ
ー蛋白質の定量、(10)細胞膜における本発明のレセ
プター蛋白質の量を変化させる化合物のスクリーニング
方法、(11)細胞膜における本発明のレセプター蛋白
質の量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防お
よび/または治療剤、(12)本発明のレセプター蛋白
質に対する抗体による中和、(13)本発明のレセプタ
ー蛋白質をコードするDNAを有する非ヒト動物の作製
などに用いることができる。特に、本発明の組換え型レ
セプター蛋白質の発現系を用いたレセプター結合アッセ
イ系を用いることによって、ヒトや哺乳動物に特異的な
G蛋白質共役型レセプターに対するリガンドの結合性を
変化させる化合物(例、アゴニスト、アンタゴニストな
ど)をスクリーニングすることができ、該アゴニストま
たはアンタゴニストを各種疾病の予防・治療剤などとし
て使用することができる。本発明のレセプター蛋白質、
本発明のレセプター蛋白質をコードするDNA(以下、
本発明のDNAと略記する場合がある)および本発明の
レセプター蛋白質に対する抗体(以下、本発明の抗体と
略記する場合がある)の用途について、以下に具体的に
説明する。
【0047】(1)本発明のレセプター蛋白質に対する
リガンド(アゴニスト)の決定 本発明のレセプター蛋白質は、本発明のレセプター蛋白
質に対するリガンド(アゴニスト)を探索し、または決
定するための試薬として有用である。すなわち、本発明
は、本発明のレセプター蛋白質と、試験化合物とを接触
させることを特徴とする本発明のレセプター蛋白質に対
するリガンドの決定方法を提供する。試験化合物として
は、公知のリガンド(例えば、アンギオテンシン、ボン
ベシン、カナビノイド、コレシストキニン、グルタミ
ン、セロトニン、メラトニン、ニューロペプチドY、オ
ピオイド、プリン、バソプレッシン、オキシトシン、P
ACAP、セクレチン、グルカゴン、カルシトニン、ア
ドレノメジュリン、ソマトスタチン、GHRH、CR
F、ACTH、GRP、PTH、VIP(バソアクティ
ブ インテスティナル アンド リレイテッド ポリペ
プチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モチリン、ア
ミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシトニンジーン
リレーティッドペプチド)、ロイコトリエン、パンクレ
アスタチン、プロスタグランジン、トロンボキサン、ア
デノシン、アドレナリン、αおよびβ−ケモカイン(ch
emokine)(例えば、IL−8、GROα、GROβ、
GROγ、NAP−2、ENA−78、PF4、IP1
0、GCP−2、MCP−1、HC14、MCP−3、
I−309、MIP−1α、MIP−1β、RANTE
Sなど)、エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタ
ミン、ニューロテンシン、TRH、パンクレアティック
ポリペプタイド、ガラニンまたはラットコルチスタチン
など)の他に、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、マウ
ス、ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サルなど)の組織抽
出物、細胞培養上清などが用いられる。例えば、該組織
抽出物、細胞培養上清などを本発明のレセプター蛋白質
に添加し、細胞刺激活性などを測定しながら分画し、最
終的に単一のリガンドを得ることができる。
【0048】具体的には、本発明のリガンド決定方法
は、本発明のレセプター蛋白質を用いるか、または組換
え型レセプター蛋白質の発現系を構築し、該発現系を用
いたレセプター(リガンド)結合アッセイ系を用いるこ
とによって、本発明のレセプター蛋白質に結合して細胞
刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン
遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内
cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fos活性化、pH
の低下などを促進する活性または抑制する活性)を有す
る化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化
合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を決
定する方法である。本発明のリガンド決定方法において
は、本発明のレセプター蛋白質と試験化合物とを接触さ
せた場合の、例えば、該レセプター蛋白質に対する試験
化合物の結合量や、細胞刺激活性などを測定することを
特徴とする。
【0049】より具体的には、本発明は、 標識した試験化合物を、本発明のレセプター蛋白質に
接触させた場合における、標識した試験化合物の該蛋白
質に対する結合量を測定することを特徴とする本発明の
レセプター蛋白質に対するリガンドの決定方法、 標識した試験化合物を、本発明のレセプター蛋白質を
含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合に
おける、標識した試験化合物の該細胞または該膜画分に
対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセ
プター蛋白質に対するリガンドの決定方法、 標識した試験化合物を、本発明のレセプター蛋白質を
コードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現したレセプター蛋白質に接触さ
せた場合における、標識した試験化合物の該レセプター
蛋白質に対する結合量を測定することを特徴とする本発
明のレセプター蛋白質に対するリガンドの決定方法、
【0050】試験化合物を、本発明のレセプター蛋白
質を含有する細胞に接触させた場合における、レセプタ
ー蛋白質を介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸
遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内
cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン
酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c
−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性また
は抑制する活性など)を測定することを特徴とする本発
明のレセプター蛋白質に対するリガンドの決定方法、お
よび 試験化合物を、本発明のレセプター蛋白質をコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したレセプター蛋白質に接触させた場合
における、レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性(例
えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を測定する
ことを特徴とする本発明のレセプター蛋白質に対するリ
ガンドの決定方法を提供する。特に、上記〜の試験
を行ない、試験化合物が本発明のレセプター蛋白質に結
合することを確認した後に、上記〜の試験を行なう
ことが好ましい。
【0051】まず、リガンド決定方法に用いるレセプタ
ー蛋白質としては、上記した本発明のレセプター蛋白質
を含有するものであれば何れのものであってもよいが、
動物細胞を用いて大量発現させたレセプター蛋白質が適
している。本発明のレセプター蛋白質を製造するには、
前述の発現方法が用いられるが、該レセプター蛋白質を
コードするDNAを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現する
ことにより行なうことが好ましい。目的とする蛋白質部
分をコードするDNA断片には、通常、相補DNAが用
いられるが、必ずしもこれに制約されるものではない。
例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。本発
明のレセプター蛋白質をコードするDNA断片を宿主動
物細胞に導入し、それらを効率よく発現させるために
は、該DNA断片を昆虫を宿主とするバキュロウイルス
に属する核多角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis v
irus;NPV)のポリヘドリンプロモーター、SV40
由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、
メタロチオネインプロモーター、ヒトヒートショックプ
ロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、SR
αプロモーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発
現したレセプターの量と質の検査はそれ自体公知の方法
で行うことができる。例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ
・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー
(J. Biol. Chem.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に
記載の方法に従って行うことができる。
【0052】したがって、本発明のリガンド決定方法に
おいて、本発明のレセプター蛋白質を含有するものとし
ては、それ自体公知の方法に従って精製したレセプター
蛋白質であってもよいし、該レセプター蛋白質を含有す
る細胞またはその細胞膜画分を用いてもよい。本発明の
リガンド決定方法において、本発明のレセプター蛋白質
を含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデ
ヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法
はそれ自体公知の方法に従って行なうことができる。本
発明のレセプター蛋白質を含有する細胞としては、本発
明のレセプター蛋白質を発現した宿主細胞をいうが、該
宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、
動物細胞などが用いられる。細胞膜画分としては、細胞
を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が
多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法として
は、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰
す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinemati
ca社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレ
スなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させる
ことによる破砕などがあげられる。細胞膜の分画には、
分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力によ
る分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を
低速(500rpm〜3000rpm)で短時間(通
常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15
000rpm〜30000rpm)で通常30分〜2時
間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中に
は、発現したレセプター蛋白質と細胞由来のリン脂質や
膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
【0053】該レセプター蛋白質を含有する細胞やその
膜画分中のレセプター蛋白質の量は、1細胞当たり10
3〜108分子であるのが好ましく、105〜107分子で
あるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当
たりのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高感度
なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、
同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。本発
明のレセプター蛋白質に対するリガンドを決定する上記
の〜の方法を実施するためには、適当なレセプター
蛋白質画分と、標識した試験化合物が必要である。レセ
プター蛋白質画分としては、天然型のレセプター蛋白質
画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型レセ
プター画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、
同等のリガンド結合活性、シグナル情報伝達作用などを
示す。標識した試験化合物としては、〔3H〕、
125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識したアンギ
オテンシン、ボンベシン、カナビノイド、コレシストキ
ニン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、ニューロ
ペプチドY、オピオイド、プリン、バソプレッシン、オ
キシトシン、PACAP、セクレチン、グルカゴン、カ
ルシトニン、アドレノメジュリン、ソマトスタチン、G
HRH、CRF、ACTH、GRP、PTH、VIP
(バソアクティブ インテスティナル アンド リイテ
ッド ポリペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、
モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシ
トニンジーンリレーティッドペプチド)、ロイコトリエ
ン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、トロン
ボキサン、アデノシン、アドレナリン、αおよびβ−ケ
モカイン(chemokine)(例えば、IL−8、GRO
α、GROβ、GROγ、NAP−2、ENA−78、
PF4、IP10、GCP−2、MCP−1、HC1
4、MCP−3、I−309、MIP−1α、MIP−
1β、RANTESなど)、エンドセリン、エンテロガ
ストリン、ヒスタミン、ニューロテンシン、TRH、パ
ンクレアティックポリペプタイド、ガラニンまたはラッ
トコルチスタチンなどが好適である。
【0054】具体的には、本発明のレセプター蛋白質に
対するリガンドの決定方法を行なうには、まず本発明の
レセプター蛋白質を含有する細胞または細胞の膜画分
を、決定方法に適したバッファーに懸濁することにより
レセプター標品を調製する。バッファーには、pH4〜
10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、ト
リス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセプター蛋白
質との結合を阻害しないバッファーであればいずれでも
よい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHA
PS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、ジギ
トニン、デオキシコレートなどの界面活性剤やウシ血清
アルブミンやゼラチンなどの各種蛋白質をバッファーに
加えることもできる。さらに、プロテアーゼによるレセ
プターやリガンドの分解を抑える目的でPMSF、ロイ
ペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチ
ンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。
0.01ml〜10mlの該レセプター溶液に、一定量
(5000cpm〜500000cpm)の〔3H〕、
125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した試験化
合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るた
めに大過剰の未標識の試験化合物を加えた反応チューブ
も用意する。反応は約0℃から50℃、望ましくは約4
℃から37℃で、約20分から24時間、望ましくは約
30分から3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で
濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維
濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウン
ターあるいはγ−カウンターで計測する。全結合量
(B)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント
(B−NSB)が0cpmを越える試験化合物を本発明
のレセプター蛋白質に対するリガンド(アゴニスト)と
して選択することができる。
【0055】本発明のレセプター蛋白質に対するリガン
ドを決定する上記の〜の方法を実施するためには、
該レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、ア
ラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進す
る活性または抑制する活性など)を公知の方法または市
販の測定用キットを用いて測定することができる。具体
的には、まず、レセプター蛋白質を含有する細胞をマル
チウェルプレート等に培養する。リガンド決定を行なう
にあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を
示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを
添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あ
るいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方
法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質
(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有す
る分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対
する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。ま
た、cAMP産生抑制などの活性については、フォルス
コリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細
胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
【0056】本発明のレセプター蛋白質に結合するリガ
ンド決定用キットは、本発明のレセプター蛋白質を含有
する細胞、または本発明のレセプター蛋白質を含有する
細胞の膜画分などを含有するものである。本発明のリガ
ンド決定用キットの例としては、次のものがあげられ
る。 1.リガンド決定用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 レセプター蛋白質標品 本発明のレセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、
12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、
5%CO2、95%airで2日間培養したもの。 標識試験化合物 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識した化合物、または適当な方法で標識化したもの水
溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、
用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。水に難溶性
を示す試験化合物については、ジメチルホルムアミド、
DMSO、メタノール等に溶解する。 非標識試験化合物 標識化合物と同じものを100〜1000倍濃い濃度に
調製する。
【0057】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセ
プター蛋白質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 標識試験化合物を5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには非標識試験化合物
を5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識試験化合物を0.2N NaO
H−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーター
A(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定する。
【0058】本発明のレセプター蛋白質に結合すること
ができるリガンドとしては、例えば、脳、下垂体、膵臓
などに特異的に存在する物質などがあげられ、具体的に
は、アンギオテンシン、ボンベシン、カナビノイド、コ
レシストキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニ
ン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプ
レッシン、オキシトシン、PACAP、セクレチン、グ
ルカゴン、カルシトニン、アドレノメジュリン、ソマト
スタチン、GHRH、CRF、ACTH、GRP、PT
H、VIP(バソアクティブ インテスティナル アン
ド リレイテッドポリペプチド)、ソマトスタチン、ド
ーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGR
P(カルシトニンジーンリレーティッドペプチド)、ロ
イコトリエン、パンクレアスタチン、プロスタグランジ
ン、トロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、αお
よびβ−ケモカイン(chemokine)(例えば、IL−
8、GROα、GROβ、GROγ、NAP−2、EN
A−78、PF4、IP10、GCP−2、MCP−
1、HC14、MCP−3、I−309、MIP−1
α、MIP−1β、RANTESなど)、エンドセリ
ン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテンシ
ン、TRH、パンクレアティックポリペプタイド、ガラ
ニン、ラットコルチスタチンなどが用いられる。
【0059】(2)本発明のレセプター蛋白質の機能不
全に関連する疾患の予防および/または治療剤 上記(1)の方法において、本発明のレセプター蛋白質
に対するリガンドが明らかになれば、該リガンドが有す
る作用に応じて、本発明のレセプター蛋白質または
本発明のDNAを、本発明のレセプター蛋白質の機能不
全に関連する疾患の予防および/または治療剤などの医
薬として使用することができる。例えば、生体内におい
て本発明のレセプター蛋白質が減少しているためにリガ
ンドの生理作用が期待できない(該レセプター蛋白質の
欠乏症)患者がいる場合に、本発明のレセプター蛋白
質を該患者に投与し該レセプター蛋白質の量を補充した
り、(イ)本発明のレセプター蛋白質をコードするD
NAを該患者に投与し発現させることによって、あるい
は(ロ)対象となる細胞に本発明のDNAを挿入し発現
させた後に、該細胞を該患者に移植することなどによっ
て、患者の体内におけるレセプター蛋白質の量を増加さ
せ、リガンドの作用を充分に発揮させることができる。
即ち、本発明のDNAは、安全で低毒性な本発明のレセ
プター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/
または治療剤として有用である。本発明のレセプター蛋
白質および本発明のDNAは、例えば、高血圧、自己免
疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜
炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人
呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー
病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺
炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治
癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白
血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸が
ん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎
症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコ
バクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝
炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水
痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染
症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血
症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血
症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存
性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒
色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎
炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿
病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨
軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェッ
ト病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性
食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血
症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺
がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一
過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴
呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不
全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の予防および
/または治療に有用である。本発明のレセプター蛋白質
を上記予防・治療剤として使用する場合は、常套手段に
従って製剤化することができる。一方、本発明のDNA
を上記予防・治療剤として使用する場合は、本発明のD
NAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウ
イルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイ
ルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套
手段に従って投与することができる。本発明のDNA
は、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤とと
もに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテ
ーテルによって投与できる。例えば、本発明のレセプ
ター蛋白質または本発明のDNAは、必要に応じて糖
衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロ
カプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそ
れ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または
懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例
えば、本発明のレセプター蛋白質または本発明のD
NAを生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形
剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一
般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混
和することによって製造することができる。これら製剤
における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得
られるようにするものである。
【0060】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。
【0061】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、
ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。本発明
のレセプター蛋白質の投与量は、投与対象、対象臓器、
症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に例えば、癌患者(60kgとして)におい
ては、一日につき約0.1mg〜100mg、好ましく
は約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20
mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与
量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによって
も異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患
者(60kgとして)においては、一日につき約0.0
1〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
本発明のDNAの投与量は、投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に例えば、癌患者(60kgとして)におい
ては、一日につき約0.1mg〜100mg、好ましく
は約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20
mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与
量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによって
も異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患
者(60kgとして)においては、一日につき約0.0
1〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0062】(3)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、プローブとして使用することによ
り、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)における本発
明のレセプター蛋白質をコードするDNAまたはmRN
Aの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、
例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異ある
いは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるい
は発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。本発
明のDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体
公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SS
CP法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜
879頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ユーエスエー(Proceedings ofthe National Acade
my of Sciences of the United States of America),
第86巻,2766〜2770頁(1989年))など
により実施することができる。
【0063】(4)本発明のレセプター蛋白質の発現量
を変化させる化合物のスクリーニング方法 本発明のDNAは、プローブとして用いることにより、
本発明のレセプター蛋白質の発現量を変化させる化合物
のスクリーニングに用いることができる。すなわち本発
明は、例えば、(i)非ヒト哺乳動物(例えば、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)の血液、特定の臓器、臓器から単離した組織
もしくは細胞、または(ii)形質転換体等に含まれる本
発明のレセプター蛋白質のmRNA量を測定することに
よる、本発明のレセプター蛋白質の発現量を変化させる
化合物のスクリーニング方法を提供する。
【0064】本発明のレセプター蛋白質のmRNA量の
測定は具体的には以下のようにして行なう。 (i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満
マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、
薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満
薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレ
ス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定
時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例え
ば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組
織、あるいは細胞を得る。得られた細胞に含まれる本発
明のレセプター蛋白質のmRNAは、例えば、通常の方
法により細胞等からmRNAを抽出し、例えばTaqManPC
Rなどの手法を用いることにより定量することができ、
自体公知の手段によりノザンブロットを行うことにより
解析することもできる。 (ii)本発明のレセプター蛋白質を発現する形質転換体
を前述の方法に従い作製し、該形質転換体に含まれる本
発明のレセプター蛋白質のmRNAを同様にして定量、
解析することができる。
【0065】本発明のレセプター蛋白質の発現量を変化
させる化合物のスクリーニングは、(i)正常あるいは
疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理
的ストレスなどを与える一定時間前(30分前ないし2
4時間前、好ましくは30分前ないし12時間前、より
好ましくは1時間前ないし6時間前)もしくは一定時間
後(30分後ないし3日後、好ましくは1時間後ないし
2日後、より好ましくは1時間後ないし24時間後)、
または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物
を投与し、投与後一定時間経過後(30分後ないし3日
後、好ましくは1時間後ないし2日後、より好ましくは
1時間後ないし24時間後)、細胞に含まれる本発明の
レセプター蛋白質のmRNA量を定量、解析することに
より行なうことができ、(ii)形質転換体を常法に従い
培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間
培養後(1日後ないし7日後、好ましくは1日後ないし
3日後、より好ましくは2日後ないし3日後)、該形質
転換体に含まれる本発明のレセプター蛋白質のmRNA
量を定量、解析することにより行なうことができる。
【0066】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩は、本発明のレセプター蛋白質
の発現量を変化させる作用を有する化合物であり、具体
的には、(イ)本発明のレセプター蛋白質の発現量を増
加させることにより、本発明のレセプター蛋白質を介す
る細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチル
コリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、
細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜
電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性
など)を増強させる化合物、(ロ)本発明のレセプター
蛋白質の発現量を減少させることにより、該細胞刺激活
性を減弱させる化合物である。該化合物としては、ペプ
チド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発
酵生産物などがあげられ、これら化合物は新規な化合物
であってもよいし、公知の化合物であってもよい。該細
胞刺激活性を増強させる化合物は、本発明のレセプター
蛋白質の生理活性を増強するための安全で低毒性な医薬
(例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑
内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵
炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコー
ル性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピ
ー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳が
ん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リ
ンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,
大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿
病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病
性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不
全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペ
スウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジ
キン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染
症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリ
セリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染
症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ
状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,
アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,イン
シュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓
器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵
巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾
患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節
炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性
真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性
エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜
症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節
炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神
経変成疾患等の予防および/または治療剤)として有用
である。該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、本発明
のレセプター蛋白質の生理活性を減少させるための安全
で低毒性な医薬として有用である。
【0067】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場
合、常套手段に従って使用することができる。例えば、
上記した本発明のレセプター蛋白質を含有する医薬と同
様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロ
カプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることがで
きる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性であ
るので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などに
より差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、
癌患者(60kgとして)においては、一日につき約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に
投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓
器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、
注射剤の形では通常例えば、癌患者(60kgとして)
においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好
ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。
【0068】(5)本発明のレセプター蛋白質の発現量
を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防および/
または治療剤 本発明のレセプター蛋白質の発現量を変化させる化合物
は、本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾
患の予防および/または治療剤として用いることができ
る。該化合物を本発明のレセプター蛋白質の機能不全に
関連する疾患の予防および/または治療剤として使用す
る場合は、常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、該化合物は、必要に応じて糖衣を施した錠剤、
カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などと
して経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に
許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注
射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該化合物を
生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベ
ヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認
められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和する
ことによって製造することができる。これら製剤におけ
る有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られる
ようにするものである。
【0069】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。
【0070】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調整された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、
ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化合
物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に例えば、癌患者(60kgとして)におい
ては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
である。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は
投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異
なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患者
(60kgとして)においては、一日につき約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60
kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0071】(6)本発明のレセプター蛋白質に対する
リガンドの定量法 本発明のレセプター蛋白質は、リガンドに対して結合性
を有しているので、生体内におけるリガンド濃度を感度
良く定量することができる。本発明の定量法は、例え
ば、競合法と組み合わせることによって用いることがで
きる。すなわち、被検体を本発明のレセプター蛋白質と
接触させることによって被検体中のリガンド濃度を測定
することができる。具体的には、例えば、以下のまた
はなどに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従っ
て用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0072】(7)本発明のレセプター蛋白質とリガン
ドとの結合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタ
ゴニストなど)のスクリーニング方法 本発明のレセプター蛋白質を用いるか、または組換え型
レセプター蛋白質の発現系を構築し、該発現系を用いた
レセプター結合アッセイ系を用いることによって、リガ
ンドと本発明のレセプター蛋白質との結合性を変化させ
る化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化
合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を効
率よくスクリーニングすることができる。このような化
合物には、(イ)本発明のレセプター蛋白質を介して細
胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリ
ン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞
内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位
変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、
pHの低下などを促進する活性または抑制する活性な
ど)を有する化合物(いわゆる、本発明のレセプター蛋
白質に対するアゴニスト)、(ロ)該細胞刺激活性を有
しない化合物(いわゆる、本発明のレセプター蛋白質に
対するアンタゴニスト)、(ハ)リガンドと本発明のレ
セプター蛋白質との結合力を増強する化合物、あるいは
(ニ)リガンドと本発明のレセプター蛋白質との結合力
を減少させる化合物などが含まれる(なお、上記(イ)
の化合物は、上記したリガンド決定方法によってスクリ
ーニングすることが好ましい)。すなわち、本発明は、
(i)本発明のレセプター蛋白質と、リガンドとを接触
させた場合と(ii)本発明のレセプター蛋白質と、リガ
ンドおよび試験化合物とを接触させた場合との比較を行
なうことを特徴とするリガンドと本発明のレセプター蛋
白質との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング方法を提供する。本発明のスクリーニング方
法においては、(i)と(ii)の場合における、例え
ば、本発明のレセプター蛋白質に対するリガンドの結合
量、細胞刺激活性などを測定して、比較することを特徴
とする。
【0073】より具体的には、本発明は、 標識したリガンドを、本発明のレセプター蛋白質に接
触させた場合と、標識したリガンドおよび試験化合物を
本発明のレセプター蛋白質に接触させた場合における、
標識したリガンドの該レセプター蛋白質に対する結合量
を測定し、比較することを特徴とするリガンドと本発明
のレセプター蛋白質との結合性を変化させる化合物また
はその塩のスクリーニング方法、 標識したリガンドを、本発明のレセプター蛋白質を含
有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、
標識したリガンドおよび試験化合物を本発明のレセプタ
ー蛋白質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触さ
せた場合における、標識したリガンドの該細胞または該
膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴と
するリガンドと本発明のレセプター蛋白質との結合性を
変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 標識したリガンドを、本発明のDNAを含有する形質
転換体を培養することによって細胞膜上に発現したレセ
プター蛋白質に接触させた場合と、標識したリガンドお
よび試験化合物を本発明のDNAを含有する形質転換体
を培養することによって細胞膜上に発現した本発明のレ
セプター蛋白質に接触させた場合における、標識したリ
ガンドの該レセプター蛋白質に対する結合量を測定し、
比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプタ
ー蛋白質との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング方法、
【0074】本発明のレセプター蛋白質を活性化する
化合物(例えば、本発明のレセプター蛋白質に対するリ
ガンドなど)を本発明のレセプター蛋白質を含有する細
胞に接触させた場合と、本発明のレセプター蛋白質を活
性化する化合物および試験化合物を本発明のレセプター
蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における、レセ
プターを介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または
抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴とす
るリガンドと本発明のレセプター蛋白質との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、お
よび 本発明のレセプター蛋白質を活性化する化合物(例え
ば、本発明のレセプター蛋白質に対するリガンドなど)
を本発明のDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現した本発明のレセプター蛋白質
に接触させた場合と、本発明のレセプター蛋白質を活性
化する化合物および試験化合物を本発明のDNAを含有
する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現
した本発明のレセプター蛋白質に接触させた場合におけ
る、レセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)を測定し、比較することを
特徴とするリガンドと本発明のレセプター蛋白質との結
合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング
方法を提供する。
【0075】本発明のレセプター蛋白質が得られる以前
は、G蛋白質共役型レセプターアゴニストまたはアンタ
ゴニストをスクリーニングする場合、まずラットなどの
レセプター蛋白質を含む細胞、組織またはその細胞膜画
分を用いて候補化合物を得て(一次スクリーニング)、
その後に該候補化合物が実際にヒトのレセプター蛋白質
とリガンドとの結合を阻害するか否かを確認する試験
(二次スクリーニング)が必要であった。細胞、組織ま
たは細胞膜画分をそのまま用いれば他のレセプター蛋白
質も混在するために、目的とするレセプター蛋白質に対
するアゴニストまたはアンタゴニストを実際にスクリー
ニングすることは困難であった。しかしながら、例え
ば、本発明のレセプター蛋白質を用いることによって、
一次スクリーニングの必要がなくなり、リガンドとレセ
プター蛋白質との結合を阻害する化合物を効率良くスク
リーニングすることができる。さらに、スクリーニング
された化合物がアゴニストかアンタゴニストかを簡便に
評価することができる。本発明のスクリーニング方法の
具体的な説明を以下にする。まず、本発明のスクリーニ
ング方法に用いる本発明のレセプター蛋白質としては、
上記した本発明のレセプター蛋白質を含有するものであ
れば何れのものであってもよいが、本発明のレセプター
蛋白質を含有する哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適で
ある。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難
なことから、スクリーニングに用いられるものとして
は、組換え体を用いて大量発現させたラット由来のレセ
プター蛋白質などが適している。
【0076】本発明のレセプター蛋白質を製造するに
は、前述の方法が用いられるが、本発明のDNAを哺乳
細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好ま
しい。目的とする蛋白質部分をコードするDNA断片に
は相補DNAが用いられるが、必ずしもこれに制約され
るものではない。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用
いてもよい。本発明のレセプター蛋白質をコードするD
NA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率よく発
現させるためには、該DNA断片を昆虫を宿主とするバ
キュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nuclear
polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプロモー
ター、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスの
プロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒトヒ
ートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロ
モーター、SRαプロモーターなどの下流に組み込むの
が好ましい。発現したレセプターの量と質の検査はそれ
自体公知の方法で行うことができる。例えば、文献〔Na
mbi,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・
ケミストリー(J. Biol. Chem.),267巻,19555〜19559
頁,1992年〕に記載の方法に従って行なうことができ
る。したがって、本発明のスクリーニング方法におい
て、本発明のレセプター蛋白質を含有するものとして
は、それ自体公知の方法に従って精製したレセプター蛋
白質であってもよいし、該レセプター蛋白質を含有する
細胞を用いてもよく、また該レセプター蛋白質を含有す
る細胞の膜画分を用いてもよい。
【0077】本発明のスクリーニング方法において、本
発明のレセプター蛋白質を含有する細胞を用いる場合、
該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化
してもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って
行なうことができる。本発明のレセプター蛋白質を含有
する細胞としては、該レセプター蛋白質を発現した宿主
細胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、
酵母、昆虫細胞、動物細胞などが好ましい。細胞膜画分
としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得
られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の
破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザー
で細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリト
ロン(Kinematica社製)のよる破砕、超音波による破
砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズ
ルから噴出させることによる破砕などがあげられる。細
胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法
などの遠心力による分画法が主として用いられる。例え
ば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rp
m)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清を
さらに高速(15000rpm〜30000rpm)で
通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とす
る。該膜画分中には、発現したレセプター蛋白質と細胞
由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれ
る。該レセプター蛋白質を含有する細胞や膜画分中のレ
セプター蛋白質の量は、1細胞当たり103〜108分子
であるのが好ましく、105〜107分子であるのが好適
である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガン
ド結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニ
ング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで
大量の試料を測定できるようになる。
【0078】リガンドと本発明のレセプター蛋白質との
結合性を変化させる化合物をスクリーニングする上記の
〜を実施するためには、例えば、適当なレセプター
蛋白質画分と、標識したリガンドが必要である。レセプ
ター蛋白質画分としては、天然型のレセプター蛋白質画
分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型レセプ
ター蛋白質画分などが望ましい。ここで、同等の活性と
は、同等のリガンド結合活性、シグナル情報伝達作用な
どを示す。標識したリガンドとしては、標識したリガン
ド、標識したリガンドアナログ化合物などが用いられ
る。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕な
どで標識されたリガンドなどが用いられる。具体的に
は、リガンドと本発明のレセプター蛋白質との結合性を
変化させる化合物のスクリーニングを行なうには、まず
本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞または細胞の
膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁す
ることによりレセプター蛋白質標品を調製する。バッフ
ァーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリ
ン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガン
ドとレセプター蛋白質との結合を阻害しないバッファー
であればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減さ
せる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王−
アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界
面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、
プロテアーゼによるレセプターやリガンドの分解を抑え
る目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド
研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を
添加することもできる。0.01ml〜10mlの該レ
セプター溶液に、一定量(5000cpm〜50000
0cpm)の標識したリガンドを添加し、同時に10-4
M〜10-10Mの試験化合物を共存させる。非特異的結
合量(NSB)を知るために大過剰の未標識のリガンド
を加えた反応チューブも用意する。反応は約0℃から5
0℃、望ましくは約4℃から37℃で、約20分から2
4時間、望ましくは約30分から3時間行う。反応後、
ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄
した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シン
チレーションカウンターまたはγ−カウンターで計測す
る。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特
異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NS
B)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)
が、例えば、50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能
力のある候補物質として選択することができる。
【0079】リガンドと本発明のレセプター蛋白質との
結合性を変化させる化合物スクリーニングする上記の
〜の方法を実施するためには、例えば、レセプター蛋
白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または
抑制する活性など)を公知の方法または市販の測定用キ
ットを用いて測定することができる。具体的には、ま
ず、本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞をマルチ
ウェルプレート等に培養する。スクリーニングを行なう
にあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を
示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを
添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あ
るいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方
法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質
(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有す
る分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対
する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。ま
た、cAMP産生抑制などの活性については、フォルス
コリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細
胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、
適当なレセプター蛋白質を発現した細胞が必要である。
本発明のレセプター蛋白質を発現した細胞としては、天
然型の本発明のレセプター蛋白質を有する細胞株、前述
の組換え型レセプター蛋白質を発現した細胞株などが望
ましい。試験化合物としては、例えば、ペプチド、タン
パク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、
細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが用いら
れ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公
知の化合物であってもよい。
【0080】リガンドと本発明のレセプター蛋白質との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ用キットは、本発明のレセプター蛋白質、本発明のレ
セプター蛋白質を含有する細胞、または本発明のレセプ
ター蛋白質を含有する細胞の膜画分を含有するものなど
である。本発明のスクリーニング用キットの例として
は、次のものがあげられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター標品 本発明のレセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、
12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、
5%CO2、95%airで2日間培養したもの。 標識リガンド 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識したリガンド 水溶液の状態のものを4℃あるいは
−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに
希釈する。 リガンド標準液 リガンドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)
を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で
保存する。
【0081】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセ
プター蛋白質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識リガンドを5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わ
りに10-3Mのリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
【0082】〔数1〕 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0083】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、リガンドと本発明のレセプター蛋白質との結合性を
変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、
(イ)本発明のレセプター蛋白質を介して細胞刺激活性
(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細
胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下
などを促進する活性または抑制する活性など)を有する
化合物(いわゆる、本発明のレセプター蛋白質に対する
アゴニスト)、(ロ)該細胞刺激活性を有しない化合物
(いわゆる、本発明のレセプター蛋白質に対するアンタ
ゴニスト)、(ハ)リガンドと本発明のレセプター蛋白
質との結合力を増強する化合物、あるいは(ニ)リガン
ドと本発明のレセプター蛋白質との結合力を減少させる
化合物である。該化合物としては、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など
があげられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。本発明のレセプタ
ー蛋白質に対するアゴニストは、本発明のレセプター蛋
白質に対するリガンドが有する生理活性と同様の作用を
有しているので、該リガンド活性に応じて安全で低毒性
な医薬(例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内
障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急
性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アル
コール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,ア
トピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳
がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性
リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬
変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,
糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖
尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,
肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘ
ルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,
ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感
染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グ
リセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染
症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ
状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,
アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,イン
シュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓
器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵
巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾
患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節
炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性
真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性
エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜
症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節
炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神
経変成疾患等の予防および/または治療剤)として有用
である。本発明のレセプター蛋白質に対するアンタゴニ
ストは、本発明のレセプター蛋白質に対するリガンドが
有する生理活性を抑制することができるので、該リガン
ド活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用であ
る。リガンドと本発明のレセプター蛋白質との結合力を
増強する化合物は、本発明のレセプター蛋白質に対する
リガンドが有する生理活性を増強するための安全で低毒
性な医薬(例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白
内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,
急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,ア
ルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,
アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,
乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢
性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬
変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,
糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖
尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,
肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘ
ルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,
ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感
染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グ
リセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染
症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ
状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,
アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,イン
シュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓
器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵
巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾
患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節
炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性
真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性
エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜
症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節
炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神
経変成疾患等の予防および/または治療剤)として有用
である。リガンドと本発明のレセプター蛋白質との結合
力を減少させる化合物は、本発明のレセプター蛋白質に
対するリガンドが有する生理活性を減少させるための安
全で低毒性な医薬として有用である。
【0084】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬組成物として使用する場合、常套手段に従
って製造・使用することができる。例えば、上記した本
発明のレセプター蛋白質を含有する医薬と同様にして、
錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル
剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。こ
のようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、
例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差
異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、癌患者
(60kgとして)においては、一日につき約0.1〜
100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ま
しくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する
場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、
投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形
では通常例えば、癌患者(60kgとして)において
は、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは
約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜1
0mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。
【0085】(8)本発明のレセプター蛋白質とリガン
ドとの結合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタ
ゴニスト)を含有する各種疾病の予防および/または治
療剤 本発明のレセプター蛋白質とリガンドとの結合性を変化
させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)は、本発
明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防
および/または治療剤(例えば、高血圧、自己免疫疾
患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,
急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸
促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘
息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀
胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子
宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,
慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クロ
ーン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病
性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・
ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝
炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹
ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピ
ローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステ
ロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,イ
ンフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I
型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転
移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキ
ン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),
非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減
少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性
潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不
全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショ
ック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損
傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発
作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治
癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、
尿毒症、または神経変成疾患等の予防および/または治
療剤)として用いることができる。該化合物を本発明の
レセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防およ
び/または治療剤として使用する場合は、常套手段に従
って製剤化することができる。例えば、該化合物は、必
要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル
剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは
水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性
溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使
用できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる公
知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要
求される単位用量形態で混和することによって製造する
ことができる。これら製剤における有効成分量は指示さ
れた範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。
【0086】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。
【0087】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、
ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化合
物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に例えば、癌患者(60kgとして)におい
ては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
である。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は
投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異
なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患者
(60kgとして)においては、一日につき約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60
kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0088】(9)本発明のレセプター蛋白質の定量 本発明の抗体は、本発明のレセプター蛋白質を特異的に
認識することができるので、被検液中の本発明のレセプ
ター蛋白質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による
定量などに使用することができる。すなわち、本発明
は、例えば、(i)本発明の抗体と、被検液および標識
化された本発明のレセプター蛋白質とを競合的に反応さ
せ、該抗体に結合した標識化された本発明のレセプター
蛋白質の割合を測定することを特徴とする被検液中の本
発明のレセプター蛋白質の定量法、(ii)被検液と担体
上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明
の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被
検液中の本発明のレセプター蛋白質の定量法を提供す
る。上記(ii)においては、一方の抗体が本発明のレセ
プター蛋白質のN端部を認識する抗体で、他方の抗体が
本発明のレセプター蛋白質のC端部に反応する抗体であ
ることが好ましい。
【0089】本発明のレセプター蛋白質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のレセプター蛋白質の
測定を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこ
ともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用
いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、
あるいはFab画分を用いてもよい。本発明のレセプタ
ー蛋白質に対する抗体を用いる測定法は、特に制限され
るべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、レ
セプター蛋白質量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体
−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出
し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した
標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法
を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イ
ムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いら
れるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法
を用いるのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法に
用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、
酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同
位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3
H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、
安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガ
ラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォス
ファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素な
どが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレ
スカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用
いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ル
ミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用い
られる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合に
ビオチン−アビジン系を用いることもできる。
【0090】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常、蛋白質あるいは酵素
等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用い
る方法でもよい。担体としては、例えば、アガロース、
デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリス
チレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、
あるいはガラス等が用いられる。サンドイッチ法におい
ては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を
反応させ(1次反応)、さらに標識化した本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のレセプター蛋白質量を定量することができる。
1次反応と2次反応は逆の順序に行なっても、また、同
時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。
標識化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準じるこ
とができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法に
おいて、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗
体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上
させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いても
よい。本発明のサンドイッチ法による本発明のレセプタ
ー蛋白質の測定法においては、1次反応と2次反応に用
いられる本発明のモノクローナル抗体は本発明のレセプ
ター蛋白質の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用
いられる。即ち、1次反応および2次反応に用いられる
抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明
のレセプター蛋白質のC端部を認識する場合、1次反応
で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN
端部を認識する抗体が用いられる。
【0091】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原と
(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
上記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果、生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0092】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のレセプター蛋白質の測定系を構築すればよい。これ
らの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書な
どを参照することができる〔例えば、入江 寛編「ラジ
オイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江
寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54
年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書
院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定
法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄
治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和
62年発行)、「メソッズ・イン・エンジモノジー(Me
thods in ENZYMOLOGY)」 Vol. 70(Immunochemical Tec
hniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Tec
hniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Tec
hniques(Part C))、 同書 Vol.84(Immunochemical Tech
niques(Part D:Selected Immunoassays))、 同書 Vol.9
2(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Anti
bodies and General Immunoassay Methods))、同書 Vo
l. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma
Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカ
デミックプレス社発行)など参照〕。以上のように、本
発明の抗体を用いることによって、本発明のレセプター
蛋白質またはその塩を感度良く定量することができる。
さらに、本発明の抗体を用いて、生体内での本発明のレ
セプター蛋白質を定量することによって、本発明のレセ
プター蛋白質の機能不全に関連する各種疾患の診断をす
ることができる。また、本発明の抗体は、体液や組織な
どの被検体中に存在する本発明のレセプター蛋白質を特
異的に検出するために使用することができる。また、本
発明のレセプター蛋白質を精製するために使用する抗体
カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のレセプター
蛋白質の検出、被検細胞内における本発明のレセプター
蛋白質の挙動の分析などのために使用することができ
る。
【0093】(10)細胞膜における本発明のレセプタ
ー蛋白質の量を変化させる化合物のスクリーニング方法 本発明の抗体は、本発明のレセプター蛋白質を特異的に
認識することができるので、細胞膜における本発明のレ
セプター蛋白質の量を変化させる化合物のスクリーニン
グに用いることができる。すなわち本発明は、例えば、
(i)非ヒト哺乳動物の血液、特定の臓器、臓器
から単離した組織もしくは細胞等を破壊した後、細胞膜
画分を単離し、細胞膜画分に含まれる本発明のレセプタ
ー蛋白質を定量することによる、細胞膜における本発明
のレセプター蛋白質の量を変化させる化合物のスクリー
ニング方法、(ii)本発明のレセプター蛋白質を発現す
る形質転換体等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、細
胞膜画分に含まれる本発明のレセプター蛋白質を定量す
ることによる、細胞膜における本発明のレセプター蛋白
質の量を変化させる化合物のスクリーニング方法、(ii
i)非ヒト哺乳動物の血液、特定の臓器、臓器か
ら単離した組織もしくは細胞等を切片とした後、免疫染
色法を用いることにより、細胞表層での本発明のレセプ
ター蛋白質の染色度合いを定量化することにより、細胞
膜上の本発明のレセプター蛋白質を確認することによ
る、細胞膜における本発明のレセプター蛋白質の量を変
化させる化合物のスクリーニング方法、(iv)本発明の
レセプター蛋白質を発現する形質転換体等を切片とした
後、免疫染色法を用いることにより、細胞表層での本発
明のレセプター蛋白質の染色度合いを定量化することに
より、細胞膜上の本発明のレセプター蛋白質を確認する
ことによる、細胞膜における本発明のレセプター蛋白質
の量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供す
る。
【0094】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
蛋白質の定量は具体的には以下のようにして行なう。 (i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満
マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、
薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満
薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレ
ス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定
時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例え
ば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組
織、あるいは細胞を得る。得られた臓器、組織または細
胞等を、例えば、適当な緩衝液(例えば、トリス塩酸緩
衝液、リン酸緩衝液、ヘペス緩衝液など)等に懸濁し、
臓器、組織あるいは細胞を破壊し、界面活性剤(例え
ば、トリトンX100TM、ツイーン20TMなど)などを
用い、さらに遠心分離や濾過、カラム分画などの手法を
用いて細胞膜画分を得る。
【0095】細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、
それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画
分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−El
vehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリ
ングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)のよる
破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧し
ながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕
などがあげられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法
や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主と
して用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500r
pm〜3000rpm)で短時間(通常、約1分〜10
分)遠心し、上清をさらに高速(15000rpm〜3
0000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られ
る沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現した本発
明のレセプター蛋白質と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質
などの膜成分が多く含まれる。
【0096】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
蛋白質は、例えば、本発明の抗体を用いたサンドイッチ
免疫測定法、ウエスタンブロット解析などにより定量す
ることができる。かかるサンドイッチ免疫測定法は前述
の方法と同様にして行なうことができ、ウエスタンブロ
ットは自体公知の手段により行なうことができる。
【0097】(ii)本発明のレセプター蛋白質を発現す
る形質転換体を前述の方法に従い作製し、細胞膜画分に
含まれる本発明のレセプター蛋白質を定量することがで
きる。細胞膜における本発明のレセプター蛋白質の量を
変化させる化合物のスクリーニングは、(i)正常ある
いは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは
物理的ストレスなどを与える一定時間前(30分前ない
し24時間前、好ましくは30分前ないし12時間前、
より好ましくは1時間前ないし6時間前)もしくは一定
時間後(30分後ないし3日後、好ましくは1時間後な
いし2日後、より好ましくは1時間後ないし24時間
後)、または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検
化合物を投与し、投与後一定時間経過後(30分後ない
し3日後、好ましくは1時間後ないし2日後、より好ま
しくは1時間後ないし24時間後)、細胞膜における本
発明のレセプター蛋白質の量を定量することにより行な
うことができ、(ii)形質転換体を常法に従い培養する
際に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後
(1日後ないし7日後、好ましくは1日後ないし3日
後、より好ましくは2日後ないし3日後)、細胞膜にお
ける本発明のレセプター蛋白質の量を定量することによ
り行なうことができる。
【0098】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
蛋白質の確認は具体的には以下のようにして行なう。
(iii)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満
マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、
薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満
薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレ
ス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定
時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例え
ば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組
織、あるいは細胞を得る。得られた臓器、組織または細
胞等を、常法に従い組織切片とし、本発明の抗体を用い
て免疫染色を行う。細胞表層での該レセプター蛋白質の
染色度合いを定量化することにより、細胞膜上の該蛋白
質を確認することにより、定量的または定性的に、細胞
膜における本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペ
プチドの量を確認することができる。 (iv)本発明のレセプター蛋白質を発現する形質転換体
等を用いて同様の手段をとることにより確認することも
できる。
【0099】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩は、細胞膜における本発明のレ
セプター蛋白質の量を変化させる作用を有する化合物で
あり、具体的には、(イ)細胞膜における本発明のレセ
プター蛋白質の量を増加させることにより、本発明のレ
セプター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)を増強させる化合物、
(ロ)細胞膜における本発明のレセプター蛋白質の量を
減少させることにより、該細胞刺激活性を減弱させる化
合物である。該化合物としては、ペプチド、タンパク、
非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などがあ
げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。該細胞刺激活性を増
強させる化合物は、本発明のレセプター蛋白質の生理活
性を増強するための安全で低毒性な医薬(例えば、高血
圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バク
テリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス
脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツ
ハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バク
テリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食
症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢
性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/
直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿
病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,
ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B
型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染
症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ
感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム
血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂
血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依
存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性
黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,
腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖
尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,
骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェ
ット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流
性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血
症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺
がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一
過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴
呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不
全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の予防および
/または治療剤)として有用である。該細胞刺激活性を
減弱させる化合物は、本発明のレセプター蛋白質の生理
活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用
である。
【0100】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場
合、常套手段に従って実施することができる。例えば、
上記した本発明のレセプター蛋白質を含有する医薬と同
様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロ
カプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることがで
きる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性であ
るので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などに
より差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、
癌患者(60kgとして)においては、一日につき約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に
投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓
器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、
注射剤の形では通常例えば、癌患者(60kgとして)
においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好
ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。
【0101】(11)細胞膜における本発明のレセプタ
ー蛋白質の量を変化させる化合物を含有する各種疾病の
予防および/または治療剤 本発明のレセプター蛋白質は前述のとおり、例えば中枢
機能など生体内で何らかの重要な役割を果たしていると
考えられる。従って、細胞膜における本発明のレセプタ
ー蛋白質の量を変化させる化合物は、本発明のレセプタ
ー蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/また
は治療剤として用いることができる。該化合物を本発明
のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防お
よび/または治療剤として使用する場合は、常套手段に
従って製剤化することができる。例えば、該化合物は、
必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシ
ル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるい
は水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌
性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に
使用できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる
公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要
求される単位用量形態で混和することによって製造する
ことができる。これら製剤における有効成分量は指示さ
れた範囲の適当な容量が得られるようにするものであ
る。
【0102】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。
【0103】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、
ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化合
物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に例えば、癌患者(60kgとして)におい
ては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
である。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は
投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異
なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患者
(60kgとして)においては、一日につき約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60
kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0104】(12)本発明のレセプター蛋白質に対す
る抗体による中和 本発明のレセプター蛋白質に対する抗体が有する本発明
のレセプター蛋白質に対する中和活性とは、本発明のレ
セプター蛋白質の関与するシグナル伝達機能を不活性化
する活性を意味する。従って、該抗体が中和活性を有す
る場合は、該レセプター蛋白質の関与するシグナル伝
達、例えば、該レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性
(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細
胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下
などを促進する活性または抑制する活性など)を不活性
化することができる。従って、該レセプター蛋白質の過
剰発現などに起因する疾患の予防および/または治療に
用いることができる。
【0105】(13)本発明のレセプター蛋白質をコー
ドするDNAを有する非ヒト動物の作製 本発明のDNAを用いて、本発明のレセプター蛋白質を
発現するトランスジェニック非ヒト動物を作製すること
ができる。非ヒト動物としては、哺乳動物(例えば、ラ
ット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)など(以下、動物と略記する)があげら
れるが、特に、マウス、ラットなどが好適である。本発
明のDNAを対象動物に転移させるにあたっては、該D
NAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結
合した遺伝子コンストラクトとして用いるのが一般に有
利である。例えば、本発明のDNAを転移させる場合、
これと相同性が高い動物由来の本発明のDNAを動物細
胞で発現させうる各種プロモーターの下流に結合した遺
伝子コンストラクトを、例えば、受精卵へマイクロイン
ジェクションすることによって本発明のレセプター蛋白
質を高産生するDNA転移動物を作出できる。このプロ
モーターとしては、例えば、ウイルス由来プロモータ
ー、メタロチオネイン等のユビキアスな発現プロモータ
ーも使用しうるが、好ましくは脳で特異的に発現するN
GF遺伝子プロモーターやエノラーゼ遺伝子プロモータ
ーなどが用いられる。
【0106】受精卵細胞段階における本発明のDNAの
転移は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在
するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽
細胞において本発明のレセプター蛋白質が存在すること
は、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞及び体細胞の全
てに本発明のレセプター蛋白質を有することを意味す
る。遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽
細胞および体細胞の全てに本発明のレセプター蛋白質を
有する。本発明のDNA転移動物は、交配により遺伝子
を安定に保持することを確認して、該DNA保有動物と
して通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。さ
らに、目的DNAを保有する雌雄の動物を交配すること
により、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイ
ゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することに
よりすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代す
ることができる。本発明のDNAが転移された動物は、
本発明のレセプター蛋白質が高発現させられているの
で、本発明のレセプター蛋白質に対するアゴニストまた
はアンタゴニストのスクリーニング用の動物などとして
有用である。本発明のDNA転移動物を、組織培養のた
めの細胞源として使用することもできる。例えば、本発
明のDNA転移マウスの組織中のDNAもしくはRNA
を直接分析するか、あるいは遺伝子により発現された本
発明のレセプター蛋白質が存在する組織を分析すること
により、本発明のレセプター蛋白質について分析するこ
とができる。本発明のレセプター蛋白質を有する組織の
細胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用し
て、例えば、脳や末梢組織由来のような一般に培養困難
な組織からの細胞の機能を研究することができる。ま
た、その細胞を用いることにより、例えば、各種組織の
機能を高めるような医薬の選択も可能である。また、高
発現細胞株があれば、そこから、本発明のレセプター蛋
白質を単離精製することも可能である。
【0107】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0108】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
【0109】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0110】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のマウス心臓由来新規レセプタ
ー蛋白質mMLのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するマウス心臓由来新規レセプター蛋白質mML
をコードするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕後述の実施例1または3で用いられた
プライマー1の塩基配列を示す 〔配列番号:4〕後述の実施例1または3で用いられた
プライマー2の塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕本発明のラット全脳由来新規レセプタ
ー蛋白質のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:6〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するラット全脳由来新規レセプター蛋白質をコー
ドするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕後述の実施例2で用いられたプライマ
ーrMF2の塩基配列を示す 〔配列番号:8〕後述の実施例2で用いられたプライマ
ーrMR2の塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕後述の実施例4で用いられたラットコ
ルチスタチンのアミノ酸配列を示す。
【0111】配列番号:1で表されるマウス型MLのアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列を有する形質転換体 Esc
herichia coli JM109/pTAmML5 は、2000年11月9
日から日本国茨城県つくば市東1−1−3、通商産業省
工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託
番号FERM BP−7357として、日本国大阪府大
阪市十三本町2−17−85、財団法人発酵研究所(I
FO)に2000年10月24日から寄託番号 IFO
16490として寄託されている。後述の実施例2で取
得された形質転換体 Escherichia coli JM109/pTArML1
は、2000年11月9日から日本国茨城県つくば市東
1−1−3、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−7359
として、日本国大阪府大阪市十三本町2−17−85、
財団法人発酵研究所(IFO)に2000年10月24
日から寄託番号 IFO 16492として寄託されてい
る。
【0112】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載さ
れている方法に従った。
【0113】実施例1 マウス型ML受容体遺伝子の取得 マウス型ML受容体の取得のために以下の2種類の合成DN
Aを合成した。 mmF:5’-GTCGACGCCACAGAGAAAGCCATCTTCCTGGA-3’(配列
番号:3) mmR:5’-GCTAGCTTCCTTGGGGATGTCCTAGCTAAAGG-3’(配列
番号:4) これらの合成DNAを用いてマウス心臓cDNAよりPCRにて
マウス型ML受容体遺伝子を取得した。PCRの反応液はcDN
A溶液1μl(0.1 ng poly(A)+RNA由来)、0.5μlmmF(1
0 μM)、0.5 μl mmR2(10 μM)、2.5μl添付の10 x
反応液、2.5 μldNTP(10mM)、0.5μl klen Taq(クロ
ーンテク社)、17.5μl蒸留水を加えて合計25μlにし
た。反応液をThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけ
た。PCRの条件は95℃・2分の変性の後、98℃・10秒、65
℃・20秒、72℃・40秒のサイクルを38回繰り返した。PC
R産物の一部を用いて電気泳動で約1.0kbのPCR産物の増
幅を確認した後、PCR産物を直接配列決定を行い配列番
号:2で示す配列を得た。 配列番号:2のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は
配列番号:1に示すものであった。またマウスmas受容
体との相同性を図1に示す。
【0114】実施例2 ラット型ML受容体遺伝子の取得 ラット型ML受容体の取得のために以下の2種類の合成DN
Aを合成した。 rMF2 :5’-ATGGAGCCATTGGCAACAACCTTGTGTCCT-3’(配列
番号:7) rMR2 :5’-TCATAAGGGCAGGGAGAATTGTACCTCATT-3’(配列
番号:8) これらの合成DNAを用いてラット全脳cDNAよりPCRにて
ラット型ML受容体遺伝子を取得した。PCRの反応液はcDN
A溶液1μl(0.1ng poly(A)+RNA由来)、0.5μlrMF2(1
0μM)、0.5μl rMR2(10μM)、2.5μl添付の10x反応
液、2.5μl dNTP(10mM)、0.5μl Klen Taq(クローン
テク社)、17.5μl蒸留水を加えて合計25μlにした。反
応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。
PCRの条件は95℃・2分の変性の後、98℃・10秒、65℃・
30秒、72℃・60秒のサイクルを33回繰り返した。PCR産
物の一部を用いて電気泳動で約1kbのPCR産物の増幅を確
認した後、PCR産物を直接配列決定し配列番号:6で示
す塩基配列を得た。配列番号:6の塩基配列から予測さ
れるアミノ酸配列は配列番号:5に示すものであった。
また、得られたDNAを調整し、TAクローニングキット(I
nvitrogen)を用いてpCR2.1TOPOベクターに導入し、大
腸菌JM109を形質転換してE.coliJM109/pTArML1を得た。
またラット型ML受容体の、マウス型ML受容体、ラット型
mas受容体、マウス型mas受容体との相同性を図3に示
す。ラット型ML受容体とマウス型ML受容体との相同性は
89%、ラット型ML受容体とラット型mas受容体との相同性
は44%であった。
【0115】実施例3 マウス型mas-like(ML)受容体
発現CHO細胞の作成 マウス型ML受容体の取得は以下のように行った。実施例
1で取得したマウス型ML受容体の配列に基づき以下の2
種類の合成DNAを合成した。 mmF: 5'-GTCGACGCCACAGAGAAAGCCATCTTCCTGGA-3'(配列
番号:3) mmR: 5'-GCTAGCTTCCTTGGGGATGTCCTAGCTAAAGG-3'(配列
番号:4) これらの合成DNAを用いてマウス心臓cDNAよりPCRにて
取得した。PCRの反応液はマウス心臓cDNA溶液1 micro l
(0.2 ng poly(A)+RNA由来)、1 micro l mmF(10 mi
croM)、1 micro l mmR(10 microM)、5 micro l添付
の10 x反応液、5micro l dNTP(10mM)、0.5 micro l E
x Taq(タカラ)、36.5 micro l大塚蒸留水を加えて合
計50 micro lにした。反応液をThermalCycler9600を用
いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95 ℃2 分の変性の
後、98 ℃10 秒、65 ℃10 秒、72℃40秒のサイクル
を38回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で
約1.1 kbのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をTAク
ローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌にサ
ブクローニングした。サブクローニングで得られた大腸
菌からプラスミドをプラスミド抽出機(クラボウ社)を
用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列
がマウス型ML受容体cDNAであることを確認した。次にそ
のプラスミドから制限酵素SalIおよびNheIによ
って消化後約1.1kbのマウス型ML受容体cDNA断片を得
た。さらに、動物細胞用の発現ベクターであるpAKK
O−111Hはマルチクローニングサイト部分の制限酵
素サイトSalIおよびNheIによって消化後、電気
泳動を行い、ベクター部分を回収した。以上の操作によ
って調製したマウス型ML受容体cDNA断片および発現ベク
ターをライゲーションによって連結し、大腸菌JM10
9を形質転換してE. coliJM109/pAKKOmML
を得た。形質転換体E. coliJM109/pAKKOmM
Lを培養し、プラスミドpAKKOmMLのDNAを大量
に調製した。そのプラスミドDNAのうちの20 micro
gを1mlの生理的食塩水(PBS)に溶解後、ジーント
ランスファー(和光純薬)のバイアルに注入し、ボルテ
ックスミキサーを用いて激しく撹拌してDNAを含有す
るリポソームを形成させた。CHOdhfr-細胞1な
いし2×106個を直径35mmの細胞培養用シャーレに
播種し、20時間培養した後に培養液を新鮮なものに交
換した。各シャーレに対して0.5micro gのDNAに相
当する量(25microl)のリポソーム液を滴下し、1
6時間インキュベーションを行ってプラスミドDNAの
導入を行った。さらに新鮮な培地に交換して1日間培養
した後、選択培地に交換して3日間培養を続け、最後に
トリプシン消化を行って分散させた細胞を低密度で選択
培地(deoxyribonucleosidesおよびribonucleosidesを
含有しないminimum essential medium,alpha mediumに
10%透析ウシ血清を加えたもの)中に播種し、形質転
換体の選択を行った。形質転換体のみが選択培地中で増
殖することが可能であり、継代を繰り返すことによって
選択を重ね、マウス型ML受容体発現CHO細胞、CHO−m
ML細胞を樹立した。
【0116】実施例4 ラットコルチスタチンによるCH
O−mML細胞からの特異的なアラキドン酸代謝物放出活性
の検出 CHO−mML細胞および受容体遺伝子を導入していないmock
CHO細胞を選択培地にて希釈し、24ウェルプレートに1
ウェル当たり0.5×105個/0.5 mlの濃度にて播き、37
℃5%CO2の条件下で1晩培養した。細胞の培養上清を
捨てて、[3H]−アラキドン酸を選択培地にて希釈し0.25
×10-6Ci/0.5 mlにて添加し、さらに37℃5%CO2
条件下で1晩培養した。細胞をアッセイバッファー(de
oxyribonucleosidesおよびribonucleosidesを含有しな
いminimum essential medium,alpha mediumに0.1% ウ
シ血清アルブミンおよび15 mM HEPES pH7.3を添加した
もの)0.5 mlで2回洗浄した後、0.5 mlのアッセイ
バッファーを添加して37℃5%CO2の条件下で30分間プ
レインキュベーションを行った。さらに0.5 mlのアッ
セイバッファーで2回洗浄し、アッセイバッファーのみ
あるいはアッセイバッファーにて1×10-5 Mの濃度に調
製したラットコルチスタチン(rat cortistatin:ペプチ
ド研究所、カタログNo.4329-v)溶液を0.4 mlずつ加
え、37℃5%CO2の条件下で30分間インキュベートし
た。反応後、反応液0.3 mlと液体シンチレーター3 m
lを混和して、シンチレーションカウンターで放射活性
を測定し、細胞から放出された[3H]−アラキドン酸代謝
物の量を求めた。その結果、CHO−mML細胞でのみラット
コルチスタチンによるアラキドン酸代謝物の放出量(Ara
chidonic acid metabolite release)の上昇が認めら
れ、ラットコルチスタチンがマウス型ML受容体のアゴニ
ストとして機能し、シグナル伝達系としてはアラキドン
酸代謝物の上昇反応が見られることが分かった(図
4)。
【0117】
【発明の効果】本発明のレセプター蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩、およびそれらをコードする
ポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNAおよびそれ
らの誘導体)は、リガンド(アゴニスト)の決定、
抗体および抗血清の入手、組換え型レセプター蛋白質
の発現系の構築、同発現系を用いたレセプター結合ア
ッセイ系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、
構造的に類似したリガンド・レセプターとの比較にも
とづいたドラッグデザインの実施、遺伝子診断におけ
るプローブやPCRプライマーの作成のための試薬、
トランスジェニック動物の作製または遺伝子予防・治
療剤等の医薬等として用いることができる。ラットコル
チスタチンの添加によりCHO−mML細胞からの特異的なア
ラキドン酸代謝物放出量の上昇活性が認められたことか
ら、リガンドの結合によってマウスML受容体などの本発
明のレセプター蛋白質が活性化されると、細胞内におい
てホスホリパーゼ系が活性化されリン脂質の代謝亢進、
細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を引き起こし、それ
によって細胞外へのアラキドン酸代謝物放出量を上昇さ
せると解釈される。このことから、上記ML受容体などの
本発明のレセプター蛋白質発現細胞を用いて、イノシト
ールリン酸産生量変化、膜リン脂質代謝変化、細胞内カ
ルシウムイオン濃度の変化、アラキドン酸代謝物放出量
などを測定することにより内因性リガンドの探索、アゴ
ニスト、アンタゴニストのスクリーニングが可能であ
る。
【0118】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel mas-like Receptor Protein and its DNA <130> B01102 <150> JP 2000-081835 <151> 2000-03-17 <150> JP 2000-381698 <151> 2000-12-11 <160> 9 <210> 1 <211> 321 <212> PRT <213> Mouse <400> 1 Met Glu Pro Leu Ala Met Thr Leu Tyr Pro Leu Glu Ser Thr Gln Pro 5 10 15 Thr Arg Asn Lys Thr Pro Asn Glu Thr Thr Trp Ser Ser Glu His Thr 20 25 30 Asp Asp His Thr Tyr Phe Leu Val Ser Leu Val Ile Cys Ser Leu Gly 35 40 45 Leu Ala Gly Asn Gly Leu Leu Ile Trp Phe Leu Ile Phe Cys Ile Lys 50 55 60 Arg Lys Pro Phe Thr Ile Tyr Ile Leu His Leu Ala Ile Ala Asp Phe 65 70 75 80 Met Val Leu Leu Cys Ser Ser Ile Met Lys Leu Val Asn Thr Phe His 85 90 95 Ile Tyr Asn Met Thr Leu Glu Ser Tyr Ala Ile Leu Phe Met Ile Phe 100 105 110 Gly Tyr Asn Thr Gly Leu His Leu Leu Thr Ala Ile Ser Val Glu Arg 115 120 125 Cys Leu Ser Val Leu Tyr Pro Ile Trp Tyr Gln Cys Gln Arg Pro Lys 130 135 140 His Gln Ser Ala Val Ala Cys Met Leu Leu Trp Ala Leu Ser Val Leu 145 150 155 160 Val Ser Gly Leu Glu Asn Phe Phe Cys Ile Leu Glu Val Lys Pro Gln 165 170 175 Phe Pro Glu Cys Arg Tyr Val Tyr Ile Phe Ser Cys Ile Leu Thr Phe 180 185 190 Leu Val Phe Val Pro Leu Met Ile Phe Ser Asn Leu Ile Leu Phe Ile 195 200 205 Gln Val Cys Cys Asn Leu Lys Pro Arg Gln Pro Thr Lys Leu Tyr Val 210 215 220 Ile Ile Met Thr Thr Val Ile Leu Phe Leu Val Phe Ala Met Pro Met 225 230 235 240 Lys Val Leu Leu Ile Ile Gly Tyr Tyr Ser Ser Ser Leu Asp Asp Ser 245 250 255 Val Trp Asp Ser Leu Pro Tyr Leu Asn Met Leu Ser Thr Ile Asn Cys 260 265 270 Ser Ile Asn Pro Ile Val Tyr Phe Val Val Gly Ser Leu Arg Arg Lys 275 280 285 Arg Ser Arg Lys Ser Leu Lys Glu Ala Leu Gln Lys Val Phe Glu Glu 290 295 300 Lys Pro Val Val Ala Ser Arg Glu Asn Val Thr Gln Phe Ser Leu Pro 305 310 315 320 Ser 321 <210> 2 <211> 963 <212> DNA <213> Mouse <400> 2 ATGGAGCCAT TGGCAATGAC CTTGTATCCT CTGGAATCCA CACAACCCAC CAGAAACAAA 60 ACCCCAAATG AAACCACCTG GTCTTCAGAG CATACGGATG ACCACACTTA CTTCTTAGTC 120 TCCCTGGTCA TTTGTTCCCT GGGACTGGCT GGGAATGGCC TTTTGATATG GTTCCTAATC 180 TTCTGTATCA AGAGGAAGCC ATTCACCATC TACATCCTCC ATCTCGCCAT TGCAGACTTC 240 ATGGTCCTCC TCTGTTCGTC CATCATGAAG CTAGTGAACA CTTTTCACAT CTACAATATG 300 ACCTTAGAGA GCTACGCCAT CCTCTTCATG ATCTTTGGCT ACAACACAGG GCTCCACCTC 360 CTCACGGCCA TCAGCGTAGA GCGGTGCCTC TCCGTGCTTT ATCCAATCTG GTACCAGTGC 420 CAACGCCCAA AACACCAGTC CGCTGTGGCC TGTATGCTGC TGTGGGCCCT CTCTGTTCTC 480 GTGTCTGGTT TGGAAAACTT CTTCTGCATT CTGGAAGTGA AGCCCCAATT CCCAGAATGC 540 CGATACGTGT ACATATTCTC CTGTATCTTG ACTTTCCTGG TCTTCGTTCC TCTCATGATC 600 TTCTCTAATT TGATCCTCTT CATCCAAGTC TGCTGTAACC TGAAGCCACG TCAACCGACC 660 AAGCTCTATG TGATCATCAT GACCACGGTC ATCCTGTTTC TTGTCTTCGC CATGCCCATG 720 AAGGTGTTGC TTATCATCGG CTACTATTCT AGTTCTCTTG ATGATTCTGT ATGGGACTCC 780 CTCCCCTACC TGAACATGCT GTCCACTATA AACTGCAGCA TCAACCCAAT TGTCTACTTT 840 GTGGTAGGCA GCCTGAGGAG GAAGAGGAGT AGGAAGTCCC TAAAAGAAGC ACTGCAGAAA 900 GTCTTCGAGG AAAAGCCAGT GGTGGCCTCG AGGGAGAATG TGACACAGTT CTCGCTGCCT 960 TCA 963 <210> 3 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 3 GTCGACGCCA CAGAGAAAGC CATCTTCCTG GA 32 <210> 4 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 4 GCTAGCTTCC TTGGGGATGT CCTAGCTAAA GG 32 <210> 5 <211> 321 <212> PRT <213> Mouse <400> 5 Met Glu Pro Leu Ala Thr Thr Leu Cys Pro Gln Glu Cys Thr Gln Thr 5 10 15 Thr Arg Asn Glu Thr Pro Asn Glu Thr Thr Trp Ser Ser Glu His Val 20 25 30 Thr Lys Tyr Thr Tyr Ile Ser Ile Ser Leu Val Ile Cys Ser Leu Gly 35 40 45 Leu Val Gly Asn Gly Leu Leu Ile Trp Phe Leu Ile Phe Cys Ile Lys 50 55 60 Arg Lys Pro Phe Thr Ile Tyr Ile Leu His Leu Ala Phe Ala Asp Phe 65 70 75 80 Met Val Leu Leu Cys Ser Ser Ile Ile Gln Leu Val Asn Thr Phe His 85 90 95 Ile Tyr Asp Ser Thr Leu Val Ser Tyr Ala Val Leu Phe Met Ile Phe 100 105 110 Gly Tyr Asn Thr Gly Leu His Leu Leu Thr Ala Ile Ser Val Glu Arg 115 120 125 Cys Leu Ser Val Leu Tyr Pro Ile Trp Tyr His Cys Arg Arg Pro Lys 130 135 140 His Gln Ser Thr Val Ala Cys Thr Leu Leu Trp Ala Leu Ser Val Leu 145 150 155 160 Val Ser Gly Leu Glu Asn Phe Phe Cys Ile Leu Glu Val Lys Pro Gln 165 170 175 Phe Pro Glu Cys Arg Tyr Val Tyr Ile Phe Ser Cys Thr Leu Thr Phe 180 185 190 Leu Val Phe Val Pro Leu Met Val Phe Ser Asn Leu Ile Leu Phe Ile 195 200 205 Gln Val Cys Cys Asn Leu Lys Pro Arg Gln Pro Ala Lys Leu Tyr Val 210 215 220 Ile Ile Met Ala Thr Val Ile Leu Phe Leu Val Phe Ala Met Pro Met 225 230 235 240 Lys Val Leu Leu Ile Ile Gly Tyr Tyr Ser Asn Ser Thr Asp Ala Ser 245 250 255 Val Trp Lys Ser Leu Pro Tyr Leu Asn Met Leu Ser Thr Ile Asn Cys 260 265 270 Ser Ile Asn Pro Ile Val Tyr Phe Val Val Gly Ser Leu Arg Arg Lys 275 280 285 Arg Ser Arg Lys Ser Leu Lys Glu Ala Leu Gln Lys Val Phe Glu Glu 290 295 300 Lys Pro Val Val Ala Ser Arg Glu Asn Glu Val Gln Phe Ser Leu Pro 305 310 315 320 Leu 321 <210> 6 <211> 963 <212> DNA <213> Mouse <400> 6 ATGGAGCCAT TGGCAACAAC CTTGTGTCCT CAGGAATGCA CACAAACCAC CAGAAACGAA 60 ACCCCCAATG AAACCACCTG GTCTTCAGAG CATGTGACTA AATACACGTA TATCTCCATC 120 TCCCTGGTCA TCTGTTCACT GGGACTGGTT GGGAACGGCC TTTTGATATG GTTCTTGATT 180 TTCTGCATCA AGAGGAAGCC ATTCACCATC TACATCCTAC ATCTCGCCTT TGCTGACTTC 240 ATGGTCCTCC TCTGTTCATC CATCATTCAG CTAGTGAACA CTTTCCACAT TTACGATTCC 300 ACCTTAGTGA GCTATGCTGT CCTCTTCATG ATTTTCGGCT ACAACACGGG CCTGCACCTC 360 CTCACGGCCA TCAGCGTGGA GCGCTGCCTC TCGGTGCTTT ACCCGATCTG GTACCACTGC 420 CGACGCCCGA AACACCAGTC CACTGTGGCC TGTACGCTGT TGTGGGCCCT CTCTGTTCTT 480 GTGTCTGGTT TGGAAAACTT CTTCTGCATT CTGGAAGTGA AGCCCCAGTT CCCAGAATGC 540 CGATACGTGT ACATATTTTC CTGTACCTTG ACTTTCCTGG TCTTCGTCCC TCTCATGGTC 600 TTCTCGAACT TGATACTCTT CATCCAAGTC TGCTGTAACC TGAAGCCACG TCAACCAGCC 660 AAACTCTATG TGATCATCAT GGCCACCGTC ATCCTGTTCC TTGTCTTCGC CATGCCCATG 720 AAGGTGTTGC TTATCATTGG CTACTATTCC AATTCCACTG ATGCTTCTGT ATGGAAATCT 780 CTCCCCTACC TGAACATGCT CTCCACTATA AACTGCAGCA TCAACCCAAT TGTCTACTTT 840 GTGGTAGGCA GTCTGAGGAG GAAGAGGAGT AGGAAGTCCC TAAAAGAAGC ACTACAGAAG 900 GTCTTTGAGG AAAAGCCAGT GGTGGCCTCG AGGGAGAATG AGGTACAATT CTCCCTGCCC 960 TTA 963 <210> 7 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 7 ATGGAGCCAT TGGCAACAAC CTTGTGTCCT 30 <210> 8 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 8 TCATAAGGGC AGGGAGAATT GTACCTCATT 30 <210> 9 <211> 14 <212> PRT <213> Rat <400> 9 Pro Cys Lys Asn Phe Phe Trp Lys Thr Phe Ser Ser Cys Lys 1 5 10 14
【0119】
【図面の簡単な説明】
【図1】マウス型mas受容体と本発明のレセプター蛋白
質(マウス型ML:配列番号:1)とのアミノ酸配列の比
較を示す。図中、mmas.PROはマウス型mas受容体のアミ
ノ酸配列、mML1.PROは今回取得したマウス型新規受容体
のアミノ酸配列。mas受容体の配列と同じアミノ酸をBox
で囲む。
【図2】本発明のレセプター蛋白質の疎水性プロット図
を示す。
【図3】マウス型ML受容体(配列番号:1)、ラット型
ML受容体(配列番号:5)、ラット型mas受容体、マウ
ス型mas受容体のアミノ酸の比較を示す。図中、mML.pro
はマウス型ML受容体、rML.proは今回取得したラット型M
L受容体、mMAS.Proはマウス型mas受容体、rMAS.Proはラ
ット型mas受容体のアミノ酸配列。同じアミノ酸をBoxで
囲む。
【図4】CHO−mML細胞およびmock CHO細胞からのアラキ
ドン酸代謝物放出活性を測定した結果図を示す。ラット
コルチスタチン1×10-5 Mの添加によりCHO−mML細胞か
らの特異的なアラキドン酸代謝物放出量の上昇活性が認
められた。図中、■はCHO-mML細胞からのアラキドン酸
代謝物放出活性を、□はmock CHO細胞からのアラキドン
酸代謝物放出活性を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/02 C12P 21/08 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/08 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA43 BA63 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA04 GA11 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ02 QQ09 QQ42 QQ53 QR55 QS34 4B064 AG20 AG27 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA91Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 BA10 CA40 DA50 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するこ
    とを特徴とする蛋白質またはその塩。
  2. 【請求項2】実質的に同一のアミノ酸配列が配列番号:
    5で表されるアミノ酸配列である請求項1記載の蛋白質
    またはその塩。
  3. 【請求項3】請求項1記載の蛋白質の部分ペプチドもし
    くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩。
  4. 【請求項4】請求項1記載の蛋白質または請求項3記載
    の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有す
    るポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】DNAである請求項4記載のポリヌクレオ
    チド。
  6. 【請求項6】配列番号:2または配列番号:6で表され
    る塩基配列を有する請求項4記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】請求項4記載のポリヌクレオチドを含有す
    る組換えベクター。
  8. 【請求項8】請求項7記載の組換えベクターで形質転換
    させた形質転換体。
  9. 【請求項9】請求項8記載の形質転換体を培養し、請求
    項1記載の蛋白質または請求項3記載の部分ペプチドを
    生成せしめることを特徴とする請求項1記載の蛋白質ま
    たはその塩、または請求項3記載の部分ペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造
    法。
  10. 【請求項10】請求項1記載の蛋白質もしくはその塩ま
    たは請求項3記載の部分ペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩に対する抗体。
  11. 【請求項11】請求項1記載の蛋白質のシグナル伝達を
    不活性化する中和抗体である請求項10記載の抗体。
  12. 【請求項12】請求項10記載の抗体を含有してなる診
    断薬。
  13. 【請求項13】請求項1記載の蛋白質もしくはその塩ま
    たは請求項3記載の部分ペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩を用いることにより得
    られうる請求項1記載の蛋白質もしくはその塩または請
    求項3記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
    そのエステルまたはその塩に対するリガンド。
  14. 【請求項14】請求項13記載のリガンドを含有してな
    る医薬。
  15. 【請求項15】請求項1記載の蛋白質もしくはその塩ま
    たは請求項3記載の部分ペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴と
    する請求項1記載の蛋白質もしくはその塩または請求項
    3記載の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはその
    エステルまたはその塩に対するリガンドの決定方法。
  16. 【請求項16】請求項1記載の蛋白質もしくはその塩ま
    たは請求項3記載の部分ペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴と
    するリガンドと請求項1記載の蛋白質もしくはその塩ま
    たは請求項3記載の部分ペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化させ
    る化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  17. 【請求項17】請求項1記載の蛋白質もしくはその塩ま
    たは請求項3記載の部分ペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴
    とするリガンドと請求項1記載の蛋白質もしくはその塩
    または請求項3記載の部分ペプチドもしくはそのアミド
    もしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化さ
    せる化合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  18. 【請求項18】請求項16記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項17記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、リガンドと請求項1記載の蛋白質もしくは
    その塩または請求項3記載の部分ペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を
    変化させる化合物またはその塩。
  19. 【請求項19】請求項18記載の化合物またはその塩を
    含有してなる医薬。
  20. 【請求項20】請求項4記載のポリヌクレオチドとハイ
    ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌ
    クレオチド。
  21. 【請求項21】請求項4記載のポリヌクレオチドと相補
    的な塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌクレ
    オチド。
  22. 【請求項22】請求項4記載のポリヌクレオチドまたは
    その一部を用いることを特徴とする請求項1記載の蛋白
    質のmRNAの定量方法。
  23. 【請求項23】請求項10記載の抗体を用いることを特
    徴とする請求項1記載の蛋白質または請求項3記載の部
    分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
    たはその塩の定量方法。
  24. 【請求項24】請求項22または請求項23記載の定量
    方法を用いることを特徴とする請求項1記載の蛋白質の
    機能が関連する疾患の診断方法。
  25. 【請求項25】請求項22または請求項23記載の定量
    方法を用いることを特徴とする、請求項1記載の蛋白質
    の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
    ング方法。
  26. 【請求項26】請求項23記載の定量方法を用いること
    を特徴とする、細胞膜における請求項1記載の蛋白質量
    を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
    法。
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