JP2002237663A - 金属回路付樹脂基板およびその製造方法 - Google Patents

金属回路付樹脂基板およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002237663A
JP2002237663A JP2001034218A JP2001034218A JP2002237663A JP 2002237663 A JP2002237663 A JP 2002237663A JP 2001034218 A JP2001034218 A JP 2001034218A JP 2001034218 A JP2001034218 A JP 2001034218A JP 2002237663 A JP2002237663 A JP 2002237663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin substrate
metal film
resin
metal
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001034218A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiki Togashi
樫 栄 樹 富
Kunihiro Inada
田 邦 博 稲
Koji Tsuzukiyama
山 浩 二 続
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001034218A priority Critical patent/JP2002237663A/ja
Publication of JP2002237663A publication Critical patent/JP2002237663A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型で安価であり、金属膜との接着性に優れ、
かつ平滑性が良好であるため表面実装性に優れた金属回
路付樹脂基板を提供すること、さらに該樹脂基板を用い
た高い電流密度下でも使用し得る導体回路付平面基板お
よび半導体装置を提供すること、ならびにそれらの製造
方法を提供すること。 【解決手段】樹脂基板と、該樹脂基板表面の少なくとも
一部に形成された粗面化された底部および側面を有する
凹部と、該凹部上に形成された金属膜とからなり、この
金属膜の厚みが100μmより厚く、かつ、前記金属膜の樹
脂基板表面からの突出距離が30μm以下であることを特
徴とする金属回路付樹脂基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、表面実装性に優れた金属
回路付樹脂基板、その用途、およびその製造方法に関す
るものである。さらに詳しくは、金属膜が樹脂基板表面
に密着性よく形成され、表面実装性に優れ、高電流密度
下でも使用し得る金属回路付樹脂基板および該基板を用
いた半導体装置、並びにその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【発明の技術的背景】一般に、導体回路を形成する金属
膜の膜厚が厚いほど、金属膜の切断などを防止でき、装
置の信頼性が向上するため、金属回路付樹脂基板におい
ては、膜厚は厚いものが望まれる。ところで、従来よ
り、金属回路付樹脂基板の形成方法としては以下のもの
が知られている。 1)APE(Additive Plate-n-Etch)法 部品全体に無電解メッキした後、エッチングで回路を形
成する方法。 2)MnA法 触媒入り樹脂でモールドされた部品にマスクを当てて無
電解メッキし、回路を形成する方法。 3)PSP法(Photo-Selective-Plating) 部品に感光性触媒を塗布し回路部をUV露光させた後、
無電解メッキして回路を形成する方法。 4)Mold-n-plate法(2ショット法) 触媒入り樹脂で回路部を第1ショット、通常樹脂で第2
ショットした後、無電解メッキで回路を形成する方法。 5)銅箔貼付け 部品に銅箔を貼付け、回路部をマスクした後、回路以外
の部分の銅をエッチングする方法。
【0003】しかしながら、1)〜4)の方法では、無
電解メッキを利用するため、金属膜の厚みが通常10μ
m以下となり、膜厚をさらに厚くするためには、メッキ
時間を長くしなければならず、工業的に利用するにはコ
スト的な問題があった。また、5)の方法では、金属膜
の厚みが銅箔によって決まるため、36μm以上厚くす
ることは困難であった。さらに、これらの方法では、樹
脂基板の表面上に凸形状に金属(導体)回路が形成され
るため、金属膜をあまり厚くすると表面実装時の平面度
が悪化するなどの問題があった。
【0004】また、本発明者らは、特開平10-308562号
公報において、樹脂成形体(基板)の一部に複数の窪み
からなる粗面部を形成し、該粗面部上に膜厚が0.1〜100
μmの金属膜を形成した樹脂基板を提案している。しか
しながら、このような樹脂基板によっても、膜厚を厚く
すると金属回路付樹脂基板の平滑性(平坦性)が低下す
るため、この基板の表面実装性が充分であるとはいえな
かった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような問題点に鑑みて
なされたもので、小型で安価であり、金属膜との接着性
に優れ、かつ平滑性が良好であるため表面実装性に優れ
た金属回路付樹脂基板を提供すること、さらに該樹脂基
板を用いた高い電流密度下でも使用し得る導体回路付平
面基板および半導体装置を提供すること、ならびにそれ
らの製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る金属回路付樹脂基板は、樹
脂基板と、該樹脂基板表面の少なくとも一部に形成され
た粗面化された底部および側面を有する凹部と、該凹部
上に形成された金属膜とからなり、この金属膜の厚みが
100μmより厚く、かつ、前記金属膜の樹脂基板表面から
の突出距離が30μm以下であることを特徴としている。
【0007】前記樹脂基板は、熱硬化性樹脂からなるこ
とが好ましく、さらに、無機フィラーとして、シリカ、
フェライトまたはフェライト以外の鉄系磁性粉末のいず
れかを含有していることも好ましい。前記凹部上に形成
された金属膜の形状は、導体回路の配線パターンであっ
てもよい。
【0008】本発明の金属回路付樹脂基板の製造方法
は、樹脂基板の少なくとも一部に、レーザ光パルスを照
射して深さ100μm以上の粗面化された底部および側面を
有する凹部を形成し、該凹部上に金属膜を形成すること
を特徴としている。凹部は、導体回路の配線パターン状
に形成してもよい。上記金属膜は、無電解メッキをした
後、さらに電解メッキをして形成することが望ましい。
【0009】本発明の金属回路付樹脂基板は、たとえば
平面コイルなどの導体回路付平面基板として、あるいは
半導体装置に好適に用いられる。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明の樹脂基板およびそ
の製造方法について具体的に説明する。金属回路付樹脂基板 まず、本発明に係る金属回路付樹脂基板について説明す
る。本発明の金属回路付樹脂基板は、樹脂基板と、該樹
脂基板表面の少なくとも一部に形成された粗面化された
底部および側面(以下、粗面部ともいう)を有する凹部
と、該凹部上に形成された所定の厚さの金属膜とからな
る。
【0011】樹脂基板の形状は、特に限定されるもので
はなく、箱型樹脂パッケージであっても、平面基板であ
ってもよい。図1に、本発明に係る樹脂基板の要部断面
図の一例を示す。図中、添字1は樹脂基板、2は粗面
部、3は金属膜を示す。L1は金属膜の厚み、L2は凹部
の深さ、L3は金属膜の突出距離(凸量ともいう)を示
す。
【0012】樹脂基板1を構成する樹脂は、特に制限さ
れるものではなく、耐熱性樹脂であればよい。具体的に
は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化
性樹脂;ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LC
P)などのエンジニアリングプラスチックに代表される
熱可塑性樹脂;が挙げられる。
【0013】このなかでも、熱硬化性樹脂が化学的に安
定な点で好ましく、特にエポキシ樹脂が好ましい。この
ようなエポキシ樹脂としては、オルソクレゾール型、ビ
フェニル型、ナフタレン型などのエポキシ樹脂が挙げら
れる。樹脂基板を構成する樹脂以外の成分として、必要
に応じて、無機フィラーが含まれていてもよい。無機フ
ィラーとしては、たとえば、シリカ、フェライト、フェ
ライト以外の鉄系磁性粉末(例:FeCrAl、FeC
rSiなど)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、アルミナ粉末、ボロンナイトライ
ト粉末、酸化チタン粉末、炭化ケイ素粉末、ガラス繊
維、アルミナ繊維などが挙げられる。これらのなかで
も、シリカ、フェライトおよびフェライト以外の鉄系磁
性粉末が好ましい。
【0014】また、上記樹脂基板には、樹脂、無機フィ
ラーの他に、必要に応じて硬化剤、イミダゾール類、尿
素誘導体およびアミン化合物などの硬化促進剤、難燃
剤、カップリング剤、ワックス類などの添加剤を含み構
成されていてもよい。樹脂基板は、上記のような耐熱性
樹脂を、射出成形、押出成形などの成形法により、平板
状、容器状に成形することによって得ることができる。
【0015】本発明に係る金属回路付樹脂基板では、こ
のような樹脂基板表面の少なくとも一部に、粗面化され
た底部および側面を有する凹部が形成されており、この
ような凹部は、線状に稠密に多数連鎖したクレーターに
より形成されている。本明細書において、クレーターと
は、レーザ光パルスのショットにより樹脂基板の表面に
生じた穴もしくは窪みをいう。
【0016】これらのクレーター(窪み)は、1本以上
の線に沿ってほぼ一定のピッチで配列して形成されてい
る。この線は、レーザ光パルスにより照射、掃引した軌
跡であり、凹部を形成しようとする所望の領域を覆う形
であればよい。この線は、直線であっても並行に並んで
いてもよく、また折れ線であっても、曲線であってもよ
く、形成しようとする凹部の形状によって適宜選択され
る。
【0017】すなわち、レーザ光パルスの照射により形
成されるクレーターは、XY格子状に配列されていても
よく、ランダムに配列されていてもよく、また、らせん
状などに配列されていてもよい。このようなクレーター
は、隣接するクレーターの一部と重なるように稠密に設
けることが望ましい。
【0018】ピッチは、レーザ光パルスの樹脂基板表面
での走査速度をレーザの周波数(Qスイッチ周波数)で
除したパルスピッチに等しい。ピッチの下限は、特に限
定されるものではないが、操作性から0.01mm以上
であることが望ましい。レーザ光パルスのスポット径
は、用いる光学系によって異なるものの、実用的な範囲
で、0.01〜1mmであることが望ましい。
【0019】形成する凹部は、深さ(L2)が100μ
m以上、好ましくは100〜500μm、さらに好まし
くは300〜500μmであることが望ましい。このよ
うな深さの凹部を形成することで、厚みがあり、しかも
樹脂基板表面からの金属膜の突出距離が小さいため平滑
性に優れ、表面実装性のよい金属膜が得られる。形成す
る凹部の最大幅は、実用的観点から、0.08〜0.3
mmであることが望ましい。
【0020】金属膜としては、銅、銀、金、白金、パラ
ジウム、ニッケルまたはこれらの合金などが挙げられ
る。このような金属膜は、同一の金属により形成された
ものであってもよく、また複数の金属の多層膜であって
もよい。金属膜の厚み(L1)は、100μmより厚
く、好ましくは120〜520μm、さらに好ましくは
320〜520μmであることが望ましい(ただし、L
1≧L2)。金属膜の厚みがこのような範囲であれば、高
い電流密度下でも使用し得る信頼性の高い導体回路が得
られる。なお、金属膜が、複数の金属の多層膜であると
きは、金属膜の厚み(L1)とは、多層膜の総厚みを指
す。
【0021】また、樹脂基板表面からの金属膜の突出距
離(L3)が30μm以下、好ましくは0〜20μmであるこ
とが望ましい。金属膜の突出距離がこのような範囲であ
れば、平坦性に優れているため表面実装性に優れる。金
属膜突出距離(凸量)は、メッキ後に、メッキ表面をア
ルミナ入りテープなどで、研磨して所定の突出距離に調
整してもよい。
【0022】金属膜はメッキにより形成されており、特
に、無電解メッキをした後、さらに電解メッキをするこ
とで形成されていることが望ましい。凹部および金属膜
の形状が導体回路の配線パターンである金属回路付樹脂
基板は、平面コイルなどの導体回路付平面基板、半導体
装置の導体回路付きパッケージ、あるいはプリント回路
基板として好適に使用することができる。
【0023】また、本発明では、ライン/スペース(μ
m)が、300/300〜70/70の稠密な回路を形
成することができる。金属回路付樹脂基板の製造方法 つぎに本発明に係る金属回路付樹脂基板の製造方法につ
いて具体的に説明する。
【0024】本発明に係る金属回路付樹脂基板の製造方
法では、(i)樹脂基板の少なくとも一部に、レーザ光パ
ルスを照射して深さ100μm以上の粗面化された底部およ
び側面を有する凹部を形成し、(ii)該凹部上に所定の厚
さの金属膜を形成する。なお、樹脂基板、金属膜として
は、前述のものと同様のものが使用される。
【0025】[(i)凹部の形成]まず、本発明では、金属
膜形成の下地処理として、レーザ光パルスを掃引照射し
て、樹脂基板表面上に掃引した軌跡に沿って、複数のク
レーター(窪み)を形成する。この掃引した範囲が凹部
となる。レーザ光パルスは、ビームスキャン方向(X)
に特定の周期でパルス的に照射し、かつX方向に特定の
ピッチで移動する。X方向に所定の距離を走査したの
ち、Y方向に1ピッチずれて、X方向に同様のレーザ光
パルス照射を行う。このような動作を繰り返して所定の
パターンを形成する。
【0026】パルス間の照射ピッチおよび隣接する走査
線間の間隔の下限は、特に限定されるものではないが、
操作性から0.01mm以上であることが望ましい。レ
ーザ光パルスのスポット径は用いる光学系で異なるが、
実用的な範囲で、0.01〜1mmであることが望まし
い。このような範囲であれば、クレーターが稠密に並ん
だ凹部を成形することが可能である。
【0027】レーザの走査ピッチは、0.01〜1mm
であることが望ましい。形成される凹部の深さ(L2
は、100μm以上、好ましくは100〜500μm、
より好ましくは300〜500μmであることが望まし
い。このような深さのクレーターを形成することで、厚
みがあり、しかも樹脂基板表面からの凸量が少なく、表
面実装性のよい金属膜が得られる。
【0028】また、形成する凹部の最大幅は、実用的観
点から、0.08〜0.3mmであることが望ましい。
このとき、Qスイッチ周波数は、1〜100kHz、好ま
しくは5〜50kHzであり、走査速度は、100〜10
00mm/sec、好ましくは200〜500mm/secであるこ
とが望ましい。
【0029】本発明に係る金属回路付樹脂基板の製造方
法では、樹脂基板中に予め薬液消失粒子を混入させ、か
つレーザ光パルスの掃引照射した後、照射部分に露出し
た薬液消失粒子を消失させる薬液処理を施してもよい。
薬液消失粒子とは、有機溶媒、水、酸液、アルカリ液な
どの薬液に溶解して、消失する粒子をいい、具体的に
は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カ
ルシウムなどが挙げられる。
【0030】このような薬液消失粒子が混入した樹脂基
板の粗面化するべき部分にレーザ光パルスを照射させる
と、照射部の樹脂基板の表面層が消失し、薬液消失粒子
が頭を出す。このような薬液消失粒子を薬液処理によっ
て消失させると、レーザ掃引照射した部分に微細くぼみ
が形成され、粗面化することができる。
【0031】本発明で使用されるレーザ光パルスとして
は、1.06μmのレーザ光パルスを出すQスイッチ型
Nd:YAGレーザからのレーザ光パルスが望ましい。
レーザ光パルスの掃引照射は、ガルバノミラーとf−θ
レンズの構成による2次元平面でのビーム走査が望まし
い。このときの焦点深度は、2〜6mmであることが望ま
しい。
【0032】本発明では、レーザ光パルスの掃引照射の
際、ビーム位置決め方法としてf−θレンズ系を用いた
ガルバノミラー・スキャニング方式を採用することが望
ましい。ガルバノミラー・スキャニング方式とは、X軸
スキャナとY軸スキャナとからなる一対のガルバノミラ
ーとf−θレンズを組み合わせることによって、f−θ
レンズの外径円までの大きさの同一面上の任意の点に焦
点を合わせることができるビームスキャニング方式であ
り、文字などを直接描画するレーザマーカーなどで一般
的に用いられているものである。
【0033】このようなガルバノミラー・スキャニング
方式を用いると、必要な微細回路の箇所のみを周期的な
粗さを持つ粗面化が可能となる。本発明では、箱型樹脂
成形体のような立体的な成形体であっても、レーザ照射
することができる。またスルーホールのように基板の表
面と裏面とをつなぐ穴が開いているものであっても、ス
ルーホールの内壁にレーザ照射することができる。
【0034】[(ii)金属膜の形成]次に、本発明では、上
記のようにして形成した凹部に金属膜が形成される。金
属膜を形成するためには、あらかじめ、凹部にメッキ触
媒を付与しておくことが好ましく、メッキ触媒が付与さ
れた凹部表面に、無電解メッキ、次いで電解メッキによ
り金属膜を形成する。
【0035】メッキ触媒 金属膜を形成するためには、まず粗面部にメッキ触媒を
付与する。メッキ触媒としては、有機パラジウム化合
物、有機白金化合物などが挙げられる。このうち、有機
パラジウム化合物が好ましく使用される。メッキ触媒の
付与は、塩化パラジウム(PdCl2)、ジアンミン第一パ
ラジウム塩化物(Pd(NH3)2Cl2)、テトラアンミンしゅ
う酸パラジウム(Pd(NH3)4C2O4)、硫酸パラジウム(Pd
SO4)などのパラジウム化合物、または白金化合物など
の触媒を含む浴中に浸漬するなどの方法によって行われ
る。このとき、メッキ触媒は、粗面部(凹部の粗面化さ
れた底部および側面)にのみ担持される。粗面部が回路
パターンを形成している場合は、回路パターン状にメッ
キ触媒が担持される。
【0036】このようにしてメッキ触媒が付与された粗
面部に、金属膜がメッキによって形成される。金属膜の
メッキは、無電解メッキと電解メッキとの二工程により
行われる。無電解メッキ 無電解メッキは、溶液中の金属イオンを、還元剤によっ
て還元析出させる方法である。
【0037】還元剤としては、次亜リン酸塩、水素化ホ
ウ素化合物、水和ヒドラジン、ホルムアルデヒド、次亜
リン酸塩、N,N-ジエチルグリシン、硫酸ヒドラジン、ア
スコルビン酸などが使用される。このような無電解メッ
キでは、まず析出させる金属の塩を水などの溶媒に溶解
し、前記還元剤を添加して、メッキ浴を調製する。
【0038】金属塩の濃度は、一般的に使用される濃度
であればよく、たとえば0.001〜0.5モル/リッ
トルであればよい。このとき、必要に応じて、pH調整
剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤、改良剤などを添
加してもよい。pH調整剤としては、水酸化ナトリウ
ム、アンモニアなどの塩基性化合物、硫酸、塩酸などの
無機酸、酢酸、コハク酸などの有機酸などが挙げられ
る。
【0039】緩衝剤としては、リン酸塩、クエン酸塩、
酒石酸塩などが挙げられる。錯化剤としては、酢酸、グ
リコール酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸のアルカリ
金属塩、チオグリコール酸、アンモニア、ヒドラジン、
トリエタノールアミン、エチレンジアミン、グリシン、
o-アミノフェノール、EDTAなどが挙げられる。
【0040】促進剤としては、コハク酸などが挙げられ
る。安定剤としては、チオ尿素、金属シアン化物、アセ
チルアセトン、エチルオキサント酸などが挙げられる。
改良剤としては、NaCN、KCNなどが挙げられる。
このように調製したメッキ浴に、メッキ触媒が付与され
た凹部を有する樹脂基板を浸漬する。浸漬時間および浸
漬温度は、メッキする金属の種類、メッキ浴中の金属イ
オン濃度より適宜選択される。
【0041】無電解メッキされた樹脂基板は、水洗・乾
燥したのち、電解メッキされる。電解メッキ 電解メッキは、一般に行われている方法の中から適宜目
的に応じた条件で行われる。電解メッキは、無電解メッ
キされた凹部に行われ、このときの電流密度は、樹脂基
板が変質しない程度であれば特に制限されない。
【0042】以上のような本発明に係る製造方法によれ
ば、金属膜の形状を任意のパターンに形成した金属回路
付樹脂基板を製造することができる。また、金属膜の形
状を導体回路の配線パターンとすることにより、たとえ
ば平面コイルといった導体回路付平面基板を製造するこ
とができる。金属膜の形状を導体回路の配線パターンに
する場合には、ライン/スペース(μm)は、300/
300〜70/70であることが好ましい。
【0043】また、このようにして得られた金属回路付
樹脂基板は、半導体装置の導体回路付きパッケージとし
ても好適に使用することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る金属回路付樹脂基板は、小
型で安価であり、金属膜との接着性に優れ、また、金属
膜の膜厚が厚いため、高い電流密度下においても使用で
き、しかも樹脂基板からの金属膜の凸量が少ないため表
面実装性に優れる。また、本発明の樹脂基板を用いた平
面コイルなどの導体回路付平面基板あるいは半導体装置
は、導体を形成する金属膜の厚みが厚いため、回路の切
断などを防止でき、信頼性の高い装置を提供し得る。
【0045】さらに、本発明の製造方法によれば、従来
の薬液処理のような製造時の環境悪化、危険作業が全く
無く、安全衛生の点でも極めて良好で安価なドライプロ
セスを提供することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではな
い。
【0047】
【実施例1】凹部形成 樹脂(三井化学(株)製:シリカ充填エポキシ樹脂EPOX
TM)からなる平面基板(試験基板)の水平面上に、図2
に示すような平面コイル状に、定格50W出力のQスイ
ッチ型LD励起YAGレーザ照射機(スポット径約90
μm)を用いて、以下の条件でレーザ光パルスを照射し
て、深さ約200μm、幅が約200μmの凹部を形成
した。
【0048】 レーザ種類 :Qスイッチ型LD励起YAGレー
ザ(スポット径約90μm) 定格出力 :50W パルスピッチ :0.0125mm Qスイッチ周波数:40kHz ビーム走査速度 :500mm/sec レーザ波長 :1.064μmメッキ触媒付与 次に、このように凹部を形成した試験基板を、パラジウ
ム触媒にて、40℃、3分間浸漬し、凹部に有機パラジ
ウム化合物を形成することによりメッキ触媒を付与し
た。
【0049】無電解銅メッキ その後、試験基板を硫酸銅からなるメッキ浴にて浸漬
し、メッキ厚が約0.5μmになるまで、無電解銅メッ
キを行った。電解銅メッキ その後、試験基板を水洗・乾燥し、硫酸銅からなるメッ
キ浴にて浸漬して、メッキ厚が約200μmになるまで
電解銅メッキを行った。
【0050】このようにして得られた試験基板上の金属
膜の厚みL1、凹部の深さL2、金属膜の突出距離L
3を、平面コイルの断面を実体顕微鏡により観察するこ
とにより測定した。また、ライン/スペースは、平面コ
イルの水平面を実体顕微鏡により観察することにより測
定した。
【0051】結果を表1に示す。
【0052】
【実施例2】実施例1の凹部形成工程において、レーザ
光パルスの照射条件を下記のようにし、形成するクレー
ターの深さを約100μmとし、電解銅メッキ工程にお
いて、メッキ厚を約100μmとした以外は、実施例1
と同様にして試験基板を作成し、金属膜の厚みL1、凹
部の深さL2、金属膜の突出距離L3およびライン/スペ
ースを測定した。
【0053】 レーザ種類 :Qスイッチ型LD励起YAGレー
ザ(スポット径約15μm) 定格出力 :560mW パルスピッチ :0.02mm Qスイッチ周波数:10kHz ビーム走査速度 :200mm/sec レーザ波長 :0.355μm 結果を表1に示す。
【0054】
【比較例1】粗面化 樹脂(三井化学(株)製:シリカおよび炭酸カルシウム
充填エポキシ樹脂EPOX TM)からなる平面基板(試験基
板)全面を、クロム酸および硫酸からなる混酸にて、7
0℃で10分間処理し、基板表面を粗面化した。
【0055】メッキ触媒付与 次に、このようにして粗面部を形成した試験基板を、パ
ラジウム触媒にて、40℃、3分間浸漬し、粗面部表面
に有機パラジウム化合物を形成することによりメッキ触
媒を付与した。無電解銅メッキ その後、試験基板を硫酸銅からなるメッキ浴にて、メッ
キ厚が約35μmになるまで、試験基板全面に無電解銅
メッキを行った。
【0056】パターニング その後、試験基板を水洗・乾燥し、レジスト電着し、露
光した後、銅エッチングにより、金属膜の幅が200μ
mの、図2に示すような平面コイル状のパターン部を形
成した。このようにして得られた金属膜の厚みL1、粗
面部の深さL2、金属膜の突出距離L3、ライン/スペー
スを実施例1と同様に測定した。
【0057】結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る樹脂基板の要部断面図を示す。
【図2】 本発明に係る平面コイルの模式図を示す。
【符号の説明】
1 樹脂基板 2 粗面部 3 金属膜 4 スルーホール L1 金属膜の厚み L2 凹部の深さ L3 金属膜の突出距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/00 H01L 23/12 B 3/18 23/14 R (72)発明者 続 山 浩 二 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4E351 AA03 BB10 BB15 BB33 CC06 DD04 GG20 5E338 AA01 AA16 BB02 BB19 BB28 CC01 CC10 CD12 EE60 5E343 AA02 AA12 AA17 BB02 BB14 BB24 BB62 DD33 DD43 ER02 FF30 GG02 GG04 GG20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂基板と、該樹脂基板表面の少なくとも
    一部に形成された粗面化された底部および側面を有する
    凹部と、該凹部上に形成された金属膜とからなり、 この金属膜の厚みが100μmより厚く、かつ、前記金属膜
    の樹脂基板表面からの突出距離が30μm以下であること
    を特徴とする金属回路付樹脂基板。
  2. 【請求項2】前記樹脂基板が熱硬化性樹脂からなること
    を特徴とする請求項1に記載の金属回路付樹脂基板。
  3. 【請求項3】前記樹脂基板が、無機フィラーとして、シ
    リカ、フェライトまたはフェライト以外の鉄系磁性粉末
    のいずれかを含有してなることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の金属回路付樹脂基板。
  4. 【請求項4】前記凹部上に形成された金属膜の形状が導
    体回路の配線パターンであることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の金属回路付樹脂基板。
  5. 【請求項5】樹脂基板の少なくとも一部にレーザ光パル
    スを照射して、深さ100μm以上の粗面化された底部およ
    び側面を有する凹部を形成し、該凹部上に金属膜を形成
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    金属回路付樹脂基板の製造方法。
  6. 【請求項6】導体回路の配線パターン状に凹部を形成す
    ることを特徴とする請求項5に記載の金属回路付樹脂基
    板の製造方法。
  7. 【請求項7】上記金属膜が、無電解メッキをした後、さ
    らに電解メッキをして形成されることを特徴とする請求
    項5または6に記載の金属回路付樹脂基板の製造方法。
  8. 【請求項8】金属回路付樹脂基板が導体回路付平面基板
    である請求項1〜4のいずれかに記載の金属回路付樹脂
    基板。
  9. 【請求項9】金属回路付樹脂基板が平面コイルである請
    求項1〜4のいずれかに記載の金属回路付樹脂基板。
  10. 【請求項10】請求項1〜4のいずれかに記載の金属回
    路付樹脂基板を用いた半導体装置。
JP2001034218A 2001-02-09 2001-02-09 金属回路付樹脂基板およびその製造方法 Pending JP2002237663A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001034218A JP2002237663A (ja) 2001-02-09 2001-02-09 金属回路付樹脂基板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001034218A JP2002237663A (ja) 2001-02-09 2001-02-09 金属回路付樹脂基板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002237663A true JP2002237663A (ja) 2002-08-23

Family

ID=18897864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001034218A Pending JP2002237663A (ja) 2001-02-09 2001-02-09 金属回路付樹脂基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002237663A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008294415A (ja) * 2007-04-27 2008-12-04 Sanyo Electric Co Ltd 素子搭載用基板およびその製造方法、半導体モジュールおよびその製造方法、ならびに携帯機器
WO2011086768A1 (ja) * 2010-01-13 2011-07-21 古河電気工業株式会社 基板および基板の製造方法
JP2015105401A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 住友金属鉱山株式会社 基板製造用治具及び基板の製造方法
JP2015141687A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 Necトーキン株式会社 ワイヤレス充電アンテナ、入力装置、ホルダ、検出装置、および座標入力装置
WO2021049624A1 (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 株式会社ゼファー 回路成型部品及び電子機器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008294415A (ja) * 2007-04-27 2008-12-04 Sanyo Electric Co Ltd 素子搭載用基板およびその製造方法、半導体モジュールおよびその製造方法、ならびに携帯機器
WO2011086768A1 (ja) * 2010-01-13 2011-07-21 古河電気工業株式会社 基板および基板の製造方法
JP2015105401A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 住友金属鉱山株式会社 基板製造用治具及び基板の製造方法
JP2015141687A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 Necトーキン株式会社 ワイヤレス充電アンテナ、入力装置、ホルダ、検出装置、および座標入力装置
WO2021049624A1 (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 株式会社ゼファー 回路成型部品及び電子機器
CN114365585A (zh) * 2019-09-13 2022-04-15 株式会社Zefa 电路成型部件以及电子设备
EP4029970A4 (en) * 2019-09-13 2023-10-11 Zefa Co., Ltd. CAST CIRCUIT COMPONENT AND ELECTRONIC DEVICE

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6591495B2 (en) Manufacturing method of a multilayered printed circuit board having an opening made by a laser, and using electroless and electrolytic plating
US3628999A (en) Plated through hole printed circuit boards
KR101107834B1 (ko) 접속 단자, 접속 단자를 이용한 반도체 패키지 및 반도체 패키지의 제조 방법
EP2453040B1 (en) Method for producing formed circuit component
US4602318A (en) Substrates to interconnect electronic components
CN1964604A (zh) 多层印刷电路板的制造方法
JP2012174758A (ja) 多層基板の製造方法、デスミア処理方法
JP2009155668A (ja) 無電解パラジウムめっき反応開始促進前処理液、この前処理液を用いた無電解めっき方法、無電解めっき方法で形成された接続端子並びにこの接続端子を用いた半導体パッケージ及びその製造方法
JP3337802B2 (ja) 酸化銅(i)コロイドの金属化によるダイレクトプレーティング方法
US4541882A (en) Process for the manufacture of substrates to interconnect electronic components and articles made by said process
CN103828497B (zh) 附孔层叠体及其制造方法、多层基板的制造方法、印刷布线基板及底层形成用组合物
JP3498937B2 (ja) 樹脂基板およびその製造方法
JP2002237663A (ja) 金属回路付樹脂基板およびその製造方法
US6764747B2 (en) Circuit board and method of producing the same
TW558930B (en) Method for the manufacture of printed circuit boards with plated resistors
JP3160252B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP7474360B2 (ja) メッキ部品の製造方法及び基材の成形に用いられる金型
JP2003124373A (ja) 樹脂基板の製造方法
JP3784368B2 (ja) 回路基板およびその製造方法
JPH10168578A (ja) 無電解金めっき方法
KR20140019174A (ko) 인쇄회로기판의 제조방법
JP4370490B2 (ja) ビルドアップ多層プリント配線板及びその製造方法
JPH08225952A (ja) 表面をメタライズするための方法および還元溶液
JP2002043706A (ja) 樹脂成形体、樹脂製プリント回路基板および半導体パッケージ、並びに、それらを製造する方法
JP2012231035A (ja) 成形回路基板およびその製造方法