JP2002237315A - 膜−電極接合体用高分子膜及びそれからなる膜−電極接合体並びに燃料電池。 - Google Patents
膜−電極接合体用高分子膜及びそれからなる膜−電極接合体並びに燃料電池。Info
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Abstract
も、膜−電極接合体の接合界面の剥がれを抑制し、良好
かつ安定な膜−電極接合体を調製するのが可能なプロト
ン伝導性高分子膜、これを使用した膜−電極接合体、更
にはそれを使用した固体高分子型燃料電池を提供する 【解決手段】プロトン伝導性置換基またはプロトン伝導
性物質を含有する高分子膜の表面に放電処理を施してな
る膜−電極接合体用(プロトン伝導性)高分子膜を、互
いに離隔する1対の触媒担持ガス拡散電極の間に設置
し、ガス拡散電極の触媒面側と接合されてなる膜−電極
接合体により達成される。
Description
電池等の電気素子に使用可能なプロトン伝導性高分子膜
に関し、その両面に触媒担持ガス拡散電極が接合された
膜−電極接合体、更にはそれを使用した固体高分子型燃
料電池に関する。
型燃料電池、湿度センサー、ガスサンサー、エレクトロ
クロミック表示素子などの電気化学素子の主要な構成材
料である。これら電気化学素子の中でも、固体高分子型
燃料電池は、将来の新エネルギー技術の柱の一つとして
期待されている。電解質として高分子からなるプロトン
伝導性高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池(PEF
CまたはPEMFC)は、低温における作動、小型軽量
化が可能などの特徴から、自動車などの移動体および民
生用携帯機器への適用が検討されている。特に、固体高
分子型燃料電池を搭載した燃料電池自動車は究極のエコ
ロジーカーとして社会的な関心が高まっている。
プロトン伝導性高分子膜としては、デュポンのナフィオ
ン、旭硝子のフレミオン、旭化成のアシプレックスに代
表されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜を中心に実
用化が検討されている。これらのプロトン伝導性高分子
膜を固体高分子型燃料電池に適用するには、燃料の酸化
能、酸化剤の還元能を有する触媒を、前記膜の両面にそ
れぞれ配置し、その外側にガス拡散電極を配置した膜−
電極接合体を調製する必要がある。
は、大別して次の2つの方法が知られている。 (1)プロトン伝導性高分子膜に直接電極触媒を析出さ
せる方法(例えば、特公昭58−47471号公報な
ど)。 (2)触媒能を有するガス拡散電極シートを作製し、ホ
ットプレスによりプロトン伝導性高分子膜に接合させる
方法(以下、ホットプレス法という。例えば、米国特許
第3134697号公報、同第3297484号公報、
特公平2−7398号公報など)。
(2)のホットプレス法が主流となっている。この方法
についても様々な方法が提案されているが、要約すると
触媒を担持したガス拡散電極の触媒面側に、プロトン伝
導性高分子化合物の溶液を塗布し、プロトン伝導性高分
子膜の軟化温度〜熱分解温度の範囲でホットプレスして
接合するものである。但し、前記方法は接合面に塗布す
る溶液の調製が容易で、軟化温度が比較的低いパーフル
オロカーボンスルホン酸系高分子材料について最適化さ
れてきたにすぎない。しかしながら、パーフルオロカー
ボンスルホン酸系高分子膜に適用されているこれらの方
法においても、この高分子膜の含水状態に起因する膨張
・収縮による膜と電極の界面での剥がれの問題が指摘さ
れている(特許第3100754号公報など)。
は、非常に高価であること、耐熱性が低いことなどか
ら、プロトン伝導性置換基やプロトン伝導性物質を含有
する芳香族炭化水素系高分子などからなるプロトン伝導
性高分子膜が種々提案されている。その代表的なものと
しては、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(特開
平6−93114号公報など)、スルホン化ポリエーテ
ルスルホン(特開平10―45913号公報など)、ス
ルホン化ポリスルホン(特開平9−245818号公報
など)、スルホン化ポリフェニレンサルファイド(特表
平11−510198など)やスルホン化ポリイミド
(特表2000−510511号公報など)などの耐熱
芳香族高分子のスルホン化物、また、SEBS(スチレ
ン−(エチレン−ブチレン)−スチレンの略)のスルホ
ン化物(特表平10−503788号公報など)、プロ
トン伝導性付与剤と有機高分子化合物の複合材料からな
るプロトン伝導性膜(特開2000−90946号公報
など)なども提案されている。しかしながら、これらの
非パーフルオロカーボンスルホン酸系膜については、固
体高分子型燃料電池用膜として必要な特性の一つである
プロトン伝導度が示されているのみで、実際に固体高分
子型燃料電池への適用時に必要な膜−電極接合体につい
て開示されていなかったり、パーフルオロカーボンスル
ホン酸系膜と同様の方法で、非パーフルオロカーボンス
ルホン酸膜のみを使用した例が開示されているだけで、
それぞれの非パーフルオロカーボンスルホン酸膜に適し
た膜−電極接合体の調製方法が技術確立されていないの
が現状である。
課題を解決するためになされたものであり、従来技術と
類似したホットプレス法であっても、膜−電極接合体の
接合界面の剥がれを抑制し、良好かつ安定な膜−電極接
合体を調製するのが可能なプロトン伝導性高分子膜、こ
れを使用した膜−電極接合体、更にはそれを使用した固
体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。これ
により、従来のパーフルオロカーボンスルホン酸系高分
子膜を使用した場合だけでなく、非パーフルオロカーボ
ンスルホン酸系のプロトン伝導性高分子膜にも広く適用
可能である。
トン伝導性置換基またはプロトン伝導性物質を含有する
高分子膜の表面に放電処理を施されてなる膜−電極接合
体用高分子膜であり、前記高分子膜が、ポリイミドから
なるもの又はポリフェニレンサルファイドからなるもの
が好ましい。
ン伝導性置換基またはプロトン伝導性物質を含有する高
分子膜の表面に放電処理を施されてなる高分子膜と、触
媒担持ガス拡散電極とから構成される膜−電極接合体で
あり、前記の表面に放電処理を施したプロトン伝導性高
分子膜を、互いに離隔する1対の触媒担持ガス拡散電極
の間に設置し、ガス拡散電極の触媒面側と接合されてな
るものが好ましい。
電極接合体を使用した固体高分子型燃料電池である。
本発明の膜−電極接合体用高分子膜は、スルホン酸基、
リン酸基、カルボン酸基、フェノール性水酸基などのプ
ロトン伝導性置換基、12−タングストりん酸、タング
ステンペルオキソ錯体、モノドデシルフォスフェート、
リン酸などのプロトン伝導性物質を含有する高分子膜の
表面に放電処理を施したものである。これらの高分子膜
の組成は特に限定されず、用途に応じて所望の特性を有
するものを適宜選択すればよい。また、高分子膜の保水
性やプロトン伝導性物質の保持性などを改善するため
に、シリカなどのケイ素系化合物に代表される無機物質
を複合化させてたものを使用しても良い。このようなプ
ロトン伝導性置換基またはプロトン伝導性物質を含有す
る高分子膜としては、例えば、以下のようなものが例示
できる。デュポンのナフィオン、旭硝子のフレミオン、
旭化成のアシプレックスなどに代表されるパーフルオロ
カーボンスルホン酸膜、スルホン化ポリエーテルエーテ
ルケトン(特開平6−93114号公報など)、スルホ
ン化ポリエーテルスルホン(特開平10―45913号
公報など)、スルホン化ポリスルホン(特開平9−24
5818号公報など)、スルホン化ポリフェニレンサル
ファイド(特表平11−510198など)やスルホン
化ポリイミド(特表2000−510511号公報な
ど)、スルホン化SEBS(スチレン−(エチレン−ブ
チレン)−スチレンの略)(特表平10−503788
号公報など)、プロトン伝導性付与剤と有機高分子化合
物の複合材料(特開2000−90946号公報な
ど)。但し、本発明は上記組成に限定されるものでな
く、これらの改良品あるいは他の組成を有するものも使
用可能である。
料電池用プロトン伝導性膜として使用する場合の要求特
性(プロトン伝導度、ガス遮断性、熱的・化学的安定
性、コストなど)を考慮すると、高分子膜としては、ポ
リイミドまたはポリフェニレンサルファイドからなるも
のを選択するのが好ましい。
法は、上記のプロトン伝導性置換基またはプロトン伝導
性物質を含有する高分子膜に放電処理を表面に施こすも
のである。ここで、放電処理とは、コロナ処理、プラズ
マ処理などプラスチックフィルムの表面改質に一般的に
使用される放電処理を指す。これらの処理をプロトン伝
導性高分子膜の表面に施すことにより、電極との接合界
面の接着性が著しく改善される。従って、本発明の製造
方法で得られるプロトン伝導性高分子膜と触媒担持ガス
拡散電極を接合した膜−電極接合体を使用した固体高分
子型燃料電池は、膜と電極の接合界面の剥がれに起因す
る発電特性の低下が生じにくい。
る。プロトン伝導性置換基またはプロトン伝導性物質を
含有する高分子膜の表面に、放電処理に施すことによ
り、膜表面が励起されて活性化状態となり、膜表面に水
酸基・カルボン酸基・カルボニル基等の親水基が新たに
生じ、表面の親水性が向上し、接着性が改善される。本
発明に使用される高分子膜は、プロトン伝導性高分子膜
は親水性の高いプロトン伝導性置換基などを含有してい
るが、高分子骨格の組成、親水性の置換基の量などによ
り、表面接着性が必ずしも良好でない場合がある。従っ
て、プロトン伝導性置換基またはプロトン伝導性物質を
含有する高分子膜に、放電処理を表面に施すことは、膜
自体の接着性を改善し、電極との接合界面を良好かつ安
定に保持するのに有効である。
プラスチックフィルムで実施される公知の方法で行うこ
とができる。以下に、放電処理の一例としてコロナ処理
について、図面を引用して説明する。
る。コロナ処理装置(1)は、高度に絶縁されたロール
(2)に近接させて配置した線上の電極(3)からな
り、線上の電極(3)はコロナ処理をすべき長さ(即
ち、高分子膜の幅)に形成されていて、複数の碍子
(4)を介してフレーム(5)に固定されている。この
装置(1)は、電極(3)に高エネルギーを作用させて
コロナ放電させ、ロール(2)上を通された高分子膜
(6)の上面にコロナ処理を施すことができる。このと
きのエネルギーは、例えば、通常の高分子フィルムであ
れば100W・分/m以下で良いが、絶縁性などに優れ
た例えばポリイミドフィルムの場合は、100〜500
W・分/m程度の高エネルギーが用いられる場合があ
る。本発明で用いられるプロトン伝導性置換基またはプ
ロトン伝導性物質を含有する高分子膜の場合には、高分
子骨格として、例えばポリイミドのように絶縁性に優れ
たものを使用する場合であっても、親水性のプロトン伝
導性置換基などを含有する場合には、100W・分/m
以下のエネルギー程度で良い場合もある。これらの条件
は、使用する高分子膜の種類や厚み、接着剤として使用
するプロトン伝導性を有する高分子化合物の種類や接着
層の厚み等を考慮して、適宜設定すればよい。なお、コ
ロナ処理を行う際、高分子膜の熱膨張による皺を防ぐた
め、膜の幅方向に伸びを付与した後、コロナ処理を1回
又は複数回にわたって施しても良い。また、放電処理に
引き続いて、膜に帯電した静電気の極性と逆極性のイオ
ンを有するイオン化ガスを吹き付けて、静電気を除電す
ると同時に付着した微粉末を除去するようにしてもよ
い。
はプロトン伝導性物質を含有する高分子膜の厚みは特に
限定されないが、固体高分子型燃料電池に使用すること
を考慮すると、実用的な機械的強度や燃料・酸化剤の遮
断性を有する範囲で薄い程良い。固体高分子型燃料電池
に使用するには、概ね5〜200μmの範囲であること
が好ましい。
する。本発明の膜−電極接合体は、プロトン伝導性置換
基またはプロトン伝導性物質を含有する高分子膜の表面
に放電処理を施したプロトン伝導性高分子膜を、互いに
離隔する1対の触媒担持ガス拡散電極の間に設置し、ガ
ス拡散電極の触媒面側と接合するものである。一例とし
て、図面を引用して説明する。
面図である。本発明の膜−電極接合体は、膜−電極接合
体用のプロトン伝導性高分子膜(7)と触媒担持ガス拡
散電極(8)が接合されたものである。(7)は、放電
処理が表面に施された表面層(9)が形成されている。
触媒担持ガス拡散電極(8)は、触媒層(10)とガス
拡散電極(11)から構成されている。これらが、プロ
トン伝導性高分子化合物から成る接着層(12)を介し
て接合されている。このとき、(7)と(12)を形成
するプロトン伝導性高分子化合物の組成は、同一であっ
ても、異なっていても構わない。
過可能な微細孔を有した導電性のカーボンペーパーやカ
ーボンクロスなどのガス拡散電極(8)が支持体として
使用される。この支持体上に、燃料・酸化剤に対する触
媒能を有する白金、ルテニウムなどの金属あるいはそれ
らの合金を活性炭などのカーボン粒子に担持させた触媒
(13)を、撥水性のテトラフルオロエチレンなどの結
着剤を使用して、支持体上に触媒層(10)を形成させ
たものである。このタイプの触媒担持ガス拡散電極とし
ては、E−TEK社製の電極が多く使用されており、本
発明でもそれが使用できる。また、個々の材料から、触
媒担持ガス拡散電極を調製して、使用しても良い。
分子膜(7)と触媒担持ガス拡散電極(8)の接合方法
について説明する。まず、触媒担持ガス拡散電極(8)
の触媒層(10)上にプロトン伝導性を有する高分子化
合物の溶液を塗布する。溶媒が蒸発する温度で乾燥さ
せ、触媒層上にプロトン伝導性を有する高分子化合物層
(12)を形成させる。このプロトン伝導性を有する高
分子化合物層(12)と、(7)の放電処理を施した表
面(9)を合わせ、プロトン伝導性を有する高分子化合
物層(12)および/またはプロトン伝導性高分子膜
(7)の軟化温度〜熱分解温度の範囲でホットプレスす
る。例えば、デュポンのナフィオン、旭硝子のフレミオ
ン、旭化成のアシプレックスなどのパーフルオロカーボ
ンスルホン酸系高分子を使用する場合には、120〜2
50℃程度のプレス温度で接合できる。プレス圧力は、
特に制限はないが、概ね1MPa以上であることが好ま
しい。但し、プレス温度、プレス圧力は、使用するプロ
トン伝導性高分子膜(7)やプロトン伝導性を有する高
分子層(12)の種類に応じて、適宜最適な条件を設定
すればよい。
て、一例として、図面を引用して説明する。図3は本発
明の固体高分子型燃料電池の要部断面図である。これ
は、前記したような膜−電極接合体用のプロトン伝導性
高分子膜(7)と、触媒担持ガス拡散電極(8)が接合
された膜−電極接合体が、燃料流路(14)、酸化剤流
路(15)がそれぞれ形成された導電性のカーボングラ
ファイトやステンレス鋼からなる1対のセパレータ(1
6)で狭持されたものである。燃料として、純水素、メ
タノール・天然ガス・ガソリンなどの改質ガス、メタノ
ールなど、酸化剤として、酸素、空気などを供給するこ
とにより、本発明の固体高分子型燃料電池が作動する。
以上固体高分子型燃料電池の単セルについて説明した
が、これらを複数積層して固体高分子型燃料電池スタッ
クを構成して使用することも可能である。これらは、燃
料電池自動車、家庭用コージェネレーションシステム、
民生用携帯機器など電源として、使用可能である。
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。尚、実施例に先立ち測定法などについて
説明する。
ム飽和水溶液に浸漬し、ウォーターバス中で60℃、3
時間反応させる。室温まで冷却した後、サンプルをイオ
ン交換水で充分に洗浄し、フェノールフタレイン溶液を
指示薬として、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液で
滴定し、イオン交換容量を算出する。
した試験体(10mm×40mm)を取り出し、試験体
表面の水をろ紙で拭き取る。電極間距離30mmで白金
電極間に試験体を装着し、2極非密閉系のテフロン(登
録商標)製のセルに設置した後、室温下で電圧0.2V
の条件で、交流インピーダンス法(周波数:42Hz〜
5MHz)により、試験体の膜抵抗を測定し、プロトン
伝導度を算出した。
ン伝導性高分子膜として、プロトン伝導性置換基である
スルホン酸基を含有したスルホン化ポリイミド膜を取得
した。
−ベンジジンスルホン酸を4.82g(0.014mo
l)、フェノールを84g、p−クロロフェノールを5
6g、トリエチルアミンを17.00g(0.17mo
l)とり、窒素気流下で室温で0.5時間攪拌した。次
に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物を5.36g(0.020mol)、9,9−ビス
(4−アミノフェニル)フルオレンを2.02g(0.
058mol)、3,3’−ジアミノベンジジンを0.
021g(0.0001mol)一気に加え、トルエン
を40g加えた。窒素気流下で150℃で5時間攪拌し
た。このとき、生成する水はトルエンで共沸させながら
除去した。このとき、生成水を0.7mL回収、除去し
た。次いでトルエンを環流除去し、セパラブルフラスコ
を氷冷し、反応液を室温まで冷却した。塩酸を29.2
gとメタノールを1Lの混合溶液を激しく攪拌しなが
ら、上記反応液を徐々に滴下した。このとき、線状の茶
色沈殿物が生成した。得られた沈殿物をメタノール0.
5Lで2回洗浄したのち、減圧下で120℃、3時間乾
燥し、スルホン化ポリイミド樹脂組成物を12.5g得
た。
wt%N−メチル−2−ピロリドン溶液を調製し、フロ
ートガラス上に500μmの厚みで塗布し、減圧下で、
50℃、100℃、150℃、200℃の温度でそれぞ
れ0.5時間乾燥し、溶媒を除去した。プロトン伝導性
高分子膜として、厚み約70μmのスルホン化ポリイミ
ド膜を得た。このスルホン化ポリイミド膜のイオン交換
容量は1.55ミリ当量/g、プロトン伝導度は9.1
×10-2S/cmであった。
を、60W・分/mのエネルギーでコロナ処理を行い、
膜−電極接合体用のプロトン伝導性高分子膜を得た。
ガス拡散電極(Pt担持量:1mg/m2)に5重量%
のナフィオン溶液をナフィオン量が0.6mg/cm2
になるようにガス拡散電極の触媒層側に塗布した。これ
を70℃で1時間、減圧乾燥した。このガス拡散電極を
前記のプロトン伝導性高分子膜の両面に配置し、プレス
温度:140℃、プレス圧力:5.9MPa、プレス時
間:90秒の条件でホットプレスし、本発明の膜−電極
接合体を調製した。
は、実施例1と同様にして、膜−電極接合体を得た。次
に実施例1および比較例1で得た膜−電極接合体を、E
lectroChem社の固体高分子型燃料電池セルに
装着し、以下の条件で発電特性を評価した。電流密度と
セル電圧の関係を図4に示した。
ら明らかなように、本発明の膜−電極接合体用高分子膜
を使用した膜−電極接合体を使用した方が、高い発電特
性を示した。また、比較例1の膜−電極接合体を使用し
た場合には、発電特性が定常値を示すまで、ガスを供給
してから、わずか数分で特性の急激な性能低下が見られ
た。また、発電特性評価後の膜−電極接合体の外観を目
視観察したところ、実施例1の膜−電極接合体の接合界
面は良好に保持されているのに対し、比較例1の方は、
膜と電極の接合界面が完全に剥がれていた。以上のこと
から、本発明の膜−電極接合体用高分子膜、膜−電極接
合体は、膜の接着性が改善され、膜と電極の接合界面が
良好に保たれることが示された。
表面に放電処理が施されてなるので、表面の接着性が改
善される。また、該高分子膜と触媒担持ガス拡散電極と
から構成される膜−電極接合体は、膜と電極が良好かつ
安定に接合されるため、燃料電池作動時にも接合界面の
剥がれに起因する性能低下が生じにくい固体高分子型燃
料電池を得ることができる。
ル電圧の関係
導性)高分子膜 8:触媒担持ガス拡散電極 9:表面処理層 10:触媒層 11:ガス拡散電極 12:プロトン伝導性を有する高分子化合物接着層 13:触媒 14:燃料流路 15:酸化剤流路 16:セパレータ 17:ガスケット
Claims (8)
- 【請求項1】プロトン伝導性置換基またはプロトン伝導
性物質を含有する高分子膜の表面に放電処理を施されて
なる膜−電極接合体用高分子膜。 - 【請求項2】前記高分子膜が、ポリイミドからなる請求
項1記載の膜−電極接合体用高分子膜。 - 【請求項3】前記高分子膜が、ポリフェニレンサルファ
イドからなる請求項1記載の膜−電極接合体用高分子
膜。 - 【請求項4】プロトン伝導性置換基またはプロトン伝導
性物質を含有する高分子膜の表面に放電処理を施されて
なる膜−電極接合体用高分子膜と、触媒担持ガス拡散電
極とから構成される膜−電極接合体。 - 【請求項5】プロトン伝導性置換基またはプロトン伝導
性物質を含有する高分子膜の表面に放電処理を施されて
なる膜−電極接合体用高分子膜を、互いに離隔する1対
の触媒担持ガス拡散電極の間に設置し、ガス拡散電極の
触媒面側と接合されてなることを特徴とする請求項4記
載の膜−電極接合体。 - 【請求項6】前記高分子膜が、ポリイミドからなる請求
項4又は5記載の膜−電極接合体。 - 【請求項7】前記高分子膜が、ポリフェニレンサルファ
イドからなる請求項4又は5記載の膜−電極接合体。 - 【請求項8】請求項4〜7のいずれかに記載の膜−電極
接合体を使用した固体高分子型燃料電池。
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