JP2000090945A - 固体高分子電解質膜及びその製造方法及び固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質膜及びその製造方法及び固体高分子電解質型燃料電池

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JP2000090945A
JP2000090945A JP10257402A JP25740298A JP2000090945A JP 2000090945 A JP2000090945 A JP 2000090945A JP 10257402 A JP10257402 A JP 10257402A JP 25740298 A JP25740298 A JP 25740298A JP 2000090945 A JP2000090945 A JP 2000090945A
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Japan
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polymer electrolyte
solid polymer
sulfonic acid
electrolyte membrane
acid group
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JP10257402A
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Mitsuaki Kato
充明 加藤
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Aisin Seiki Co Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が大きく、化学的に安定でガス透
過率が低い固体高分子電解質膜及び耐久性に優れ、且つ
電池出力の大きな固体高分子電解質型燃料電池を低コス
トで提供する。 【解決手段】 スルホン酸基を有する固体高分子電解質
膜において、その組成中に硫黄元素を含む架橋を有する
ことを特徴とする固体高分子電解質膜及び前記スルホン
酸基同士を反応させて、又は前記スルホン酸基を導入す
る工程で同時に、その組成中に硫黄元素を含む架橋を形
成することを特徴とする前記固体高分子電解質膜の製造
方法及び前記固体高分子電解質膜と触媒を有する電極の
接合体をセパレータで挟持したことを特徴とする固体高
分子電解質型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体高分子電解質膜
及びその製造方法及び固体高分子電解質型燃料電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、一般的に多数のセルが積層
されており、該セルは、二つの電極(燃料極と空気極)
で電解質を挟んだ構造をしている。
【0003】前記燃料極では水素ガスが触媒に接触する
ことにより下記の反応が生ずる。
【0004】2H → 4H +4eは、電解質中を移動し空気極触媒に達し空気中の酸
素と反応して水となる。
【0005】4H +4e +O → 2HO 上記の反応により水素と酸素を使用して電気分解の逆反
応で発電し、水以外の排出物がなくクリーンな発電装置
として注目されている。
【0006】大気の汚染をできる限り減らすために自動
車の排ガス対策が重要になっており、その対策の一つと
して電気自動車が使用されているが、充電設備や走行距
離などの問題で普及に至っていない。燃料電池を使用し
た自動車が最も将来性のあるクリーンな自動車であると
見られている。
【0007】前記燃料電池の中でも固体高分子電解質型
燃料電池が低温で作動するため自動車用として最も有望
である。該固体高分子電解質型燃料電池の電解質は固体
高分子電解質膜である。
【0008】前記燃料電池が広く普及するために、燃料
電池の主要構成部品である固体高分子電解質膜の機械的
強度の向上と化学的安定性の向上による耐久性の向上と
出力性能の向上及びコストの低下が必要である。
【0009】前記固体高分子電解質膜は、イオン交換基
としてスルホン酸基が導入されている。一般的に、スル
ホン酸基導入するにはスルホン化剤(例えばクロルスル
ホン酸)を、導入しようとする重合体(例えばポリスチ
レン)に対し、式(1)、式(2)のように生成した水
によってクロルスルホン酸が更に消費されることから、
繰り返し単位であるスチレンの全ての芳香環にスルホン
基を導入しようとした時にはスチレンの2モル倍のクロ
ルスルホン酸が必要になるが、実際には空気中などの水
分で消耗されてしまうので、数モル倍のクロルスルホン
酸を用いて反応を行えば理論的には完全にスルホン化で
きることになる。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】従来技術として、特開平7−50170号
公報には、スチレンスルホン酸を用いてスルホン酸基を
導入したポリオレフィン膜が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術は、スチレンスルホン酸を用いてスルホン酸基を導入
しているので、スルホン化反応の過程がないため、この
反応時に=SO架橋を形成することができない。
【0014】また、スルホン酸基を導入した後の膜への
加熱処理を行っていないために前記膜中での架橋の形成
は起こらないし、電極との接合時に80℃、90秒加熱
されているが、この温度と時間ではほとんど架橋の形成
は起こらない。
【0015】従って、電解質膜中に架橋がないために、
機械的強度や化学的安定性に劣る電解質膜となってしま
う。
【0016】本発明は上記課題を解決したもので、機械
的強度が大きく、化学的に安定でガス透過率が低い固体
高分子電解質膜及び耐久性に優れ、且つ電池出力の大き
な固体高分子電解質型燃料電池を低コストで提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、スルホン酸
基を有する固体高分子電解質膜において、その組成中に
硫黄元素を含む架橋を有することを特徴とする固体高分
子電解質膜である。
【0018】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0019】即ち、架橋により高分子同士が結合される
ので、機械的強度が大きく、化学的に安定でガス透過率
が低い固体高分子電解質膜ができる効果を有する。
【0020】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、スルホン酸基を有する固体高
分子電解質膜がパーフルオロカーボンスルホン酸系樹脂
であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子電解
質膜である。
【0021】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0022】即ち、上記材料を使用することにより、高
性能な固体高分子電解質型燃料電池できるといった効果
を有する。
【0023】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、スルホン酸基を有する固体高
分子電解質膜が炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素
系ビニルモノマーの共重合樹脂にスルホン酸基を導入し
たものであることを特徴とする請求項1記載の固体高分
子電解質膜である。
【0024】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0025】即ち、上記材料を使用することにより、高
性能で低コストの固体高分子電解質型燃料電池ができる
といった効果を有する。
【0026】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技
術的手段と称する。)は、スルホン酸基を有する固体高
分子電解質膜において、前記スルホン酸基を反応させ
て、その組成中に硫黄元素を含む架橋を形成することを
特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法である。
【0027】上記第4の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0028】即ち、既に導入されているスルホン酸基を
利用して架橋を形成するので、簡単な工程で製造でき低
コストで製造することができる効果を有する。
【0029】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技
術的手段と称する。)は、スルホン酸基を有する固体高
分子電解質膜において、スルホニルクロリド基を導入す
る反応時に該スルホニルクロリド基の導入に必要な量よ
り過剰なスルホン化剤を使用して、その組成中に硫黄元
素を含む架橋を形成した後、前記スルホニルクロリド基
をスルホン酸基に変えることを特徴とする固体高分子電
解質膜の製造方法である。
【0030】上記第5の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0031】即ち、スルホニルクロリド基を導入する工
程で同時に架橋を形成することができるので、工程が少
ないといった効果を有する。
【0032】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項6において講じた技術的手段(以下、第6の技
術的手段と称する。)は、前記スルホン酸基同士を反応
させる方法がスルホン酸基を有する固体高分子電解質膜
に熱を加える方法であることを特徴とする請求項4記載
の固体高分子電解質膜の製造方法である。
【0033】上記第6の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0034】即ち、加熱するだけです架橋を形成するこ
とができるので、スルホン化剤が少なくてすむので、低
コストで製造できる効果を有する。
【0035】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項7において講じた技術的手段(以下、第7の技
術的手段と称する。)は、スルホン酸基を導入する反応
時に使用するスルホン化剤がクロルスルホン酸またはフ
ルオロスルホン酸であることを特徴とする請求項5記載
の固体高分子電解質膜の製造方法である。
【0036】上記第7の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0037】即ち、上記材料を使用することにより、ス
ルホン化及び架橋が効率的に製造できる効果を有する。
【0038】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項8において講じた技術的手段(以下、第8の技
術的手段と称する。)は、スルホン酸基を有し、その組
成中に硫黄元素を含む架橋を有する固体高分子電解質膜
と触媒を有する電極の接合体をセパレータで挟持したこ
とを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池である。
【0039】上記第8の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0040】即ち、機械的強度が大きく、化学的に安定
でガス透過率が低い固体高分子電解質膜を使用している
ので、耐久性に優れ、且つ電池出力の大きな固体高分子
電解質型燃料電池ができる効果を有する。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0042】本発明の固体高分子電解質膜は、その組成
中に硫黄元素を含む架橋を有するものであり、スルホン
酸基を導入後に熱を加えることにより架橋を形成した
り、スルホン酸基を導入する反応時に過剰のスルホン化
剤であるクロルスルホン酸を使用することにより架橋を
形成することを特徴とするものである。
【0043】例えば、ポリスチレンスルホン酸に熱を加
えると、スルホン酸基の一部が式(3)、式(4)のよ
うに反応し、−SO−、−SO−O−、−SO
O−SO−架橋がポリスチレンのベンゼン環間で形成
される。
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】もう一つの方法として、例えばポリスチレ
ンにスルホン酸基を導入する反応時に、ポリスチレンに
対して過剰のスルホン化剤であるクロルスルホン酸を使
用することにより式(5)のように=SOの架橋が一
部に導入されたポリスチレンスルホン酸を製造すること
ができる。
【0047】
【化5】
【0048】スルホン酸基を有する重合体としてポリス
チレンを例に挙げたが、その他としてABS樹脂、SB
樹脂、AS樹脂、AES樹脂、スチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリアリレート、芳香族ポリスルホン、芳香
族ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、
芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポ
リイミド、芳香族ポリエーテル、芳香族ポリエーテルケ
トン、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンズ
イミダゾール等の芳香族環を持つ重合体が挙げられる。
【0049】スルホン酸基を有する重合体中にどれだけ
の架橋量が必要かは、その重合体の処理前の物性値(機
械的強度、含水率等)によって異なるので特に制限する
ものではないが、必要以上に架橋量を増やすと、できた
膜はかえって脆いものとなってしまい、且つ含水率が下
がりすぎて電池性能が低下してしまう。
【0050】架橋を形成するための熱処理条件は、温度
は100〜400℃、好ましくは150〜300℃であ
り、時間は反応温度によって異なるが10秒〜100時
間、好ましくは1分〜1時間であり、処理雰囲気は空気
中、窒素中、不活性ガス中、真空中等であるが特に制限
しない。
【0051】スルホン化反応時に架橋を形成する時の条
件は以下の通りである。
【0052】スルホン化剤はクロルスルホン酸またはフ
ルオロスルホン酸、好ましくはクロルスルホン酸であ
る。
【0053】溶媒はクロロホルム、1,2−ジクロロエ
タン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−ト
リクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレンなどの有機塩素系溶媒
がよく、中でも重合体をより大きく膨潤させる溶媒がよ
り好ましい。スルホン化剤と反応せずに重合体を膨潤さ
せる溶媒であればその他のものでもよい。または溶媒を
用いずにスルホン化剤のみでもよい。
【0054】溶媒によるスルホン化剤の希釈濃度は1
(希釈せずそのまま)〜200倍希釈、好ましくは1〜
100倍希釈であり、重合体の繰り返し単位、例えばポ
リスチレンの場合は−CHCH(C)−に対す
るスルホン化剤の濃度は10〜200モル倍、好ましく
は20〜100モル倍である。
【0055】但し、重合体の繰り返し単位中にスルホン
基が導入可能な複数個の芳香環を有する場合には上記モ
ル倍を前記重合体の繰り返し単位中の芳香環の個数倍す
る。
【0056】反応温度は0〜100℃、好ましくは20
〜80℃であり、反応時間は10分〜10時間、好まし
くは30分〜5時間であり、雰囲気は空気中、窒素中、
不活性ガス中、真空中等であるが特に制限しないが、ス
ルホン化剤は水と反応するため溶媒中は勿論のこと、雰
囲気中にも水分のないことが好ましい。
【0057】(実施例1)エチレン−四フッ化エチレン
共重合体フィルム(膜厚50μm)に20kGyの線量
のγ線を窒素中、常温下で照射した後、前記フィルムを
スチレンモノマ中に60℃で3時間浸すことにより、エ
チレン−四フッ化エチレン共重合体にスチレン鎖をグラ
フトした。
【0058】前記フィルムを乾燥後、クロルスルホン酸
30容積部と1,2−ジクロロエタン100容積部の混
合液中に、グラフトスチレンに対するクロルスルホン酸
の濃度が35モル倍になるようにし、50℃、1時間浸
した。
【0059】乾前記フィルムを乾燥後、90℃のイオン
交換水中に1時間浸漬し、更に90℃の新しいイオン交
換水で2時間洗浄し、固体高分子電解質膜を得た。
【0060】前記固体高分子電解質膜の評価は、イオン
交換容量、80℃での含水率、乾燥時の引張破断強度、
80℃の含水状態での水素及び酸素のガス透過率で行っ
た。また、スルホン化反応前後の膜重量の増加量とイオ
ン交換容量とから架橋度を算出した。更に、化学的安定
性を評価するために、80℃の5重量%過酸化水素水中
に10時間浸漬後の重量減少率を測定した。
【0061】市販のカーボンペーパにテフロンディスパ
ージョンを塗布した後、焼成して撥水化処理を行い、こ
の片面上に市販の白金担持カーボン(白金重量40%)
と市販ナフィオン溶液とイソプロパノールの混合物を白
金量として0.35mg/cmとなるように塗布して
ガス拡散電極を作製した。
【0062】前記ガス拡散電極を正極及び負極として固
体高分子電解質膜を挟持しホットプレスを用いて120
℃、80kgf/cmの圧力で60秒間で接合して前
記固体高分子電解質膜と電極の接合体を作製した。
【0063】前記接合体をガス通流溝を有するセパレー
タで挟持して固体高分子電解質型燃料電池を作製した。
【0064】前記固体高分子電解質型燃料電池の評価
は、水素圧力2.5気圧(利用率80%)、空気圧力2.
5気圧(利用率40%)、電池温度80℃においてV−
I特性を測定して行った。
【0065】(実施例2)エチレン−四フッ化エチレン
共重合体フィルム(膜厚50μm)に20kGyの線量
のγ線を窒素中、常温下で照射した後、前記フィルムを
スチレンモノマ中に60℃で3時間浸すことにより、エ
チレン−四フッ化エチレン共重合体にスチレン鎖をグラ
フトした。
【0066】前記フィルムを乾燥後、クロルスルホン酸
1容積部と1,2−ジクロロエタン100容積部の混合
液中に、グラフトスチレンに対するクロルスルホン酸の
濃度が5モル倍になるようにし、50℃、1時間浸し
た。
【0067】前記フィルムを乾燥後、90℃のイオン交
換水中に1時間浸漬し、更に90℃の新しいイオン交換
水で2時間洗浄し、固体高分子電解質膜を得た。該固体
高分子電解質膜を220℃、30分、空気中で架橋形成
のための熱処理を行った。
【0068】前記固体高分子電解質膜を用いて実施例1
と同様にして固体高分子電解質型燃料電池を作製した。
【0069】前記固体高分子電解質膜及び前記固体高分
子電解質型燃料電池の評価は実施例1と同じ方法で行っ
た。
【0070】(比較例)実施例2同様の製造工程で固体
高分子電解質膜を作製したが、220℃での熱処理を行
わなかった。
【0071】前記固体高分子電解質膜を用いて実施例1
と同様にして固体高分子電解質型燃料電池を作製した。
【0072】前記固体高分子電解質膜及び前記固体高分
子電解質型燃料電池の評価は実施例1と同じ方法で行っ
た。
【0073】(評価結果)表1に実施例1、実施例2及
び比較例の評価結果を示す。
【0074】架橋度が比較例ではほとんどないのに実施
例1、2では大きく、実施例1、2では架橋されている
ことがわかる。これにより引張破断強度が大きく、水素
及び酸素のガス透過率が低くなっている。
【0075】また、比較例では過酸化水素浸漬後の重量
減少率が非常に大きく、その値はグラフトスチレンスル
ホン酸のほとんどが溶出したことを示しており、電解質
としての機能を失っている。一方、実施例1、2ではほ
とんど重量減少がなかった。本発明の固体高分子電解質
膜が化学的に安定であることを証明している。
【0076】実施例1、2で使用した固体高分子電解質
膜のイオン交換容量は比較例より低くなっているが、水
素及び酸素のガス透過率が低いため実施例1、2の電池
出力電圧は、比較例より高くなっている。
【0077】
【表1】
【0078】以上のように、固体高分子電解質膜中に架
橋を形成することは機械的強度を増加させ、前記固体高
分子電解質膜を固体高分子電解質型燃料電池に組み付け
た時に前記固体高分子電解質膜のガスシール部で破損す
ることが防ぐことができる。
【0079】また、固体高分子電解質膜中に架橋を形成
することはガス透過率を低くしケミカルショートを低減
させ、且つ局所電池の発生や触媒の活性反応サイトの低
減を抑えるので、前記固体高分子電解質膜を組み付けた
固体高分子電解質型燃料電池の電池出力を大きくする。
【0080】更に、固体高分子電解質膜中に架橋を形成
することは化学的安定性を増加させることができ、前記
固体高分子電解質膜を組み付けた固体高分子電解質型燃
料電池の耐久性を向上させることができる。
【0081】前記固体高分子電解質型燃料電池の前記固
体高分子電解質膜と電極の接合体を製造する工程は熱を
加えて行うことから、前記工程で架橋形成を同時に実施
できることやスルホン化反応の工程で架橋形成できるた
め、架橋形成のための専用工程を必要としないので低コ
ストの固体高分子電解質膜及び固体高分子電解質型燃料
電池が得られる。
【0082】
【発明の効果】以上のように、本発明は、スルホン酸基
を有する固体高分子電解質膜において、その組成中に硫
黄元素を含む架橋を有することを特徴とする固体高分子
電解質膜及びその製造方法及び固体高分子電解質型燃料
電池であるので、機械的強度が大きく、化学的に安定で
ガス透過率が低く低コストな固体高分子電解質膜及び耐
久性に優れ、且つ電池出力の大きい低コストな固体高分
子電解質型燃料電池ができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基を有する固体高分子電解質
    膜において、その組成中に硫黄元素を含む架橋を有する
    ことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 【請求項2】 スルホン酸基を有する固体高分子電解質
    膜がパーフルオロカーボンスルホン酸系樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の固体高分子電解質膜。
  3. 【請求項3】 スルホン酸基を有する固体高分子電解質
    膜が炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモ
    ノマーの共重合樹脂にスルホン酸基を導入したものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の固体高分子電解質
    膜。
  4. 【請求項4】 スルホン酸基を有する固体高分子電解質
    膜において、前記スルホン酸基を反応させて、その組成
    中に硫黄元素を含む架橋を形成することを特徴とする固
    体高分子電解質膜の製造方法
  5. 【請求項5】 スルホン酸基を有する固体高分子電解質
    膜において、スルホニルクロリド基を導入する反応時に
    該スルホニルクロリド基の導入に必要な量より過剰なス
    ルホン化剤を使用して、その組成中に硫黄元素を含む架
    橋を形成した後、前記スルホニルクロリド基をスルホン
    酸基に変えることを特徴とする固体高分子電解質膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記スルホン酸基同士を反応させる方法
    がスルホン酸基を有する固体高分子電解質膜に熱を加え
    る方法であることを特徴とする請求項4記載の固体高分
    子電解質膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 スルホン酸基を導入する反応時に使用す
    るスルホン化剤がクロルスルホン酸またはフルオロスル
    ホン酸であることを特徴とする請求項5記載の固体高分
    子電解質膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 スルホン酸基を有し、その組成中に硫黄
    元素を含む架橋を有する固体高分子電解質膜と触媒を有
    する電極の接合体をセパレータで挟持したことを特徴と
    する固体高分子電解質型燃料電池。
JP10257402A 1998-09-11 1998-09-11 固体高分子電解質膜及びその製造方法及び固体高分子電解質型燃料電池 Withdrawn JP2000090945A (ja)

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