JP2003036864A - 固体高分子電解質膜および燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質膜および燃料電池

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JP2003036864A
JP2003036864A JP2001223405A JP2001223405A JP2003036864A JP 2003036864 A JP2003036864 A JP 2003036864A JP 2001223405 A JP2001223405 A JP 2001223405A JP 2001223405 A JP2001223405 A JP 2001223405A JP 2003036864 A JP2003036864 A JP 2003036864A
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solid polymer
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electrolyte membrane
hydrocarbon
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Koji Kamiyama
浩司 上山
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Aisin Seiki Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化劣化を防止した耐久性に優れた固体高分
子電解質膜および耐久性に優れた燃料電池を提供する。 【解決手段】 炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素
系ビニルモノマーとの共重合体で形成された主鎖とスル
ホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成されている
固体高分子電解質膜において、前記炭化水素系側鎖にα
メチルスチレン基が含有されていることを特徴とする固
体高分子電解質膜および該固体高分子電解質膜を電極で
挟持した固体高分子電解質膜と電極の接合体をセパレー
タで挟持したことを特徴とする燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体高分子電解質膜
および燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、一般的に多数のセルが積層
されており、このセルは、二つの電極(燃料極と酸化剤
極)で電解質を挟んだ構造をしている。
【0003】燃料極では水素ガスが触媒に接触すること
により下記の反応が生ずる。
【0004】2H → 4H +4eは、電解質中を移動し酸化剤極触媒に達し酸素と反
応して水となる。
【0005】 4H +4e +O → 2HO 上記の反応により水素と酸素を使用して電気化学反応で
発電し、水以外の排出物がなくクリーンな発電装置とし
て注目されている。
【0006】大気の汚染をできる限り減らすために自動
車の排ガス対策が重要になっており、その対策の一つと
して電気自動車が使用されているが、充電設備や走行距
離などの問題で普及に至っていない。燃料電池を使用し
た自動車が最も将来性のあるクリーンな自動車であると
見られている。
【0007】燃料電池の中でも固体高分子電解質型燃料
電池が低温作動性や小型で高出力密度であることから自
動車用として最も有望である。固体高分子電解質型燃料
電池の電解質は固体高分子電解質膜である。
【0008】一般には燃料電池用固体高分子電解質膜と
してスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体
膜(商品名;ナフィオン、アシプレックス等)が用いら
れ、良好な発電性能と耐久性が確認されている。しか
し、実用化のためにはコストの低減およびさらに水素イ
オン伝導性を高くした電解質膜が期待されている。これ
に該当するものとして炭化水素系電解質膜がある。
【0009】従来技術1として、特表平8―50357
4には、放射線を照射した基材テトラフルオロエチレン
とヘキサフルオロポリプロピレンの共重合体膜にスチレ
ンモノマーをグラフト重合した後、スチレンをスルホン
化した炭化水素系の固体高分子電解質膜が開示されてい
る。
【0010】従来技術2として、特開平6―49252
には、放射線を照射した基材のポリプロピレン繊維の不
織布にスチレンスルホン酸ナトリウムモノマーをグラフ
ト重合した炭化水素系の固体高分子電解質複合体が開示
されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1や従来技術2では、基材の膜および不織布には酸化
劣化防止のために酸化防止剤が含まれているが、グラフ
ト重合したスチレンおよびスチレンスルホン酸ナトリウ
ムにはこのような酸化防止剤は含まれていなため、この
部分が酸化劣化し、グラフト重合したスチレンおよびス
チレンスルホン酸ナトリウムが膜から脱落する問題があ
った。
【0012】本発明はこの問題点を解決したもので、酸
化劣化を防止した耐久性に優れた固体高分子電解質膜お
よび耐久性に優れた燃料電池を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、炭化フッ素
系ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重
合体で形成された主鎖とスルホン酸基を有する炭化水素
系側鎖とから構成されている固体高分子電解質膜におい
て、前記炭化水素系側鎖にαメチルスチレン基が含有さ
れていることを特徴とする固体高分子電解質膜である。
【0014】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0015】すなわち、炭化水素系側鎖に含有されるα
メチルスチレン基は、ベンゼン環のα位にメチル基が付
いているため、ベンゼン環のα位にラジカルが生成する
ことを防止できるため、固体高分子電解質膜が酸化劣化
することを防止でき、耐久性に優れた固体高分子電解質
膜ができる。
【0016】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記炭化水素系側鎖に電子吸
引性を有する官能基が含有されていることを特徴とする
請求項1記載の固体高分子電解質膜である。
【0017】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0018】すなわち、電子吸引性を有する官能基を同
時に含有させることにより、αメチルスチレン基の炭素
ラジカルの電子雲密度を下げることができるので、炭素
ラジカルの安定度を減少させることができ、グラフト重
合反応速度を向上できる。
【0019】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記電子吸引性を有する官能
基がアクリロニトリル基、メタクリロニトリル基、メタ
クリル酸エステル基の少なくとも一つであることを特徴
とする請求項2記載の固体高分子電解質膜である。
【0020】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0021】すなわち、アクリロニトリル基、メタクリ
ロニトリル基、メタクリル酸エステル基はシアノ基また
はカルボニル基を持っているので、シアノ基またはカル
ボニル基の酸素または窒素が炭素に比べて電気陰性度が
大きく、電気吸引性を有する官能基として作用する効果
を有する。アクリロニトリル基、メタクリロニトリル
基、メタクリル酸エステル基は、グラフト重合反応にお
いて成長ラジカルがδ+であるので、δ−のビニル基を
有するαメチルスチレンと引き合いグラフト重合反応速
度を向上させる効果を有する。
【0022】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技
術的手段と称する。)は、前記炭化フッ素系ビニルモノ
マーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重合体が
【化2】 (R:フッ素原子または炭素数1〜3のフルオロアル
キル基、R:水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基、m:正の整数、n:正の整数)であることを特徴と
する請求項1記載の固体高分子電解質膜である。
【0023】上記第4の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0024】すなわち、R、Rの炭素数が小さいの
で、膜状にしやすく安価な共重合体を提供でき、安価な
固体高分子電解質膜が提供できる。特に、Rがフッ素
原子、Rが水素原子であるエチレンー四フッ化エチレ
ン共重合体が最も望ましい。
【0025】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技
術的手段と称する。)は、請求項1〜4のいずれかに記
載の固体高分子電解質膜を電極で挟持した固体高分子電
解質膜と電極の接合体をセパレータで挟持したことを特
徴とする燃料電池である。
【0026】上記第5の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0027】すなわち、耐久性に優れた固体高分子電解
質膜を用いているので、耐久性に優れた燃料電池ができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明者は、スチレンモノマーや
スチレンスルホン酸ナトリウムモノマーを共重合した固
体高分子電解質膜が酸化劣化するメカニズムを詳細に研
究し、炭化水素系側鎖にαメチルスチレン基を含有させ
ることにより固体高分子電解質膜の酸化劣化を防止でき
ることを解明した。以下、詳細に説明する。
【0029】説明を簡単にするため、炭化フッ素系ビニ
ルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重合体と
してエチレンー四フッ化エチレン共重合体を用いて説明
する。エチレンー四フッ化エチレン共重合体は化学式
(1)で表される。
【0030】
【化3】 (n、mは正の整数である。) このエチレンー四フッ化エチレン共重合体の主鎖に真空
または不活性ガス雰囲気下でγ線や電子線などの放射線
を照射するとエチレン基の一部にラジカルが生成する。
それを化学式(2)で表した。
【0031】
【化4】 (n、mは正の整数である。) 以下の説明では、ラジカルが生成した主鎖の化学式
(2)を化学式(3)で表す。
【0032】
【化5】 反応式(4)は熱および活性酸素によって炭化水素系側
鎖にパーオキシラジカルが生成する反応である。
【0033】
【化6】 一番左辺は主鎖にスルホン酸基を有する炭化水素系側鎖
が付いている固体高分子電解質膜の構造を表している。
ここでは炭化水素系側鎖を形成するグラフト材料として
スチレンモノマーを用いたもので表している。なお活性
酸素とは、ヒドロキシラジカル、パーオキシラジカル、
アルコキシラジカル、過酸化水素等を示す。
【0034】固体高分子電解質膜に熱または活性酸素が
加わるとスチレン基のベンゼン環のα位にラジカルが生
成し、反応式(4)の中間の構造となる。このラジカル
は空気中の酸素により反応式(4)の一番右辺のパーオ
キシラジカルに変化する。以下このパーオキシラジカル
をROO・で表して説明する。このROO・は反応式
(5)〜(8)の連鎖成長反応を起こし、R・およびR
O・が増殖する。
【0035】 ROO・ + RH → ROOH + R・ ・・・(5) ROOH → RO・ + ・OH ・・・(6) ・OH + RH → R・ + HO ・・・(7) R・ + O → ROO・ ・・・(8) この連鎖成長反応で生成した(アルコキシラジカル)R
O・は、反応式(9)に示す反応により炭化水素系側鎖
を切断する。この結果、固体高分子電解質膜が劣化す
る。
【0036】
【化7】 以上、解明した固体高分子電解質膜の酸化劣化メカニズ
ムより、本発明者はベンゼン環のα位にラジカルが生成
しない構造にすれば酸化劣化を防止できるという本発明
の技術的思想に到達した。すなわち、ベンゼン環のα位
の水素をアルキル基にすれば、熱または活性酸素が加わ
ってもラジカルが発生しないため、固体高分子電解質膜
が劣化するのを防止することができる。
【0037】アルキル基は良く知られているように一般
式C2n+1(nは正の整数)で表される。ベンゼ
ン環のα位に付けるアルキル基は、どのアルキル基でも
よいが、nが大きくなると共重合反応が妨害される問題
が生ずる。このためnは1〜3が望ましく、特にnが1
であるメタン基がベンゼン環のα位に付いたαメチルス
チレン基が最も望ましい。
【0038】膜状のエチレンー四フッ化エチレン共重合
体に放射線を照射すると化学式(2)のようにエチレン
基の一部にラジカルが生成する。これにαメチルスチレ
ンモノマーを用いてグラフト反応をさせると、連鎖反応
によりαメチルスチレン基が共重合する。
【0039】しかし、αメチルスチレンのα位炭素はメ
チル基、メチレン基およびベンゼン環が結合した構造を
している。このα位炭素がラジカル化して共重合が進行
するのであるが、このラジカルはいわゆる3級炭素ラジ
カルであり、ラジカルとしての安定度が大きく、共重合
反応が進行が遅くなる問題がある。また、α位炭素に大
きな置換基が結合している構造のため、立体障害により
共重合反応が進行が遅くなる問題がある。
【0040】本発明者は、この問題を解決するために、
αメチルスチレン基とともに炭化水素系側鎖に電子吸引
性を有する官能基を含有させた。すなわち、4級炭素ラ
ジカルは電子雲密度が高く、電子供与性を有するためラ
ジカルの安定度が大きくなっている。そこで電子吸引性
を有する官能基を同時に反応させることによって、炭素
ラジカルの安定度を減少させた。この結果、立体障害も
克服して共重合反応の速度を向上できることが判明し
た。
【0041】電子吸引性を有する官能基として、アクリ
ロニトリル基、メタクリロニトリル基、メタクリル酸エ
ステル基、塩化ビニル基などがあるが、アクリロニトリ
ル基、メタクリロニトリル基、メタクリル酸エステル基
が望ましい。アクリロニトリル基、メタクリロニトリル
基、メタクリル酸エステル基は、シアノ基またはカルボ
ニル基を持っているので、シアノ基またはカルボニル基
の酸素または窒素が炭素に比べて電気陰性度が大きく、
電気吸引性を有する官能基として作用する。
【0042】アクリロニトリル基、メタクリロニトリル
基、メタクリル酸エステル基のいずれか一つとαメチル
スチレン基からなる炭化水素系側鎖は化学式(10)で
示した。
【0043】
【化8】 (R:CNまたはCOOR、R:水素原子または
メチル基、R:炭素数1〜6までのアルキル基、s:
正の整数、t:正の整数) アクリロニトリル基またはメタクリロニトリル基または
メタクリル酸エステル基が炭化水素系側鎖の1重量部よ
り少ないとグラフト重合反応が不十分であり、また75
重量部より多いと水素イオン導電性の良好な電解質膜が
得られない。好ましくは炭化水素系側鎖100部に対
し、アクリロニトリル基またはメタクリロニトリル基ま
たはメタクリル酸エステル基が25〜50重量部である
ものが良い。なお、ここではアクリロニトリル基、メタ
クリロニトリル基、メタクリル酸エステル基のいずれか
一つを用いることで説明したが、必要に応じて組み合わ
せてもよい。
【0044】以下、本発明の実施例について説明する。
以下の実施例、比較例では固体高分子電解質膜の原料と
して、炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニル
モノマーとの共重合体であるエチレンー四フッ化エチレ
ン共重合体のフィルムを使用している。フィルムの厚さ
は50μmである。このエチレンー四フッ化エチレン共
重合体が製造された固体高分子電解質膜の炭化フッ素系
ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重合
体で形成された主鎖となる。
【0045】(実施例)エチレンー四フッ化エチレン共
重合体のフィルムをアセトンで洗浄した後、放射線源と
してコバルト60を用いて20KGyのガンマ線を照射
した。得られたフィルム10cmをガラス反応管に入
れた後、αメチルスチレンモノマー70gに対してアク
リロニトリル30g添加したグラフト反応液を反応管に
加え、反応管の内部を充分に窒素で置換した。
【0046】その後、かかる反応管を70℃の恒温槽に
8時間浸漬した。反応後のフィルムをベンゼンで3回洗
浄した後、乾燥機を用いて乾燥させた。乾燥後のフィル
ムをクロロスルホン酸30部(重量部、以下同様)と
1、1、2、2−テトラクロロエタン70部の混合液に
60℃、90分間浸漬させた後、1、1、2、2−テト
ラクロロエタンで洗浄した。さらにイオン交換水でフィ
ルムを洗浄し、2Nの水酸化カリウム水溶液に90℃で
30分間浸漬させ、その後1Nの硫酸溶液に90℃で3
0分間浸漬させ、イオン交換水で充分に洗浄して固体高
分子電解質膜を得た。
【0047】得られた固体高分子電解質膜の耐久性評価
は、固体高分子電解質膜を2価の鉄イオンを含む90℃
の3%過酸化水素水に固体高分子電解質膜を浸漬し、浸
漬時間と固体高分子電解質膜の重量保持率の関係を測定
することで行なった。過酸化水素濃度3%は燃料電池内
で生ずる熱や活性酸素による影響より極めて高濃度であ
り、かつ2価の鉄イオンが存在することにより過酸化水
素から活性の高いヒドロキシラジカルイオンを生成する
ので、上記の耐久性評価は極度の加速試験となってい
る。
【0048】重量保持率は、過酸化水素水浸漬前の固体
高分子電解質膜の乾燥重量を初期重量とし、過酸化水素
水浸漬後の固体高分子電解質膜を100℃、20分間乾
燥した後の重量を測定し、この重量の初期重量に対する
比を計算して求めた。
【0049】(比較例)グラフト反応に添加するαメチ
ルスチレン、アクリロニトリルをスチレンに変えた以外
は、実施例1と同じ方法で固体高分子電解質膜を得た。
すなわち本比較例1のグラフト反応液は、スチレン10
0gにしたものである。得られた固体高分子電解質膜の
耐久性評価は、実施例1と同じ方法で行なった。
【0050】(耐久性評価結果)図1は実施例および比
較例の耐久性評価結果を示すグラフ図である。100は
実施例の浸漬時間−重量保持率曲線であり、200は比
較例の浸漬時間−重量保持率曲線である。炭化水素系側
鎖がスチレン基である比較例の重量保持率は浸漬時間1
5分で約60%に低下する。これは反応式(9)により
主鎖から切断・分離された側鎖が過酸化水素水中に流れ
出るためである。
【0051】比較例に対して、炭化水素系側鎖がαメチ
ルスチレン基、アクリロニトリル基で構成された実施例
の重量変化率は浸漬時間15分で約98%であり、ほと
んど変化が見られなかった。この結果から実施例の固体
高分子電解質膜は比較例に比べ耐久性に優れていること
がわかる。
【0052】図2は固体高分子電解質型燃料電池の単セ
ルの断面図である。1は膜電極接合体で、固体高分子電
解質膜2を燃料極3aと酸化剤極3bで挟持されて構成
されている。この膜電極接合体1はセパレータ4aと4
bにより挟持されている。セパレータ4aには燃料極3
aに燃料ガスを供給するための燃料ガス通流溝5aが設
けられている。セパレータ4bには酸化剤極3bに酸化
剤ガスを供給するための酸化剤ガス通流溝5bが設けら
れている。6はシール材として設けられたOリングであ
る。ここでは燃料電池の単セルを示したが、一般的な燃
料電池は単セルが多数積層されて構成されている。
【0053】燃料ガス通流溝5aには図示しない燃料ガ
ス供給口から水素を主成分とする燃料ガスが供給され、
酸化剤ガス通流溝5bには図示しない酸化剤ガス供給口
から酸素を含む酸化剤ガスが供給される。従来の技術で
説明した電気化学反応により発電する。酸化剤極の電気
化学反応において活性酸素である過酸化水素が生成す
る。これが従来技術の固体高分子電解質膜が酸化劣化の
大きな要因であるが、本発明の固体高分子電解質膜を使
用した場合、固体高分子電解質膜の酸化劣化を防止でき
るので、耐久性に優れた燃料電池となる。
【0054】なお、本実施例では炭化フッ素系ビニルモ
ノマーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重合体で形成
された主鎖としてエチレンー四フッ化エチレン共重合体
で形成された主鎖を用いているが、特にこれに限定され
ず他の炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニル
モノマーとの共重合体でも同様な効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明は、炭化フッ素系
ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重合
体で形成された主鎖とスルホン酸基を有する炭化水素系
側鎖とから構成されている固体高分子電解質膜におい
て、前記炭化水素系側鎖にαメチルスチレン基が含有さ
れていることを特徴とする固体高分子電解質膜および該
固体高分子電解質膜を電極で挟持した固体高分子電解質
膜と電極の接合体をセパレータで挟持したことを特徴と
する燃料電池であるので、酸化劣化を防止した耐久性に
優れた固体高分子電解質膜および耐久性に優れた燃料電
池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例の耐久性評価結果を示すグ
ラフ図
【図2】固体高分子電解質型燃料電池の単セルの断面図
【符号の説明】
100…実施例の浸漬時間−重量保持率曲線 200…比較例の浸漬時間−重量保持率曲線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素
    系ビニルモノマーとの共重合体で形成された主鎖とスル
    ホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成されている
    固体高分子電解質膜において、前記炭化水素系側鎖にα
    メチルスチレン基が含有されていることを特徴とする固
    体高分子電解質膜。
  2. 【請求項2】 前記炭化水素系側鎖に電子吸引性を有す
    る官能基が含有されていることを特徴とする請求項1記
    載の固体高分子電解質膜。
  3. 【請求項3】 前記電子吸引性を有する官能基がアクリ
    ロニトリル基、メタクリロニトリル基、メタクリル酸エ
    ステル基の少なくとも一つであることを特徴とする請求
    項2記載の固体高分子電解質膜。
  4. 【請求項4】 前記炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化
    水素系ビニルモノマーとの共重合体が 【化1】 (R:フッ素原子または炭素数1〜3のフルオロアル
    キル基、R:水素原子または炭素数1〜3のアルキル
    基、m:正の整数、n:正の整数)であることを特徴と
    する請求項1記載の固体高分子電解質膜。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高
    分子電解質膜を電極で挟持した固体高分子電解質膜と電
    極の接合体をセパレータで挟持したことを特徴とする燃
    料電池。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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