JP2002236347A - フィルムクリーナ - Google Patents

フィルムクリーナ

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JP2002236347A
JP2002236347A JP2001034146A JP2001034146A JP2002236347A JP 2002236347 A JP2002236347 A JP 2002236347A JP 2001034146 A JP2001034146 A JP 2001034146A JP 2001034146 A JP2001034146 A JP 2001034146A JP 2002236347 A JP2002236347 A JP 2002236347A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型化することなくフィルムを均一に除電し
ながらフィルムに付着した塵埃を取り除くフィルムクリ
ーナを合理的に構成する。 【解決手段】 本体ケースと揺動アームAとにブラシB
を備え、本体ケースのブラシBを挟む2箇所に、フィル
ム1の幅方向に複数の開口18を穿設し、夫々の開口1
8の内部に電極45を配置し、これらの電極45のうち
隣り合う電極45にプラス電圧とマイナス電圧との高電
圧を印加してイオン化した空気を開口18からフィルム
1に送るよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送経路に送られ
る現像済み写真フィルムに対してイオン化した空気を作
用させる除電手段と、写真フィルムの表裏両面に付着し
た塵埃を接触によって取除くよう搬送経路を挟む位置に
配置した除去体とを備えて成るフィルムクリーナに関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成されたフィルムクリー
ナに関連する技術として特公昭55‐28750号公報
に示されるものが存在し、この従来の技術では、一対の
支持部材を近接配置し、夫々の支持部材の間に2本のベ
ルト状のふき取り布を備え、夫々の間に写真フィルムを
通過させることにより、ふき取り布によって写真フィル
ムの両面のふき取りを行い、又、送風機と、この送風機
で送られる空気に対してポロニウム源から発するα粒子
を送り空気をイオン化する装置とを備えることにより、
写真フィルムに対してイオン化した空気を供給し、写真
フィルムの静電荷の除去(除電)を行うものとなってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、空気をイオン
化する装置について考えるに、フィルムクリーナに限ら
ず除電を行うための装置は各種製造されている。その一
例として特開平10‐289796号公報に示されるも
のを例に挙げると、この装置は、プラス、マイナス一対
の電極に直流の高電圧を印加する、あるいは、単一の電
極針に交流の高電圧を印加することにより電極針で発生
するイオン化した空気をファンで対象物に吹き付けるよ
う構成されている。
【0004】しかし、ファンを備えてイオン化した空気
を送るものでは、ファンを備える必要性から部品数の増
大、装置の大型化に繋がるばかりでなく、コストも上昇
するものとなり、小型化を必要とするフィルムクリーナ
には採用し難いものである。又、APSフィルム(24
0サイズ)からブローニーフィルム(120・220サ
イズ)まで対応するフィルムクリーナを構成しようとし
た場合には写真フィルムの全幅に亘りできるだけ均一に
除電を行う必要もある。
【0005】本発明の目的は、大型化を伴うことなく写
真フィルムを均一に除電しながら、写真フィルムに付着
した塵埃を良好に取り除くフィルムクリーナを合理的に
構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
フィルムクリーナの特徴、作用・効果は次の通りであ
る。 〔特徴〕搬送経路に送られる現像済み写真フィルムに対
してイオン化した空気を作用させる除電手段と、写真フ
ィルムの表裏両面に付着した塵埃を接触によって取除く
よう搬送経路を挟む位置に配置した除去体とを備えて成
るフィルムクリーナにおいて、前記搬送経路に沿って形
成された壁面に複数の開口を穿設し、前記除電手段は、
この壁面の内側で夫々の開口に臨む位置に配置された高
電圧印加用の針状の電極と、この電極に高電圧を印加す
る高電圧発生回路とを備えて構成されると共に、夫々の
電極の隣合うもの同士を互いに異なる極性に設定してあ
る点にある。
【0007】〔作用・効果〕上記特徴によると、搬送経
路の近接する位置の壁面内に針状の電極を配置してある
ので、電極が露出せず、作業者が電極に誤って触れるこ
とも、電極を写真フィルムに接触させることも無く、写
真フィルムに近い位置で発生させたイオン化された空気
を写真フィルムに作用させることが可能となる。又、複
数の電極夫々を隣合うもの同士を互いに異なる極性に設
定することにより、夫々の電極同士の間に電界を発生さ
せ、どの電極の部位においても偏りを生ずること無く空
気をイオン化させることが可能となる。その結果、空気
を送るファン等を備えないものでありながら、写真フィ
ルムに近い位置からイオン化した空気を作用させて良好
に除電を行うと同時に、写真フィルムに付着した塵埃を
除去体で良好に取り除き得るフィルムクリーナが合理的
に構成された。
【0008】本発明の請求項2に係るフィルムクリーナ
の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1のフィルムクリーナにおいて、前記複
数の電極が、搬送経路に送られる写真フィルムの面と平
行する仮想平面上で写真フィルムが送られる方向と直交
するフィルムの幅方向に整列し、かつ、写真フィルムの
面に直交する方向に突設して構成され、この複数の電極
を前記除去体を基準にして写真フィルムの搬送方向の上
手側位置と下手側位置とに配置してある点にある。
【0009】〔作用・効果〕上記特徴によると、夫々の
電極が写真フィルム幅方向に整列しているので、フィル
ムの幅方向で均一にイオン化した空気を作用させ得るも
のとなる。又、電極の先端が写真フィルムの方向に突設
されているので、つまり、電極の先端が最も写真フィル
ムに近接するよう位置を設定してあるので、この電極の
先端で発生するイオン化した空気を直接的に写真フィル
ムに作用させて除電を行える。しかも、この除電を、除
去体によって塵埃が取り除かれる直前の写真フィルム面
と、除去体によって塵埃が取り除かれた直後の写真フィ
ルム面とに対して行うので、除去体による塵埃の取り除
きを簡単に行え、塵埃が取り除かれた写真フィルム面に
対する塵埃の付着も抑制できる。その結果、広い幅の写
真フィルムであっても良好に除電を行い、付着した塵埃
の取り除きも、塵埃を取り除いたフィルム面に対する塵
埃の付着も抑制するものとなった。
【0010】本発明の請求項3に係るフィルムクリーナ
の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1又は2のフィルムクリーナにおいて、
前記複数の電極の突出側の端部同士を結ぶ仮想直線が前
記壁面を構成する部材と交差しない位置に夫々の電極を
配置してある点にある。
【0011】〔作用・効果〕上記特徴によると、隣り合
う電極の先端同士を最短距離で結ぶ領域にどのような部
材も介在させない空間を確保し、夫々の電極の間に減衰
のない強い電界を作り出して空気をイオン化する。その
結果、印加した電圧に応じただけ空気をイオン化して送
出し除電を行えるものとなった。
【0012】本発明の請求項4に係るフィルムクリーナ
の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1〜3のいずれか1項のフィルムクリー
ナにおいて、前記壁面のうち前記複数の開口が形成され
た外面側の領域を、この壁面の他の外面側の領域より凹
入する窪み状に形成してある点にある。
【0013】〔作用・効果〕上記特徴によると、開口か
ら壁面の外方に送り出されたイオン化した空気を、窪み
状の部位の空間に留めることが可能となるばかりか、夫
々の電極間に生ずる電界を窪み状に形成された部位の空
間に対して強く作用させ、この窪み状の部位で空気をイ
オン化することも可能となる。その結果、この窪み状の
空間で高いイオン密度となるイオン化した空気を写真フ
ィルムに作用させて良好な除電を行えるものとなる。
【0014】本発明の請求項5に係るフィルムクリーナ
の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1〜4のいずれか1項のフィルムクリー
ナにおいて、前記除去体が、多数の繊維を束ねて成るブ
ラシで構成されている点にある。
【0015】〔作用・効果〕上記特徴によると、繊維の
弾性的な変形によって写真フィルムの表面に接触させて
表面に付着した塵埃を拭き取るように除去できる。その
結果、除電との組み合わせにより写真フィルムに付着し
た塵埃を良好に除去できるものとなった。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図2に示すように、本体ケースC
に対して軸芯X周りで揺動開閉自在に揺動アームAを備
えると共に、本体ケースCと揺動アームAとに対し除去
体としてブラシB、Bを備え、本体ケースCに対して除
電手段としてのイオン化システムIS(図6を参照)を
内蔵してフィルムクリーナFCが構成されている。この
フィルムクリーナFCは、図1(イ)、(ロ)に示すよ
うに、写真フィルム1(以下、フィルムと略称する)の
画像情報を取込むスキャナーSのフィルムキャリア2に
フィルム1を送り込む搬送経路Fや、投影露光式のプリ
ンターのフィルムキャリアにフィルム1を送り込む搬送
経路等の部位に配置することにより、イオン化システム
ISでイオン化した空気の作用でフィルム1の除電を行
って塵埃の取り除きを容易化し、かつ、フィルム1への
塵埃の付着を抑制し、又、フィルム1の表裏両面にブラ
シB、Bが接触することにより、該フィルム1に付着し
た塵埃をブラシB、Bが取り除くよう構成されたもので
ある。
【0017】図1(イ)においては、代表的な使用形態
としてスキャナーSを構成するデスク部の縦壁面3に対
して該フィルムクリーナFCを磁力によって吸着させた
形態を示し、この使用形態では、フィルムキャリア2が
フィルム1を引き込む力によって135サイズや240
サイズのフィルム1をフィルムクリーナFCに通過させ
るものとなる。又、120サイズ、220サイズのフィ
ルム1に対応させる場合には、図1(ロ)に示すように
棚状に補助テーブル4を横方向に張り出す形態で取付
け、この補助テーブル4に対してフィルムクリーナFC
を磁力によって吸着力させた状態で使用するものとな
り、このような形態で使用する場合でも、フィルムキャ
リア2がフィルム1を引き込む力によってフィルム1を
フィルムクリーナFCに通過させるものとなる。
【0018】以下に、フィルムクリーナFCの詳細を説
明する。図2〜図7に示すように、本体ケースCは、搬
送経路Fと略平行する姿勢の上壁面11と、一対の側壁
面12、12と、一対の端壁面13、13とを樹脂で一
体形成して成るケース部材10と、イオン化システムI
Sを内蔵する内壁21を一体形成した樹脂製の底壁部材
20とで構成されている。ケース部材10の内部には揺
動アームAを支承するため円弧状に切り欠いて支承部1
4、14が一体形成されると共に、揺動アームAを支持
する側の端壁面13に対して係合孔13Aを形成してあ
り、このケース部材10の上壁面11にブラシBを嵌め
込み支持する溝状部15と、ブラシBの着脱時に指の挿
入を容易にする凹部16が溝状部15の端部に連なる状
態で形成され、溝状部15の底面には保持用マグネット
MC(永久磁石)を備えている。
【0019】溝状部15は、揺動アームAに備えるブラ
シBと対向する位置に形成してあり、図5、図10
(イ)、(ロ)に示すように、保持用マグネットMCは
溝状部15の底部に配置したブラケット5に接着固定さ
れ、このブラケット5の両端部にのネジ孔5Aを形成
し、このネジ孔に螺合するビス6を溝状部15の底部の
貫通孔に挿通してある。又、底壁部材20をケース部材
10に固定した状態でビス6の頭部6Aが軸方向に隙間
無く嵌り込む凹部22を該底壁部材20に形成し、この
凹部に貫通する調節孔22Aを凹部22に連なる状態で
形成してある。又、ビス6のネジ部には樹脂で成る摩擦
膜(図示せず)を被覆してあり、ナット部とビス6との
螺合面において比較的大きい摩擦力を作用させてビス6
の回動操作状態を保持できるよう構成してある。尚、こ
の摩擦膜はナット部のネジ孔の内面に形成することも可
能である。
【0020】このナット部とビス6とで本体ケースCに
対するブラシB(除去体)の姿勢を調節する調節手段が
構成され、保持用マグネットMCにブラシBが吸着する
状態で調節孔22Aにレンチやドライバー等の工具を挿
入して何れか一方のビス6を回転操作することで、保持
用マグネットMCに保持したブラシBの姿勢を調節し
て、揺動アームAに支持したブラシBとの相対姿勢の調
節を行えるものとなり、夫々のビス6、6を等しく回転
操作することにより、ブラシBを平行移動させて揺動ア
ームAに備えたブラシBとの間隔の調節を行えるものと
なっている。特に、ナット部とビス6との螺合面に摩擦
膜を形成してビス6の回転に摩擦力を作用させるので、
ダブルナットの構造や専用のロック機構を備えずとも、
ビス6を回転させる振動が外部から作用する状況が発生
してもビス6が不測に回転してブラシBの姿勢が変化す
ることや、ブラシBが平行移動する不都合を阻止するも
のとなっている。
【0021】図8に示すように、底壁部材20の底面側
には4つの接当ゴム23と、2つの装着用マグネットM
S(永久磁石)とを、ブラシBが配置された側に偏位し
て備えている。又、図5に示すように、内壁21のう
ち、揺動アームAが支持される側に前記係合孔13Aに
係入する係合片24を形成し、この係合片24の近傍部
位には後述する板バネ7の位置を決める押圧片25を突
出してある。装着用マグネットMSをブラシBを備えた
側に変位して備えることにより、このフィルムクリーナ
FCを壁面等に磁力の吸着力で備えた場合には、フィル
ム1から強い張力が作用した場合や、後述するように揺
動アームAを開放方向に操作した場合や、溝状部15か
らブラシBを取出す場合のようにフィルムクリーナFC
を分離する方向に強い力が作用してもフィルムクリーナ
FCの位置を変動させなくするばかりで無く、このフィ
ルムクリーナFCを壁面等から取り外す際に、装着用マ
グネットMSが存在しない側を引く操作で軽く分離させ
得るものとなっている。
【0022】図5、図6に示すように、ケース部材10
の上壁面11は、フィルム1の搬送方向と沿う方向視で
中央部が僅かに凹入する緩やかな湾曲面に形成され、
又、図3に示すように、ケース部材10の側壁面12は
搬送経路Fを送られるフィルム面と直交する方向視で中
央部が僅かに凹入する緩やかな湾曲面に形成されてい
る。そして、ケース部材10にはパイロットランプPL
の点灯状態を確認するためのランプ孔17が穿設されて
いる。このようにフィルム1が通過する部位の近傍の平
面を湾曲面に形成したことにより、フィルム1の搬送時
にはフィルム1の幅方向での端部が本体ケースCに接触
する頻度を高くして画像が形成された部位に対してケー
ス部材10が接触する不都合を回避して画像を傷付けな
いように構成している。
【0023】図4、図7に示すように、前記揺動アーム
Aは、断面形状が「コ」字状となるよう樹脂で成型され
たアーム体30を主たる構成部材として用いると共に、
このアーム体30の揺動基端部には前記支承部14に対
して前記軸芯X周りで回転自在に係合する軸状部31が
一体形成され、この揺動基端部の側の端部には揺動姿勢
を決める3つの係合凹部32が形成されている。又、図
5、図7に示すように、ブラシBを弾性的に抱き込んで
保持する金属製のバネ材で成るチャック部材33を備え
た中間部材34を該アーム体30の内部にビス35で固
定してあり、アーム体30の端縁にはブラシBの着脱時
に指を挿入し得る切り欠き部36が形成されている。更
に、アーム体30の反ブラシ側の外面には3つの樹脂製
のローラ37がアーム体30の長手方向に沿う姿勢の軸
芯Y周りで遊転支承されている。
【0024】図5、図9に示すように、3つの係合凹部
32に係脱する突出部7Aが形成された板バネ7の端部
をケース部材10に係合させた状態で、ケース部材10
と底壁部材20とを重ね合わせて閉じ状態に設定するこ
とにより、底壁部材20に形成した押圧片25で板バネ
7の端部を押圧する状態で支持する結果、この板バネ7
の突出部7Aが3つの係合凹部32の何れかに係合可能
な状態に達する。そして、揺動アームAを図5に示すよ
うに閉じ姿勢P0に設定した場合には3つの係合凹部3
2のうち緩やかな円弧状となる係合凹部32に対して板
バネ7の突出部7Aが係入して揺動アームAに対して閉
じ方向への付勢力を作用させるものとなり、揺動アーム
Aはケース部材10に形成された開口縁10Aに接当し
て閉じ姿勢が決まる。又、この閉じ姿勢P0から揺動ア
ームAの揺動端を開放方向に少し操作した場合には、閉
じ姿勢P0に対応する係合凹部32に隣接する係合凹部
32に対して板バネ7の突出部7Aが係入して揺動アー
ムAは夫々のブラシB、B同士の間にフィルム1の挿抜
を可能にするに充分な間隙の第1姿勢P1に保持され
る。この状態から更に揺動アームAの揺動端を開放方向
に操作した場合には、次の係合凹部32に対して板バネ
7の突出部7Aが係入して揺動アームAは、第1姿勢P
1より大きく揺動した姿勢で、何れのブラシBとも着脱
を可能にする第2姿勢P2に保持される。
【0025】つまり、揺動アームAに形成した3つの係
合凹部32と、係合凹部32に係合可能な突出部7Aが
形成された板バネ7とで、揺動アームAの揺動姿勢を保
持する姿勢保持手段が構成され、揺動アームAを開閉自
在に構成することにより、夫々のブラシB、Bの間にフ
ィルム1をセットする場合や、フィルム1を取出す場合
には、揺動アームAを第1姿勢P1まで開放操作するだ
けで、その開放姿勢を保持した状態でフィルム1の挿抜
を容易に行え、又、ブラシBの取換えを行う場合やブラ
シBのメンテナンスを行う場合のようにブラシBの部位
を大きく開放する必要がある場合には、揺動アームAを
第2姿勢P2まで開放操作するだけで、その開放姿勢を
保持した状態でブラシBの取換えやメンテナンスを容易
に行えるものにして作業を楽に行えるものとなってい
る。特に、揺動アームAを閉じ姿勢P0に設定した場合
には、板バネ7からの付勢力が揺動アームAを閉じる方
向に常時作用して、この揺動アームAを前述した開口縁
10Aに接当させる結果、この揺動アームAを予め決め
られた閉じ姿勢P0に精度高く維持できるものとなって
いる。
【0026】前記ローラ37は、揺動アームAが閉じ姿
勢P0にある状態で、この部位に対するフィルム1の移
動を軽快に行わせるものである。つまり、スキャナーS
でフィルム1の画像情報を取込む際でも、投影露光を行
う場合でも、この処理に先立って、フィルムを比較的高
速で搬送して画像情報を粗く取込むプレスキャンを行
い、この後、フィルム1を逆送しながら、あるいは、フ
ィルム1を戻した後に、再度フィルムを送りながら、ス
キャニングや投影露光を行う処理が一般的であり、この
ように、プレスキャンした後にフィルム1がフィルムク
リーナFCの側に戻された場合には、図1(イ)、
(ロ)に仮想線で示す如く、このフィルム1’を揺動ア
ームAの上面(反本体ケース側)に送ることにより、そ
のフィルム1’がローラ37に接触し、このローラ37
が軽く回転してフィルム1’を軽快に送り、作業を円滑
に行わせ、フィルム1’を傷める等不都合を発生しない
ものにしている。
【0027】前記ブラシBは、線径が0.055〜0.
060mmとなるアクリル樹脂の繊維41の多数本をブ
ローニーサイズのフィルム1の幅より充分に大きい値
(70mm程度)となるよう直線状に束ね、鉄や鉄合
金、あるいは、ニッケルやニッケル合金のように磁性体
製の挟持部材42で基端側を挟み込む形態で固定して成
り、この同じ形状のブラシBを本体ケースCと、揺動ア
ームAとに兼用して使用できるよう構成されている。
【0028】そして、このブラシBを本体ケースCに保
持する場合には、ブラシBをケース部材10に形成した
溝状部15に挿入するだけで、溝状部15の底面に備え
た保持用マグネットMCがブラシBの挟持部材42を磁
力によって吸着する結果、本体ケースCにブラシBを保
持できるものとなり、この保持状態ではケース部材10
の上壁面11よりブラシBの先端部が僅かに突出する形
態となる。又、揺動アームAにブラシBを保持する場合
には、ブラシBを揺動アームAに備えたバネ板材で成る
チャック部材33に対して挿入するだけで、このチャッ
ク部材33がブラシBをチャッキングして弾性的に支持
できるものとなる。尚、本体ケースCからブラシBを取
り外す場合には凹部16に指を挿入して摘む形態でブラ
シBを抜き出すことで済み、揺動アームAからブラシB
を取り外す場合には切り欠き部36に指を挿入して摘む
形態でブラシBを抜き出すことで済む。
【0029】図6に示すように、本体ケース10の揺動
アームAの基端側の端壁面13には外部の直流電源から
の電力を受け入れるコネクタ47を備えており、前記イ
オン化システムISは、底壁部材20の内壁21に支持
された第1プリント基板40と、この第1プリント基板
40に形成された高電圧発生回路48と、この高電圧発
生回路48に電力が供給されている際に点灯する発光ダ
イオードで成るパイロットランプ43と、第1プリント
基板40と平行する姿勢で支持された一対の第2プリン
ト基板44、44と、夫々の第2プリント基板44、4
4に備えられた複数の針状の電極45とを有すると共
に、これらを電極45の先端部だけを突出させてポッテ
ィングする絶縁性の樹脂46を有して構成されている。
【0030】又、このイオン化システムISでは、夫々
の電極45に対して高電圧発生回路48からプラス、マ
イナスの高電圧が印加されるものであり、本体ケースC
においてブラシBが配置される位置を挟んだ2箇所の領
域に(フィルム1の搬送方向でブラシBを挟んで上手側
位置と下手側位置とに)4つずつの電極45が配置され
ている。具体的には、搬送経路に送られるフィルム1の
面と平行する仮想平面上で、かつ、フィルム1が送られ
る方向と直交する方向に直線的に整列した状態で等間隔
で夫々の電極45を備えており、これらの電極45に対
して図3、図6において「+」の記号と「−」の記号と
で示すように、隣合う電極同士、及び、ブラシBを挟ん
で隣合う電極同士が異なる極性に設定されている。
【0031】又、夫々の電極45と対応する位置のケー
ス部材10の上壁面11には8つの円形の開口18が穿
設され、搬送経路Fを搬送されるフィルム面と直交する
方向視で開口18の中央位置に電極45を配置してあ
る。ケース部材10の上壁面11のうち、溝状部15を
挟んで配置される8つの開口18は上壁面11の表面に
浅く形成された窪み状部11Aに配置され、溝状部15
を挟んで配置される8つの電極45は、夫々の突出側の
端部同士を結ぶ仮想直線Lがケース部材10と重複しな
いように、相対的な位置関係が設定されている。つま
り、夫々の電極45の突出側の端部同士を結ぶ仮想直線
Lと、開口18のスカート部18Aとが交わらないよう
に相対的な位置関係を設定することにより、夫々の電極
45の突出側の端部同士の間に他の部材を介在させるこ
と無く直接的に電界を作用させ得るように構成してあ
る。
【0032】又、このように複数の開口18を窪み状部
11Aに形成することにより、開口18から壁面の外方
に送り出されたイオン化した空気を、窪み状部11Aの
部位に留めることが可能となるばかりか、夫々の電極4
5の間に生ずる電界を窪み状部11Aに形成された部位
の空間に対して強く作用させ、この窪み状部11Aの部
位で空気をイオン化することも可能となり、この窪み状
部11Aの空間で高いイオン密度となるイオン化した空
気をフィルム1に作用させて良好な除電を行えるものと
なっている。
【0033】このイオン化システムISは、プラス
(+)の電極45とマイナス(−)の電極45との間に
プラスマイナス3500ボルトの電圧を印加することに
より隣合う電極45の間に7000ボルトの電位差を設
定してある。これによりプラス(+)の電極45とマイ
ナス(−)の電極45との間に強い電界が形成され、電
極に接触した空気がプラス(+)とマイナス(−)との
イオンに分離して夫々の開口18から搬送経路Fの側に
放出され、この搬送経路Fに存在するフィルム1が静電
気により帯電していた場合には、イオン化した空気と接
触することにより帯電が解消され(除電され)、静電気
によって付着していた塵埃をブラシBによって容易に取
り除き得るものとなり、しかも、この後に塵埃の付着を
抑制するものとなる。
【0034】このように構成されたので、このフィルム
クリーナFCを使用する際には、前述したようにスキャ
ナーや投影露光式のプリンターのフィルムキャリアにフ
ィルム1を送る搬送経路Fに位置を設定し、装着用マグ
ネットMSの吸着力を利用して、該フィルムクリーナF
Cを固定し、揺動アームAを第1姿勢P1、あるいは、
第2姿勢P2まで開放してフィルム1をブラシB、Bの
間にセットした後に揺動アームAを閉じ姿勢P0に設定
する。この状態でフィルム1のスキャナーSでのスキャ
ニングを開始することや、投影露光に先立ってスキャニ
ングを行うことにより、フィルム1がフィルムキャリア
に引き込まれる力によって、フィルムクリーナFCをフ
ィルム1が通過するものとなる。このように、フィルム
1がフィルムクリーナFCを通過する際には、イオン化
システムISによってイオン化した空気がフィルム1に
作用することで、フィルム1の除電を行うので、塵埃の
取り除きを容易にすると同時に、塵埃の付着を抑制し、
又、フィルム1の表裏両面にブラシB、Bが接触するこ
とにより、該フィルム1に付着した塵埃をブラシが取り
除くものとなっている。
【0035】特に、本発明では、フィルム1の面と平行
する仮想平面上にフィルム1の搬送方向と直交する方向
に複数の電極45を整列状態で配置し、かつ、フィルム
面と直交する方向に複数の電極45の突出方向を設定し
ているので、フィルム1の幅方向に偏りなくイオン化し
た空気を作用させて偏りの無い除電を行うと共に、イオ
ン化した空気をフィルム1に近い位置で発生させて直接
的に作用させるので、良好な除電を行えるものとなって
おり、ブラシBでの塵埃の取り除きにと併用すること
で、清浄化したフィルム1のスキャニングや、投影露光
を可能にするものとなっている。
【0036】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態
以外に、例えば、除去体として柔軟な布や不織布を用い
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スキャナーに対してフィルムクリーナを備えた
状態の2形態を示す図
【図2】フィルムクリーナの実施形態を示す斜視図
【図3】フィルムクリーナの平面図
【図4】フィルムクリーナの分解斜視図
【図5】フィルムクリーナの縦断面図
【図6】イオン化システムの領域を示す部分縦断面図
【図7】フィルムクリーナの横断面図
【図8】フィルムクリーナの底面図
【図9】揺動アームの複数の揺動位置を示す側面図
【図10】保持用マグネットの位置を調節した状態の2
形態を示す断面図
【符号の説明】
1 写真フィルム 18 開口 41 繊維 45 電極 48 高電圧発生回路 A 揺動アーム B 除去体・ブラシ C 本体ケース F 搬送経路 L 仮想直線 IS 除電手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送経路に送られる現像済み写真フィル
    ムに対してイオン化した空気を作用させる除電手段と、
    写真フィルムの表裏両面に付着した塵埃を接触によって
    取除くよう搬送経路を挟む位置に配置した除去体とを備
    えて成るフィルムクリーナであって、 前記搬送経路に沿って形成された壁面に複数の開口を穿
    設し、前記除電手段は、この壁面の内側で夫々の開口に
    臨む位置に配置された高電圧印加用の針状の電極と、こ
    の電極に高電圧を印加する高電圧発生回路とを備えて構
    成されると共に、夫々の電極の隣合うもの同士を互いに
    異なる極性に設定してあるフィルムクリーナ。
  2. 【請求項2】 前記複数の電極が、搬送経路に送られる
    写真フィルムの面と平行する仮想平面上で写真フィルム
    が送られる方向と直交するフィルムの幅方向に整列し、
    かつ、写真フィルムの面に直交する方向に突設して構成
    され、この複数の電極を前記除去体を基準にして写真フ
    ィルムの搬送方向の上手側位置と下手側位置とに配置し
    てある請求項1記載のフィルムクリーナ。
  3. 【請求項3】 前記複数の電極の突出側の端部同士を結
    ぶ仮想直線が前記壁面を構成する部材と交差しない位置
    に夫々の電極を配置してある請求項1又は2記載のフィ
    ルムクリーナ。
  4. 【請求項4】 前記壁面のうち前記複数の開口が形成さ
    れた外面側の領域を、この壁面の他の外面側の領域より
    凹入する窪み状に形成してある請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のフィルムクリーナ。
  5. 【請求項5】 前記除去体が、多数の繊維を束ねて成る
    ブラシで構成されている請求項1〜4のいずれか1項に
    記載のフィルムクリーナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110813824A (zh) * 2019-11-15 2020-02-21 湖南省客来宝生物能源科技有限公司 一种生物降解膜生产用除尘装置

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