JP2002236171A - 侵入物検知方法および侵入物検知装置 - Google Patents

侵入物検知方法および侵入物検知装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーダシステムにおいて、視界不良状態であ
っても検知エリア内の人体のみを的確に判定し、誤報を
低減する。 【解決手段】 電波を検知エリア内に送信し、前記送信
電波の反射波を受信するセンサ部2と、センサ部2によ
って受信された受信波強度を測定し、測定受信波強度に
基づいて、人体が前記検知エリア内に侵入したか否かの
判定を行う比較部3及び演算処理部5とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば検知エリア
内にミリ波などの電波を照射し、この反射波を検知する
ことによって、検知エリア内への侵入物の存在を検知す
る侵入物検知方法および侵入物検知装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】検知エリア内の侵入物を検知するため
に、各種の侵入物検知装置が採用されている。代表的な
侵入物としては、通過車両や人体、動物等が挙げられ、
防犯上、最も問題となるのは、検知エリア内への人間の
侵入である。
【0003】しかし、従来の侵入物検知装置では、検知
エリアに小動物が侵入した場合でも、人間が侵入してき
たものと誤検知してしまい、警報を鳴らしたり、非常通
報してしまう場合があった。
【0004】特開平9−292464号公報では、レー
ザレーダを用いて物体の寸法を計測することにより、人
体以外の侵入物を人体と誤認識することを防止する侵入
物検知装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公知の侵
入物検知装置では、センサとしてレーザレーダを用いる
ため、検知エリアが悪天候(降雨,降雪,霧など)の屋
外であったり、侵入者が発煙筒等を用いて意図的に視界
を遮断した場合には、レーザ光が減衰してしまうため、
検知感度が著しく悪化してしまい、侵入者の検知が困難
になるという問題点を招来していた。
【0006】本発明は、以上のような従来手法の問題点
を解決するためになされたもので、その目的は、レーダ
システムで検知エリア内の人体を的確に判定することに
より、視界不良状態であっても侵入者の検知を行い、誤
報が少なく信頼性の高い侵入物検知方法および侵入物検
知装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る侵
入物検知方法は、上記の課題を解決するために、検知エ
リア内の侵入物を検知する侵入物検知方法であって、電
波を検知エリア内に送信する送信ステップと、前記送信
ステップにより送信された前記電波の反射波を受信する
受信ステップと、前記受信ステップにより受信された前
記反射波に基づいて、受信波強度を測定する測定ステッ
プと、前記測定ステップにより測定された前記受信波強
度に基づいて、前記侵入物が人体であるか否か判定する
人体判定ステップとを含むことを特徴としている。
【0008】上記の方法によれば、人体判定ステップ
は、測定ステップにより測定された受信波強度に基づい
て、検知エリア内に人体が侵入したか否かを判定する。
電波は、物質透過性が高いため、悪天候の屋外や視界不
良状態であっても、送受信状態を殆ど妨げられることが
ない。したがって、請求項1の発明に係る侵入物検知方
法は、視界不良状態であっても侵入者を検知することが
できる。
【0009】請求項2の発明に係る侵入物検知方法は、
上記の課題を解決するために、請求項1の方法におい
て、前記人体判定ステップは、前記受信波強度が所定範
囲内である場合には、前記侵入物が人体であると判定す
ることを特徴としている。
【0010】検知エリア内の侵入物には、人体の他、車
両や小動物など種々のものがあり得るが、車両は、金属
等の電波反射率が高い材質から構成されており、大きさ
も一般に人体より大きいため、車両で反射される電波の
強度は、人体で反射される電波の強度よりも、極めて大
きくなる。
【0011】また、侵入物が犬、猫、鳥などの小動物で
ある場合には、大きさが人体より小さいため、反射され
る電波の強度は、人体で反射される電波の強度と比較し
て、受信感度で数デシベル程度小さくなることが知られ
ている。
【0012】したがって、上記人体判定ステップにおい
て、前記侵入物が人体であると判定する前記受信波強度
の所定範囲を、小動物により反射される電波の強度より
も大きく、かつ車両等で反射される電波の強度よりも小
さくすることにより、前記侵入物が人体であるか、その
他の車両や小動物であるかを的確に判定することができ
る。これにより、請求項1の作用効果に加えて、誤検知
が少なく信頼性の高い侵入物検知方法を実現できる。
【0013】請求項3の発明に係る侵入物検知方法は、
上記の課題を解決するために、請求項1または2の方法
において、前記人体判定ステップが、前記受信波強度に
時間的変動が生じている場合には、前記侵入物が人体で
あると判定することを特徴としている。
【0014】上記の方法において、前記受信波強度に時
間的変動が生じているとは、前記受信波強度が定常的な
ノイズ等に起因する変動範囲を越えて、有意に変動して
いる状態をいう。
【0015】一般に、検知エリアへの侵入物が人体なら
ば、通常何らかの移動を行うはずであり、この結果、受
信波強度は時間的に変化するはずである。上記の人体判
定ステップにおいては、前記受信波強度が時間的に変動
している場合、すなわち検知エリア内で何らかの状態変
化が存在する場合にのみ、侵入物が人体であると判定
し、前記受信波強度が時間的に略一定である場合には該
受信波強度の値に関わらず、検知エリアに人体が侵入し
たとの判定は行わない。
【0016】これにより、請求項1または2の作用効果
に加えて、各種ノイズ等に起因する誤検知を低減して、
人体の侵入判定精度を更に向上することができる。
【0017】請求項4の発明に係る侵入物検知方法は、
上記の課題を解決するために、請求項1乃至3のいずれ
か1項に記載の方法において、前記受信ステップは、前
記反射波を複数の受信場所で受信しており、前記人体判
定ステップは、前記測定ステップにより測定された、複
数の前記受信場所に関する複数の前記受信波強度から、
同一の侵入物を特定し、特定された前記侵入物につい
て、複数の前記受信場所に関する複数の前記受信波強度
を比較することにより、前記侵入物が人体であるか否か
を識別することを特徴としている。
【0018】照射された電波が物体にて反射する際の反
射方向は、物体の形状に依存する。例えば、人体のよう
な円柱状の物体では、その側面の何れの方向から電波を
照射しても、反射波の強度が最も大きい反射方向は照射
方向の反対向きであるが、角状の物体では、その物体の
何れの方向から電波を照射するかに依存して、反射波の
強度が最も大きい反射方向は異なることになる。
【0019】したがって、前記受信ステップにて、同一
の侵入物からの反射波を複数の前記受信場所で受信し、
前記人体判断ステップにて、それらの受信波強度を比較
することにより、侵入物が人体であるか否かを判断する
ことができる。
【0020】これにより、請求項1乃至3の何れか1項
の作用効果に加えて、上記の人体判定方法とは別の方法
により人体を判定できるから、人体の侵入判定精度を更
に向上することができる。
【0021】請求項5の発明に係る侵入物検知方法は、
上記の課題を解決するために、請求項1乃至4のいずれ
か1項に記載の方法において、前記送信ステップは、異
なる方向から電波を送信しており、前記人体判定ステッ
プは、前記測定ステップにより測定された、方向の異な
る複数の送信にそれぞれ対応する前記受信波強度から、
同一の侵入物を特定し、特定された前記侵入物につい
て、送信方向の異なる複数の前記受信波強度を比較する
ことにより、前記侵入物が人体であるか否かを識別する
ことを特徴としている。
【0022】一般に、物体に電波を照射した場合、物体
に対し照射される方向によって、物体における照射領域
の広さが異なり、その差異の程度は、物体によって異な
る。例えば、二足歩行の人間の場合では、物体の正面か
ら照射しても、側面から照射しても、その照射領域の広
さは、さほど変わらないが、四足歩行の動物の場合で
は、物体の正面から照射したときの方が側面から照射し
たときよりも照射領域が小さくなる。
【0023】したがって、前記送信ステップにて、同一
の侵入物に対し異なる方向から電波を照射し、前記人体
判断ステップにて、それぞれの反射波の受信波強度を比
較することにより、侵入物が人間であるか否かを判断す
ることができる。
【0024】これにより、請求項1乃至4の何れか1項
の作用効果に加えて、上記の人体判定方法とは別の方法
で、侵入物が人体であるか否かを判別できるから、人体
の侵入判定精度を更に向上することができる。
【0025】請求項6の発明に係る侵入物検知装置は、
上記の課題を解決するために、検知エリア内の侵入物を
検知する侵入物検知装置であって、電波を検知エリア内
に送信する送信手段と、前記送信電波の反射波を受信す
る受信手段と、前記受信手段によって受信された受信波
強度を測定する受信波強度測定手段と、測定された前記
受信波強度に基づいて、人体が前記検知エリア内に侵入
したか否かの判定を行う人体判定手段とを備えることを
特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、送信手段から送信さ
れ、侵入物で反射されて受信手段で受信された電波は、
受信波強度測定手段によって強度を測定される。人体判
定手段は、測定された受信波強度に基づいて、検知エリ
ア内に人体が前記検知エリア内に侵入したか否かを判定
する。
【0027】上述のように、電波は、物質透過性が高い
ため、悪天候の屋外や視界不良状態であっても、送受信
状態を殆ど妨げられることがない。また、車両で反射さ
れる電波の強度は、人体で反射される電波の強度より
も、極めて大きくなる。さらに、侵入物が犬、猫、鳥な
どの小動物である場合には、大きさが人体より小さいた
め、反射される電波の強度は、人体で反射される電波の
強度と比較して、受信感度で数デシベル程度小さくなる
ことが知られている。
【0028】したがって、上記人体判定手段は、測定さ
れた受信波強度に基づいて、侵入物が人体であるか、そ
の他の車両や小動物であるかを的確に判定することがで
きる。これにより、視界不良状態であっても侵入者の検
知を行い、誤検知が少なく信頼性の高い侵入物検知装置
を実現できる。
【0029】請求項7の発明に係る侵入物検知装置は、
上記の課題を解決するために、請求項6の構成におい
て、前記人体判定手段は、前記受信波強度を設定変更可
能な閾値と比較することにより、前記判定を行うことを
特徴としている。
【0030】上記の構成によれば、上記人体判定手段
は、上記受信波強度を所定の閾値と比較することによっ
て、検知エリア内の侵入物が人体であるか否かを判定す
る。上記閾値は、判定結果に応じて設定変更できる。
【0031】これにより、請求項6の作用効果に加え
て、判定結果に応じた閾値の設定変更により、上記閾値
を最適化することが可能となり、人体の判定精度を更に
向上することができる。
【0032】請求項8の発明に係る侵入物検知装置は、
上記の課題を解決するために、請求項7の構成におい
て、前記人体判定手段は、複数の人体データに基づく学
習機能によって、前記閾値を設定することを特徴として
いる。
【0033】上記の構成によれば、複数の人体データ、
すなわち複数の人体から反射された受信波強度の統計値
(最頻値,平均値,最大値,最小値等)に基づいて、人
体判定の際に用いる前記閾値が設定される。例えば、前
記受信波強度の最頻値に基づいて前記閾値が設定され
る。
【0034】これにより、請求項7の作用効果に加え
て、より的確な閾値を設定することが可能になり、該閾
値に基づいて人体の検知精度を向上することができる。
【0035】請求項9の発明に係る侵入物検知装置は、
上記の課題を解決するために、請求項8の構成におい
て、前記人体判定手段は、定期的に前記閾値を設定する
ことを特徴としている。
【0036】上記の構成によれば、人体判定手段は、外
部からの指示を必要とせずに、定期的に前記閾値設定を
行う。例えば、季節に応じた侵入者の服装変化や侵入物
検知装置の経年変化に的確に対応した前記閾値が得られ
る。
【0037】これにより、請求項8の作用効果に加え
て、侵入物検知装置のメンテナンスを容易にしながら、
人体の検知精度を向上することができる。
【0038】請求項10の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至9のい
ずれか1項の構成において、前記人体判定手段は、前記
受信波強度の時間平均値に基づいて前記判定を行うこと
を特徴としている。
【0039】上記の構成によれば、侵入物の移動や回転
等に起因して、受信波強度が時間的に変化する場合であ
っても、侵入物で反射された受信波強度の安定値を得る
ことができる。
【0040】これにより、請求項6乃至9のいずれか1
項の作用効果に加えて、侵入物が移動や回転などを行っ
ている場合でも、誤検知が少なく信頼性の高い侵入物検
知装置を実現できる。
【0041】請求項11の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至10の
いずれか1項の構成において、前記人体判定手段は、前
記受信波強度に時間的変動が生じているときにのみ、侵
入物は人体であると判定することを特徴としている。
【0042】一般に、検知エリアへの侵入物が人体なら
ば、通常何らかの移動を行うはずであり、この結果、受
信波強度は時間的に変化するはずである。上記の構成に
よれば、前記受信波強度が時間的に変動している場合、
すなわち検知エリア内で何らかの状態変化が存在する場
合にのみ、人体判定手段は侵入物を人体であると判定
し、前記受信波強度が時間的に略一定である場合には該
受信波強度の値に関わらず、人体判定手段は、検知エリ
アに人体が侵入したとの判定は行わない。
【0043】これにより、請求項6乃至10のいずれか
1項の作用効果に加えて、各種ノイズ等に起因する誤検
知を低減して、人体の侵入判定精度を更に向上すること
ができる。
【0044】請求項12の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至11の
いずれか1項の構成において、前記受信手段は、複数の
前記受信手段であり、前記人体判定手段は、前記受信波
強度測定手段によって測定された、複数の前記受信手段
の複数の前記受信波強度から、同一の侵入物を特定する
同一物特定手段と、前記同一物特定手段によって特定さ
れた前記侵入物について、複数の前記受信手段の複数の
前記受信波強度を比較することにより、前記侵入物が人
体であるか否かを識別する人体識別手段とを備えること
を特徴としている。
【0045】上記の構成において、前記受信手段は、同
一の侵入物からの反射波を複数の前記受信場所で受信し
ており、前記同一物特定手段は、それらの受信波強度か
ら侵入物が同一であることを特定し、前記人体識別手段
は、それらの受信波強度を比較することにより、侵入物
が人体であるか否かを識別する。
【0046】上述のように、照射された電波が物体にて
反射する際の反射方向は、物体の形状に依存するから、
侵入物が人体であるか否かを判断することができる。
【0047】これにより、請求項6乃至11の何れか1
項の作用効果に加えて、上記の人体判定手段とは別の手
段により人体を判定できるから、人体の侵入判定精度を
更に向上することができる。
【0048】請求項13の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至12の
いずれか1項の構成において、前記送信手段は、異なる
位置に設けた複数の前記送信手段であり、前記受信手段
は、複数の前記送信手段にそれぞれ対応する複数の受信
手段であり、前記人体判定手段は、前記受信波強度測定
手段によって測定された複数の受信手段による複数の前
記受信波強度から、同一の侵入物を特定する同一物特定
手段と、複数の前記受信波強度を比較することにより、
特定した前記侵入物が人体であるか否かを識別する人体
識別手段とを備えることを特徴としている。
【0049】上述のように、一般に、物体に電波を照射
した場合、物体に対し照射される方向によって、物体に
おける照射領域の広さが異なり、その差異の程度は、物
体によって異なる。
【0050】したがって、上記の構成において、複数の
送信手段が同一の侵入物に対し異なる方向から電波を照
射し、前記人体判断手段が、それぞれの反射波の受信波
強度を比較することにより、侵入物が人間であるか否か
を判断することができる。
【0051】これにより、請求項6乃至12の何れか1
項の作用効果に加えて、上記の人体判定手段とは別の手
段で、侵入物が人体であるか否かを判別できるから、人
体の侵入判定精度を更に向上することができる。
【0052】請求項14の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至13の
いずれか1項の構成において、前記送信手段は、異なる
方向へ電波を送信するものであり、前記人体判定手段
は、前記受信波強度測定手段によって測定された、異な
る方向への送信にそれぞれ対応する複数の前記受信波強
度から、同一の侵入物を特定する同一物特定手段と、前
記同一物特定手段によって特定された前記侵入物につい
て、複数の前記受信波強度から、特定した前記侵入物の
移動方向を抽出する方向抽出手段と、移動方向の異なる
前記侵入物に関する複数の前記受信波強度を比較するこ
とにより、前記侵入物が人体であるか否かを識別する人
体識別手段とを備えることを特徴としている。
【0053】ここで、異なる方向へ電波を送信すると
は、例えば、電波の指向性を変化または切り換えること
により、異なる複数の方向へ電波を送信し、走査するも
のである。
【0054】上記の構成において、前記送信手段が異な
る方向へ電波を照射するから、同一の侵入物が検知エリ
ア内を移動する場合には、前記送信手段は、侵入物に対
して異なる方向から電波を照射することになる。
【0055】したがって、上述と同様に、同一物特定手
段により同一物と特定された侵入物が、検知エリア内を
移動するときに得られた反射波の受信強度を比較するこ
とにより、侵入物が人間であるか否かを判断することが
できる。
【0056】これにより、請求項6乃至13の何れか1
項の作用効果に加えて、上記の人体判定手段とは別の手
段で、侵入物が人体であるか否かを判別できるから、人
体の侵入判定精度を更に向上することができる。
【0057】請求項15の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至14の
いずれか1項の構成において、前記受信波強度に基づい
て、非検知エリアを設定することを特徴としている。
【0058】上記の構成において、非検知エリアとは、
侵入物検知装置が検知を行わない領域をいう。
【0059】上記の構成によれば、受信波強度に基づい
て、人体からの反射波判定の障害となる不要反射物の存
在領域周辺が非検知エリアとして設定される。例えば、
侵入物検知装置は、受信波強度の高い対応領域を非検知
エリアとして設定する。この結果、侵入物検知装置は上
記非検知エリアを検知対象としないので、不要反射物か
らの反射波強度に埋もれることなく、人体の侵入判定を
行うことができる。
【0060】これにより、請求項6乃至14のいずれか
1項の作用効果に加えて、不要反射物に起因する誤検知
や誤報を低減できる。
【0061】請求項16の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至15の
いずれか1項の構成において、所定の時間帯にのみ侵入
物の通報を行うことを特徴としている。
【0062】上記の構成によれば、特に侵入物を検知す
る必要がない時間帯には、侵入物の通報を行わず、侵入
者を警戒すべき時間帯に限って、検知エリアへの侵入者
を通報するように設定することができる。
【0063】これにより、請求項6乃至15のいずれか
1項の作用効果に加えて、特に侵入者を警戒すべき時間
帯を選択して通報を行わせることが可能となる。
【0064】請求項17の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至16の
いずれか1項の構成において、FM−CW方式であっ
て、侵入物の移動方向を判定することを特徴としてい
る。
【0065】上記の構成において、FM−CW方式と
は、検知エリアに対して、周波数を変調させた電波を送
信して、その反射波を受信し、該送信波と該受信波とを
混合させてビート波を生成した後、該ビート波のスペク
トル解析によって、侵入物の検知および侵入物位置の特
定等を行う検知方式をいう。
【0066】上記の構成によれば、FM−CW方式によ
って、侵入物の移動方向、例えば侵入物の移動は、侵入
物検知装置を基準として近づく方向か、遠ざかる方向か
等が判定される。
【0067】これにより、請求項6乃至16のいずれか
1項の作用効果に加えて、侵入物である人体の移動方向
が判定可能であり、例えば侵入物検知装置に近づく人体
のみを判定することができる。
【0068】請求項18の発明に係る侵入物検知装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6乃至17の
いずれか1項の構成において、FM−CW方式であっ
て、前記人体判定手段は予め取得した背景成分を差し引
かれた前記受信波強度に基づいて、前記判定を行うこと
を特徴としている。
【0069】従来、FM−CW方式の電波レーダシステ
ムでは、ビート波の低周波数成分に対応する近距離領域
の情報は、電気回路のDC成分や掃引周波数切り替え時
の影響による低域ノイズに埋もれてしまい、近距離エリ
アの状態を十分に把握できないという問題点を招来して
いた。
【0070】上記の構成によれば、前記受信手段で受信
された受信波から、予め取得した背景成分を差し引かれ
た前記受信波強度に基づいて前記判定が行われるため、
上記低域ノイズの影響を抑制しながら、検知エリアの侵
入物が判定される。
【0071】これにより、請求項6乃至17のいずれか
1項の作用効果に加えて、従来検知範囲外とされていた
近距離での侵入者特定が可能になる。また、人体は金属
などに比較すると電波の反射率が低いものの、近距離エ
リアでは人体でも高い反射率が期待できるため、近距離
情報を有効に利用することによって、人体の検知感度自
体が向上する。
【0072】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通
りである。図1は本発明の防犯センサ1(侵入物検知装
置)の概略構成を示している。
【0073】防犯センサ1は、センサ部2(送受信手
段),比較部3(受信波強度測定手段,人体判定手
段),記憶部4,演算処理部5(受信波強度測定手段,
人体判定手段),設定入力部6,表示部7から構成され
ており、演算処理部5は外部の警報装置8,通報装置9
に接続されている。また、通報装置9は、管理・警備者
10に侵入物情報を通報する。
【0074】センサ部2はFM−CW方式レーダシステ
ムを構成しており、周波数変調部(送信手段)、ミリ波
RF(Radio Frequency) 部(受信手段)、アンテナ部
(送信手段・受信手段)を備えた構成となっている。
【0075】周波数変調部は、ミリ波RF部から送信さ
れるミリ波の周波数を変調させるブロックである。周波
数変調部は、所定の範囲の周波数内で、直線的に周波数
を高低変化させる処理を周期的に行っている。具体的に
は、例えば、下限となる周波数から一定の割合で周波数
を上げていき、上限となる周波数となった時点で再び下
限となる周波数に戻す、という変調を繰り返し行う周波
数変調が行われる。すなわち、この例では、周波数変調
がノコギリ波(Saw-tooth Wave)状に行われることにな
る。なお、この周波数変調は、例えばサイン波状、三角
波状などに行われてもかまわない。
【0076】ミリ波RF部は、上記周波数変調部による
周波数変調の制御に従って、ミリ波帯の周波数からなる
ミリ波( 電波) を生成するとともに、後述するビート波
を生成するブロックである。ここで生成されたミリ波
は、アンテナ部から照射波として検知エリアに向けて照
射される。その後、照射波が検知エリア内の何らかの物
体で反射し、この反射波がアンテナ部において受信さ
れ、再びミリ波RF部に入力される。そして、ミリ波R
F部が備えるミキサーにおいて、照射波と反射波との混
合が行われ、ビート波が生成される。なお、ミリ波RF
部によって生成される電波は、ミリ波に限定されるもの
ではない。
【0077】反射波処理部は、ミリ波RF部において生
成されたビート波に対して、FFT(Fast Fourier Tran
sform)処理を行うブロックである。FFT処理が行われ
たビート波は、スペクトル変換されて、周波数と受信電
力強度のパラメータによって表されるスペクトルデータ
に変換される。
【0078】図2は、横軸に周波数、縦軸に受信波電力
(受信波強度)をとったスペクトルデータの一例を示す
グラフである。このグラフにおいて、ピークの位置は何
らかの物体A,Bからの反射波を示しており、周波数
は、その物体のセンサ部2本体からの距離に比例してい
る。一般的に、受信波電力は、電波の送受信点と反射物
との距離の4乗に反比例して低減することが知られてい
る。したがって、距離の異なる物体A,Bからの受信波
電力を単純比較することはできないが、距離に応じた補
正を加えることで、受信波電力から物体A,Bでの反射
率を算出することが可能になる。
【0079】次に、図11及び12を用いて、前記スペ
クトルデータから侵入物の位置を特定する方法について
説明する。同図は、FM−CW方式レーダシステムにお
ける送信波Tx ,受信波Rx ,及び両者のフーリエ変換
後の差信号FTx −FRx との関係を示すものである。
【0080】図11に示すように、送信波Tx として三
角波のFM変調波を用い、距離Rだけ離れた侵入物で反
射された受信波Rx との周波数差fr に基づいて距離R
を算出するものとする。送信波デビエーションをΔfと
すると、送信周波数は、T/2の時間内にΔfだけ周波
数変化するので、単位時間あたりの周波数変化量df/
dtは、df/dt=Δf/(T/2)=2Δf×fm
によって表される。(ただし、1/Tは変調周波数fm
に等しい。)送信波Tx が距離R離れた侵入物で反射し
て、受信波Rx として、送信点に帰ってくるまでに要す
る時間Trは、光速をCとすると、Tr=2R/Cであ
る。したがって、送信波と受信波の周波数差fr は、下
記(1)式で表される。
【0081】 fr =(df/dt)×Tr=2Δf×fm ×2R/C =(4Δf×fm ×R)/C ・・・ (1) 予めドップラーシフトを無視できるように、Δfとfm
を選定しておけば、(1)式は距離Rとビート波周波数
(fm ≒fr )との関係式となる。すなわち、ホモダイ
ン検波を行った出力信号が、(1)式の周波数になるか
ら、(1)式を用いて該周波数に基づいて距離Rを算出
することができる。
【0082】なお、侵入物が送信点に対して相対速度を
有する場合、反射受信波は侵入物の速度に応じたドップ
ラーシフトを受けて反射するため、この成分をキャンセ
ルしないと正確なビート波周波数を知ることができな
い。
【0083】図12は、FM−CWレーダにおいて侵入
物が相対速度を持つ場合における送信波Tx ,受信波R
x ,及び両者のフーリエ変換後の差信号FTx −FRx
との関係を示すものである。図11と比較して、ドップ
ラー周波数fdが受信波Rxに加わり、受信波Rx の中
心周波数がf0 +fd になっている。このため、送信波
Tx の周波数が上昇方向に変化している期間に出力され
るビート波周波数はfr −fdにドリフトする。したが
って、パルスカウントなど適切な方法で、両者の周波数
を計測し、fr ,fdを求めることができる。
【0084】なお、センサ部2は、検知エリアを広範囲
とし、かつ詳細に侵入物の位置特定を行うために走査方
式であったり、複数のセンサから構成されることも好ま
しい。検知エリアは、通常、送信波の到達領域とセンサ
部2の受信感度やS/N比によって規定されるがセンサ
部2を走査方式としたり、センサ部2を複数設けること
によって、上記検知エリアを格段に広範囲化することが
できる。
【0085】記憶部4は、定常状態、すなわち、侵入者
・侵入物が検知エリア内にない状態で得られる反射物の
反射電力データ、および、侵入を検知すべき物体の反射
電力強度を記憶するブロックである。これらデータは、
定常状態、および侵入を検知すべき物体を検知エリア内
に配置した状態において実際に測定した初期値に基づい
て設定される。なお、ここで記憶されているデータは、
センサ部2によって算出された前記距離による電力補正
がなされているデータであってもよいし、前記距離によ
る電力補正がなされていないデータであってもよい。前
記距離による電力補正がなされているデータを記憶する
場合には、初期値が得られた際に、演算処理部5におい
て上記初期値に対して補正演算を行い、これを記憶す
る。
【0086】一般に、何らかの物体に対してミリ波が照
射され、その物体が照射されたミリ波を反射した場合、
その物体の表面の材料や形状などによって、反射率が異
なっている。記憶部4には、侵入物を人体と判定するた
めの基準となる判定値が格納されている。
【0087】具体的には、受信波強度と比較するため
の、犬、猫、鳥などの小動物に対する第一の基準範囲
値、人体に対する第二の基準範囲値、車両等極めて反射
率の高い物体に対する第三の基準範囲値が設定されてい
る。第二の基準範囲値は第一の基準範囲値より、受信感
度に換算して約6デシベル大きく、第三の基準範囲値は
第二の基準範囲値より数十デシベル以上大きな値として
設定されている。
【0088】比較部3及び演算処理部5は、前記反射波
処理部から入力されるスペクトルデータに基づいて、検
知エリア内への侵入者あるいは侵入物を検知するブロッ
クである。ここでの検知は、入力されたスペクトルデー
タを、記憶部4に予め記憶されているデータと比較する
ことによって、人体が検知エリア内に侵入したか否かが
判定される。すなわち、入力されたスペクトルデータが
第二の基準範囲値に適合する値であるか否かによって、
検知エリア内に人体が侵入したか否かが判定される。
【0089】なお、記憶部4に記憶されているデータ
に、センサ部2によって算出された前記距離による電力
補正がなされていない場合には、比較部3及び演算処理
部5において、入力されたスペクトルデータ、および記
憶部4に記憶されている各基準範囲値に対してセンサ部
2によって算出された前記距離による電力補正を行った
後、上記判定が行われる。
【0090】または、記憶部4には、第一の基準範囲値
と第二の基準範囲値との境界値となる閾値を設定してお
き、前記スペクトルデータを該閾値と比較することによ
って、人体が検知エリア内に侵入したか否かを判定して
もよい。上記閾値を、判定結果に応じて設定変更できる
構成とすれば、上記閾値を最適化することにより、人体
の判定精度を更に向上することができる。
【0091】比較部3及び演算処理部5が侵入物を人体
と判定したときに、警報装置8に対する警報指示、およ
び通報装置9に対する通報指示などの措置が行われる。
【0092】設定入力部6は、センサ部2に対して各種
設定情報や指示を入力するための装置である。設定入力
部6としては、例えばキーボード、ボタン、ポインティ
ングデバイスなどの入力デバイスが用いられる。表示部
7は、センサ部2によって検出された情報や、各種設定
情報、動作状況などを表示する装置である。表示部7と
しては、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liq
uid Crystal Display)などの表示用モニタが用いられ
る。
【0093】警報装置8は、センサ部2において検知対
象としての人体の侵入などが検知された場合に、警報音
を発する装置である。警報装置8は、図略の警報音を生
成する音声合成部、音声合成部で生成された警報音を増
幅するアンプ部、およびアンプ部からの出力を音声に変
換するスピーカ部などによって構成される。
【0094】通報装置9は、センサ部2において検知対
象としての人体の侵入などが検知された場合に、当該防
犯センサ1を管理する管理者や警備者などにその旨を通
報する装置である。通報装置9は、例えば無線や有線の
通信装置などによって構成される。通報装置9は管理・
警備者10に検知エリアの侵入者存在を通報する。
【0095】以上のように、本実施形態においては、セ
ンサ部2としてレーダシステムを用いているので、雨、
霧、雪などによる視界不良や、不審侵入者による検知阻
害目的での発煙筒使用による視界不良などが生じていて
も、的確に侵入者を検知することができる。
【0096】また、本実施形態では、センサ部2は受信
波Rx のデータを所定の時間に渡って蓄積し、蓄積デー
タの時間平均値を受信波強度とすることによって、比較
部3及び演算処理部5は前記時間平均値に基づいて人体
の判定を行う。これにより、侵入物の移動や回転等に起
因して、受信波強度が時間的に変化する場合であって
も、侵入物で反射された受信波強度の安定値を得ること
ができるため、判定精度を更に向上することが可能にな
る。
【0097】次に、図3を用いて、防犯センサ1の動作
フロー例について説明する。同図に示されているよう
に、上記動作フロー例はS31〜S38の8ステップか
ら構成されている。
【0098】S31では、防犯センサ1は記憶部4に非
検知エリアデータが格納されているか否かを判断する。
非検知エリアデータとは、防犯センサ1が検知を行わな
い領域をあらわすデータである。上記判断の結果、記憶
部4に非検知エリアデータが格納されていない場合に
は、後述の初期設定モード1に移行して、上記人体反射
電力データを取得する。上記判断の結果、記憶部4に非
検知エリアデータが格納されている場合には、次のS3
2に進む。
【0099】S32では、防犯センサ1は記憶部4に人
体反射電力データが格納されているか否かを判断する。
本実施形態では、前記第二の基準範囲値または第一の基
準範囲値と第二の基準範囲値との境界値となる閾値が上
記人体反射電力データに該当する。なお、記憶部4に格
納されている人体反射電力データ、すなわち前記第二の
基準範囲値や第一の基準範囲値と第二の基準範囲値との
境界値となる閾値は、設定入力部6を通じて、外部から
設定及び変更してもよいし、後述のように、防犯センサ
1の学習機能によって設定されてもよい。
【0100】上記判断の結果、記憶部4に人体反射電力
データが格納されていない場合には、後述の初期設定モ
ード2に移行して、上記人体反射電力データを取得す
る。上記判断の結果、記憶部4に人体反射電力データが
格納されている場合には、次のS33に進む。
【0101】S33では、センサ部2によって受信波デ
ータ、すなわち検知エリアからの反射波データを取得す
る。センサ部2は、送受信可能領域のうち非検知エリア
(非検知エリアデータの対応領域)を除く領域を検知エ
リアとして、該検知エリアからの受信波強度を所定の時
間に渡って蓄積する。所定時間に渡る受信波強度のデー
タ蓄積が終了すれば、次のS34に進む。
【0102】S34では、S33で蓄積された受信波デ
ータを平均化する。前述のように、時間平均化された受
信波強度に基づいて、比較部3及び演算処理部5が人体
の判定を行うことにより、受信波強度が時間的に変化す
る場合であっても、侵入物で反射された受信波強度の安
定値を得ることができるため、判定精度を更に向上する
ことができる。上記平均化処理が終了すれば、次のS3
5に進む。
【0103】S35では、S34で取得した時間平均化
した受信波強度に、距離による補正処理を行う。すなわ
ち、前述のように、受信波電力は、電波の送受信点と反
射物との距離の4乗に反比例して低減するため、予めセ
ンサ部2によって取得しておいたセンサ部2と侵入物と
の距離に基づいて、上記低減量を補うように補正処理を
施す。これにより、任意距離の侵入物によって反射され
た受信波強度を前記基準範囲値や前記閾値と比較するこ
とが可能になる。
【0104】S36では、比較部3及び演算処理部5に
て、S35で補正処理された受信波強度を前記基準範囲
値や前記閾値と比較することによって、人体が前記検知
エリア内に侵入したか否かの判定を行う。判定の結果、
侵入物は人体以外であると判定された場合、警戒するべ
き情報はないものとして、S33〜S36の処理を繰り
返して検知を続行する。判定の結果、侵入物を人体であ
ると判定した場合、次のS37に進む。
【0105】S37では、検知エリア内への人体の侵入
が警報装置8や通報装置9に報知され、警報装置8や通
報装置9が稼働する。この結果、S38として、通報装
置9を通じて、管理・警備者10に上記侵入が通報され
る。
【0106】次に、図4を用いて、前記初期設定モード
1における防犯センサ1の動作フロー例について説明す
る。初期設定モード1は、非検知エリアデータを取得す
るモードであり、初期設定モード1の間は、防犯センサ
1は警報や通報を行わない。図4に示されているよう
に、上記動作フロー例はS41〜S44の4ステップか
ら構成されている。
【0107】S41では、防犯センサ1は、背景データ
として、侵入物が存在しない状態の検知エリアからの受
信波強度を取得し、S42に進む。
【0108】S42では、S41における受信波強度の
取得が所定時間(例えば、数秒〜数分)だけ繰り返され
たか否かを判断する。所定時間だけ繰り返されていない
と判断した場合には、S41に戻り、再び背景データを
取得する。すなわち、S41〜S42のフローによっ
て、所定時間の背景データが蓄積される。
【0109】S43では、蓄積した上記背景データ(受
信波強度)に基づいて、非検知エリア(非検知エリアデ
ータ)を設定する。例えば、蓄積された背景データの時
間平均を算出し、これにより生成されたスペクトルデー
タに基づいて、高い反射波強度に対応する領域を非検知
エリアとするような距離領域データを記憶部4(図1参
照)に設定及び記憶する。
【0110】防犯センサ1が走査を行わない場合には、
非検知エリアデータは主に距離情報からなり、防犯セン
サ1が走査を行う場合には、非検知エリアデータは走査
方向の広がりを持つ2次元領域情報からなる。なお、設
定される非検知エリアデータは複数領域に対応するもの
であってもよい。
【0111】このように、大きな反射波強度に対応する
領域を非検知エリアとするのは、検知エリア内に反射波
強度の大きい不要反射物、例えば鉄製の花瓶等の金属製
品が人体の周辺に存在すると、判定目的とする人体から
の反射波が、上記不要反射物からの大きな反射波に埋も
れてしまい、人体の侵入判定が困難となるからである。
【0112】本実施形態では、防犯センサ1は、上記手
順で不要反射物の周辺領域を非検知エリアとして設定す
ることにより、非検知エリアでは人体検知を行わない一
方、上記不要反射物に起因する誤検知や誤報を低減する
ものである。非検知エリアの設定及び記憶が終了すれ
ば、S44に進む。
【0113】S44では、設定された非検知エリアが過
多状態にあるか否かを判断する。つまり、S43にて非
検知エリアを余りに広く設定した場合、防犯センサ1の
検知エリアは極めて狭いものとなり、実質上、防犯セン
サとしての役割を果たさなくなってしまう。上記非検知
エリアが占める領域が適正範囲であると判断した場合に
は初期設定モード1を終了する一方、設定された非検知
エリアが過多状態にあると判断した場合にはS45に進
む。
【0114】S45では、防犯センサ1の設置場所や設
置状態を変更したり、検知エリア内の不要反射物の移動
・撤去・遮蔽処理を行い、不要反射物からの反射波強度
を低減する。上記いずれかの手法によって、反射波強度
を通常レベルに低減した後、S41〜S43の処理に戻
り、再度背景データの取得及び非検知エリアの設定を行
う。このように、不要反射物からの反射波強度を低減
後、非検知エリアを設定することによって、上記非検知
エリアが占める領域を適正範囲にすることができる。
【0115】次に、図5を用いて、前記初期設定モード
2における防犯センサ1の動作フロー例について説明す
る。初期設定モード2は、人体反射電力データを取得す
るモードであり、初期設定モード2の間は、防犯センサ
1は警報や通報を行わない。図5に示されているよう
に、上記動作フロー例はS51〜S56の6ステップか
ら構成されている。
【0116】S51〜S53の各ステップにおける処理
は、それぞれ前記S33〜S35の処理と同様である。
S51では、センサ部2によって受信波データ、すなわ
ち検知エリアからの反射波データを所定時間(数秒〜数
分)取得する。S52では、S51で蓄積された受信波
データを平均化する。S53では、S52で取得した時
間平均化した受信波強度に、距離による補正処理を行
う。
【0117】S54では、人体が検知エリア内に侵入し
たか否かの判定を行う。ただし、本モードでは、上記判
定は防犯センサ1自体ではなく、外部のオペレータが行
う。具体的には、防犯センサ1は、検知エリア内の侵入
物の存在を表示部7に表示して、オペレータに報知す
る。
【0118】オペレータは、検知エリア内の侵入物を監
視カメラ等で確認して、該侵入物が人体であるか否かを
確認する。上記侵入物が人体である場合には、オペレー
タは“Yes”という判定を設定入力部6を通じて防犯
センサ1に入力する。
【0119】S55では、S54で侵入物を人体と判定
された前記受信波強度を、人体反射電力データとして記
憶部4に格納して、次のS56に進む。
【0120】S56では、演算処理部5は、複数人、つ
まり所定人数の人体に対する前記反射電力データの記憶
部4への格納を完了したか否かを判断する。演算処理部
5が所定人数の人体に対する前記反射電力データ格納を
完了していないと判断したならば、再びS51の処理に
戻り、所定人数の人体に対する前記反射電力データ格納
が完了するまで、S51〜S56の処理を繰り返す。最
終的に蓄積された前記反射電力データの統計値(最頻
値,平均値,最大値,最小値等)に基づいて、前記閾値
を設定する。この閾値の設定に上記複数の人体データに
基づく学習機能を用いることができる。上記学習機能に
は任意の公知アルゴリズムを採用することができ、例え
ば標準分布を考慮したアルゴリズムを用いることができ
る。
【0121】上記初期設定モード2の動作フローを、防
犯センサ1のセットアップ時や点検時だけでなく、定期
的に比較部3及び演算処理部5の指示により自動実行す
るものとすれば、防犯センサ1のメンテナンスを容易に
しながら、人体の判定精度を向上することができる。例
えば、季節に応じた侵入者の服装変化や防犯センサ1の
経年変化に的確に対応することができる。防犯センサ1
が上記初期設定モード2の動作フローを自動実行するの
ではなく、稼働累計時間に応じて、オペレータに上記動
作フローの実行を促す構成でもよい。
【0122】また、本実施形態において、FM−CW方
式レーダシステムであるセンサ部2は、前記受信波強度
から背景データ(背景成分)を差し引くことにより、電
気回路のDC成分や掃引周波数切り替え時の影響による
低域ノイズを除去する補正処理を行う。具体的には、演
算処理部5において、取得した前記受信波強度から上記
非検知エリアデータを差し引いた絶対値を補正後の受信
波強度とする。
【0123】図8乃至10に基づいて、上記補正処理の
詳細について説明する。
【0124】図8に示されるように、理論的には、FM
−CW方式では受信波をFFT処理した場合、スペクト
ルには相似波形があらわれ、この相似波形はそれぞれ距
離に応じた中心周波数を有している。同図中、f1 の値
は任意であり、実線は距離に応じた受信レベルの減衰を
補正した後の上記相似波形をあらわす。
【0125】図9は、DC成分や低域ノイズのスペクト
ルを示した説明図である。
【0126】実際のレーダシステムでは、図10に示さ
れるように、図8の理想的なスペクトルと図9のノイズ
スペクトルが合成された形で、受信波スペクトルが得ら
れる。この波形合成では、受信波の位相も含めた波形加
算となるため、距離により低域ノイズのレベルが低下す
る場合もある。
【0127】本実施形態では、受信波信号をFFT処理
スペクトルデータ(図10相当)から、前記非検知エリ
アデータをFFT処理したノイズスペクトル(図9相
当)を差し引いて絶対値化する補正処理を行う。補正処
理後、通常の背景差分処理同様、新たな非検知エリアデ
ータ生成のため、重み付けされて非検知エリアデータと
加重平均される。
【0128】上記補正処理を前記S35で行うことによ
り、従来のFM−CW方式の電波レーダシステムでは、
検知範囲外とされていた近距離(例えば5m程度)での
侵入者特定が可能になる。
【0129】また、人体は金属などに比較すると電波の
反射率が低いものの、近距離エリアでは人体でも高い反
射率が期待できるため、近距離情報を有効に利用するこ
とによって、人体の検知感度自体が向上する。
【0130】〔実施の形態2〕次に、図6を用いて、本
発明の更なる実施形態について説明する。
【0131】図6に示されるように、本実施形態の防犯
センサ11(侵入物検知装置)は、センサ部2,演算処
理部5,設定入力部6,表示部7,時計部12から構成
されており、演算処理部5は外部の警報装置8,通報装
置9に接続されている。また、通報装置9は、管理・警
備者10に侵入物情報を通報する。実施形態1における
防犯センサ1と共通する構成は、同一の部材番号を付し
ておりその説明を省略する。なお、実施形態1における
防犯センサ1の比較部3,記憶部4は、本実施形態の防
犯センサ11では、演算処理部5と一体化している。
【0132】時計部12は、時刻を演算処理部5に知ら
せるための時計回路から構成されている。時刻を正確に
測定するためには、例えば公知のクォーツ式時計回路を
採用することが好ましい。
【0133】オペレータは、設定入力部6を通じて、予
め、警報装置8や通報装置9に通報動作を行うべき時間
帯を時計部12に設定入力しておく。設定する時間帯と
しては、例えば、住人,管理者,来客等の人間が検知エ
リア内で活動されることが予想される時間帯として、店
舗の営業時間である午前9時から午後5時までの時間帯
や、この時間帯に従業員の出退勤時間を考慮した午前8
時から午後6時までの時間帯など様々な例が考えられ
る。
【0134】上記時間帯をオペレータが設定入力するの
ではなく、防犯センサ11が自ら設定する構成を採用し
てもよい。例えば、防犯センサ11を数日間連日稼働さ
せて、検知エリア内に人間の活動がある時間帯とそれ以
外の時間帯を自動学習させることにより、防犯センサ1
1に上記時間帯を自動設定させることができる。
【0135】また、防犯センサ11はFM−CW方式レ
ーダシステムであって、侵入物の移動方向を判定するこ
とができる構成である。センサ部2が固定されている場
合には、侵入物の移動方向は防犯センサ11を基準とし
て近づく方向か、遠ざかる方向かを判定することができ
るし、センサ部2が走査方式であったり、複数設けられ
ている場合には、侵入物の移動方向を2次元的に判定で
きる。これにより、例えば防犯センサ11に近づく侵入
物のみを判定すること等が可能になる。
【0136】次に、図7を用いて、防犯センサ11の動
作フロー例について説明する。同図に示されているよう
に、上記動作フローはS71〜S75の5ステップから
構成されている。
【0137】S71では、防犯センサ11は検知エリア
内に、侵入物が存在するか否かを検出する。侵入物の存
在を検出しない場合には、侵入物を検出するまでS71
の処理を繰り返す。
【0138】S72では、上記侵入物の移動方向を確認
する。具体的には、侵入物が防犯センサ11に近づいて
いるか遠ざかっているかを判断する。侵入物が防犯セン
サ11から遠ざかっていると判断した場合には、本例で
は特に通報の必要なしとしてS71の処理に戻る。
【0139】S73では、現在時刻が予め設定された上
記時間帯であるか否かを判断する。所定時間外である場
合には、通報の必要なしとしてS71の処理に戻る。
【0140】S74では、演算処理部5は、警報装置8
や通報装置9を稼働させて、通報を行い、この結果、S
75として、通報装置9を通じて、管理・警備者10に
上記侵入が通報される。
【0141】なお、本実施形態では、上記侵入物は特に
限定されないが、実施形態1の防犯センサ1と同様の動
作フローによって、通報対象を人体に限定してもよい。
【0142】また、実施形態1,2共に、受信波強度に
時間的変動が生じているときにのみ、侵入物を人体であ
ると判定する構成を採用してもよい。一般に、検知エリ
アへの侵入物が人体ならば、通常何らかの移動を行うは
ずであり、この結果、受信波強度は時間的に変化するは
ずである。本構成によれば、各種ノイズ等に起因する誤
検知を低減して、人体の侵入判定精度を更に向上するこ
とができる。
【0143】〔実施の形態3〕次に、図13〜18を用
いて、本発明の更なる実施形態について説明する。本実
施形態の防犯センサ21(侵入物検知装置)は、図13
に示すように、センサ部2と、パーソナルコンピュータ
によって構成されるPC部22とから構成されている。
なお、実施形態1・2における防犯センサ1・11と共
通する構成は、同一の部材番号を付しておりその説明を
省略する。
【0144】センサ部2には、本体23およびセンサヘ
ッド24が配備される。本体23には、上述のように、
周波数変調部およびミリ波RF部が配備されている。ま
た、本実施形態におけるセンサ部2は、走査方式のセン
サ部であり、モータ25がセンサヘッド(アンテナ部)
24を左右方向へそれぞれ約20度回転させることがで
きる。センサヘッド24の角度は、エンコーダ26によ
り測定され、方位トリガ生成回路27によりパルス変換
されて、PC部22に出力される。
【0145】また、センサヘッド24にて受信した反射
波は、本体23内部のミリ波RF部にてビート波に変換
され、アンプ、バンドパスフィルタ等によって構成され
る波形処理回路28にて適当な波形処理が行われたの
ち、PC部22に出力される。
【0146】図14に示すように、PC部22は、演算
処理部5、設定入力部6、表示部7および時計部12を
備える構成であり、演算処理部5は、外部の警報装置
8,通報装置9に接続されている。また、通報装置9
は、管理・警備者10に侵入物情報を通報する。
【0147】図15に示すように、演算処理部5は、デ
ータ取得部30、記憶部4および判断処理部31を備え
る構成である。データ取得部30は、センサ部2に照射
する方向を指示するとともに、センサ部2から方向デー
タおよびビート波が入力される。データ取得部30は、
入力された方向データおよびビート波に対して、適当な
処理および必要な演算を行ない、所定形式のデータ(フ
レームデータ)に変換して記憶部4に保存する。
【0148】一方、判断処理部31は、記憶部4から複
数の前記フレームデータを読み出し、読み出したフレー
ムデータに基づいて侵入物を検知するとともに、検知し
た侵入物が人体であるか否かを判断する。
【0149】次に、データ取得部30および判断処理部
31における各処理動作を図16および図17に基づい
てさらに詳しく説明する。
【0150】まず、図16を用いて、データ取得部30
におけるデータ取得動作について説明する。同図に示す
ように、上記動作は、S161〜S166の6ステップ
から構成されている。
【0151】S161では、センサ部2に電波ビームを
或る方向へ照射するように指示する。これにより、セン
サ部2のセンサヘッド24は、モータ25により回転駆
動されて、指示方向に照射する。
【0152】S162では、センサ部2から、方向デー
タ、ビート波等のセンサデータ、すなわち、指示方向の
反射波データを取得する。このとき、送受信可能領域の
うち指示方向の領域を検知エリアとして、該検知エリア
からのビート波を所定の周期に渡って蓄積することによ
り、平均化を行なう。所定時間に渡るビート波の平均化
処理が終了すれば、次のS163に進む。
【0153】S163では、走査可能な全ての方向から
前記センサデータを取得したか否かを判断する。取得し
ていない場合には、S161に戻って、前回と異なる方
向に電波ビームを照射して、センサデータを取得する。
取得している場合には、次のS164に進む。
【0154】S164では、走査された各方向からのビ
ート波に対し、FFT処理を行なうことにより、スペク
トルデータに変換し、各方向データと、対応するスペク
トルデータとに基づいて、検知エリアに存在する1また
は複数の物体の方向および距離を演算する。
【0155】S165では、各方向データと、対応する
スペクトルデータと、S164により演算された物体の
方向および距離とをフレームデータとして記憶部4に記
憶することにより、フレームデータを保存する。
【0156】S166では、使用者がデータ取得の中止
を指示しているか否かを判断する。中止を指示していな
い場合には、S161に戻って、上記のデータ取得動作
を繰り返す。中止を指示している場合には、このデータ
取得処理を終了する。
【0157】次に、図17を用いて、判断処理部31に
おける判断処理動作について説明する。同図に示すよう
に、上記動作は、S171〜S176の6ステップから
構成されている。
【0158】S171では、記憶部4から複数のフレー
ムデータを読み出し、読みだした複数のフレームデータ
の中から判断対象となる物体(以下、「ターゲット」と
称する。)を抽出し、フレームデータに含まれるターゲ
ットの方向および距離に基づき、検知エリア内のターゲ
ットの位置を算出する。記憶部4から読み出す複数のフ
レームデータとしては、時間的に連続したものであるこ
とが望ましい。また、ターゲットは複数であってもよ
い。
【0159】S172では、複数のフレームデータから
ターゲットの軌跡(移動経路)を抽出する。すなわち、
S171にてフレームデータごとに算出したターゲット
の位置を繋ぐことにより、ターゲットの軌跡が抽出され
る。
【0160】S173では、S172にて抽出されたタ
ーゲットの軌跡に基づいて、ターゲットの移動方向を抽
出するとともに、記憶部4から再びフレームデータを読
みだして、フレームデータ内のスペクトルデータから、
ターゲットの反射電力、すなわち、ビート波の信号強度
を抽出する。抽出された反射電力は、センサ部2とター
ゲットとの距離に依存しないように補正処理される。
【0161】S174では、S173にて抽出されたタ
ーゲットの移動方向および反射電力に基づいて、ターゲ
ットが人体であるか否かを識別する処理を行なう。本実
施形態における人体の識別方法については、後述する。
【0162】S175では、S174にてターゲットが
人体であると識別した場合には、必要に応じて、外部の
警報装置8および通報装置9の何れか一方または両方
に、人体を検知したことを出力する。このとき、人体の
位置または移動経路(軌跡)を出力してもよい。
【0163】S176では、使用者が識別処理の中止を
指示しているか否かを判断する。中止を指示していない
場合には、S171に戻って、上記の識別処理動作を繰
り返す。中止を指示している場合には、この識別処理を
終了する。
【0164】次に本実施形態において、S174にて行
なわれる人体の識別方法について、図19(a)(b)
に基づいて説明する。
【0165】図19は、ターゲットとなる二足歩行の人
間40と四足歩行の犬41とをセンサ部2から見た状態
を示している。同図(a)では、センサ部2に向かって
前後方向、すなわち、センサ部2に対向する方向または
その反対方向に人間40および犬41が移動している状
態を示している。また、同図(b)では、センサ部2の
正面を横切る方向に人間40および犬41が移動してい
る状態を示している。
【0166】図19(a)(b)を参照すると、電波ビ
ームにより物体が照射される領域は、該物体が人間40
の場合では、何れの方向に移動していてもほとんど変わ
らないが、該物体が犬41の場合では、横切る方向に移
動しているときの方が、前後方向に移動しているときよ
りも、著しく大きいことが理解できる。
【0167】従って、ターゲットについて、異なる移動
方向どうしの反射電力の差を演算することにより、ター
ゲットが二足歩行の人間であるか、四足歩行の動物であ
るかを識別することができる。
【0168】なお、S174の識別処理において、前記
の人体を識別する方法に対して、第1実施形態のよう
に、ターゲットに関するビート波の信号強度から人体を
識別する方法や、第2実施形態のように、ターゲットの
移動方向から人体を識別する方法を組み合わせることも
できる。この場合、さらに精度よく、人体の識別が可能
となる。
【0169】上記構成の防犯センサ21を、例えば図1
8に示すように、道路の脇に設けたポールの上にセンサ
部2を設置し、センサ部2が、道路の遠い検知領域、中
間の検知領域、および近い検知領域について順次走査を
行なう場合に適用する。
【0170】センサ部2は、PC部22内の演算処理部
5からの指示に基づき、まず、遠い検知領域に電波ビー
ムを所定時間照射して反射波を受信し、受信した反射波
からビート波を生成して、生成したビート波のデータを
照射方向のデータと共に演算処理部5に出力する。以
下、センサ部2は、中間の検知領域および近い検知領域
でも同様に行なうことにより、1走査分のビート波のデ
ータと照射方向のデータとを演算処理部5に出力するこ
とになる。
【0171】このとき、演算処理部5内のデータ取得部
30は、センサ部2から入力されたビート波のデータに
基づいて、スペクトルデータを生成し、センサ部2から
入力された方向のデータと、対応するスペクトルデータ
とに基づいて、3つの検知領域に存在する1または複数
の物体の方向および距離を求める(図16のS16
4)。算出された物体の方向および距離は、センサ部2
から入力された各方向のデータと、対応するスペクトル
データとともにフレームデータとして記憶部4に保存さ
れる(同図のS165)。
【0172】ここで、人間が、遠い検知領域から中間の
検知領域を通って近い検知領域に移動した場合を考え
る。この場合、最初の走査時に、遠い検知領域にて物体
40aが検知され、2番目の走査時に、中間の検知領域
にて物体40bが検知され、3番目の走査時に、近い検
知領域にて物体40cが検知されることになる。
【0173】このとき、演算処理部5内の判断処理部3
1は、記憶部4から3走査分のフレームデータを読みだ
して、読みだしたフレームデータからターゲットとなる
物体40a〜40cを抽出して(図17のS171)、
物体40a〜40cの軌跡を抽出し(同図のS17
2)、抽出した軌跡から物体40a〜40cの移動方向
を求めるとともに、前記フレームデータに基づいて、物
体40a〜40cの反射電力を抽出する(同図のS17
3)。
【0174】この場合、図18に示すように、最初のフ
レームデータからは、物体40aの正面方向を検知し、
2番目のフレームデータからは、物体40bの斜め方向
を検知し、3番目のフレームデータからは、物体40c
の側面方向を検知することになる。
【0175】次に、物体40a〜40cの反射電力どう
しを比較し、その差が小さい(たとえば1〜2dB(デ
シベル)程度)場合には、物体40a〜40cを人体と
判定し(図17のS174)、必要があれば、外部の警
報装置8や通報装置9に出力する(同図のS175)。
【0176】従って、本実施形態の防犯センサ21は、
物体を異なる方向から検知し、それぞれの反射電力を、
距離に応じた電力補正を行った後に比較することによ
り、検知した物体が人体であるか否かを識別することが
できる。この識別方法は、二足歩行の人間と四足歩行の
動物とを識別するのに特に好適ではあるが、正面方向か
ら照射したときと、側面方向から照射したときとでは、
電波が照射される領域が大きく異なる物体であれば、該
物体と人体とを識別することができる。
【0177】なお、本実施形態では、1つのセンサ部2
を用いて人体を識別したが、図20に示すように、異な
る場所に配備した2つのセンサ部2a・2bを用いて人
体を識別することもできる。この場合、センサ部2a・
2bは、それぞれ異なる方向から電波を照射することか
ら、物体から異なる方向へ反射した反射電力を1度の走
査で取得することができる。
【0178】また、2つの前記センサ部2a・2bの一
方にのみ電波を送信する手段を設けても、センサ部2a
・2bは、それぞれ物体から異なる方向に反射した電波
を受信するから、人体を識別することができる。
【0179】さらに、図21示すように、電波の送信の
みを行うセンサ部2cを新たに配備し、2つの前記セン
サ部2a・2bが電波の受信のみを行うようにすること
により、電波を送信する手段と電波を受信する手段とを
別々に配備することもできる。この場合、センサ部2c
による電波の送信と、センサ部2a・2bによる電波の
受信との同期をとることにより、人体を識別することが
できる。
【0180】なお、上記の実施形態において、前記受信
波強度が過多状態にあるときには、前記検知エリアを変
更する構成を追加してもよい。
【0181】この場合、検知エリア内に不要反射物、例
えば鉄製の花瓶などの金属製品が存在する場合であって
も、上記不要反射物を除外するように検知エリアが変更
され、受信波強度は通常レベルに低減される。
【0182】これにより、目的とする人体からの反射波
強度が不要反射物等に起因する反射波強度に埋もれるこ
とを防止できるため、人体の判定精度が向上することが
できる。
【0183】また、侵入物検知装置が不要反射物からの
反射波強度を無視するように設定変更を行った場合、上
記特定距離領域においては侵入物検知は行われないもの
の、上記不要反射物で反射される反射波強度が突然ゼロ
になった場合等には、侵入物検知装置は、センサ故障や
侵入者による妨害工作等の異常状態を間接的に知ること
ができる。
【0184】なお、本願発明に適用できる人体の判別方
法としては、さらに以下のものが考えられる。
【0185】照射された電波が物体にて反射する際の反
射方向は、物体の形状に依存する。例えば、人体のよう
な円柱状の物体では、その側面の何れの方向から電波を
照射しても、反射波の強度が最も大きい反射方向は照射
方向の反対向きであるが、角状の物体では、その物体の
何れの方向から電波を照射するかに依存して、反射波の
強度が最も大きい反射方向は異なることになる。
【0186】したがって、同一の侵入物からの反射波を
複数の前記受信場所で受信し、それらの受信波強度を比
較することにより、侵入物が人体であるか否かを判断す
ることができる。
【0187】
【発明の効果】請求項1の発明に係る侵入物検知方法
は、以上のように、検知エリア内の侵入物を検知する侵
入物検知方法であって、電波を検知エリア内に送信する
送信ステップと、前記送信ステップにより送信された前
記電波の反射波を受信する受信ステップと、前記受信ス
テップにより受信された前記反射波に基づいて、受信波
強度を測定する測定ステップと、前記測定ステップによ
り測定された前記受信波強度に基づいて、前記侵入物が
人体であるか否か判定する人体判定ステップとを含んで
いる。
【0188】電波は、物質透過性が高いため、悪天候の
屋外や視界不良状態であっても、送受信状態を殆ど妨げ
られることがないから、請求項1の発明に係る侵入物検
知方法は、視界不良状態であっても侵入者を検知できる
という効果を奏する。
【0189】請求項2の発明に係る侵入物検知方法は、
以上のように、請求項1の方法において、前記人体判定
ステップは、前記受信波強度が所定範囲内である場合に
は、前記侵入物が人体であると判定している。
【0190】上記人体判定ステップにおいて、前記侵入
物が人体であると判定する前記受信波強度の所定範囲
を、例えば、小動物により反射される電波の強度よりも
大きく、かつ車両等で反射される電波の強度よりも小さ
くすることにより、前記侵入物が人体であるか、その他
の車両や小動物であるかを的確に判定できるから、請求
項1の作用効果に加えて、誤検知が少なく信頼性の高い
侵入物検知方法を実現できるという効果を奏する。
【0191】請求項3の発明に係る侵入物検知方法は、
以上のように、請求項1または2の方法において、前記
人体判定ステップが、前記受信波強度に時間的変動が生
じている場合には、前記侵入物が人体であると判定して
いる。
【0192】これにより、請求項1または2の作用効果
に加えて、各種ノイズ等に起因する誤検知を低減して、
人体の侵入判定精度を更に向上できるという効果を奏す
る。
【0193】請求項4の発明に係る侵入物検知方法は、
以上のように、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
方法において、前記受信ステップは、前記反射波を複数
の受信場所で受信しており、前記人体判定ステップは、
前記測定ステップにより測定された、複数の前記受信場
所に関する複数の前記受信波強度から、同一の侵入物を
特定し、特定された前記侵入物について、複数の前記受
信場所に関する複数の前記受信波強度を比較することに
より、前記侵入物が人体であるか否かを識別している。
【0194】それゆえ、前記受信ステップにて、同一の
侵入物からの反射波を複数の前記受信場所で受信し、前
記人体判断ステップにて、それらの受信波強度を比較す
ることにより、侵入物が人体であるか否かを判断するこ
とができる。
【0195】これにより、請求項1乃至3の何れか1項
の作用効果に加えて、上記の人体判定方法とは別の方法
により人体を判定できるから、人体の侵入判定精度を更
に向上する効果を奏する。
【0196】請求項5の発明に係る侵入物検知方法は、
以上のように、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
方法において、前記送信ステップは、異なる方向から電
波を送信しており、前記人体判定ステップは、前記測定
ステップにより測定された、方向の異なる複数の送信に
それぞれ対応する前記受信波強度から、同一の侵入物を
特定し、特定された前記侵入物について、送信方向の異
なる複数の前記受信波強度を比較することにより、前記
侵入物が人体であるか否かを識別している。
【0197】それゆえ、前記送信ステップにて、同一の
侵入物に対し異なる方向から電波を照射し、前記人体判
断ステップにて、それぞれの反射波の受信波強度を比較
することにより、侵入物が人間であるか否かを判断する
ことができる。
【0198】これにより、請求項1乃至4の何れか1項
の作用効果に加えて、上記の人体判定方法とは別の方法
で、侵入物が人体であるか否かを判別できるから、人体
の侵入判定精度を更に向上する効果を奏する。
【0199】請求項6の発明に係る侵入物検知装置は、
以上のように、検知エリア内の侵入物を検知する侵入物
検知装置であって、電波を検知エリア内に送信する送信
手段と、前記送信電波の反射波を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された受信波強度を測定する
受信波強度測定手段と、測定された前記受信波強度に基
づいて、人体が前記検知エリア内に侵入したか否かの判
定を行う人体判定手段とを備える構成である。
【0200】それゆえ、上記人体判定手段は、測定され
た受信波強度に基づいて、侵入物が人体であるか、その
他の車両や小動物であるかを的確に判定することができ
る。
【0201】これにより、視界不良状態であっても侵入
者の検知を行い、誤検知が少なく信頼性の高い侵入物検
知装置を実現できるという効果を奏する。
【0202】請求項7の発明に係る侵入物検知装置は、
以上のように、請求項1の構成において、前記人体判定
手段は、前記受信波強度を設定変更可能な閾値と比較す
ることにより、前記判定を行う構成である。
【0203】それゆえ、上記人体判定手段は、上記受信
波強度を所定の閾値と比較することによって、検知エリ
ア内の侵入物が人体であるか否かを判定する。
【0204】これにより、請求項1の作用効果に加え
て、判定結果に応じた閾値の設定変更により、上記閾値
を最適化することが可能となり、人体の判定精度を更に
向上することができるという効果を奏する。
【0205】請求項8の発明に係る侵入物検知装置は、
以上のように、請求項7の構成において、前記人体判定
手段は、複数の人体データに基づく学習機能によって、
前記閾値を設定する構成である。
【0206】これにより、請求項7の作用効果に加え
て、より的確な閾値を設定することが可能になり、該閾
値に基づいて人体の検知精度を向上することができると
いう効果を奏する。
【0207】請求項9の発明に係る侵入物検知装置は、
以上のように、請求項8の構成において、前記人体判定
手段は、定期的に前記閾値を設定する構成である。
【0208】これにより、例えば、季節に応じた侵入者
の服装変化や侵入物検知装置の経年変化に的確に対応し
た前記閾値が得られるため、請求項8の作用効果に加え
て、侵入物検知装置のメンテナンスを容易にしながら、
人体の検知精度を向上することができるという効果を奏
する。
【0209】請求項10の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至9ののいずれか1項の
構成において、前記人体判定手段は、前記受信波強度の
時間平均値に基づいて前記判定を行う構成である。
【0210】それゆえ、侵入物の移動や回転等に起因し
て、受信波強度が時間的に変化する場合であっても、侵
入物で反射された受信波強度の安定値を得ることができ
るので、請求項6乃至9のいずれか1項の作用効果に加
えて、侵入物が移動や回転などを行っている場合でも、
誤検知が少なく信頼性の高い侵入物検知装置を実現でき
るという効果を奏する。
【0211】請求項11の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至10のいずれか1項の
構成において、前記人体判定手段は、前記受信波強度に
時間的変動が生じているときにのみ、侵入物は人体であ
ると判定する構成である。
【0212】これにより、請求項6乃至10のいずれか
1項の作用効果に加えて、各種ノイズ等に起因する誤検
知を低減して、人体の侵入判定精度を更に向上できると
いう効果を奏する。
【0213】請求項12の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至11のいずれか1項の
構成において、前記受信手段は、複数の前記受信手段で
あり、前記人体判定手段は、前記受信波強度測定手段に
よって測定された、複数の前記受信手段の複数の前記受
信波強度から、同一の侵入物を特定する同一物特定手段
と、前記同一物特定手段によって特定された前記侵入物
について、複数の前記受信手段の複数の前記受信波強度
を比較することにより、前記侵入物が人体であるか否か
を識別する人体識別手段とを備える構成である。
【0214】上述のように、照射された電波が物体にて
反射する際の反射方向は、物体の形状に依存するから、
侵入物が人体であるか否かを判断することができる。
【0215】これにより、請求項6乃至11の何れか1
項の作用効果に加えて、上記の人体判定手段とは別の手
段により人体を判定できるから、人体の侵入判定精度を
更に向上できるという効果を奏する。
【0216】請求項13の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至12のいずれか1項の
構成において、前記送信手段は、異なる位置に設けた複
数の前記送信手段であり、前記受信手段は、複数の前記
送信手段にそれぞれ対応する複数の受信手段であり、前
記人体判定手段は、前記受信波強度測定手段によって測
定された複数の受信手段による複数の前記受信波強度か
ら、同一の侵入物を特定する同一物特定手段と、複数の
前記受信波強度を比較することにより、特定した前記侵
入物が人体であるか否かを識別する人体識別手段とを備
える構成である。
【0217】それゆえ、複数の送信手段が同一の侵入物
に対し異なる方向から電波を照射し、前記人体判断手段
が、それぞれの反射波の受信波強度を比較することによ
り、侵入物が人間であるか否かを判断することができ
る。
【0218】これにより、請求項6乃至12の何れか1
項の作用効果に加えて、上記の人体判定手段とは別の手
段で、侵入物が人体であるか否かを判別できるから、人
体の侵入判定精度を更に向上することができるという効
果を奏する。
【0219】請求項14の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至13のいずれか1項の
構成において、前記送信手段は、異なる方向へ電波を送
信するものであり、前記人体判定手段は、前記受信波強
度測定手段によって測定された、異なる方向への送信に
それぞれ対応する複数の前記受信波強度から、同一の侵
入物を特定する同一物特定手段と、前記同一物特定手段
によって特定された前記侵入物について、複数の前記受
信波強度から、特定した前記侵入物の移動方向を抽出す
る方向抽出手段と、移動方向の異なる前記侵入物に関す
る複数の前記受信波強度を比較することにより、前記侵
入物が人体であるか否かを識別する人体識別手段とを備
える構成である。
【0220】それゆえ、前記送信手段が異なる方向へ電
波を照射するから、同一の侵入物が検知エリア内を移動
する場合には、前記送信手段は、侵入物に対して異なる
方向から電波を照射することになる。したがって、上述
と同様に、同一物特定手段により同一物と特定された侵
入物が、検知エリア内を移動するときに得られた反射波
の受信強度を比較することにより、侵入物が人間である
か否かを判断することができる。
【0221】これにより、請求項6乃至13の何れか1
項の作用効果に加えて、上記の人体判定手段とは別の手
段で、侵入物が人体であるか否かを判別できるから、人
体の侵入判定精度を更に向上できるという効果を奏す
る。
【0222】請求項15の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至14のいずれか1項の
構成において、前記受信波強度に基づいて、非検知エリ
アを設定する構成である。
【0223】それゆえ、受信波強度に基づいて、人体か
らの反射波判定の障害となる不要反射物の存在領域周辺
は非検知エリアとして設定され、不要反射物からの反射
波強度に埋もれることなく、人体の侵入判定を行うこと
ができる。
【0224】これにより、請求項6乃至14のいずれか
1項の作用効果に加えて、不要反射物に起因する誤検知
や誤報を低減できるという効果を奏する。
【0225】請求項16の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至15のいずれか1項の
構成において、所定の時間帯にのみ侵入物の通報を行う
構成である。
【0226】これにより、請求項6乃至15のいずれか
1項の作用効果に加えて、特に侵入者を警戒すべき時間
帯を選択して通報を行わせることが可能となるという効
果を奏する。
【0227】請求項17の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至16のいずれか1項の
構成において、FM−CW方式であって、侵入物の移動
方向を判定する構成である。
【0228】これにより、請求項6乃至16のいずれか
1項の作用効果に加えて、侵入物である人体の移動方向
が判定可能であり、例えば侵入物検知装置に近づく人体
のみを判定することができるという効果を奏する。
【0229】請求項18の発明に係る侵入物検知装置
は、以上のように、請求項6乃至17のいずれか1項の
構成において、FM−CW方式であって、前記人体判定
手段は予め取得した背景成分を差し引かれた前記受信波
強度に基づいて、前記判定を行う構成である。
【0230】それゆえ、前記受信手段で受信された受信
波から、予め取得した背景成分を差し引かれた前記受信
波強度に基づいて前記判定が行われるため、上記低域ノ
イズの影響を抑制しながら、検知エリアの侵入物が判定
される。
【0231】これにより、請求項6乃至17のいずれか
1項の作用効果に加えて、従来検知範囲外とされていた
近距離での侵入者特定が可能になるという効果を奏す
る。また、人体は金属などに比較すると電波の反射率が
低いものの、近距離エリアでは人体でも高い反射率が期
待できるため、近距離情報を有効に利用することによっ
て、人体の検知感度自体が向上するという効果を併せて
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る防犯センサの概略構
成を示すブロック図である。
【図2】図1の防犯センサにおいて、横軸に周波数、縦
軸に受信波電力をとったスペクトルデータの一例を示す
グラフである。
【図3】図1に示された防犯センサの動作フロー例を示
すフローチャートである。
【図4】非検知エリアデータを取得する初期設定モード
における上記防犯センサの動作フロー例を示すフローチ
ャートである。
【図5】人体反射電力データを取得する初期設定モード
における上記防犯センサの動作フロー例を示すフローチ
ャートである。
【図6】本発明の更なる実施形態に係る防犯センサの概
略構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示された防犯センサの動作フロー例を示
すフローチャートである。
【図8】FM−CW方式レーダシステムにおける理論ス
ペクトルを示すグラフである。
【図9】DC成分や低域ノイズのスペクトルを示すグラ
フである。
【図10】実際のFM−CW方式レーダシステムにおけ
るスペクトルを示すグラフである。
【図11】FM−CW方式レーダシステムにおける送信
波,受信波,及び両者のフーリエ変換後の差信号との関
係を示すグラフである。
【図12】図11に対応し、侵入物が相対速度を持つ場
合の送信波,受信波,及び両者のフーリエ変換後の差信
号との関係を示すグラフである。
【図13】本発明の更なる実施形態に係る防犯センサの
概要図である。
【図14】図13に示された防犯センサの概略構成を示
すブロック図である。
【図15】図14に示された演算処理部において侵入物
の検知に関する構成を示すブロック図である。
【図16】図15に示されたデータ取得部における動作
を示すフローチャートである。
【図17】図15に示された判断処理部における動作を
示すフローチャートである。
【図18】図13に示された防犯センサの適用例を示す
概要図である。
【図19】侵入物である人間および犬をセンサ部から見
た状態を示す模式図であり、(a)は、センサ部の対向
方向またはその反対方向に人間および犬が移動している
状態を示しており、(b)は、センサ部正面を横切る方
向に人間および犬が移動している状態を示している。
【図20】図13に示された防犯センサにおいて、セン
サ部をさらに追加した構成を示す概要図である。
【図21】図20に示された防犯センサにおいて、電波
の送信のみを行なうセンサ部をさらに追加した構成を示
す概要図である。
【符号の説明】
1 防犯センサ(侵入物検知装置) 2 センサ部(送受信手段) 3 比較部 4 記憶部 5 演算処理部 6 設定入力部 7 表示部 8 警報装置 9 通報装置 10 管理・警備者 11 防犯センサ 12 時計部

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検知エリア内の侵入物を検知する侵入物検
    知方法であって、 電波を検知エリア内に送信する送信ステップと、 前記送信ステップにより送信された前記電波の反射波を
    受信する受信ステップと、 前記受信ステップにより受信された前記反射波に基づい
    て、受信波強度を測定する測定ステップと、 前記測定ステップにより測定された前記受信波強度に基
    づいて、前記侵入物が人体であるか否か判定する人体判
    定ステップとを含むことを特徴とする侵入物検知方法。
  2. 【請求項2】前記人体判定ステップは、前記受信波強度
    が所定範囲内である場合には、前記侵入物が人体である
    と判定することを特徴とする請求項1に記載の侵入物検
    知方法。
  3. 【請求項3】前記人体判定ステップは、前記受信波強度
    に時間的変動が生じている場合には、前記侵入物が人体
    であると判定することを特徴とする請求項1または2に
    記載の侵入物検知方法。
  4. 【請求項4】前記受信ステップは、前記反射波を複数の
    受信場所で受信しており、 前記人体判定ステップは、 前記測定ステップにより測定された、複数の前記受信場
    所に関する複数の前記受信波強度から、同一の侵入物を
    特定し、 特定された前記侵入物について、複数の前記受信場所に
    関する複数の前記受信波強度を比較することにより、前
    記侵入物が人体であるか否かを識別することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の侵入物検知方
    法。
  5. 【請求項5】前記送信ステップは、異なる方向から電波
    を送信しており、 前記人体判定ステップは、 前記測定ステップにより測定された、方向の異なる複数
    の送信にそれぞれ対応する前記受信波強度から、同一の
    侵入物を特定し、 特定された前記侵入物について、送信方向の異なる複数
    の前記受信波強度を比較することにより、前記侵入物が
    人体であるか否かを識別することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか1項に記載の侵入物検知方法。
  6. 【請求項6】検知エリア内の侵入物を検知する侵入物検
    知装置であって、 電波を検知エリア内に送信する送信手段と、 前記送信電波の反射波を受信する受信手段と、 前記受信手段によって受信された受信波強度を測定する
    受信波強度測定手段と、 測定された前記受信波強度に基づいて、人体が前記検知
    エリア内に侵入したか否かの判定を行う人体判定手段と
    を備えることを特徴とする侵入物検知装置。
  7. 【請求項7】前記人体判定手段は、前記受信波強度を設
    定変更可能な閾値と比較することにより、前記判定を行
    うことを特徴とする請求項6に記載の侵入物検知装置。
  8. 【請求項8】前記人体判定手段は、複数の人体データに
    基づく学習機能によって、前記閾値を設定することを特
    徴とする請求項7に記載の侵入物検知装置。
  9. 【請求項9】前記人体判定手段は、定期的に前記閾値を
    設定することを特徴とする請求項8に記載の侵入物検知
    装置。
  10. 【請求項10】前記人体判定手段は、前記受信波強度の
    時間平均値に基づいて前記判定を行うことを特徴とする
    請求項6乃至9のいずれか1項に記載の侵入物検知装
    置。
  11. 【請求項11】前記人体判定手段は、前記受信波強度に
    時間的変動が生じているときにのみ、侵入物は人体であ
    ると判定することを特徴とする請求項6乃至10のいず
    れか1項に記載の侵入物検知装置。
  12. 【請求項12】前記受信手段は、複数の前記受信手段で
    あり、 前記人体判定手段は、 前記受信波強度測定手段によって測定された、複数の前
    記受信手段の複数の前記受信波強度から、同一の侵入物
    を特定する同一物特定手段と、 前記同一物特定手段によって特定された前記侵入物につ
    いて、複数の前記受信手段の複数の前記受信波強度を比
    較することにより、前記侵入物が人体であるか否かを識
    別する人体識別手段とを備えることを特徴とする請求項
    6乃至11のいずれか1項に記載の侵入物検知装置。
  13. 【請求項13】前記送信手段は、異なる位置に設けた複
    数の前記送信手段であり、 前記受信手段は、複数の前記送信手段にそれぞれ対応す
    る複数の受信手段であり、 前記人体判定手段は、 前記受信波強度測定手段によって測定された複数の受信
    手段による複数の前記受信波強度から、同一の侵入物を
    特定する同一物特定手段と、 複数の前記受信波強度を比較することにより、特定した
    前記侵入物が人体であるか否かを識別する人体識別手段
    とを備えることを特徴とする請求項6乃至12のいずれ
    か1項に記載の侵入物検知装置。
  14. 【請求項14】前記送信手段は、異なる方向へ電波を送
    信するものであり、 前記人体判定手段は、 前記受信波強度測定手段によって測定された、異なる方
    向への送信にそれぞれ対応する複数の前記受信波強度か
    ら、同一の侵入物を特定する同一物特定手段と、 前記同一物特定手段によって特定された前記侵入物につ
    いて、複数の前記受信波強度から、特定した前記侵入物
    の移動方向を抽出する方向抽出手段と、 移動方向の異なる前記侵入物に関する複数の前記受信波
    強度を比較することにより、前記侵入物が人体であるか
    否かを識別する人体識別手段とを備えることを特徴とす
    る請求項6乃至13のいずれか1項に記載の侵入物検知
    装置。
  15. 【請求項15】前記受信波強度に基づいて、非検知エリ
    アを設定することを特徴とする請求項6乃至14のいず
    れか1項に記載の侵入物検知装置。
  16. 【請求項16】所定の時間帯にのみ侵入物の通報を行う
    ことを特徴とする請求項6乃至15のいずれか1項に記
    載の侵入物検知装置。
  17. 【請求項17】FM−CW方式であって、侵入物の移動
    方向を判定することを特徴とする請求項6乃至16のい
    ずれか1項に記載の侵入物検知装置。
  18. 【請求項18】FM−CW方式であって、前記人体判定
    手段は予め取得した背景成分を差し引かれた前記受信波
    強度に基づいて、前記判定を行うことを特徴とする請求
    項6乃至17のいずれか1項に記載の侵入物検知装置。
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