JP2002235768A - 摺動式等速ジョイント - Google Patents

摺動式等速ジョイント

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JP2002235768A
JP2002235768A JP2001035575A JP2001035575A JP2002235768A JP 2002235768 A JP2002235768 A JP 2002235768A JP 2001035575 A JP2001035575 A JP 2001035575A JP 2001035575 A JP2001035575 A JP 2001035575A JP 2002235768 A JP2002235768 A JP 2002235768A
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Takayuki Yokota
貴之 横田
Yasuro Izumi
安郎 和泉
Hirobumi Ara
博文 荒
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2軸間で作動角をとった状態における振動を抑
制すると共に、ジョイントを大型化させることなしに大
きな伝達トルクが得られる摺動式等速ジョイントの提
供。 【解決手段】方の回転軸軸1に連結されていて内周面に
円周方向等間隔のもとに3つの軸方向溝31を備えた外
輪部材3と、もう一方の回転軸2に連結されていて外輪
部材3の内部に収容される内輪部材4と、内輪部材4の
外周面に軸方向溝3と同数で円周方向等間隔のもとに放
射状に突出形成された固定軸部材51と各固定軸部材5
1の外周に対し内輪部材4の軸方向にのみ揺動自在に設
けられた中空ホルダ52と各中空ホルダ52の外周に設
けられていて外輪部材3における各軸方向溝31に沿っ
て回転移動可能な球面ローラ53とで構成されるトルク
伝達機構5と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、主に自動車の動
力伝達系において用いられる摺動式等速ジョイントに関
する。
【0002】
【従来の技術】 従来のこの種の摺動式等速ジョイント
としては、例えば、特開2000−27881号公報に
記載された摺動式等速ジョイントが開示されている。こ
の従来例の摺動式等速ジョイントは、図20(A)、
(B)に示すように、内周面に円周方向等分位置に軸方
向に延びるトラック溝101を備えた外輪部材102
と、外周面に円周方向等分位置に軸方向に延びるトラッ
ク溝103を備えた内輪部材104と、内・外輪部材1
02、104のトラック溝101、103に介在するト
ルク伝達部105とを有し、トルク伝達部105を、ギ
ヤ部106を備えたジャーナル部材107と、ジャーナ
ル部材107に回転自在に担持されたローラ108とで
構成し、ローラ108を外輪部材102のトラック溝1
02に収容させ、内輪部材104のトラック溝103の
底面にギヤ部109を設けると共にジャーナル部材10
7のギヤ部106を内輪部材104のギヤ部109と噛
み合わせることによりジャーナル部材107が内輪部材
104に対して傾くことを可能にした構造となってい
る。
【0003】即ち、従来例では、両ギヤ部106、10
9の噛み合いによりジョイントが作動角をとるとジャー
ナル部材107が内輪部材104に対して軸線方向に傾
くことにより、ローラ108の中心をジョイントの二等
分面上に保持させることができ、これにより、振動発生
の少ない4脚での摺動式等速ジョイントが成立する。ま
た、トルク伝達部105に相当する3本のジャーナル部
分が内輪部材104側に固定された旧来のトリポード型
摺動式等速ジョイントにおいて構造上不可避の問題点で
あった、所謂、偏芯振れ回りにより発生する振動を低減
させることができるようになるというものであった。な
お、この振動は、ジョイントが高回転領域で使用される
と、特に顕著に現れるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来
例の摺動式等速ジョイントにあっては、上述のように、
ジョイントが作動角をとった時に両ギヤ106、109
の噛み合いによってジャーナル部材107が内輪部材1
04に対して軸線方向において傾くことを可能にしたも
ので、両ギヤ106、109の噛み合い構造により、内
輪部材104におけるトラック溝103の側壁面とジャ
ーナル部材107の内側端部側壁面が内輪部材104と
各ジャーナル部材107との間のトルク伝達面となる構
造であるため、以下に述べるような問題点があった。
【0005】即ち、ローラ108と内輪部材104の干
渉を回避しつつ内輪部材104に対しジャーナル部材1
07を傾かせるためには内輪部材104のトラック溝1
03を深く形成することが困難なためトルク伝達容量が
極めて小さく、かつ、トルク伝達面が内周側となるため
伝達トルクを大きくすることができない。そこで、トラ
ック溝103の深さ(トラック溝103の両側壁長さ)
を大きく取ることにより、トルク伝達面を広くかつ外周
側に位置させて伝達トルクを大きくすることができる
が、そうするとローラ108と内輪部材104との干渉
を回避しつつ内輪部材104に対しジャーナル部材10
7を傾かせるためにはジョイントを大型化させることに
なる。
【0006】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、2軸間で作動角をとった状態における
振動を抑制すると共に、ジョイントを大型化させること
なしに大きな伝達トルクが得られる摺動式等速ジョイン
トを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ために、本発明請求項1記載の摺動式等速ジョイント
は、連結すべき2軸の一方の軸に連結されていて内周面
に円周方向等間隔のもとに複数の軸方向溝を備えた外輪
部材と、前記2軸のもう一方の軸に連結されていて前記
外輪部材の内部に収容される内輪部材と、該内輪部材の
外周面に前記軸方向溝と同数で円周方向等間隔のもとに
放射状に突出形成された固定軸部材と該各固定軸部材の
外周に対し内輪部材の軸方向にのみ揺動自在に設けられ
た中空ホルダと該各中空ホルダの外周に設けられていて
前記外輪部材における各軸方向溝に沿って回転移動可能
な軸受部材とで構成されるトルク伝達機構と、を備えて
いる手段とした。
【0008】請求項2記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1記載の摺動式等速ジョイントにおいて、前記各
固定軸部材の外周面と各中空ホルダの内周面とが2軸の
円周方向においては2軸の軸方向に沿った面において互
いに対向する二面幅が形成され、2軸の軸方向において
は外周側に向かうにつれて次第に増大する揺動隙間が形
成されている手段とした。
【0009】請求項3記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項2記載の摺動式等速ジョイントにおいて、前記各
固定軸部材にはその先端側に向かうにつれて2軸の軸方
向幅が次第に狭くなる先細り形状に形成されることによ
り前記揺動隙間が形成されている手段とした。
【0010】請求項4記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜3のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記各中空ホルダの外周端部には前記各軸方
向溝の底面に沿って摺接することにより前記各軸受部材
の傾きを防止する傾き防止部材が設けられている手段と
した。
【0011】請求項5記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項4記載の摺動式等速ジョイントにおいて、前記傾
き防止部材の軸方向長さは軸受部材の直径より短く形成
されている手段とした。
【0012】請求項6記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜3のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記各軸方向溝に前記各軸受部材が摺接する
ことにより該各軸受部材の傾きを防止する案内面が形成
されている手段とした。
【0013】請求項7記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜6のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記各固定軸部材の先端は前記各軸受部材の
位置まで達している手段とした。
【0014】請求項8記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜7のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記各中空ホルダはその内周側端部を前記内
輪部材に枢支することにより該各中空ホルダが前記各固
定軸部材の外周に対し内輪部材の軸方向にのみ揺動自在
に設けられている手段とした。
【0015】請求項9記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜8のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記軸受け部材は軸方向溝に沿って回転移動
可能であり前記内輪部材の回転中心から各中空ホルダの
揺動中心までの距離と該揺動中心から軸受部材の回転中
心までの距離が同一に形成されている手段とした。
【0016】請求項10記載の摺動式等速ジョイント
は、請求項1〜7のいずれかに記載の摺動式等速ジョイ
ントにおいて、前記内輪部材側に形成されていて軸受部
材の中心とは球心が軸方向に偏心する内輪部材側球面部
と、該内輪部材側球面部に摺接する内側球面と前記外輪
部材の内周面に摺接し内輪部材側球面部とは軸受部材の
中心位置を中心として球心が軸方向に偏心する外側球面
を備えたケージとで構成されるダブルオフセット式ケー
ジが設けられ、前記各中空ホルダが前記ケージに固定さ
れることにより位置決めされている手段とした。
【0017】請求項11記載の摺動式等速ジョイント
は、請求項1〜10のいずれかに記載の摺動式等速ジョ
イントにおいて、前記軸方向溝およびトルク伝達機構が
3つのトリポード型である手段とした。
【0018】
【作用】 この発明請求項1記載の摺動式等速ジョイン
トでは、各軸受部材が中空ホルダの外周に設けられてい
て、この中空ホルダの中空部内に固定軸部材が軸方向揺
動自在に配置されることで、軸受部材と内輪部材との干
渉を回避しつつ内輪部材に対する軸受部材および中空ホ
ルダを傾むかせることができると共に、トルク伝達面を
広くかつ外周側に位置させて伝達トルクを大きくするこ
とができるようになる。
【0019】従って、ジョイントを大型化させることな
しに大きな伝達トルクを得ることができるようになる。
【0020】請求項2記載の摺動式等速ジョイントで
は、上述のように、各固定軸部材の外周面と各中空ホル
ダの内周面とが2軸の円周方向においては2軸の軸方向
に沿った面において互いに対向する二面幅が形成され、
2軸の軸方向においては外周側に向かうにつれて次第に
増大する揺動隙間が形成された構成とすることにより、
固定軸部材に対し各軸受部材および中空ホルダを軸方向
に揺動させるための揺動機構を容易に作ることができる
ようになる。
【0021】請求項3記載の摺動式等速ジョイントで
は、上述のように、各固定軸部材がその先端側に向かう
につれて2軸の軸方向幅が次第に狭くなる先細り形状に
形成することで、トルク強度を低下させることなしに揺
動隙間を形成することができるようになる。
【0022】請求項4記載の摺動式等速ジョイントで
は、各中空ホルダの外周端部に設けられた傾き防止部材
が各軸方向溝の底面に沿って摺接することにより、軸受
部材の傾きが防止され、これにより、各中空ホルダおよ
び軸受部材の軸心線方向が外輪部材の軸線方向とが直交
状態に確実に維持された状態となる。従って、二等分面
が確実に得られ、振動を最小限に抑えることが可能にな
る。
【0023】請求項5記載の摺動式等速ジョイントで
は、傾き防止部材の軸方向長さが軸受部材の直径より短
く形成されることで、各軸方向溝に対する各軸受部材の
ストロークロスの発生を防止することができる。
【0024】請求項6記載の摺動式等速ジョイントで
は、各軸方向溝に形成された案内面に沿って軸受部材が
摺接することにより、軸受部材の傾きが防止され、これ
により、各軸受部材および中空ホルダの軸心線方向と外
輪部材の軸線方向とが直交状態に確実に維持された状態
となる。従って、特別な部材を追加することなしに二等
分面が確実に得られ、振動を最小限に抑えることが可能
になる。
【0025】請求項7記載の摺動式等速ジョイントで
は、各固定軸部材の先端が各軸受部材の位置まで達する
ように構成されることで、軸受部材にかかる回転トルク
をほぼ同一半径で受ける状態となるため、特にトルク強
度的に有利となる。
【0026】請求項8記載の摺動式等速ジョイントで
は、上述のように、枢支構造とすることで、従来のギヤ
式に比べ、製造コストを低減できると共に、内輪部材と
中空ホルダとの間にがたつきを発生させることがないの
で、2軸間の微小作動角領域においても軸受部材の中心
をジョイントの二等分面上に精度良く位置させることが
可能となり、これにより、2軸間の微小作動角領域にお
いても振動を確実に抑制することができるようになる。
【0027】請求項9記載の摺動式等速ジョイントで
は、上述のように、前記軸受け部材は軸方向溝に沿って
回転移動可能であり内輪部材の回転中心から各中空ホル
ダの揺動中心までの距離と該揺動中心から軸受部材の回
転中心までの距離が同一に形成されることで、前記二等
分面が確実に得られるようになる。
【0028】請求項10記載の摺動式等速ジョイントで
は、上述のように、ダブルオフセット式ケージに各中空
ホルダが固定された構造とするより、ジョイントが作動
角をとった状態において軸受部材の回転中心がほぼジョ
イントの二等分面上に保持された状態となり、これによ
り、連結される2軸の回転速度がほぼ等しい擬似等速ジ
ョイントが成立すると共に、振動を抑制することができ
る。また、ケージが軸受部材を直接保持するものではな
いため、摺動抵抗に悪影響を及ぼすこともない。
【0029】請求項11記載の摺動式等速ジョイント
は、上述のように、軸方向溝およびトルク伝達用可動軸
部材が3本で特に振動を発生させ易いトリポード型に適
用することにより、前記二等分面が有利に得られ、これ
により、振動を有効に低減できるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明の実施の形態を
図面に基づいて説明する。 (発明の実施の形態1)まず、本発明の実施の形態1の
構成を図1に基づいて説明する。
【0031】図1は、発明の実施の形態1の摺動式等速
ジョイントを示す一部切欠正面図、図2は作動角0°状
態の図1のII−II線における縦断面図、図3は作動角6
°状態の図1のII−II線における縦断面図、図4は作動
角6°状態で図1のII−II線における外輪部材のみを縦
断した縦断面図、図5は図2のA矢視図、図6は図2の
VI−VI線における横断面図であり、これらの図に示すよ
うに、この発明の実施の形態1の摺動式等速ジョイント
は、連結すべき2軸のうちの一方の回転軸1と結合する
外輪部材3と、もう一方の回転軸2と結合する内輪部材
4と、トルク伝達機構5とを主な構成として備えてい
る。
【0032】前記外輪部材3は中空で、円筒状内周面の
円周方向三等分位置に軸方向溝31、31、31が形成
されている。前記内輪部材4は、回転軸2の端部にスプ
ライン結合されると共に、Cリング21により位置決め
されていて、外輪部材3の中空部内に収容配置されてい
る。
【0033】前記トルク伝達機構5は、外輪部材3と内
輪部材4間に介在してトルクを伝達するもので、内輪部
材4の外周面に外輪部材3の軸方向溝31と同数で円周
方向等間隔のもとに放射状(半径方向)に突出形成され
た固定軸部材51と、該各固定軸部材51の外周に対し
内輪部材4の軸方向にのみ揺動自在に設けられた中空ホ
ルダ52と、該各中空ホルダ52の外周に設けられてい
て外輪部材3における各軸方向溝31に沿って回転移動
可能な球面ローラ(軸受部材)53とで構成されてい
る。
【0034】さらに詳述すると、前記球面ローラ53は
各中空ホルダ52の外周に対し、針状コロ54を介して
回転自在に設けられると共に、各球面ローラ53の曲率
中心は、該球面ローラ53の回転中心Oと一致してい
る。また、各球面ローラ53は、各軸方向溝31に沿っ
て回転移動可能な状態に収容配置されると共に、各中空
ホルダ52の外周端部側には、その外周面が各軸方向溝
31の底面に沿って摺接することにより球面ローラ53
の傾きを防止する軸方向に長いヘッド(傾き防止部材)
55が設けられている。なお、前記ヘッド55の軸方向
長さが球面ローラ53の直径よりは短く形成されてい
る。また、前記各球面ローラ53は、各中空ホルダ52
に対し該中空ホルダ52の軸方向への移動が可能な状態
に設けられることにより、内輪部材4に対し半径方向移
動可能な状態に設けられている。
【0035】また、図5、6に示すように、前記各中空
ホルダ52は略円筒状で、前記各固定軸部材51は外周
側(先端側)に向かうにつれて径が小さくなる先細りの
略裁頭円錐状に形成されることにより、各中空ホルダ5
2の内面と固定軸部材51の外面との間に外周側(先端
側)に向かうにつれて次第に増大する揺動隙間w、wが
形成されると共に、内輪部材4の円周方向において対向
する両外面が軸方向において互いに平行な平面(二面
幅)51a、51aに形成される一方、固定軸部材51
の両平面51a、51aと対向する中空ホルダ52の内
面には、該両平面51a、51aと平行な平面(二面
幅)52a、52aが形成され、さらに、前記各中空ホ
ルダ52の内周側端部を内輪部材4に枢軸41で枢支す
ることにより各中空ホルダ52が各固定軸部材51の外
周に対し内輪部材4の軸方向にのみ揺動自在な状態に組
み付けられている。
【0036】また、前記各固定軸部材51の先端は各球
面ローラ53の外周側端面位置まで達する長さを有して
いて、中空ホルダ52の両平面52a、52aのうち、
トルク伝達面となる内輪部材4の回転方向側平面52a
には、図1、6に示すように、中空ホルダ52の揺動時
における固定軸部材51の平面51aとの摩擦抵抗を低
減する針状コロ52bが設けられている。
【0037】また、図2、3に示すように、前記内輪部
材4の回転中心Pから各中空ホルダ52の枢支点Qまで
の距離L1と各枢支点Qから各球面ローラ53の回転中
心Oまでの距離L2が同一に形成されている。
【0038】次に、この発明の実施の形態1の作用・効
果を説明する。この発明の実施の形態1の摺動式等速ジ
ョイントでは、上述のように構成されるため、図3、4
に示すように、ジョイントが作動角θをとった状態でト
ルクを伝達する時、外輪部材3側では各球面ローラ53
が各軸方向溝31に沿って往復回転移動し、内輪部材4
側では各球面ローラ53および中空ホルダ52が各固定
軸部材51に対し枢支点Qを中心として軸方向に揺動す
ることにより、各球面ローラ53および中空ホルダ52
の軸心線方向と外輪部材3の軸線方向とが直交状態にほ
ぼ維持された状態となる。
【0039】図7はジョイントが作動角θをとった状態
を示す模式図であり、この図において、内輪部材4の回
転中心Pから各中空ホルダ52の枢支点Qまでの距離L
1と各枢支点Qから各球面ローラ53の回転中心Oまで
の距離L2が、この発明の実施の形態1におけるように
同一距離(L1=L2)に設定された時に、近似的に球
面ローラ53の回転中心Oがジョイントの二等分面(2
軸のなす作動角θを二等分する面)M上に配置された状
態(α=θ/2)となり、振動を最小限に抑えることが
可能となる。
【0040】また、ジョイントが作動角θをとった状態
のトルク伝達において、各球面ローラ53が各軸方向溝
31に沿って回転移動する際に、各中空ホルダ52の外
周端部に設けられたヘッド55が各軸方向溝31の底面
に沿って摺接することにより、球面ローラ53の傾きが
防止されるため、各中空ホルダ52および球面ローラ5
3の軸心線方向と外輪部材3の軸線方向とが直交状態に
確実に維持された状態となり、二等分面が確実に得ら
れ、振動を最小限に抑えることが可能となる。
【0041】なお、微小作動角θ=3°の状態で、内輪
部材4の回転中心Pから各中空ホルダ52の枢支点Qま
での距離L1と各枢支点Qから各球面ローラ53の回転
中心Oまでの距離L2の比率を変化(L2mm/L1mm=
0/25、7.5/17.5、10/15、12.5/
12.5)させた場合の、左右方向(作動角θ形成方向
とは直交する方向)の偏心振れ回りの測定結果を図8
に、また、上下方向(作動角θ形成方向)の偏心振れ回
りの測定結果を図9にそれぞれ示す。
【0042】また、図10は、作動角θを変化(0〜2
0°)させた場合の前記両距離L1、L2の各比率(L
2mm/L1mm=7.5/17.5、10/15、12.
5/12.5)における球面ローラ53の回転中心Oの
機構的位置関係(α/θ)を示す特性図であり、この特
性図に示すように、両距離L1、L2を同一(12.5
/12.5)にすることによって、球面ローラ53の回
転中心Oを二等分面(α/θ=0.5)Mに配置させる
ことができる。そして、以上のような揺動作動におい
て、枢支点Q部分にがたつきが生じることがないため、
微小作動角状態においても二等分面Mへの配置状態を確
実に維持させることができるようになる。
【0043】また、音振動レベルでみると、両距離L
1、L2の比率L2mm/L1mmが7.5/17.5の時
に−8dB、10/15の時に−14dB、12.5/1
2.5の時に−60dBとなるもので、両距離L1、L2
を同一(12.5/12.5)にすることによって、音
振動レベルを大幅に低減することができる。
【0044】以上のように、ジョイントが作動角θをと
った状態においても、外輪部材3の軸線方向と球面ロー
ラ53の軸線方向との直交状態がほぼ維持されるため、
振動を最小限に抑えることが可能になると共に、球面ロ
ーラ53の回転中心Oがほぼジョイントの二等分面M上
に保持された状態となる。従って、2軸間で作動角θを
とった状態における振動を抑制することができるように
なる。
【0045】また、各球面ローラ53が中空ホルダ52
の外周に設けられていて、この中空ホルダ52の中空部
内に固定軸部材51が軸方向揺動自在に配置されること
で、球面ローラ53と内輪部材4との干渉を回避しつつ
内輪部材4に対する球面ローラ53および中空ホルダ5
2を傾むかせることができると共に、トルク伝達面を広
くかつ外周側に位置させて伝達トルクを大きくすること
ができるようになる。従って、ジョイントを大型化させ
ることなしに大きな伝達トルクを得ることができるよう
になる。
【0046】また、各固定軸部材51の外周面と各中空
ホルダ52の内周面とが内輪部材4の円周方向において
は内輪部材4の軸方向に沿った面において互いに対向す
る平面51a、51aおよび52a、52a(二面幅)
が形成され、内輪部材4の軸方向においては外周側(先
端側)に向かうにつれて次第に増大する揺動隙間w、w
が形成された構成とすることにより、固定軸部材51に
対し各球面ローラ53および中空ホルダ52を軸方向に
揺動させるための揺動機構を容易に作ることができるよ
うになる。
【0047】また、各固定軸部材51がその外周側に向
かうにつれて内輪部材4の軸方向幅が次第に狭くなる先
細り形状に形成することで、トルク強度を低下させるこ
となしに揺動隙間w、wを形成することができるように
なる。
【0048】また、前記ヘッド55の軸方向長さが球面
ローラ53の直径より短く形成されることで、各軸方向
溝31に対する各球面ローラ53のストロークロスの発
生を防止することができる。
【0049】また、各固定軸部材51の先端が各球面ロ
ーラ53の外周側端面位置まで達するように構成される
ことで、球面ローラ53にかかる回転トルクをほぼ同一
半径で受ける状態となるため、特にトルク強度的に有利
となる。
【0050】また、内輪部材4と各中空ホルダ52との
関係を枢軸41による枢支構造とすることで、従来のギ
ヤ式に比べ、製造コストを低減できると共に、内輪部材
4と中空ホルダ52との間の枢支点Q部分にがたつきを
発生させることがないので、2軸間の微小作動角領域に
おいても球面ローラ53の回転中心Oをジョイントの二
等分面M上に精度良く位置させることが可能となり、こ
れにより、2軸間の微小作動角領域においても振動を確
実に抑制することができるようになる。
【0051】また、特に、軸方向溝31およびトルク伝
達機構が3つで特に振動を発生させ易いトリポード型に
適用することにより、前記二等分面Mが有利に得られ、
これにより、振動を有効に低減できるようになる。な
お、トルクを伝達する際、トルクは固定軸部材51を介
して行われるので、枢軸41に過大なトルクが作用する
ことがないので枢軸41をより細くすることができる。
【0052】(発明の実施の形態2)次に、発明の実施
の形態2の摺動式等速ジョイントについて説明する。な
お、この発明の実施の形態2の説明にあたっては、前記
発明の実施の形態1と同様の構成部分には同一の符号を
付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明す
る。
【0053】図11は発明の実施の形態2の摺動式等速
ジョイントを示す一部切欠正面図、図12は作動角0°
状態の図10の XII−XII 線における縦断面図、図13
は作動角6°状態の図10の XII−XII 線における縦断
面図であり、これらの図に示すように、この発明の実施
の形態2の摺動式等速ジョイントは、前記発明の実施の
形態1におけるヘッド53に代えて、各軸方向溝31の
底部側に各球面ローラ53の外周側面が摺接することで
球面ローラ53の傾きを防止する案内面32、32が形
成された構造としたものである。
【0054】即ち、各軸方向溝31に形成された両案内
面32、32に沿って各球面ローラ53の外周側面が摺
接することにより、球面ローラ53の傾きが防止され、
これにより、各中空ホルダ52および球面ローラ53の
軸心線方向が外輪部材3の半径線方向に確実に維持され
た状態となる。従って、特別な部材(ヘッド55)を追
加することなしに二等分面が確実に得られ、振動を最小
限に抑えることが可能になる。
【0055】(発明の実施の形態3)次に、発明の実施
の形態3の摺動式等速ジョイントについて説明する。な
お、この発明の実施の形態3の説明にあたっては、前記
発明の実施の形態2と同様の構成部分には同一の符号を
付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明す
る。
【0056】図14は発明の実施の形態3の摺動式等速
ジョイントを示す一部切欠正面図、図15は作動角0°
状態の図14のXV−XV線における縦断面図、図16は作
動角6°状態の図14のXV−XV線における縦断面図であ
り、これらの図に示すように、この発明の実施の形態3
の摺動式等速ジョイントは、前記発明の実施の形態2に
おける枢軸41による軸支構造を省略した点で相違した
ものであり、その他の点は前記発明の実施の形態2とほ
ぼ同様である。
【0057】即ち、この発明の実施の形態3では、内輪
部材4に対する各中空ホルダ52の揺動を可能とする範
囲において各中空ホルダ52における下端の中空部開口
径と各固定軸部材51の基部外径との差を極力小さく形
成することにより、内輪部材4と中空ホルダ52との間
の枢支点Q相当部分(中空ホルダ52の揺動中心部分)
における軸方向のがたつきを防止し、これにより、2軸
間の微小作動角領域においても球面ローラ53の回転中
心をジョイントの二等分面M上に精度良く位置させるこ
とを可能としたものである。従って、2軸間の微小作動
角領域においても振動を確実に抑制することができるよ
うになると共に、枢軸41による軸支構造を省略するこ
とで製造コストを低減できるようになる。
【0058】(発明の実施の形態4)次に、発明の実施
の形態4の摺動式等速ジョイントについて説明する。な
お、この発明の実施の形態4の説明にあたっては、前記
発明の実施の形態と同様の構成部分には同一の符号を付
けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0059】図17は発明の実施の形態4の摺動式等速
ジョイントを示す一部切欠正面図、図18は作動角0°
状態の図17のXIIX−XIIX線における縦断面図、図19
は作動角6°状態の図17のXIIX−XIIX線における縦断
面図であり、これらの図に示すように、この発明の実施
の形態4の摺動式等速ジョイントは、前記内輪部材4の
外周面側に形成されていて球面ローラ53の回転中心O
とは球心Rが軸方向に偏心する内輪部材側球面部42
と、該内輪部材側球面部42に摺接する内側球面Sと外
輪部材3の内周円弧面33に摺接し前記内輪部材側球面
部42の球心Rとは球面ローラ53の回転中心O位置を
中心として球心Cが軸方向に偏心する外側球面Dを備え
たケージ6とで構成されるダブルオフセット式ケージが
設けられ、前記各中空ホルダ52の基部が前記ケージ6
に設けられた窓部6aにそれぞれ固定されることにより
位置決めされた構成となっている。即ち、前記球心Rと
回転中心Oとの間の距離と、回転中心Oと球心Cとの間
の距離が同一に形成されている。
【0060】前記ケージ6は、軸方向に組み付け可能な
2分割部材61、62で構成されることにより、固定軸
部材51が突出形成された内輪部材4に対する組み付
け、および、このケージ6の窓部6aに対する各中空ホ
ルダ52の組み付け固定を可能にしている。
【0061】次に、この発明の実施の形態4の作用・効
果を説明する。この発明の実施の形態4の摺動式等速ジ
ョイントでは、上述のように構成されるため、図19に
示すように、ジョイントが作動角θをとった状態でトル
クを伝達する時、前記球心Rと回転中心Oとの間の距離
と、回転中心Oと球心Cとの間の距離が同一に形成され
ているため、外輪部材3に対し内輪側部材4が作動角θ
だけ傾くと、ケージ6は作動角θの1/2(α)だけ傾
いた状態となり、従って、この状態においては、近似的
に球面ローラ53の回転中心Oがジョイントの二等分面
(2軸のなす作動角θを二等分する面)M上に配置され
た状態(α=θ/2)となり、これにより、擬似等速ジ
ョイントが成立した状態となる。
【0062】そして、外輪部材3側では各球面ローラ5
3が各軸方向溝31に沿って往復回転移動するが、この
時の各軸方向溝31に対する球面ローラ53の傾き角α
は、ジョイント作動角θの1/2であるため、軸方向溝
31に対する球面ローラ53の摺動抵抗もさほど大きく
なく、また、ケージ6は球面ローラ53を直接保持する
ものではないため、摺動抵抗に悪影響を及ぼすこともな
い。従って、2軸間で作動角θをとった状態における振
動を抑制することができるようになる。
【0063】以上発明の実施の形態を図面により説明し
たが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限ら
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
ける設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0064】例えば、発明の実施の形態では、軸方向溝
31およびトルク伝達機構が3つで特に振動を発生させ
易いトリポード型に適用したが、4本以上のものにも適
用することができる。また、軸受部材を球面にローラに
変え、滑り軸受を用いたり、固定軸部材と軸方向溝間に
リニアベアリングを設けてもよい。
【0065】また、発明の実施の形態では、各固定軸部
材51側を先細り形状に形成することにより、揺動隙間
w、wを形成したが、中空ホルダの中空部の軸方向幅を
先端に向かうにつれて幅広に形成することにより、揺動
隙間w、wを形成するようにしても良い。
【0066】また、発明の実施の形態1〜3では、内輪
部材4の回転中心Pから各中空ホルダ52の枢支点Qま
での距離L1と各枢支点Qから各球面ローラ53の回転
中心Oまでの距離L2を同一に形成した最適例を示した
が、同一でなくても所定の効果を得ることができる。
【0067】また、発明の実施の形態1では傾き防止用
のヘッド55が設けられ、発明の実施の形態2、3では
傾き防止用の案内面32、32が設けられた例を示した
が、これらを備えなくても、所定の効果を得ることがで
きる。
【0068】また、発明の実施の形態2、3では、傾き
防止用として球面ローラ53の外周側面に摺接する案内
面32、32のみを形成したが、球面ローラ53の内周
側面に摺接する案内面を形成し、もしくは、球面ローラ
53の内・外周両側面に共に摺接する状態で案内面を形
成するようにしてもよい。
【0069】また、発明の実施の形態では、中空ホルダ
52の両平面52a、52aのうちの一方(内輪部材4
の回転方向側平面52a)にのみ針状コロ52bを設け
たが、両方にもうけても良い。また、固定軸部材51の
平面51a、51a側に設けるようにしても良い。
【0070】
【発明の効果】 以上説明してきたように本発明請求項
1記載の摺動式等速ジョイントでは、上述のように、連
結すべき2軸の一方の軸に連結されていて内周面に円周
方向等間隔のもとに複数の軸方向溝を備えた外輪部材
と、前記2軸のもう一方の軸に連結されていて前記外輪
部材の内部に収容される内輪部材と、該内輪部材の外周
面に前記軸方向溝と同数で円周方向等間隔のもとに放射
状に突出形成された固定軸部材と該各固定軸部材の外周
に対し内輪部材の軸方向にのみ揺動自在に設けられた中
空ホルダと該各中空ホルダの外周に設けられていて前記
外輪部材における各軸方向溝に沿って移動可能な軸受部
材とで構成されるトルク伝達機構と、を備えている手段
としたことで、ジョイントが作動角をとった状態におい
ても、外輪部材の軸線方向と軸受部材の軸線方向との直
交状態がほぼ維持されるため、振動を最小限に抑えるこ
とが可能になると共に、軸受部材の中心がほぼジョイン
トの二等分面上に保持された状態となり、2軸間で作動
角をとった状態における振動を抑制することができるよ
うになる。
【0071】また、各軸受部材が中空ホルダの外周に設
けられていて、この中空ホルダの中空部内に固定軸部材
が軸方向揺動自在に配置されることで、軸受部材と内輪
部材との干渉を回避しつつ内輪部材に対する軸受部材お
よび中空ホルダを傾むかせることができると共に、トル
ク伝達面を広くかつ外周側に位置させて伝達トルクを大
きくすることができるようになる。従って、ジョイント
を大型化させることなしに大きな伝達トルクを得ること
ができるようになる。
【0072】請求項2記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1記載の摺動式等速ジョイントにおいて、前記各
固定軸部材の外周面と各中空ホルダの内周面とが2軸の
円周方向においては2軸の軸方向に沿った面において互
いに対向する二面幅が形成され、2軸の軸方向において
は外周側に向かうにつれて次第に増大する揺動隙間が形
成されている手段としたことで、固定軸部材に対し各軸
受部材および中空ホルダを軸方向に揺動させるための揺
動機構を容易に作ることができるようになる。
【0073】請求項3記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項2記載の摺動式等速ジョイントにおいて、前記各
固定軸部材がその外周側に向かうにつれて2軸の軸方向
幅が次第に狭くなる先細り形状に形成されることにより
前記揺動隙間が形成されている手段としたことで、トル
ク強度を低下させることなしに揺動隙間を形成すること
ができるようになる。
【0074】請求項4記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜3のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記各中空ホルダの外周端部には前記各軸方
向溝の底面に沿って摺接することにより前記各軸受部材
の傾きを防止する傾き防止部材が設けられている手段と
したことで、各中空ホルダおよび軸受部材の軸心線方向
が外輪部材の半径線方向に確実に維持された状態とな
り、これにより、軸方向溝に対する軸受部材の摺動抵抗
を最小限の状態に維持し、振動を最小限に抑えることが
可能になる。
【0075】請求項5記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項4記載の摺動式等速ジョイントにおいて、前記傾
き防止部材の軸方向長さが軸受部材の直径より短く形成
されている手段としたことで、各軸方向溝に対する各軸
受部材のストロークロスの発生を防止することができる
ようになる。
【0076】請求項6記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜3のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記各軸方向溝に前記各軸受部材が摺接する
ことにより該各軸受部材の傾きを防止する案内面が形成
されている手段としたことで、軸受部材の傾きが防止さ
れ、これにより、各軸受部材および中空ホルダの軸心線
方向と外輪部材の軸線方向との直交状態が確実に維持さ
れた状態となる。従って、特別な部材を追加することな
しに二等分面が確実に得られ、振動を最小限に抑えるこ
とが可能になる。
【0077】請求項7記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜6のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記各固定軸部材の先端が前記各軸受部材の
位置まで達している手段としたことで、軸受部材にかか
る回転トルクをほぼ同一半径で受ける状態となるため、
特にトルク強度的に有利となる。
【0078】請求項8記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜7のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、前記各中空ホルダの内周側端部を前記内輪部
材に枢支することにより該各中空ホルダが前記各固定軸
部材の外周に対し内輪部材の軸方向にのみ揺動自在に設
けられている手段としたことで、従来のギヤ式に比べ、
軸支構造により製造コストを低減できると共に、内輪部
材と中空ホルダとの間にがたつきを発生させることがな
いので、2軸間の微小作動角領域においても軸受部材の
中心をジョイントの二等分面上に精度良く位置させるこ
とが可能となり、これにより、2軸間の微小作動角領域
においても振動を確実に抑制することができるようにな
る。
【0079】請求項9記載の摺動式等速ジョイントは、
請求項1〜8のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント
において、軸受部材は軸方向溝に沿って回転移動可能で
あり前記、移送内輪部材の回転中心から各中空ホルダの
揺動中心までの距離と該揺動中心から軸受部材の回転中
心までの距離が同一に形成されている手段としたこと
で、前記二等分面が確実に得られるようになる。
【0080】請求項10記載の摺動式等速ジョイント
は、請求項1〜7のいずれかに記載の摺動式等速ジョイ
ントにおいて、前記内輪部材側に形成されていて軸受部
材の回転中心とは球心が軸方向に偏心する内輪部材側球
面部と、該内輪部材側球面部に摺接する内側球面と前記
外輪部材の内周面に摺接し内輪部材側球面部とは軸受部
材の回転中心位置を中心として球心が軸方向に偏心する
外側球面を備えたケージとで構成されるダブルオフセッ
ト式ケージが設けられ、前記各中空ホルダが前記ケージ
に固定されることにより位置決めされている手段とした
ことで、ジョイントが作動角をとった状態において軸受
部材の回転中心がほぼジョイントの二等分面上に保持さ
れた状態となり、振動を抑制することができるようにな
る。また、ケージが軸受部材を直接保持するものではな
いため、摺動抵抗に悪影響を及ぼすこともない。
【0081】請求項11記載の摺動式等速ジョイント
は、請求項1〜10のいずれかに記載の摺動式等速ジョ
イントにおいて、前記軸方向溝およびトルク伝達機構が
3つのトリポード型である手段としたことで、特に振動
を発生させ易いトリポード型に適用することにより、前
記二等分面が有利に得られ、これにより、振動を有効に
低減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態の1の摺動式等速ジョイント
を示す一部切欠正面図である。
【図2】作動角0°状態の図1のII−II線における縦断
側面図である。
【図3】作動角6°状態の図1のII−II線における縦断
側面図である。
【図4】作動角6°状態の図1のII−II線における外輪
部材のみを縦断した縦断側面図である。
【図5】図2のA矢視図である。
【図6】図2のVI−VI線における横断平面図である。
【図7】発明の実施の形態1の摺動式等速ジョイントに
おける作動角をとった状態を示す模式図である。
【図8】発明の実施の形態1の摺動式等速ジョイントを
含む左右方向(作動角形成方向とは直交する方向)の偏
心振れ回りの測定結果を示す図である。
【図9】発明の実施の形態1の摺動式等速ジョイントを
含む上下方向(作動角形成方向)の偏心振れ回りの測定
結果を示す図である。
【図10】作動角を変化させた場合の両距離L1、L2
の各比率における球面ローラの回転中心の機構的位置関
係を示す特性図である。
【図11】発明の実施の形態2の摺動式等速ジョイント
を示す一部切欠正面図である。
【図12】作動角0°状態の図11の XII−XII 線にお
ける縦断側面図である。
【図13】作動角6°状態の図11の XII−XII 線にお
ける縦断側面図である。
【図14】発明の実施の形態3の摺動式等速ジョイント
を示す一部切欠正面図である。
【図15】作動角0°状態の図14のXV−XV線における
縦断側面図である。
【図16】作動角6°状態の図14のXV−XV線における
縦断側面図である。
【図17】発明の実施の形態4の摺動式等速ジョイント
を示す一部切欠正面図である。
【図18】作動角0°状態の図17のXIIX−XIIX線にお
ける縦断側面図である。
【図19】作動角6°状態の図17のXIIX−XIIX線にお
ける縦断側面図である。
【図20】従来例の摺動式等速ジョイントを示す断面図
であり、(A)はジョイント正面図、(B)は縦断側面
図である。
【符号の説明】
1 回転軸 2 回転軸 3 外輪部材 4 内輪部材 5 トルク伝達機構 6 ケージ 6a 窓部 21 Cリング 31 軸方向溝 32 案内面 33 内周円弧面 41 枢軸 42 内輪部材側球面部 51 固定軸部材 52a 平面(二面幅) 52 中空ホルダ 52a 平面(二面幅) 52b 針状コロ 53 球面ローラ(軸受部材) 54 針状コロ 55 ヘッド(傾き防止部材) 61 2分割部材(ケージ) 62 2分割部材(ケージ) D 外側球面 M 二等分面 S 内側球面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和泉 安郎 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 荒 博文 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連結すべき2軸の一方の軸に連結されて
    いて内周面に円周方向等間隔のもとに複数の軸方向溝を
    備えた外輪部材と、 前記2軸のもう一方の軸に連結されていて前記外輪部材
    の内部に収容される内輪部材と、 該内輪部材の外周面に前記軸方向溝と同数で円周方向等
    間隔のもとに放射状に突出形成された固定軸部材と該各
    固定軸部材の外周に対し内輪部材の軸方向にのみ揺動自
    在に設けられた中空ホルダと該各中空ホルダの外周に設
    けられていて前記外輪部材における各軸方向溝に沿って
    回転移動可能な軸受部材とで構成されるトルク伝達機構
    と、を備えていることを特徴とする摺動式等速ジョイン
    ト。
  2. 【請求項2】 前記各固定軸部材の外周面と各中空ホル
    ダの内周面とが2軸の円周方向においては2軸の軸方向
    に沿った面において互いに対向する二面幅が形成され、
    2軸の軸方向においては外周側に向かうにつれて次第に
    増大する揺動隙間が形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の摺動式等速ジョイント。
  3. 【請求項3】 前記各固定軸部材にはその先端側に向か
    うにつれて2軸の軸方向幅が次第に狭くなる先細り形状
    に形成されることにより前記揺動隙間が形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の摺動式等速ジョイン
    ト。
  4. 【請求項4】 前記各中空ホルダの外周端部には前記各
    軸方向溝の底面に沿って摺接することにより前記各軸受
    部材の傾きを防止する傾き防止部材が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の摺動式
    等速ジョイント。
  5. 【請求項5】 前記傾き防止部材の軸方向長さは軸受部
    材の直径より短く形成されていることを特徴とする請求
    項4に記載の摺動式等速ジョイント。
  6. 【請求項6】 前記各軸方向溝には前記各軸受部材が摺
    接することにより該各軸受部材の傾きを防止する案内面
    が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の摺動式等速ジョイント。
  7. 【請求項7】 前記各固定軸部材の先端は前記各軸受部
    材の位置まで達していることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の摺動式等速ジョイント。
  8. 【請求項8】 前記各中空ホルダはその内周側端部を前
    記内輪部材に枢支することにより前記各固定軸部材の外
    周に対し内輪部材の軸方向にのみ揺動自在に設けられて
    いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    摺動式等速ジョイント。
  9. 【請求項9】 前記軸受け部材は軸方向溝に沿って回転
    移動可能であり前記内輪部材の回転中心から各中空ホル
    ダの揺動中心までの距離と該揺動中心から軸受部材の回
    転中心までの距離が同一に形成されていることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載の摺動式等速ジョイ
    ント。
  10. 【請求項10】 前記内輪部材側に形成されていて軸受
    部材の中心とは球心が軸方向に偏心する内輪部材側球面
    部と、該内輪部材側球面部に摺接する内側球面と前記外
    輪部材の内周面に摺接し内輪部材側球面部とは軸受部材
    の中心位置を中心として球心が軸方向に偏心する外側球
    面を備えたケージとで構成されるダブルオフセット式ケ
    ージが設けられ、 前記各中空ホルダが前記ケージに固定されることにより
    位置決めされていることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の摺動式等速ジョイント。
  11. 【請求項11】 摺動式等速ジョイントは前記軸方向溝
    およびトルク伝達機構が3つのトリポード型であること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の摺動式
    等速ジョイント。
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CN101836000A (zh) * 2007-10-23 2010-09-15 Gkn动力传动系统国际有限责任公司 三脚接头和用于三脚接头的滚柱体
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