JP2002228860A - 光電気回路基板 - Google Patents

光電気回路基板

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JP2002228860A
JP2002228860A JP2001020629A JP2001020629A JP2002228860A JP 2002228860 A JP2002228860 A JP 2002228860A JP 2001020629 A JP2001020629 A JP 2001020629A JP 2001020629 A JP2001020629 A JP 2001020629A JP 2002228860 A JP2002228860 A JP 2002228860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気回路基板の配線導体上に十分な密着強度
で有機系光導波路を形成した光電気回路基板を提供す
る。 【解決手段】 電気回路基板の貴金属から成る配線導体
2上に、配線導体2と間にチタン・クロム・ニオブ・タ
ングステン・モリブデンおよびタンタルの少なくとも一
種から成る金属層3を介在させて、水酸基あるいはアル
キル基を有する有機系光学材料から成る層を下部クラッ
ド層4とした有機系光導波路を形成した光電気回路基板
である。配線導体2の貴金属と金属層3とは金属結合に
より強固に接合するとともに、下部クラッド層4は金属
層3の表面終端の水酸基と光導波路の下部クラッド層6
の水酸基やアルキル基とが脱水重合や脱アルコール重合
によって強固に結合することから、貴金属から成る配線
導体2上にも十分な密着強度で有機系光導波路を形成し
た光電気回路基板を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信モジュール
等に用いられる光電気回路基板に関し、より詳細には、
電気回路基板上に光導波路が形成された光電気回路基板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信モジュール等には、例えば
シリコン基板に配線導体を用いた電気回路と光導波路を
用いた光回路とを形成した光電気回路基板に各種の光デ
バイスを搭載したものが使われている。また、シリコン
基板よりも電気的な高周波特性や機械的強度に優れ、さ
らに多層化による高い電気配線密度が実現できるセラミ
ック回路基板に光導波路を形成した光電気回路基板が提
案されている。
【0003】一方、光導波路としては、例えば石英ガラ
ス基板やシリコン基板上に火炎堆積法により成膜したシ
リカ膜を利用して3次元形状のクラッド部およびコア部
を形成したシリカ系光導波路や、ニオブ酸リチウム単結
晶基板をクラッド部とし、この基板上にチタンを熱拡散
して3次元導波路形状にコア部を形成した光導波路等が
ある。
【0004】しかしながら、これらのシリカ系光導波路
等を形成するには約1000℃以上の高温の熱処理が必要で
あるため、電気回路基板上にこれら光導波路による光回
路を形成する際に下地となる電気回路基板に損傷を与え
ることとなってしまう。
【0005】これに対し、作製時に高温処理が必要なこ
れら従来のシリカ系光導波路等に代えて、低温形成が可
能な有機系光学材料による光導波路が検討されている。
この光導波路に利用される有機系光学材料としては、P
MMA(ポリメチルメタアクリレート)・ポリカーボネ
ート・ポリイミド・ポリシロキサン・BCB(ベンゾシ
クロブテン)・フッ素樹脂等が検討されている。
【0006】これら有機系光学材料から成る光導波路の
作製方法としては、シリコン基板やガラス基板上に下部
クラッド層を形成し、次に、この下部クラッド層よりも
高い屈折率を持つコア層を形成して、薄膜微細加工技術
を用いてコア層をRIE(リアクティブイオンエッチン
グ)等により加工してコア部を形成した後、コア部より
も低い屈折率を有する上部クラッド層を被覆して3次元
形状の光導波路を形成する方法が行なわれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機系
光学材料による光導波路をセラミック回路基板等の電気
回路基板上に形成しようとする場合、光導波路用の有機
系光学材料と電気回路基板の電気配線である金属等から
成る配線導体との密着強度が低いため、光導波路の作製
工程やその後のデバイス実装等の後工程において、光導
波路用の有機系光学材料から成る下部クラッド層が電気
回路基板の配線導体から剥がれたり、下部クラッド層に
クラックが発生するという問題点があった。
【0008】このような問題を解決する手段として、本
発明者は特願2000-43128号において、上面に配線導体が
形成された電気回路基板上に、配線導体との間に酸化珪
素または珪素から成る中間層を介在させて、水酸基ある
いはアルキル基を有する有機系光学材料から成る層を下
部クラッド層とした有機系の光導波路を形成した光電気
回路基板を提案した。これによれば、中間層表面の終端
の水酸基と下部クラッド層の水酸基およびアルキル基と
が脱水重合や脱アルコール重合によって結合することか
ら、両者の密着強度を向上できるというものである。
【0009】この特願2000-43128号に提案した光電気回
路基板における光導波路は、基板に対する密着強度の向
上は見られたが、特に配線導体の表面が金や白金等の貴
金属であり、配線導体の線幅が100μmを超えるような
大きな面積を持つような場合では、光導波路形成後のビ
アホール形成工程等の光導波路層に過度の負荷がかかる
ような工程を通した際に、剥がれが生じることがあると
いうさらに改善すべき点があった。
【0010】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みて案
出されたものであり、その目的は、電気回路基板の配線
導体上に十分な密着強度で有機系光導波路を形成した光
電気回路基板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の光電気回路基板
は、上面に貴金属から成る配線導体が形成された電気回
路基板上に、前記配線導体との間にチタン・クロム・ニ
オブ・タングステン・モリブデンおよびタンタルの少な
くとも一種から成る金属層を介在させて、水酸基あるい
はアルキル基を有する有機系光学材料から成る層を下部
クラッド層とした光導波路を形成したことを特徴とする
ものである。
【0012】また、本発明の光電気回路基板は、上面に
貴金属から成る配線導体が形成された電気回路基板上
に、前記配線導体との間にチタン・クロム・ニオブ・タ
ングステン・モリブデンおよびタンタルの少なくとも一
種から成る金属層とこの金属層上に形成した酸化珪素ま
たは珪素から成る中間層とを介在させて、水酸基あるい
はアルキル基を有する有機系光学材料から成る層を下部
クラッド層とした光導波路を形成したことを特徴とする
ものである。
【0013】また、本発明の光電気回路基板は、上記各
構成において、前記有機系光学材料がシロキサン系ポリ
マであることを特徴とするものである。
【0014】本発明の光電気回路基板によれば、電気回
路基板の金や白金等の貴金属から成る配線導体上に、間
にチタン・クロム・ニオブ・タングステン・モリブデン
およびタンタルの少なくとも一種から成る金属層を介在
させて、水酸基あるいはアルキル基を有する有機系光学
材料から成る層を下部クラッド層とした有機系光導波路
を形成したことにより、配線導体の金や白金等の貴金属
とチタン・クロム・ニオブ・タングステン・モリブデン
およびタンタルの少なくとも一種から成る金属層とは金
属結合により強固に接合するとともに、下部クラッド層
は金属層の表面終端の水酸基と光導波路の下部クラッド
層の水酸基やアルキル基とが脱水重合や脱アルコール重
合によって強固に結合することから、貴金属から成る配
線導体上にも十分な密着強度で有機系光導波路を形成し
た光電気回路基板を得ることができる。
【0015】また、電気回路基板の貴金属から成る配線
導体上に、間にチタン・クロム・ニオブ・タングステン
・モリブデンおよびタンタルの少なくとも一種から成る
金属層とこの金属層上に形成した酸化珪素または珪素か
ら成る中間層とを介在させて、水酸基あるいはアルキル
基を有する有機系光学材料から成る層を下部クラッド層
とした光導波路を形成した場合には、配線導体の貴金属
とチタン・クロム・ニオブ・タングステン・モリブデン
およびタンタルの少なくとも一種から成る金属層とが金
属結合により強固に接合するとともに、金属層上に形成
される酸化珪素または珪素から成る中間層が、例えばス
パッタリング法や電子ビーム蒸着法・イオンビーム蒸着
法・レーザアブレーション成膜法・CVD法等の周知の
方法により形成されることにより、活性の高い状態で金
属層表面に中間層が形成されることによる化学的な結合
が行なわれることと、配線導体表面への成膜材料粒子の
打ち込みによる物理的なアンカー効果が得られることか
ら、配線導体表面へのより大きな密着強度が得られると
ともに、中間層の表面終端の水酸基と光導波路の下部ク
ラッド層の水酸基やアルキル基とが脱水重合や脱アルコ
ール重合によって強固に結合することから、貴金属から
成る配線導体上にもより大きな密着強度で有機系光導波
路を形成した光電気回路基板を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光電気回路基板に
ついて図面を参照しつつ説明する。
【0017】図1は本発明の光導波路の実施の形態の一
例を示す断面図である。図1において、1は基板、2は
基板1の上面に形成された配線導体であり、これらによ
り電気回路基板が構成されている。3は金属層、4は光
導波路の有機系光学材料から成る下部クラッド層、5は
光導波路のコア部、6は光導波路の上部クラッド層であ
る。
【0018】基板1は電気回路および光回路を形成して
電気回路基板を構成するための基板であり、光集積回路
基板や光電子混在基板等の光信号を扱う基板として使用
される種々の基板、例えばシリコン基板やアルミナ基板
・ガラスセラミック基板・多層セラミック電気回路基板
・薄膜多層電気回路が形成されたセラミック電気回路基
板・プラスチック電気配線基板等が使用できる。
【0019】配線導体2は、基板1の表面や内部におい
て所定の電気回路を形成して電気回路基板を構成するも
のであり、少なくとも最表面が金(Au)や白金(P
t)等の貴金属から成るものである。この配線導体2
は、例えばスパッタリング法・電子ビーム蒸着法・イオ
ンビーム蒸着法・レーザアブレーション成膜法・CVD
法等の金属薄膜形成技術や、フォトリソグラフィ等の薄
膜加工技術を用いて所望の配線パターンに加工すればよ
い。また、スクリーン印刷等による周知のセラミック基
板へのメタライジング技術等を利用して所望の配線パタ
ーンに形成してもよい。
【0020】金属層3は、基板1の上面の少なくとも配
線導体2の表面に形成された、チタン・クロム・ニオブ
・タングステン・モリブデンおよびタンタルの少なくと
も一種から成る層である。この金属層3の形成方法とし
ては、スパッタリング法・電子ビーム蒸着法・イオンビ
ーム蒸着法・レーザアブレーション成膜法・CVD法等
を利用することができる。中でも、スパッタリング法や
イオンビーム蒸着法は、配線導体2表面への成膜材料粒
子の打ち込み効果が大きいので、アンカー効果によって
金属層3と配線導体2との密着強度が大きくなることか
ら好適である。
【0021】本発明において金属層3としてチタン・ク
ロム・ニオブ・タングステン・モリブデンおよびタンタ
ルの少なくとも一種から成る金属もしくは合金を用いる
のは、配線導体2と金属層3との、および金属層3とそ
の上に形成する下部クラッド層4との密着強度を十分に
大きくすることができるためである。その理由は、金属
層3と配線導体2とは金属結合により強固に接合できる
とともに、金属層3の表面は水酸基で終端することがで
きることと、有機系光学材料から成る下部クラッド層4
に水酸基やアルキル基が含まれることから、金属層3の
表面の水酸基と下部クラッド層4の水酸基やアルキル基
とが脱水重合や脱アルコール重合によって強固に結合
し、両層の間で大きな密着強度が得られるためである。
【0022】金属層3の厚さとしては、金属層3による
十分な被覆性を得るためには10nm以上の厚さとするこ
とが好ましい。一方、金属層3をスパッタリング法・電
子ビーム蒸着法・イオンビーム蒸着法・レーザアブレー
ション成膜法・CVD法等で成膜した場合は、膜応力が
100MPa以上であることが普通であり、層の厚さが厚
い場合には、膜応力によって基板1を大きく反らせた
り、基板1表面から層が剥がれたり、クラックが生じた
りする問題がある。これに対し、金属層3の厚さが500
nm以下であれば、有機系光学材料から成る下部クラッ
ド層4と同程度の膜応力に抑えることができるので、そ
のような問題が生じることはない。
【0023】また、図示しないが、金属層3の上に酸化
珪素または珪素から成る中間層を形成することによって
密着強度をより大きくすることができる。この中間層を
形成する方法としては、スパッタリング法・電子ビーム
蒸着法・イオンビーム蒸着法・レーザアブレーション成
膜法・CVD法等を用いればよい。この場合、活性の高
い状態で金属層3表面に層が形成されることによる化学
的な結合と、配線導体2表面への成膜材料粒子の打ち込
みによる物理的なアンカー効果が得られることからより
大きな密着強度が得られるとともに、中間層の表面は水
酸基で終端することができることと、有機系光学材料か
ら成る下部クラッド層4に水酸基やアルキル基が含まれ
ることから、中間層の表面の水酸基と下部クラッド層4
の水酸基やアルキル基とが脱水重合や脱アルコール重合
によって強固に結合し、両層の間で大きな密着強度が得
られるためである。
【0024】配線導体2表面を含む基板1上面に、少な
くとも配線導体2との間に金属層3を介在させて形成さ
れる光導波路は、下部クラッド層4および上部クラッド
層6から成るクラッド部4・6中にコア部5が形成され
た三次元導波路形状の光導波路である。その形成材料と
しては、例えばポリイミド・フッ化ポリイミド・シロキ
サン系ポリマ・PMMA・オレフィン系樹脂等から成
り、末端基として水酸基およびアルキル基を有している
有機系の光学材料から成る光導波路を用いる。
【0025】光導波路の作製方法としては、まず下部ク
ラッド層4を形成する。これにはポリイミド・フッ化ポ
リイミド・シロキサン系ポリマ・PMMA・オレフィン
系樹脂等の有機系光学材料の有機溶媒溶液を、金属層3
が形成された基板1にスピンコート法等により所定厚み
に塗布し、熱処理することにより形成する。
【0026】コア部5は、ポリイミド・フッ化ポリイミ
ド・シロキサン系ポリマ・PMMA・オレフィン系樹脂
等の有機系光学材料の有機溶媒溶液を下部クラッド層4
が形成された基板1に例えばスピンコート法等により所
定厚みに塗布し、熱処理することにより層形成した後、
フォトリソグラフィやRIE等の周知の薄膜微細加工技
術を用いて、下部クラッド層4上に所定の形状で形成す
ればよい。ここで、コア部5は下部クラッド層4よりも
高い屈折率を有する材料とする。
【0027】上部クラッド層6は、コア部5を形成した
後に、ポリイミド・フッ化ポリイミド・シロキサン系ポ
リマ・PMMA・オレフィン系樹脂等の有機系光学材料
の有機溶媒溶液を下部クラッド層4およびコア部5が形
成された基板1に例えばスピンコート法等により所定厚
みに塗布し、熱処理することにより形成する。
【0028】ここで、コア部5の高さや幅・屈折率、下
部クラッド層4の厚さ・屈折率、上部クラッド層6の厚
さ・屈折率は、周知の光導波路理論を用いて所望の仕様
で設計すればよい。
【0029】以上のようにして、埋め込み型の三次元導
波路形状の光導波路を作製する。
【0030】本発明の光電気回路基板において、下部ク
ラッド層4を形成する有機系光学材料としてシロキサン
系ポリマを用いた場合には、例えばシロキサン系ポリマ
の有機溶媒をスピンコート法等により基板1に塗布した
後、100℃から300℃程度の低温熱処理によって下部クラ
ッド層4を形成することができ、また、屈折率を制御す
るために金属アルコキシドを混合して金属を含有したシ
ロキサン系ポリマを容易に作製することができ、それに
より所望の屈折率に精度良く制御できるので、光導波路
の作製が容易となる。さらに、層形成の際の収縮が小さ
いので、基板1表面に形成した層の表面の平坦化性・平
滑化性に優れており、基板1として表面粗さが大きな基
板1や配線導体2による大きな起伏がある電気回路基板
を用いた場合でもその上にも精度良く光導波路を作製す
ることができる。
【0031】また、シロキサン系ポリマはシロキサン結
合を有しているため優れた熱的安定性を有する光導波路
を形成することができる。さらに、水酸基やアルキル基
を末端基とすることが容易であり、金属層3上に下部ク
ラッド層4となる膜を形成した場合に、金属層3の表面
の水酸基との脱水重合や脱アルコール重合によって金属
層3との大きな密着強度が得られる。
【0032】このような光導波路のクラッド部4・6お
よびコア部5に用いるシロキサン系ポリマとしては、基
本的にポリマの骨格にシロキサン結合が含まれている樹
脂であればよく、例えばポリフェニルシルセスキオキサ
ン・ポリジフェニルシルセスキオキサン・ポリメチルフ
ェニルシルセスキオキサン等を用いることができる。
【0033】
【実施例】次に、本発明の光電気回路基板について具体
例を説明する。
【0034】<実施例1>まず、シリコンから成る基板
1上にTi/Pt/Au(厚さ:1000nm/500nm/5
000nm)の3層構造を有する最表面がAuから成る電
源用配線となる広面積の配線導体2を基板1全面に形成
した。その後、基板1上全面に電子ビーム蒸着法を用い
て厚さ5nmのチタンから成る金属層3を形成した。次
に、過酸化水素水溶液で親水化処理を施した後、クラッ
ド部4・6がシロキサン系ポリマ、コア部5がチタン含
有シロキサン系ポリマから成るステップインデックス型
光導波路を形成した。このときコア部5およびクラッド
部4・6の屈折率をそれぞれ1.444および1.440として、
コア部5の幅を8μm、高さを8μmとし、コア部5の
上部の上部クラッド層6の厚さを4μmとした。また、
基板1とコア部5との間の下部クラッド層4の厚さは12
μmとした。
【0035】このとき、作製中に光導波路層の剥がれや
クラックの発生は見られなかった。また、光導波路形成
後のダイシングによるチップ切り分けにおいても光導波
路層の剥がれの発生は見られなかった。さらに、光導波
路の導波路特性にも何ら問題は見られなかった。
【0036】<実施例2>まず、シリコンから成る基板
1上にTi/Pt/Au(厚さ:1000nm/500nm/5
000nm)の3層構造を有する最表面がAuから成る電
源用配線となる広面積の配線導体2を基板1全面に形成
した。その後、基板1上の全面に電子ビーム蒸着法を用
いて厚さ5nmのチタンから成る金属層3を形成した。
次に、基板1上の全面に、スパッタリング法を用いて厚
さ10nmの酸化珪素層から成る中間層を形成した。次
に、クラッド部4・6がシロキサン系ポリマから、コア
部5がチタン含有シロキサン系ポリマから成るステップ
インデックス型光導波路を形成した。このときコア部5
およびクラッド部の屈折率をそれぞれ1.444および1.440
として、コア部5の幅を8μm、高さを8μmとし、コ
ア部5の上部に位置する上部クラッド層6の厚さを4μ
mとした。また、基板1とコア部5との間の下部クラッ
ド層4の厚さは12μmとした。
【0037】このとき、作製中に光導波路層の剥がれや
クラックの発生は見られなかった。また、光導波路形成
後のダイシングによるチップ切り分けにおいても光導波
路層の剥がれの発生は見られなかった。さらに、光導波
路の導波路特性にも何ら問題は見られなかった。
【0038】<実施例3>まず、シリコンから成る基板
1上にTi/Pt/Au(厚さ:1000nm/500nm/5
000nm)の3層構造を有する最表面がAuから成り、
所定の回路配線にパターン加工された配線導体2を形成
した。その後、配線導体2を露出したフォトレジストパ
ターンを形成し、基板1上全面に電子ビーム蒸着法を用
いて厚さ5nmのチタンから成る金属層を形成し、リフ
トオフ法によってフォトレジストを除去して、配線導体
2表面上にチタンから成る金属層3を形成した。次に、
過酸化水素水溶液で親水化処理を施した後、クラッド部
4・6がシロキサン系ポリマ、コア部5がチタン含有シ
ロキサン系ポリマから成るステップインデックス型光導
波路を形成した。このときコア部5およびクラッド部4
・6の屈折率をそれぞれ1.444および1.440として、コア
部5の幅を8μm、高さを8μmとし、コア部5の上部
に位置する上部クラッド層6の厚さを4μmとした。ま
た、基板1とコア部5との間の下部クラッド層4の厚さ
は12μmとした。
【0039】このとき、作製中に光導波路層の剥がれや
クラックの発生は見られなかった。また、光導波路形成
後のダイシングによるチップ切り分けにおいても光導波
路層の剥がれの発生は見られなかった。さらに、光導波
路の導波路特性にも何ら問題は見られなかった。
【0040】<実施例4>まず、シリコンから成る基板
1上にTi/Pt/Au(厚さ:1000nm/500nm/5
000nm)の3層構造を有する最表面がAuから成り、
所定の回路配線にパターン加工された配線導体2を形成
した。その後、配線導体2を露出したフォトレジストパ
ターンを形成し、基板1上全面に電子ビーム蒸着法を用
いて厚さ5nmのチタンから成る金属層を形成し、リフ
トオフ法によってフォトレジストを除去して、配線導体
2表面上にチタンから成る金属層3を形成した。次に、
基板1上の全面に、スパッタリング法を用いて厚さ10n
mの酸化珪素層から成る中間層を形成した。次に、クラ
ッド部4・6がシロキサン系ポリマ、コア部5がチタン
含有シロキサン系ポリマから成るステップインデックス
型光導波路を形成した。このときコア部5およびクラッ
ド部4・6の屈折率をそれぞれ1.444および1.440とし
て、コア部5の幅を8μm、高さを8μmとし、コア部
5の上部に位置する上部クラッド層6の厚さを4μmと
した。また、基板1とコア部5との間の下部クラッド層
4の厚さは12μmとした。
【0041】このとき、作製中に光導波路層の剥がれや
クラックの発生は見られなかった。また、光導波路形成
後のダイシングによるチップ切り分けにおいても光導波
路層の剥がれの発生は見られなかった。さらに、光導波
路の導波路特性にも何ら問題は見られなかった。
【0042】<実施例5>本発明との比較のため、Ti
/Pt/Au(厚さ:1000nm/500nm/5000nm)
の3層構造を有する最表面がAuから成る配線導体2を
全面に形成したシリコン基板上に、実施例1と同様に、
クラッド部4・6がシロキサン系ポリマから、コア部5
がチタン含有シロキサン系ポリマから成るステップイン
デックス型光導波路の形成を試みた。金属層3を形成し
ない本実施例の場合では、コア部5の形成工程で光導波
路層が基板1から全面的に剥がれた。
【0043】<実施例6>さらに、本発明との比較のた
め、Ti/Pt/Auの3層構造を有する最表面がAu
から成る配線導体2を形成したシリコン基板上に、クラ
ッド部4・6がシロキサン系ポリマ、コア部5がチタン
含有シロキサン系ポリマから成るステップインデックス
型光導波路を形成した。このとき、実施例1と同様に、
コア部5およびクラッド部4・6の屈折率をそれぞれ1.
444および1.440として、コア部5の幅を8μm、高さを
8μmとし、コア部5の上部に位置する上部クラッド層
6の厚さを4μmとした。また、基板1とコア部5との
間の下部クラッド層4の厚さは12μmとした。
【0044】中間層を形成しない本実施例の場合では、
配線導体2がない部分では光導波路層がシリコン基板1
表面と十分な強度で密着しているので、実施例5の場合
のように全面が剥がれるということはなかったが、配線
導体2の部分において光導波路層の剥がれやクラックが
見られた。
【0045】以上のように、本発明によれば、電気回路
基板の配線導体上にも十分な密着強度で有機系光導波路
を形成した光電気回路基板を提供できることが確認でき
た。
【0046】なお、本発明は以上の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更・改良を加えることは何ら差し支えない。
例えば、配線導体2のAuの表面上に金属層3を形成す
る場合、Auと金属層3との拡散を抑制するために、P
t等の拡散抑制層をAuと金属層3との間に介在させて
もよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明の光電気回路基板
によれば、電気回路基板の貴金属から成る配線導体上
に、配線導体との間にチタン・クロム・ニオブ・タング
ステン・モリブデンおよびタンタルの少なくとも一種か
ら成る金属層を介在させて、水酸基あるいはアルキル基
を有する有機系光学材料から成る層を下部クラッド層と
した有機系光導波路を形成したことにより、配線導体の
貴金属とチタン・クロム・ニオブ・タングステン・モリ
ブデンおよびタンタルの少なくとも一種から成る金属層
とは金属結合により強固に接合するとともに、下部クラ
ッド層は金属層の表面終端の水酸基と光導波路の下部ク
ラッド層の水酸基やアルキル基とが脱水重合や脱アルコ
ール重合によって強固に結合することから、貴金属から
成る配線導体上にも十分な密着強度で有機系光導波路を
形成した光電気回路基板を得ることができた。
【0048】また、本発明の光電気回路基板によれば、
電気回路基板の貴金属から成る配線導体上に、配線導体
との間にチタン・クロム・ニオブ・タングステン・モリ
ブデンおよびタンタルの少なくとも一種から成る金属層
とこの金属層上に形成した酸化珪素または珪素から成る
中間層とを介在させて、水酸基あるいはアルキル基を有
する有機系光学材料から成る層を下部クラッド層とした
光導波路を形成したことから、配線導体の貴金属とチタ
ン・クロム・ニオブ・タングステン・モリブデンおよび
タンタルの少なくとも一種から成る金属層とが金属結合
により強固に接合するとともに、金属層上に形成される
酸化珪素または珪素から成る中間層が、例えばスパッタ
リング法や電子ビーム蒸着法・イオンビーム蒸着法・レ
ーザアブレーション成膜法・CVD法等の周知の方法に
より形成されることにより、活性の高い状態で金属層表
面に中間層が形成されることによる化学的な結合が行な
われることと、配線導体表面への成膜材料粒子の打ち込
みによる物理的なアンカー効果が得られることから、配
線導体表面へのより大きな密着強度が得られるととも
に、中間層の表面終端の水酸基と光導波路の下部クラッ
ド層の水酸基やアルキル基とが脱水重合や脱アルコール
重合によって強固に結合することから、貴金属から成る
配線導体上にもより大きな密着強度で有機系光導波路を
形成した光電気回路基板を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電気回路基板の実施の形態の一例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・配線導体 3・・・金属層 4・・・光導波路の下部クラッド層(クラッド部) 5・・・光導波路のコア部 6・・・光導波路の上部クラッド層(クラッド部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に貴金属から成る配線導体が形成さ
    れた電気回路基板上に、前記配線導体との間にチタン・
    クロム・ニオブ・タングステン・モリブデンおよびタン
    タルの少なくとも一種から成る金属層を介在させて、水
    酸基あるいはアルキル基を有する有機系光学材料から成
    る層を下部クラッド層とした光導波路を形成したことを
    特徴とする光電気回路基板。
  2. 【請求項2】 上面に貴金属から成る配線導体が形成さ
    れた電気回路基板上に、前記配線導体との間にチタン・
    クロム・ニオブ・タングステン・モリブデンおよびタン
    タルの少なくとも一種から成る金属層と該金属層上に形
    成した酸化珪素または珪素から成る中間層とを介在させ
    て、水酸基あるいはアルキル基を有する有機系光学材料
    から成る層を下部クラッド層とした光導波路を形成した
    ことを特徴とする光電気回路基板。
  3. 【請求項3】 前記有機系光学材料がシロキサン系ポリ
    マであることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の光電気回路基板。
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