JP2002226897A - オレイン酸石鹸及びその製造方法、並びに抗酸化剤及びその製造方法 - Google Patents

オレイン酸石鹸及びその製造方法、並びに抗酸化剤及びその製造方法

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JP2002226897A JP2001028230A JP2001028230A JP2002226897A JP 2002226897 A JP2002226897 A JP 2002226897A JP 2001028230 A JP2001028230 A JP 2001028230A JP 2001028230 A JP2001028230 A JP 2001028230A JP 2002226897 A JP2002226897 A JP 2002226897A
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▲ちょう▼蔵 平尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚の老化防止機能を有し、石鹸の酸化によ
る劣化が少ないオレイン酸石鹸及びその製造方法、並び
に抗酸化剤及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 脂肪酸としてオレイン酸を用い、これに
水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを反応させて得ら
れるオレイン酸アルカリ金属塩に対し、抗酸化剤として
絹物質を混合又は添加し、更にブドウ糖などを添加して
オレイン酸石鹸を作製する。これにより、絹物質が有す
る還元作用によって、オレイン酸石鹸の酸化による劣化
を抑制すると共に、皮膚の老化を抑制する石鹸を提供で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレイン酸石鹸、特
に、皮膚の老化予防に好適なオレイン酸石鹸、及びその
製造方法、並びに抗酸化剤およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】浴用化粧品としての石鹸やシャンプー類
には、皮膚障害の治療を目的として作られたもの、皮膚
の抵抗力の弱い幼児やアトピーを発症し易い人を対象に
したものがあるが、高齢者を対象とした皮脂を除き過ぎ
ない石鹸の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】皮膚に悪影響がなく、
皮脂を除き過ぎないために、オレイン酸を単独で利用し
た場合の石鹸及びシャンプーとしての利点は想定、又は
知られていたが、オレイン酸を単独で使ったオレイン酸
石鹸は、酸化による石鹸の劣化が早いために商品化され
ることがなかった。
【0004】そこで本発明の目的は、皮膚の保護機能と
共に、石鹸自体としての酸化による劣化の少ないオレイ
ン酸石鹸、及びその製造方法、並びに抗酸化剤及びその
製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、オレイ
ン酸アルカリ金属塩と抗酸化剤とを含有し、この抗酸化
剤が、絹又は絹分解物並びにその誘導体、及びセリシン
又はその誘導体より選ばれた少なくとも一種の絹物質か
らなるオレイン酸石鹸(以下、本発明のオレイン酸石鹸
と称する。)に係るものである。
【0006】本発明のオレイン酸石鹸によれば、オレイ
ン酸アルカリ金属塩と絹物質からなる抗酸化剤とを含有
しているので、絹物質が有する強い還元力によってオレ
イン酸アルカリ金属塩の酸化による劣化を抑制すること
ができると共に、絹物質の作用により皮脂の除去を抑制
することができ、従って、これを化粧石鹸として使用し
た場合、その潤滑作用によって皮脂の過剰な除去を抑制
し、皮膚の老化を防止することができる。
【0007】また、本発明は、オレイン酸アルカリ金属
塩と抗酸化剤とを含有し、この抗酸化剤が、絹又は絹分
解物並びにその誘導体、及びセリシン又はその誘導体よ
り選ばれた少なくとも一種の絹物質からなるオレイン酸
石鹸を製造するに際し、オレイン酸とアルカリ金属水酸
化物とを反応させて前記オレイン酸アルカリ金属塩を調
製する工程と、前記絹物質を調製する工程と、前記オレ
イン酸アルカリ金属塩と前記絹物質とを混合する工程と
を有する、オレイン酸石鹸の製造方法(以下、本発明の
オレイン酸石鹸の製造方法と称する。)に係るものであ
る。
【0008】本発明のオレイン酸石鹸の製造方法によれ
ば、オレイン酸とアルカリ金属水酸化物とを反応させて
調製したオレイン酸アルカリ金属塩と、調製した絹物質
とが混合されるので、上記した本発明のオレイン酸石鹸
と同様な効果が奏せられる、オレイン酸石鹸の再現性の
良い製造方法を提供することができる。
【0009】また、本発明は、絹又は絹分解物並びにそ
の誘導体、及びセリシン又はその誘導体より選ばれた少
なくとも一種の絹物質からなる抗酸化剤(以下、本発明
の抗酸化剤と称する。)に係るものである。
【0010】本発明の抗酸化剤によれば、絹物質である
絹又は絹物質やその誘導体及びセリシン又はその誘導体
は、これを混合又は添加される対象物に対する還元作用
を有しているので、有効な抗酸化剤として利用すること
ができる。
【0011】また、本発明は、絹の精練残液からセリシ
ン又はその誘導体を得る、抗酸化剤の製造方法(以下、
本発明の抗酸化剤の製造方法と称する。)に係るもので
ある。
【0012】本発明の抗酸化剤の製造方法によれば、絹
の精練残液からセリシン又はその誘導体を抗酸化剤とし
て製造するので、上記した本発明の抗酸化剤と同様の効
果が奏せられる、再現性の良い抗酸化剤の製造方法を提
供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】上記した本発明の、オレイン酸石
鹸、オレイン酸石鹸の製造方法、抗酸化剤及び抗酸化剤
の製造方法においては、前記オレイン酸アルカリ金属塩
が、オレイン酸と水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム
等のアルカリ金属との反応によって得られることが望ま
しい。
【0014】この場合、重金属のマスキング剤を含む前
記アルカリ金属水酸化物の水溶液に前記オレイン酸を添
加して反応させるのが良く、前記マスキング剤としてク
エン酸を使用するのが望ましい。
【0015】そして、前記オレイン酸アルカリ金属塩に
対して、抗酸化剤として前記絹物質を混合又は添加する
のが望ましい。抗酸化剤としての絹物質の添加量は、石
鹸全体の0.2〜5.0重量%とするのがよく、0.2
重量%未満では抗酸化作用、整肌作用共に乏しく、また
5.0重量%を超えると石鹸としての洗浄効果が低下し
易い。絹物質の添加量は更に0.3〜5.0重量%とす
るのが効果的である。
【0016】また、第2の抗酸化剤として、ブドウ糖を
含有させてもよい。抗酸化剤としてのブドウ糖の添加量
は、石鹸全量の0.01〜0.2重量%とするのがよ
く、0.01重量%未満では抗酸化作用に乏しく、0.
2重量%を超えると不必要な反応が起こり、石鹸として
の洗浄効果が低下し易い。また、ブドウ糖の含有量は石
鹸全量の0.02〜0.1重量%、更には0.02〜
0.05重量%とするのが効果的である。ここで、上記
した不必要な反応とは、アミノカルボニル反応と称さ
れ、絹物質とブドウ糖を変質させ、抗酸化剤として働か
なくなることがある。
【0017】この場合、絹の精練残液からセリシン又は
その誘導体を得て前記絹物質とすることが望ましい。
【0018】即ち、生糸、生織物、繭層の精練液中に溶
出したタンパク質から前記絹物質を得るに際し、前記精
練液に酸(例えば酢酸)を添加してセリシンを沈殿さ
せ、この沈殿物から前記セリシン又はその誘導体を分離
し、分離された前記セリシン又はその誘導体を凍結乾燥
した後、フレーク状に粉末化することができる。
【0019】上記のようにして、オレイン酸石鹸は、ア
ルカリ金属塩の劣化が防止された化粧石鹸として用いら
れることができる。
【0020】以下、本発明の実施の形態を具体的に説明
する。
【0021】上記したように、本発明のオレイン酸アル
カリ金属塩に混合又は添加する絹物質はセリシン又はそ
の誘導体であり、この絹物質(以下、セリシンと称する
ことがある。)は家蚕の繭から生糸を得る際の繭の精練
浴中に溶出するため、この精練残液に多く含まれてい
る。
【0022】即ち、繭糸はフィブロインからなる硬タン
パク質の外側がセリシンからなる別のタンパク質で被覆
された構造を有しており、このセリシンは生糸を得るた
めに、その大半がフィブロインに対する不純物として精
練によって除去される方法(詳細は本発明者が提案し
た、絹繊維又はその織物の精練方法(特許第18823
53号、特公平6−4933号公報)に掲載)につい
て、本発明は、この除去されたセリシンを精練残液から
分離して得、これをオレイン酸石鹸に利用することが望
ましい。
【0023】本実施の形態のオレイン酸石鹸は図1に示
す工程により製造することができる。即ち、工程A1
おいて水溶液にクエン酸及び水酸化カリウムを溶解させ
る。クエン酸は水に含まれるマグネシウムやカルシウム
等の重金属を被覆するマスキング作用を有しており、ま
た無害であることから望ましいものである。このような
マスキング剤として使用可能なクエン酸以外の物質とし
ては、例えばポリリン酸ナトリウムやエチレンジアミン
四酢酸等もある。
【0024】次いで工程A2において水溶液を加熱沸騰
させて溶存酸素を除去し、A3工程で弱く沸騰させて攪
拌しながら、オレイン酸を徐々に添加して反応(鹸化反
応)させることによりオレイン酸カリウム塩が得られ
る。
【0025】次いで工程A4において、前工程で鹸化反
応したオレイン酸カリウム塩に対して、後述する製法で
得られるセリシンを添加し、これを沸騰攪拌して反応を
終らせ、必要に応じて、更にブドウ糖を添加する工程A
5を設けてもよく、防腐剤や泡立ち補助剤及び香料を添
加する工程A6を設けてもよく、以上の工程を経て本発
明のオレイン酸石鹸を得ることができる。
【0026】また、本実施の形態のセリシンは図2に示
す工程により製造することができる。即ち、上述の特許
第1882353号に基づいて、カルシウムなどを用い
て生糸又は繭を精練し、精練浴(精練残液)に溶出した
セリシンを回収するものであり、まず、工程B1におけ
る絹の精練残液に対し、工程B2において酸(例えば酢
酸)を添加し、pHを4位にしてセリシンを沈殿させ
る。
【0027】次いで工程B3において、上澄を廃棄し、
セリシンを沈殿物から濾過し、工程B4において沈殿部
分を凍結乾燥することにより、フレーク状のセリシン粉
末を得ることができる。
【0028】上記した特許による方法は、生糸の精練時
にカルシウムなどを利用するため、セリシンの凝集力が
大きく、精練浴に溶解しているセリシンの分離が容易で
あり、短い工程でセリシン粉末化ができ、後述する他の
方法よりも効率的に行える。
【0029】また、セリシンは図3又は図4に示す工程
によっても製造することができる。
【0030】図3は繭そのものを利用する方法であり、
まず工程C1においてセリシン繭から蛹を取り除き、こ
れを工程C2において水洗いして蚕の糞尿やごみ等を取
り除き、工程C3においてこれを自然乾燥する。このセ
リシン繭層は直接石鹸液に加えて煮沸溶解させることが
できる。
【0031】また、図4は、精練した絹を常法によって
液状絹とし、これにプロテアーゼ(パパイン、ペプシ
ン、枯草菌プロティナーゼ、セリシナーゼなどのタンパ
ク質分解酵素)を作用させて水溶性のポリペプチドを製
造する方法である。
【0032】即ち、まず工程D1において、常法により
液状絹を調製し、工程D2においてこれにプロテアーゼ
を作用させ、次は工程D3において、絹フィブロインを
主成分とした液状絹を酵素によって加水分解をする。
【0033】プロテアーゼの種類によって最適の条件が
僅かずつ異なるが、この場合は常法による酵素分解処理
とする、又ペプチド結合の加水分解をする場所が異なる
が、絹分子の約30%を占める非結晶部分を水溶液状に
することができ、この部分には還元性のペプチド及び脂
質を含むと考えられる。
【0034】次いで工程D4において、沈殿を濾過また
は遠心分離して除き、上澄を分離して酢酸で中和し、次
の工程D5において、煮沸濃縮して酵素を失活させた
後、最後は工程D6においてこれを凍結乾燥する。
【0035】この製造工程で複製する沈殿は、絹の結晶
構造部分が化粧品原料又は絹ペプタイド製造原料として
貴重である。また、上記した図2〜図4によるセリシン
の製造方法は、硬質タンパク質の絹から還元力を保った
ままで、安定な水溶性部分を製造する方法である。
【0036】上記した本実施の形態のオレイン酸カリウ
ム石鹸は、原料のオレイン酸が酸化して発生する特有の
臭気があるが、ブドウ糖及び絹物質の添加によって酸化
オレイン酸が還元されるため、臭気は消滅する。このこ
とは、ブドウ糖と絹物質の酸化防止機能を証明するもの
である。
【0037】また、ブドウ糖はその還元作用により、オ
レイン酸の臭気の除去のみならず、絹物質中の脂質の酸
化による特有の悪臭も消失させるので、香料等の添加量
を減少させると共に絹物質の添加量を増加させることが
可能となる。このようなブドウ糖と絹物質の組み合せに
よって、絹物質をオレイン酸石鹸に使用することを十二
分に可能とし、更には化粧品や食品等の酸化防止にも使
用することもできる。
【0038】このようなオレイン酸石鹸は、各種の石鹸
の中で洗浄能力が低い石鹸であり、この性質は、皮脂を
除きすぎないので、皮脂が欠乏してくる高齢者にはやさ
しい石鹸であり、皮脂を残して肌の乾燥を防ぐので、痒
みの発症はなくなる。また、絹物質の作用で肌を潤滑で
つややかにすることができ、これは絹の精練を経験した
人全員が認める現象である。
【0039】皮膚の老化は、重要な原因の一つに外界か
らの酸化作用が考えられているが、石鹸に配合されてい
る絹物質とブドウ糖の還元作用は、試用の結果によれば
皮膚の老化を遅らせる働きをする効果があると考えられ
る。
【0040】更に、アトピー性皮膚炎の症状が治療され
た後の皮膚洗浄には、刺激が少ないオレイン酸とカリウ
ムとの塩であることと、還元性物質との相乗効果で従来
の石鹸とは比較にならないほど優しい石鹸として働くた
め、加齢によって肌が大きく変化する高齢者向きの石鹸
と言うことができる。
【0041】
【実施例】上記した本発明の実施の形態に基づいて、実
施例のオレイン酸石鹸及びこれに使用するセリシンを作
製した。
【0042】実施例1 本実施例は、ブドウ糖含有の絹オレイン酸石鹸(出来あ
がり約1000リットル)を製造した例であり、反応タ
ンクは2000リットルが収容できる大きさのものを使
用した。
【0043】図1に示すオレイン酸石鹸の製造フローに
従い、上記反応タンクに、水1100kgを注入し、こ
れにクエン酸8kg、水酸化カリウム44kgを溶解し
てから加熱沸騰させて溶存酸素を除き、更に弱く沸騰さ
せ、攪拌しながらオレイン酸155.3kgを徐々に加
えて反応させた。
【0044】鹸化反応が終わった後、セリシン(後述の
実施例により調製したもの)5kgを振り入れ、暫く沸
騰攪拌を続けて反応を終わらせた。しかる後、0.3k
gのブドウ糖を混合溶解した。ブドウ糖の添加量は0.
2〜1kgの範囲が良く、オレイン酸の品質によって増
減する。最後に防腐剤、泡立ち補助剤、香料を添加し
て、オレイン酸石鹸を得た。
【0045】上記のクエン酸の使用量は、用水に溶存し
ている金属イオン量によって異なる。水酸化カリウムの
純度は不安定であるため、出来上りのpHが微酸性にな
るように調製し、高齢者の肌にやさしいようにカリウム
塩型を採用した。
【0046】上記した製造方法により、石鹸の酸化によ
る劣化が抑制され、浴用として使用した場合、皮膚に優
しいオレイン酸石鹸を製造できた。
【0047】実施例2 上記実施例1と同様に、鹸化反応を終了した石鹸に対
し、セリシンの添加量を大幅に増加した以外は実施例1
と同様に実施した。
【0048】オレイン酸石鹸に対するセリシンの添加反
応量を、30kgから50kg位に増加させると、石鹸
の性質よりも皮膚の障害を修復する性質が強く出てくる
ので、薬効を示すクリーム石鹸も製造できた。
【0049】実施例3 上記各実施例に用いたセリシンを図2に示したセリシン
の製造フローに従い、生糸の精練残液から作製した。
【0050】セリシンが溶解している精練残液に酢酸を
加え、pH4にしてセリシンを沈殿させた。その後上澄
みを廃棄し、沈殿に含まれる溶液部分を濾過して除き、
沈殿部分を凍結乾燥してセリシン粉末を短時間で製造す
ることができた。
【0051】上記した各実施例によれば、実施例3の短
縮された製造工程により効率的にセリシンを製造するこ
とができ、このセリシンを抗酸化剤に用いた実施例1の
オレイン酸石鹸の製造方法によって、ブドウ糖並びにセ
リシンが有する強い還元力を利用して、オレイン酸石鹸
の酸化による劣化を抑制するだけでなく、浴用として利
用した時、ブドウ糖及びセリシンが相乗的に作用して皮
膚の酸化による老化を抑制する効果も得ることができ
る。
【0052】また、セリシンの添加量を増やした実施例
2の製造方法によっては、実施例1における効果に加
え、皮膚障害を修復する薬効を付加することができる。
【0053】従って、上記した各実施例によって、オレ
イン酸石鹸の酸化による劣化を遅らせることが出来ると
共に、洗髪用、洗顔用、浴用石鹸として商品市場に参入
することが可能になり、従来より宿望されていた高齢者
用の肌に優しい石鹸を提供することができる。
【0054】上記した実施の形態及び実施例は、本発明
の技術的思想に基づいて変形することができる。
【0055】例えば、抗酸化剤として用いた実施例のセ
リシン以外にも、実施例と同等の効果を発揮するもので
あれば、適宜な材料を使用することができる。
【0056】また、セリシン又はこれと同等の抗酸化性
の物質は、オレイン酸石鹸以外の石鹸に応用することも
可能である。
【0057】また、実施例に用いたオレイン酸石鹸の製
造フロー及びセリシンの製造フロー、並びに添加する材
料等は、これに限定するものではなく、適宜に変形する
ことができる。
【0058】
【発明の作用効果】上述した如く、本発明のオレイン酸
石鹸の製造方法により製造されるオレイン酸石鹸及びこ
れに使用する抗酸化剤は、オレイン酸アルカリ金属塩と
抗酸化剤とを含有し、この抗酸化剤が、絹又は絹分解物
並びにその誘導体、及びセリシン又はその誘導体より選
ばれた少なくとも一種の絹物質からなるので、絹物質が
有する強い還元力によってオレイン酸アルカリ金属塩の
酸化による劣化を抑制することができると共に、絹物質
の作用により皮脂の除去を抑制することができ、従っ
て、これを化粧石鹸として使用した場合、その潤滑作用
によって皮脂の過剰な除去を抑制し、皮膚の老化を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるオレイン酸石鹸の製造フ
ロー図である。
【図2】同、絹物質の製造フロー図である。
【図3】同、絹物質の他の製造フロー図である。
【図4】同、絹物質の更に他の製造フロー図である。
【符号の説明】
1〜A6・・・オレイン酸石鹸の製造工程 B1〜B4、C1〜C3、D1〜D6・・・絹物質の製造工程
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/42 A61K 47/42 A61P 17/00 A61P 17/00 43/00 107 43/00 107 C09K 15/06 C09K 15/06 15/34 15/34 C11D 1/04 C11D 1/04 9/38 9/38 13/10 13/10 Fターム(参考) 4C076 BB31 CC18 DD43 DD67S EE41S FF51 FF52 4C083 AB031 AB032 AC251 AC252 AC301 AC302 AD201 AD202 AD451 AD452 BB47 CC23 EE12 4C206 AA01 AA02 AA04 DA04 MA02 MA03 MA05 NA14 ZA89 ZB22 4H003 AB03 AB44 CA02 CA03 DA02 EA21 EB08 EB41 EB44 FA02 FA16 FA28 4H025 AA37 AA83 AC01 AC07 BA04

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレイン酸アルカリ金属塩と抗酸化剤と
    を含有し、この抗酸化剤が、絹又は絹分解物並びにその
    誘導体、及びセリシン又はその誘導体より選ばれた少な
    くとも一種の絹物質からなるオレイン酸石鹸。
  2. 【請求項2】 前記オレイン酸アルカリ金属塩が、オレ
    イン酸と水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムとの反応
    によって得られる、請求項1に記載したオレイン酸石
    鹸。
  3. 【請求項3】 前記オレイン酸アルカリ金属塩に対し
    て、前記絹物質が混合又は添加されている、請求項1に
    記載したオレイン酸石鹸。
  4. 【請求項4】 第2の抗酸化剤として、ブドウ糖が更に
    含有されている、請求項1に記載したオレイン酸石鹸。
  5. 【請求項5】 化粧石鹸として用いられる、請求項1に
    記載したオレイン酸石鹸。
  6. 【請求項6】 オレイン酸アルカリ金属塩と抗酸化剤と
    を含有し、この抗酸化剤が、絹又は絹分解物並びにその
    誘導体、及びセリシン又はその誘導体より選ばれた少な
    くとも一種の絹物質からなるオレイン酸石鹸を製造する
    に際し、 オレイン酸とアルカリ金属水酸化物とを反応させて前記
    オレイン酸アルカリ金属塩を調製する工程と、 前記絹物質を調製する工程と、 前記オレイン酸アルカリ金属塩と前記絹物質とを混合す
    る工程とを有する、オレイン酸石鹸の製造方法。
  7. 【請求項7】 重金属のマスキング剤を含む前記アルカ
    リ金属水酸化物の水溶液に前記オレイン酸を添加して反
    応させる、請求項6に記載したオレイン酸石鹸の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記マスキング剤としてクエン酸を使用
    する、請求項7に記載したオレイン酸石鹸の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記オレイン酸アルカリ金属塩を、オレ
    イン酸と水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムとの反応
    によって得る、請求項6に記載したオレイン酸石鹸の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 第2の抗酸化剤として、ブドウ糖を更
    に混合する、請求項6に記載したオレイン酸石鹸の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 化粧石鹸を製造する、請求項6に記載
    したオレイン酸石鹸の製造方法。
  12. 【請求項12】 絹の精練残液からセリシン又はその誘
    導体を得、前記絹物質とする、請求項6に記載したオレ
    イン酸石鹸の製造方法。
  13. 【請求項13】 生糸、生織物、繭層の精練液中に溶出
    したタンパク質から前記絹物質を得るに際し、前記精練
    液に酸を添加してセリシンを沈殿させ、この沈殿物から
    前記セリシン又はその誘導体を分離する、請求項12に
    記載したオレイン酸石鹸の製造方法。
  14. 【請求項14】 分離された前記セリシン又はその誘導
    体を凍結乾燥した後、粉末化する、請求項13に記載し
    たオレイン酸石鹸の製造方法。
  15. 【請求項15】 絹又は絹分解物並びにその誘導体、及
    びセリシン又はその誘導体より選ばれた少なくとも一種
    の絹物質からなる抗酸化剤。
  16. 【請求項16】 オレイン酸石鹸に混合されて用いられ
    る、請求項15に記載した抗酸化剤。
  17. 【請求項17】 前記オレイン酸石鹸が化粧石鹸であ
    る、請求項16に記載した抗酸化剤。
  18. 【請求項18】 絹の精練残液からセリシン又はその誘
    導体を得る、抗酸化剤の製造方法。
  19. 【請求項19】 生糸、生織物、繭層の精練液中に溶出
    したタンパク質から前記絹物質を得るに際し、前記精練
    液に酸を添加してセリシンを沈殿させ、この沈殿物から
    前記セリシン又はその誘導体を分離する、請求項18に
    記載した抗酸化剤の製造方法。
  20. 【請求項20】 分離された前記セリシン又はその誘導
    体を凍結乾燥した後、粉末化する、請求項19に記載し
    た抗酸化剤の製造方法。
JP2001028230A 2001-02-05 2001-02-05 オレイン酸石鹸及びその製造方法、並びに抗酸化剤及びその製造方法 Pending JP2002226897A (ja)

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