JP2002226734A - フレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液 - Google Patents

フレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液

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JP2002226734A JP2001025872A JP2001025872A JP2002226734A JP 2002226734 A JP2002226734 A JP 2002226734A JP 2001025872 A JP2001025872 A JP 2001025872A JP 2001025872 A JP2001025872 A JP 2001025872A JP 2002226734 A JP2002226734 A JP 2002226734A
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flexographic printing
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photocatalytic
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克彦 大柿
Masato Tao
田尾正人
Yukihiro Ogiya
扇谷幸宏
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経済生産に優れるフレキソ印刷法を用いて、板
状体表面に膜厚ムラなく、光触媒活性、耐擦傷性等の機
械的強度、耐酸、耐アルカリ性等の耐久性に優れた光触
媒膜を形成できる経時安定性に優れたフレキソ印刷用光
触媒膜形成用塗布液を提供する。 【解決手段】Si元素含有化合物および/またはZr元
素含有化合物、TiO2結晶微粒子、およびアセチルア
セトンに、塗布液の粘度調整と蒸発速度調整のための分
子鎖両端にOH基を有する直鎖状のジオール類、得られ
る光触媒膜のフレキソ印刷独特のダイレクト目の発生を
抑えるための水を加え、該光触媒膜に優れた光触媒効
果、耐久性をもたらす各組成物の好ましい濃度に調整し
たフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚機能、防曇機
能および親水性による視認性向上機能を有する光触媒膜
付き板状体を、フレキソ印刷法にて製造するためのフレ
キソ印刷用光触媒膜形成用塗布液、該塗布液を用いた光
触媒膜付き板状体の製造方法および光触媒膜付き板状体
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、酸化チタンの光触媒効果による防
汚性、親水性、または防曇性を有する光触媒膜を表面に
形成してなる商品が種々開発され、例えば、トンネル照
明器具、病院のタイル床材、衛生陶器等に使用されてい
る。
【0003】光触媒半導体結晶微粒子に、そのバンドギ
ャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を照射すると、
光励起により伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生じ
る。この光励起によって生じた電子のもつ強い還元力や
正孔のもつ強い酸化力は、有機物の分解、浄化、水の分
解等に利用されている。例えば、TiO2結晶微粒子
に、近紫外線UV−A等を照射すると、環境中の水分を
分解して、過酸化水素と水酸基ラジカルを発生する性質
があり、この活性による防汚効果、および菌、ウィルス
を不活性化する効果等を光触媒効果と称する。
【0004】ガラス、セラミックス、または金属等の耐
熱性基材表面に光触媒半導体結晶微粒子による光触媒活
性を有する膜を被膜形成する方法として、金属アルコキ
シドを加熱して脱水縮合させてなる硬質な金属酸化物薄
膜中に光触媒半導体結晶微粒子を分散させる方法、即
ち、ゾルゲル法がある。
【0005】例えば、アルコキシシランとTiO2結晶
微粒子を有機溶剤中に溶解または分散させた光触媒膜形
成用塗布液を調製し、アルコキシシランを加水分解させ
てSiアルコキシドとし、前記耐熱性基材表面に塗布し
塗布膜とした後、加熱し脱水縮合させてSi−O−S
i、即ち、シロキサン結合を生成させ、シロキサン結合
を有するSiO2成分中にTiO2結晶微粒子を分散させ
た硬質な光触媒膜を得ることができる。
【0006】光触媒膜を表面に形成してなる基材からな
る商品には、表面の光触媒活性と共に、耐擦傷性等の機
械的強度、耐薬品性等の耐久性、および基材と光触媒膜
との密着性が優れていること等が要求される。よって、
従来よりの光触媒膜付き基材は、基材との密着性を得る
ため、および光触媒活性を高めるために、光触媒膜と基
材の間に中間膜を設けていた。
【0007】中間膜を設けることなく耐久性を満たすも
のとして、例えば、特開平9−328336号公報に
は、平均粒子径が100nm未満のTiO2微粒子と、
ジルコニウムテトラアルコキシドやジルコニウムアセチ
ルアセトンキレート化合物、ジルコニウムアルコキシア
セチルアセトンキレート化合物、ジルコニウムアセテー
ト化合物等のZr元素含有化合物とアルコキシシラン化
合物やクロロシラン化合物、イソシアネートシラン化合
物、またはそれらの部分加水分解生成物等のSi元素含
有化合物が特定の組成比で構成された光触媒活性を有す
る組成物および被膜の製造法が開示されている。また、
特開平10−216528号公報には、光触媒粒子(酸
化チタン)とシリコンアルコキシドを原料として生成さ
れるシリカとジルコニウムアルコキシドを原料として生
成されるジルコニアの一方または両方をバインダーとし
て使用し、バインダーにシリカとジルコニアの両方を用
いる場合にはシリカとジルコニアの含有量を特定の比率
とした光触媒体及びそれを用いた装置及び熱交換フィン
が開示されている。
【0008】一方、板状体表面に生産性よく、高速で塗
布液を塗布し被膜を得、得られる被膜の膜厚を高精度に
再現性よく制御できる塗布方法にフレキソ印刷法があ
り、フレキソ印刷法は建築用窓ガラスまたは自動車用窓
ガラス等の大型の板状体に光触媒膜を生産性および経済
性よく被膜するのに適している。
【0009】フレキソ印刷機は、刷板にゴムまたはプラ
スチック等の弾性物質からなる版材、即ち、フレキソ版
を使用した凸版輪転印刷機であり、高速印刷することを
特徴とし生産性に優れると共に、塗布液を多量に消費し
塗布液の使用効率が低いディップコート法、およびスピ
ンコート法等と比較して、塗布液の使用効率が極めて高
く経済性に優れる。また、塗布槽に塗布液を満たす必要
があるため、経済生産のため塗布液の寿命が要求される
ディップコート法と比較して、塗布液の寿命はそれ程、
問われない。
【0010】図1に平台フレキソ印刷機の一例の概略側
面図を示す。平台フレキソ印刷機は、塗布液供給装置で
あるディスペンサー1等を用いて、塗布液をゴム、プラ
スチック等からなるドクタロール2、または表面にエン
ボス加工等された硬質な金属からなるアニロックスロー
ル3に供給した後、ドクターロール2を、アニロックス
ロール3に押圧させつつ、逆方向に回転させて各ロール
表面で塗布液を練り、アニロックスロール3の表面に均
一な量の分布となるように伸ばした後、版胴4に巻かれ
たフレキソ版5に塗布液を転写させて平台6上の板状体
7に塗布液を塗布(印刷)する凸版輪転印刷機である。
【0011】しかしながら、フレキソ印刷用塗布液は、
ドクターロールとアニロックスロールにて練られなが
ら、アニロックスロールの表面上に、ムラなく均一な量
の分布となる様に伸ばされるため、粘度調整する必要が
あり、粘度調整するための有機化合物を添加する。
【0012】更に、例えば、建築用窓ガラスまたは車両
用窓ガラス等の大型の板状体に塗布膜を形成するため
の、大型のフレキソ印刷機においては、大面積のアニロ
ックスロール表面およびフレキソ版表面において、伸ば
された塗布液からの有機溶媒の蒸発速度が速いと、作業
環境を悪化させると共に、塗布膜にムラができたり、ロ
ールおよびフレキソ版の表面で塗布液が乾燥して塗膜を
形成できなくなるので、蒸発速度を遅くするため、高沸
の有機化合物を添加する必要がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来よりの、光触媒膜
付き基材は、光触媒活性を高めるために、基材と光触媒
膜間に中間膜を設けており、製造工程が複雑になり製造
に手間がかかること、および中間膜を設けるためのコス
トがかかる点で不利であった。
【0014】特開平9−328336号公報および特開
平10−216528号公報の明細書中の実施例に記載
の光触媒膜形成用塗布液を、大型のフレキソ印刷機を用
いて、大型の板状体、例えば、450mm角の板ガラス
に塗布したところ、塗布液からの蒸発速度が速く粘性が
低すぎるため、板状体表面に膜ムラなく塗布することが
困難であった。
【0015】いずれにしても、大型の板状体表面に、生
産性よく、加えて経済性よく光触媒膜形成用塗布液を塗
布し光触媒膜付き板状体を得ることのできるフレキソ印
刷用に調整した光触媒膜形成用塗布液、および膜ムラが
なく、光触媒活性と共に、耐擦傷性等の機械的強度、耐
酸、耐アルカリ性等の耐久性に優れ、板状体と光触媒膜
との密着性がよいフレキソ印刷による光触媒膜付き板状
体が得られていない。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、フレキソ印刷
法により板状体に光触媒膜を塗布するための光触媒膜形
成用塗布液において、Si元素含有化合物および/また
はZr元素含有化合物と、TiO2結晶微粒子と、アセ
チルアセトンと、塗布液の粘度調整と蒸発速度調整のた
めの分子鎖両端にOH基を有する直鎖状のジオール類
と、得られる光触媒膜のフレキソ印刷独特のダイレクト
目の発生を抑えるための水とを加え、該光触媒膜に優れ
た光触媒効果に加え、例えば、JIS R 3221
(熱線反射ガラス)のA類に記載の耐アルカリ性試験等
に合格する耐久性および機械的強度を与える各組成物の
好ましい濃度に調整することで、優れた光触媒膜付き板
状体を与えるフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液であ
り、該塗布液を用いたフレキソ印刷法による光触媒膜付
き板状体の製造方法および光触媒膜付き板状体である。
【0017】本発明において、SiO2成分とは、Si
2単体のみならずSi−O−Si、即ちシロキサン結
合を有するシリカ分としてのSiO2も含み、ZrO2
分とは、ZrO2のみならずZr−O−Zrからなる結
合を有するジルコニア分としてのZrO2をも含む。
【0018】本発明は、Si元素含有化合物とTiO2
結晶微粒子とを有機溶媒に溶解または分散させた光触媒
膜形成用塗布液であって、該塗布液をフレキソ印刷機に
て板状体表面に塗布し加熱硬化させた際の光触媒膜中の
ZrO2成分とSiO2成分の重量比がZrO2成分:S
iO2成分=0:100〜15:85となる様にZr元
素含有化合物を添加し、且つ分子鎖両端にOH基を有す
る直鎖状のジオール類を塗布液中のモル濃度で0.02
mol/kg以上、4mol/kg以下、添加したこと
を特徴とするフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液であ
る。
【0019】更に、本発明は、分子鎖両端にOH基を有
する直鎖状のジオール類がトリメチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、または1,7−ヘプタンジ
オールであることを特徴とする上記のフレキソ印刷用光
触媒膜形成用塗布液である。
【0020】更に、本発明は、アセチルアセトンを塗布
液中のモル濃度で0.01mol/kg以上、2mol
/kg以下、添加したことを特徴とする上記のフレキソ
印刷用光触媒膜形成用塗布液である。
【0021】更に、本発明は、上記のフレキソ印刷用光
触媒膜形成用塗布液に、該塗布液中のSi元素含有化合
物とZr元素含有化合物の各モル数を足した総モル数
の、7倍以上、30倍以下のモル数の水を添加したこと
を特徴とするフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液であ
る。
【0022】更に、本発明は、TiO2結晶に平均粒径
が20nm以下であるTiO2結晶微粒子を用いたこと
を特徴とする上記のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布
液である。
【0023】更に、本発明は、上記のフレキソ印刷用光
触媒膜形成用塗布液をフレキソ印刷機にて板状体表面に
塗布した後、加熱硬化させることを特徴とする光触媒膜
付き板状体の製造方法である。
【0024】更に、本発明は、加熱硬化温度が300℃
以上、700℃以下である上記の光触媒付き板状体の製
造方法である。
【0025】更に、本発明は、上記の光触媒膜付き板状
体の製造方法にて膜厚30nm以上、500nm以下の
光触媒膜を少なくとも片面側に形成されてなる光触媒膜
付き板状体である。
【0026】本発明において、フレキソ印刷に対応する
ために、Si元素含有化合物とTiO2結晶微粒子とを
有機溶媒に溶解または分散させた光触媒膜形成用塗布液
に、粘度調整および蒸発速度調整のために、塗布液の全
重量に対してのモル濃度、即ち、塗布液中のモル濃度
で、分子鎖両端にOH基を有する直鎖状のジオール類を
0.02mol/kg以上、4mol/kg以下となる
ように添加する。0.02mol/kg未満だと、添加
量が少なすぎて、光触媒膜形成用塗布液がフレキソ印刷
に適した粘度および蒸発速度とならない。4mol/k
gより多いと、得られる光触媒膜は多孔質となり耐擦傷
性等の機械的強度が低下する。
【0027】また、分子鎖両端にOH基を有する直鎖状
のジオール類とアセチルアセトンとを同時に本発明のフ
レキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液の組成物として用い
ることによって、該塗布液中のTiO2結晶微粒子の分
散状態を経時安定化させることができる。
【0028】分子鎖両端にOH基を有する直鎖状のジオ
ール類以外の高沸溶剤を用いると、アセチルアセトンと
同時に用いたとしても、TiO2結晶微粒子の分散性が
悪くなり、経時によりTiO2結晶微粒子が析出沈降す
る。
【0029】分子鎖両端にOH基を有する直鎖状のジオ
ール類は、本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布
液における有機溶剤および水と相溶すればよく、また、
該塗布液から得られる光触媒膜の耐擦傷性等の機械的強
度、耐酸、耐アルカリ性等の耐久性を劣化させなければ
よく、例えば、トリメチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオール等の脂肪族直鎖状ジオール類、および化
学式HO(CH 2CH2O)nH、(但しnは、2以上の
整数)で表されるエチレングリコールの脱水重縮合体等
のジオール類、分子鎖に炭素以外の元素を有するジオー
ル類が考えられる。エチレングリコールは、添加したと
しても粘度を高くし、蒸発速度を遅くする効果が小さ
く、TiO2結晶微粒子の分散状態の経時安定性を劣化
させる。
【0030】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液において、他有機溶剤および水との相溶性、該塗布
液から得られる光触媒膜の耐擦傷性等の機械的強度、耐
酸、耐アルカリ性等の耐久性、融点および沸点を考慮す
ると、トリメチレングリコール(沸点、210〜211
℃)、1,4−ブタンジオール(沸点、188〜189
℃、融点16℃)、1,5−ペンタンジオール(沸点、
238〜239℃、融点、−18℃)、1,6−ヘキサ
ンジオール(沸点、250℃、融点、42℃)、または
1,7−ヘプタンジオール(沸点、262℃、融点、2
2.5℃)を用いることが好ましい。
【0031】また、本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形
成用塗布液に、Zr元素含有化合物を添加した方が、該
塗布液中のTiO2結晶微粒子の経時安定性が向上する
ので、添加することが好ましい。
【0032】但し、添加しなくとも数日以内なら、該塗
布液に固形分が析出することなく、フレキソ印刷後、加
熱硬化させて得られる光触媒膜の耐久性が低下すること
がないが、Zr含有化合物を本発明のフレキソ印刷用光
触媒膜形成用塗布液に添加することによって、1週間程
度は液安定性が得られ、形成した光触媒膜の機械的強度
および耐久性が低下することがないので、安定生産のた
めに添加することが好ましい。
【0033】板状体表面に形成した光触媒膜における、
ZrO2成分とSiO2成分の重量比がZrO2成分:S
iO2成分=15:85以上、即ち、ZrO2成分とSi
2成分を加えた重量に対する、ZrO2成分の重量が1
5%より大きくなると光触媒膜の耐擦傷性等の機械的強
度が低下するので、15%以下となるようにZr元素含
有化合物を該塗布液へ添加することが好ましい。光触媒
膜中のZrO2成分とSiO2成分の比率は、該塗布液中
のZr元素含有化合物とSi元素含有化合物をZrO2
成分とSiO2成分に換算することで算出できるととも
に、本発明のフレキソ印刷用光触媒形成用塗布液を調整
することができる。
【0034】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液の組成物であるTiO2結晶微粒子は、アセチルア
セトンによって安定化する。アセチルアセトンを塗布液
中のモル濃度で0.01mol/kg以上、2mol/
kg以下、添加することで、TiO2結晶微粒子は本発
明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液中で分散状態
を安定に保つ。アセチルアセトンの添加が0.01mo
l/kgより少ないとTiO2結晶微粒子の分散状体を
安定に保たせる効果が無く、2mol/kgより多いと
得られる光触媒膜の耐久性を低下させる。アセチルアセ
トンは、水とも有機溶剤とも相溶する化合物であり、ア
セチルアセトンがTiO2結晶微粒子を取り囲むことに
より、本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液中
でTiO 2結晶微粒子の分散を安定化させていると考え
られる。
【0035】また、フレキソ印刷機で塗布した際、塗布
膜にフレキソ印刷機特有の膜ムラであるダイレクト目
(ロールの回転方向に沿ったスジ)を生じさせないため
には、本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液中
のSi元素含有化合物とZr元素含有化合物の各モル数
を足した総モル数の、7倍以上、30倍以下のモル数の
水を該塗布液に添加することが好ましい。水を添加する
と水の大きな表面張力によりフレキソ印刷機のアニロッ
クスロール表面上での該塗布液の広がりがよくなり、即
ち、塗布液量の分布状態が均一となり、ロール回転方向
に垂直なスジであるダイレクト目の発生を抑えることが
できる。塗布膜の水の添加量が7倍以下であるとダイレ
クト目が発生し、30倍以上であると該塗布液中のSi
元素含有化合物の凝集等により経時安定性が低下し、得
られる光触媒膜の機械的強度および耐久性が低下する。
【0036】また、本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形
成用塗布液の組成物であるTiO2結晶微粒子の平均粒
径は20nm以下であることが好ましい。平均粒径が2
0nmより大きいと、得られる光触媒膜に透明性を得ら
れない等の外観不良の発生、および、耐擦傷性等の機械
的強度、耐酸、耐アルカリ性等の耐久性を得られない懸
念がある。
【0037】本発明のSiO2成分および/またはZr
2成分からなる被膜形成成分中にTiO2結晶微粒子が
分散された光触媒膜付き板状体は、本発明のフレキソ印
刷用光触媒膜形成用塗布液をフレキソ印刷法で塗布した
のち、塗布膜を加熱硬化させることにより作製する。
【0038】加熱硬化温度が300℃より低いと、加熱
によるSi元素含有化合物、Zr元素含有化合物からの
SiO2成分、ZrO2成分の生成が完全でないことによ
り、機械的強度および耐久性に優れた光触媒膜が得られ
ない。加熱硬化温度が700℃より高いと、基材である
板状体に変形およびダメージを与える懸念があり、70
0℃より高い温度に加熱する必要もない。よって、加熱
硬化温度は300℃以上、700℃以下とすることが好
ましい。
【0039】加熱方法としては、加熱工程が一段の方
法、または最初に低い温度で乾燥させた後、次いで高い
温度で焼成硬化させる加熱工程が多段の方法等が挙げら
れる。
【0040】いずれにしても、最終加熱処理の時間は、
最高温度より、最高温度から100℃以下までの温度で
の維持時間が1分間以上、より好ましくは3分間以上に
なるように加熱するとよい。最終加熱処理時間の上限は
特に限定されるものではなく、24時間熱処理すること
も特に問題ではないが、生産性から加熱処理時間は、最
高温度より、最高温度から100℃以下までの維持時間
を2時間程度までに止めることが好ましい。
【0041】光触媒膜の膜厚は、30nm以上、500
nm以下であれば形成された被膜は光触媒活性と高い耐
久性を保有するが、より好ましくは膜厚を50nm以
上、300nm以下にすることにより、フレキソ印刷法
による1回の成膜で良好な透光性とさらに高い耐久性を
有する高耐久性光触媒膜が得られる。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜
形成用塗布液の組成物について、以下に説明する。
【0043】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液の組成物であり、フレキソ印刷機により板状体表面
に該塗布液を塗布し加熱硬化させ光触媒膜を形成させた
際に、酸化されて光触媒膜の組成物としての酸化ケイ
素、即ち、SiO2成分を与えるSi元素含有化合物と
しては、例えば、テトラメトキシシランやテトラエトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン等のアルコキシシラン化合物、クロロシラン
化合物、イソシアネートシラン化合物、またそれらの加
水分解物や重縮合物およびアセチルアセトン等の安定化
剤で安定化したもの、さらに市販のシリカ薬液、例えば
コルコートP(コルコート(株)製)、MSH2(三菱
化学(株)製)、CSG−DI−0600(チッソ
(株)製)等が挙げられる。
【0044】光触媒活性を示す物質としては、TiO2
結晶微粒子が好ましく、市販されている粉体状の光触媒
用TiO2微粒子、あるいは熱処理によりTiO2結晶微
粒子を光触媒膜中に与える薬液等が挙げられ、例えば、
粉体状の光触媒用TiO2微粒子としては、例えば、S
T−01、ST−21(石原テクノ(株)製)、SSP
−25、SSP−20(堺化学工業(株)製)、PC−
101(チタン工業(株)製)、スーパータイタニアF
−6、スーパータイタニアF−5(昭和タイタニウム
(株)製)、DN−22A(古河機械金属(株)製)等
を用いることが可能である。また、薬液としては、例え
ば、STS−01、STS−02(石原テクノ(株)
製)、A−6、M−6(多木化学(株)製)等を用いる
ことも可能であり、さらに、光触媒用TiO2微粒子と
シリカ原料との混合物であるST−K01、ST−K0
3(石原テクノ(株)製)等も用いることができる。
【0045】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液に添加し組成物とした際に、該塗布液に経時安定性
を与える、Zr元素含有化合物としては、ジルコニウム
テトラアルコキシド、ジルコニウムアセチルアセトンキ
レート化合物、ジルコニウムアルコキシアセチルアセト
ンキレート化合物、ジルコニウムアセテート化合物等も
挙げられるが、入手のし易さからZrの塩化物または硝
酸塩が好ましく、例えば、Zrの塩化物としては塩化ジ
ルコニウムやオキシ塩化ジルコニウム(8水和物)や、
塩素含有ジルコニウムアルコキシド Zr(OC
m2m+1xCly(m,x,y:整数、x+y=4)
等、Zrの硝酸塩としては、オキシ硝酸ジルコニウム
(2水和物)等が挙げられる。これらZr元素含有化合
物は、フレキソ印刷機により板状体表面に該塗布液を塗
布し加熱硬化させた光触媒膜中でZrO2成分となる。
【0046】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液の組成物であり、粘度および蒸発速度調整のために
加える分子鎖両端にOH基を有する直鎖状のジオール類
としては、好ましくは、トリメチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、または1,7−ヘプタンジオー
ルを用いる。
【0047】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液を板ガラスに塗布し加熱硬化させて光触媒膜を形成
したところ、Zr元素含有化合物を添加しなくても、J
ISR 3221記載の耐アルカリ性試験に不合格とな
ることはない。しかしながら、粘度および蒸発速度調整
のためのジオール類および水を加えない光触媒膜形成用
塗布液による光触媒膜においては、該塗布液に、Zr元
素含有化合物を添加しないと前記耐アルカリ性試験によ
り光触媒膜が黄変する。
【0048】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜の組成物
として、TiO2結晶微粒子を安定化させるために、ア
セチルアセトンを用いる。
【0049】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液に添加する水は、濾過後、イオン交換されたイオン
交換水等の清浄な水を用いることが好ましい。
【0050】また、本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形
成用塗布液の有機溶媒には、メタノール、エタノール、
ノルマルプロパノール、イソプロパノール等の低級アル
コール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ
類、セロソルブアセテート類、またこれらの混合溶剤を
用いることができる。
【0051】更に、光触媒活性と耐擦傷性等の機械的強
度や耐酸性、耐アルカリ性等の耐久性の点より、被膜中
のZrO2成分とSiO2成分とTiO2結晶の含有量の
合計は90wt%以上とすることが必要である。なお、
ZrO2成分とSiO2成分とTiO2結晶以外の成分は
10%以下の範囲で含まれていても差し支えなく、具体
的には非晶質のTiO2、その他のAl23、B23
SnO2等の酸化物、C(カーボン)等である。
【0052】また、本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形
成用塗布液の調製において、粉体状の光触媒用TiO2
結晶微粒子は、粉体を液体に分散するのに一般的に用い
られる混合操作、例えばボールミル等で容易に有機溶媒
に分散することができ、その際、前記Zr元素含有化合
物および前記Si元素含有化合物と一緒に混合、分散さ
せた後、その他の原料を添加して、光触媒膜形成用塗布
液としても構わない。
【0053】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液をフレキソ印刷機にて塗布する板状体は、フレキソ
印刷機で塗布できる程度に表面が平滑であって、板ガラ
ス、セラミックス板および金属板等、塗布膜を硬化させ
て光触媒膜の形成工程において熱処理で変形しない材料
であればよく、特に、板ガラスはその透明性と耐熱性か
ら好ましい。
【0054】本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗
布液をフレキソ印刷機によって塗布した後、好ましくは
300℃以上、700℃以下の加熱温度範囲で加熱硬化
させて得られた光触媒膜付き板状体は、親水性による視
認性向上や防汚等の目的で、ビルの窓材や車両用の窓
材、外装パネル等の屋外側に光触媒膜を使うような耐久
性を要する使用環境でも、十分な耐久性と光触媒による
親水性や防汚性等を有し、例えば、建築用、車両用ある
いは航空機用ガラス窓材、店舗用ショーケースや産業用
の各種ガラス窓材、車両用ドアミラーや浴室用鏡等の各
種鏡や、また、外装用パネル等に使用するセラミック
ス、アルミやSUS等の金属板に使用することができ、
防汚機能に優れているので、特に、建築用、車両用の外
装用ガラス窓材に適する。
【0055】また、本発明のフレキソ印刷用光触媒膜形
成用塗布液を塗布する板状体が、板ガラスである場合
は、表面が平滑であればよく、例えば、無色透明のクリ
アガラス、ブルーやグレー、ブロンズ、グリーン等に着
色ガラス、半強化加工、強化加工、Low−E膜等の金
属膜をコートしたガラスであっても構わない。
【0056】また、本発明の光触媒膜付き板状体として
の、光触媒膜付き板ガラスを複層ガラス、または合わせ
ガラス等に加工しても構わない。
【0057】また、本発明の光触媒膜付き板状体として
の、光触媒膜付き板ガラスの光触媒膜面と反対側の面
に、真空蒸着やスパッタリング、およびコーティング等
の手段で、金属膜、酸化物膜、または樹脂膜等の膜を付
けてもよく、エッチングやサンドブラスト等で光触媒膜
と反対側の面を加工してもよく、各種加工やそれらを組
合せても構わない。
【0058】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。但し、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0059】
【実施例】始めに、光触媒膜の光触媒活性、および光触
媒膜付き板状体の耐摩耗性、耐酸性、耐アルカリ性の評
価方法について示す。 (評価方法) 1.光触媒活性 表面に付いた汚れを分解する能力の光触媒活性をステア
リン酸の分解度で評価した。評価方法は、FT−IR分
光装置(Perkin−Elmer Co.,Ltd.
製、型式、Paragon 1000)を用いて、29
10cm-1から2920cm-1に現れるステアリン酸の
C−H伸縮振動に起因するピーク強度(吸光度A)を、
ステアリン酸塗布前Abとステアリン酸塗布時A0および
紫外線を1時間照射した後A1についてそれぞれ求め、
ピーク強度の変化量:{(A0−Ab)−(A1−Ab)}
×1000を算出しステアリン酸の分解度とした。(ス
テアリン酸分解度が大きいほど光触媒活性は高くな
る)。
【0060】なお、ステアリン酸のサンプルへの塗布は
3wt%ステアリン酸−エタノール溶液にサンプルを浸
漬し、8mm/secで引き上げることで行った。紫外
線源(東芝電気(株)製、型式、ブラックライトFL1
5BLB)を用いて、サンプル表面の紫外線強度を4m
W/cm2(365nm)とした。
【0061】評価は、前記ピーク強度の変化量が5以上
の場合を合格とし、5未満を不合格とした。 2.耐摩耗性 JIS R 3221記載の耐摩耗性試験方法に基づ
き、摩耗ホイールにCSー10Fを用い、荷重500g
fの条件でテーバー式摩耗試験でヘーズ値を評価した。
【0062】評価は、初期のヘーズ値H0と、100回
後のヘーズ値H100と、200回後のヘーズ値がH200
0≦H100≦H200で、初期と200回後のヘーズ変化
量△H(△H=H200−H0)が△H≦4%である場合を
合格とし、H100>H200または△H>4%のものを不合
格とした。 3.耐酸性 JIS R 3221記載の耐酸性試験方法に基づき、
23℃±2℃に保った1規定の塩酸に24時間浸漬後、
流水中でネルで払拭し、乾燥して外観を評価した。
【0063】評価は、著しい外観変化がない場合を合格
とし、著しい変色またはクラックが入った場合、あるい
は膜が剥離した場合は不合格とした。 4.耐アルカリ性 JIS R 3221記載の耐アルカリ性試験方法に基
づき、23℃±2℃に保った1規定の水酸化ナトリウム
溶液に24時間浸漬後、流水中でネルで払拭し、乾燥し
て外観を評価した。
【0064】評価は、著しい外観変化がない場合を合格
とし、著しい変色またはクラックが入った場合、あるい
は膜が剥離した場合は不合格とした。 実施例1 1−メトキシ−2−プロパノールとイオン交換水とを重
量割合1:1となるように混合し、フレキソ印刷機にて
ガラス板表面に塗布し加熱硬化させ光触媒膜とした際
に、光触媒膜中のZrO2成分とSiO2成分との重量比
がZrO2成分:SiO2成分=7:93となるように、
ZrO2成分源としてのZrOCl2、SiO2成分源と
してのテトラエトキシシランを加え、更に光触媒膜中の
SiO2成分の重量の1/2となるようにTiO2結晶微
粒子(石原テクノ(株)製)を所定量加えた。次いで、
粘度調整および蒸発速度調整のために1、4−ブタンジ
オールを調製後の塗布液に対し1mol/kgの濃度と
なるように加え、TiO2微粒子の安定化のためにアセ
チルアセトンを2mol/kgの濃度となるように加
え、よく混合させて光触媒膜形成用塗布液とした。な
お、イオン交換水の使用モル数はZrOCl2とテトラ
エトキシシランとを加えたモル数の26倍とした。
【0065】次に、厚み3mm、サイズ450mm×4
50mmのフロートガラス板(ソーダライムシリケート
ガラス)を洗剤とガラス研磨材であるセリアを用いて水
洗した後、図1に概略側面図を示すフレキソ印刷機を用
いて、該ガラス板に調製済みのフレキソ印刷用光触媒膜
形成用塗布液を塗布した後、350℃に昇温した送風定
温恒温器(ヤマト科学(株)製、型式、DK43)に1
0分間入れて塗布膜を乾燥させた後、取り出したガラス
板を650℃に昇温したマッフル炉(ヤマト科学(株)
製、型式FP41)に10分間入れて更に加熱した後に
取り出し、冷却して、膜厚、120nmの光触媒膜が片
面に形成された光触媒膜付きガラス板を得た。
【0066】得られた膜の外観は、フレキソ印刷機特有
の膜ムラであるダイレクト目(ロールの回転方向に沿っ
たスジ)が見られず、外観良好であった。光触媒活性の
評価を前述の方法で行ったところ、ピーク強度の変化量
は15であり、優れた光触媒活性が得られた。また、耐
摩耗性の評価を行ったところ、テーバーテスト1000
回転後の△ヘーズ値が1.8%であり、JIS R 3
221の規格値を問題なく合格していた。同様に、耐
酸、耐アルカリ性についても問題なく合格していた。 実施例2 光触媒膜中のSiO2成分の重量の1/3となるように
TiO2微粒子(石原テクノ(株)製)を所定量加えた
以外は、実施例1と同組成で光触媒膜形成用塗布液を調
製し、フレキソ印刷機を用いて同様に塗布した後、加熱
処理して光触媒膜付きガラス板を得た。
【0067】得られた膜の外観は、フレキソ印刷機特有
の膜ムラであるダイレクト目が見られず、膜厚分布もな
く、外観良好な均一な膜が得られた。光触媒活性の評価
を前述の方法で行ったところ、ピーク強度の変化量は1
0であり、優れた光触媒活性が得られた。また、耐摩耗
性の評価を行ったところ、テーバーテスト1000回転
後の△ヘーズ値が2%であり、JIS R 3221の
規格値を問題なく合格していた。同様に、耐酸、耐アル
カリ性についても問題なく合格していた。 実施例3 フレキソ印刷機にてガラス板表面に塗布し加熱硬化させ
光触媒膜とした際に、光触媒膜中のZrO2成分とSi
2成分との重量比がZrO2成分:SiO2成分=2:
98となるように、ZrO2成分源としてのZrOC
2、SiO2成分源としてのテトラエトキシシランを加
えた以外は、実施例1と同組成で光触媒膜形成用塗布液
を調製し、フレキソ印刷機を用いて同様に光触媒膜付き
ガラス板を得た。
【0068】得られた膜の外観は、フレキソ印刷機特有
の膜ムラであるダイレクト目が見られず、膜厚分布もな
く、外観良好な均一な膜が得られた。光触媒活性の評価
を前述の方法で行ったところ、ピーク強度の変化量は1
7であり、優れた光触媒活性が得られた。また、耐摩耗
性の評価を行ったところ、テーバーテスト1000回転
後の△ヘーズ値が1.6%であり、JIS R 322
1の規格値を問題なく合格していた。同様に、耐酸、耐
アルカリ性についても問題なく合格していた。 比較例1 フレキソ印刷機にてガラス板表面に塗布し加熱硬化させ
光触媒膜とした際に、光触媒膜中のZrO2成分とSi
2成分との重量比がZrO2成分:SiO2成分=2
0:80となるように、ZrO2成分源としてのZrO
Cl2、SiO2成分源としてのテトラエトキシシランを
加えた以外は、実施例1と同組成で光触媒膜形成用塗布
液を調製し、フレキソ印刷機を用いて同様に光触媒膜付
きガラス板を得た。
【0069】得られた膜の外観は、フレキソ印刷機特有
の膜ムラであるダイレクト目が見られず、膜厚分布もな
く、外観良好な均一な膜が得られた。光触媒活性の評価
を前述の方法で行ったところ、ピーク強度の変化量は2
5であり、優れた光触媒活性が得られた。しかしなが
ら、耐摩耗性の評価を行ったところ、テーバーテスト1
000回転後の△ヘーズ値が3.7%であり、JIS
R 3221の規格値を問題なく合格していたが、自動
車の昇降可能なサイドウィンドウ等に使用する場合を想
定し、ドア内に雨水等の侵入を防止するために設けられ
ているゴムからなるウェザーストリップと擦れることを
考慮すると、自動車用サイドウィンドガラスとして使用
できる耐摩耗性および耐擦傷性ではなかった。 比較例2 イオン交換水を用いず、同量の1−メトキシ−2−プロ
パノールを加えた以外は、実施例1と同組成で光触媒膜
形成用塗布液を調製し、フレキソ印刷機を用いて同様の
サイズのガラス板に塗布し、同様の加熱条件で光触媒膜
付きガラス板を得た。
【0070】得られた光触媒膜付きガラス板には、フレ
キソ印刷機特有の膜ムラであるダイレクト目が顕著に現
れ外観不良であった。
【0071】
【発明の効果】本発明によって、光触媒膜を形成するた
めの板状体に光触媒膜と板状体との間に、中間膜を設け
ることなく、生産性および経済性に優れるフレキソ印刷
機によって、板状体表面に形成された光触媒膜にダイレ
クト目等の膜ムラをが発生することなく、即ち、膜厚の
表面分布がなく均一な膜厚の光触媒膜を被覆するための
フレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液が得られる。
【0072】該塗布液を用いフレキソ印刷機により、板
状体表面に塗布後、加熱硬化させて形成された光触媒膜
は、光触媒活性、耐擦傷性等の機械的強度、耐酸、耐ア
ルカリ性等の耐久性に優れている。
【0073】本発明によって、経済性に優れたフレキソ
印刷法により、光触媒膜付き板状体を生産性よく得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平台フレキソ印刷機の一例の概略側面図であ
る。
【符号の説明】
1 ディスペンサー 2 ドクターロール 3 アニロックスロール 4 版銅 5 フレキソ版 6 平台 7 板状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/02 C09D 183/02 183/04 183/04 // C03C 17/25 C03C 17/25 A (72)発明者 扇谷幸宏 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 Fターム(参考) 2H113 AA01 AA03 BA01 BB22 CA17 DA07 DA26 EA02 EA07 EA08 EA09 EA10 FA10 FA29 FA36 FA43 4G059 AA01 AC30 EA01 EA04 EA05 EA09 EB05 4G069 AA03 AA08 BA02A BA02B BA04A BA04B BA05A BA05B BA48A CD10 DA05 EA11 EB15X EB15Y EB18X ED02 ED04 FA01 FA03 FB23 FB30 FB57 FC07 FC08 FC10 4J038 AA011 AA012 DL031 HA212 HA216 HA441 HA446 JA20 JA34 JC31 JC32 JC35 KA04 KA09 MA09 MA10 NA04 NA05 NA06 NA11 NA26 PA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si元素含有化合物とTiO2結晶微粒子
    とを有機溶媒に溶解または分散させた光触媒膜形成用塗
    布液であって、該塗布液をフレキソ印刷機にて板状体表
    面に塗布し加熱硬化させた際の光触媒膜中のZrO2
    分とSiO2成分の重量比がZrO2成分:SiO2成分
    =0:100〜15:85となる様にZr元素含有化合
    物を添加し、且つ分子鎖両端にOH基を有する直鎖状の
    ジオール類を塗布液中のモル濃度で0.02mol/k
    g以上、4mol/kg以下、添加したことを特徴とす
    るフレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】分子鎖両端にOH基を有する直鎖状のジオ
    ール類がトリメチレングリコール、1,4−ブタンジオ
    ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
    オール、または1,7−ヘプタンジオールであることを
    特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷用光触媒膜形
    成用塗布液。
  3. 【請求項3】アセチルアセトンを塗布液中のモル濃度で
    0.01mol/kg以上、2mol/kg以下、添加
    したことを特徴とする請求項2に記載のフレキソ印刷用
    光触媒膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    フレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液に、該塗布液中の
    Si元素含有化合物とZr元素含有化合物の各モル数を
    足した総モル数の、7倍以上、30倍以下のモル数の水
    を添加したことを特徴とするフレキソ印刷用光触媒膜形
    成用塗布液。
  5. 【請求項5】TiO2結晶微粒子に平均粒径が20nm
    以下であるTiO2結晶微粒子を用いたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のフレキソ印
    刷用光触媒膜形成用塗布液。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    フレキソ印刷用光触媒膜形成用塗布液をフレキソ印刷機
    にて板状体表面に塗布した後、加熱硬化させることを特
    徴とする光触媒膜付き板状体の製造方法。
  7. 【請求項7】加熱硬化温度が300℃以上、700℃以
    下である請求項6に記載の光触媒膜付き板状体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項6または請求項7に記載の光触媒膜
    付き板状体の製造方法にて膜厚30nm以上、500n
    m以下の光触媒膜を少なくとも片面側に形成されてなる
    光触媒膜付き板状体。
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