JP2002223634A - 液状種菌接種装置 - Google Patents

液状種菌接種装置

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JP2002223634A
JP2002223634A JP2001024235A JP2001024235A JP2002223634A JP 2002223634 A JP2002223634 A JP 2002223634A JP 2001024235 A JP2001024235 A JP 2001024235A JP 2001024235 A JP2001024235 A JP 2001024235A JP 2002223634 A JP2002223634 A JP 2002223634A
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liquid
inoculum
container
liquid inoculum
inoculation
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JP2001024235A
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Masahiko Fujisawa
正彦 藤沢
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Nippon Seiki Co Ltd
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Nippon Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、その第1の目的とするところは、
液状種菌による接種時における雑菌が蔓延することを極
力抑えることのできる液状種菌接種装置を提供すること
にあり、また第2の目的として、殺菌処理やメンテナン
ス作業を簡便に行うことができる液状種菌接種装置を提
供することにある。 【解決手段】 栽培容器8内の培養基Cに液状の種菌B
を接種する液状種菌接種装置において、液状種菌Bを貯
留してなる種菌収納容器14と、この種菌収納容器14
から液状種菌Bを供給するための種菌供給管路15と、
前記種菌収納容器14の内部あるいは前記種菌供給管路
15の搬送経路途上において液状種菌Bを加圧して送り
出すための液状種菌加圧手段16と、この液状種菌加圧
手段16から加圧供給された前記液状種菌Bを前記栽培
容器8の培養基Cに噴射して接種する液状種菌噴射機構
13と、この液状種菌噴射機構13の下方側に位置し、
液状種菌噴射機構13からの液状種菌Bの液垂れを受け
る滴下受け部材40と、を備えてなることを特徴とする
液状種菌接種装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、きのこ栽培容器内
に充填した培養基にきのこの種菌を接種する種菌接種装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大鋸屑や米ぬかなどを主成分に栄
養源を配合した培養基を用いてきのこ類を人工栽培する
方法としては、培養基を栽培容器に充填して殺菌処理
し、その充填した栽培容器の中にエノキダケ,マイタケ
などのきのこ類の種菌を接種した後に、栽培容器の口部
に蓋を被せて閉塞し、予め決められた温度,湿度条件下
で菌を培養して工業的に栽培する方法などが行われてい
る。
【0003】この場合、種菌を接種する際、その接種作
業の作業効率を高めるために、栽培容器を作業者が1個
ずつコンテナから取り出すことなくコンテナ毎を搬送コ
ンベアに載せながら接種することができる接種装置が、
たとえば特開昭63ー258519号公報や特開昭63
ー258520号公報などで提案されている。
【0004】この接種装置にあっては、一般的には種菌
自体は大鋸屑や米ぬかなどを主成分に栄養源を配合した
培養基に種菌を種菌瓶内にて繁殖させているものであ
り、種菌が収容された種菌瓶を逆さ状態にして本体フレ
ーム側に装着し、この状態で種菌瓶を回転させるととも
に、この種菌瓶の口部から掻き出し刃を設けた掻き出し
軸を回転させながら種菌瓶内に挿入し、その掻き出し軸
を回転させつつ徐々に上昇させながら掻き出し刃によっ
て種菌を掻き出し、ホッパーなどを介して栽培容器内に
掻き出された種菌を充填するように構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また上記従来技術にお
いては、種菌の充填量は一般的に栽培するきのこの種類
によって前記掻き出し軸の回転時間を設定しているた
め、逆さにセットされた種菌瓶の口部の外径寸法と胴部
の外径寸法の差によって種菌の掻き出し量が異なってし
まうことがあったり、また種菌瓶内の種菌自体が固形状
であるため、種菌の掻き出しの際に掻き出される種菌
(大鋸屑)の大きさがばらつくことがあり、この結果、
種菌の充填量にバラツキが生じることがあり、特に種菌
の充填量が所定量以下であった場合、種菌の菌糸が栽培
容器内に繁殖しづらく培養日数がかかってしまうことが
予想される。
【0006】これを避けるために、固形状の種菌に変え
て、液体状の種菌を用いて接種する種菌接種装置が提案
されている。たとえば特開平12−175559号公報
などにおける液体状種菌接種機にあっては、種菌容器内
に収容されている液体状の種菌をノズルにより噴霧する
ことで栽培容器内に供給するようにしており、この場
合、栽培容器内に一定量の液体状の種菌を接種するため
にタイマー設定によって種菌を供給するようにしている
ため、バラツキもなく種菌の充填量がほぼ一定量に保つ
ことができるという利点がある。
【0007】しかしながら、この液体状種菌接種機にあ
っては、ノズルを介して液体状の種菌を培養基に噴霧す
るように構成している。このため、栽培容器の培養基に
液体状の種菌を接種した後、すなわち液体状の種菌の供
給の停止後において、ノズル内に残留している液状種菌
が液垂れを起こしてしまうことがあり、この液垂れによ
り栽培容器あるいは接種装置本体などに液体状の種菌が
付着してしまうことがあり、外部雰囲気中に浮遊してい
る雑菌がその種菌に付くことにより繁殖してしまうとい
う虞がある。
【0008】そこで本発明は、前記従来例の問題を解決
するものであって、その第1の目的とするところは、液
状種菌による接種時における雑菌が蔓延することを極力
抑えることのできる液状種菌接種装置を提供することに
あり、また第2の目的として、殺菌処理やメンテナンス
作業を簡便に行うことができる液状種菌接種装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、栽
培容器内の培養基に液状の種菌を接種する液状種菌接種
装置において、液状種菌を貯留してなる種菌収納容器
と、この種菌収納容器から液状種菌を供給するための種
菌供給管路と、前記種菌収納容器の内部あるいは前記種
菌供給管路の搬送経路途上において液状種菌を加圧して
送り出すための液状種菌加圧手段と、この液状種菌加圧
手段から加圧供給された前記液状種菌を前記栽培容器の
培養基に噴射して接種する液状種菌噴射機構と、この液
状種菌噴射機構の下方側に位置し、液状種菌噴射機構か
らの液状種菌の液垂れを受ける滴下受け部材と、を備え
てなることを特徴とする液状種菌接種装置である。
【0010】また請求項2の発明では、請求項1におい
て、前記滴下受け部材には、溜まった液状種菌を外部へ
と排出可能とする排出口を設けてなることを特徴とする
液状種菌接種装置である。
【0011】また請求項3の発明では、請求項2におい
て、前記滴下受け部材に設けた排出口に、排出用パイプ
を連結してなることを特徴とする液状種菌接種装置であ
る。
【0012】また請求項4の発明では、請求項1から請
求項3において、前記液状種菌噴射機構は、前記種菌供
給管路側と連結される液状種菌噴射シリンダ本体と、こ
のシリンダ本体の先端側に取り付け固定される噴射ノズ
ルとから構成してなることを特徴とする液状種菌接種装
置である。
【0013】また請求項5の発明では、請求項1から請
求項4において、前記栽培容器を縦横に複数整列して収
納したコンテナを搬入側から供給し、かつ栽培容器を間
欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構
と、この搬送機構により間欠移送された前記コンテナ内
の栽培容器の蓋を横一列単位で開閉作動する蓋開閉機構
と、この蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の
栽培容器に対して所定量の液状種菌を前記栽培容器内に
それぞれ供給する前記液状種菌噴射機構と、前記蓋開閉
機構の蓋開閉動作に応じて蓋開閉機構を栽培容器の蓋閉
塞位置と蓋開放位置との間を往復移動させる蓋開閉駆動
機構と、前記液状種菌噴射機構を前記栽培容器の口部位
置から離脱した位置と栽培容器の口部上の位置との間を
往復移動させる種菌噴射駆動機構と、前記液状種菌噴射
機構が前記栽培容器の口部位置から離脱した位置の下方
側に設けられた前記滴下受け部材と、からなることを特
徴とする液状種菌接種装置である。
【0014】また請求項6の発明では、請求項1から請
求項5において、前記滴下受け部材として、盆状の受け
板によって形成してなることを特徴とする液状種菌接種
装置である。
【0015】また請求項7の発明では、請求項1から請
求項6において、前記受け板を接種装置本体に対して着
脱可能に取付固定してなることを特徴とする液状種菌接
種装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】請求項1の発明では、栽培容器内
の培養基に液状の種菌を接種する液状種菌接種装置にお
いて、液状種菌を貯留してなる種菌収納容器と、この種
菌収納容器から液状種菌を供給するための種菌供給管路
と、前記種菌収納容器の内部あるいは前記種菌供給管路
の搬送経路途上において液状種菌を加圧して送り出すた
めの液状種菌加圧手段と、この液状種菌加圧手段から加
圧供給された前記液状種菌を前記栽培容器の培養基に噴
射して接種する液状種菌噴射機構と、この液状種菌噴射
機構の下方側に位置し、液状種菌噴射機構からの液状種
菌の液垂れを受ける滴下受け部材と、を備えてなること
により、栽培容器の培養基に液状種菌を接種した後、す
なわち液状種菌の供給を停止した後において、液状種菌
噴射機構に残留している液状種菌が液垂れを起こしてし
まったとしても、滴下受け部材によって受けることによ
り、液垂れにより栽培容器あるいは接種装置本体などに
液状種菌が付着してしまうことを予防することができ
る。
【0017】請求項1において、請求項2の発明では、
前記滴下受け部材には、溜まった液状種菌を外部へと排
出可能とする排出口を設けてなることにより、液垂れし
た液状種菌を排出口から集めながら外部へと排出するこ
とができるものであり、具体的には、請求項2におい
て、請求項3の発明では、前記滴下受け部材に設けた排
出口に、排出用パイプを連結してなることにより、排出
用パイプを介して外部へと引き回し案内することによ
り、所定の箇所に排出することができるという効果があ
る。
【0018】請求項1から請求項3において、請求項4
の発明では、前記液状種菌噴射機構は、前記種菌供給管
路側と連結される液状種菌噴射シリンダ本体と、このシ
リンダ本体の先端側に取り付け固定される噴射ノズルと
によって構成してなることにより、たとえば液状種菌噴
射機構自体を殺菌処理する場合、種菌供給管路側に連結
された液状種菌噴射シリンダ本体とノズル側とを取り外
し、アルコール殺菌処理あるいは加熱殺菌処理などによ
り、殺菌処理を簡便に行うことができ、各部品などの保
守管理も容易に行うことができる。
【0019】請求項1から請求項4において、請求項5
の発明では、前記栽培容器を縦横に複数整列して収納し
たコンテナを搬入側から供給し、かつ栽培容器を間欠移
送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、こ
の搬送機構により間欠移送された前記コンテナ内の栽培
容器の蓋を横一列単位で開閉作動する蓋開閉機構と、こ
の蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培容
器に対して所定量の液状種菌を前記栽培容器内にそれぞ
れ供給する前記液状種菌噴射機構と、前記蓋開閉機構の
蓋開閉動作に応じて蓋開閉機構を栽培容器の蓋閉塞位置
と蓋開放位置との間を往復移動させる蓋開閉駆動機構
と、前記液状種菌噴射機構を前記栽培容器の口部位置か
ら離脱した位置と栽培容器の口部上の位置との間を往復
移動させる種菌噴射駆動機構と、前記液状種菌噴射機構
が前記栽培容器の口部位置から離脱した位置の下方側に
設けられた前記滴下受け部材と、からなることを特徴と
する液状種菌接種装置であり、コンテナ内の栽培容器の
蓋が蓋開閉機構によって横一列単位で開放され、蓋開閉
機構により蓋が開放された横一列単位の栽培容器に対し
て所定量の液状種菌が栽培容器内に液状種菌噴射機構を
介してそれぞれ供給されて接種され、その接種後に前記
蓋開閉機構によって蓋が開放されている横一列単位の栽
培容器の口部に前記蓋開閉機構によって蓋が閉塞される
ため、充填接種効率を高めることができるとともに、蓋
の開放時間を極力短縮することにより雑菌の侵入を抑制
することができる。また搬送機構の間欠移送に連れて接
種されていない他の横一列単位の栽培容器に対して順次
蓋開閉機構による蓋の開放動作,液状種菌噴射機構によ
る液状種菌の接種動作,蓋開閉機構による蓋の閉塞動作
の繰り返しによりコンテナ内に収納された栽培容器が横
一列単位で連続して接種することができるとともに、接
種後において前記搬送機構によりコンテナ内の栽培容器
を搬出側へと移送することができ、しかも一連の接種工
程において、液状種菌噴射機構に残留している液状種菌
が液垂れを起こしてしまったとしても、滴下受け部材に
よって受けることができ、これにより液垂れにより栽培
容器あるいは接種装置本体などに液状種菌が付着してし
まうことを予防することができるという効果がある。
【0020】請求項1から請求項5において、請求項6
の発明では、前記滴下受け部材として、盆状の受け板に
よって形成してなることにより、液垂れによって液状種
菌が溜まってきたとしても盆状に周縁に立ち上がり壁が
あるため零れるという心配もなく留めておくことができ
る。
【0021】請求項1から請求項6において、請求項7
の発明では、前記滴下受け部材を接種装置本体に対して
着脱可能に取付固定してなることにより、受け板や排出
パイプなどを接種装置本体から取り外し洗浄あるいはア
ルコール消毒などを行うことにより、外部雰囲気中に浮
遊している雑菌がその種菌に付くことを未然に防ぐこと
ができるという効果がある。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る液状種菌接種装置の第1
実施例を図1から図19を参照にして説明する。液状種
菌接種装置本体の機枠1の略全長に渡りコンベヤからな
る搬送機構2が設けられ、この搬送機構2は操作パネル
3のスイッチの操作により起動,停止が可能に設けられ
ており、前記機枠1の両端側にそれぞれ複数個のスプロ
ケットホイール4が軸支され、機枠1の両端に設けられ
た前記スプロケットホイール4間にエンドレスのチェー
ン5が平行に掛け渡され、駆動源側となる前記スプロケ
ットホイール4にはモータ6による回転力が伝達される
ようになっている。
【0023】そして、大鋸屑や米ぬかなどの培養基Cが
充填され蓋7で密封された栽培容器8をたとえば縦列4
個,横列4個を収納したプラスチック製のコンテナ9を
移送始端側におけるコンベヤからなる搬送機構2のチェ
ーン5上に載せ、その搬送機構2を始動させるとチェー
ン5の走行によってコンテナ9を移送終端側に向かって
搬送できるようになっている。
【0024】前記機枠1に設けられた搬送機構2によっ
て、栽培容器8を縦横に複数整列して収納したコンテナ
9を搬入側から種菌を接種する領域へと移送し、かつそ
の種菌の接種領域にて前記コンテナ9とともに栽培容器
8を間欠的に移送するように構成している。この場合、
栽培容器8が適正な種菌接種領域に到達した際に搬送機
構2を介して送られてくるコンテナ9を停止する手段と
して、この実施例においてはストッパピン10Aを備え
たストッパ機構10が設けられるとともに、コンテナ9
内の栽培容器8を位置規整しつつ蓋7を開閉作動する際
に栽培容器8を位置決め保持可能とする容器位置決め機
構11が設けられている。
【0025】この場合、コンテナ9を所定の位置で停止
するためのコンテナ9のストッパ機構10に設けられた
ストッパピン10Aの間隔は、コンテナ9内に収納され
ている栽培容器8の縦列に整列された栽培容器8の間隔
に合わせて2列に配設されており、このストッパ機構1
0の各ストッパピン10Aは駆動手段であるエアシリン
ダ10Bを介して上下動可能に設けられるとともに、各
ストッパピン10Aはそれぞれ独立して搬送機構2の搬
送面より上方に向かって常時弾発付勢されるようにスプ
リング10Cを介して設けられている。
【0026】また容器位置決め機構11によって種菌接
種領域にて位置決め配列された栽培容器8は、種菌接種
領域の上方位置にて栽培容器8の蓋7を開閉作動する蓋
開閉機構12が設けられており、この実施例では、コン
テナ9内に縦列4個,横列4個を収納した栽培容器8の
最前列位置に配列された横一列単位の蓋7を開閉作動す
るための蓋開閉機構12と、コンテナ9内の最前列を基
準として3列目に整列された栽培容器8の蓋7を開閉作
動する蓋開閉機構12とが2列に配列されている。
【0027】また2列に配列された蓋開閉機構12の作
動によって栽培容器8の最前列位置に整列された横一列
単位の蓋7と、3列目に整列された横一列単位の蓋7と
の開放時に、最前列と3列目に整列された横一列単位で
蓋7が開放された最前列と3列目に整列されている横一
列単位の栽培容器8内の培養基Cに対して、横一列単位
にして2列に配列したそれぞれの液状種菌噴射機構13
を介して液状種菌Bを噴射し、前記開放された栽培容器
8内に液状種菌Bを充填して接種するように構成してい
る。この場合、本発明の液状種菌Bを栽培容器8内に供
給する液状種菌噴射機構13としては、前記栽培容器8
が通過する上方側に位置して2列に配列されているが、
その横一列単位としては栽培容器8の個数である4個と
同数の4個の液状種菌噴射機構13が横一列単位に等間
隔に設置されている。
【0028】また前記液状種菌噴射機構13によって開
放された横一列単位の前記栽培容器8内に液状種菌Bを
充填して接種した後、蓋開閉機構12の復帰作動によっ
て蓋7を栽培容器8に被着する。次いで搬送機構2によ
ってコンテナ9を間欠的に移送してコンテナ9内の栽培
容器8の第2列目と第4列目に整列されている栽培容器
8の蓋7を前記2列に配列された蓋開閉機構12によっ
て開閉作動するとともに、同様に2列に配列した液状種
菌噴射機構13によって液状種菌Bを噴射して栽培容器
8内に接種してコンテナ9内の全ての栽培容器8の培養
基Cに対して接種が完了した後、搬送機構2によりコン
テナ9を搬出側へと移送するようにしている。
【0029】また図1に示すように、前記液状種菌Bは
種菌収納容器14内に貯留されており、この種菌収納容
器14から液状種菌Bをそれぞれの液状種菌噴射機構1
3へと供給するために、柔軟性を有するチューブからな
る種菌供給管路15を介して前記種菌収納容器14と液
状種菌噴射機構13との間を連結している。
【0030】この場合、種菌収納容器14から液状種菌
Bを前記チューブからなる種菌供給管路15を介して液
状種菌噴射機構13側へと加圧して供給するために、コ
ンプレッサなどからなる液状種菌加圧手段16によって
フィルタ17を介して種菌収納容器14内にエア圧を加
えるように構成している。また液状種菌加圧手段16に
よって加圧供給された液状種菌Bは、液状種菌噴射機構
13により栽培容器8内の培養基Cに噴射されて接種さ
れるが、液状種菌噴射機構13に設けられた噴射開閉弁
18の作動によって前記種菌収納容器14から種菌供給
管路15を介して圧送されてきた液状種菌Bの供給,遮
断が行われるように構成されている。
【0031】この実施例では、前記液状種菌噴射機構1
3に設けられた液状種菌Bの供給,遮断を行う前記噴射
開閉弁18を往復作動するために、その噴射開閉弁18
にエアを供給するコンプレッサなどからなる気体加圧手
段19が設けられ、この気体加圧手段19と噴射開閉弁
18が設けられた液体種菌噴射機構13との間にフィル
タ20を介して柔軟性を有するチューブからなる気体供
給管路21が接続されるとともに、フィルタ20と液体
種菌噴射機構13との間に加圧気体であるエアの供給,
遮断を行う電磁弁22が介在されている。
【0032】また各フィルタ17,20は液状種菌加圧
手段16や気体加圧手段19などから送り出されるエア
を浄化するために設けられているものであり、種菌収納
容器14内に雑菌が入り込まないようにしたり、液状種
菌噴射機構13の内部に雑菌が入り込まないように構成
している。
【0033】この第1実施例における液状種菌噴射機構
13は、前記栽培容器8が通過する上方側に位置して、
前記横一列の個数である4個の栽培容器8と同数配列さ
れており、それぞれの液状種菌噴射機構13には栽培容
器8内の培養基Bに噴射して接種する噴射ノズル23を
先端側に備えた液状種菌噴射シリンダ本体24が設置さ
れている。この液状種菌噴射シリンダ本体24には、図
15または図16などに示されるように、前記種菌供給
管路15側と連結される種菌供給口24Aと、この種菌
供給口24Aから連続して液状種菌Bが流入可能な中空
状流体通路24Bとが形成され、その中空状流体通路2
4Bの先端部側に前記噴射ノズル23が取り付け固定さ
れるとともに、噴射ノズル23と種菌供給口24Aとの
間の前記中空状流体通路24Bには、圧送されてくる液
状種菌Bの供給,遮断を行う前記噴射開閉弁18が配設
されている。
【0034】また噴射開閉弁18に設けられた弁体18
A部分の動きに連れて開放状態となったり、閉塞状態と
なったりする弁座24Cが中空状流体通路24Bの途中
に形成されるとともに、液状種菌噴射シリンダ本体24
の後端側には、気体供給管路21の端部と連結される気
体供給口24Dが設けられている。また噴射ノズル23
と供給口24Aとの間の中空状流体通路24Bの途中に
設けられた弁座24Cに対して前記噴射開閉弁18の往
復移動の動きに連れて噴射開閉弁18に設けられた弁体
18Aが開放作動したり,閉塞作動したりすることによ
り、圧送されてくる液状種菌Bの供給,遮断が行われ
る。
【0035】また前記噴射開閉弁18には、液状種菌噴
射シリンダ本体24に設けられた中空状流体通路24B
を開閉する前記弁体18Aが設けられるとともに、その
弁体18Aから連続して後方に延びるピストンシャフト
18Bの端部が前記液状種菌噴射シリンダ本体24の気
体供給口24Dに臨んで配設されている。またピストン
シャフト18Bに設けられた径大部分と液状種菌噴射シ
リンダ本体24との間にピストンスプリング18Cが介
在され、そのピストンスプリング18Cによって弁体1
8Aが液状種菌噴射シリンダ本体24に設けられた中空
状流体通路24Bの弁座24Cに向けて常時弾発付勢さ
れるように配設されている。
【0036】また液状種菌噴射シリンダ本体24に設け
られた中空状流体通路24B側と液状種菌噴射シリンダ
本体24の後端側に設けられた気体供給口24Dとの間
を水密に保つために、ピストンシャフト18Bと液状種
菌噴射シリンダ本体24との間に気密部材となる合成ゴ
ムなどの柔軟性材料からなるダイアフラム18Dが配設
されている。
【0037】また液状種菌噴射シリンダ本体24の中空
状流体通路24Bの先端側に取り付け固定された噴射ノ
ズル23は、その内部に液状種菌Bを噴射する際に所定
の噴射パターンとなるように設定されたノズルチップ2
3Aが配設され、噴射ノズル23の噴射口23Bから加
圧された液状種菌Bが栽培容器8の培養基Cに向けて噴
射するように構成されている。
【0038】この第1実施例にあっては、前記栽培容器
8内に加圧されて充填された培養基Cの表面部分には、
その中央部分に培養基Cの上面から底に向けて植菌孔C
1を設けている。この植菌孔C1は培養基C中での菌ま
わりをよくするために設けられるもので、培養基C自体
の通気性を良くしたり、栽培容器8から液状種菌Bを接
種した際に培養基Cの底部まで種菌が行き渡り易くする
目的で行っている。
【0039】この際、前記液状種菌噴射シリンダ本体2
4の先端部に取り付けた前記ノズルチップ23Aを内蔵
した噴射ノズル23によって、前記栽培容器8内に充填
された培養基Cの表面部分に接種される液状種菌Bの噴
射による流量分布として、通常の培養基Cの表面部分の
領域に対して、培養基Cの表面部分に穿設された植菌孔
C1の領域の噴射流量を増量してなることにより、植菌
孔C1による窪みによって培養基Cの表面の面積が増え
た箇所に合わせて液状種菌Bの噴射流量を増量すること
によって培養基Cの表面にほぼ均一的に液状種菌Bが行
き渡ることとなり、これにより種菌による菌糸の育成を
促すことが可能となるように構成している。
【0040】前述した液状種菌噴射機構13に設けられ
た4個の噴射ノズル23を備えた液状種菌噴射シリンダ
本体24は、それぞれノズル固定部材25を介して着脱
可能にプレート状のノズル取付部材26に固定保持され
るとともに、このノズル取付部材26は支持プレート2
7に着脱可能に取り付け固定され、この支持プレート2
7はエアシリンダ28の作動によって上下方向に往復移
動可能に設けられ、このエアシリンダ28はシリンダ支
持板29上に固定されており、このシリンダ支持板29
の下端側に取り付け固定された駒部29Aが本体フレー
ム1側に設けられた案内ロッド30に沿って水平方向に
往復移動可能に配設されている。
【0041】また種菌接種領域において、2列に配列さ
れた栽培容器8の蓋7を開閉作動するそれぞれの蓋開閉
機構12としては、本願出願人が先に提案した特開平5
−103542号公報等に示されているように、横一列
に位置決め配列されたそれぞれの栽培容器8の蓋7をそ
の上面側と下面側とから挟着可能とする対をなす固定挟
着部材31と挟着シャフトからなる可動挟着部材32と
を設け、その可動挟着部材32を進退駆動可能とし、可
動挟着部材32と固定挟着部材31間に横一列単位の各
蓋7を挟着およびその解除を行う挟着部材開閉手段とな
るエアシリンダ33がそれぞれ設けられている。この各
シリンダ33は接種装置本体の機枠1の幅方向に沿って
設けられたシリンダ保持板34上に取り付け固定される
とともに、このシリンダ保持板34の端部に逆T字状の
リンクアーム部材からなる伝達移動手段35が取り付け
固定され、前記シリンダ保持板34上に取り付けられた
固定挟着部材31、可動挟着部材32およびエアシリン
ダ33は前記リンクアーム部材35(伝達移動手段3
5)を介して前記栽培容器8の蓋閉塞位置と蓋開放位置
との間を移動可能に設けて構成しているものであり、こ
の場合、前記リンクアーム部材35は、機枠1に設けら
れた支軸36を介して回動可能に設けられている。
【0042】また前記搬送機構2の下方側には、駆動シ
リンダ37が設けられ、この駆動シリンダ37に設けら
れたロッド38の先端部が前記リンクアーム部材35の
端部に枢着されて連結固定されるとともに、このリンク
アーム部材35の端部側と、前記案内ロッド30に沿っ
て往復移動可能に配設されたシリンダ支持板29に取り
付け固定された駒部29A側との間に連結ロッド39の
両端部が枢着されて連結固定されている。
【0043】また前記駆動シリンダ37によって、蓋開
閉機構12の蓋開閉動作に応じて蓋開閉機構12を栽培
容器8の蓋閉塞位置と蓋開放位置との間を往復移動させ
る蓋開閉駆動手段と、前記液状種菌噴射機構13を前記
栽培容器8の口部位置から離脱した位置と栽培容器8の
口部上の位置との間を往復移動させる種菌供給駆動手段
とが兼用して構成されている。これにより、前記蓋開閉
機構12の開放動作と前記液状種菌噴射機構13を前記
栽培容器8の口部上に移動する動作とが同期して作動さ
れるとともに、前記蓋開閉機構12の閉塞動作と前記液
状種菌噴射機構13を前記栽培容器8の口部位置から離
脱する移動動作とが同期して作動されるように構成され
ている。
【0044】なお、この第1実施例では、液状種菌接種
装置において、種菌接種装置の本体のほぼ中央位置を基
準として、横一列単位の栽培容器8の蓋7を開閉作動す
る蓋開閉機構12と、横一列単位の栽培容器8内に液状
種菌Bを噴射して接種するそれぞれの液状種菌噴射機構
13とを一組として、左右対称の位置に2組の蓋開閉機
構12と液状種菌噴射機構13とがそれぞれ設けられ、
換言すれば、種菌接種領域には2列に配列された蓋開閉
機構12と、2列に配列された液状種菌噴射機構13と
がそれぞれ設けられている。
【0045】また第1実施例においては、液状種菌噴射
機構13の下方側に、その液状種菌噴射機構13からの
液状種菌Bの液垂れを受ける滴下受け部材40が配設さ
れている。この場合、滴下受け部材40は、液状種菌噴
射機構13が栽培容器の口部位置から離脱した位置の下
方側に設けられているが、左右対称に配列された2組の
液状種菌噴射機構13が隣接した状態に設けられている
ため、一つの滴下受け部材40によって2列に配列され
た液状種菌噴射機構13の液垂れを受けるように構成し
ている。
【0046】また滴下受け部材40として、この実施例
では、盆状からなる受け板41によって形成され、液状
種菌接種装置本体の機枠1の幅方向に沿って架け渡され
たプレート1A上に盆状からなる受け板41が載せられ
て保持されている。この第1実施例では、機枠1のプレ
ート1Aに対して受け板41が位置決め保持されるよう
に、プレート1Aに保持孔1Bを設け、この保持孔1B
に対向して受け板41側に突片41Aを設けることによ
って、プレート1Aに設けた保持孔1Bに受け板41の
突片41Aが受け入れられて位置決め保持されている。
【0047】滴下受け部材40である前記受け板41の
端部側には、溜まった液状種菌Bを外部へと排出可能と
する排出口42が接種装置本体の機枠1の外部側に位置
して設けられるとともに、その排出口42に排出用パイ
プ43が連結され、接種装置本体の機枠1の外部側へと
排出用パイプ43が引き回し配設されている。
【0048】なお、排出口パイプ43の先端側には、回
収用の容器44が設置され、受け板41に溜まった液垂
れした液状種菌Bは排出口42を介して排出用パイプ4
3を通って容器44内に回収されるように構成してい
る。
【0049】この場合、回収用としての排出用パイプ4
3を引き回し配設する際、図7に示すように、接種機本
体の機枠1の左側に設けて回収用容器44内に液垂れし
た液状種菌Bを回収したり、あるいは図8に示すよう
に、接種機本体の機枠1の右側に排出用パイプ43を引
き回し配設して液垂れした液状種菌Bを回収することが
できるように、機枠1に設けられたプレート1Aの両サ
イドに保持孔1Bをそれぞれ設け、使用条件に応じて受
け板41の設置位置を左右任意に選択可能として構成し
ている。
【0050】次に前述した構成において、液状種菌接種
装置の一連の動作を説明する。先ず、所定数の蓋7付き
の栽培容器8を収納したコンテナ9を搬送機構2上に載
置してコンテナ9を移送し、そのコンテナ9が種菌接種
領域に到達すると、搬送機構2の搬送面上に対して出没
可能に上下動するストッパ機構10に設けられたストッ
パピン10Aによってコンテナ9の前端側が位置規制さ
れて停止保持され、この停止時においてコンテナ9の位
置を図示しないセンサによって検知すると、一連の接種
工程が作動するよう構成している。(図2,図3を参
照)なお、この場合、容器位置決め機構11によって、
事前にコンテナ9内の栽培容器8の肩部を位置規制した
り、あるいは接種時において、一連の接種工程と連動さ
せて蓋7を開閉作動する際に栽培容器8を位置決め保持
するように設けている。
【0051】この栽培容器8の位置決め固定時に、エア
シリンダ33の作動により、図12の状態から図13の
状態へと移行し、最前列に位置した横一列に位置決め配
列された栽培容器8の蓋7と、第3列目に位置した横一
列単位に位置決め配列された栽培容器8の蓋7とが、そ
れぞれの可動挟着部材32によってその上面から押圧さ
れ、下面に設けられた固定挟着部材31と前記可動挟着
部材32との間で蓋7が挟着保持される。
【0052】次いで容器位置決め機構11による位置決
めが行われ、蓋7が挟着保持された後に、図4,図14
に示すように、駆動シリンダ37の作動に伴って支軸3
6を基点としてリンクアーム部材35がロッド38の動
きに連れて回動し、このリンクアーム部材35に取り付
けられている蓋開閉機構12により蓋7が蓋開放位置ま
で回動し、この蓋開放動作に同期してリンクアーム部材
35の端部に取り付けられた連結ロッド39を介して前
記シリンダ支持板29に取り付け固定された駒部29A
が前記本体フレーム1側に設けられた案内ロッド30に
沿って移動し、このシリンダ支持板29の移動によって
液状種菌噴射機構13に設けられた4個の噴射ノズル2
3は、栽培容器8の口部位置、すなわち、蓋7を取り外
した栽培容器8の真上に移行される。(図4,図14な
どを参照)
【0053】続いて、エアシリンダ28の作動によって
噴射ノズル23が栽培容器8の口部位置へと接近あるい
はその口部内に挿入配置される。(図5,図10および
図15を参照)
【0054】その後、図6,図11,図16および図1
7などに示すように、前記蓋開閉機構12による栽培容
器8の蓋7の開放時に、蓋7が開放された横一列単位の
栽培容器8内の培養基Cに対して列単位に液状種菌Bが
液状種菌噴射機構13を介して噴射され、前記開放され
た栽培容器8内に液状種菌Bが充填されて接種される。
【0055】液状種菌Bが噴射ノズル23によって所定
量充填された後、前記エアシリンダ28の復帰作動によ
って液状種菌噴射機構13に設けられた噴射ノズル23
が栽培容器8の口部位置から離れ、その後駆動シリンダ
37のロッド38の復帰作動により噴射ノズル23が栽
培容器8の位置から退避移動して復帰すると同時に、蓋
開閉機構12の回転復帰作動によって液状種菌Bが接種
された横一列の栽培容器8の蓋7が被嵌される。この
際、液状種菌噴射機構13に設けられた噴射ノズル23
の内部に残留していた液状種菌Bが液垂れを起こしてし
まったとしても、図2,図3,図7あるいは図8などに
示すように、噴射ノズル23の下方側に配設された滴下
受け部材40の受け板41によって受けることにより、
液垂れにより栽培容器8あるいは接種装置本体などに液
状種菌Bが付着してしまうことを予防することができ
る。
【0056】従って、この第1実施例にあっては、前記
蓋開閉機構12と液状種菌噴射機構13とによる一連の
工程を順次作動することによって、種菌接種領域にてコ
ンテナ9の移送方向に対して最前列の栽培容器8と第3
列目の栽培容器8とがそれぞれ横一列単位にて接種され
るものであり、この一連の動作後において噴射ノズル2
3からの液垂れがあったとしても滴下受け部材40によ
って外部へと落下することを未然に防ぐことができる。
【0057】そして、最前列の栽培容器8を基準とする
一連の接種工程が終了すると、コンテナ9の前端部を停
止保持していたストッパピン10Aがエアシリンダ10
Bを介して一旦下方へ下がった後に上方へと復帰作動す
るとともに、搬送機構2が作動することによってコンテ
ナ9が搬出方向へと移送される。このコンテナ9の移送
動作により、最初にコンテナ9の前端部を停止保持して
いたストッパピン10Aも上方へと復帰作動しようとす
るがコンテナ9の搬送作動により今まで停止保持してい
たストッパピン10Aは、その上端部分がコンテナ9の
底面部分に突き当たる。しかしながら、ストッパピン1
0Aの上方への弾発付勢力を弱く設定しているためにコ
ンテナ9の搬送を妨げることなくスムーズに移送するこ
とができるものであり、ストッパ機構10の次の列に設
けられた他のストッパピン10Aによってコンテナ9の
前端側が停止保持される。
【0058】またコンテナ9の停止時において、前述し
たように蓋開閉機構12と液状種菌接種機構13とによ
って栽培容器8の第2列目を基準とする一連の接種工程
が行われることにより、第2列目の栽培容器8と第4列
目の栽培容器8とを図18に示すように接種することが
でき、これによりコンテナ9内の栽培容器8の全てを接
種することができる。次いで、この接種作業工程におい
ても、液状種菌Bが噴射ノズル23によって所定量充填
された後、前記エアシリンダ28の復帰作動によって液
状種菌噴射機構13に設けられた噴射ノズル23が栽培
容器8の口部位置から離れ、その後駆動シリンダ37の
ロッド38の復帰作動により噴射ノズル23が栽培容器
8の位置から退避移動して復帰すると同時に、蓋開閉機
構12の回転復帰作動によって液状種菌Bが接種された
横一列の栽培容器8の蓋7が被嵌される。
【0059】このように液状種菌噴射機構13の復帰動
作と、蓋開閉機構12による回転復帰作動により、その
後に液状種菌噴射機構13に設けられた噴射ノズル23
から液垂れがあっても受け板41によって受けることが
でき、液垂れにより栽培容器8やコンテナ9あるいは機
枠1などを汚してしまうということを未然に防ぐことが
できる。(図7あるいは図8など参照)また受け板41
上に溜まった液垂れによる液状種菌Bは受け板41に設
けられた排出口42を介して排出用パイプ43内を通
り、たとえば回収用の容器44内へと流れ落ちることで
液垂れによる液状種菌Bの回収を良好に行うことができ
る。
【0060】続いてコンテナ9内の全ての栽培容器8の
接種工程が終了すると、図19に示されるように、スト
ッパ機構10のストッパピン10Aをエアシリンダ10
Bを介して一旦下方へ下げた後に上方へと復帰作動し、
かつ搬送機構2により接種済みの栽培容器8を収納した
コンテナ9が搬出側へと移送されるとともに、新たに接
種を行う栽培容器8を収納したコンテナ9が搬送機構2
の搬入側から供給されることによって連続して接種作業
を行うことができる。
【0061】また横一列単位の栽培容器8に対して順次
複数列(実施例では2列)に配列した蓋開閉機構12に
よる蓋7の開放動作,液状種菌噴射機構13による液状
種菌Bの接種動作,蓋開閉機構12による蓋7の閉塞動
作の繰り返し作動によってコンテナ9内に収納された栽
培容器8を横一列単位で連続して接種することができ
る。これにより、液状種菌Bの接種作業能率を高めるこ
とことができるとともに、横一列を列単位として栽培容
器8の蓋7の開閉動作と接種動作とを行うため、栽培容
器8の蓋7の開放時間を極力短縮することができ、雑菌
の侵入を抑制することも可能となる。
【0062】また第1実施例では、液状種菌接種装置の
稼動時においては、液状種菌Bを貯留してなる種菌収納
容器14の内部は、コンプレッサなどからなる液状種菌
加圧手段16によりフィルタ17を介してエア圧を加え
ることによって種菌収納容器14内の内圧が常に高めら
れており、この内圧が高められている種菌収納容器14
から種菌供給管路15を介して圧送された液状種菌B
が、液状種菌噴射シリンダ本体24に設けられた種菌供
給口24Aへと供給されて中空状流体通路24B内へと
加圧状態にて流入されている。(図15および図16を
参照)
【0063】この流入時において、噴射ノズル23によ
り液体種菌Bを噴射して接種する接種工程を除く、蓋開
閉機構12の開放動作,閉塞動作あるいは液状種菌噴射
機構13の移行動作時にあっては、噴射開閉弁18の弁
体18Aが液状種菌噴射シリンダ本体24の中空状流体
通路24Bに設けた弁座24Cと接触して密閉状態を維
持することによって、中空状流体通路24Bの先端側に
取り付けられている噴射ノズル23側に液体種菌Bが供
給されることがないため、液状種菌Bが噴射されること
はない。
【0064】すなわち、液状種菌噴射シリンダ本体24
に設けられた中空状流体通路24Bの弁座24Cに対し
て噴射開閉弁18の弁体18Aによって密閉状態を維持
する手段として、この実施例では、コンプレッサなどか
らなる気体加圧手段19によって加圧されたエアを気体
供給管路21を介して圧送し、フィルタ20を介して液
状種菌シリンダ本体24の後端側に設けられた気体供給
口24Dへと導くように設けているが、フィルタ20と
気体供給口24Dとの間に配設した電磁弁22を閉塞動
作することにより、エア圧が高められた気体が噴射開閉
弁18のピストンシャフト18B側へと伝わることなく
遮断される。このため、ピストンシャフト18Bに設け
られた径大部分と液状種菌噴射シリンダ本体24との間
に介在されたピストンスプリング18Cによって弁体1
8Aが液状種菌噴射シリンダ本体24に設けた中空状流
体通路24Bの弁座24Cに向けて常時弾発付勢され、
この弾発付勢力により液状種菌Bが供給されることなく
遮断状態が維持される。(図15を参照)
【0065】また液状種菌Bの噴射時(図6,図11,
図16,図17および図18などを参照)においては、
図16に示すように、前記電磁弁22を開放動作するこ
とによって液状種菌噴射シリンダ本体24に設けられた
中空状流体通路24Bの弁座24Cに対して噴射開閉弁
18の弁体18Aが開放状態に維持される。すなわち、
前記電磁弁22を開放動作することにより、気体加圧手
段19から気体供給管路21を介して圧送されたエア
が、フィルタ20を介して液状種菌噴射シリンダ本体2
4の後端側に設けられた気体供給口24Dへと導かれ
る。この気体供給口24Dから加圧されたエアは、ピス
トンシャフト18Bと液状種菌噴射シリンダ本体24と
の間に配設された柔軟性材料からなるダイアフラム18
Dに直接加わるためにダイアフラム18Dが押圧されて
撓んで移動する。その撓みによるダイアフラム18Dの
動きに連れてピストンシャフト18Bが移動し、そのピ
ストンシャフト18Bの先端部に設けられている弁体1
8Aが液状種菌噴射シリンダ本体24に設けられた中空
状流体通路24Bの弁座24Cから離れる状態となり、
この前記噴射開閉弁18の弁体18Aを密閉状態から開
放することによって液状種菌Bが噴射ノズル23から噴
射される。
【0066】この際、電磁弁22の開放時間を所定時間
に設定したり、あるいは液状種菌Bの流量が所定量とな
ったところで電磁弁22を遮断することにより液体種菌
Bの接種量を適正な状態に設定することができる。
【0067】すなわち、この実施例においては、電磁弁
22の遮断,開放の切換作動に伴い、前記噴射開閉弁1
8を切換作動して液状種菌Bを接種する流量あるいは接
種時間を設定する弁開閉駆動制御手段3Aを操作パネル
3上に設けてなることにより、栽培容器8内の培養基B
の容量や形態あるいは培養基Bの媒質などに応じて液状
種菌Cの接種充填量を弁開閉駆動制御手段3Aによって
調節して設定することができ、バラツキもなく液状種菌
Cの充填量をほぼ一定量に保つことができ、安定した接
種工程作業を行うことができる。
【0068】また液状種菌噴射シリンダ本体24に設け
られた中空状流体通路24B側と液状種菌噴射シリンダ
本体24の後端側に設けられた気体供給口24Dとの間
を水密に保つために、ピストンシャフト18Bと液状種
菌噴射シリンダ本体24との間に気密部材となる合成ゴ
ムなどの柔軟性材料からなるダイアフラム18Dを配設
してなることにより、噴射開閉弁18の切換作動のため
に加圧された空気を中空状流体通路24B側へと混入す
ることなく遮断することができ、しかもダイアフラム1
8Dの動きに連動させて弁体18Aを開放することによ
り、液状種菌加圧手段16によって加圧供給された液状
種菌Bを液状種菌噴射シリンダ本体24の先端側に設け
た噴射ノズル23を介して栽培容器8の培養基Bに噴射
して接種することができるものであり、接種時において
雑菌の侵入を極力抑制することができる。
【0069】また液状種菌噴射機構13に設けられた4
個の噴射ノズル23を備えた液状種菌噴射シリンダ本体
24は、それぞれノズル固定部材25を介して着脱可能
にプレート状のノズル取付部材26に固定保持されると
ともに、このノズル取付部材26は支持プレート27に
着脱可能に取り付け固定されるため、簡単に取り外しを
行うことができ、しかも液状種菌噴射機構13の分解作
業を行う場合、液状種菌噴射シリンダ本体24の供給口
24Aに連結された種菌供給管路15を取り外し、液状
種菌噴射機構13である液状種菌噴射シリンダ本体24
と噴射ノズル23および噴射開閉弁18とをアルコール
消毒することで雑菌処理を簡単に行うことができるもの
であり、各部品などの保守管理も容易に行うことができ
るという効果がある。
【0070】また、図20および図21は本願発明の第
2実施例を示すもので、前述した第1実施例と基本形態
はほとんど同様に構成するものであり、機枠1の略中央
位置には、栽培容器8を縦横に複数整列して収納したコ
ンテナ9を搬入側から種菌を接種する領域へと移送し、
かつその種菌の接種領域にて前記コンテナ9とともに栽
培容器8を搬送機構2によって間欠的に移送するように
構成している。この実施例では、液状種菌接種装置にお
いて、横一列単位の栽培容器8の蓋7を開閉作動する蓋
開閉機構12と、横一列単位の栽培容器8内に液状種菌
Bを噴射して接種する液状種菌噴射機構13とを一組と
して設置して構成している。
【0071】またコンテナ9内には栽培容器8が縦列4
個,横列4個整列して収納されており、前記栽培容器8
が適正な種菌接種領域に到達した際に前記搬送機構2を
介して送られてくるコンテナ9内の栽培容器8が、その
最前列から順次横一列単位で前記蓋開閉機構12の作動
によって栽培容器8の蓋7が開放され、蓋7が開放され
た横一列単位の栽培容器8内の培養基Cに対して、液状
種菌噴射機構13の噴射ノズル23を介して噴射し、前
記開放された栽培容器8内に液状種菌Bを充填して接種
し、この接種後に蓋開閉機構12の復帰作動によって蓋
7を栽培容器8に閉塞することによって最前列の栽培容
器8を基準とする一連の接種工程が終了するものであ
り、横一列単位にて最前列から順次後列へと横一列単位
にて一連の接種工程が行われるように構成している。
【0072】この場合、前述した第1実施例とほぼ同様
にして、液状種菌噴射機構13に設けられた噴射ノズル
23からの液状種菌Bの液垂れを受ける滴下受け部材4
0が、液状種菌噴射機構13の下方側、すなわち、その
液状種菌噴射機構13が栽培容器8の口部位置から離脱
した位置の下方側に設けられている。
【0073】また滴下受け部材40として図21に示す
ように、盆状からなる2枚の受け板41がそれぞれ形成
され、液状種菌接種装置本体の機枠1の幅方向に沿って
架け渡されたプレート1A上に2枚の盆状からなる受け
板41が載せられて保持されている。この第2実施例で
は、機枠1のプレート1Aに対して受け板41が位置決
め保持されるように、プレート1Aの両側にそれぞれ保
持孔1Bが設けられ、この各保持孔1Bに対向して受け
板41側に突き出しピン41Bを設けることによって、
プレート1Aに設けた両側の保持孔1Bにそれぞれの受
け板41に設けられた突き出しピン41Bが挿入されて
位置決め保持される。
【0074】また滴下受け部材40である前記受け板4
1の端部側には、溜まった液状種菌Bを外部へと排出可
能とする排出口42が接種装置本体の機枠1の外部側に
位置して設けられるとともに、その排出口42に排出用
パイプ43が連結され、接種装置本体の機枠1の外部側
へと排出用パイプ43が引き回し配設されている。
【0075】この実施例では、排出口42から液垂れに
よる液状種菌Bが流れ出やすくするために、プレート1
Aの中央部を両サイドの位置に対して高く設定し、それ
ぞれの受け板41自体に若干の傾斜面を施して配設され
るように構成しており、前記各排出口42を介して排出
用パイプ43から液垂れによる液状種菌Bが良好に流出
できるように形成されている。
【0076】なお、排出口パイプ43の先端側には、回
収用の容器44が設置され、受け板41に溜まった液垂
れした液状種菌Bは排出口42を介して排出用パイプ4
3を通って容器44内に回収されるように構成してい
る。
【0077】また種菌収納容器14内に貯留されている
液状種菌Bをそれぞれの液状種菌噴射機構13へと供給
するために、柔軟性を有するチューブからなる種菌供給
管路15を介して前記種菌収納容器14と液状種菌噴射
機構13との間を連結している。
【0078】この第2実施例では、種菌収納容器14か
ら液状種菌Bを前記チューブからなる種菌供給管路15
を介して液状種菌噴射機構13側へと加圧して供給する
ために、種菌収納容器14と液状種菌噴射機構13との
間の種菌供給管路15箇所にたとえば流体駆動ポンプな
どからなる液状種菌加圧手段16Aを配設し、この液状
種菌加圧手段16Aを介して液状種菌噴射機構13に液
状種菌Bを加圧供給するように構成している。
【0079】また液状種菌加圧手段16Aによって加圧
供給された液状種菌Bは、液状種菌噴射機構13により
栽培容器8内の培養基Cに噴射されて接種されるが、液
状種菌噴射機構13に設けられた噴射開閉弁18の作動
によって前記種菌収納容器14から種菌供給管路15を
介して圧送されてきた液状種菌Bの供給,遮断が行われ
るように構成している。
【0080】この実施例では、前記液状種菌噴射機構1
3に設けられた液状種菌Bの供給,遮断を行う前記噴射
開閉弁18を往復作動する手段として、電磁石とアーマ
チュアなどからなる電磁駆動手段19Aを設けるととも
に、この電磁駆動手段19Aの作動と連動させて噴射開
閉弁18を切換作動し、液状種菌Bを接種する時間ある
いは接種する流量などを設定する弁開閉駆動制御手段3
Aを操作パネル3上に設けている。また電磁駆動手段1
9Aの作動によって図示はしないが前述した第1実施例
と同様に噴射開閉弁18に設けられた弁体を備えたシャ
フトが往復移動するように構成している。この場合、噴
射開閉弁18の往復作動を電磁駆動手段19Aによって
行っているため、液状種菌噴射機構13によって液状種
菌Bを噴射する際にエアが混合することもなく、結果と
して雑菌の侵入を防ぐことができるように構成してい
る。
【0081】また第2実施例においても、前述した第1
実施例と同様に横一列単位の栽培容器8に対して蓋開閉
機構12による蓋7の開放動作,液状種菌噴射機構13
による液状種菌Bの接種動作,蓋開閉機構12による蓋
7の閉塞動作の繰り返しに基づいてコンテナ9内に収納
された栽培容器8が横一列単位で連続して接種すること
ができ、これにより、液状種菌Bの接種作業能率を高め
ることことができるとともに、横一列を列単位として栽
培容器8の蓋7の開閉動作と接種動作とを行うため、栽
培容器8の蓋7を開放する時間が短縮され、雑菌の侵入
を極力抑えることができる。
【0082】従って、この第2実施例においても、蓋開
閉機構12と液状種菌噴射機構13とによる一連の工程
を順次作動することによって、種菌接種領域にてコンテ
ナ9の移送方向に対して最前列の栽培容器8から順次後
列の栽培容器8がそれぞれ横一列単位にて接種されるも
のであり、この一連の動作後において噴射ノズル23か
らの液垂れがあったとしても滴下受け部材40によって
外部へと落下することを未然に防ぐことができるもので
あり、受け板41自体に若干の傾斜面を施して形成する
ことによって排出口42から液垂れによる液状種菌Bが
流れ出やすくなるため、回収し易い。
【0083】なお本発明は上述した実施例に限定される
ものではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形
実施が可能であり、第1実施例においては、最前列に位
置した横一列単位の栽培容器8を基準にして接種するた
めに、搬送機構2によってコンテナ9を送り出しながら
間欠的に移送,停止を設定する手段としてコンテナ9の
前端部を基準に停止するストッパ機構10によってコン
テナ9を停止するようにしていたが、第2実施例のよう
に前記ストッパ機構10を用いることなく搬送機構2の
作動をモータの回転制御のみにて搬送機構2の停止位置
を割り出すように設定してもよいものであり、また種菌
の接種領域において栽培容器8を所定位置に停止する検
出手段として実施例においては、コンテナ9の前端部の
位置を検出センサにて読み取って搬送機構2の作動制御
を行っていたが、たとえば栽培容器8が搬送されてくる
位置関係に検出センサを配置し、その検出センサにて栽
培容器8を検知し、その検知信号に基づき所定の種菌接
種領域に栽培容器8が到達した時点にて搬送機構2の移
送を停止するようにしてもよい。
【0084】またコンテナ9内の栽培容器8を位置規整
しつつ蓋7を開閉作動する際に栽培容器8を位置決め保
持可能とする容器位置決め機構11が設けられている
が、その位置決め手段として栽培容器8の肩部を押さえ
て保持するレール状の保持部材であってもよく、アーム
状の押さえ板を可動的に設けてもよいものであり、少な
くとも蓋7の開閉作動時において栽培容器8の規整保持
がなされるものであればよい。
【0085】また実施例における蓋開閉機構12として
は、横一列に位置決め配列された栽培容器8の蓋7をそ
の上面および下面から挟着可能な対をなす固定挟着部材
31および挟着シャフトからなる可動挟着部材32を設
け、可動挟着部材32を進退しこの可動挟着部材32と
固定挟着部材31間に横一列単位の各蓋7を挟着および
その解除を行うエアシリンダ33が設けられていたが、
挟着爪からなる蓋開閉機構を適用するとともに、蓋7を
栽培容器8に対して離脱するために蓋体上下動移動手段
を設け、この蓋体上下動移動手段の作動により離脱した
蓋7を栽培容器8の蓋閉塞位置と蓋開放位置との間を往
復移動させるように構成してもよい。
【0086】また液状種菌噴射機構13を栽培容器8の
口部位置から離脱した位置と、栽培容器の口部上の位置
との間を往復移動させる際に、実施例においては蓋開閉
機構12の作動に妨げとならないように液状種菌噴射機
構13に設けられた噴射ノズル23を駆動シリンダ37
の作動によって案内ロッド30に沿って水平方向に往復
移動可能に配設するとともに、前記栽培容器8の真上位
置から栽培容器8へと接近,離反するようにエアシリン
ダ28によって上下方向に往復移動可能に設けて構成し
ていたが、場合によっては液状種菌噴射機構13を水平
方向に往復移動する構造のみを採用してもよいものであ
り、その際、蓋開閉機構12の作動に妨げとならないよ
うに設定してあればよい。
【0087】また上述した各実施例にあっては、保守,
点検あるいは殺菌処理のために、液状種菌Bを供給する
側である噴射ノズル23やチューブ15,21などは部
品交換作業あるいは洗浄作業,消毒作業などを行う必要
(場合)があるため、脱着ノブなどの固定手段によって
簡単に交換することができるように構成することが望ま
しい。
【0088】また栽培容器8の高さ寸法,大きさ,コン
テナ9内に収納される位置関係などに合わせて噴射ノズ
ル23のセット位置を調整移動可能に設けて構成するこ
とにより、栽培容器8内に液状種菌Bを良好に噴射させ
て接種することができるものであり、その際、液状種菌
Bの液垂れを受ける滴下受け部材40の配置も液状種菌
噴射機構13の噴射ノズル23の移動領域に合わせて大
きさや幅寸法あるいは配置などを設定すればよいもので
ある。
【0089】また種菌収納容器17内の液状種菌Bがな
くなった時は、液状種菌Bが充填されている別の種菌収
納容器14にチューブやパイプなどを切り換えて接続す
ることにより種菌収納容器14の交換作業を良好に行う
ことができ、場合によっては複数個の種菌収納容器14
を用意し、種菌収納容器14内の液状種菌Bがなくなっ
た際に、バルブの切り換えにより簡単に行うことも可能
である。
【0090】また前述した各実施例にあっては蓋開閉機
構12を栽培容器8の蓋閉塞位置と蓋開放位置との間を
往復移動させる蓋開閉駆動手段と、液状種菌噴射機構1
3を栽培容器8の口部位置から離脱した位置と栽培容器
8の口部上の位置との間を往復移動させる液状種菌供給
駆動手段とを兼用して駆動シリンダ37によって構成し
ていたが、それぞれの駆動手段を個別に設けてもよいも
のであり、またその駆動手段としてカム機構やモータな
どの駆動手段を用いて作動するようにしてもよい。
【0091】また実施例においては、噴射開閉弁18の
作動切り換えとして、空圧制御、電磁制御などによって
行っていたが、油圧制御あるいはカム機構による往復動
によって切り換えるようにしてもよいものである。
【0092】また前述した各実施例では、培養基Cを収
納する栽培容器8として栽培瓶を採用していたが、その
容器として包装袋を用いてもよいものであり、またコン
テナ9内に栽培容器8を収納した状態にて搬送しつつ液
状種菌Bを接種していたが、搬送機構の上に栽培容器を
直接載せて搬送しながら接種するようにしてもよいもの
であり、要するに液状種菌Bの液垂れを受ける滴下受け
部材40を噴射ノズル23の下方側に設置して栽培容器
や搬送機構などに液垂れによって液状種菌が付着するこ
とを未然に防ぐことができるように形成してあればよ
い。
【0093】また実施例における滴下受け部材40とし
て、盆状からなる受け板41によって構成していたが、
その盆状からなる立ち上がり周壁の形状としては、断面
が半円弧状の樋形状によって形成された受け板41であ
ってもよいものであり、液垂れが生じた際に外部へと落
下することを防ぐことができるものであればよい。
【0094】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、栽培容器内の培養基に液状の種菌を接種する液
状種菌接種装置において、液状種菌を貯留してなる種菌
収納容器と、この種菌収納容器から液状種菌を供給する
ための種菌供給管路と、前記種菌収納容器の内部あるい
は前記種菌供給管路の搬送経路途上において液状種菌を
加圧して送り出すための液状種菌加圧手段と、この液状
種菌加圧手段から加圧供給された前記液状種菌を前記栽
培容器の培養基に噴射して接種する液状種菌噴射機構
と、この液状種菌噴射機構の下方側に位置し、液状種菌
噴射機構からの液状種菌の液垂れを受ける滴下受け部材
と、を備えてなることにより、栽培容器の培養基に液状
種菌を接種した後、すなわち液状種菌の供給を停止した
後において、液状種菌噴射機構に残留している液状種菌
が液垂れを起こしてしまったとしても、滴下受け部材に
よって受けることにより、液垂れにより栽培容器あるい
は接種装置本体などに液状種菌が付着してしまうことを
予防することができるという効果がある。
【0095】また請求項1記載の発明において、請求項
2の発明では、前記滴下受け部材には、溜まった液状種
菌を外部へと排出可能とする排出口を設けてなることに
より、液垂れした液状種菌を排出口から集めながら外部
へと排出することができるものであり、具体的には、請
求項2において、請求項3の発明では、前記滴下受け部
材に設けた排出口に、排出用パイプを連結してなること
により、排出用パイプを介して外部へと引き回し案内す
ることにより、所定の箇所に排出することができるとい
う効果がある。
【0096】また請求項1から請求項3の発明におい
て、請求項4の発明では、前記液状種菌噴射機構は、前
記種菌供給管路側と連結される液状種菌噴射シリンダ本
体と、このシリンダ本体の先端側に取り付け固定される
噴射ノズルとによって構成してなることにより、たとえ
ば液状種菌噴射機構自体を殺菌処理する場合、種菌供給
管路側に連結された液状種菌噴射シリンダ本体とノズル
側とを取り外し、アルコール殺菌処理あるいは加熱殺菌
処理などにより、殺菌処理を簡便に行うことができ、各
部品などの保守管理も容易に行うことができるという効
果がある。
【0097】また請求項1から請求項4において、請求
項5の発明では、前記栽培容器を縦横に複数整列して収
納したコンテナを搬入側から供給し、かつ栽培容器を間
欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構
と、この搬送機構により間欠移送された前記コンテナ内
の栽培容器の蓋を横一列単位で開閉作動する蓋開閉機構
と、この蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の
栽培容器に対して所定量の液状種菌を前記栽培容器内に
それぞれ供給する前記液状種菌噴射機構と、前記蓋開閉
機構の蓋開閉動作に応じて蓋開閉機構を栽培容器の蓋閉
塞位置と蓋開放位置との間を往復移動させる蓋開閉駆動
機構と、前記液状種菌噴射機構を前記栽培容器の口部位
置から離脱した位置と栽培容器の口部上の位置との間を
往復移動させる種菌噴射駆動機構と、前記液状種菌噴射
機構が前記栽培容器の口部位置から離脱した位置の下方
側に設けられた前記滴下受け部材と、からなることを特
徴とする液状種菌接種装置であり、コンテナ内の栽培容
器の蓋が蓋開閉機構によって横一列単位で開放され、蓋
開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培容器に
対して所定量の液状種菌が栽培容器内に液状種菌噴射機
構を介してそれぞれ供給されて接種され、その接種後に
前記蓋開閉機構によって蓋が開放されている横一列単位
の栽培容器の口部に前記蓋開閉機構によって蓋が閉塞さ
れるため、充填接種効率を高めることができるととも
に、蓋の開放時間を極力短縮することにより雑菌の侵入
を抑制することができる。また搬送機構の間欠移送に連
れて接種されていない他の横一列単位の栽培容器に対し
て順次蓋開閉機構による蓋の開放動作,液状種菌噴射機
構による液状種菌の接種動作,蓋開閉機構による蓋の閉
塞動作の繰り返しによりコンテナ内に収納された栽培容
器が横一列単位で連続して接種することができるととも
に、接種後において前記搬送機構によりコンテナ内の栽
培容器を搬出側へと移送することができ、しかも一連の
接種工程において、液状種菌噴射機構に残留している液
状種菌が液垂れを起こしてしまったとしても、滴下受け
部材によって受けることができ、これにより液垂れによ
り栽培容器あるいは接種装置本体などに液状種菌が付着
してしまうことを予防することができるという効果があ
る。
【0098】また請求項1から請求項5において、請求
項6の発明では、前記滴下受け部材として、盆状の受け
板によって形成してなることにより、液垂れによって液
状種菌が溜まってきたとしても盆状に周縁に立ち上がり
壁があるため零れるという心配もなく留めておくことが
できるという効果がある。
【0099】また請求項1から請求項6において、請求
項7の発明では、前記滴下受け部材を接種装置本体に対
して着脱可能に取付固定してなることにより、受け板や
排出パイプなどを接種装置本体から取り外し洗浄あるい
はアルコール消毒などを行うことにより、外部雰囲気中
に浮遊している雑菌がその種菌に付くことを未然に防ぐ
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す液状種菌接種装置の
全体構成概要図である。
【図2】図2は、図1の液状種菌接種装置の本体主要部
を示す要部の正面図である。
【図3】図3は、液状種菌接種装置の蓋開閉機構と液状
種菌噴射機構の動作前を示す要部の正面図である。
【図4】図4は、図3の液状種菌接種装置の蓋開閉機構
と液状種菌噴射機構の動作状態を示す要部の正面図であ
る。
【図5】図5は、図4の液状種菌噴射機構の噴射ノズル
を栽培容器側に向けて下動した状態を示す腰部の正面図
である。
【図6】図6は、液状種菌噴射機構を栽培容器側に向け
て移動した後、噴射ノズルより液状種菌を噴射した状態
を示す要部の正面図である。
【図7】図7は、図3に対応する液状種菌噴射機構と滴
下受け部材とを主体に示した側面図である。
【図8】図8は、滴下受け部材の実施態様例を示す側面
図である。
【図9】図9は、図2,図3に対応する蓋閉塞時におけ
る液状種菌噴射機構の主要部を示す側面図である。
【図10】図10は、図5に対応する液状種菌噴射機構
の噴射ノズルを栽培容器側に向けて接近移動した状態を
示す要部の側面図である。
【図11】図11は、図6に対応する液状種機供給機構
の噴射ノズルによる液状種菌の噴射状態を示す要部の側
面図である。
【図12】図12は、図2,図3に対応する蓋開閉機構
の主要部を示す側面図である。
【図13】図13は、図12の蓋開閉機構における可動
挟着部材の作動状態(蓋挟着状態)を示す側面図であ
る。
【図14】図14は、図13の蓋挟着状態から栽培容器
の蓋を取り外した状態を示す要部の側面図である。
【図15】図15は、図5,図10に対応する液状種菌
噴射機構の噴射ノズルを栽培容器側に向けて接近移動し
た状態を示す要部の正面図である。
【図16】図16は、図6,図11に対応する液状種機
供給機構の噴射ノズルによる液状種菌の噴射状態を示す
要部の正面図である。
【図17】図17は、最前列の栽培容器を基準として液
状種菌を接種している状態を示す接種工程概略図であ
る。
【図18】図18は、第2列目の栽培容器を基準として
液状種菌を接種している状態を示す接種工程概略図であ
る。
【図19】図19は、コンテナ内の全ての栽培容器の接
種工程終了後におけるコンテナ搬送状態を示す概略図で
ある。
【図20】本発明の第2実施例である液状種菌接種装置
の主要部を示す正面図である。
【図21】図21は、第2実施例における液状種菌噴射
機構と滴下受け部材とを主体に示した側面図である。
【符号の説明】
B 液状種菌 C 培養基 C1 植菌孔 1 機枠 1A プレート 1B 保持孔 2 搬送機構 3 操作パネル 3A 弁開閉駆動制御手段 7 蓋 8 栽培容器 9 コンテナ 10 ストッパ機構 11 容器位置決め機構 12 蓋開閉機構 13 液状種菌噴射機構 14 種菌収納容器 15 種菌供給管路 16,16A 液状種菌加圧手段 17 フィルタ 18 噴射開閉弁 19 気体加圧手段 19A 電磁駆動手段 20 フィルタ 21 気体供給管路 22 電磁弁 23 噴射ノズル 24 液状種菌噴射シリンダ本体 25 ノズル固定部材 26 ノズル取付部材 27 支持プレート 28 エアシリンダ 29 シリンダ支持板 29A 駒部 30 案内ロッド 31 固定挟着部材 32 可動挟着部材 (挟着シャフト) 33 エアシリンダ 34 シリンダ保持板 35 リンクアーム部材(伝達移動手段) 36 支軸 37 駆動シリンダ(蓋開閉駆動手段、種菌供給駆
動手段) 38 ロッド 39 連結ロッド 40 滴下受け部材 41 受け板 41A 突片 41B 突き出しピン 42 排出口 43 排出用パイプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 栽培容器内の培養基に液状の種菌を接種
    する液状種菌接種装置において、液状種菌を貯留してな
    る種菌収納容器と、この種菌収納容器から液状種菌を供
    給するための種菌供給管路と、前記種菌収納容器の内部
    あるいは前記種菌供給管路の搬送経路途上において液状
    種菌を加圧して送り出すための液状種菌加圧手段と、こ
    の液状種菌加圧手段から加圧供給された前記液状種菌を
    前記栽培容器の培養基に噴射して接種する液状種菌噴射
    機構と、この液状種菌噴射機構の下方側に位置し、液状
    種菌噴射機構からの液状種菌の液垂れを受ける滴下受け
    部材と、を備えてなることを特徴とする液状種菌接種装
    置。
  2. 【請求項2】 前記滴下受け部材には、溜まった液状種
    菌を外部へと排出可能とする排出口を設けてなることを
    特徴とする請求項1に記載の液状種菌接種装置。
  3. 【請求項3】 前記滴下受け部材に設けた排出口に、排
    出用パイプを連結してなることを特徴とする請求項2に
    記載の液状種菌接種装置。
  4. 【請求項4】 前記液状種菌噴射機構は、前記種菌供給
    管路側と連結される液状種菌噴射シリンダ本体と、この
    シリンダ本体の先端側に取り付け固定される噴射ノズル
    とから構成してなることを特徴とする請求項1から請求
    項3に記載の液状種菌接種装置。
  5. 【請求項5】 前記栽培容器を縦横に複数整列して収納
    したコンテナを搬入側から供給し、かつ栽培容器を間欠
    移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、
    この搬送機構により間欠移送された前記コンテナ内の栽
    培容器の蓋を横一列単位で開閉作動する蓋開閉機構と、
    この蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培
    容器に対して所定量の液状種菌を前記栽培容器内にそれ
    ぞれ供給する前記液状種菌噴射機構と、前記蓋開閉機構
    の蓋開閉動作に応じて蓋開閉機構を栽培容器の蓋閉塞位
    置と蓋開放位置との間を往復移動させる蓋開閉駆動機構
    と、前記液状種菌噴射機構を前記栽培容器の口部位置か
    ら離脱した位置と栽培容器の口部上の位置との間を往復
    移動させる種菌噴射駆動機構と、前記液状種菌噴射機構
    が前記栽培容器の口部位置から離脱した位置の下方側に
    設けられた前記滴下受け部材と、からなることを特徴と
    する請求項1から請求項4に記載の液状種菌接種装置。
  6. 【請求項6】 前記滴下受け部材として、盆状の受け板
    によって形成してなることを特徴とする請求項1から請
    求項5に記載の液状種菌接種装置。
  7. 【請求項7】 前記滴下受け部材を液状接種装置本体に
    対して着脱可能に取付固定してなることを特徴とする請
    求項1から請求項6に記載の液状種菌接種装置。
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