JP2002223109A - チップアンテナとその製造方法 - Google Patents
チップアンテナとその製造方法Info
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Abstract
のチップアンテナとその製造方法を提供する。 【解決手段】 誘電体チップに所定の導体板からなるア
ンテナ導体を埋め込んだものであって、前記アンテナ導
体は誘電体チップの下面側にコの字状に折り曲げられた
電極端子部を備え、前記誘電体チップはその下面側に位
置付けられた電極端子部を該下面からアンテナ導体の厚
み方向に所定の高さだけ突出させて該電極端子部を埋設
した構造を有する。特に電極端子部は、誘電体チップに
よるアンテナ導体の埋め込みに先立って、そのアンテナ
エレメントに対して所定の距離を隔てて平行に折り曲げ
る。
Description
定の導体板からなるアンテナ導体を埋め込んだ構造のチ
ップアンテナとその製造方法に関する。
末、更には無線LAN(ローカル・エリア・ネットワー
ク)機器等に用いられる小型のアンテナとして、所定の
導体板からなるアンテナ導体を誘電体チップに埋め込ん
だ構造のチップアンテナが注目されている。この種のチ
ップアンテナは、例えば図8にその概略的な構成を示す
ように、いわゆるミアンダ形状に蛇行させてアンテナエ
レメントを形成したアンテナ導体1を略直方体形状をな
す誘電体チップ2に埋め込み、該誘電体チップ2の端部
から外部に導出された上記アンテナ導体1の電極端子部
3を、図9に示すように該誘電体チップ2の表面に沿っ
てその下面側に折り曲げた構造を有する。
体(アンテナエレメント)1が蛇行しているので、従来
一般的なホイップアンテナに比較してその全体形状の小
型化を図り得ると言う利点を有する。
構造のチップアンテナにあっては、誘電体の射出成形
(モールド)によってアンテナ導体1を誘電体チップ2
に埋め込んだ後、その端部から導出している電極端子部
3を折り曲げ加工するので、該電極端子部3の曲げ位置
や曲げ角度を正確に定め難く、図9に示すように電極端
子部3と誘電体チップ2の表面、特にその下面との間に
隙間が生じ易いと言う不具合がある。このような隙間
は、チップアンテナが実装される印刷配線基板4等にお
ける地導体からの前記アンテナ導体(アンテナエレメン
ト)1の高さ位置を変化させ、そのアンテナ特性を変動
させる要因となる。
たもので、その目的は、前述したようなアンテナ特性の
変動要因のない安定した構造のチップアンテナを提供す
ることにある。また本発明は、上記構造のチップアンテ
ナを簡易に製造することのできるチップアンテナの製造
方法を提供することを目的としている。
べく、本発明に係るチップアンテナは、例えば直方体形
状をなす誘電体チップに所定の導体板からなるアンテナ
導体を埋め込んだものであって、前記アンテナ導体は、
前記誘電体チップの下面側にコの字状に折り曲げられた
電極端子部を備えてなり、前記誘電体チップは、その下
面側に位置付けられた前記電極端子部を該下面から前記
アンテナ導体の厚み方向に所定の高さだけ突出させて該
電極端子部を埋設してなることを特徴としている。
付けられる前記アンテナ導体の電極端子部は、例えば前
記誘電体チップによるアンテナ導体の埋め込みに先立っ
て、前記アンテナ導体の主体部をなすアンテナエレメン
トから導出された電極端子部を、その厚み方向に2回に
亘って直角に折り曲げることによって、前記アンテナエ
レメントに対して所定の距離を隔てて平行に折り曲げた
ものからなる。
法は、 導体板をパターニングして電極端子部を備えたアン
テナ導体を形成する第1の工程と、 上記アンテナ導体の前記電極端子部をその板厚方向
にコの字状に折り曲げる第2の工程と、 上記コの字状に折り曲げられた電極端子部が嵌め込
まれる所定深さの溝を備えたモールド用金型に上記電極
端子部を折り曲げたアンテナ導体を装着した後、該モー
ルド用金型に誘電体を充填して前記アンテナ導体を埋め
込んだ誘電体チップを形成する第3の工程と からなることを特徴とする。
の下面を規定する面にだけ前記電極端子部が嵌め込まれ
る所定深さの溝を設けたモールド用金型を用いて行うこ
とを特徴としている。
実施形態に係るチップアンテナとその製造方法について
説明する。図1はこの実施形態に係るチップアンテナの
概略構成を示す斜視図で、特にチップアンテナを斜め下
方から見た様子を示している。このチップアンテナは、
基本的には、例えばミアンダ状に蛇行したパターン形状
のアンテナエレメント11を備えたアンテナ導体10
を、概略直方体形状の誘電体チップ20に埋め込み、前
記アンテナ導体10の前記アンテナエレメント11に連
なる電極端子部12を、上記誘電体チップ20の下面側
にコの字状に折り曲げて該誘電体チップ20の下面に突
出させて位置付けた構造を有する。
に示すように、導体板を打ち抜きやエッチング等によっ
てパターニングし、数ターンに亘る折り返し部を経て所
定のピッチで平行に設けられたミアンダ状に蛇行する線
路をアンテナエレメント11として形成し、更に該アン
テナエレメント11の端部に、その電極端子部12を形
成した構造を有する。
アンテナエレメント11は、例えば厚み100μmの導
体板をパターンニングして、導体幅0.18mm、蛇行
幅8.7mm、蛇行ピッチ0.8mmの導体を30ターン
に亘って形成したものからなる。そしてこのアンテナ導
体10を誘電体チップ20にて埋め込んで形成されるチ
ップアンテナは、概略的には幅4.4mm、長さ16m
m、厚み1.2mmの大きさのものとして実現される。
電体チップ20による前記アンテナ導体10の埋め込み
領域を示している。また図2においては外枠フレーム1
5に2つのブリッジ16を介して前記アンテナ導体10
を支持した様子を示している。この外枠フレーム15
は、誘電体チップ20によるアンテナ導体10の埋め込
み時に、誘電体の射出成型用の金型に対してアンテナ導
体10をずれなく位置決めする為のものであり、前記ブ
リッジ16は誘電体チップ20にてアンテナ導体10を
埋め込んだ後に切断される。このブリッジ16の切断に
より、前記誘電体チップ20に埋め込まれたアンテナ導
体10が前記外枠フレーム15から切り離される。
特徴とするところは、前記アンテナ導体10における電
極端子部12が、図3にその概略的な構造を示すように
予め一方向にコの字状に折り曲げ加工されており、図1
に示すように誘電体チップ20の下面から、その厚み方
向に所定の高さだけ突出させて設けられている点にあ
る。換言すれば誘電体チップ20の下面側に、第1折曲
部12aを経てコの字状に折り曲げられて前記アンテナ
エレメント11と所定の距離を隔てて平行に位置付けら
れた電極端子部12の第2の折曲部12bが、誘電体チ
ップ20の下面にその厚み方向に略半分程度埋め込ま
れ、厚み方向に半分程度残された部分だけを該誘電体チ
ップ20の下面から突出させて設けられている点にあ
る。尚、電極端子部12の前記アンテナエレメント11
に対して直角に折り曲げられている第1の折曲部12a
は、その厚み方向の全体が誘電体チップ20の端部に埋
め込まれ、その表面だけが露出している。
例えば図4に例示するように、コの字状に折り曲げられ
た電極端子部12が嵌め込まれる所定深さの溝31を備
えた誘電体射出成形用の金型(モールド用金型)30を
用い、上記溝31に電極端子部12を嵌め込んで上記誘
電体射出成形用の金型30にアンテナ導体10を装着し
た後、該誘電体射出成形用の金型30に誘電体を抽出す
ることによってなされる。ちなみに上記溝31は、誘電
体射出成形用の金型30における誘電体チップの下面を
規定する面32にだけ設けられる。またこの溝31の深
さは、アンテナ導体10(電極端子部12)の板厚が前
述したように100μmである場合には、50μm程度
に設定される。
ナ導体10を誘電体チップ20にて埋め込んで形成され
るチップアンテナによれば、電極端子部12の前記溝3
1に嵌め込まれた第2折曲部12bが誘電体チップ20
によって埋め込まれることがないので、該電極端子部1
2は誘電体チップ20の下面に、その厚み方向に所定の
高さだけ突出して露出することになる。しかもこの誘電
体チップ20の下面に露出した電極端子部12は、予め
アンテナエレメント11に対して所定の距離を隔てて平
行に折り曲げ形成されたものであるから、該電極端子部
12を介して実装される印刷配線基板の地導体に対する
前記アンテナエレメント11の高さ位置を精度良く規定
する機能を呈する。
よれば、図9に例示した従来構造のチップアンテナのよ
うに、その電極端子部3の折り曲げ位置や折り曲げ角度
のずれやバラツキによって誘電体チップ2の下面との間
に隙間が生じるような虞がない。これ故、地導体に対す
るアンテナエレメント11の高さ位置を高精度に規定し
て印刷配線基板等にチップアンテナを実装することが可
能となり、そのアンテナ特性に悪影響を及ぼす懸念がな
い等の実用上多大なる効果が奏せられる。
の厚み方向に半分程度、誘電体チップ20の下面に埋め
込んだ構造のチップアンテナによれば、例えば図5に示
すように導体板からのアンテナ導体10のパターニング
時に、特にカッタ17を用いた導体板の打ち抜き加工に
よって該アンテナ導体10のエッジ下面側に生じ易い微
小なバリ(突起)18を、図6に模式的に示すように誘
電体チップ20の下面に埋め込まれるようにすることが
できる。即ち、バリ18が発生しやすい面側に電極端子
部12をコの字状に曲げることで、電極端子部12のエ
ッジ下面側に生じた微小なバリ18を誘電体チップ20
の下面に埋め込むことが可能となる。この結果、誘電体
チップ20による電極端子部12の保持を強固なものと
することができ、電極端子部12を剥がれ難くすること
が可能となる。しかもバリ18の誘電体チップ20から
の露出を効果的に防ぐことが可能となる。
10をパターニングする場合においても、導体板に対す
る横方向へのエッチング作用、即ち、サイドエッチング
効果によってそのエッチング面が導体板の主面に対して
直角となることがなく、微小ではあるが傾きを生じる。
従ってエッチング時に下面側となっている面を内側にし
て電極端子部12をコの字状に折り曲げれば、電極端子
部12の僅かではあるが幅広となっている面側を誘電体
チップ20の下面に埋め込むことができるので、前述し
たバリ18の埋め込みの場合と同様に、誘電体チップ2
0による電極端子部12の保持を強固にし、電極端子部
12を剥がれ難くすることが可能となる。
について説明すると、図7にその概略的な手順を示すよ
うに、先ずアンテナ導体10を形成する上での素材とな
る導体板を準備し、プレス加工機による打ち抜きやエッ
チング処理によって所望形状のアンテナエレメント11
および電極端子部12をパターニング形成したアンテナ
導体10を形成する[ステップS1]。次いでこのアン
テナ導体10の電極端子部12に対して2回の曲げ加工
を施し、電極端子部12をコの字状に加工する[ステッ
プS2,S3]。
端子部12を、誘電体射出成形用の金型30に設けられ
ている溝31に嵌め込んで、該金型30にアンテナ導体
10をセットする[ステップS4]。そしてこの金型3
0に誘電体を抽出し、該誘電体にて前記アンテナ導体1
0を埋め込んだ誘電体チップ20を形成する[ステップ
S5]。その後、アンテナ導体10を埋め込んだ誘電体
チップ20を前記金型30から取り出し、前述したブリ
ッジ16を切断することによって外枠フレーム15から
切り離す[ステップS6]。
蛇行導体からなるアンテナエレメント11における折り
返し部が誘電体チップ20の側部からはみ出しているこ
とから、このアンテナエレメント11の上記折り返し部
を含む露出部分を、該誘電体チップ20の上面側にそれ
ぞれ折り曲げることによって図1に示す構造のチップア
ンテナが完成される。
製造方法によれば、アンテナ導体10を誘電体チップ2
0にて埋め込む前に、該アンテナ導体10の電極端子部
12をコの字状に折り曲げ加工するので、誘電体チップ
20に影響されることなくその曲げ位置や曲げ角度を正
確に規定することができる。そしてコの字状に曲げられ
た電極端子部12を誘電体チップ20の下面から、正確
に所定の高さだけ突出させた構造のチップアンテナを簡
易に製造することが可能となる。加えて電極端子部12
と誘電体チップ20とが確実に密着するので、そのアン
テナ特性のバラツキが殆どなくなる等の効果が奏せられ
る。
端子部12を所定の位置にて曲げ加工しておくので、誘
電体チップ20の端面に電極端子部12を埋設すること
が可能である。従ってチップアンテナの外形形状とその
寸法を誘電体射出成形用の金型30によって正確に規定
することが可能となる等の利点もある。従って誘電体チ
ップ20の端部からの電極端子部12における第1折曲
部12aの突出(出っ張り)を無くして、その端部をフ
ラット化することも容易であり、微小サイズのチップ部
品としての取り扱いの容易化を図ることが可能となる等
の効果も奏せられる。
るものではない。実施形態においては蛇行導体からなる
アンテナエレメント11における折り返し部を誘電体チ
ップ20の側部から突出させ、その上面側に折り返した
構造のチップアンテナについて示したが、アンテナエレ
メント11の全て誘電体チップ20の内部に埋め込まれ
た構造のもの、或いはアンテナエレメント11を誘電体
チップ20の上面に露出させて埋め込んだ構造のものに
対しても同様に適用可能である。またアンテナ導体10
としては、ミアンダ状の蛇行導体からなるアンテナエレ
メント11を形成したもののみならず、平板状のマイク
ロストリップアンテナを形成したもの等であっても良
い。更には電極端子部12の取り出し箇所についても、
誘電体チップ20の長手方向の両端部からそれぞれ取り
出すことに代えて、一方の端部から2つの電極端子部1
2を並べて取り出すようにしても良く、誘電体チップ2
0の隅部等から取り出す構造のものについても同様に適
用可能である。また前記電極端子部12における第1折
曲部12aについては、誘電体チップ20の端部からそ
の一部が出っ張るように設けることの可能である。この
ような構造とすれば、印刷回路基板等へのチップアンテ
ナの実装時に、その半田付が容易となる等の利点があ
る。
PPS(ポリフェニレン・サルファイド)と、BaO-N
d2O3-TiO2系のセラミクスの粉末を混合したもの等を
用いることができる。またその誘電率については、アン
テナ仕様にもよるが、例えば[20]程度のものを用いる
ようにすれば良い。その他、本発明はその要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形して実施することができる。
ンテナ導体のコの字状に曲げられた電極端子部を該アン
テナ導体を埋め込む誘電体チップの下面に、その厚み方
向に所定の高さだけ突出させて設けた構造なので、その
アンテナ特性に悪影響を与えることがなく、しかも構造
的に安定したチップアンテナを実現することができる。
の字状に折り曲げ加工した後、該アンテナ導体を誘電体
チップにて埋め込んでチップアンテナを製造するので、
構造的に安定したチップアンテナを簡易に製造すること
ができ、しかもその全体的な寸法精度を高めることがで
きる等の効果が奏せられる。
略的な構造を示す斜視図。
ナ導体の例を示す図。
折り曲げ形状を示す図。
チップアンテナの断面構造と、誘電体によるアンテナ導
体の埋め込みに用いられる誘電体射出成形用の金型との
関係を示す図。
す断面図。
構造を示す断面図。
的な製造手順を示す図。
不具合点を説明するための図。
Claims (4)
- 【請求項1】 誘電体チップに所定の導体板からなるア
ンテナ導体を埋め込んだチップアンテナであって、 前記アンテナ導体は、前記誘電体チップの下面側にコの
字状に折り曲げられた電極端子部を備え、 前記誘電体チップは、その下面側に位置付けられた前記
電極端子部を該下面から前記アンテナ導体の厚み方向に
所定の高さだけ突出させて該電極端子部を埋設してなる
ことを特徴とするチップアンテナ。 - 【請求項2】 前記誘電体チップの下面側に位置付けら
れる前記アンテナ導体の電極端子部は、該アンテナ導体
におけるアンテナエレメント部に対して所定の距離を隔
てて平行に折り曲げ形成されたものである請求項1に記
載のチップアンテナ。 - 【請求項3】 導体板をパターニングして電極端子部を
備えたアンテナ導体を形成する第1の工程と、 上記アンテナ導体の前記電極端子部をその板厚方向にコ
の字状に折り曲げる第2の工程と、 上記コの字状に折り曲げられた電極端子部が嵌め込まれ
る所定深さの溝を備えた誘電体射出成形用の金型に上記
電極端子部を折り曲げたアンテナ導体を装着した後、該
誘電体射出成形用の金型に誘電体を充填して前記アンテ
ナ導体を埋め込んだ誘電体チップを形成する第3の工程
とを具備したチップアンテナの製造方法。 - 【請求項4】 前記第3の工程は、前記誘電体チップの
下面を規定する面にだけ前記電極端子部が嵌め込まれる
所定深さの溝を設けた誘電体射出成形用の金型を用いて
行われる請求項3に記載のチップアンテナの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001017138A JP4531994B2 (ja) | 2001-01-25 | 2001-01-25 | チップアンテナとその製造方法 |
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