JP2002222807A - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置

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JP2002222807A
JP2002222807A JP2001019341A JP2001019341A JP2002222807A JP 2002222807 A JP2002222807 A JP 2002222807A JP 2001019341 A JP2001019341 A JP 2001019341A JP 2001019341 A JP2001019341 A JP 2001019341A JP 2002222807 A JP2002222807 A JP 2002222807A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属製部材の腐食および金属製部材からの被
処理体の金属汚染を抑制する。 【解決手段】 処理炉1内に被処理体wを収容し、処理
ガスを供給して所定の処理温度で熱処理する装置におい
て、前記処理炉1は処理ガスを導入する処理ガス導入管
部10および排気系14に通じる排気管部13を備え、
前記処理炉1の炉内環境に晒される金属製部材3の接ガ
ス面に、金属製部材3の腐食および金属製部材3からの
被処理体wの金属汚染を抑制するためのクロム酸化物被
膜をコーティングした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体ウエハを処理する装置と
して、酸化処理工程を行う酸化処理装置やCVD(Chem
ical Vapor Deposition)処理工程を行うCVD装置が
ある。従来、酸化処理装置では主にテフロン(登録商
標)系配管よりなる常圧および減圧排気系が設けられて
おり、また、CVD装置では主にステンレス系配管より
なる減圧排気系が設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、酸化
処理とCVD処理とを同一の装置で連続して行いたいと
いう要求が出てきた。しかし、テフロン系配管を排気系
に用いた酸化処理装置でCVD処理までを行おうとした
場合、コスト面などから配管の口径が制限されること
で、排気コンダクタンスが足りなくなったり、ガス透過
性の面から真空排気が不適当になったりするため、その
ままでは適用できないという問題があった。また、ステ
ンレス系配管を排気系に用いたCVD装置で酸化処理ま
でを行おうとすると、処理ガスによる配管内面の腐食と
いう問題が出てきた。特に、酸化処理とCVD処理の連
続処理等においては、塩素系の腐食ガスと水分による強
い腐食環境にされられるため、同様にCVD処理におけ
る反応管内面の副生成物の付着に対する確実な対策が望
まれていた。
【0004】また、これらの熱処理装置では、処理炉自
体は石英で構成されているものの、加工の困難な炉蓋や
マニホールド等には金属が使われているため、ウエハの
金属汚染(メタルコンタミネーション)を防止する目的
で、それらの部分を石英のカバーで覆ったり、その上で
更に不活性ガスを局部的に供給したりして、金属部分が
炉内ガスに接触しないような対策を講じている場合があ
るが、その場合、石英カバーを設けたり不活性ガスを供
給したりする分だけ、構成が複雑になり、コストアップ
になっていた。
【0005】本発明は、前記事情を考慮してなされたも
ので、過酷な腐食環境であっても腐食の心配がなく、ま
た、副生成物の付着の抑制を図ることができ、しかも、
金属汚染の問題を解消することができて、何時でも安定
したプロセスを行うことができる熱処理装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のうち、請求項1
に係る発明は、処理炉内に被処理体を収容し、処理ガス
を供給して所定の処理温度で熱処理する装置において、
前記処理炉は処理ガスを導入する処理ガス導入管部およ
び排気系に通じる排気管部を備え、前記処理炉の炉内環
境に晒される金属製部材の接ガス面に、金属製部材の腐
食および金属製部材からの被処理体の金属汚染を抑制す
るためのクロム酸化物被膜をコーティングしたことを特
徴とする。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1記載の熱
処理装置において、配管およびバルブを少なくとも含む
前記排気系の金属製部材の接ガス面に金属部材の腐食お
よび副生成物の付着を抑制するためのフッ素樹脂被膜を
コーティングしたことを特徴とする。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項1記載の熱
処理装置において、前記排気管部の内面に副生成物の付
着を抑制するためのコーティングを施したことを特徴と
する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面に基いて詳述する。図1は、本発明を主として酸
化処理工程を行う酸化処理装置に適用した第1実施の形
態の構成図である。
【0010】本実施の形態の酸化処理装置(熱処理装
置)は、常圧処理および減圧処理可能型として構成され
ている。図1において、1は半導体ウエハ(被処理体)
Wを収容し、処理ガスとして水蒸気を供給して例えば8
50℃程度の高温下で熱処理する縦型でバッチ式の処理
炉で、この処理炉1は上端が閉塞され下端が開放した縦
長円筒状の耐熱性を有する例えば石英製の反応管(処理
容器)2を備えている。
【0011】この反応管2は、炉口として開放した下端
開口部が蓋体3で気密に閉塞されることにより、気密性
の高い処理炉1を構成するようになっている。前記蓋体
3上には、多数枚例えば150枚程度の半導体ウエハW
を水平状態で上下方向に間隔をおいて多段に支持する基
板支持具である例えば石英製のウエハボート4が保温筒
6を介して載置されている。
【0012】蓋体3は、図示しない昇降機構により、処
理炉1内へのウエハボート4のロード(搬入)ならびに
アンロード(搬出)および炉口の開閉を行うように構成
されている。また、前記反応管2の周囲には、炉内を所
定の温度例えば300〜1000℃に加熱制御可能な抵
抗発熱体からなるヒーター8が設けられている。ヒータ
ー8の周囲は冷却ジャケット9で覆われている。
【0013】反応管2の下側部には、ガス導入管部10
が適宜個数設けられており、その一つには、処理ガス供
給手段(水蒸気供給手段)として、水素ガスH2と酸素
ガスO2の燃焼反応により水蒸気を発生させて供給する
燃焼装置(外部燃焼装置)11が接続されている。な
お、他のガス導入管部には、その他の処理ガス例えば一
酸化窒素ガスNOや一酸化二窒素ガスN2O、塩化水素
HClあるいは不活性ガス例えばN2等を供給するガス
供給源が接続されている(図示省略)。
【0014】また、前記石英製の反応管2の下側壁に
は、反応管2内を排気するための排気管部13が一体に
設けられており、この排気管部13には、減圧排気系1
4を構成する排気管15が接続されている。なお、蓋体
3は金属製(主にステンレス製)のものであるが、高温
の炉内環境および処理ガスに晒される箇所であるから、
その接ガス面には、金属製部材の腐食および金属製部材
からの被処理体の金属汚染を抑制するためのコーティン
グが施されている。ここでは、セラミックの一種である
クロム酸化物被膜がコーティングされている。また、排
気管部13の内面には、炉内副生成物が冷却されること
によって付着するのを抑制するためのコーティングが施
されている。ここでは、耐熱性の高いクロム酸化物被膜
もしくはフッ素樹脂被膜がコーティングされている。
【0015】前記排気管15は、高真空度での減圧排気
が可能な大口径例えば内径が3インチ程度の配管からな
っている。また、排気管15は、耐食性配管からなり、
例えば金属製好ましくはステンレス製の配管の内周面
に、耐食性樹脂であるフッ素樹脂の被膜をコーティング
してなるものである。前記排気管15の下流端は、処理
炉1内を例えば最大−1Pa程度に減圧可能な減圧ポン
プ(真空ポンプ)16に接続され、この減圧ポンプ16
の下流には除害装置17が接続されている。除害装置1
7への配管の内面にもフッ素樹脂の被膜がコーティング
されている。減圧ポンプ16としては、例えばドライポ
ンプが好ましい。
【0016】前記排気管15の途中には、図示しない除
害装置や排気ブロワを備えた工場排気系の排気ダクトに
通じる常圧排気系18を構成する常圧排気管19が分岐
接続されており、常圧ないし微陰圧での処理が可能にな
っている。常圧排気管19も前記排気管15と同様に、
金属製好ましくはステンレス製の配管の内周面に耐食性
樹脂であるフッ素樹脂被膜をコーティングしてなるもの
である。排気管15および常圧排気管19の外周には、
腐食の原因となる配管内の水分を飛ばす(蒸発させる)
べく加熱するための加熱手段例えば抵抗発熱体が設けら
れていることが好ましい。
【0017】そして、前記常圧排気系18および減圧排
気系14には、それぞれ開閉および圧力調節の可能なコ
ンビネーションバルブ20,21が設けられている。減
圧排気系14においては、排気管15における常圧排気
管19の分岐接続部よりも下流位置にコンビネーション
バルブ21が取付けられている。これらのコンビネーシ
ョンバルブ20,21は、例えば電気信号を空気圧に変
換して弁体の位置制御を行うようになっていると共に、
弁体の着座部にOリングを有しシャットオフができるよ
うになっている。これらのコンビネーションバルブ2
0,21は、排気と接する部品が耐食性を有する材料例
えばフッ素樹脂により形成されているか、あるいは、金
属で構成した場合には、排気と接する接ガス面がフッ素
樹脂の被膜でコーティングされている。
【0018】前記排気管15における減圧処理用コンビ
ネーションバルブ21よりも上流位置には、常圧処理時
の排気圧力を検出するための圧力センサ22と、減圧処
理時(減圧排気時)の排気圧力を検出する圧力センサ2
3とが、空気圧制御式の弁24,25を介して設けられ
ている。前記圧力センサ22,23は、水分HOと腐
食性ガス例えばHClが存在する過酷な腐食環境下での
使用を可能とするために、排気と接する接ガス面がフッ
素樹脂により形成されている。
【0019】前記常圧排気系18および減圧排気系14
にそれぞれ設けられたコンビネーションバルブ20,2
1は、前記圧力センサ22,23の検出圧力を基に共通
の制御部(コントローラ)32により制御されるように
なっている。すなわち、この制御部32は、常圧処理時
には常圧排気系18のコンビネーションバルブ20に切
換えてこれを常圧処理時用の圧力センサ22の検出圧力
を基に制御し、減圧処理時には減圧排気系14のコンビ
ネーションバルブ21に切換えてこれを減圧処理時用の
圧力センサ23の検出圧力を基に制御するというよう
に、二系統の制御が可能になっている。
【0020】以上の構成からなる酸化処理装置は、処理
炉1の排気系の各接続部にシール手段である例えばOリ
ングを設けるなど、高減圧排気が可能なリークタイトな
高気密構造とされている。また、酸化処理装置は、予め
所望の熱処理方法のプログラムレシピがインプットされ
た制御装置(図示省略)により燃焼装置11、ヒーター
8、コンビネーションバルブ20,21の制御部32等
が制御されて所望の熱処理方法を自動で実施するように
構成されている。
【0021】前記クロム酸化物被膜のコーティング方法
としては、例えば特開昭63−317680号公報に記
載されているクロム酸化物被膜の形成方法等が利用でき
る。この方法は、無水酸化水溶液にSiOとAl
粉末を加えて調整したスラリーを金属表面に塗布した
後、これを加熱して多孔質膜を形成し、これにクロム酸
アンモンまたは重クロム酸アンモンを10重量%以下添
加した無水クロム酸水溶液を含浸させ、加熱処理する。
このクロム酸含浸と加熱処理を繰り返すことにより耐熱
性および耐食性に富むクロム酸化物被膜が得られる。
【0022】前記排気管15、19やバルブ20、21
にコーティングするフッ素樹脂としては、例えば、PT
FE=ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン
樹脂)、PFA=テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(パーフルオロアル
コキシ樹脂)、ETFE=テトラフルオロエチレン−エ
チレン共重合体(四フッ化エチレン−エチレン共重合樹
脂)等が利用できる。排気系の接ガス面に対するフッ素
樹脂のコーティング方法としては、吹き付け、どぶづ
け、刷毛塗り、ライニングなどがある。前記フッ素樹脂
のコーティングにより、排気系の腐食防止と、その表面
平滑性による反応副生成物の付着防止が可能となる。
【0023】次に、前記酸化処理装置の作用および熱処
理方法について説明する。まず、処理炉1内は、大気に
開放されていると共にヒーター8により予め所定の温度
例えば300℃に加熱制御されており、この状態で多数
枚の半導体ウエハWが保持されたウエハボート4を処理
炉1内にロードして処理炉1の炉口を蓋体3で密閉し、
処理炉1内を減圧排気系14による真空引きにより減圧
する。この減圧ないし真空引きは、サイクルパージを含
むことが好ましい。前記ロードおよびサイクルパージの
際には、半導体ウエハWの表面に自然酸化膜が形成され
ないように処理炉内に不活性ガス例えばN2が供給され
ており、また、N2が100%であると、半導体ウエハ
Wの表面が窒化してしまい、この後の酸化工程にて半導
体ウエハWの表面が酸化されにくくなるため、これを防
止すべくO2が少量例えば1%程度供給されている。
【0024】前記サイクルパージは、処理炉1内を真空
引きしながら不活性ガス例えばN2の供給と停止を交互
に繰り返すことにより行われる。この場合、排気系をコ
ンビネーションバルブ21により減圧排気系14に切換
え、減圧ポンプ16の作動状態で圧力センサ23により
圧力を検知しつつコンビネーションバルブ21の制御に
より処理炉1内を所定の圧力例えば−1Pa程度に減圧
排気する。この減圧排気状態で、所定流量に制御された
不活性ガス例えばN2を不活性ガス供給弁の開閉の繰り
返しにより間欠的に供給することにより、サイクルパー
ジが行われ、処理炉1内を迅速に減圧して不活性ガスで
十分に置換することができる。すなわち、このサイクル
パージによって急速な減圧(真空到達時間の短縮)と置
換が可能となる。
【0025】次に、前記減圧排気状態でヒーター8の制
御により処理炉1内を所定の処理温度例えば850℃ま
で昇温させ、排気系をコンビネーションバルブ20にて
常圧排気系18に切換えることにより処理炉1内を常圧
ないし微減圧に制御し、この状態でリカバリー(半導体
ウエハの温度を安定させる)をしてから、所望の熱処理
例えばHCl酸化を行う。この熱処理は、酸素ガスO2
と水素ガスH2を燃焼装置11に供給して燃焼させ、発
生する水蒸気を塩化水素ガスHClおよび不活性ガス例
えばN2と共に処理炉1内に供給することにより、微減
圧状態で行われる。
【0026】熱処理工程を終了したなら、排気系を減圧
排気系14に切換えて、処理炉1内を再度真空引きによ
り減圧してから、ヒーター8の制御により処理炉1内の
温度を所定の温度例えば300℃程度に降温させ、これ
と並行して処理炉1内を常圧に戻し、処理炉1内からウ
エハボート4をアンロードし、クーリング(半導体ウエ
ハを搬送可能な温度に冷却すること)を行えばよい。前
記熱処理工程終了後の減圧ないし真空引きも、サイクル
パージを含むことが好ましい。
【0027】このように予め所定の温度に加熱された処
理炉1内に半導体ウエハWを収容し、処理炉1内を所定
の処理温度まで昇温させ、処理ガスである水蒸気を供給
して半導体ウエハWを熱処理するに際して、前記昇温の
工程を減圧下で行うようにしたので、酸化種を排除した
状態で半導体ウエハWを所定の処理温度まで昇温させる
ことができ、昇温工程での自然酸化膜の形成を抑制する
ことができ、品質の優れた極薄酸化膜を形成することが
できる。また、所望の熱処理の工程前だけでなく工程後
にも処理炉1内を真空引きにより減圧するようにしたの
で、所望の熱処理工程以外の部分での余計な酸化種を十
分に排除して自然酸化膜の形成を十分に抑制することが
でき、膜質および膜厚が均一で品質の優れた極薄酸化膜
を形成することができる。因みに、膜厚が2nm程度の
SiO2膜を形成することが可能である。
【0028】前記処理炉1を減圧ないし真空引きする工
程では、いわゆるサイクルパージを含んでいるため、迅
速な減圧と置換が可能となり、スループットの向上が図
れる。また、前記酸化処理装置においては、処理炉1内
に水蒸気を供給する水蒸気供給手段である燃焼装置11
と、熱処理の工程で処理炉1内を常圧ないし微減圧で排
気する常圧排気系18と、熱処理工程の前後に処理炉1
内を真空引き可能な減圧排気系14とを備え、前記常圧
排気系18と減圧排気系14の切換えをコンビネーショ
ンバルブ20,21により行うようにしているため、前
述した熱処理方法を確実かつ容易に実施することでき
る。
【0029】このように減圧処理可能な酸化処理装置
(熱処理装置)によれば、処理炉1内に半導体ウエハW
を収容し、処理ガスを供給して所定の処理温度で熱処理
する装置において、前記処理炉1内を所定の排気圧力で
排気する常圧排気系18と、前記処理炉1内を常圧排気
系18よりも低い圧力で減圧排気する減圧排気系14
と、常圧排気系18および減圧排気系14のそれぞれに
設けられた開閉および圧力調節の可能なコンビネーショ
ンバルブ20,21と、前記排気圧力を検出する絶対圧
型の圧力センサ22,23と、この圧力センサ22,2
3の検出圧力を基に前記コンビネーションバルブ20,
21を制御する制御部32とを備えているため、常圧排
気系18を用いた常圧ないし微減圧酸化処理および減圧
排気系14を用いたサイクルパージや減圧CVD処理等
の連続処理が可能となる。常圧排気系18では、大気導
入や不活性ガス導入を必要とすることなく安定な制御が
可能になると共に、排気系の構造が簡素化され、不活性
ガス例えばN2のランニングコストを無くすことがで
き、コストの低減が図れる。
【0030】特に、常圧排気系18の圧力センサおよび
減圧排気系14の圧力センサとして、絶対圧型の圧力セ
ンサ22,23を用いているため、低気圧等の大気圧の
変動に左右されることなく例えば大気圧付近での安定し
た絶対圧制御および減圧下での安定した絶対圧制御が可
能となり、何時でも均一な膜厚の酸化膜を形成すること
が可能となると共に薄膜の形成が可能となる。
【0031】また、金属製の蓋体3の接ガス面には蓋体
3の腐食および蓋体3からのウエハwの金属汚染を抑制
するためのクロム酸化物被膜がコーティングされている
ので、高温の炉内環境に晒される金属部分を石英カバー
で覆ったり、不活性ガスを局部的に供給して金属部分に
炉内ガスが接触しないようにする等の、コストのかかる
対策を講じなくてよく、安価に耐食性の改善と金属汚染
の防止を図ることができる。
【0032】また、反応炉2の出口である排気管部13
の内面や、排気管15、19およびコンビネーションバ
ルブ20、21の接ガス面にもフッ素樹脂被膜をコーテ
ィングしたので、炉内副生成物の付着を抑制することが
できると共に、安定した耐食性を確保することができ
る。従って、メンテナンスの負荷を軽減することができ
る。
【0033】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の
設計変更等が可能である。例えば、前記実施の形態で
は、処理炉として、縦型炉が例示されているが、横型炉
であってもよく、また、バッチ式が例示されているが、
枚葉式であってもよい。被処理体としては、半導体ウエ
ハ以外に、例えばLCD基板やガラス基板等であっても
よい。上記水蒸気供給手段としては、燃焼式に限定され
ず、例えば気化器式、触媒式、沸騰式等であってもよ
い。
【0034】また、前記実施の形態では、本発明を酸化
処理装置に適用した場合が示されているが、本発明は、
酸化処理装置以外に、例えば、拡散処理装置、CVD処
理装置、アニール処理装置等、あるいはこれらの複合型
装置にも適用可能である。
【0035】図2はCVD処理装置に適用した場合の実
施の形態を示す図である。このCVD処理装置の処理炉
51においては、内管52Aと外管52Bよりなる反応
管52の下部に金属製のマニホールド53が設けられて
おり、そのマニホールド53にガス導入管部54および
排気管部55が設けられている。処理ガスは、内管52
Aの内部下方から供給されて上昇し、上端で折り返し
て、内管52Aと外管52Bの隙間を下降した後、排気
管部55から減圧排気系14へと排気される。
【0036】この処理炉51においては、高温の炉内ガ
スに晒される金属製部材の接ガス面として、蓋体3とマ
ニホールド53の内面(接ガス面)、内管52Aの受け
部材56や保温筒57を受けるベース58の表面、およ
び、ガス導入管部54や排気管部55の接ガス面が、ク
ロム酸化物被膜でコーティングされている。また、減圧
排気系14を構成するステンレス製の排気管15の内面
やコンビネーションバルブ21の金属部品の接ガス面
が、フッ素樹脂被膜でコーティングされている。これに
より、炉内ガスに晒される金属部材(蓋体3およびマニ
ホールド53など)の腐食防止を図ることができると共
に、それら金属製部材による金属汚染を防止することが
できる。また、排気管部55にクロム酸化物被膜をコー
ティングすると共に、減圧排気系14の金属の接ガス面
にフッ素樹脂被膜をコーティングしたので、腐食防止を
図ることができると共に、ガスの冷却による副生成物の
付着を抑制することができ、メンテナンスの負荷を軽減
できる。なお、図1の装置とほぼ同じ機能を果たす部分
には同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な効果を奏することができる。
【0038】(1)請求項1に係る発明によれば、処理
炉内に被処理体を収容し、処理ガスを供給して所定の処
理温度で熱処理する装置において、前記処理炉は処理ガ
スを導入する処理ガス導入管部および排気系に通じる排
気管部を備え、前記処理炉の炉内環境に晒される金属製
部材の接ガス面に、金属製部材の腐食および金属製部材
からの被処理体の金属汚染を抑制するためのクロム酸化
物被膜をコーティングしたので、炉内環境に晒される金
属製部材の耐食性を向上させることができると共に、そ
れら金属製部材からの被処理体の金属汚染を防止するこ
とができる。
【0039】(2)請求項2に係る発明によれば、配管
およびバルブを少なくとも含む排気系の金属製部材の接
ガス面に金属部材の腐食および副生成物の付着を抑制す
るためのフッ素樹脂被膜をコーティングしたので、排気
系の耐食性を向上させることができると共に、副生成物
の付着を抑制することができ、メンテナンス時のクリー
ニング負荷を軽減することができる。
【0040】(3)請求項3に係る発明によれば、処理
炉の排気管部の内面に副生成物の付着を抑制するための
コーティングを施したので、処理炉の排気管部の内面に
おける副生成物の付着を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を酸化処理装置に適用した実施の形態の
構成を示す図である。
【図2】本発明をCVD処理装置に適用した実施の形態
の構成を示す図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ(被処理体) 1 処理炉 3 蓋体(金属製部材) 13 排気管部 14 減圧排気系 15 排気管 18 常圧排気系 19 排気管 20,21 コンビネーションバルブ 51 処理炉 53 マニホールド(金属製部材) 55 排気管部(金属製部材)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理炉内に被処理体を収容し、処理ガス
    を供給して所定の処理温度で熱処理する装置において、
    前記処理炉は処理ガスを導入する処理ガス導入管部およ
    び排気系に通じる排気管部を備え、前記処理炉の炉内環
    境に晒される金属製部材の接ガス面に、金属製部材の腐
    食および金属製部材からの被処理体の金属汚染を抑制す
    るためのクロム酸化物被膜をコーティングしたことを特
    徴とする熱処理装置。
  2. 【請求項2】 配管およびバルブを少なくとも含む前記
    排気系の金属製部材の接ガス面に金属部材の腐食および
    副生成物の付着を抑制するためのフッ素樹脂被膜をコー
    ティングしたことを特徴とする請求項1記載の熱処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記排気管部の内面に副生成物の付着を
    抑制するためのコーティングを施したことを特徴とする
    請求項1記載の熱処理装置。
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