JP2002221264A - トロイダル型無段変速機のボールスプライン - Google Patents

トロイダル型無段変速機のボールスプライン

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力軸および入力側ディスクのいずれかに対
して、止め輪を取り付けるための係止溝の加工工程を省
略し、さらに2つの止め輪を同一部品として結果的に部
品点数を削減すると共に、止め輪の誤組み付けの防止、
および耐久性の向上を図ることができるトロイダル型無
段変速機を提供する。 【解決手段】 入力軸15のボールスプライン溝47と
入力側ディスク2Bのボールスプライン溝46との間に
備えられるボール48が入力軸15の軸線方向両側に抜
け出ることを防止する2つの止め輪61,61を取り付
けるために、入力軸15の外周面に、2つの止め輪6
1,61が取り付けられる係止溝59a,59bを設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の変速機等
に使用されるトロイダル型無段変速機のボールスプライ
ンおよびボールスプラインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用変速機としては、例え
ば、図5および図6に示すようなトロイダル型無段変速
機が知られている。このトロイダル型無段変速機は、入
力軸1と中心軸を同じくして入力側ディスク2が設けら
れるとともに、入力軸1と中心軸を同じくして配置され
た出力軸3の端部に出力側ディスク4が固定されてい
る。トロイダル型無段変速機を収めたケーシングの内側
には、枢軸5,5を中心として揺動する複数個(この例
では2個)のトラニオン6,6が設けられている。すな
わち、各枢軸5,5は、入力側、出力側の両ディスク
2,4の中間位置に、両ディスク2,4の軸方向に対し
て直交する方向に、かつ両ディスク2,4の中心軸に対
して捻れの位置に配置されていて、各トラニオン6,6
の両端部外側面に設けられている。
【0003】また、各トラニオン6,6の中間部には、
変位軸7,7の基端部が支持されており、各枢軸5,5
を中心として各トラニオン6,6を揺動させることによ
り、各変位軸7,7の傾斜角度が変化するようになって
いる。各変位軸7,7には、それぞれパワーローラ8,
8が回転自在に支持されている。各パワーローラ8,8
は、両ディスク2,4の間に挟持されている。すなわ
ち、両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a、4
aは、それぞれ、枢軸5を中心とする円弧を入力軸1及
び出力軸3を中心に回転させた場合に得られる凹面に形
成されており、これらの内側面2a,4aに、球状凸面
に形成された各パワーローラ8,8の周面8a,8aが
当接されている。
【0004】入力軸1と入力側ディスク2との間には、
ローディングカム式の押圧装置9が設けられ、この押圧
装置9によって、入力側ディスク2が出力側ディスク4
に向けて押圧されている。この押圧装置9は、入力軸1
と共に回転するカム板10と、保持器11により保持さ
れた複数個(例えば4個)のローラ12とを備えてい
る。カム板10の片側面(図5および図6において左側
面)には、円周方向に渡って凹凸形状を成すカム面13
が形成され、また入力側ディスク2の外側面(図5およ
び図6において右側面)にも同様のカム面14が形成さ
れている。これらのカム面13,14の間に、複数個の
ローラ12が、入力軸1の中心から放射方向に延在する
軸を中心として回転自在に支持されている。
【0005】このように構成されたトロイダル型無段変
速機においては、入力軸1の回転に伴ってカム板10が
回転すると、カム面13が複数個のローラ12を入力側
ディスク2の外側面のカム面14に押圧する。その結
果、入力側ディスク2が両パワーローラ8,8に押圧さ
れるとともに、一対のカム面13,14と複数個のロー
ラ12との押し付け合いに基づいて入力側ディスク2が
回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が両パ
ワーローラ8,8を介して出力側ディスク4に伝達さ
れ、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転
する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変えて、入力軸1と出力軸3との間で減速を行な
う場合には、図5のように、各枢軸5,5を中心として
各トラニオン6,6を揺動させる。すなわち、各パワー
ローラ8,8の周面8a,8aが、入力側ディスク2の
内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面
4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変
位軸7,7を傾斜させる。一方、増速を行なう場合に
は、図6のように、各枢軸5,5を中心として各トラニ
オン6、6を揺動させる。すなわち、各パワーローラ
8,8の周面8a,8aが、入力側ディスク2の内側面
2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの
中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸
7,7を傾斜させる。各変位軸7,7の傾斜角度を図5
と図6の場合の中間の角度に調整すれば、入力軸1と出
力軸3との間で中間の変速比を得られる。
【0007】図7および図8は、より具体化されたトロ
イダル型無段変速機を示している。このトロイダル型無
段変速機において、入力側ディスク2と出力側ディスク
4は、それぞれ入力軸15の外周部にニードル軸受1
6,16を介して回転自在に支持されている。カム板1
0は、入力軸15の端部(図7において左端部)の外周
面にスプライン係合されて、鍔部17により入力側ディ
スク2から離間する方向への移動が阻止されている。そ
して、このカム板10とローラ12,12とにより、入
力軸15の回転に基づいて、入力側ディスク2を出力側
ディスク4に向けて押圧しつつ回転させる、ローディン
グカム式の押圧装置9が構成されている。
【0008】出力側ディスク4には、出力歯車18がキ
ー19,19により結合され、これらの出力側ディスク
4と出力歯車18とが一体的に回転するようになってい
る。出力歯車18と、これに噛合する図示しない歯車等
によって、出力側ディスク4の回転を取り出すための動
力取り出し手段が構成されている。
【0009】一対のトラニオン6,6の両端部に設けら
れた枢軸5,5は、一対の支持ポスト20,20に、揺
動自在および軸方向(図7において表裏方向、図8にお
いて左右方向)に変位自在に支持されている。一対の支
持ポスト20,20は、十分な剛性を有する板状に形成
されており、それらの中央部に形成された円孔71,7
1が、ケーシング72の内面およびケーシング72内の
シリンダケース73の側面に固設された支持ピン74
a,74bに外嵌されることにより、ケーシング72の
内側にて揺動自在および各枢軸5,5の軸方向に変位自
在に支持されている。また、支持ポスト20,20の両
端部には、それぞれ円形の支持孔75,75が形成され
ており、これらの支持孔75,75には、それぞれトラ
ニオン6,6の両端部に設けられた枢軸5,5が、外輪
76,76を備えたラジアルニードル軸受77,77に
よって支持されている。これらの構成により、各トラニ
オン6,6は、各枢軸5,5を中心として揺動自在、お
よび各枢軸5,5の軸方向に変位自在に、ケーシング7
2内に支持されている。
【0010】各トラニオン6,6の中間部に形成された
円孔23,23には、それぞれ変位軸7,7が支持され
ている。変位軸7は、互いに平行でかつ偏心した支持軸
部21と枢支軸部22とを備えている。支持軸部21
は、円孔23の内側に、ラジアルニードル軸受24を介
して揺動自在に支持されている。また、枢支軸部22の
外周部には、パワーローラ8がラジアルニードル軸受2
5を介して回転自在に支持されている。
【0011】一対の変位軸7,7は、入力軸15を中心
として点対称の位置(180度反対側の位置)になるよ
うに配置されている。また、各変位軸7,7において、
各枢支軸部22,22が各支持軸部21,21に対して
偏心する方向は、両ディスク2,4の回転方向に関して
同方向(図8においては左右逆方向)とされている。ま
た、各枢支軸部22,22の軸方向は、入力軸15の軸
方向(図7において左右方向、図8において表裏方向)
に対してほぼ直交する方向とされている。したがって、
各パワーローラ8,8は、入力軸15の軸方向に若干の
変位が許容されて支持されている。その結果、各構成部
品の寸法精度のばらつき、あるいは動力伝達時の弾性変
形等に起因して、各パワーローラ8,8が入力軸15の
軸方向に多少変位しても、この変位が吸収されて、各構
成部品に無理な力が加わることがない。
【0012】また、各パワーローラ8,8の外側面と各
トラニオン6,6の中間部内側面との間にはそれぞれ、
パワーローラ8,8の外側面の側から順に、スラスト玉
軸受等のスラスト転がり軸受26,26と、後述する外
輪30,30に加わるスラスト荷重を支承するスラスト
ニードル軸受等のスラスト軸受27,27とが設けられ
ている。前者の各スラスト転がり軸受26,26は、各
パワーローラ8,8に加わるスラスト方向の荷重を支承
しつつ、各パワーローラ8,8の回転を許容する。ま
た、後者の各スラスト軸受27,27は、各パワーロー
ラ8,8から各スラスト転がり軸受26,26の外輪3
0,30に加わるスラスト荷重を支承しつつ、枢支軸部
22,22および外輪30,30が支持軸部21,21
を中心に揺動することを許容する。各スラスト転がり軸
受26,26はそれぞれ、複数個の玉29,29と、こ
れらの玉29,29を転動自在に保持する円環状の保持
器28,28と、スラスト軌道輪である円環状の外輪3
0,30とから構成されている。各スラスト転がり軸受
26,26の内輪軌道は、パワーローラ8,8の外側面
に、外輪軌道は各外輪30,30の内側面に、それぞれ
形成されている。
【0013】また、各トラニオン6,6の一端部(図8
において左端部)のそれぞれには駆動ロッド35,35
が結合され、各駆動ロッド35,35の中間部外周面に
は駆動ピストン36が固設されている。各駆動ピストン
36,36のそれぞれは、シリンダケース23内に設け
られた駆動シリンダ37,37内に油密的に嵌装されて
いる。さらに、ケーシング22内に設けられた支持壁3
8と入力軸15との間には、一対の転がり軸受81,8
1が設けられており、これにより、入力軸15がケーシ
ング72内に回転自在に支持されている。
【0014】このように構成されたトロイダル型無段変
速機においては、入力軸15の回転が押圧装置9を介し
て入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側
ディスク2の回転が一対のパワーローラ8,8を介して
出力側ディスク4に伝達され、さらに、この出力側ディ
スク4の回転が出力歯車18から取り出される。
【0015】入力軸15と出力歯車18との間の回転速
度比を変える場合には、一対の駆動ピストン36,36
を互いに逆方向に変位させる。すると、各駆動ピストン
36,36の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が
それぞれ逆方向に変位する。例えば、図8中下側のパワ
ーローラ8が同図中の右側に、同図中上側のパワーロー
ラ8が同図中の左側に、それぞれ変位する。その結果、
各パワーローラ8,8の周面8a,8aと入力側ディス
ク2および出力側ディスク4の内側面2a,4aとの当
接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そし
て、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6,6
が、支持ポスト20,20に枢支された枢軸5,5を中
心として、図7において互いに逆方向に揺動する。その
結果、上述の図5および図6に示したように、各パワー
ローラ8,8の周面8a,8aと各内側面2a,4aと
の当接位置が変化し、入力軸15と出力歯車18との間
の回転速度比が変化する。
【0016】なお、動力伝達時に各構成部品が弾性変形
する結果、各パワーローラ8,8が入力軸15の軸方向
に変位したときに、各パワーローラ8,8を枢支してい
る各変位軸7,7が各支持軸部21,21を中心として
僅かに揺動する。この揺動の結果、各スラスト転がり軸
受26,26の外輪30,30の外側面と各トラニオン
6,6の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側
面との間には、各スラスト軸受27,27が存在するた
め、それらの相対変位に要する力は小さい。したがっ
て、上述のように各変位軸7,7の傾斜角度を変化させ
るための力は小さくて済む。
【0017】さらに、伝達可能なトルクを増大すべく、
図9に示すように構成されたトロイダル型無段変速機も
従来から知られている。図9において、入力軸15の外
周部には、入力側ディスク2A,2Bと出力側ディスク
4A,4Bとが設けられ、これら計4つのディスク2
A,2B,4A,4Bが動力の伝達方向に関して並列に
配置されている。また、入力軸15の中間部周囲に、出
力歯車18aが回転自在に支持され、この出力歯車18
aの中心部に設けられた円筒状の両端部に、出力側ディ
スク4A,4Bがスプライン係合されている。出力側デ
ィスク4A,4Bは、入力軸15との間に介在されたニ
ードル軸受け16,16によって、入力軸15の軸線を
中心として回転自在、かつ入力軸15の軸線方向に変位
自在に支持されている。また、入力側ディスク2A,2
Bは、入力軸15の両端部に、その入力軸15と共に回
転するように支持されている。
【0018】一方の入力側ディスク2Aは、その背面
(図9中の左面)がローディングナット39に突き当て
られており、入力軸15の軸線方向における変位が実質
的に阻止されている。これに対して、他方の入力側ディ
スク2Bは、ボールスプライン40によって入力軸15
に支持されており、入力軸15の軸線方向に変位自在と
されている。この入力側ディスク2Bとカム板10との
間には、皿板ばね41とスラストニードル軸受42が直
列に設けられている。前者の皿板ばね41は、各ディス
ク2A,2B,4A,4Bの内側面2a,2a,4a,
4aとパワーローラ8,8の周面8a,8aとの当接部
に与圧を付与する役目を果たす。一方、後者のスラスト
ニードル軸受42は、押圧装置9の作動時に、入力側デ
ィスク2Bとカム板10との相対回転を許容する役目を
果たす。
【0019】また、出力歯車18aは、1対のアンギュ
ラ型玉軸受43,43によって、ハウジング内に設けら
れた仕切壁44に支持されており、入力軸15の軸線を
中心として回転自在とされ、かつ入力軸15の軸線方向
の変位が阻止されている。また、このように計4つのデ
ィスク2A,2B,4A,4Bを動力の伝達方向に並列
に配置する、いわゆるダブルキャビティ型のトロイダル
型無段変速機において、入力側ディスク2A,2Bをボ
ールスプライン40a,40によって入力軸15の軸線
方向に変位自在に支持する理由は、両ディスク2A,2
Bの回転を完全に同期させつつ、押圧機構9の作動に伴
う各構成部材の弾性変形によって、両ディスク2A,2
Bが入力軸15の軸線方向に変位することを許容するた
めである。ボールスプラインを備えたトロイダル型無段
変速機は、例えば、特開平9−317843号公報にも
記載されている。
【0020】また、このような目的のために設けられる
ボールスプライン40a,40は、入力側ディスク2
A,2Bの内周面に形成された内径側ボールスプライン
溝46,46と、入力軸15の外周面に形成された外径
側ボールスプライン溝47,47と、これらのボールス
プライン溝46,47の間に転動自在に介在された複数
のボール48とを備えている。また、ボールスプライン
40において、入力側ディスク2Bの内周面の内側面2
a寄り部分に形成された係止溝49には、ボール48を
抜け止めするための係止環50が係止されている。ま
た、ボールスプライン40aにおいて、入力軸15の外
周面に形成された係止溝49aには、ボール48を抜け
止めするための係止環50aが係止されている。
【0021】図10および図11は、ボールスプライン
40部分のより具体的な構成例の説明図であり、入力側
ディスク2Bと入力軸15の係止溝49,49aのそれ
ぞれに、係止環50,50aとしての止め輪60a,6
0bが係止されている。したがって、これら2つの止め
輪60a,60bによって、入力軸15の軸線方向にお
けるボール48の飛び出しが防止される。このように、
入力側ディスク2Bと入力軸15のそれぞれに係止溝4
9,49aを設ける構成は、例えば、特開平11−24
1754号公報にも記載されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
および図11のように、ボールスプライン溝46,47
が形成される入力側ディスク2Bと入力軸15のそれぞ
れに係止溝49,49aを設けた場合には、次のような
問題がある。すなわち、入力側ディスク2Bと入力軸1
5の両部品に対して、係止溝49,49aを形成するた
めの溝加工が必要となり、生産性の悪化を招く。また、
入力側ディスク2Bの係止溝49に係止される止め輪6
0aと、入力軸15の係止溝49aに係止される止め輪
60bは、形状が異なるため、その分、部品点数が多く
なり、また止め輪60a,60bを誤って取り付けるお
それがある。仮に、止め輪60a,60bを誤って取り
付けた場合には、変速機の作動時に、入力側ディスク2
Bの移動によって止め輪60aまたは60bが擦れて、
異音などを発生するおそれがある。
【0023】本発明は、上記事情に鑑みて為されたもの
で、入力軸および入力側ディスクのいずれかに対して、
止め輪を取り付けるための係止溝の加工工程を省略し、
さらに2つの止め輪を同一部品として結果的に部品点数
を削減すると共に、止め輪の誤組み付けの防止、および
耐久性の向上を図ることができるトロイダル型無段変速
機のボールスプラインを提供することを目的とする。ま
た、本発明は、ボールスプライン結合される2つの部材
のいずれかに対して、止め輪を取り付けるための係止溝
の加工工程を省略し、さらに2つの止め輪を同一部品と
して結果的に部品点数を削減すると共に、止め輪の誤組
み付けの防止、および耐久性の向上を図ることができる
ボールスプラインを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のトロイダル型無段変速機のボールスプライ
ンは、入力軸のボールスプライン溝と入力側ディスクの
ボールスプライン溝との間に備えられるボールが前記入
力軸の軸線方向両側に抜け出ることを防止するために、
前記入力軸または前記入力側ディスクに、前記ボールに
対して前記入力軸の軸線方向の一方側と他方側に位置す
る2つの止め輪が取り付けられるトロイダル型無段変速
機のボールスプラインにおいて、前記入力軸または前記
入力側ディスクの一方に、前記2つの止め輪が取り付け
られる係止溝を設けたことを特徴とする。また、本発明
のボールスプラインは、2つの部材に形成されたボール
スプライン溝の間に備えられるボールがボールスプライ
ン溝方向に抜け出ることを防止するために、前記2つの
部材に、前記ボールに対してボールスプライン溝方向の
両側に位置する2つの止め輪が取り付けられるボールス
プラインにおいて、前記2つの部材の一方に、前記2つ
の止め輪が取り付けられる係止溝を設けたことを特徴と
する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 (第1の実施の形態)図1、図2および図3は、本発明
の第1の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機のボ
ールスプライン部分の説明図であり、その他の部分の構
成は、図9、図10および図11の構成と同じである。
本例のボールスプライン40は、入力軸15の外周面に
同一形状の係止溝59a,59bを設け、それらの係止
溝59a,59bに、同一形状の止め輪61,61を係
止した構成となっている。これら2つの止め輪61,6
1によって、入力軸15の軸線方向におけるボール48
の飛び出しが防止される。止め輪61は、図2のような
平面略C字状とされており、その一部には、径方向の内
方に膨出する回り止め部61aが形成されている。その
回り止め部61aは、入力軸15の外径側ボールスプラ
イン溝47内に嵌まり合うことによって、止め輪61を
入力軸15に回り止めする。
【0026】カム板10に近い図1中右側の係止溝59
bの位置は、カム板10によって互いに逆方向に移動さ
れる入力側ディスク2Bおよび入力軸15の最大移動量
bおよびcを考慮して設定される。すなわち、入力ディ
スク2Bの内周面の図1中右端部から係止溝59bまで
の距離aは、下式(1)の関係に設定されている。
【0027】
【数1】a≧(b+c) …(1)
【0028】このような関係に設定されているため、入
力側ディスク2Bと入力軸15が互いに逆方向に最大移
動量bおよびcずつ移動したとしても、係止溝59bは
入力側ディスク2Bの内周面との対向位置から外れな
い。したがって、係止溝59b内の止め輪61は、常
に、その係止溝59bと入力側ディスク2Bの内周面と
間に位置し、その係止溝59bから外れることはない。
一方、図1中左側の係止溝59aの位置は、同図中右側
の係止溝59bから距離Lだけずれた位置に設定されて
いる。その距離Lは、ボール48の直径d、入力軸15
の軸線方向に並ぶボール48の数n、および距離b,c
との関係から、下式(2)の大きさに設定されている。
【0029】
【数2】L≧d・n+{(b+c)/2} …(2)
【0030】次に、変速機の組立て作業に関連する止め
輪61,61の組み付け手順について説明する。まず、
入力軸15の図1中右側の係止溝59b内に止め輪61
を嵌合させてから、その入力軸15を皿板ばね41とス
ラスト軸受41aに挿入する。その後、入力軸15をカ
ム板10に挿入して、ローラ12と保持器11を組み付
ける。それから、入力軸15を入力側ディスク2Bに挿
入し、ボールスプライン溝46,47の位相を合せてか
ら、それらのボールスプライン溝46,47の間にボー
ル48を挿入する。その後、入力軸15を固定してか
ら、入力側ディスク2Bを図1中の右方向、つまりカム
板10に接近させる方向に押す。その押圧により、皿板
ばね41が圧縮変形され、入力軸15の図1中左側の係
止溝59aが入力側ディスク2Bの内側位置から図1中
左方の外側に現れる。そして、その係止溝59aに止め
輪61を嵌合させてから、入力側ディスク2Bに対する
押圧を解く。その後、図3のように、入力軸15に出力
側ディスク4A,4Bや入力側ディスク2Aなどを組み
付けてから、その入力軸15を組み込んで変速機を完成
させる。
【0031】本例の場合は、入力軸15の外周面に係止
溝59a,59bを設けているため、その径方向外方に
開放する係止溝59a,59bに対して、止め輪61,
61をきわめて容易に嵌合して取り付けることができ、
しかも止め輪61,61を取り付けたことを外部から容
易に確認することができる。また、入力側ディスク2B
は、パワーローラ8との接触点において大きな押し付け
力を受ける関係上、特に、その内径側端部の図1中Aの
部位は応力が集中する部位となる。しかし、本例のよう
に入力軸15の外周部に係止溝59a,59bを設けた
場合には、応力が集中する入力側ディスク2Bの部位A
に、止め輪61を取り付けるための係止溝を設ける必要
がない。したがって、入力側ディスク2Bの強度低下を
回避して、より充分な強度を確保することができる。
【0032】(第2の実施の形態)図4は、本発明の第
2の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機のボール
スプライン部分の説明図である。本例におけるボールス
プライン40は、入力側ディスク2Bの内周面に同一形
状の係止溝62a,62bを設け、それらの係止溝62
a,62bに、同一形状の止め輪63,63を係止した
構成となっている。これら2つの止め輪63,63によ
って、入力軸15の軸線方向におけるボール48の飛び
出しが防止される。止め輪63は平面略C字状とされて
おり、その一部には、径方向の外方に膨出する回り止め
部が形成されている。その回り止め部は、入力側ディス
ク2Bの内径側ボールスプライン溝46内に嵌まり合う
ことによって、止め輪63を入力側ディスク2Bに回り
止めする。係止溝62a,62b間の距離は、前述した
実施の形態と同様の距離L、つまり上式(2)の関係に
設定されている。
【0033】止め輪63,63を組み付ける場合には、
まず、入力側ディスク2Bの図4中右側の係止溝62b
内に止め輪63を嵌合させてから、その入力側ディスク
2Bに、カム板10、ローラ12、保持器11、および
皿板ばね41が組み付けられた入力軸15を挿入する。
その後、ボールスプライン溝46,47の位相を合せて
から、それらのボールスプライン溝46,47の間にボ
ール48を挿入する。その後、入力軸15に対して入力
側ディスク2Bを図4中の左方向、つまりカム板10か
ら離間する方向に移動させて、図4中左側の係止溝62
aを入力軸15の外周部に設けられた段部15aと対向
させる。そして、段部15aから係止溝62a内に止め
輪63を嵌合させ、それから入力ディスク2Bを図4中
右方の位置に戻す。
【0034】なお、変速機の各構成部品におけるローラ
やプレートなどの接触部に対する摩耗対策として、それ
らの接触部に潤滑油を導くように、入力軸15に潤滑油
が通る油穴を設けることが望ましい。例えば、ボールス
プラインに対しては、入力軸15の周方向に等間隔的に
形成した3〜6の油穴を通して、潤滑油を導くように構
成することができる。
【0035】また、上記実施の形態では、トロイダル型
無段変速機のボールスプラインについて説明したが、本
発明は、ベルト式無段変速機(CVT)のボールスプラ
インや、その他のボールスプラインに広く適用すること
ができる。
【0036】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機のボー
ルスプラインは、入力軸のボールスプライン溝と入力側
ディスクのボールスプライン溝との間に備えられるボー
ルが入力軸の軸線方向両側に抜け出ることを防止する2
つの止め輪を取り付けるために、入力軸または入力側デ
ィスクの一方に、それら2つの止め輪が取り付けられる
係止溝を設けたことにより、入力軸および入力側ディス
クのいずれかに対して、止め輪を取り付けるための係止
溝の加工工程を省略し、さらに2つの止め輪を同一部品
として結果的に部品点数を削減すると共に、止め輪の誤
組み付けの防止、および耐久性の向上を図ることができ
る。
【0037】また、互いに対向する入力軸の外周面と入
力側ディスクの内周面の一方に、2つの止め輪が取り付
けられる係止溝を設けることにより、それらの外周面と
内周面との間の規制された位置に、止め輪を確実に取り
付けることができる。また、2つの止め輪が取り付けら
れる係止溝を入力軸の外周面に設けることにより、入力
軸の径方向外方に開放された係止溝に対して、止め輪を
きわめて容易に取り付けることができ、しかも止め輪の
取り付けを外方から容易に確認することができると共
に、応力集中しやすい入力側ディスクの部位に係止溝を
設ける必要をなくして、結果的に、入力側ディスクの充
分な強度を確保することができる。
【0038】また、本発明のボールスプラインは、2つ
の部材のボールスプライン溝の間に備えられるボールが
ボールスプライン溝方向の両側に抜け出ることを防止す
る2つの止め輪を取り付けるために、2つの部材の一方
に、それら2つの止め輪が取り付けられる係止溝を設け
たことにより、2つの部材のいずれかに対して、止め輪
を取り付けるための係止溝の加工工程を省略し、さらに
2つの止め輪を同一部品として結果的に部品点数を削減
すると共に、止め輪の誤組み付けの防止、および耐久性
の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るボールスプラ
イン部分の拡大断面図である。
【図2】図1における止め輪の平面図である。
【図3】図1のボールスプライン部分を備えたトロイダ
ル型無段変速機の要部の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るボールスプラ
イン部分の拡大断面図である。
【図5】トロイダル型無段変速機の最大減速時の状態を
説明するための側面図である。
【図6】図5のトロイダル型無段変速機の最大増速時の
状態を説明するための側面図である。
【図7】トロイダル型無段変速機の従来例を説明するた
めの要部の断面図である。
【図8】図7のX−X線に沿う断面図である。
【図9】トロイダル型無段変速機の他の従来例を説明す
るための要部の断面図である。
【図10】従来のトロイダル型無段変速機におけるボー
ルスプライン部分の断面図である。
【図11】図10のZ円部の拡大図である。
【符号の説明】
2A,2B 入力側ディスク 4A,4B 出力側ディスク 15 入力軸 40,40a ボールスプライン 46,47 ボールスプライン溝 48 ボール 59a,59b 係止溝 61 止め輪

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸のボールスプライン溝と入力側デ
    ィスクのボールスプライン溝との間に備えられるボール
    が前記入力軸の軸線方向両側に抜け出ることを防止する
    ために、前記入力軸または前記入力側ディスクに、前記
    ボールに対して前記入力軸の軸線方向の一方側と他方側
    に位置する2つの止め輪が取り付けられるトロイダル型
    無段変速機のボールスプラインにおいて、 前記入力軸または前記入力側ディスクの一方に、前記2
    つの止め輪が取り付けられる係止溝を設けたことを特徴
    とするトロイダル型無段変速機のボールスプライン。
  2. 【請求項2】 互いに対向する前記入力軸の外周面と前
    記入力側ディスクの内周面の一方に、前記2つの止め輪
    が取り付けられる係止溝を設けたことを特徴とする請求
    項1に記載のトロイダル型無段変速機のボールスプライ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記2つの止め輪が取り付けられる係止
    溝を前記入力軸の外周面に設けたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機の
    ボールスプライン。
  4. 【請求項4】 2つの部材に形成されたボールスプライ
    ン溝の間に備えられるボールがボールスプライン溝方向
    に抜け出ることを防止するために、前記2つの部材に、
    前記ボールに対してボールスプライン溝方向の両側に位
    置する2つの止め輪が取り付けられるボールスプライン
    において、 前記2つの部材の一方に、前記2つの止め輪が取り付け
    られる係止溝を設けたことを特徴とするボールスプライ
    ン。
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WO2018110446A1 (ja) * 2016-12-12 2018-06-21 日本精工株式会社 トロイダル無段変速機

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