JP2002220362A - テレフタル酸ジメチル組成物及びその製造方法 - Google Patents

テレフタル酸ジメチル組成物及びその製造方法

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JP2002220362A
JP2002220362A JP2001307289A JP2001307289A JP2002220362A JP 2002220362 A JP2002220362 A JP 2002220362A JP 2001307289 A JP2001307289 A JP 2001307289A JP 2001307289 A JP2001307289 A JP 2001307289A JP 2002220362 A JP2002220362 A JP 2002220362A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル原料としての特性が改善された
テレフタル酸ジメチル組成物及びその製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 テレフタル酸ジメチル中に、4−(1,
3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチルを、0.
001〜200ppm、ヒドロキシテレフタル酸ジメチ
ルを、0〜1ppm含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル製造
の出発原料となるテレフタル酸ジメチルに関し、更に詳
しくは、ポリエステル原料としての特性が改善されたテ
レフタル酸ジメチル組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸ジメチル(以下、DMTと
略記することがある。)は、エチレングリコール(以
下、EGと略記することがある。)との重縮合体である
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する
ことがある。)の主原料であるが、該DMTの代表的な
製造方法としてビッテン−ハーキュレス法(Witte
n−Hercules法)がある。
【0003】該方法はパラキシレン(以下、PXと略記
することがある。)及びp−トルイル酸メチルを空気酸
化して、得られた酸化反応混合物を高温高圧条件下、メ
タノールでエステル化し、エステル化反応混合物からD
MTを分離精製する方法である。
【0004】しかしながら、上述のような方法でPXか
ら製造したDMT(以下、PX−DMTと略記すること
がある。)は、水蒸気などを接触させると加水分解反応
を起こし、酸成分が副生するという問題と、酸化反応で
副生するヒドロキシテレフタル酸ジメチル(以下、HD
Tと略記することがある。)を多量に含有するため、該
HDTに由来する蛍光強度が強く、色相が悪いという問
題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術が有していた問題を解決し、酸価上昇が抑制さ
れ、良好な色相を有するDMT組成物を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記従来技
術に鑑み、特に、PX−DMTには存在せず、DMTの
酸価上昇防止のため、DMTと容易に混合させることが
でき、かつ重合反応や製品ポリマー品質には影響のない
物質について鋭意研究を重ねた。
【0007】その結果、特定の構造を有する化合物を微
量含有させることで、DMTの酸価上昇を防止できるこ
と、また、DMT色相悪化の原因物質を究明し、その含
有量を低下させれば良好な色相のDMT組成物を製造で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の目的は、主たる成分がテレ
フタル酸ジメチルであって、4−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)安息香酸メチルを0.001〜200p
pm、ヒドロキシテレフタル酸ジメチルを0〜1ppm
含有する、テレフタル酸ジメチル組成物により達成する
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、まず、4−
(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチル
(以下、4−DOMBと略記することがある。)を得る
ことが必要であるが、この方法として、(1)合成によ
って得る方法、及び(2)ポリアルキレンテレフタレー
トからEGとMeOHとを用いてDMTを回収するプロ
セスの副生物を活用する方法を挙げることができ、どち
らの方法に由来する4−DOMBであっても、DMT中
に微量に含有させることで、本発明の目的は達成され
る。
【0010】なお上記(1)の合成方法としては、4−
カルボメトキシベンズアルデヒドとEGとをそれぞれ等
モル量、既知の汎用酸性触媒下、80〜150℃で常圧
加熱反応させれば4−DOMBを容易に得ることができ
る。なお、ここで脱水反応により副生する水を除去する
ことが重要であり、この副生水除去には、留去若しくは
モレキュラーシーブを使用するのが効果的である。
【0011】一方、上記(2)のDMT回収プロセスの
副生物を活用する方法は、副生物をそのまま活用でき、
得られた4−DOMBは、その後精製操作も必要としな
いので、工業的にも大変好ましい方法である。
【0012】該方法は、まずポリアルキレンテレフタレ
ートを既知の解重合触媒存在下、EG中で解重合反応さ
せる。ここでポリアルキレンテレフタレートとは、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートである。解重合反応
で得られた混合物は必要であれば、解重合反応で用いた
過剰なEGを抜出し、その後MeOH及び置換エステル
化反応触媒と共に反応器内へ導入し、置換エステル化反
応させて、粗DMTとアルキレングリコールとを生成さ
せ、この反応混合物に冷却処理を施して、その後遠心分
離機により粗テレフタル酸ジメチルのケークと混合溶液
とに分離する。
【0013】次いで、(A)得られた前記ケークに対し
て、30〜60℃の条件下、1〜5重量倍のメタノール
を加えた後、再度遠心分離機により粗テレフタル酸ジメ
チルのケークと混合溶液に分離する操作を実施するか、
(B)得られた該ケークを蒸留精製するにあたり、例え
ば、蒸留塔頂温度を160〜210℃、圧力を2.7〜
13.3kPaとして、還流比を0.1〜2の条件の範
囲となるように制御することで、4−DOMBを0.0
01〜200ppmの範囲で含有するDMT組成物を得
ることが可能である。なお、(A)の方法と(B)の方
法とは併用しても何等問題は無い。
【0014】また、HDTについては、DMT中のHD
T濃度が、DMTの蛍光強度増加に直接つながることか
ら、該HDT濃度を極力低くする必要があるが、一般的
なPX−DMT中のHDT濃度は、PXをまず酸化反応
させ生成することから、HDTが副生し最終製品のDM
T中には1ppm以上のHDTを含む問題がある。しか
しながら、前記(2)のDMT回収プロセスの副生物を
活用する方法を採用すれば、HDTが0〜1ppmの範
囲のDMT組成物を得ることができる。
【0015】以上のことから、DMT中に0.001〜
200ppmの4−DOMB、0〜1ppmのHDTを
含有するDMT組成物を得ることにより、酸価の上昇を
防止でき、且つ、蛍光強度が低く色相が良好なポリエス
テル原料としての特性が改善されたテレフタル酸ジメチ
ル組成物を得ることが可能となる。
【0016】本発明において、ポリエステル回収プロセ
スを利用する上記(A)及び/又は(B)の方法の場合
において、4−DOMBの添加は回分式でも連続式であ
っても、いずれも問題なく採用することができるし、ま
た前掲(2)のDMT回収プロセスの副生物を活用する
方法を採用し、以下の条件としたときには、4−DOM
BとHDTとの含有量が本発明の範囲内におけるDMT
組成物を比較的容易に得ることができる。
【0017】すなわち、ポリエステルのEGによる解重
合反応は温度110〜230℃、圧力0.0〜0.2M
Pa(ゲージ圧)程度であればよく、この範囲である際
には、EG解重合反応が十分行われる。ここで、解重合
反応温度が110℃未満であると、解重合時間が非常に
長くなり効率的でなくなる。一方、230℃を越えると
高圧対応の反応器が必要となり、運転面や安全面から考
えると好ましくない。
【0018】また、MeOHによる置換エステル化反応
を行う際の反応温度としては、50〜150℃の範囲、
反応圧力としては、0.0〜0.59MPa(ゲージ
圧)の範囲とすることが好ましく、この範囲にある際に
は、置換エステル化反応が十分に行われる。なお、置換
エステル化反応時間は30分間〜4時間とすることが好
ましい。
【0019】ここで、解重合反応触媒及び置換エステル
化反応触媒として既知の触媒をいずれも用いることがで
きるが、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、炭酸
塩、炭酸水素塩、及びカルボン酸塩からなる群から選ば
れた少なくとも1種以上の金属塩化合物を用いること
が、その触媒能の高さの面から好ましい。更には、いず
れの反応触媒としても、炭酸ナトリウムを用いることが
特に好ましい。
【0020】この置換エステル化反応で得られた混合物
中には、粗DMT、MeOH、EG、及びEG解重合反
応と置換エステル化反応での副生成物が存在し、4−D
OMB、HDT、その他ジオキサン、ジメチルエーテ
ル、水などが含まれる。
【0021】この混合物をそのまま用い再結晶操作、あ
るいはDMTの結晶が完全に溶解しない場合は、加熱し
て混合溶液による溶解操作を行う。この際、置換エステ
ル化反応温度をそのまま、若しくは混合物の組成により
温度を60〜150℃の範囲で一度加熱を行った後、1
0〜50℃の範囲に冷却する。必要であれば溶媒の潜熱
を利用し、混合物を冷却することが好ましい。
【0022】混合溶液中でのDMT濃度は、10〜40
wt%の範囲とすることが好ましい。DMTの濃度が1
0wt%未満であると、溶媒の使用量が増大し経済的に
好ましくない。
【0023】再結晶処理された混合物は、遠心分離操作
などで固液分離し、次いで得られたケークにMeOHを
加え洗浄を行う。
【0024】ここで加えるMeOHの量及び洗浄時の温
度は、粗DMTケークを基準として、1〜5倍量、30
〜60℃の範囲であることが洗浄効果、固液スラリーの
ハンドリング性、経済的にも好ましい。なお、該洗浄工
程において粗DMTケーク中に含有する4−DOMBが
完全に除去されることは無い。また洗浄回数は1〜3回
程度行えばよいが、更に洗浄回数を追加しても何ら問題
は無い。
【0025】MeOH洗浄、固液分離を終えた粗DMT
ケークは加熱、溶融することでMeOHを更に除去後、
最終的に減圧下で蒸留精製を行い、留分としてDMT組
成物が取り出される。
【0026】該蒸留精製時の条件は、2.7〜13.3
kPaの減圧下、塔頂温度が160〜210℃、還流比
0.1〜2.0で実施される。
【0027】4−DOMBは、DMTに比べ蒸気圧がや
や低い程度であり、この範囲内であれば、得られるDM
T組成物中に極微量に含有させることができる。蒸留精
製条件において、過度の強化はDMT組成物中の4−D
OMBの検知が困難となるので好ましくなく、また条件
の過度の緩和は、酸成分が留出することでDMT組成物
の酸価品質の上昇を招くので避けるべきである。
【0028】よって、4−DOMBを回収DMT中に、
適正な量で含有させるには、蒸留理論段で5〜20段を
有する蒸留塔を用い、5.3〜9.3kPaの減圧下、
塔頂温度が180〜195℃、還流比0.3〜1.0の
条件とすることが品質管理上、特に好ましい。
【0029】一方、HDTについても、解重合反応段階
で副生するHDT量が微量であるため、上記の精製条件
を適用すれば、所望のHDT濃度に調整することが可能
である。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明の内容を更に具体的
に説明するが本発明はこれにより何等限定を受けるもの
ではない。
【0031】なお、4−DOMB、HDTの定性分析
は、アセトン溶媒及びMeOH溶媒を用い再結晶抽出操
作を実施したのち濃縮し、特級試薬アセトン溶媒中で測
定して行った。測定装置は、ガスクロマトグラフィー
(装置:ヒューレット・パッカード社製HP5890、
キャピラリーカラム:J&W社製DB−17)を用い
た。
【0032】また、4−DOMB、HDTの定量分析
は、GC−MASS(装置:ヒューレット・パッカード
社製、GC/質量検出器=HP6890/HP597
3、キャピラリーカラム:J&W社製DB−17)を使
用して行った。
【0033】DMTの蛍光強度については、測定溶媒と
してクロロホルムを用い、励起波長:328nmで蛍光
波長:454nmで測定した。蛍光光度計は、(株)日
立製作所社製F−4500を使用した。
【0034】ビス−β−ヒドロキシエチレンテレフタレ
ート(以下、BHETと略記することがある。)及び低
級オリゴマー成分は、GPC(装置:(株)日立製作所
社製L−4000液体クロマトグラフィー、テトラヒド
ロフラン溶媒)を用い、成分組成比を求めた。
【0035】テレフタル酸のアルカリ透過率は、「化学
工学 第58巻 第10号 第787−789頁(19
94年 化学工業会出版)」に記載されている、7.5
gのテレフタル酸を50ml、(2mol/L)の水酸
化カリウム水溶液を用いて溶液となし、行路長1cmで
の340nm波長の透過率より求めた。
【0036】[参考例1]ペトロセル社製の白色ブリケ
ット形状のDMTについて、微量成分測定を行った。検
知された含有微量成分には、酸成分としてp−トルイル
酸、テレフタル酸モノメチル、異性体として、イソフタ
ル酸ジメチル、フタル酸ジメチル、その他エステル類と
してp−トルイル酸メチル、4−カルボメトキシベンズ
アルデヒド、(o、m、p)−フタル酸ジメチルのメチ
ル基一置換体が検出されたが、4−DOMBは、検知さ
れなかった。
【0037】また、該DMT中にHDTが1.5ppm
検出され、蛍光強度を測定すると、その数値は900で
あった。
【0038】[参考例2]三井化学株式会社社製の高純
度テレフタル酸(以下、PTAと略記することがあ
る。)のアルカリ透過率を測定したところ、91%であ
った。
【0039】[実施例1]EG200部を500mlセ
パラブルフラスコに投入し、更に炭酸ソーダ1.5部、
ポリエチレンテレフタレート50部を投入し、撹拌速度
100rpmにて撹拌しつつ昇温し、内温を185℃と
した。この状態を4時間保持したところ、解重合反応が
完結した。得られた解重合物を6.65kPaの減圧蒸
留で濃縮し、濃縮液と、留分としてのEG150部を回
収した。
【0040】この濃縮液にエステル交換反応触媒として
炭酸ソーダ0.5部とMeOH100部を投入し、常圧
で液温を75℃、撹拌速度100rpmの状態を1時間
保持し、エステル交換反応を実施した。
【0041】得られた混合物を40℃まで冷却し、ガラ
ス製3G−4のフィルターで濾過した。フィルター上に
回収できた粗DMTを100部のMeOH中に投入し、
40℃に加温・撹拌洗浄し、再度ガラス製のフィルター
で濾過した。この洗浄は2回繰り返した。
【0042】フィルター上に捕捉できた粗DMTを蒸留
装置に仕込み、圧力6.65kPa還流比0.5の条件
で減圧蒸留を実施し、留分としてDMT組成物を得た。
留分は40部回収できた。釜残を測定しDMT量を測定
すると2部であり、投入したポリエチレンテレフタレー
ト量を基準にするとDMTの反応率は93重量%であっ
た。
【0043】蒸留により精製されたDMT組成物中に
は、4−DOMBが20ppm、HDTが0.5ppm
検出された。DMT組成物中の4−DOMB及びHDT
をそれぞれ標品の4−DOMB及びHDTとをGC−M
ASS解析による比較を実施した結果、検出されたフラ
グメントイオンが一致し、同一構造であることが確認さ
れた。
【0044】精製されたDMT組成物の品質は、純度9
9.9重量%以上を有し、酸価は、0.003mg(K
OH)/g(DMT)、蛍光強度は330であり、その
他品質特性は、参考例で用いた市販品DMTと同等であ
った。
【0045】[実施例2]実施例1で得られたDMT組
成物40部を、250℃、圧力3.92MPaに保持し
ながら連続的に水蒸気を吹き込み、過剰な水蒸気と生成
したMeOHを連続的に抜き出し加水分解反応を実施し
た。反応はほぼ定量的に進み、テレフタル酸が33重量
部生成した。
【0046】得られたテレフタル酸30部にMeOH6
0部を加え、40℃で撹拌洗浄を行った後、テレフタル
酸を濾別し乾燥させた。得られたテレフタル酸のアルカ
リ透過率を測定したところ、90%であり、三井化学株
式会社製のPTAとの有意差は見られなかった。
【0047】[実施例3]実施例1で得られたDMT組
成物40部とEG75部とをセパラブルフラスコに投入
し、100rpm撹拌下で昇温していくと、200℃付
近でMeOHが発生し、反応開始が確認された。留出し
たMeOHは2器の分離塔で系外に留去し、同伴したE
GとDMT留分とはフラスコ内に戻す操作を実施した。
【0048】上記の操作を繰り返しながら、フラスコ内
温が220〜250℃となった時点を反応終点としたと
ころ、所要時間は8時間程度要した。
【0049】得られた混合物の組成をガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、DMTは反応により完全に消
失していた。該分析とGPC分析により、BHETは4
5重量%確認された。その他の成分はそれぞれシャープ
な分子量分布を示しており、2〜5量体の低級オリゴマ
ーであることが確認できた。
【0050】[実施例4]実施例1で得られたDMT組
成物を原料として用い、常法に従ってPET製造テスト
を実施した。酢酸マンガン触媒を用い、EI反応を常圧
下、245℃まで実施し、BHETを主成分とする低級
オリゴマーを得た。引き続いて、得られたBHETを主
成分とする低級オリゴマーに、三酸化アンチモンを加
え、0.1kPaの高真空下、290℃、1.8時間で
重合を実施した。得られたポリマーの固有粘度は0.7
0であった。その他ポリマー品質特性である色相、熱特
性、DEG含有量についても市販品試薬DMTから製造
するポリマーとほぼ同じ分析値であった。
【0051】上記得られた、ポリマーについて、ヘッド
スペースサンプラー装置(パーキンエルマー社製、HS
40XL)を取り付けたガスクロマトグラフィーを用
い、200℃×60分の条件下で、揮発成分を測定し
た。結果、4−DOMB及びHDTは検知されなかっ
た。
【0052】[比較例1]実施例1において、粗DMT
の蒸留条件を圧力6.65kPa、還流比0.05の条
件で減圧蒸留を実施し、留分としてDMT組成物を得
た。留分は40部回収できた。釜残を測定しDMT量を
測定すると2部であり、投入したポリエステルを基準に
するとDMTの反応率は93重量%であった。
【0053】蒸留により精製されたDMT組成物中に
は、4−DOMBが40ppm、HDTが1.1ppm
検出された。
【0054】精製されたDMT組成物の品質は、純度9
9.9重量%以上を有し、酸価は、0.003mg(K
OH)/g(DMT)であったが、蛍光強度は700と
いう高い数値を示した。
【0055】[比較例2]実施例1において、エステル
交換反応後、得られた混合物を40℃まで冷却し、ガラ
ス製3G−4のフィルターで濾過した。フィルター上に
回収できた45部の粗DMTを40部のMeOH中に投
入し、40℃に加温・撹拌洗浄し、再度ガラス製のフィ
ルターで濾過した。この洗浄は2回繰り返した。
【0056】フィルター上に捕捉できた粗DMTを蒸留
装置に仕込み、圧力6.65kPa還流比0.5の条件
で減圧蒸留を実施し、留分としてDMTを得た。留分は
40部回収できた。釜残を測定しDMT量を測定すると
2部であり、投入したポリエステルを基準にするとDM
Tの反応率は93重量%であった。
【0057】蒸留により精製されたDMT組成物中に
は、4−DOMBが250ppm、HDTが0.5pp
m検出された。
【0058】精製されたDMT組成物の品質は、純度9
9.8重量%であり、酸価は、0.01mg(KOH)
/g(DMT)となり、参考例1で用いた市販品試薬D
MTと同等の品質を有するものは得ることができなかっ
た。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステル原料とし
ての特性が改善されたテレフタル酸ジメチル組成物を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 実 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 (72)発明者 佐藤 和広 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BB14 BC10 BC14 BC40 BJ50 KA03 KC30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる成分がテレフタル酸ジメチルであ
    って、4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香
    酸メチルを0.001〜200ppm、ヒドロキシテレ
    フタル酸ジメチルを0〜1ppm含有する、テレフタル
    酸ジメチル組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレンテレフタレートをエチレ
    ングリコールで解重合反応させ、引き続いてメタノール
    で置換エステル化反応させて、粗テレフタル酸ジメチル
    とアルキレングリコールとを生成させ、この反応混合物
    に冷却処理を施し、遠心分離機により粗テレフタル酸ジ
    メチルのケークと混合溶液とに分離する操作を実施した
    後、該ケークを蒸留精製してテレフタル酸ジメチル組成
    物を得るに際し、該蒸留精製時の還流比を0.1〜2に
    制御することを特徴とする、主たる成分がテレフタル酸
    ジメチルであって、4−(1,3−ジオキソラン−2−
    イル)安息香酸メチルを0.001〜200ppm、ヒ
    ドロキシテレフタル酸ジメチルを0〜1ppm含有す
    る、テレフタル酸ジメチル組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレンテレフタレートが、ポリ
    エチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレ
    ート及びポリブチレンテレフタレートからなる群から選
    ばれた少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレート
    である、請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリアルキレンテレフタレートをエチレ
    ングリコールで解重合反応させ、引き続いてメタノール
    で置換エステル化反応させて、粗テレフタル酸ジメチル
    とアルキレングリコールとを生成させ、この反応混合物
    に冷却処理を施し、遠心分離機により粗テレフタル酸ジ
    メチルのケークと混合溶液とに分離した後、該ケークを
    蒸留精製してテレフタル酸ジメチル組成物を得るに際
    し、該遠心分離操作で得られた前記ケークに対して、3
    0〜60℃の条件下、該ケークを基準として1〜5重量
    倍のメタノールを加えた後、再度遠心分離機によりテレ
    フタル酸ジメチルのケークと混合溶液とに分離する操作
    を実施した後、得られた該ケークを蒸留精製することを
    特徴とする、主たる成分がテレフタル酸ジメチルであっ
    て、4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸
    メチルを0.001〜200ppm、ヒドロキシテレフ
    タル酸ジメチルを0〜1ppm含有する、テレフタル酸
    ジメチル組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリアルキレンテレフタレートが、ポリ
    エチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレ
    ート、ポリブチレンテレフタレートからなる群から選ば
    れた少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレートで
    ある、請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のテレフタル酸ジメチル組
    成物を加水分解反応させて得られる、テレフタル酸。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のテレフタル酸ジメチル組
    成物をエチレングリコールとエステル交換反応させて得
    られる、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレー
    ト。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のビス(β−ヒドロキシエ
    チル)テレフタレートを重縮合反応させて得られる、ポ
    リアルキレンテレフタレート。
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