JP2002219836A - プリンタ、及び、プリンタにおける紙種違い検出方法 - Google Patents

プリンタ、及び、プリンタにおける紙種違い検出方法

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JP2002219836A JP2001321128A JP2001321128A JP2002219836A JP 2002219836 A JP2002219836 A JP 2002219836A JP 2001321128 A JP2001321128 A JP 2001321128A JP 2001321128 A JP2001321128 A JP 2001321128A JP 2002219836 A JP2002219836 A JP 2002219836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CD-R 等の光ディスクに対して直接印刷を行
なうインクジェットプリンタにおいて、光ディスクを装
着するディスクトレイは従来の記録用紙に比べて厚みが
大きい。従って、ディスクトレイをプリンタに挿入する
ときには、それ専用のギャップ設定(プラテンとプリン
トヘッドとの間隙の大きさの設定)が、手動により正し
くなされていなければならない。 【解決手段】 用紙厚み確認動作として、用紙をセット
した状態で、キャリッジ13を矢印方向に用紙中央まで
走査させる。突起113が、ディスクトレイ46の端縁
側面に支えると、キャリッジ駆動モータに高い負荷がか
かる。そのときのモータの消費電流値を検出して用紙不
適合を通知させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタの用紙経
路内において、印刷用紙の紙送りを行なう際のペーパー
ハンドリング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータシステムに用いられ
るプリンタでも、様々な記録用紙に対して印刷を行なう
ことが行なわれるようになってきている。それに応じ
て、プリンタにおけるペーパーハンドリングに関して
も、きめ細やかな制御技術が求められている。
【0003】例えば、プリントヘッドに並べられたノズ
ルから、細かいインク粒子を吐出させて用紙にドットを
記録するインクジェット方式のプリンタにおいては、プ
リントヘッドと記録用紙とが非接触であって、その間に
0.6mm程度の空間を保つことが必要である。インク
ジェットプリンタにおいて正確なドット径を再現するた
めには、厚みの異なる用紙を用いた場合にも、この空間
が一定になるように調整する必要がある。そのために、
最近のインクジェットプリンタではギャップ調整機構が
搭載されている。
【0004】インクジェットプリンタ等においては、例
えば、用紙を水平に保って案内させるためのプラテンと
呼ばれる平滑板の上に記録用紙を配し、その上部の空間
で、プリントヘッドを搭載するキャリッジを走査させて
印刷を行なう。従って、上記のギャップ調整機構では、
キャリッジを上下動させることにより、ノズル開口部か
らプラテンまでの間隙の大きさ、すなわちペーパーギャ
ップを設定する。
【0005】従来のインクジェットプリンタで扱うこと
が出来た記録用紙は、普通紙や高品質カラー印刷用専用
紙等、厚みが0.6mm以下である薄紙と、台紙から剥
離可能な粘着シール等で構成されるラベル用紙等、厚み
0.7mm乃至1.5mm程度の厚紙であった。
【0006】ところで、最近では、CD−R(Compact
Disk Recordable)やCD−RW(Compact Disk ReWrit
able)といった書き込み可能な光ディスク記録メディア
が、個人ユースに用いられるまでに普及してきている。
従来は、これら光ディスクに対しても、薄手のシートに
印刷したものを貼り付けるという手法で、ラベリングが
行なわれていた。これに対し、上記のような光ディスク
の表面に直接印刷することができれば、ラベル剥離の問
題もなくなり、便利である。そこで、このような光ディ
スクに直接印刷を行なうことができるインクジェットプ
リンタが開発されるに至っている。
【0007】このような光ディスクに対する直接印刷を
可能とするためには、光ディスクを嵌め込むことが可能
な形に成形された、ポリプロピレン製のディスクトレイ
を用いる。このディスクトレイは、2.5mm程の厚さ
を有するものであり、従来におけるペーパーギャップの
調整範囲を超えるような、大幅な調整が必要となってく
る。そのためプリンタには、例えば、ユーザの選択に応
じて、手動により上記のディスクトレイ専用のペーパー
ギャップに設定するための機構が設けられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来であれば、例え
ば、薄紙はオートシートフィーダから供給され、一方、
厚紙は手挿し給紙口から供給されるというように、異な
る用紙供給路から異なる種別の用紙が供給されていたた
め、設定ミスは起こりにくかった。しかし、上述のよう
な環境下では、厚紙も、極厚紙としてのディスクトレイ
も、同じように手挿し給紙口から供給されることとな
る。そのため、プリンタユーザの操作ミスにより、印刷
を行なおうとしている記録用紙の種別に適合していない
ペーパーギャップに調整されてしまうという事態を生じ
やすい。
【0009】そこで本発明は、上記のような事情に鑑み
てなされたものであり、ユーザにより誤ったギャップ設
定がなされたような場合でも、プリンタにおいてこれを
検知し、ユーザに対してギャップの再調整を促す等、必
要な措置を講ずることができるプリンタを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、モータ駆動制御手段により、用紙送り
モータを動作させて、副走査方向への用紙送りを行な
い、キャリッジモータを動作させて、プリントヘッドを
搭載したキャリッジを主走査方向に移動させながら印刷
を行なうプリンタが適用対象となる。上記構成のプリン
タにおいて、前記モータ駆動制御手段は、前記キャリッ
ジモータの消費電流値を検出するための電流検出手段
と、該検出に係る電流値の情報を取得して、前記プリン
タに装てんされている用紙種別に関する判断を行なう判
定手段とを有している。そして、前記用紙送りモータに
より、印刷用紙が、キャリッジの移動する主走査線下に
至るまで用紙送りを行なわせた状態で、用紙の厚み確認
動作を行なう。その用紙厚み確認動作の内容は、前記キ
ャリッジモータの消費電流値を検出しつつ、前記印刷用
紙上の所定の位置までキャリッジを移動させる過程にお
いて、前記電流検出手段によって検出される消費電流値
が、所定の値を超えたことをもって、用紙不適合である
ということを、前記判定手段が判断するものである。
【0011】プリンタをこのように構成すれば、キャリ
ッジに搭載されたプリントヘッドが、板紙の端縁部側面
に当たってしまった場合の電流値の上昇を捉えて、用紙
の厚みと、設定されているペーパーギャップとが適合し
ていないことを検知することができる。
【0012】また、上述の構成を有するプリンタは、光
ディスクを装着したディスクトレイを、前記用紙送りモ
ータによって、当該プリンタの用紙経路内において移動
させることが可能に構成されているとともに、装てんさ
れる用紙の種別に応じて、前記キャリッジを上下動させ
ることにより、前記プリントヘッドと、用紙を平滑に保
って案内させるためのプラテンとの間隙の大きさを設定
するためのギャップ調節機構を有している。そこにおい
て、前記キャリッジには、搭載されているプリントヘッ
ドの高さに対して、所定の許し代を有する突起が設けら
れてあり、前記ギャップ調節機構により設定した用紙の
種別よりも厚い用紙が、前記主走査線下にある状態で、
前記キャリッジを走査させた場合に、前記突起が、装て
んされている用紙の端縁側面に当接するよう構成されて
いる。
【0013】このように構成することにより、プリンタ
に装てんされるディスクトレイの形状、寸法に見合った
ギャップ設定が、適切に行なわれるようになる。
【0014】尚、所定の許し代は、キャリッジに設けら
れる突起がプリントヘッドよりも高い高さになるように
許容しても良いし、該突起がプリントヘッドよりも低く
なるように許容しても良い。
【0015】例えば、ディスクトレイの長辺側の端縁部
は、装着されている光ディスクよりも僅かに嵩高になっ
ていることもある。その場合は、所定の許し代を、キャ
リッジに設けられる突起がプリントヘッドよりも低くな
るように許容すれば良い。また、前記プリンタは、前記
判定手段によって、用紙不適合であると判断された際
に、前記モータ駆動制御手段が、モータの動作を停止さ
せるよう構成されていれば、装てんされている用紙と、
設定されているペーパーギャップとの不適合に起因する
印刷動作不良や、用紙の咬み込み等を、未然に防ぐこと
ができる。さらに、前記プリンタは、表示制御手段によ
って、画面に表示する情報を任意に書き換え可能な画面
表示装置を備えており、前記判定手段によって、用紙不
適合であると判断された際に、前記表示制御手段が、プ
リンタに装てんされている用紙に合わせた前記間隙の大
きさに、前記ギャップ調整機構を設定し直すように促す
旨の情報表示を、前記画面表示装置に対して行なわせる
よう構成されている。
【0016】プリンタをこのように構成することによっ
て、プリンタが備える液晶画面などに、用紙不適合に関
する適切な警告表示等を行なうことができる。
【0017】また、上記課題を解決するためのプリンタ
の制御方法は、副走査方向に用紙送りを行ない、プリン
トヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させ
ながら印刷を行なうプリンタの制御方法であって、前記
キャリッジが移動する主走査線下に印刷用紙の一部が配
置されるまで用紙送りを行なわせた状態で、キャリッジ
駆動用モータの消費電流値を検出しつつ、前記印刷用紙
上の所定の位置までキャリッジを移動させる過程におい
て、前記検出に係る電流値が、所定の値を超えたことを
契機として、印刷動作を停止させることを特徴とするプ
リンタの制御方法である。
【0018】上記プリンタ制御手順を実現させるための
コンピュータプログラムは、特定の媒体に記録して保持
させることが可能である。すなわち、本発明のプログラ
ムを格納した記録媒体は、プログラムを格納するメモリ
を備え、プロセッサを用いてプログラムに従う処理を実
行するコンピュータに、用紙送りモータによって、副走
査方向に用紙送りを行ない、駆動中の消費電流値を検出
可能に構成されるキャリッジモータによって、プリント
ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させな
がら印刷を行なうプリンタを、制御させるためのプログ
ラムである。このプログラムによるプリンタ制御の内容
は、前記用紙送りモータにより、印刷用紙が、キャリッ
ジの移動する主走査線下に至るまで用紙送りを行なわ
せ、前記印刷用紙上の所定の位置までキャリッジを移動
させる過程において、前記検出に係るキャリッジモータ
の消費電流値が、所定の値を超えたこと契機として、用
紙不適合に対応するための所定の処理を行なわせること
にある。
【0019】前記用紙不適合に対応するための所定の処
理の具体的内容は、例えば以下のようなものであればよ
い。すなわち、第一に、前記キャリッジモータを停止さ
せる処理が含まれるものである。第二に、前記プリンタ
が備える表示装置に、用紙不適合状態である旨の情報を
表示させる処理が含まれるものである。また、第三に、
これらの両方を含むものである。
【0020】
【発明の実施形態】まず、本発明の第1の実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用さ
れるインクジェットプリンタ1の制御機構と用紙経路と
の構成を模式的に表す図である。
【0021】プリンタ1では、その各部を統轄制御する
ため、CPU(Central ProcessingUnit:中央演算処理
装置)16、ROM(Read Only Memory:読出し専用記
憶素子)17、主記憶装置として働くRAM18(Rando
m Access Memory:読み書き可能記憶素子)とがバスを介
して接続され、コンピュータ構成の制御機構であるプリ
ントコントローラ10(図1において、1点鎖線で囲ん
で表している)を成している。
【0022】ホストコンピュータ2から送られてきた印
刷命令データは、インタフェース装置19からバスをを
介して、プリントコントローラ10に伝えられる。プリ
ントコントローラ10は、実際にインクを吐出させて印
刷動作を行なうプリントヘッド131を制御するととも
に、印刷動作時の用紙送りにかかわる用紙送りモータ1
12や、オートシートフィーダ(ASF)ユニット10
1から、カットシート45を用紙経路5内に送り込むた
めのASFモータ111の駆動制御等を行なう。
【0023】図2は、用紙経路5の周辺に配置される各
構成部品の位置関係を説明するための斜視図である。図
2においては、二点鎖線で表されるプリンタ筐体50内
の、用紙送りにかかわる部分だけを透視して描いてい
る。
【0024】プリンタ筐体50背面には、記録媒体とし
ての厚手の記録用紙やディスクトレイ46を供給するた
めの手挿し給紙口51が設けられている。また、筐体5
0の上部には、図示しないスタッカに蓄えられて置かれ
ている薄手の記録用紙45を、ASFローラ150によ
って用紙経路内に送り込むため、ASF給紙口52が開
口されている。
【0025】用紙経路には、印刷動作中の用紙送りを行
なうための2つのローラ、即ち、給紙側ローラ151と
排紙側ローラ152とが設けられている。この2つのロ
ーラ151及び152は、用紙送りモータ112により
駆動され、ギア161乃至165を介して、同期して回
転するようになっている。また、ローラ151及び15
2の上部からは、複数のピニオン171及び172が、
それぞれ自由回転軸に取り付けられて、図示しないバネ
機構によって各ローラ側に付勢されている。そして、こ
れら複数のピニオンとローラとで、記録用紙を挟み込ん
で(図4参照)、用紙経路内を移動させる。
【0026】2つのローラ151及び152間に配置さ
れるプラテン140(図1参照)の上部空間には、2本
のガイドレール134及び135に支持されて、印刷時
における主走査方向に移動可能なキャリッジ13が配置
されている。
【0027】用紙経路内の各所には、逆V字型に切り込
まれた底面に、各々発光素子と受光素子を配したセンサ
120乃至122が設けられている。このセンサ120
乃至122では、発光素子から発せられた光が物体に当
たって反射し、その反射光を受光素子にて受けるように
なっている。そして、センサ配下にある物体の反射率の
変化による受光素子の出力電圧変化によって、物体を検
知する。
【0028】図3は、プリントコントローラ10が有す
る機能の内容を表すブロック図である。ホストコンピュ
ータから送られてくる印刷命令は、インタフェース部3
1を介してコマンド解釈部32に送られる。そこで印字
データと制御コードが各々解釈され、通常の印刷動作に
おいては、制御コード解釈部34によって解釈された制
御内容に従って、モータ制御部35の回転制御部39に
より、ハードウエアであるASFモータ111、用紙送
りモータ112、及びキャリッジモータ113が駆動さ
れる。
【0029】一方、印字データ解釈部33によってビッ
トマップ展開されたイメージデータは、ヘッド制御部4
0に送られ、これに基づきプリントヘッド131が駆動
される。
【0030】本実施形態において特徴的な点は、モータ
制御部35の有する機能にある。
【0031】モータ制御部35には、キャリッジモータ
113が特別な負荷なく動作しているときの消費電流値
に比して、若干高めの電流値(例えば400mA)のデ
ータが記憶されている。キャリッジモータ113駆動中
の実際の消費電流値は、電流センサ114により絶えず
検出されていて、その値はディジタル情報として比較対
照部37に渡される。
【0032】比較対照部37では、設定電流値(400
mA)と、実際に検出される電流値とを比較して、実測
値が設定値を上回ったときに、その旨を判断部38に伝
える。判断部38は、後述の手順により、プリンタに装
てんされている記録用紙と、設定されているペーパーギ
ャップとの適合、あるいは不適合を判断し、判断内容に
従った処理を行なう。
【0033】図4は、記録媒体(図示の例ではディスク
トレイ46)が印刷開始位置にセットされたときの状態
を表す透視斜視図でる。ディスクトレイに搭載される光
ディスクに対して正確な位置に印刷を行なうため、前記
3つのセンサ120乃至122を用いて精密な頭出し操
作が行なわれるが、ここではその詳細については省略す
る。
【0034】本実施形態において重要な点は、記録媒体
であるディスクトレイ46が、用紙送りモータ112に
より、キャリッジ13の移動する主走査線の下に配置さ
れている状態にある、ということである。
【0035】図5は、このときの記録媒体と、プリント
ヘッドを搭載するキャリッジとを、プリンタ正面側(用
紙排出口53側)から見た図である。図5(a)は、キ
ャリッジがいわゆるホームポジションにあるときの状態
を表しており、プリントヘッド131が、乾燥防止用の
キャップ132によって保護されている。図5(b)
は、印刷実行に先だって、用紙厚の確認動作を実行する
ときの状態を表している。
【0036】この確認動作は、キャリッジ131を記録
媒体上の所定の位置まで移動させることにより行なう。
プリントエンジン100(図1において一点鎖線で囲ん
で表す)の各部を制御するプリントコントローラ10
は、通常の印字動作のときと同様の桁数制御を行なっ
て、キャリッジモータ113(図3)を駆動し、キャリ
ッジを図5(a)における矢印方向に主走査させる。例
えば、A4サイズの用紙幅を80桁で管理する印字制御
を行なう場合、40桁目まで走査を行なわせる。
【0037】このとき、プリンタのペーパーギャップの
設定が、ユーザにより正しくなされている場合は、図5
(b)に表す状態のように、スムースにキャリッジは移
動される。これに対して、ペーパーギャップの設定が正
しく行なわれていないときには、キャリッジ13の側面
に設けられた突起133が記録媒体に支えてしまうこと
がある。
【0038】図6は、本発明の第1の実施形態におい
て、設定されているペーパーギャップの大きさと、用紙
の厚みとの関係を説明するための図であり、図5に表さ
れた各部を拡大して描くものである。図6(a)には、
薄紙である記録紙45がプラテン140上に置かれ、薄
紙に合わせたペーパーギャップ(図中PGで表す値)の
設定が成されている状態が描かれている。図6(b)に
は、同じく薄紙に合わせたペーパーギャップの設定がな
されているが、実際にはプラテン140上にディスクト
レイ46が置かれている状態が表されている。
【0039】図7は、図5(a)に表すような状態や、
図6(b)に表すような状態で、用紙厚確認動作を行な
う際の、モータ制御部35における手続の流れを説明す
るためのフローチャートである。
【0040】例えば、図5(a)に表す状態のときに
は、印刷命令に先立つ用紙厚確認動作命令を受けて(図
7におけるS701)、回転制御部39がキャリッジモ
ータ113を駆動させて矢印の方向に動かし始める。そ
の際、電流センサ114は、キャリッジモータ113の
消費電流を監視している(S702及びS703)。
【0041】この場合、キャリッジ13は抵抗なく移動
するから、キャリッジモータ113の消費電流値も40
0mAを超えることはない(S704でNO)。そこ
で、図5(b)に示す位置にキャリッジが達したことを
もって、用紙不適合の問題がないことが判断され、判断
部38は通常の印刷動作を行なうよう、回転制御部39
に命ずる(S705でYES、S706)。
【0042】一方、図6(b)に表す状態の時には、図
からも明らかなように、キャリッジ13を矢印方向に移
動させる過程において、突起133がディスクトレイ4
6の端縁側面に支えてしまう。そのため、キャリッジモ
ータ113は高い負荷を受け、短時間の間に消費電流が
急上昇する。電流センサ114が検出する消費電流値が
所定の値(前述の400mA)を超えると、比較対照部
37がその旨を判断部38に伝える(S704でYE
S)。判断部38は、用紙の不適合があるとの判定を下
し、回転制御部39に対して、キャリッジモータ113
の停止を命ずる(S707)。
【0043】この際、判断部38は、プリンタユーザに
対してペーパーギャップの再設定を行なうように促すた
め、表示制御部41に命じて、プリンタ1に備える液晶
表示装置20の画面上にその旨の警告表示を行なわせる
(S708)。そして、回転制御部39にキャリッジモ
ータ113を反転させて、キャリッジ13をホームポジ
ションに戻すように命ずる。
【0044】なお、この際、ホストコンピュータ2とプ
リンタ1とが双方向通信可能に接続されているなら、判
断部38は制御コード解釈部34からインタフェース部
31を介して、記録媒体とペーパーギャップの不適合が
ある旨をホストコンピュータに伝えてもよい。ホストコ
ンピュータ2では、プリンタドライバの機能により警告
表示を行なう。
【0045】上述のような、用紙不適合に対応するため
にプリンタが行なう処理に対して、プリンタユーザがこ
れに応えてペーパーギャップの再設定を行なった場合に
は、再度これらの手続が繰り返される(S701からS
706)。
【0046】図8は、本発明の第1の実施形態におい
て、キャリッジ13に設けられる突起133が、プリン
トヘッド131よりも低い高さを有するように所定の許
し代を有する理由を説明するための図である。
【0047】本実施形態において表されるディスクトレ
イ46は、光ディスク47をその中に埋没させて納める
ようになっている。従って、光ディスク47の印字面は
ディスクトレイ46の端縁側面の高さよりも低い位置に
ある。そのため、突起133の下端がプリントヘッド1
31の底面、すなわち各インクノズルの開口面と同一の
高さであるとすれば、ノズルから印字面までの距離が相
当長くなるようにペーパーギャップを設定しない限り、
突起133は、すぐにディスクトレイ46の端縁側面に
支えてしまう。そのため、キャリッジ13の突起133
はプリントヘッド131よりも低い高さを有するように
形成されている。換言すれば、突起133の下端は、プ
リントヘッド131の底面よりも僅かに上側にオフセッ
トされている。
【0048】このように、突起133がプリントヘッド
131よりも低い高さを有するように許し代が設けられ
ていることにより、実際の印刷動作の際には、インクノ
ズルから光ディスク47の印字面までの距離が、適切に
保たれる(図8(b)において隠れ線で表されるプリン
トヘッド131の底面参照)。
【0049】なお、この許し代の大きさは、ディスクト
レイ46の形状に応じて設定されるものであり、また、
必ずしも、図8に示したように、突起133がプリント
ヘッド131よりも低い高さを有するものには限られな
い。
【0050】以下に、本発明の第2の実施形態として、
キャリッジ13に設けられる突起133´がプリントヘ
ッド131よりも高い高さになるように所定の許し代を
有する場合について説明する。
【0051】尚、本実施形態のプリンタの基本的な構成
は、図1〜図4に示した第1の実施形態のものと略同様
であるので、その説明は省略する。
【0052】図9は、この第2の実施形態における記録
媒体の厚み確認動作の様子を表すための図であって、図
9(a)は、薄手の用紙がセットされているときの状態
を、図9(b)は、ディスクトレイがセットされて、か
つ、用紙不適合が判断されるときの状態を、それぞれ表
す。
【0053】図9(a)及び(b)に示すように、本実
施形態におけるキャリッジ13の突起133´はプリン
トヘッド131よりも高い高さを有するように形成され
ている。換言すれば、突起133´の下端は、プリント
ヘッド131の底面よりも僅かに下側に突出している。
尚、本実施形態において表されるディスクトレイ46´
は、図9(b)に示すように、光ディスク47の印字面
がディスクトレイ46の端縁部側面と略等しい高さ位置
になるように、光ディスク47を収納するものである。
【0054】さて、本実施形態においても、第1の実施
形態に関して図5に示したのと同様に、プリンタのペー
パーギャップの設定が、ユーザにより正しくなされてい
る場合は、スムースにキャリッジは移動される。これに
対して、ペーパーギャップの設定が正しく行なわれてい
ないときには、キャリッジ13の側面に設けられた突起
133´が記録媒体に支えてしまうことがある。
【0055】即ち、本実施形態においても、キャリッジ
13の側面に設けられた突起133´は、ペーパーギャ
ップの設定が正しく行なわれていない場合に、記録媒体
の検出端として機能する。そして、図5(a)に表すよ
うな状態や、図9(b)に表すような状態で、用紙厚確
認動作を行なう際のモータ制御部35における手続の流
れは、図7に示したのと同様のフローにより実行され
る。
【0056】従って、キャリッジ13に設けられた突起
133´が記録媒体の端縁部側面に当たってしまった場
合の電流値の上昇を捉えて、記録媒体の厚みと設定され
たペーパーギャップとが適合していないことを検出する
ことができる。
【0057】更に、本実施形態においては、突起133
´は、記録媒体の印刷面とプリントヘッド131の底面
とのヘッドこすれを防止するためのガード部材としても
機能する。即ち、図9(a)及び(b)に示すところか
ら明らかなように、本実施形態におけるキャリッジ13
の突起133´はプリントヘッド131の底面よりも下
側に突出しているので、ヘッドこすれを生じるような場
合には、それ以前に突起133´が記録媒体の端縁部側
面に当たってしまう結果、図7に示すように、キャリッ
ジモータ113の停止が命ぜられ(S707)、更に、
キャリッジモータ113が反転されて、キャリッジ13
をホームポジションに戻すような制御がなされる。従っ
て、記録媒体の印刷面とプリントヘッド131の底面と
のヘッドこすれを生じることが無い。
【0058】以上のように、突起133´の所定の許し
代は、キャリッジ13に設けられる突起133´がプリ
ントヘッド131よりも高い高さになるように許容する
こともできる。
【0059】尚、光ディスク47の印字面がディスクト
レイ46の端縁部側面の高さよりも低い位置になる第1
の実施形態と異なり、本実施形態においては、図9
(b)に示したように、光ディスク47の印字面がディ
スクトレイ46´の端縁部側面と略等しい高さ位置にな
るため、キャリッジ13にプリントヘッド131よりも
高い高さを有するように突起133´を設けたが、必ず
しも、上記のような場合に限られない。光ディスク47
の印字面とディスクトレイ46´の端縁部側面の高さと
の関係如何に拘らず、突起133´がプリントヘッド1
31よりも高い高さを有するようにすることもできる。
上述したペーパーギャップの設定が不適当な場合の記録
媒体の検出端としての機能やヘッドこすれを防止するた
めのガード部材としての機能だけを考慮すれば、突起1
33´がプリントヘッド131よりも低い第1の実施形
態よりも、本実施形態のように突起133´がプリント
ヘッド131よりも高い方が有効である。即ち、突起1
33´がプリントヘッド131よりも高い方が図7に示
した制御シーケンスにとってより有効と言える。
【0060】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、光ディスクを装着したディスクトレイのような極厚
手の記録媒体をプリンタで扱う際にも、ペーパーギャッ
プの設定間違いによる誤動作、用紙の咬み込み等を未然
に防止することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるプリンタのハードウ
エア構成を表す図。
【図2】図1に示したプリンタの用紙経路周辺の主要構
成部品を透視して描く図。
【図3】図1に示したプリンタにおけるプリントコント
ローラが有する機能の内容を説明するためのブロック
図。
【図4】図2における、ディスクトレイが用紙送りされ
て、主走査線の下にまで至った状態を表す図。
【図5】本発明の第1の実施形態における記録媒体の厚
み確認動作の様子を表すための図であって、図5(a)
は、動作開始前の状態を、図5(b)は、用紙の適合が
確認されるときの状態を、それぞれ表す。
【図6】本発明の第1の実施形態における記録媒体の厚
み確認動作の様子を表すための図であって、図6(a)
は、薄手の用紙がセットされているときの状態を、図6
(b)は、ディスクトレイがセットされて、かつ、用紙
不適合が判断されるときの状態を、それぞれ表す。
【図7】本発明の第1の実施形態における記録媒体の厚
み確認動作の際における制御手順を説明するためのフロ
ーチャート。
【図8】本発明の第1の実施形態において、キャリッジ
に設けられる突起が、プリントヘッドよりも低い高さを
有するように所定の許し代を有する理由を説明するため
の図。
【図9】本発明の第2の実施形態における記録媒体の厚
み確認動作の様子を表すための図であって、図9(a)
は、薄手の用紙がセットされているときの状態を、図9
(b)は、ディスクトレイがセットされて、かつ、用紙
不適合が判断されるときの状態を、それぞれ表す。
【符号の説明】
1 プリンタ 2 ホストコンピュータ 10 プリントコントローラ 13 キャリッジ 16 CPU 17 ROM 18 RAM 35 モータ制御部(モータ駆動制御手段) 36 設定電流値記憶部 37 比較対照部 38 判断部(判定手段) 39 回転制御部 41 表示制御部(表示制御手段) 46 ディスクトレイ 46´ ディスクトレイ 47 光ディスク 112 用紙送りモータ 113 キャリッジモータ 114 電流センサ(電流検出手段) 131 プリントヘッド 133 突起 133´ 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B65H 7/20 B41J 3/00 F 3F048 Fターム(参考) 2C058 AB10 AB11 AB12 AB22 AC07 AC11 AD01 AE02 AE05 AE08 AE17 AF03 AF15 AF17 AF25 AF31 BA01 GB18 GB30 GB47 GB52 2C061 AQ05 AS11 BB08 BB15 HH03 HJ05 HK07 HK11 HN02 HN22 2C062 RA01 2C064 DD08 DD15 EE17 2C480 CA01 CA02 CA30 CA54 EA01 EA27 3F048 AA05 AB01 AB05 BA06 BA08 BB02 BB05 BC03 BD07 BD08 CA02 CC15 DA08 DC17 EA03 EB37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ駆動制御手段により、 用紙送りモータを動作させて、副走査方向への用紙送り
    を行ない、 キャリッジモータを動作させて、プリントヘッドを搭載
    したキャリッジを主走査方向に移動させながら印刷を行
    なうプリンタにおいて、 前記モータ駆動制御手段は、 前記キャリッジモータの消費電流値を検出するための電
    流検出手段と、 該検出に係る電流値の情報を取得して、前記プリンタに
    装てんされている用紙種別に関する判断を行なう判定手
    段とを有しており、 前記用紙送りモータにより、印刷用紙が、キャリッジの
    移動する主走査線下に至るまで用紙送りを行なわせた状
    態で、 前記キャリッジモータの消費電流値を検出しつつ、前記
    印刷用紙上の所定の位置までキャリッジを移動させる過
    程において、 前記判定手段は、前記電流検出手段によって検出される
    消費電流値が、所定の値を超えたことをもって、用紙不
    適合であると判断するよう構成されてなることを特徴と
    するプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記プリンタは、 光ディスクを装着したディスクトレイを、前記用紙送り
    モータによって、当該プリンタの用紙経路内において移
    動させることが可能に構成されているとともに、 装てんされる用紙の種別に応じて、前記キャリッジを上
    下動させることにより、前記プリントヘッドとプラテン
    との間隙の大きさを設定するためのギャップ調節機構を
    有しており、 前記キャリッジには、 搭載されているプリントヘッドの高さに対して、所定の
    許し代を有する突起が設けられてあり、 前記ギャップ調節機構により設定した用紙の種別よりも
    厚い用紙が、前記主走査線下にある状態で、前記キャリ
    ッジを走査させた場合に、 前記突起が、装てんされている用紙の端縁側面に当接す
    るよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    プリンタ。
  3. 【請求項3】 前記プリンタは、 前記判定手段によって、用紙不適合であると判断された
    際に、 前記モータ駆動制御手段が、モータ駆動動作を停止させ
    るよう構成されていることを特徴とする請求項1、又
    は、請求項2記載のプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記プリンタは、 表示制御手段によって、画面に表示する情報を任意に書
    き換え可能な画面表示装置を備えており、 前記判定手段によって、用紙不適合であると判断された
    際に、 前記表示制御手段が、プリンタに装てんされている用紙
    に合わせた前記間隙の大きさに、前記ギャップ調整機構
    を設定し直すように促す旨の情報表示を、前記画面表示
    装置に対して行なわせるよう構成されていることを特徴
    とする請求項1、乃至、請求項3記載のプリンタ。
  5. 【請求項5】 副走査方向に用紙送りを行ない、プリン
    トヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させ
    ながら印刷を行なうプリンタの制御方法であって、 前記キャリッジが移動する主走査線下に記録用紙の一部
    が配置されるまで用紙送りを行なわせた状態で、 キャリッジ駆動用モータの消費電流値を検出しつつ、前
    記記録用紙上の所定の位置までキャリッジを移動させる
    過程において、 前記検出に係る電流値が、所定の値を超えたことを契機
    として、印刷動作を停止させることを特徴とするプリン
    タの制御方法。
  6. 【請求項6】 プログラムを格納するメモリを備え、プ
    ロセッサを用いてプログラムに従う処理を実行するコン
    ピュータに、 用紙送りモータによって、副走査方向に用紙送りを行な
    い、 駆動中の消費電流値を検出可能に構成されるにキャリッ
    ジモータによって、プリントヘッドを搭載したキャリッ
    ジを主走査方向に移動させながら印刷を行なうプリンタ
    を、制御させるためのプログラムであって、 前記用紙送りモータにより、印刷用紙が、キャリッジの
    移動する主走査線下に至るまで用紙送りを行なわせ、 前記印刷用紙上の所定の位置までキャリッジを移動させ
    る過程において、 前記検出に係るキャリッジモータの消費電流値が、所定
    の値を超えたこと契機として、用紙不適合に対応するた
    めの所定の処理を行なわせるように、前記コンピュータ
    を制御するためのプログラムを格納した、前記コンピュ
    ータが読み取り可能な記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記用紙不適合に対応するための所定の
    処理には、 前記キャリッジモータを停止させる処理、 及び又は、前記プリンタが備える表示装置に、用紙不適
    合状態である旨の情報を表示させる処理が含まれるもの
    であることを特徴とする請求項6記載のプログラムを格
    納した、前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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