JP2002219396A - 塗工装置、塗工方法およびこれらを用いて製造されたカラーフィルタ、またはカラー液晶表示装置 - Google Patents

塗工装置、塗工方法およびこれらを用いて製造されたカラーフィルタ、またはカラー液晶表示装置

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JP2002219396A
JP2002219396A JP2001315685A JP2001315685A JP2002219396A JP 2002219396 A JP2002219396 A JP 2002219396A JP 2001315685 A JP2001315685 A JP 2001315685A JP 2001315685 A JP2001315685 A JP 2001315685A JP 2002219396 A JP2002219396 A JP 2002219396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗液中のポリマーゲル・粒子凝集物等の異物捕
捉性能が良好で、ポリマーゲル・顔料凝集物およびそれ
らの混合体の分散/破砕効果を有し、塗液起因の異物塗
布欠点がなく、また、濾過装置内部の残存エアーを極小
化して膜厚均一性の高い高品位の塗膜が得られる枚葉塗
工装置、枚葉塗工方法を提供する。また、かかる枚葉塗
工方法および装置を用いたカラーフィルタの製造方法と
そのカラーフィルタを用いたカラー液晶表示装置を提供
する。 【解決手段】塗液を非定常的に供給する塗工装置におい
て、フィルタを具備するとともに、該フィルタの濾材の
ヤング率が200MPa以上であり、かつ、該フィルタ
の孔径が0.05μm以上100μm以下であることを
特徴とする塗工装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被濾過液体の供給
が非定常的である工程を有する装置または方法、特に、
枚葉塗工装置および枚葉塗工方法に関し、さらに詳しく
は精密塗工用の枚葉塗工において塗液の濾過を良好とな
した枚葉塗工装置および枚葉塗工方法に関するものであ
る。加えて、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタを作
成するために基板上に塗膜を形成する場合のほか、液体
状の塗液を枚葉方式で供給される被塗工材の表面に間欠
的に塗工を行う場合において、塗液起因の異物欠点がな
く塗工する場合に好適な枚葉塗工装置、枚葉塗工方法お
よびこれを用いて製造する表示デバイス用カラーフィル
タ、カラー表示デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、光学フィルタ用のプラスティ
ック基板や、液晶ディスプレイ用のガラス基板、カラー
フィルタ用のガラス基板などのように、塗工方向の長さ
が2mにも満たないような比較的小さな基板に様々な塗
料を薄く、しかも均一に塗布することが強く要請されて
いる。工業的にこのような基板に塗膜を形成するために
は、被塗工材を1枚ずつコータに供給し、塗料を供給・
塗布し、乾燥などの次工程に搬送する枚葉塗工方式を採
用することになる。
【0003】従来、枚葉塗工方法としては、スピンコー
タ、ロールコータ、バーコータ、ダイコータ等、およ
び、これらを組み合わせた方法が広く用いられている。
【0004】スピンコーティング法は、半導体ウエハの
フォトレジスト塗布に広く用いられている方法であり、
回転する基板の表面中央に塗液を滴下することにより塗
膜を形成するものである。カラーフィルタ用途では例え
ば特開昭63−107769号公報に開示されている。
スピンコーティング法により得られる塗膜は、例えば特
開平6−348023号公報や特開平7−261378
号公報に開示されているように、塗液のレオロジー特性
をニュートニアン化することにより、基板の全範囲にわ
たって膜厚をかなり精度良く均一化できるが、塗液が非
ニュートニアンであったり粘度が高い場合は、回転中央
部に膜厚の厚い部分が生じ、膜厚均一性が低下する。加
えて、所定の膜厚を得るための塗液の使用量が著しく多
く、経済面での欠点を持っている。
【0005】ロールコーティング法は、ゴムロールを介
して塗液を基板に転写する方法であり、長尺の被塗工
材、ロール状の巻き取られた被塗工材への塗工を行うこ
とができる。しかし、塗液がパンからアプリケーション
ロール、基板へ順次送られる関係上、塗液が空気に曝さ
れる時間が長く、塗液の吸湿による変質が起こりやすい
のみならず、異物の混入も発生しやすい。
【0006】バーコーティング法は、ロッドに細いワイ
ヤを巻いたバーを用いて基板にペーストを塗布する方法
であり、特開平2−258081号公報などに開示され
ている。この方法では、ロッドに巻かれたワイヤが基板
に直接接するため、ペーストが非ニュートニアンであっ
たり粘度が高い場合は、レベリング性が悪く、ワイヤの
跡が残るといった欠点を持っている。
【0007】塗液によっては前記コータでも十分である
が、近年に至って、ダイコータを用いることが提案され
ている。そして、ダイコータをカラーフィルタの製造に
応用する提案が特開平5−11105号公報、特開平5
−142407号公報、特開平6−339656号公
報、特開平8−229482号公報、特開平8−229
497号公報などにおいてなされている。
【0008】ダイコータは、従来から厚膜塗工や、高粘
度塗料を連続塗布する用途に広く採用されており、ダイ
コータを用いて被塗工材に塗膜を形成する場合には、米
国特許第4230793号明細書、米国特許第4696
885号明細書、米国特許第2761791号明細書に
見られるようにカーテンフロー法、押し出し法、ビード
法などの塗工方法が知られる。通常、ダイコータの口金
に設けられたスリットから塗料を吐出して、口金と一定
の間隔を保って相対的に走行する被塗工材との間に塗料
ビードと呼ばれる塗料溜りを形成し、この状態で被塗工
材の走行に伴なって塗料を引き出して塗膜を形成する。
そして、塗膜形成により消費される塗料と同量の塗料を
スリットから供給することにより塗膜を連続的に形成す
るビード法を採用すれば、形成された塗膜は膜厚の均一
性をかなり高精度に達成できる。また、塗料の無駄が殆
どなく、さらにまた、スリットから吐出されるまで塗料
送液経路が密閉されているので、塗料の変質、異物の混
入を防止でき、得られる塗膜の品質を高く維持できる。
【0009】しかしながら、特開平8−229482号
公報、特開平8−229497号公報に詳細に記載され
ているように、ダイコータを用いる方法は均一な塗膜を
得ることが非常に困難であり、均一膜厚の塗膜を得よう
とすると塗工装置も複雑化する。したがって、上記ロー
ルコータ、バーコータ、ダイコータなどの簡便な直線塗
布方法とスピンコータを組み合わせて均一な塗膜を得る
枚葉塗工方法が特開平8−332436号公報などで提
案されている。
【0010】例えば、カラー液晶表示装置用カラーフィ
ルタにこれらの枚葉塗工方法を適用する場合、塗膜に突
起異物欠点が存在すると、対向基板とカラーフィルタ基
板が接触して導通しコモンショートと呼ばれる現象が発
生、輝点や輝線、黒点や黒線といった表示不良が発生す
る。このような事態を回避するためには、カラーフィル
タ基板上にコモンショートを発生させる突起異物欠点が
存在しないことが求められる。塗膜形成工程で塗液起因
の突起異物欠点を抑制するため、通常次のような対策が
施される。すなわち、被塗工材を装置内に供給して、塗
液を間欠的に供給・塗布し、乾燥などの次工程に被塗工
材を搬送するという一連の枚葉塗工工程において、例え
ば特開平8−229497号公報中に図示されているよ
うに、塗液を被塗工材に間欠的に供給・塗布する経路中
で、塗液中に含まれる異物、すなわち、塗液の製造工程
から混入する環境異物、また、塗液がポリマー溶液また
はポリマー前駆体溶液である場合は、ポリマーゲルやモ
ノマー残渣不溶物などの異物、塗液がスラリーである場
合は粒子の凝集物などやバインダー樹脂(ポリマーまた
はポリマー前駆体、感光性バインダーを用いる場合はそ
の前駆体等)起因の異物を濾過して除去することが一般
的に行われている。
【0011】通常、これら濾過に用いられるフィルタと
しては、ポリプロピレン・ポリエチレン・四フッ化エチ
レン等の樹脂濾材などを用い、これらを不織布状に加工
してディスク形状としたもの、または不織布をプリーツ
状に加工または巻き物状に加工してカプセル内に納めた
もの、また、メンブレンフィルタとして、同様にディス
ク状、プリーツ状、巻き物状としたものなどが挙げられ
る。特に、フッ素系樹脂の不織布フィルタおよびメンブ
レンフィルタは耐溶剤性が良好であるため好適に用いら
れている。一般的に、塗液に粒子を含まないポリマー溶
液またはポリマー前駆体溶液の場合は0.05〜3μm
の精密な濾過精度を持つメンブレンフィルタ、塗液中に
粒子を含む場合は塗布欠点となる粗大粒子のみを除く目
的で、得たい目標粒子径に応じて濾過精度を最適化した
不織布フィルタが用いられる。例えば、カラーフィルタ
用顔料分散カラーペーストで、0.1μm以下の顔料粒
子径を目標とするスラリー塗液を2μmの膜厚で塗布す
る場合については、2μm以上の粗大粒子を除去するの
が理想的で、孔径2μmの不織布フィルタを用いれば粗
大粒子除去の目的は達成されると考えられる。
【0012】枚葉塗工装置において、塗液を間欠的に濾
過する頻度を減らすために、図3に示すように、塗液タ
ンク1から塗工ヘッド(ダイ口金)7の間にバッファタ
ンク2を設け、バッファタンク2の手前でフィルタ6に
より濾過を行うことも考えられるが、特開平11−31
9675号公報にも記載されているように、塗工ヘッド
(ダイ口金)7の直前にフィルタ6を設置する方が異物
欠点抑制の点からは好ましく、また計量ポンプ(定量ポ
ンプ)4の前にもフィルタ6を設置してもより異物欠点
抑制に効果があるが、ヤング率の低い樹脂製濾材フィル
タを用いてこのような構成にしただけでは、濾過回数が
減少するだけで、濾過による本質的な粗大粒子捕捉およ
び後述するポリマーゲル、顔料凝集物およびそれらの混
合体の分散/破砕効果による塗布時の異物欠点抑制には
ならない。
【0013】フィルタの形状としては前述のように種々
のものが用いられるが、均一な膜面を形成するために、
特にフィルタ内部の空隙容積が小さく枚葉塗工時の吐出
応答性が良好な、特開平5−208号公報に示されるよ
うな、ディスク状のフィルタを上流側と下流側の2つの
ハウジングで挟みこみ、ハウジング間に一対の環状パッ
キンを配置した濾過装置が好んで用いられる。この濾過
装置は上流側ハウジングに塗液の流入口を備えており、
流入口から供給された塗液は前記フィルタで濾過され
て、下流側ハウジングに備えられた流出口から濾過装置
外に排出される。
【0014】しかしながら、このような濾過装置におい
ては、上流側および下流側ハウジングの端部で塗液が滞
留しやすい。特に下流側ハウジング内で長時間滞留する
と、塗液が劣化し、劣化により発生した異物が濾過した
塗液とともに塗布装置に供給されて、基板に塗布される
ことになるので、塗布面に欠点が生じてしまうという問
題がある。
【0015】また、ダイコータを用いて枚葉塗布を行う
場合、各基板毎に塗液を間欠的に供給・濾過するため
に、特に塗布開始・終了時に大きな圧力変動が生じる。
塗液流路内にエアーが残留していると、各基板の塗布毎
に生じる圧力変動によって、残留したエアーが膨張・収
縮することにより、塗布開始時および終了時の塗液の吐
出応答性が低下して、製品の膜厚不良領域が大きくな
る。それを防ぐためには、塗布前には、塗液供給タンク
からダイまでのエアーを完全に排出し、塗液で充満す
る、いわゆるエアー抜き作業が必須となる。実際には、
濾過装置内のエアーを完全に排出することは困難であ
り、特に粘度が100mPa・s以下の塗液では、フィ
ルタの上流側に多量のエアーが残留して、吐出開始時お
よび終了時の膜厚が不安定になることが実験より判明し
ている。
【0016】濾過装置内に残留するエアーを除去する方
法としては、特開平11−28323号公報に記述され
ているように、濾過装置のハウジングにエアー抜き用の
排出口を設けるのが一般的である。しかしながら、濾過
装置に排出口を設けると、排出口付近で塗液が滞留し
て、劣化しやすい塗液では異物が発生してしまう。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を解消せんとするものであり、その目的とす
るところは、前述のような塗液中のポリマーゲル・粒子
凝集物などの異物捕捉性能が良好で、かつ後述するポリ
マーゲル、顔料凝集物およびそれらの混合体の分散/破
砕効果により、塗液起因の異物塗布欠点がなく、また、
濾過装置内部の残存エアーを極小化して膜厚均一性の高
い高品位の膜面が得られる枚葉塗工装置を提供すること
にある。
【0018】また、本発明の他の目的は、かかる枚葉塗
工装置を用いたカラーフィルタの製造方法とそのカラー
フィルタを用いたカラー表示デバイス、枚葉塗工方法お
よびこれを用いたカラーフィルタ、カラー表示デバイス
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は以下
の[1]〜[6]に記載した構成により基本的に達成さ
れる。
【0020】[1]塗液を非定常的に供給する塗工装置
において、フィルタを具備するとともに、前記フィルタ
の濾材のヤング率が200MPa以上であり、かつ、前
記フィルタの孔径が0.05μm以上100μm以下で
あることを特徴とする塗工装置。
【0021】[2]塗液を間欠的に供給する枚葉塗工装
置において、吐出ノズル部より上流側にフィルタを具備
するとともに、前記フィルタの濾材のヤング率が200
MPa以上であり、かつ、前記フィルタの孔径が0.0
5μm以上100μm以下であることを特徴とする枚葉
塗工装置。
【0022】[3]前記[1]または[2]に記載の枚
葉塗工装置を用いて塗布することを特徴とする枚葉塗工
方法。
【0023】[4]前記[3]に記載の塗布方法を用い
ることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【0024】[5]前記[4]に記載の製造方法により
製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
【0025】[6]前記[5]に記載のカラーフィルタ
を用いたことを特徴とするカラー液晶表示装置。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。
【0027】本発明において、塗液を非定常的に供給す
るとは、例えば、塗液の供給速度および/または供給圧
力が頻繁に変動(特にフィルタ部分において)するもの
である。この場合の変動とは、下流へ塗液を供給して塗
布等の作業を行う通常状態に対して、前記塗布等の作業
の一旦停止や次工程移行などにより、送液速度乃至は圧
力が低下する変動状態の少なくとも2つの状態を有する
ものである。本発明の効果が好適に発揮されるのは、供
給速度比(変動状態の供給速度/通常状態の供給速度)
が80%以下(より好適には50%以下、更に好適には
20%以下)の範囲となるように変動する場合、また
は、供給圧力比(変動状態の供給圧力/通常状態の供給
圧力)が80%以下(より好適には50%以下、更に好
適には20%以下)の範囲となるように変動する場合で
ある。また、本発明の効果が好適に発揮されるのは、前
記変動のサイクルが600秒以下(より好適には300
秒以下、更に好適には60秒以下)の範囲の場合であ
り、あるいは、前記変動のサイクルが、途中でフィルタ
の交換などの調整無しで、50回以上(より好適には2
50回以上、更に好適には500回以上)の範囲で繰り
返された場合である。端的な場合、供給速度が0の場合
であり、これは枚葉塗工のケースに該当する。枚葉塗工
の場合は、フィルタ部と塗工部の間にバッファータンク
を設けない限り、フィルタ部における塗液供給速度は実
質上停止するシークエンスを必要とする。なお、本発明
における枚葉塗工方法もしくは装置とは前述の通り被塗
工材を1枚ずつ塗布する方法もしくは装置であればいず
れでも良く、前述のスピンコーティング法、ロールコー
ティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法
に加え、スプレーコーティング法、ノズルコーティング
法等の方法でも構わない。また、連続塗工と枚葉塗工の
区別は、前者が塗膜が定常塗工状態になるまでの非定常
部位をカットした後、定常部位のみを連続的に利用する
塗工であるのに対し、後者が塗工初期から塗工終端まで
の全ての部位を1枚の部材として利用する塗工として区
別する。本発明は後者の枚葉塗工方法および装置に関す
るものである。以後、ダイコータの枚葉塗工装置を例と
して説明するが、枚葉塗工装置はこれに限定されるもの
ではない。
【0028】図1は本発明の枚葉塗工の一例を示す概念
図であり、塗液タンクからダイ口金までの流れを示した
ものである。塗液タンク1から圧送により塗液タンク1
の下流に設けられたバッファタンク2に塗液を送液す
る。次にバッファタンク2の下流に設けられた切替弁3
を開くと同時に切替弁3の下流に設けられたシリンジポ
ンプ(定量供給ポンプ)4の吸引を開始し、塗液を吸引
する。シリンジポンプ4での塗液の吸引量Q(g)は、
被塗工材上に塗工する塗膜の面積S(m2 )と膜厚t
(μm)および塗布塗液の固形成分濃度c(重量%)に
より決定される。塗膜の比重をρ(g/cm3)とすれ
ば、Qは理論的には以下のように求められる。
【0029】 Q=S・t×10-6・ρ×106/c×102 塗液が所定量吸引された後、切替弁3を閉じると同時に
シリンジポンプ4の下流に設けられた切替弁5を開け、
シリンジポンプ4の送液を開始する。この動作によりス
テージ8上の被塗工材とダイ口金7間に塗液の液だまり
が形成され、その後ステージ8をダイ口金7に対して相
対的に移動させることにより塗膜を形成する。ダイ口金
7から被塗工材へ塗液が吐出されている時間T(S)
は、タクトタイムの要請から一義的に決定されているた
め、シリンジポンプ4の送液速度v(g/s)は以下の
ように求められる。
【0030】v=Q/T ここで、フィルタ6の濾過面積をSf(m2)とすれば、
濾過速度vf(g/s・m3)は以下のように求められ
る。
【0031】vf=v/Sf ステージ8の移動が被塗工材の終点に達した時点で切替
弁5を閉じ、枚葉塗工を終了する。
【0032】本発明においては、ダイ口金7より上流側
にフィルタ6を具備した枚葉塗工装置において、ヤング
率が200MPa以上のフィルタ濾材を用いることを特
徴とする。
【0033】濾過精度を最適化したフィルタを具備した
枚葉塗工装置を用いて塗工を行っても、従来技術のよう
に濾材が樹脂、すなわち、軟質でヤング率が小さい材質
のフィルタを用いると、特に粗大ポリマーゲルや粒子の
粗大凝集物は完全には濾過しきれず、被塗工材上にこれ
ら異物がそのまま塗布されるために塗工欠点となる。こ
のメカニズムは、次のように説明される。
【0034】前述のカラーフィルタ用顔料分散カラーペ
ーストの枚葉塗工を例に考察する。0.1μm以下の顔
料粒子をバインダーである感光性ポリマー前駆体溶液ま
たは非感光性ポリマー溶液中に分散させた塗液を、上述
のスピンコータ、ロールコータ、バーコータ、ダイコー
タなど、またはこれらを組み合わせた枚葉塗工装置によ
り塗布を行う。この枚葉塗工装置において、塗液供給タ
ンクから最終的に被塗工材へ塗工されるまでの塗工ヘッ
ド(塗工装置により名称は異なる。例えばスピンコータ
の場合は吐出ノズル、ダイコータの場合はダイ口金)ま
での間に、2μm以上の粗大粒子を捕捉するとされる樹
脂濾材不織布フィルタを用いて濾過を行っても、枚葉塗
工方式であるが故に、塗液が間欠的に供給・濾過され、
供給・濾過毎の圧力変動により、軟質である樹脂濾材不
織布フィルタの孔径が2μm以上となり、2μmを越え
る顔料凝集物または顔料分散カラーペースト固化物やポ
リマーゲル、感光性ポリマー前駆体不溶物等の粗大粒子
が流出して塗工欠点となると考えられる。
【0035】この考察に従えば、塗工分野以外で同様の
濾過工程を有する場合にも好適に応用することも考えら
れる。ヤング率が200MPa未満の濾材を用いると、
間欠送液時の急峻な濾過圧変動によりフィルタの孔径が
変化し、所望の濾過精度が得られず、塗液の製造工程か
ら混入する環境異物、また、塗液がポリマー溶液である
場合は、ポリマーゲルやモノマー残渣等の異物、塗液が
スラリーである場合は粒子の凝集物などやバインダー樹
脂(ポリマーまたはポリマー前駆体、感光性バインダー
を用いる場合はその前駆体等)起因の異物が捕捉されず
に塗布欠点となる。濾材のヤング率は、より好ましくは
500MPa以上、さらに好ましくは1000MPa以
上であればよい。ヤング率の高い濾材を用いることによ
って、間欠送液時の急峻な濾過圧変動によってもフィル
タ孔径が変化せずに異物が捕捉され、かつ後述するポリ
マーゲル、顔料凝集物およびそれらの混合体の分散/破
砕効果により、異物欠点のない高品位な塗膜を得ること
ができる。また、フィルタ内部での異常滞留部でポリマ
ーゲルが発生した場合においても、同様の効果が期待で
きる。なお、濾材のヤング率は高ければ高いほど好まし
い。
【0036】濾材のヤング率は、表1の注2中に記載の
ように、樹脂の場合はJIS K6911に基づく方法
で、セラミックの場合はJIS R1602に基づく方
法で、金属その他材料の場合は一般的な材料試験に用い
る引っ張り試験機にて測定を行う。
【0037】このようなヤング率を持ち、かつ濾材とし
て使用可能な材料としては、グラスファイバー、多孔質
セラミック、焼結金属等があるが、特にこれらに限定さ
れない。アルカリ金属溶出分がないこと、一般的で入手
容易かつ低コストという点で焼結金属が好ましい。金属
材料としては、防錆の点でステンレスを用いることが好
ましい。焼結金属フィルタは、繊維状金属を焼結したも
のとパウダー状金属を焼結したものがあるが、そのいず
れでも構わない。
【0038】また、塗液が顔料分散液のごとく帯電した
粒子を含む場合は、フィルタ濾材と該帯電粒子とのフィ
ルタ濾材層内での送液時に摩擦による帯電量増加で粒子
の凝集が発生するため、帯電を放電する働きのある導電
性の金属性フィルタ、特に焼結金属フィルタが有効であ
る。
【0039】本発明においてフィルタは、材料的力学特
性であるヤング率と並んで、構造的力学特性の観点から
も、ある程度の性能を有することが好適であり、フィル
タを構成する格子の幅および/または厚さは、好ましく
は0.05μm以上100μm以下(より好ましくは
0.05μm以上5μm以下、更に好ましくは0.2μ
m以上20μm、特に好ましくは0.5μm以上10μ
m以下)の範囲である。前記数値範囲の下限値を下回る
とフィルタ格子の変形乃至は切断する等の恐れがあり好
ましくない。また、前記数値範囲の上限値を上回ると、
濾過効率の低下や細かい孔径精度を保持することが困難
になるなどの問題があり好ましくない。また、前記数値
範囲の径を有する格子を複数層積層することも良く、好
ましくは5層以上(より好ましくは10層以上、更に好
ましくは20層以上)である。積層数の上限については
特にないが、余り多いと濾過抵抗が増大するなどの問題
があり、これは後述のフィルタ孔径によって大きく影響
されるので、一概に上限を規定することはできない。積
層方法としては、例えば、材質が金属の場合では、一方
向乃至はランダムに配向した細線よりなる単層を積み重
ねて、適当な圧力をかけ、さらに必要に応じて焼結し
て、交差点が塑性変形させて固定させればよい。
【0040】また、フィルタ孔径については、0.05
μm以上100μm以下のフィルタを用いることが好ま
しい。孔径が0.05μm未満のフィルタを用いるとフ
ィルタ圧損が高くなりすぎて送液が困難となり、また、
孔径が100μmより大きいフィルタを用いると捕捉す
べき異物が通過してしまうので好ましくない。塗液に粒
子を含まないポリマー溶液またはポリマー前駆体溶液の
場合は、孔径は小さければ小さいほど好ましく、より好
ましくは0.05μm以上5μm以下である。塗液中に
粒子を含む場合は塗布欠点となる粗大粒子のみを除く目
的で、得たい目標粒子径に応じて濾過精度を最適化する
ことが好ましい。例えば、カラーフィルタ用顔料分散カ
ラーペーストの場合、顔料の粒径が0.1μm以下であ
ることから、0.2μm以上20μmが好ましく、より
好ましくは0.5μm以上10μm以下である。
【0041】フィルタ孔径とはJIS K3832記載
のバブルポイントによる測定から求められる孔径であ
る。
【0042】本発明に適する塗液は、塗液中に粒子を含
まないポリマー溶液またはポリマー前駆体溶液、およ
び、塗液中に粒子を含むスラリーのいずれでも構わな
い。前者の場合、ポリマーゲルやモノマー残渣不溶物等
の異物、後者の場合、粒子の凝集物等やバインダー樹脂
(ポリマーまたはポリマー前駆体、感光性バインダーを
用いる場合はその前駆体等)起因の異物を濾過して除去
することができ、高品位の膜面を得ることができる。
【0043】塗液の粘度は100,000mPa・s以
下であることが好ましく、10,000mPa・s以下
がより好ましい。100,000mPa・sより大きい
場合、濾過での圧損が大きくなりフィルタでの通液が困
難となる。また、圧損が過大になると、所望のフィルタ
孔径が変化するので好ましくない。
【0044】なお、粘度は、1200mPa・sより小
さい低粘度領域ではE型粘度計(コーン回転型粘度
計)、それ以上の高粘度領域ではB型粘度計(筒回転型
粘度計)により測定したものである。
【0045】濾過速度については、100g/s・m2
以上であることが好ましい。詳細は不明であるが、特に
ヤング率の高い硬質フィルタを用いた場合、驚くべきこ
とに、ゲルや粒子凝集物の分散/破砕効果があることが
確認できており、この効果をより効果的に発現させるた
めに、好ましくは200g/s・m2以上、より好まし
くは300g/s・m2以上である。ダイコーティング
方式の場合、前述の算出式で濾過速度を求めることがで
きる。
【0046】また、樹脂製ディスク形状のフィルタの場
合、その材質および形状のためにフィルタとしての耐圧
性が低く、フィルタ背面に耐圧板(通常は多孔板、本発
明では以下スクリーンと称す)を用いないとフィルタが
たわんでしまうため、適用する枚葉塗工装置の構成によ
っては、スクリーンを用いることが必要となる。この場
合も、ヤング率が200MPa以下の濾材では、スクリ
ーン上でフィルタが圧縮され、塗液がフィルタ内部で異
常滞留を起こし、フィルタ内部で塗液が固化する、塗液
がポリマー前駆体溶液である場合は、ポリマーゲルやモ
ノマー残渣不溶物等の異物が発生する、塗液がスラリー
である場合は粒子の凝集物等やバインダー樹脂(ポリマ
ーまたはポリマー前駆体、感光性バインダーを用いる場
合はその前駆体等)起因の異物が発生する等の弊害が生
じる。したがって、ディスク形状のフィルタでスクリー
ンを用いる場合も、濾材のヤング率は200MPa以上
であることが好ましい。また、好ましくは濾材のヤング
率が1000MPa以上のフィルタを用いれば、ディス
ク形状のフィルタであっても、フィルタ背面にスクリー
ンが不要となり、フィルタとスクリーン界面での塗液の
異常滞留を抑制することができ、ひいては前述のような
異常滞留起因の異物発生を抑制することができる。
【0047】ディスク形状のフィルタを使用した濾過装
置を備えた塗工装置に関して更に詳述する。図4は流路
が直線的である本発明の塗工装置に備えられた濾過装置
の一実施例を示す断面図、図5は流路が曲線的である本
発明の濾過装置の他の実施例を示す断面図、図6は従来
の濾過装置を示す断面図、図7は従来の濾過装置のシー
ル部を示す拡大断面図、図8は上流側スクリーンの一実
施例を示す平面図、図9は下流側スクリーンの一実施例
を示す平面図である。
【0048】図4には本発明になる塗工装置に備えられ
た濾過装置10が示されている。濾過装置10は、塗液
中の異物を捕捉するディスク状のフィルタ13の周囲に
デッドスペースを実質上形成しない環状シール材17を
配置して、上流側スクリーン14および下流側スクリー
ン15で挟みこんだものを、環状パッキン16を介して
上流側ハウジング11と下流側ハウジング12で挟みこ
んで構成されている。ここで、上流側スクリーン14、
および下流側スクリーン15はフィルタ13を支持する
役割を有し、さらに塗液を自由に通過させねばならない
ので、図8に示すような金属製円板に多数の孔を設けた
ものを通常使用する。なお、図8は上流側スクリーンの
一実施例を示す平面図としたが、場合によっては、下流
側スクリーンに用いても良い。逆に図9についても同様
であり、即ち、図9に示したスクリーンを下流側スクリ
ーンに用いても良い。また、図4において、塗液は上流
側ハウジング11に備えられた流入口18から供給さ
れ、フィルタ13に向かって円錐形状に拡大する流路を
通過して、フィルタ13で濾過された後、下流側ハウジ
ング12に備えられた流出口19に向かって、円錘形状
に縮小する流路を通過して排出される。そして、濾過装
置10は図示しないブラケットによって、流出口19を
上向きにして、塗液が上向きに流れて濾過されるように
固定されている。
【0049】図6には従来の濾過装置30が示されてい
る。本発明になる濾過装置10とは、上流側ハウジング
31および下流側ハウジング32の内部流路が拡大・縮
小のない円筒形状である点、フィルタ13の周囲にデッ
ドスペースを実質上形成しない環状シール材17がな
く、下流側スクリーン15と下流側ハウジング32の間
を環状パッキン16のかわりに、Oリング37でシール
する点、上流側スクリーン14と下流側スクリーン15
が同じものである点、が異なる以外は同じである。図7
には濾過装置30でのOリング37と環状パッキン16
で上流側スクリーン14、フィルタ13、下流側スクリ
ーン15を挟みこんで、シールを行っている状況がより
詳細に示されている。従来の濾過装置30では、その構
成上、フィルタ13の周辺にデッドスペースBが生じる
が、図示した本発明の1実施形態の濾過装置10では、
そのようなデッドスペースBは生じない。
【0050】本発明の塗工装置に備えられた濾過装置1
0は、従来の濾過装置30に比べて、その構成により滞
留を低減する効果を有する。次にそれについて説明す
る。
【0051】まず図4(または5)に示した濾過装置1
0(または20)のように、本発明では、上流側ハウジ
ング11(または21)の内部に形成される塗液の流路
を流入口18(または28)からフィルタ13に向かっ
て滑らかに拡大させた形状および/または、下流側ハウ
ジング12(または22)の流路をフィルタ4から流出
口19(または29)に向かって滑らかに縮小させた形
状を有している。その拡大・縮小の割合は、式(1)お
よび/または(2)を満たすことが必要である。
【0052】 0.025≦hIN/(dFLT−dIN)≦1 (1) 0.1≦hOUT/(dFLT−dOUT)≦1 (2) dIN :流入口径[mm] dOUT:流出口径[mm] dFLT:フィルタ13で実際に濾過に使用される径[m
m] hIN :流入口18からフィルタ13までの距離[m
m] hOUT:流出口19からフィルタ13までの距離[m
m] ここでいう、流路とは、処理流体(塗液、未濾過液、濾
過済液等)の流れを律する構造体、内壁、ないしは導管
などを指す。この場合、ハウジングの内壁であると考え
て良い。なお、ここで、フィルタ13で実際に濾過に使
用される径とは、濾過におけるフィルタの有効面積の径
に相当する。例えば、フィルタ自体の径が大きくとも、
環状パッキンや環状シール材で塗液の流路が阻まれてい
たらその分、実際に濾過に使用される径は小さくなる。
図4、5では、フィルタの環状パッキンにより覆われて
いない部分の径が実際に濾過に使用されている径とな
る。また、本発明の濾過装置は、その垂直断面(上流−
下流方向に対して垂直の平面で切断した断面の意)はお
およそ円形(この場合、前記の径とは前記円形の直径と
なる)であることが好ましいが、場合によっては楕円そ
の他の閉曲線形であっても良い。その場合、径(流入出
口径、フィルタで実際に使用される径等)は、当該垂直
断面を等面積的に円に変換したときの当該円の直径とす
る。なお、 位置a:流入口と上流ハウジングとの接合部分 位置b:フィルタ上流側の面 位置c:フィルタ下流側の面 位置d:下流ハウジングと流出口とハウジングとの接合
部分 とすると、hINとhOUTにおける距離とは、それぞれ、
濾過装置における流体の進行方向(濾過装置の長軸方向
やフィルタ厚さ方向でもよい)で測った、位置a−b間
の距離と位置c−d間の距離である。塗液の流路をこの
ような形状に形成すると、従来の濾過装置30のハウジ
ング端部の滞留部Aのような殆ど流れが生じない箇所
(滞留箇所)がないので、濾過装置10内での滞留を大
幅に低減することができる。拡大・縮小の割合が1以下
(好ましくは0.3以下)である必要があり、これより
大きいと、内部の流路容量が大きくなるので、濾過装置
10内の塗液を新たな塗液で完全に置換するのに必要な
時間が増大し好ましくない。また、拡大・縮小の割合が
上流側で0.025以上(好ましくは0.1以上、より
好ましくは0.15以上)、下流側で0.1以上(好ま
しくは0.15以上)である必要があり、これより小さ
いと、塗液が流路で均一に流れにくくなるので好ましく
ない。この流路形状により滞留を低減させる効果は可視
化による流れの検証からも確認している。また、図5に
示す本発明の別の濾過装置20は、上流側ハウジング2
1および下流側ハウジング22の流路が円錐形状ではな
く、円錘形とアール面を組み合わせた形状である以外は
濾過装置10と同じであるが、濾過装置10と同様に流
れが全く生じない部分が実質上なく、そのため滞留がほ
とんど生じないという特徴を有する。
【0053】なお、本発明において、滑らかであると
は、デッドスペースを実質上有しないことである。ここ
でいうデッドスペースとは気体や塗液が滞留し易いハウ
ジングの箇所である。具体的な例としては、図4、5の
断面((上流−下流方向に対して平行の平面で切断した
断面)において、1つの角(3mm以下のRを有するも
のも含む)を挟んだ2つの壁面により形成される形状で
ある。仮にかかるデッドスペースが有ったとしても、ハ
ウジング内部から計った2つの壁面の成す角度が150
〜180°(より好ましくは170〜180゜)または
2つの壁面に挟まれた角を起点とする壁面の長さの短い
方が1μm以下(より好ましくは0.1μm以下)であ
るならば、実質上デッドスペースが存在しないものと考
えても良い。
【0054】本発明においては、上流または下流の流路
の少なくとも一方が、上記の通り、滑らかな拡大した形
状または滑らかに縮小した形状を有していることが好ま
しい。勿論、上下流の流路とも前述のように滑らかな形
状であることが好ましい。しかし、一方のみでも効果が
あり、その場合、滞留して発生する異物を濾過できるこ
とを考慮すると、上流の流路のみが滑らかに拡大した形
状であるよりも、下流の流路のみが滑らかに縮小した形
状を有している方が好ましい。
【0055】また、本発明に用いられるフィルタの形状
については特に限定されるものではなく、多角形状、楕
円形状、またはその他の曲線形状等が挙げられるが、フ
ィルタ全面で均一に濾過を行なうという点でディスク形
状であることが好ましい。なお、図4〜7では、既に示
したとおり、ディスク形状のフィルタの例を挙げてい
る。
【0056】さらに濾過装置10のディスク状フィルタ
13の下流側に隣接して配置される下流側スクリーン1
5の開口率は60%以上にすることが好ましく、より好
ましくは85%以上である。開口率が上記範囲内にある
と、圧力が付加されるフィルタ13を支持するための接
触面積が必要最小限となるので、フィルタ13と下流側
スクリーン15の接触面での滞留発生を防止することが
できる。開口率が60%より小さいと、接触面で塗液が
滞留しやすくなる。開口率を大きくして接触面積を小さ
くするには、図9に示すような幅1mm以下の線状物で
下流側スクリーン15を構成することが好ましい。
【0057】なお、適切なエアー抜き方法の実行が困難
な場合には、ディスク状フィルタ13に隣接して配置さ
れる上流側スクリーン14の開口率は10〜50%にす
ることが好ましく、より好ましくは15〜30%であ
り、下流側スクリーンについては好ましくは95%以下
である。開口率が上記範囲内にあると、ディスク状フィ
ルタ13の上流側に残留するエアーがフィルタ13を通
過する濾圧を高くすることができるので、エアーをフィ
ルタ13を容易に通過させて、流出口19から排出する
ことができる。そして、前記の通り、適切なエアー抜き
方法の実行が困難な場合には、上流側スクリーン14と
しては、図8に示すように円板形状の板材に多数の孔を
設けたものを用いることも好ましく、穴の直径はφ3m
m以下、より好ましくはφ0.5〜1mmにするが、開
口率を満足するなら、図9のような線状物で任意の形状
に構成してもよい。
【0058】次に本発明の塗工装置に備えられた濾過装
置10は、その構成から従来の濾過装置30に比べて、
容易にエアー抜きを行ったり、外部からのエアー侵入を
防止したりすることができるので、以下にその理由を説
明する。
【0059】濾過装置10では、フィルタ13の周囲に
デッドスペースを実質上形成しない環状シール材17を
配置しているので、図7に示すような従来の濾過装置3
0にあるエアー残留箇所であるデッドスペースBがな
く、デッドスペースBのエアーがフィルタ13に侵入す
ることを皆無にできる。また、フィルタ13として焼結
金属フィルタを用いる場合は、デッドスペースを実質上
形成しない環状シール材17をなくして、フィルタ13
の周縁をプレスして空隙をなくすことで、その代替とし
てもよい。ここでデッドスペースを実質上形成しない環
状シール材とは、前記環状シール材とそれに接する他の
部材(ハウジング、スクリーン、フィルタ)とぴったり
と密着して、隙間を形成しないものである。その為に
は、前記環状シール材は、それがはめ込まれる空間形状
に適合した形状を有し、かつ、適度の弾力を有する必要
がある。特に径方向にフィルタの大きさの誤差を吸収す
る為に弾力を有することは重要である。また、径方向に
は、前記環状シール材の内径側面は環状パッキンの内壁
側面よりも2〜5mm外周側にあることが好ましい。前
記数値範囲を下回ると、上流からの流体の一部がフィル
タを通らず素通りする恐れがあり、前記数値範囲を上回
ると環状シール材の外周部にエアーが残留して好ましく
ないことがあるからである。
【0060】また、濾過装置10は、下流側ハウジング
12の流路がフィルタ13から流出口19に向かって上
向きで滑らかに縮小される形状であるので、フィルタ1
3を通過したエアーは、その浮力によって流出口19に
集まり、容易に濾過装置10外に排出することができ
る。
【0061】以上の構成によって、エアーを容易に排出
し、さらに外部からのエアーの侵入もないことから、濾
過装置内に全くエアーが残らないため、圧力変動の大き
い塗布開始時および終了時の吐出応答性が残留エアーに
妨げられず、良好となり、膜厚が均一で高品位の膜面を
得ることができる。
【0062】さらに、本特許発明者は、エアーを効率よ
く排出するために、濾過装置の下流側に圧力計と弁をこ
の順で設置し、弁を閉じて塗液を送液して濾過装置の内
圧を上昇させ、圧力計による検知圧力が設定値に達した
時点で弁を急激に解放することにより、濾過装置内部の
残存エアーを吐出させることが著しく有効であることを
新たに発見した。これを図1を用いて具体的に説明す
る。フィルタ6からダイ口金7の間に圧力計と弁をこの
順で設置し、前述のように弁を閉じて塗液を送液する。
圧力計による検知圧力が規定値に達した時点で弁を急激
に解放させ、フィルタ6の内部に滞留している残存エア
ーを塗液と共に一気に吐出させる。この際、弁の解放は
圧力計と連動して自動で行うことが好ましいが、圧力計
を見ながら手動で実施しても構わない。自動で実施すれ
ば、定量供給ポンプ4が1回の吐出を行う間に、前記エ
アー吐出動作を複数回実施することが容易となる。この
際、定量ポンプ4が塗液を吐出しながら前記エアー吐出
動作を1回実施した後、再び弁を閉じてエアー吐出動作
待機に入るまでの時間をできるだけ短く設定してやれ
ば、1回の吐出中に前記エアー吐出動作を数多く実施す
ることができ、エアー抜き作業時間を短縮することがで
きる。フィルタ6以降の異常滞留による異物発生を抑制
するため、エアー抜き完了後は圧力計と弁をフィルタ6
とダイ口金7の間から除去することが好ましい。
【0063】なお、上流側スクリーン14および下流側
スクリーン15の材質は、剛性と防錆の点からステンレ
スとすることが好ましい。ただし、フィルタ13として
焼結金属フィルタのような剛性の高いものを使用する場
合は、下流側スクリーン15はなくてもよい。
【0064】デッドスペースを実質上形成しない環状シ
ール材17の形状としては、ハウジングへの密着性の点
から、断面が方形であることが好適であり、材料として
は、耐薬品性に優れ、膨潤しにくい赤シリコン、テフロ
ン(登録商標)等が好ましい。
【0065】フィルタ13として使用可能なものとし
て、前述のようにポリプロピレン、ポリエチレン、四フ
ッ化エチレン、グラスファイバー等の織布・不織布、多
孔質セラミック、焼結金属等があるが、濾過性能を満た
すなら、これら以外のものを使用してもよい。最も好ま
しいのは、前述のようにステンレス焼結金属である。
【0066】特にカラーフィルタ用顔料分散カラーペー
ストに適用する場合について、以下に詳細に説明する。
【0067】着色剤としては、有機顔料、無機顔料など
を用いることができ、色度特性や耐熱性、耐薬品性、耐
光性などの点で有機顔料を使用することが望ましい。さ
らに、紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤などの種々
の添加剤を添加しても良い。特に、顔料の分散安定性を
向上させ、降伏値を下げるためには、分散安定剤を添加
することが望ましい。
【0068】またブラックペーストにおいては、遮光剤
として、カーボンブラック、酸化チタン、酸窒化チタ
ン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属
粉の他に、赤、青、緑色の顔料の混合物などを用いるこ
とができる。この中でも、カーボンブラックは遮光性が
優れており、特に好ましい。分散性に優れた粒径の小さ
いカーボンブラックは主として茶系統の色調を呈するの
で、カーボンブラックに対する補色の顔料を混合させて
無彩色にするのが好ましい。また、基板に平行な向きの
電界で駆動する液晶表示装置に用いるカラーフィルタ用
のブラックペーストには、ブラックマトリックスの体積
抵抗値を高くするために酸窒化チタンを使用することが
好ましい。これらのブラックペーストには、着色ペース
トの場合と同様に、紫外線吸収剤、分散剤、およびレベ
リング剤などの種々の添加剤を添加しても良い。特に、
遮光剤の分散安定性を向上させ、降伏値を下げるために
は、分散安定剤を添加することが望ましい。
【0069】ペーストに用いられるマトリックス樹脂と
しては、特に制限はなく、エポキシ系樹脂、アクリル系
樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミ
ド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびゼラチンなど
の感光性または非感光性の材料が好ましく用いられ、着
色剤または遮光剤をこれらの樹脂中に分散あるいは溶解
させて着色することが好ましい。
【0070】感光性の樹脂としては、光分解型樹脂、光
架橋型樹脂、光重合型樹脂などのタイプがあり、特に、
エチレン不飽和結合を有するモノマ、オリゴマまたはポ
リマと紫外線によりラジカルを発生する開始剤とを含む
感光性組成物、感光性ポリアミック酸組成物などが好適
に用いられる。
【0071】非感光性の樹脂としては、上記の各種ポリ
マなどで現像処理が可能なものが好ましく用いられる
が、透明導電膜の成膜工程や液晶表示装置の製造工程で
かかる熱に耐えられるような耐熱性を有する樹脂が好ま
しく、また、液晶表示装置の製造工程で使用される有機
溶剤への耐性を持つ樹脂が好ましいことから、ポリイミ
ド系樹脂、アクリル樹脂が特に好ましく用いられる。
【0072】マトリックス樹脂がポリイミド系樹脂の場
合、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(以
下、NMPとする)、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系極性溶
媒、γ−ブチロラクトン(以下、γBLとする)などの
ラクトン系極性溶媒などが好適に使用される。
【0073】ポリイミド系樹脂としては、特に限定され
ないが、通常下記の一般式(1)で表される構造単位を
主成分とするポリイミド前駆体(n=1〜2)を、加熱
もしくは適当な触媒によってイミド化したものが好適に
用いられる。
【0074】
【化1】
【0075】また、ポリイミド系樹脂には、イミド結合
の他に、アミド結合、スルフォン結合、エーテル結合、
カルボニル結合などのイミド結合以外の結合が含まれて
いても差し支えない。
【0076】上記一般式(1)中、R1は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する3価または4価の有機基であ
る。耐熱性の面から、R1は環状炭化水素、芳香族環又
は芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の3価ま
たは4価の基が好ましい。
【0077】R1の例として、フェニル基、ビフェニル
基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジフ
ェニルエーテル基、ジフェニルスルフォン基、ジフェニ
ルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフル
オロプロパン基、シクロブチル基、シクロペンチル基な
どが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】R2は少なくとも2個以上の炭素原子を有
する2価の有機基であるが、耐熱性の面から、R2は環
状炭化水素、芳香族環又は芳香族複素環を含有し、かつ
炭素数6〜30の2価の基が好ましい。R2の例とし
て、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフ
タレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェ
ニルスルフォン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェ
ノン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニ
ルメタン基、ジシクロヘキシルメタン基などが挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0079】前記一般式(1)を主成分とするポリマに
おいては、R1、R2が上記したもののうち、各々1種
類から構成されていても良いし、各々2種以上から構成
される共重合体であってもよい。さらに、基板との接着
性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲でジ
アミン成分として、シロキサン構造を有するビス(3−
アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどを共重
合するのが好ましい。
【0080】前記一般式(1)を主成分とするポリマの
具体的な例として、ピロメリット酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルトリフルオロプロパンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスル
フォンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカ
ルボキシシクロペンチル酢酸二無水物などからなる群か
ら選ばれた1種以上のカルボン酸二無水物と、パラフェ
ニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジ
フェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルフォン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノベンズアニリドなどの群から選ばれた少なくと
も1種以上のジアミンから合成されたポリイミド前駆体
が挙げられるが、これらに限定されない。これらのポリ
イミド前駆体は公知の方法、すなわち、テトラカルボン
酸二無水物とジアミンを選択的に組み合わせ、溶媒中で
反応させることにより合成される。
【0081】本発明のカラーフィルタ用ペーストは、例
えば、溶媒中に樹脂と着色剤または遮光剤を混合させた
後、三本ロール、サンドグラインダー、ボールミル、サ
ンドミル等の分散機中で分散させる方法などにより製造
することができる。
【0082】次に、本発明のカラーフィルタ用ペースト
を用いたカラーフィルタの製造方法について説明する。
【0083】すなわち、上記したカラーフィルタ用ペー
ストを使用してカラーフィルタの製造を行うものであ
り、具体的には透明基板上に、着色ペーストおよび/ま
たはブラックペーストとして、上記したカラーフィルタ
用ペーストを塗布することによりカラーフィルタを製造
することができる。
【0084】以下、カラーフィルタの製造方法について
例を挙げてさらに説明する。
【0085】本発明においてカラーフィルタは、透明基
板上に3原色からなる着色層を複数配列したものであ
り、カラーフィルタは3原色からなる各着色層により形
成された画素を一絵素とし、多数の絵素により構成され
たものを意味する。
【0086】また3原色としては、加色混法によりカラ
ー表示を行う場合には、赤(R)、緑(G)、青(B)
の3原色が選ばれ、減色混法によりカラー表示を行う場
合には、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロ
ー(Y)の3原色が選ばれる。これらの3原色を含んだ
要素を1単位としてカラー表示の絵素とすることができ
る。
【0087】透明基板としては、特に限定されるもので
なく、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸
塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス
などの無機ガラス類、有機プラスチックのフィルムまた
はシートなどが好ましく用いられる。
【0088】着色層は、例えば、着色ペーストを直接あ
るいはあらかじめブラックマトリックスを形成した透明
基板上に塗布・乾燥した後に、パターニングを行うこと
により形成することができる。
【0089】なお、ブラックペースト、着色ペーストを
塗布する方法としては、先に述べたスピンコーティング
法、ロールコーティング法、バーコーティング法、ダイ
コーティング法などを用いることができ、ダイコーティ
ング法が好ましく挙げられるが、これらの方法に特に限
定されない。なお、ダイコーティング法で用いられるダ
イ口金の詳細を図10に示した。即ち、ダイ口金7は、
長尺なブロック形状のリアリップ71とフロントリップ
72の間に図示しないシムを挟みこみ、図示しない複数
の連結ボルトで相互に一体的に結合して構成されてい
る。ダイ口金7の内部では、その中央部分にマニホール
ド73が形成されており、マニホールド73は口金供給
ホース70に内部通路(図示しない)を介して常時接続
されている。そして、マニホールド73は、リアリップ
71、フロントリップ72の間に挟みこんだシムと同じ
厚さを持つスリット74とつながっている。このスリッ
ト74の下端は、吐出面75にて開口して、塗液を吐出
する吐出口76になっている。そして塗液が吐出口76
から吐出されると、吐出面75と被塗工材9との間にビ
ードCが形成される。被塗工材9はステージ80に吸着
保持され、任意の速度で往復動させることができる。
【0090】なお、本発明ではダイコータを例として説
明したが、本発明の濾過装置は、スピンコータ、バーコ
ータ、ロールコータ等すべての塗布装置にも好ましく適
用することができる。
【0091】また、被塗工材9としてはガラス基板の他
にアルミ等の金属板、セラミック板、シリコンウエハー
等を用いても良い。
【0092】透明基板へペーストを塗布してウェット膜
を形成した後、オーブンやホットプレートを用いて加熱
乾燥(セミキュア)を行う。セミキュア条件は、使用す
る樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異なるが60〜2
00℃で1〜60分加熱することが好ましい。
【0093】このようにして得られたペースト塗膜は、
樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ型フ
ォトレジストの塗膜を形成した後に、また、樹脂が感光
性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮断膜
を形成した後に、露光・現像を行い、樹脂ブラックマト
リクス、着色層を形成することができる。必要に応じ
て、ポジ型フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去し、
再び、加熱乾燥(キュア)する。キュア条件は樹脂によ
り異なるが、ポリイミド前駆体からポリイミド系樹脂を
得る場合には、通常200〜300℃で1〜60分加熱
すればよい。
【0094】なお、着色層のキュア後膜厚は、要求され
る色特性と着色ペーストの着色剤/マトリックス樹脂比
率により決定される。なお着色剤/マトリックス樹脂比
率は重量比で5/95〜70/30の範囲が好ましく、
10/90〜60/40の範囲がより好ましい。着色剤
比率が5未満の場合、十分な色純度を得るために塗布す
る必要のある膜厚が厚くなり、画素間の段差が大きくな
り、液晶の配向不良などの弊害が発生することがある。
着色剤比率が70を超えると、マトリックス樹脂が不足
するため画素の密着性が悪くなる傾向がある。着色剤/
マトリックス樹脂比率が上記好ましい比率である場合、
望ましい色特性を得るために塗布するキュア後膜厚を
0.2〜4μmとすることが好ましい。0.2μm以上
とすることが色純度の点で好ましく、4μm以下とする
ことが光透過率の点で好ましい。
【0095】なおブラックマトリックスには、通常(2
0〜200)μm×(20〜300)μmの開口部が設
けられるが、この開口部を少なくとも被覆するように3
原色からなる着色層が複数配列される。3原色のパター
ン配置は、モザイク型、トライアングル型、ストライプ
型、4画素配置型など目的により、いずれも好適に用い
ることができる。
【0096】また、上記製造方法においては着色ペース
トおよびブラックペーストの少なくとも一方に本発明の
着色ペースト、ブラックペーストを用いればよく、着色
ペーストとして本発明の着色ペーストを用いた場合は、
ブラックマトリックスが、Cr、Al、Niなどの金属
薄膜(厚さ約0.1〜0.2μm)やCrと透明基板間
に酸化クロムや酸窒化クロム等の層を設けた多層クロム
膜などの無機材料からなるものであってもよい。
【0097】なおブラックマトリックスの遮光性は、O
D値(透過率の逆数の常用対数)で表されるが、液晶表
示装置の表示品位を向上させるためには、好ましくは
2.5以上であり、より好ましくは3以上である。OD
値の上限は、ブラックマトリックスの膜厚により定めら
れる。
【0098】本発明のブラックペーストを用いた樹脂ブ
ラックマトリックスの場合、膜厚は、好ましくは0.5
〜1.5μm、より好ましくは0.8〜1.2μmであ
る。膜厚が、0.5μmよりも薄いと、遮光性の点で好
ましくない。また、膜厚が1.5μmよりも厚い場合
は、遮光性は確保できるものの、カラーフィルタの平坦
性が犠牲になり易く、段差が生じ易い。表面段差が生じ
た場合、カラーフィルタ上部に透明導電膜や液晶配向膜
を形成させても段差は殆ど軽減されず、液晶配向膜のラ
ビングによる配向処理が不均一になり、液晶表示装置の
表示品位が低下する。表面段差を小さくするためには、
着色層上に透明保護膜を設けることが有効である。
【0099】また、ブラックマトリックスの反射率は、
画素と遮光領域の境界面における反射光による影響を低
減し液晶表示装置の表示品位を向上させるために、40
0〜700nmの可視領域での視感度補正された反射率
(Y値)で2%以下が好ましく、より好ましくは1%以
下である。反射率が2%を越えると、表面反射光のため
に表示コントラストが低下する。
【0100】次に、本発明のカラーフィルタ用ペースト
を用いて作成したカラー液晶表示装置について説明す
る。本発明において、カラー液晶表示装置は透明電極基
板と透明電極を有するカラーフィルタにより液晶層を挟
持したものであり、カラーフィルタが上記したカラーフ
ィルタ用ペーストにより製造されたものであればよい。
カラーフィルタには、必要に応じて着色層上に透明保護
膜を設けても差し支えなく、また、カラーフィルタ上に
は透明電極としてITO膜などを形成した上で透明電極
基板を対向させる。
【0101】カラーフィルタと対向する透明電極基板と
しては、ITO膜などの透明電極が透明基板上にパター
ン化されて設けられ、さらに、透明電極基板に、透明電
極以外に、薄膜トランジスタ(TFT)素子や薄膜ダイ
オード(TFD)素子、走査線、信号線などを目的に応
じて設けることにより、TFT液晶表示装置やTFD液
晶表示装置を作製することができる。
【0102】なお、カラー液晶表示装置は、透明電極を
有するカラーフィルタおよび透明電極基板上に液晶配向
膜を設け、ラビングなどによる配向処理が施され、次
に、プラスチックビーズなどをスペーサーとして散布
し、シール剤を用いてカラーフィルタおよび透明電極板
を貼り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を
注入した後に、注入口を封止し、製造することができ
る。さらに、偏光板を基板の外側に貼り合わせた後にI
Cドライバーなどを実装することによりモジュールが完
成する。
【0103】上記した本発明のカラー液晶表示装置は、
パソコン、ワードプロセッサ、エンジニアリング・ワー
クステーション、ナビゲーションシステム、液晶テレ
ビ、ビデオなどの表示画面に用いられ、また、液晶プロ
ジェクションなどにも好適に用いられる。
【0104】なお、図2は図1と実質的な差がないた
め、説明を省略した。
【0105】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0106】また、実施例中で使用されるポリイミド前
駆体A−1、オリゴアミック酸分散剤A−2、カラーフ
ィルタ用顔料分散赤ペーストは次の方法で製造されたも
のとする。
【0107】A.ポリイミド前駆体A−1の製法 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、およ
び、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキ
サンをγBLおよびNMPの混合溶媒中で反応させ、ポ
リイミド前駆体A−1の溶液を得た。
【0108】B.オリゴアミック酸分散剤A−2の製法 3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物、無水ピロメリット酸二無水物、3,3’
−ジアミノジフェニルスルホン、および、ビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルジシロキサンをγBL溶媒
中で反応させた後、2−アミノアントラキノンで末端封
止し、オリゴアミック酸分散剤A−2の溶液を得た。
【0109】C.カラーフィルタ用顔料分散Rペースト
の製法ホモジナイザー(日本精機製作所製)を用い、ガ
ラスビーズ(東芝バロディーニ製GB737)を分散メ
ディアとして、7000rpmで30分間攪拌し、顔料
分散液を得た後、希釈し、以下の組成の着色ペースト
(固形成分濃度5.1wt%)を得た。本赤ペーストの
粘度は23mPa・sであった。
【0110】 赤顔料1:Pigment Red 254 0.8wt% 赤顔料2:Pigment Red 177 0.3wt% 黄顔料 :Pigment Yellow 138 0.3wt% 分散剤 :オリゴアミック酸A−2 0.1wt% 樹 脂 :ポリイミド前駆体A−1 3.6wt% 溶 媒 :NMP、γBL 94.9wt% 実施例1〜6、比較例1〜3 図1に示すダイコーティング方式にて清浄なガラス基板
(0.62m×0.75m)に上記Rペーストを100
枚塗布し、ポリマゲル状粒および顔料凝集粒の個数の推
移を調べた。結果を表1に示す。
【0111】
【表1】
【0112】注1) GF : グラスファイバー SUS : SUS316 PTFE : 四フッ化エチレン 注2) 樹脂はJIS K6911基づき測定した値、
GFおよびSUSは引っ張り試験機にて測定した値 注3) 塗布開始後1シート目の突起高さ10μm以上
のポリマーゲル状粒および顔料凝集異物の合計ををカウ
ントした。
【0113】注4) 100枚続塗工における注3記載
の異物の増加を調べた。
【0114】 良好 : ほとんど変化がない 不良 : 明らかに増加傾向が見られる ヤング率が200MPaより小さい濾材を使用した比較
例1〜3では、突起高さ10μm以上のポリマーゲル状
粒および顔料凝集粒の合計(表中では「凝集粒」と記
載)が著しく多いため、これを研磨テープ等による公知
の突起修正技術を用いて個々修正すると、修正に要する
時間が長く必要となり、実質上カラーフィルタの生産歩
留まりが低下する。また、このままカラーフィルタとし
て使用すると、対向する透明電極基板と凝集粒が接触し
て液晶表示素子の画素欠点となる。また、100枚連続
塗工における凝集粒の個数が明らかに増加傾向にあるた
め、フィルタの交換頻度を多くする必要がある。
【0115】一方、ヤング率が200MPa以上の濾材
を使用した実施例1〜6では、凝集粒が少なく、研磨テ
ープ等を用いた公知の突起修正技術により個々に修正可
能である。特にステンレス焼結金属を用い、かつ、最も
孔径の小さい濾材である実施例3においては凝集粒の発
生は皆無であった。また、実施例1〜6では、100枚
連続塗工における凝集粒の増加傾向も見られず、フィル
タの交換頻度も少なくて済む。
【0116】実施例7 360×465mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラ
ス基板上に、基板の幅方向にピッチが456μm、基板
の長手方向にピッチが152μm、線幅が30μm、R
GB画素数が1920(基板長手方向)×480(基板
幅方向)、全体の対角の長さが14.4インチ(基板幅
方向に219mm、基板長手方向に292mm)となる
格子形状で、厚さが1μmのブラックマトリックス膜を
形成した。ブラックマトリックス膜は、チタン酸窒化物
を遮光材、ポリアミック酸をバインダーとして用いたも
のであった。
【0117】次いで、上流側スクリーン14として開口
率60%で、開口部がφ0.5mmの多数の孔で形成さ
れた厚みもの、下流側スクリーン15として開口率90
%で、幅0.8mmの線状物で図9に示すようにスコー
プ形状に形成された厚みもの、フィルタ13として孔径
4μmで直径90mmの燒結金属フィルタを用い、さら
に内部流路形状を流入口19からフィルタ13に向かっ
て0.07の割合で拡大し、フィルタ13から流出口1
9に向かって0.22の割合で縮小する円鐘形状にした
図4に示す濾過装置10を用意した。この濾過装置10
を備えた図1に示すダイコータで、ポリアミック酸をバ
インダーとして、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2
−ピロリドンおよび3−メチル−3−メトキシブタノー
ルの混合物を溶媒として、さらに、ピグメントレッド1
77を顔料にして固形分濃度10%で混合し、さらに粘
度を50mPa・sに調整したRペーストをバッファタ
ンク2に充填し、定量供給ポンプ4で吐出速度8000
μl/s、吐出時間3s、吸引速度3000μl/s、
吸引時間8sの送液条件でバッファタンク2からダイ口
金7までエアーを排出しつつ、塗液の充填を行った。本
条件では、エアーを完全に排出するには10分間を要し
た。ここで、ダイ口金7にはスリット間隙100μm、
スリット幅220mmのものを用いて、ウェット洗浄に
よってパーティクルを除去した基板上に、基板との間隙
を100μmに設定して、塗布厚み20μm、塗布速度
3m/minにて全面均一に塗布した。塗布された基板
はホットプレートを使用した乾燥装置で100℃で20
分乾燥した。続いて、固形分濃度10%、粘度8%のレ
ジスト液を10μm塗布後、90℃のホットプレートで
10分乾燥後、フォトマスクを用いて露光・現像・剥離
をして、R画素部のみに塗膜を残し、260℃のホット
プレートで30分加熱して、キュアを行った。
【0118】同様の色塗膜の形成をG、B色について
も、R色と同様にダイコータを用いて、全面に均一な塗
膜を形成後、所定格子状パターンに加工を行って色塗膜
を形成した。ここでG色の塗布液には、R色の塗布液で
顔料をピグメントグリーン36にして固形分濃度10%
で粘度を40mPa・sに調整したもの、B色の塗布液
には、R色の塗布液で顔料をピグメントブルー15にし
て固形分濃度10%で粘度を50mPa・sに調整した
ものを用いた。
【0119】そして最後にITOをスパッタリングで蒸
着させ、カラーフィルタを作成した。作成したカラーフ
ィルタの膜厚と異物発生数を測定した結果、塗布開始部
および終了部の膜厚不良領域は平均9.5mmであっ
た。また、粒子径4μm以上の異物発生数は平均3個/
枚であった。
【0120】比較例4 次に、濾過装置として従来の濾過装置30を用いた以外
は上記実施例と全く同じ条件でカラーフィルタを作成し
た。同様に作成したカラーフィルタの膜厚と異物発生数
を測定した結果、塗布開始部および終了部の膜厚不良領
域は平均18mm、粒子径4μm以上の異物発生数は平
均7個/枚であった。
【0121】
【発明の効果】本発明では、ヤング率が200MPa以
上の濾材を使用したフィルタを具備することにより、被
濾過液の供給が非定常的な工程を有する場合、特に枚葉
塗工に必然となる塗液の間欠濾過における濾過圧力の急
峻な変化に対して孔径の変化がなくなるため、所望の濾
過精度を高く保つことができる。従って、塗液の製造工
程から混入する環境異物、また、塗液がポリマー溶液で
ある場合は、ポリマーゲルやモノマー残渣等の異物、塗
液がスラリーである場合は粒子の凝集物等やバインダー
樹脂(ポリマーまたはポリマー前駆体、感光性バインダ
ーを用いる場合はその前駆体等)起因の異物を効果的に
捕捉し、粒欠点のない高品位な膜面を得ることができ
る。
【0122】また、本発明では、流入口からフィルタに
向かって滑らかに拡大した形状、または、フィルタから
流出口に向かって滑らかに縮小した形状の流路を有して
いるので、濾過装置内の滞留箇所を皆無にして、エアー
を完全に排出することができる。さらに、フィルタの上
下流側に開口率60%以上のスクリーンを隣接して配置
し、さらにフィルタの周囲にデッドスペースを実質上形
成しない環状シール材を接して配置する構成を有してい
ることにより、一層その効果を高めることができる。し
たがって、滞留による異物欠点がなく、残留エアーによ
って塗布開始・終了時の吐出応答性が妨げられないため
に塗布開始部および終了部の膜厚精度が高く、膜厚均一
性に優れた高品質なカラーフィルタを高い生産性で製造
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイコータを使用した本発明の枚葉塗工の一実
施例を示すフロー図である。
【図2】ダイコータを使用した本発明の枚葉塗工の他の
実施例を示すフロー図である。
【図3】ダイコータを使用した本発明の枚葉塗工のさら
に他の実施例を示すフローずである。
【図4】本発明の塗工装置に備えた濾過装置の一実施例
を示す断面図である。
【図5】本発明の塗工装置に備えた濾過装置の他の実施
例を示す断面図である。
【図6】従来の塗工装置に備えた濾過装置を示す断面図
である。
【図7】図3の従来の濾過装置のシール部の拡大断面図
である。
【図8】上流側スクリーンの一実施例を示す平面図であ
る。
【図9】下流側スクリーンの一実施例を示す平面図であ
る。
【図10】ダイ口金部の断面略図である。
【符号の説明】
1:塗液タンク 2:バッファタンク 3:切替弁 4:定量供給ポンプ 5:切替弁 6:フィルタ 7:ダイ口金 8:ステージ 9:被塗工材 10:濾過装置 11:上流側ハウジング 12:下流側ハウジング 13:フィルタ 14:上流側スクリーン 15:下流側スクリーン 16:環状パッキン 17:デッドスペースを実質上形成しない環状シール材 18:流入口 19:流出口 20:濾過装置 21:上流側ハウジング 22:下流側ハウジング 28:流入口 29:流出口 30:従来の濾過装置 31:上流側ハウジング 32:下流側ハウジング 37:Oリング 38:流入口 39:流出口 70:口金供給ホース 71:リアリップ 72:フロントリップ 73:マニホールド 74:スリット 75:吐出面 76:吐出口 A:滞留部 B:デッドスペース C:ビード
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05C 5/02 B05D 1/26 Z 4F041 B05D 1/26 3/00 B 4F042 3/00 G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 B01D 35/02 Z (72)発明者 富松 伸二 滋賀県大津市園山1丁目1番1号東レ株式 会社滋賀事業場内 (72)発明者 小林 裕史 滋賀県大津市園山1丁目1番1号東レ株式 会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 2H048 BA43 BA45 BA47 BA48 BB42 4D006 GA02 HA41 JA02C JA14A JA14B JA18A JA18B KA12 KA72 KB17 KB30 KE05Q MA03 MA08 MA09 MA22 MB01 MB16 MC02 MC02X PA01 PB13 PC01 PC80 4D019 AA03 BA02 BA04 BA05 BB03 BB06 BB09 BC15 BD01 CB04 4D064 AA40 CD03 4D075 AC02 AC84 AC93 AC94 AC95 AC96 CA48 DA06 DB07 DB13 DB14 DC22 DC24 EA14 EB07 EB13 EB22 EB33 EB35 EB38 EB39 EC11 4F041 AA02 AA05 AB02 BA02 BA31 BA34 CA02 4F042 AA02 AA10 BA03 BA06 BA08 BA12 BA15 CB02 CB11 CB25

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗液を非定常的に供給する塗工装置におい
    て、フィルタを具備するとともに、前記フィルタの濾材
    のヤング率が200MPa以上であり、かつ、前記フィ
    ルタの孔径が0.05μm以上100μm以下であるこ
    とを特徴とする塗工装置。
  2. 【請求項2】塗液を間欠的に供給する枚葉塗工装置にお
    いて、吐出ノズル部より上流側にフィルタを具備すると
    ともに、前記フィルタの濾材のヤング率が200MPa
    以上であり、かつ、前記フィルタの孔径が0.05μm
    以上100μm以下であることを特徴とする枚葉塗工装
    置。
  3. 【請求項3】前記フィルタの濾材が焼結金属であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の塗工装置。
  4. 【請求項4】フィルタを使用する濾過装置において、流
    路が、流入口からフィルタに向かって滑らかに拡大した
    形状、および/または、フィルタから流出口に向かって
    滑らかに縮小した形状を有し、かつその拡大および/ま
    たは縮小の割合が式(1)および/または(2)を満た
    す濾過装置を備えたことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の塗工装置。 0.025≦hIN/(dFLT−dIN)≦1 (1) 0.1≦hOUT/(dFLT−dOUT)≦1 (2) dIN :流入口径[mm] dOUT:流出口径[mm] dFLT:フィルタで実際に濾過に使用される径[mm] hIN :流入口からフィルタまでの距離[mm] hOUT:流出口からフィルタまでの距離[mm]
  5. 【請求項5】前記フィルタの下流側に開口率60%以上
    のスクリーンを隣接して配置するものである請求項4に
    記載の塗工装置。
  6. 【請求項6】前記フィルタの上流側に開口率60%以上
    のスクリーンを隣接して配置するものである請求項4ま
    たは5に記載の塗工装置。
  7. 【請求項7】前記フィルタの周囲にデッドスペースを実
    質上形成しない環状シール材を接して配置するものであ
    る請求項4〜6のいずれかに記載の塗工装置。
  8. 【請求項8】粘度が100,000mPa・s以下であ
    る塗液を請求項1〜7のいずれかに記載の塗工装置を用
    いて塗布することを特徴とする枚葉塗工方法。
  9. 【請求項9】前記塗液がスラリーであることを特徴とす
    る請求項8に記載の枚葉塗工方法。
  10. 【請求項10】前記スラリーが顔料分散液であることを
    特徴とする請求項9に記載の枚葉塗工方法。
  11. 【請求項11】100g/s・m2以上の濾過速度で濾
    過を行うことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに
    記載の枚葉塗工方法。
  12. 【請求項12】前記濾過装置の下流側に圧力計と弁をこ
    の順で設置し、前記弁を閉じて送液して前記濾過装置の
    内圧を上昇させ、前記圧力計による検知圧力が設定値に
    達した時点で前記弁を急激に解放することにより、前記
    濾過装置内部の残存エアーを吐出させることを特徴とす
    る請求項4〜7に記載の枚葉塗工方法。
  13. 【請求項13】請求項8〜12のいずれかに記載の塗布
    方法を用いることを特徴とするカラーフィルタの製造方
    法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の製造方法により製造
    されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  15. 【請求項15】請求項14に記載のカラーフィルタを用
    いたことを特徴とするカラー液晶表示装置。
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